Linux ディストリビューターが語る
「組込みLinux」の今
サイバートラスト株式会社
伊東達雄
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2
今回のイチオシ
この夏、組込みLinuxで抑えておきたいポイントは?
1
2
3
組込み向けLinux、保守は大丈夫?
超長期サポートを実現するための取組み
リアルタイム処理はしたい、でもネットワークやリッチなGUIも実現したい。
LinuxとRTOSの”イイトコ”取りを実現するOpenAMP
そのセキュリティ処理、ほんとに安全?
TrustZoneを活用したOP-Teeでデバイスのセキュリティを確保する。
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4
新生サイバートラスト:ソフトバンクグループと合併
● 認証局
● IoT脆弱性診断
● Linux Distributor
● 組込み用Linux
ミラクル・リナックス
株式会社
サイバートラスト
株式会社
東証1部上場
東証1部上場
ソフトバンク グループ
ソフトバンク・テクノロジー グループ
合併
サイバートラスト:事業領域
国内電子認証局の運用
Linux/OSS の専門性
電子認証の専門性
ITインフラを支えるLinux提供
組込みLinux
IoT 電子認証
認証・セキュリティ事業
IoT事業
Linux/OSS事業
サイバートラストの認証事業とミラクル・リナックスの組込みLinux 事業の組み合わせで
IoT 時代のデファクトスタンダードへ
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6
OSS事業のコアコンピタンスと 製品
専用OS領域
従来型サーバ領域
Linux開発
●
独自カーネル
●
ネットワーク
●
マルチアーキテクチャ
●
FastBoot
コアコンピタンス:OS技術、Linuxディストロ技術、エンタープライズサポート技術
ビジネスセグメント:コアコンピタンスを差別化に活用できるエリア、クラウド領域と組込み(車載)領域に注力
サーバOS/クラウド基盤
●
カーネル
●
ドライバ作成、解析
●
障害解析、対応
統合監視.統合運用
●
HW,SWアプライアンス
●
クラスタ対応
●
仮想化、DB、HW監視
テンプレート提供
●
他社、OSSを含む複合環境
の統合HAPI(*1)
Linux
OS
Linux
組込
Linux
デジタル・サイネージ
●
映像再生特化OS
●
HWアプライアンス
●
個別開発対応
●
リアルタイム性能強化
●
ブラウザ技術
映像系
ソリューション
IVI,IoT デバイス制御
コア・コンピタンス
OS技術
コミュニティ連携
サポート技術
(*1)Hatohol Arm Programming Interface:外部連係通信機能
システムバックアップ
●
VMWare、仮想環境や固有
のファイルシステムも完全
バックアップ
●
最新機器への対応
●
長期間サポート
インフラ
ソリューション
MIRACLE LINUX採用実績
ファクトリーオートメーション
通信・交換機
鉄道/航空
オートモーティブ
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8
サイバートラストとARMのシナジー
❏ 組込みLinuxでの協業
❏ ヘテロマルチコア環境の活用
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み
ら
く
る
ちゃん
● オープンで明るく元気
● 葉っぱとペンギンが
モチーフ
● Linuxの
妖精
で人間とLinux
が仲良くなれるようにがん
ばっているよ
と
ら
す
と
ちゃん
● しっかり者のおねえさん
● 鍵やスーツ、裁判官が
モチーフ
● 信頼と認証の
女神
でみんな
が安心・安全に暮らせるよう
に世界を支えているんだ
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12
かーねる
くん
● Asianuxのカーネルがからうまれ
たLinuxの
妖精
● みらくるちゃんの
子分
なんだ!
