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全国小学校道徳教育研究会 ともによりよく生きる心豊かな児童を育てる道徳教育 Ⅰ 研修の概要 1 日程第 1 日 : 平成 28 年 7 月 28 日 ( 木 ) 第 36 回夏季中央研修講座報告書 時間内容 太田市立鳥之郷小学校校長城田茂喜 9:45~10:20 開講式 10:20~11:40 講演

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(1)

全国小学校道徳教育研究会

「ともによりよく生きる心豊かな児童を育てる道徳教育」

第36回

夏季中央研修講座

報告書

太田市立鳥之郷小学校 校長 城田茂喜

研修の概要

1 日程 第1日:平成28年7月28日(木) 時 間 内 容 9:45~10:20 開講式 10:20~11:40 講演① 演題「道徳の特別の教科化と授業改善の在り方」 文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官 赤堀 博行 先生 11:40~12:00 オリエンテーション 12:00~13:15 昼食・休憩 13:15~16:25 分科会 (休憩10分を含む) A分科会「学校全体で推進する道徳教育」 ◇「豊かな心をもち、よりよく生きようとする子どもを育てる道徳教育」 ~10年間の授業実践と教科化に向けた取組~ 和歌山県和歌山市立岡﨑小学校 加藤 久佳 教諭 ◇「新しい自分に会い 自己の生き方を豊かにする道徳の学習」 岡山県倉敷市立倉敷東小学校 伊住 継行 教諭 B分科会「道徳の時間における授業実践」~低学年を中心にして~ ◇「あたたかな心と 豊かな人間関係をはぐくむ道徳教育」 東京都江東区立第二辰巳小学校 中山 鮎 教諭 ◇「心の力を育てる道徳教育」 ~主体的に考える道徳の授業づくりを通して~ 石川県小松市立稚松小学校 山下 順子 教諭 〃 天満 拓 教諭 C分科会「道徳の時間における授業実践」~高学年を中心にして~ ◇「実効性のある道徳の授業」 ~問題解決的な学習を取り入れた学習指導の工夫~ 青森県青森市立女鹿沢小学校 中村 優太郎 教諭 ◇「道徳の特質を生かした授業の工夫」 ~「特別の教科道徳」の実施に向けて~ 三重県桑名市立星見ヶ丘小学校 木戸 章雄 教諭 〃 井桁 里美 教諭 16:25~16:40 分科会まとめ

(2)

第2日:平成28年7月29日(金) 時 間 内 容 9:45~10:15 分科会報告、全体会 10:15~10:30 講評 10:30~10:40 休憩 10:40~12:00 講演② 演題「世界で活躍できる子供を育てる」 野村ホールディングス CC推進室 SCO 名古屋大学客員教授 池上 浩一 先生 12:00~13:10 昼食・休憩 13:10~14:30 講演③ 演題「これからの道徳教育と道徳科」 畿央大学教育学部現代教育学科 教授 島 恒生 先生 14:30~15:00 研修・整理 15:00~15:30 閉講式 2 会場 ○全体会・A分科会 :西荻窪地域区民センター(勤労福祉会館) 東京都杉並区桃井4-3-2 TEL03-3301-0981 ○B分科会・C分科会:杉並区立桃井第一小学校 東京都杉並区桃井2-6-1 TEL03-3390-3178

主な研修内容(講演について)

1 講演① 演題「道徳の特別の教科化と授業改善の在り方」 文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官 赤堀 博行 先生 (1)道徳の改善に関わる提言、報告、答申 ①道徳教育の課題 ・学校間や教師間の差が大きい ・各教科等との役割分担や関連を意識した指導が不十分 ・指導方法に不安を抱える教師が多い ・学年が上がるにつれて児童生徒の受け止めがよくない ・振り返らせたり、具体的にどう行動すればよいかを考えたりする側面に関する指導が不十分 ②道徳教育の改善の方向性 道徳教育の改善を図るため、制度上、道徳の時間を「特別の教科 道徳」(仮称)として新たに 位置付けることを検討すべき。 ・道徳教育の目標と「道徳の時間」の目標をわかりやすい記述に改め、両者の関係を明確化 ・発達の段階ごとに内容を明確化、各教科等との関連付けを強化 ・数値による評価は行わない ・一定の水準の授業が実施されるよう、教科書を導入することが適当 ・「心のノート」を全面改定した「私たちの道徳」を全国の小・中学校に配布

