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山地流域の洪水流出に関する研究 II-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第30巻欝飴号95′・′106,1978 95

山地流域の洪水流出に関する研究Ⅱ

鎌 田

STUDIES ON FLOOD RUN−OFF FROM

MOUNTAINOUS DRAINAGE Ⅱ

TakashiKAMADA

In the analysis of flood run−Offin mountainous drIainage ar・ea,the mostimportant pointis the estimation of appr・Opr・iate flood−arTival−time.

Theinvestigations using the Kinematic wave method have been recently developed for.the

estimationofflood−arIrivaトtime,buttheequivalentr・Oughnessofhillslopeinithasnodefinition− Standard through outJapan,pr・OViding animpor・tant themein this field.Namely,for the analysis of rainfa11−ar・r・ival−time are applied the theorIeticalmethod based on the Kinematic

WaVe and the’method proposed herIe uSing hydr・0logicaldata of disaster’preVention dams. When a dam has smallcatchment area,the estimation ofinlet・time of only the surface flowis necessar・y,Whilein case of big catchment ar・ea ar・e neCeSSary the estimation ofinlet− time of sur・face flow over・hi11slope and of flow−time thr・Ough r・iver・COurSeS.

In this study,a neW prOCedur・eis adopted for・the calculation of flow−time through river COurSeS,thatis the average flow−Velosity of r’iver cour’SeSis estimated from cur.ve of stage VS.flow−Velosity measur・ed at observator・ies of flood−Stage(located at upperIrIeaCh of dams).

ThedataaboutKagamidaminK6chi,IshitegawadamandTamagawadaminEhimeprefecture

ar’einvestigated her・e,and these equivalent roughness of hi11slope surface ar・e found N=

0.28∼0.38m ̄1/3sec,0.26∼0.32m−1/3sec,and O.24∼0.31m ̄1/3sec,r・eSpeCtively. Each Valueis typicalfor・the mountainous areain K∈〉Chior Ehime prefecture.

Consequently,they provide some references for・the definition−Standard through outJapan

andwouldbeutilizedworthilyfor・the disaster・preVention plansinK6chiandEhimeprefecture.

山地流域の洪水流出解析において,もっとも重要なものは,適正な洪水到達時間を算定することであるい この洪水到達時間の辞定には,近年,Kinematic wave法による研究が発展している。 しかしながら,このうち,山腹斜面の等価粗度については,まだ,全国的な決定基準もなく,現在,この分野の重要 な研究課題となっている. すなわち,この雨水到達時間の解析については,Kinematic wave法に基づいた理論的方法と聾者が提唱している防 災ダム,現地の水文資料を用いる方法があり,ダムの集水面積が狭少なときは,地表面流のみ,広大なときは,山腹地 表面流の流入時間と河遣流の河道流下時間も界定することが必要となる. 本研究においては,河道流下時間の算定は,ダム上流の流入水位観測所における水位一流速曲線を解析し,その河道 平均流速を適用する新しい手法を採用した. そして,高知県は鏡ダム,愛媛県は右手川ダムと玉川ダムにつき調査,解析し,その山腹斜面の等価粗皮について

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香川大学農学部学術報告 鎌 田 萬 96 は,鏡ダムはN=0”28∼0.38m−%sec,右手川ダムはN=0,26∼032m−%sec,玉川ダムはN=0,24∼0・・31m−%sec 程度であることを明らかにした. これらの値については,それぞれ,高知県,ならびに,愛媛県の山地を代表する値とも考えられ,全国的な決定基準 の一資料ともなり,また,それぞれの県において,今後の防災計画に貴重な値として用いられるものと考察された. 1 ま え が き 最近の水災害,すなわち,汲水災蕃の特徴は,従前のどとき,大河川の氾濫災害とは異なり,小流域である山地渓流 の土石流災害,また,急激に開発されている地方都市周辺における中小河川の氾濫,および,その内水災害が激甚化し ていることである. この山地渓流の治山,治水計画洪水流出解析において,もっとも重要な研究課題には,計画基準地点への洪水到達時 間の静定に不可欠な山腹斜面等価粗度の決定がある. この研究に閲し,前報(5)においては,香川県の殿川ダムと前山ダムにつき調査,研究を行なってきた. したがって,本研究では,高知県は鏡ダム,愛媛県は右手川ダムと玉川ダムにつき調査,解析し,高知県,ならび に,愛媛県における山腹斜面の等価粗度を究明することにした. また,香川県の殿川ダムと前山ダムの解析においては,集水面積は10km2以下と,きわめて狭少であったので,河 道の流下時間は,無視できたが,本調査,研究の鏡ダムと右手川ダム,玉川ダムは,いづれも,集水面積が広大,=ま た,かなりの河道距離を有しており,河還流下時間の推定が研究課題となった. したがって,本研究においては,河道流下時間の推定には,各ダム上流に設置されているダムの流入水位観測所にお ける,水位一流速曲線を解析し,その河道の平均流速を好走,これを適用する新しい手法を採用した. 2 雨水流出の追跡法 2−1 Einematie wa▼e法 雨水流,すなわち,表面流の流出は,山腹斜面上を流れる地表面流と河道を流下する河道流に分類され,現在,これ らの流出機構については,つぎの特性曲線式(2)が研究されている. 】−P

