JAMA. 2013 Apr 24;309(16):1704-‐13.
2013年6月25日
慈恵ICU勉強会
• 2000-‐2001年, 663,635人, Cohort study • 18歳以上、非心臓手術 • 入院2日以内よりβ遮断薬を投与した群と それ以外で比較 • RCRI スコア2点以上 β遮断薬内服群で院内死亡率減少 • RCRIスコア1点以下 – 高血圧症例を除く – 高リスク手術症例を除く β遮断薬投与群で院内死亡率増加 • 問題点 – 入院期間のみの評価 – β遮断薬の種類が不明 – 手術日が不明
N Engl J Med 2005; 353: 349-‐61
• 23ヶ国、190施設、8351人の大規模RCT • 非心臓手術 • Metoprolol vs placebo • 手術2-‐4時間前から投与開始 • Primary endpoint(30日) – 心血管死亡, – 非致死的心筋梗塞 – 非致死的心停止 • Metoprolol投与群で有意に高かったもの – 全死亡率 – 脳梗塞発症率 – 治療の必要な低血圧、徐脈 • Metoprolol投与群で有意に低かったもの – Primary endpoint – 心筋梗塞 • 問題点 – Metoprolol 200mg/dayと高用量 – 手術2-‐4時間前からの 急激な用量調節
Lancet. 2008; 371: 1839-‐47
•
術後
30日
– 非致死的心筋梗塞 OR 0.65(95% CI, 0.54-‐0.79), NNT 63 – 心筋虚血 OR 0.36(95% CI, 0.26-‐0.50), NNT 16 – 全死亡率 OR 1.20(95% CI, 0.95-‐1.51) – 心血管死亡率 OR 1.15(95% CI, 0.85-‐1.56) – 心不全 OR 1.20(95% CI, 0.95-‐1.52) – 非致死的脳梗塞 OR 2.16(95% CI, 1.27-‐3.68), NNH 275 – 徐脈 OR 2.74(95% CI, 2.29-‐3.29), NNH 22 – 低血圧 OR 1.62(95% CI, 1.44-‐1.82), NNH 17 – 気管支攣縮 OR 0.98(95% CI, 0.56-‐1.72)Lancet. 2008; 372: 1962-‐76
•
POISE trialを含む33研究、12,306人
のメタ解析
•
POISE trialは8,351人と大きな比率を
しめたが、サブ解析で影響はないとさ
れた
• 左記結果より本研究では、非心臓手
術周術期に対してルーチンに
β遮断薬
を予防的に投与することを指示しない
•
ACCF/AHA guidelinesへの提言
周術期
β遮断薬投与の推奨度を下げ
なければならない
Circula5on. 2009; 120: 2123-‐2151
2007
2009
Class Ⅰ
継続投与
継続投与
心筋虚血が判明している高心血管リスク症
例での血管外科手術
Class Ⅱa
冠動脈疾患を有する血管外科手術
冠動脈疾患、心筋虚血が指摘されている血
管外科手術*
心疾患リスクを有する(虚血性心疾患、心不
全、脳血管疾患、糖尿病、腎不全のいずれ
かを1つ以上)血管外科手術
同左*
冠動脈疾患または心疾患リスクを有する中
リスク手術と血管外科手術
冠動脈疾患または心疾患リスクを有する中
リスク手術*
ACCF/AHAガイドライン 周術期β遮断薬
*用量調節(低血圧、徐脈に留意し滴定すること)
• 現状でわかっていないこと
– どのβ遮断薬を選択すべきか未確定であること
– いつからβ遮断薬を投与すべきか未確定であること
– どれくらいのβ遮断薬を投与すべきか未確定であること
• 今回の研究の意義
–
Propensity-‐score matched analysisを行っていること
–
β遮断薬の種類について言及されていること
– 入院中だけでなく、入院前からのβ遮断薬投与も含ま
• 対象
–
VASQIP データベースより収集
– 期間:
2005年10月1日~2010年9月30日
– 非心臓手術患者
• 血管外科
• 一般外科、脳外、整形、胸部外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科
–
RCRIスコアでリスク評価
• 除外基準
–
POD 0, POD 1に入院していない患者
–
POD 0, POD 1の死亡
– 複数手術施行患者
– 術前90日間~術後30日間でのデータ紛失
•
Outcome
–
Primary outcome
• 術後
30日の全死亡率
–
Secondary outcome
• 術後
30日のQ波心筋梗塞
• 術後30日の心停止
– 脳梗塞発生率についても検討
•
β遮断薬投薬状況
–
VHA PBM-‐SHGデータベースより収集
–
β遮断薬投与群:POD 0, 1にβ遮断薬が投与された患者
– 外来処方
• 入院前
90日、60日、30日、7日に処方されたβ遮断薬を調査
– 用量、期間は不明
–
Atenolol, Carvedilol, Metoprolol tatrate, Metoprolol succinate,
Others
–
β遮断薬を含む合剤は、β遮断薬として登録
– 術中の処方、電子カルテ以外での処方は把握できなかった
※VHA:Veterans Health Administra:on
Sta:s:cal analysis
• 後ろ向き観察研究
• バイアス調整
–
Propensity-‐score matched analysis
–
landmark analysis
• 感度分析
–
β遮断薬の短期投与・長期投与でのprimary and secondary
outcomeの比較
– 短期投与:手術7日前或いは30日前からの新規投与
– 長期投与:手術60日~90日前からの継続投与
Sta:s:cal analysis