● みらくるちゃんと一緒に人間と
Linuxが仲良くなれるようにがん
ばっているよ
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14
組込みソリューション【EMConnect】
EMTee
EMDuo
EMLinux
同一SoC上でLinux/RTOS同時実行を実現
豊富な実績を持つ国産組込み向けLinux OS
Armの機能を使った組込み向けセキュアOS
商用組込みLinux、SecureOS、Linux/RTOS共存、Web GUI
次世代の組込み業界ニーズに応えるソリューション群
EMBrowser
HMIとして利用できる、
HTML5インターフェース
EMConnectシリーズ
TrustZone
EMLinux
RTOS
EMTee
Cortex-A53
Cortex-R5
Cortex-A53
Cortex-R5
EMBrowser
EMDuo
長期サポート(CIP)
組込み技術の取組み
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16
IoT機器に関連する政府の動向
【改正民法2020年4月施行】
●
IoT機器も5年間はセキュリティパッチ供給が定常化へ
【米議会2017年8月上院提出】
●
国が調達する重要IoT機器はアップデート可能であること
【総務省2017年9月実施】
●
脆弱なIoT機器を調査し、メーカ―と所有者と情報共有
【総務省2017年10月公開】
●
IoTセキュリティ総合対策
■
IoT機器のICチップに電子署名
■
適合品への認定プログラム案あり
ソフトウェア・アップデートとRoot of Trustがセキュリティ対策の基本
SW Updateが必須機能へ
(OTA:Over-the Air)
鍵管理が標準へ
(Root of Trust)
長期サポート体制:OSSコミュニティ及びSoCメーカーとの連携
ソース管理システム
OSS
コミュニティ
MIRACLE LINUX
Asianux
お客様専用Linux
お客様専用Linux
お客様専用Linux
Embeded MIRACLE
SoC
メーカー
コミッター エンジニア
パッチ投稿
機能のバックポート
HWの問題の
エスカレーション
●
サイバートラストが長期サポートできる理由
○
15年間維持しているエンタープライズLinux MIRACLE LINUX/Asinauxの実績
○
MIRACLE LINUX や様々なお客様のカスタマイズLinuxを共通化し一括管理システム
○
SoCメーカーとのアライアンスで、KernelとHWの境界問題もサイバートラストが1stで対応
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18
• Linux Foundation傘下のオープンソースプロジェクトとして2016年4月設立
– ファウンダー:
東芝、日立、シーメンス、
Codethink、Plathome
– その後、ルネサス、Moxa、CTJが参加
• CIPの目的
– 社会インフラ構築のためのソフトブロックとして
超長期で使用・実装可能なIndustrialグレードの
オープンソースベースレイヤを提供
– Upstreamコミュニティと密に協業
– 新たなLinux Distroをつくるものではない
CIP(Civil Infrastructure Platform)
Platinum Members
Silver Members
交通運輸
エネルギー
産業
その他
鉄道オートメーション
車両制御
発電
産業オートメーション
CNC
ビルオートメーション
健康管理
OSSJ 2018 “Civil Infrastructure Platform: 2 Years
Experience of Industrial-grade Open Source Base
Layer Development and Its Future” (Yoshitake
Kobayashi, Toshiba Corporation) をベースに改版
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活動スコープ
User space
Kernel space
Linux Kernel
App container
infrastructure (mid-term)
App Framework
(optionally, mid-term)
Middleware/Libraries
Safe & Secure
Update
Monitoring
Domain Specific communication
(e.g. OPC UA)
Shared config.
& logging
Real-time support
Real-time /
safe virtualization
Tool
s
Concepts
Build environment
(e.g. bitbake, dpkg)
Test automation
Tracing & reporting
tools
Configuration
management
Device management
(update, download)
Functional safety
architecture/strategy,
including compliance
w/ standards (e.g., NERC
CIP, IEC61508)
Long-term support
Strategy:
security patch
management
Standardization
collaborative effort with
others
License clearing
Export Control
Classification
デバイス上のソフトスタック
製品開発/メンテナンス
Application
life-cycle management
Security
Multimedia
Super Long Term Supported Kernel (STLS)
1
3
2
CIP Core Packages
4
4
1
4
Open Source Summit Japan 2018
20
1
2
3
4
4
4
1
OSSJ 2018 “Civil Infrastructure Platform: 2 Years
Experience of Industrial-grade Open Source Base
Layer Development and Its Future” (Yoshitake
CIPが使用するLTSバージョン
OSSJ 2018 “
Using Linux for Long Term -
Community Status and the Way We Go”
(Tsugikazu Shibata, NEC
) から引用・加筆
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CIPと他のプロジェクトとの関係
●
CTJはCIPに参画し、コミュニティと連携した超長期サポート体制を確立します
● CIPでは各OSSコミュニティの成果と連携し、社会インフラ向けベースレイヤーのLinuxを提供
● CIPはReal-Time Linuxプロジェクトのゴールドメンバーとして連携
●
LTS (4.4)をターゲットにしたカー
ネルサポート
●
RealTime サポート
●
必要に応じLinus Treeからバッ
クポート
●
ユーザランドはDebian LTSを
使用
●
Debian スポンサー
Collaboration
●
主要なパッケージに対する
セキュリティアップデート
●
ソース、パッチ管理
●
アップストリーム
●
厳密なOSSライセンスチェック
●
Linuxカーネルパッケージ協調
KernelCI
CI/Test
CIP活動に参加するには?
