1 ラオス視察ミッション報告(2015 年度) 2015 年 12 月 13 日~19 日 国際機関日本アセアンセンター 日本アセアンセンターではラオス計画投資省(MPI)と共催で、2015 年 12 月 13 日から 19 日の間(巻末詳細日程参照)、企業及び関係自治体、調査研究者等からなる 15 名のラオ ス投資環境視察ミッションを派遣しました。ラオスの投資・ビジネス環境を視察し、また 高原地帯における農産物加工の可能性を模索することを当ミッションの目的とし、首都ヴ ィエンチャン及び南部パクセを巡りました。
首都ヴィエンチャンでは経済特区(SEZ)の一つ VITA Park(ビタパーク)及び商業施 設等を視察し、またラオス計画投資省(MPI)や日本大使館を表敬訪問しました。南部パ クセでは日系中小企業専用の新SEZ「パクセ-日本 SME 専用経済特区」を視察しました。 <ラオス一般概況> 面積:23 万 6,800k ㎡(日本の本州に相当) 人口:約689 万人(2014 年推定値) 首都:ヴィエンチャン (人口:約81 万人) 民族:ラオ族をはじめ計49 民族 公用語:ラオス語 宗教:仏教 通貨:キップ/ KIP 政治体制:人民民主共和制、一院制 主要産業:GDP 割合(2014 年度) 農業23.7%、工業 29.1%、 サービス39.8% 国家予算:29 兆 2,130 億キップ/ 約 36 億 US ドル(2015/16 年度) インフレ率:4.13%(2014 年)
1. VITA Park SEZ
プログラムのスタートとして、首都ヴィエンチャン近 郊のVITA Park SEZ を訪れました。ここはラオス SEZ 国家委員会が承認した 11 ヵ所の経済特区の一つで、ヴ ィエンチャン郊外約21km(中心部から約 30 分)、バン コク港までトラックで 12 時間の場所に位置します。総
2 敷地面積は 110ha、84 区画。現在 3 社の日系企業が操業していますが、今回うち日 系電子部品メーカーを視察しました。
2. ラオス計画投資省(MPI: Ministry of Planning and Investment)
ヴィエンチャン中心部に位置するラオス計画投資省 (MPI)。ラオス計画投資大臣 ソムディ・デゥアンディ 閣下を表敬訪問し、ミッション員との意見交換が行われ ました。機械化できず手作業が多い分野ほど、ラオス進 出の価値がより高いとのこと。(左写真、大臣表敬の様子。) 3. 縫製工場 100%ラオス資本のジーンズ縫製工場「VL Garment」の様子。 インド、パキスタンから原材料を輸入し、ドイツへ製品を輸出 する。工程ごとにラインを敷き、各人が部分的業務を行う。作 業スタッフのほとんどが若い女性。ラオス人ワーカーは非常に 真面目で手先が器用であり、黙々と作業を続けていました。 ビタパークへ向かう道中の都心部。 朝夕の通勤ラッシュ時は、3 車線の道路に も渋滞が発生する。撮影は、朝9 時頃。 主要路からビタパークに続く道。舗装はされ ているが、信号や街灯はなく、夜間は真っ暗 になるという。
3 4. ヴィエンチャンセンター(Vientiane Center) 中心部から車で 5 分程度、アパレルシ ョップ・飲食店・映画館等を抱える巨大 複合商業施設ヴィエンチャンセンターが あります。2015 年 3 月末にオープンした 中国資本のこの施設は、急発展を遂げる ラオスへの中国や韓国の進出を象徴する もの。施設の一部は未だに工事の途中。 平日の昼過ぎということもあってか、人 の出入りは疎らでした。 5. JETRO ヴィエンチャン事務所