∬=立i:ds州;豊)

ヰQ(押〕丁・十ぎ (1} ここ.に,Qは流盈,q(z)は流路単位長当りの横からの流入盈(時間の任意関数),・芳は距離,tは時間であって・ 流れがManningの抵抗別に従うものとすると,

K=(n(sinの ̄兢Kl ̄%)P,p=妄言告すである小

この場合,nは流路の粗皮係数,Sinβは流路の勾配,Klおよびzは経深と流水断面との関係定数である. このうち,地表面流の伝播については,式(1)を変形して,つぎの関係式がえ.られている.

∬一書=羞試ds〔;晋十。0(ぞ,r)Pり志,Ko=(岩)Po

(2) ここに,q。は単位幅当りの流意,r。は過剰降雨,Nは等価紐皮,Sinβは山腹斜面の勾配,また,この地表面流の伝 播時間については,伝播時間中に降雨が常にあるとすると,つぎの式で求めることができる.

馳竺

t。=t一丁= r・血pl−Po つぎに,河道流の伝播時間についても,おなじく,つぎの式となる. (3) ……(4) すなわち,地表面流の伝播時間については,その式ほ,山腹斜面の等価粗皮N,山腹の平均傾斜角β,山腹斜面長

L。,伝播時間内の平均有効降雨強度Ⅰ・.1。の関数となっており,これらの値が,すでに測定されていると,この値は,容

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欝30巻 第63号(1978) 山 地流 域 の 洪水流 出 Ⅱ 97 易に界出することができる. しかしながら,山腹の平均傾斜角,斜面長,平均有効降雨強度については,その値は,地形図,および,降雨資料か ら容易に求めることができるが,山腹の等価粗皮については,山腹の地形,地質,および,植生状態など諸条件で著し く異なる値となるものと思われる. したがって,この値については,現在,全国的に決定基準もなく,この分野の重要な研究課題となっている. よって,地表面流の研究には,この山腹斜面等価粗度の調査,研究が不可欠であり,これには,まず,雨水到達時間 の算定が必要となる. 2−2 雨水到達時間の算定 i)ヨ蟄論的方法 最大流星と雨水到達時間の関係については,石原・高樟は,Kinematicwave法から,理論的に,その発生条件につ いて研究,発表(ユ)して−いる. すなわち,山腹斜面に図−1のような有効降雨Ⅰ・。があったとき,下流端で最大流塁が現われるときには,最大流量 rp tp 図−・1 tp。とr′eの関係 を発生する降雨部分に対応する特性曲線の伝播速度は,最小であって,しかも,最大流畳を発生する特性曲線の出発時 刻T・pと到達時刻t。とにおける有効降雨強度は,等しくなければならない. この条件は,囲−・1に示すとおりであって,さらに,つぎの関係式が成立する. KoLoP巾 tp ̄rpごtpc=完『荊 qp=Lo・Ⅰ■mp ……(5) 些竺

ここに,qpは最大流凰 Ko=一一一一 sinβ03’