最新情報は以下から入手可能:
• CIP Mailing list:
cip-dev@lists.cip-project.org
他のリソース
• CIP Web site:
https://www.cip-project.org
• CIP Blog:
https://www.cip-project.org/blog
• CIPをカバーする記事:
https://www.cip-project.org/news/in-the-news
• CIP Wiki:
https://wiki.linuxfoundation.org/civilinfrastructureplatform/
CIPソースコード
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組込み技術の取組み
Linux
RTOS
OpenAMP
EMDuo:LinuxとRTOSの共存アーキテクチャ
・Linux:
- クラウド連携
- OSS資産の活用
・RTOS:
- リアルタイム性能担保
- 既存資産の活用
Wifiドライバ
デバイス制御
■ ひとつのSoCでコアごとにRTOSとLinuxを同時に実行
■ ARMが提唱するヘテロコア環境の実現
■ RTOSのリアルタイム性とLinuxの開発効率の両方メリットを享受
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RTOSでリアルタイム処理をしながら
Linuxでネットワーク接続やグラフィック処理が可能です
Linuxを使いたい理由
ネットワーク接続
ユーザインターフェース
Cortex-A75
Linux
RPMsg
LTE、Wifi
RTOS
デバイス
Cortex-A55
RPMsg
OpenAMP
Cortex-A75
Linux
RPMsg
RTOS
Cortex-A55
RPMsg
OpenAMP
アニメーション効果
3次元効果、など
CLICK
!!
H.264エンコード
動画
GUI
EMDuo/OpenAMP性能
●
EMDuo RPMsg転送性能
○
RTOSからLinuxにrpmsg_sendで100バイト転送
○
処理時間
■
RTOS(rpmsg_send処理)
117μs
■
Linux(callback受信処理)
18μs
●
OpenAMP上でのTCP/IP実装の課題(
TCP/IP over rpmsg OpenAMP with Udoo Neo
)
○
ARM SoC上のCortex-A9 とCortex-M4でrpmsg上にTCP/IPの通信を実装
■
512バイト(デフォルト)を使用
○
iperf (ネットワーク機器向けベンチマーク)では、 約700Kbit/s
ハードウェア
RTOS側ソフトウェア(バージョン)
Linux側ソフトウェア(バージョン)
・ZYNQ 7020(最大 866MHz)
Dual ARM Cortex-A9 コア
・FreeRTOS(9.01)
・libopenamp(1.3)
・libmetal(1.4)
・Linuxカーネル(4.9.0 (+xilinx patch)
・libmetal(v2017.10)
・OpenAMP(v2017.10)
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Linuxのリアルタイム性能向上
●
ターゲット: Rasberry Pi 3 (32bit)
●
OS: Raspbian 9
●
カーネルバージョン : 4.14.33と4.14.34-rt27(PREEMPT_RT適用カー
ネル)
●
測定方法
○
Vanillaカーネルと PREEMPT_RT適用カーネルで cyclictestを
使って性能を測定
○
cyclictest
・nanosleepを定期的に繰り返し、スリープから起きる
理想的な時刻と実際に起きた時刻の差分を計算する
・cyclictest -p 90 -m -c 0 -i 200 -n -v 100 -q -l 5000
●
-p: プロセスプライオリティ
●
-i: インターバル
●
-l: 測定回数
●
-n: nanosleep
リアルタイムパッチによって、応答時間半減、
応答最大最小値5分の1に短縮
Preempt Real Time Patch性能
性能測定条件
リアルタイムパッチ
通常カーネル
レイテンシー( μs)
個数
通常カーネル
Preempt RT Patch
最小値:29us、最大値:150us、平均値:39us 最大最小差:121us
最小値:14us、最大値:39us、 平均値:18us 最大最小差:25us
LinuxとRTOSの比較
Linux
RTOS
起動時間
秒オーダー