中心部から車で10 分程度、Vieng Vang Tower(右写真) の4 階に事務所を構える JETRO ヴィエンチャン事務所に て、ラオスの投資概況と最新の企業動向について説明を受 けました。ラオスは、タイプラスワンとして2000 年から 縫製業、2010 年頃から電子部品製造業等、日系企業の進 出も増加傾向にあり注目を集めてきました。今後ラオスへ の投資を検討する際は、廉価な労働力・若く器用な労働 者・豊富な資源といった強みと、一方で希薄な人口・離職率の高さ・輸送コストといった 弱みを正しく認識するために実地調査を行うことが重要であるとのことです。 6. 食品加工販売企業
地元資本企業訪問の様子。「Xaoban Homemade factory(ヴィエンチャン)」はヨーグル ト、蜂蜜、ジャム等を手掛けています。ヨーグルトの原料である生乳はタイより輸入。身 体障害者を積極的に雇用する等、地元の雇用機会創出に一役買っています。
4 パクセへ移動後、食品(インスタントコーヒー)加工工場「Dao コーヒー」視察しまし た。350 人のワーカーのうち、200 人がベトナム人、残りがラオス人であり、ワーカーの平 均年齢は25 歳と非常に若い。近代的な製造機械は EU や日本から輸入、原料はラオス国内 で仕入れ、ラオス国内及びタイをマーケットとしています。 7. 在ラオス日本大使館 2015 年 12 月 8 日に駐ラオス日本国特命全権大使に着任された引原 毅氏を表敬訪問しま した。日・ラオス外交関係樹立60 周年を迎えた 2015 年、両国の関係は戦略的パートナー シップへ格上げされ、日本企業の進出数はここ2 年半で約 2 倍になる等、更なる関係の強 化が期待されています。また2016 年、ASEAN 共同体成立後最初の議長国を務めるラオス では、年間400 以上の会議の開催が見込まれるそうです。国境を 5 カ国(中国、ベトナム、 カンボジア、タイ、ミャンマー)に囲まれる ASEAN 地域唯一の内陸国には、周辺国との 絶妙なバランス感覚が重要であると、引原大使。さらに、希薄な人口に比べて広大な国土 があるラオスには、未開拓の地が広大にあり、その活用が今後の発展の鍵を握るとのこと でした。 8. 無農薬農場 パクセから車で1 時間、標高 1000m を超えるボベロ ン高原にあるタイ資本の無農薬農場「Adam Farm」。 ラオスで開業12 年目を迎えるこの農場では、スタッフ 13 名(タイ人 5 名、ラオス人 8 名)と約 50 名の農家 ヘルパーが働いています。ラオスで生産し、タイ等に輸 出。バンコクまで車で 8 時間、週 2 回 1.5t ト ラックで輸送します。タイでは気温が上昇し続ける一方、 パクセの高原は通年で気温が農業に適しています。また人 件費が低廉のため、割高の輸送費を含めても、より質の高 い無農薬商品を廉価で販売することが可能になります。
5 9. チャンパサック県庁 パクセ中心部に位置するチャンパサック県庁。チャンパサック県知事 Bounthong DIVIXAY 氏を表敬訪問しました。 10. パクセ-日本 SME 専用経済特区(SEZ) ラオス南部チャンパサック県、パクセ中心部から 17km(車で 30 分)、ラオスで 11 番目に正式認可 を受けた「パクセ-日本 SME 専用経済特区(SEZ)」 があります。ヴィエンチャンや中南部サワナケット には日本大手メーカーが既に進出していることを 踏まえ、この新たな SEZ は誘致対象を日本の中小 企業に絞り、10 年間の免税措置など安定操業しや すい環境を整えています。総敷地面積は650ha で、 日系中小企業6 社が既に操業しています。 日系カツラ工場
6 日系紡績工場