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(2)道徳教育の目標に基づく ①自己の生き方を考える 児童生徒一人一人が、よりよくなろうとする自己を肯定的に受け止め、他者との関わりや身近 な集団の中での自分の特徴などを知り、伸ばしたい自己を深く見つめること。 ②主体的な判断の下に行動する 児童生徒が日常生活での問題や自己の生き方に関する課題に向き合い、考え方の対立がある場 合も、自らの力で考え、よりよいと判断したり適切と考えたりした行為の実践に向けて具体的な 行動を起こすこと。 ③道徳性を養う 道徳性とは次の三点ととらえる。 ・よりよく生きるための営みを支える基盤となるもの ・人間としての本来的な在り方やよりよい生き方を目指して行われる道徳的行為を可能にする 人格的特性であり、人格の基盤をなすもの ・人間らしいよさであり、道徳的価値が一人一人の内面において統合されたもの 道徳性の諸様相(判断力・心情・実践意欲と態度)は、一人一人の児童が道徳的価値を自覚し、 自己の生き方についての考えを深め、日常生活や今後出会うであろう様々な場面、状況において、 道徳的価値を実現するための適切な行為を主体的に選択し、実践することができるような内面的 資質を意味している。 (3)「特別の教科 道徳」が目指すもの ①計画的、発展的な指導 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の目標と同様によりよく生きるための基盤となる道 徳性を養うこと。また、道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を 果たすことができるよう、計画的、発展的な指導を行うことが重要。 ②補充、深化、統合 各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機 会が十分でない内容項目に関わる指導を補うこと(補充)や、児童や学校の実態等を踏まえて指 導をより一層深めること(深化)、内容項目の相互の関連をとらえ直したり発展させたりすること (統合)に留意すること。 ③「考える道徳」「議論する道徳」 発達の段階に応じ、答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童が自分自身の問題と捉 え、向き合う「考える道徳」「議論する道徳」へと転換を図るもの。以下参照。

考え、議論する道徳

自分との関わりで主体的に考える 多様な考え方、感じ方と出会い交流する 自分の考え方、感じ方を明確にする 自分の考え方、感じ方をより明確にする 問題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び 子どもが自分との関わりで主体的に 自らを振り返って成長を実感できるように工夫する これからの課題や目標を見付けたりすることができ るよう工夫する ※道徳性を養うことの意義について、子ども自らが考え、理解し、主体的に学習に取り組む ことができるようにする

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(4)明確な指導観に基づく授業の創造 「明確な指導観」をもつとは…:主題設定 1 ねらいとする道徳的価値(道徳の内容)について、学習 価値観 指導要領に基づき、明確な考えをもつ。 指 2 授業者の明確な価値観に基づくこれまでの指導と子ども 児童生徒観 導 の学び、よさや課題を明確にし、本時の方向性を示す。 観 3 授業者の明確な価値観、本時の方向性を基に、教材の活 教材観 用の仕方を明らかにする。 ※これまでの子供のねらいとする道徳的価値に関わる学びとその結果を明確にする。その上 で、自分との関わりで考えられる授業を構想し、実践する。 2 講演② 演題「世界で活躍できる子供を育てる」 野村ホールディングスCC推進室SCO 名古屋大学客員教授 池上 浩一 先生 (1)今、求められる人材 ○国境を越える地球企業は英語を共通言語として、異なる国籍、宗教、民族、信条、文化を踏ま え Diversity(多様性)を超えて組織を率いて、共通のゴールに導く Inclusion(一体性)を実行で きる能力を持つ人材が必要になる。 ○グローバル化しフラット化する世界だからこそ,自らのアイデンティティを持つとともに自分 とは違う相手のアイデンティティを正しく理解することが必要になる。 ○その上で、お互いの相違を乗り越えて、一つのチームとしての一体性を確立することができる 人材、つまり、高い教養を持つ人材が求められる。 ○構造改革と規制緩和により、外国企業と外国人労働者にとって日本が世界でもっとも働きやす い国になれば日本の未来は明るくなる。 ○ラーメン、カレーライス、スパゲッティが国民食であり、国技大相撲で外国人力士が活躍して いるように、日本社会は異文化を優しく受け入れ、外国人と共生するしなやかさと強さを持って いる。 ○相手を尊重する日本文化と日本の教育の成熟度と質の高さに対して敬意を払い、日本の教育に 学びたいという声が高まっている。 ○グローバル化しフラット化する世界の新しいリーダーとなる自覚と責任を持って、日本、アジ ア、そして世界の発展に貢献しようする大きな志を持った若者が次々に日本から輩出されること が期待されている。 (2)学生時代にいかに学び、いかに過ごすべきか A 自分を支え、励ましてくれる人に感謝の気持ちを持つ 1 今日、皆さんは大学で学んでいるが、それは自分一人の力で獲得したのではない。 2 今まで皆さんを支えてくれた人がいて、自分を励ましてくれた人がいたから今がある B 数多くの友人を持つ 1 グローバル化の新たな時代が到来し、自らのアイデンティティを持つとともに、自分とは 違う相手のアイデンティティを正しく理解することが必要になる。 2 自分の意見を相手に伝えなければ、相手は自分を正しく理解してくれない。