・Linux高速起動ソリューション( FastBoot)で、
数十秒の立ち上がり時間を一桁秒に短縮可能
ミリ秒オーダー
応答性
数十マイクロ~ミリ秒オーダー
・Preempt Real Time Patchで割込み応答性、 応答
時間の揺らぎ を大幅改善
マイクロ秒オーダー
・最悪応答時間の保証
フットプリント
16MB以上
・アプリケーションに依存※
数百KB以上
・アプリケーションに依存
プログラミングモデル
タイムシェアリング(他動式)
FCFS/優先度方式等(自律式)
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30
全4回の連載で
Linux移行の疑問を解消
RTOSから組込みLinuxへの移行支援
掲載から3年が経過した今も
「ITRON」や「VxWorks」などの
ユーザにが参考にしている。
◎第1回:リアルタイム OSからLinuxへ
◎第2回:組込みOSの比較と選択
◎第3回:組込みLinux導入の注意点
◎第4回:組込みLinuxのトラブルと
ディストリビューションの必要性
これからLinuxに移行を考えている
人を支援する目的で、組込み
LinuxとRTOSの違いやLinux選定
の注意点などを、4回の連載に分
けて解説。
https://www.miraclelinux.com/product-service/total-embedded/point
組込み技術の取組み
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TrustZone:EMTee (OP-TEE商用版)
Arm TrustZoneを利用:証明書の管理や暗号化、DRM処理などの
秘匿性の高い処理をSecure Worldで実行し、Normal Worldから隔離
Kernel
GlobalPlatform
TEE Client API
GlobalPlatform
TEE Internal API
TEE core
【 Normal World 】
Linux
【 Secure World 】
OP-TEE
Arm® TrustZone®-enabled chipset
Secure
Monitor
HAL
DRM
SW更新
機器証明
optee_core
Trusted
Application
ID
●
IoT機器に埋め込まれた電子証明書は、Secure
World内でのみアクセスできるようにすることで、
電子署名の改ざん、なりすましを防止
●
IoT機器からクラウドに送達する情報に電子署名
を行うことで、IoT機器の真正性を担保
●
IoT機器情報取得例
1.
IoT機器からクラウドにアクセス
2.
クラウド上のIoT機器管理サービスからIoT機
器に問い合わせ
3.
Normal WorldのアプリからSecure Worldの
電子署名アプリに機器IDを依頼
電子証明書をSecure Worldに格納することで、
IoT機器証明の信頼度をより一層高める
ことができます
EMTee活用例
①
電子署名
④
Arm TrustZone-enabled Chip
Linux/
Android
optee
core
Secure World
Normal World
ATF
Uboot
Secure
Storage
optee
client
optee
linuxdriver
アプリ
セキュア
通信
④
⑤
③
デバイス
ID
①
②
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まとめ
この夏、組込みLinuxで抑えておきたいポイントは?
1
2
3
組込み向けLinux、保守は大丈夫?
超長期サポートを実現するための取組み
リアルタイム処理はしたい、でもネットワークやリッチなGUIも実現したい。
LinuxとRTOSの”イイトコ”取りを実現するOpenAMP
そのセキュリティ処理、ほんとに安全?
TrustZoneを活用したOP-Teeでデバイスのセキュリティを確保する。
組込みLinuxに強い!サイバートラスト株式会社
アツい!
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36
セキュアOTA
セキュアOTAは弊社の電子認証と紐づけたところに特長あり
開発製造時
●
デバイス専用のOSやアプリ向け
ウイルス対策の組み込み
●
証明書の組み込み
●
検証済みLinuxの提供
更新ファイルのアップロード
安全な
更新を提供
組込みLinux
電子認証
IoTデバイス
開発企業
OTA
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