7 11. その他 12. 雑感 私にとって初めてのラオス訪問でした。高い建物が少なくこじんまりとした町、舗装さ れていない道路、土産物屋の前を通っても執拗な客引きを受けることもない。時間の流れ を忘れさせる長閑な町の雰囲気を味わって、「ラオスに好感を持つ人が多い」理由を見た気 がします。 これまで ASEAN 地域であまり目立っていなかったラオスには、メコン地域国として経 済発展が必須です。2016 年に議長国を務める機会は一つのチャンスですし、今回訪れた経 済特区(SEZ)など行政の取り組みは、それを大きく後押しすると期待されます。しかし、 町を歩くと、何か違和感があります。街中で生活する人々は多様で心豊かに見え、まるで 国が目指している理想と、ラオス国民が抱く理想に食い違いがあるかのような。タイやベ トナムがそうであるように、ラオスにもグローバリズムと資本主義の波は押し寄せてきて おり、数年のうちに変わっていってしまうように思います。その時、ラオスの多様性、心 豊かさをいかに残せているか。周辺国の侵攻に左右されない、伝統の継承とバランスの取 れた経済発展、それが引原大使の言う「絶妙なバランス感覚」なのかもしれません。今後 も私の想像を良い意味で裏切ってくれることを期待したいと思います。(jh) ラオスの伝統料理 凱旋門 / ヴィエンチャン トゥクトゥク / パクセ 建設進行中の住宅 / ロンタン SEZ(ヴィエンチャン)
8 ラオス投資環境視察ミッション(7日間) 日程表 月 日 テーマ 予定時間 日 程 1 12 月 13 日 (日) ヴィエンチャン 成田発 ヴィエンチャン着 10:00-17:50 19:30 20:00- 成田(第1ターミナル北ウイング)発 (ハノイ経由)ヴィエンチャン着(VN311/289 便) (空港内荷物ターンテーブル前集合) 結団式(夕食会)LAO KITCHEN 【ヴィエンチャン泊】 2 12 月 14 日 (月) ヴィエンチャン 表敬訪問・ ブリーフィング・ 工場訪問 10:00-11:30 12:15-13:30 14:00-15:30 16:00-17:00 19:00- 日系電子部品メーカー(ビタパーク) 昼食(KUA LAO) 計画投資大臣表敬・ブリーフィング VL Garment(ラオス資本縫製工場) 日本人駐在員4 名との意見交換夕食会 【ヴィエンチャン泊】 3 12 月 15 日 (火) ヴィエンチャン 表敬訪問・ ブリーフィング・ 商業施設・ 工場訪問 08:00-09:30 10:30-11:30 12:00-13:00 13:30-14:30 14:45-15:30 16:00-17:00 市内視察(寺院、市場等) ジェトロ・ヴィエンチャン事務所ブリーフィング 昼食(TAMNAK LAO)
Xaoban Homemade factory
(地元資本食品加工販売(ヨーグルト)) 商業施設視察 日本大使表敬・意見交換 夕食(自由) 【ヴィエンチャン泊】 4 12 月 16 日 (水) パクセ ヴィエンチャン発 パクセ着 ボロベン高原高 原野菜・有機農 園・コーヒー加 工 10:10-11:25 12:30-13:30 PM 19:00- パクセへ飛行機移動(QV223)
昼食(DOK KHOUN RESTAURANT) 無農薬農場視察(タイ資本 Adam Farm) 食品加工工場視察(Dao コーヒー) 夕食会(MEKON LANXANH HOTEL)
9 5 12 月 17 日 (木) パクセ 表敬訪問・ タ イ プ ラ ス ワ ン の 日 系 中 小 企業 10:00-11:00 12:00-13:00 PM 19:00- チャンパサック県知事表敬・ブリーフィング 昼食(PAKSE HOTEL) パクセ-日本SME 専用工業団地(SEZ)・ 進出日系工場(着物小物、電子部品、カツラ等訪問 日本人駐在員との夕食会
(CHANPASAK GRAND HOTEL)
【パクセ泊】 6 12 月 18 日 (金) ホーチミン パクセー発 ホーチミン着 市内視察・ 移動 09:55-11:30 PM 13:30-14:30 14:30- ホーチミンへ飛行機移動(QV515) 昼食(NAM PHAN) ジェトロホーチミン事務所ブリーフィング 自由行動 【ホーチミン泊】 7 12 月 19 日 (土) ホーチミン発 成田着 06:35-14:10 14:10 ホーチミン発-成田行き(VN302) 成田着 以上