• t検定
–
RCRI6項目の組み合わせとβ遮断薬投与・非投与における
死亡率の相関
• ロジスティック回帰モデル
–
POD0,1でのmetoprololとatenololの継続、中断症例で、
primary outcome、血管手術vs非血管手術を評価
•
Mantel-‐haenszel χ
2
検定:
2群の相関
• 両側検定、
p<0.05を有意差あり
Propensity-‐score matched analysis
•
Nonparsimonious logis:c regression modelを用
いて
propensity score(PS)を求めた
•
PS matching (1:1)
•
Greedy maching algorithm (a caliper width: 0.2)
•
2群間の全ての項目においてstandardized
differenceを求め、統計学的妥当性を評価
J Thorac Cardiovasc Surg. 2007; 134: 1128-‐1135
•
ini:al cohort
334,130人
• 除外項目該当患者数
-‐197,385人
•
final cohort
136,745人
•
Propensity-‐score matched analysis
【Full Cohort】 β遮断薬投与≫非投与 • 高齢者 • 白人 • 男性 • BMI • ASA ⅢⅣ • RCRI 各項目 • S-‐Cr • WBC count • 一般外科 • 血管外科 • 腹腔鏡下手術 • 血管内治療 • 手術時間 • 全身麻酔 β遮断薬投与≪非投与 • ASA ⅠⅡ • Hct • 脳神経外科 • 整形外科 • 耳鼻咽喉科 • 泌尿器科 • 緊急手術 • 脊麻、硬麻 【Matched Cohort】 β遮断薬投与≫非投与 • うっ血性心不全 • 脳神経外科 • 整形外科 β遮断薬投与≪非投与 • 高リスク手術 • 一般外科 • 胸部外科 • 泌尿器科 • 腹腔鏡下手術
【Full Cohort】 • β遮断薬投与患者数 55,138 人(40.3%) • β遮断薬投与患者の中で、手術90日以前 よりβ遮断薬が投与されていた患者 75.4% (95% CI, 75.0%-‐ 75.8%) • 手術90日前:β遮断薬非投与患者 13.6% (95% CI, 13.4%-‐ 13.8%) P<0.001 • 手術7日前でのβ遮断薬投与患者数 45,347 人(33.2%) • β遮断薬投与患者の中で、手術7日前より 以前からβ遮断薬の投与されていた患者: 66.1 % • β遮断約投与患者の中で、手術7日前から 新規にβ遮断薬が投与された患者:2.4 % • 外来 • Metoprolol tartrate 37.0% • Atenolol 26.9% • 入院 • Metoprolol tartrate iv 67.2% po 62.5% • Atenolol iv 0.2% po 24.4% 【Matched Cohort】 • β遮断薬投与患者で多かった他薬物 • Insulin: 19.9% vs 18.3%, p <0.001
•
PS matchingでそろえたはずの患者背景が検定
で
2群間に差があることについて
matchingに用いた全ての項目で2群のstandardized
differenceが10%以内に収まっていることが示された
よって、PS matchingとしては統計学的に妥当であったとし
ている
•
β遮断薬投与患者の中で
– 血管外科手術患者
66.7%(95% CI, 65.9%-‐67.5%)
– 非血管外科手術患者
37.4% (95% CI, 37.1%-‐37.6%)
RCRIが上昇すれば、
β遮断薬投与は増加する
•
RCRI=0
•
25.3% (95% CI, 24.9%-‐25.6%)
•
RCRI≧4
•
71.3% (95% CI, 69.5%-‐73.2%)
•
P<0.001
•
30日全死亡率
–
1568 人
1.1 % (95% CI, 1.1 -‐ 1.2%)
–
β遮断薬投与 1.4 % (95% CI, 1.3 -‐ 1.5%)
– 非投与
1.0 % (95% CI, 0.9 -‐ 1.1%)
–
p < .001
•
β遮断薬投与群では全死亡率が低い
rela:ve risk[RR] 0.73 (95% CI, 0.65-‐ 0.83)
NNT
241 (95% CI 173-‐ 397)
•
RCRIスコア 2
•
RR 0.63 (95% CI 0.5-‐0.8)
p<0.001
•
NNT105 (95% CI 69-‐212)
•
RCRIスコア 3
•
RR 0.54 (95% CI 0.39-‐0.73)
p<0.001
•
NNT41 (95% CI 28-‐80)
•
RCRIスコア 4以上
•
RR 0.40 (95% CI 0.25-‐0.73)
p<0.001
•
NNT18 (95% CI 12-‐34)
• 血管外科手術患者では、
β遮断薬投与群、非投与群での、死亡率
に差はなかった
• 手術部位での死亡率
• 血管外科
1.6% (95% CI, 1.4 -‐ 1.8%)
• 非血管外科
1.1% (95% CI, 1.0 -‐ 1.2%)
•
P < .001
•
Secondary outcomes:
– 術後心合併症罹患率
0.9% (95% CI, 0.8 -‐ 0.9%)
• β遮断薬投与 1.2 % (95% CI, 1.1 -‐ 1.3%) • 非投与 0.7 % (95% CI, 0.6 -‐ 0.7%) • p < .001
– 術後心合併症は、その後の死亡率を増やす
• 571 deaths (47.7%) vs 997 deaths (0.7%) • p < .001• Odds ra:o (OR) 123 (95% CI, 108 -‐ 140)