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3 講演③ 演題「これからの道徳教育と道徳科」 畿央大学教育学部現代教育学科 教授 島 恒生 先生 (1)中央教育審議会答申「道徳に係る教育課程の改善について」(平成26年10月21日)より <課題> ・道徳教育の要である道徳の時間が、その特質を生かした指導が行われていない。また、各教 科等に比べて軽視されがち。 ・学校や教員によって指導の格差が大きい。 ・発達の段階が上がるにつれ、授業に対する児童生徒の受け止めが良くない。 ・児童生徒に望ましいと思われる分かりきったことを言わせたり書かせたりする授業になって いる例がある。 ・読み物の登場人物の心情理解のみに偏った形式的な指導が行われる例がある。 <改善の方向> ・人格の基盤となるのが道徳性であり、その道徳性を育てるのが道徳教育である。 ・道徳教育を通じて、個人が直面する様々な事象の中で、状況を深く見つめ、自分はどうすべ きか、自分に何ができるかを判断し、そのことを実行する手立てを考え取り組めるようにす る。 ・児童生徒に特定の価値観を押しつけたり、主体性をもたず言われるままに行動するよう指導 したりすることは、道徳教育が目指す方向の対極にあるものである。 ・ルールやマナー等を単に身に付けさせることでなく、発達の段階も踏まえつつ、ルールやマ ナー等の意義や役割そのものについても考えを深め、さらには、必要があればそれをより良 いものに変えていく力を育てることを目指すものである。 内面の力を育てることで、自立した一人の人間に。 ※キーワード:「自立」「主体的な判断」「多面的・多角的に考える」「協働」 (2)道徳科の授業作り ○道徳科の時間の授業研修は、授業改革である。 「一方的に伝える授業」 → 「考えさせる授業」への変革がキーポイント ※問題解決的な学習やアクティブ・ラーニングも視野に入れて…。 ↓ 「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」 ○目指したい道徳科の授業 ・思わず、ぐっと考えたくなる授業 ◇生きることに希望や意欲がもてる授業 ・隣の友達と話したくなる授業 = ◇夢や勇気がもてる授業 ・初めて考えたという授業 ◇自分に自信が持てる授業 ・子ども達が発見し、手柄となる授業

研修のまとめ

平成30年度より本格実施となる「道徳科」について、これまでの「道徳の時間」の課題を踏ま え「考え、議論する」道徳科への転換により児童生徒の道徳性を育むことがとても重要であるとい うことがよくわかった。また、そのために道徳科の授業作りを中核としながら、指導体制や評価方 法等様々な準備をしなければならないが、こうしたことについても本研修を通して多くのことを学 ぶことができた。このことを自校はもとより県内の多くの学校で少しでも活用できると良いと考え る。終わりにこうした研修の機会をいただけたことに大いに感謝したい。

参照

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