Loは斜面長,r・mp=古㌔i::redtである・

以上の式は,地表面流の雨水到達時間tp。と有効雨盈強度r・mpの関係式である. つぎに,河道流を考えたとき,雨水の渓床流入時間tp。については,渓床における最大流藍の発生時刻は,河道流域 を直方形と仮定すると,下流端の最大流盈が発生する時刻から河逆流下時間の塊時間,前の時刻となり,tp。は,ま た,式(5)を用いて,おなじく算出することができる小 したがって,理論的方法とは,この発生条件を用いて雨水到達時間を界定する方法である. ii)実測雨盈と水位による方法 雨水流出の追跡については,聾者は,集水面積が小さく,管理設備が近代化している近年完成した防災ダムを選定 し,その現地実測水文資料(降雨盈とダム上流の流入水位変化)を用いて解析する手法(5)を提唱している. すなわち,降雨が山頂から水位観測所までの雨水到達時間の解析については,水位観測所の水位記録が顕著に現われ たピーーク時刻を基準とし,降雨は,その前後の降雨資料を用い,各単位時間どとに,平均降雨強度を求め,降雨強度変 動図(時刻一降雨強度図)を解析する.そして,降雨到達時間の推定については,時間は,この降雨強度変動図と水位

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鎌 田 萬 98 香川大学農学部学術報告 変動図が相似する単位時間を見出し,この時間を雨水到達時間とする手法である. 以上の手法は,地表面流のみを考えたときのものであり,ダム集水面輩が広大になると当然に河道区間も長大とな り,雨水到達時間については,渓床への流入時間と河道流下時間に区分して解析することが必要となる. したがって,山腹渓床から水位観測所までの河逆流下時間の推定については,石原・小葉竹は,河道系における洪水 の合成過程において,洪水時にははぽ一億の伝播速度で流星が下流方向に伝播すると報告く4)しているので,河道の平均 流速は,水位観測所における水位一流速曲線を解析し,これを適用する手法を採用した. 5 鏡ダム山腹斜面等価租虔の解析 5・−1水文資料の調査 鏡ダムは,高知市内を貫流している鏡川の上流に,治水と上工水,発電用水を確保する目的で,昭和42年完成した総 貯水容盈9,380,000m3,堀高48mの重力式コンクリ−トダムである. Cm 580 560 50

540

45 520 40 500 35 480 30 460 25 糾0 20 420 15 400 】0 380 5 360 0 ア0 65 60 55 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 340 320 300 280 260 240 220 200 180 Ⅰ60 t40 3 4 5 6時 ㌢101 2 340 320 図−3 鏡ダムの降雨藍と流入水位(No2) 300 19 20 2】 22時 18 シ11 囲−2 鏡ダムの降雨愚と流入水虎(No,り 60 420 400 380 360 340 320 300 280 260 240 22℃1 200 180 50 45 40 35 30 25 20 I5 10 5 0

tア 18 19 20 21時

図−5 鏡ダムの降雨量と流入水位(No..4) 図−4 鏡ダムの降雨患と流入水位(No.3)

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欝30巻 欝63号(1978) 山 地流域 の 洪水流 出 Ⅱ 99 本研究の資料としては,降雨は平石の雨藍,流入水位は弘瀬の水位記録を採用することとし,過去大出水時の資料 は,昭和5ユ年9月ユ1日(台風17号),昭和5ユ年9月10r台風17号),昭和50年8月17日(台風5号),昭和47年9月15日 (台風20号)の図−2から図−5に示した資料を用いることにした. ・また,鏡ダムの弘瀬水位観測所における集水面積は72km2,河道距離が9kmと広大であり,雨水到達時間の算定に ついては,地表面流のみでなく,河道流についても解析,考察することが必要となった. 5−2 雨水到達時間の算定 i)理論的方法 鏡ダムにおける雨水到達時間のうち,河道流下時間については,河道の平均流速は,弘瀬水位観測所の水位一流速曲 線を解晩 これを適用,雨水の山腹瑛床への流入時間について−は,KinematicⅥraVe法を用いた理論的方法を適用,解 析した. そして,その解析過程については,図−2から図−5までに図示し,また,結果は,義一・1に示すとおりとなった. 表−1鏡ダムの河道流下時間と渓床流入時間(理論的方法) ii)実測雨孟と水位による方法 鏡ダネの実測雨盈と水位を用いた方法については,昭和51年9月11日(台風7617号)に観測した平石の30分間雨畳と 弘瀬水位観測所の水位は,図一2に示したとおりであり,また,このときの雨水流出追跡(降雨強度変動図)は,香川 大学計界センターーの電子計静機,FACOM230一亜Sを利用し,その解析結果は,単位時間20時間のものが図−6の とおりとなった. 図−6 鏡ダムの雨水流出追跡(No.1) すなわち,昭和51年9月11日21‥00時前後の水飴変動(図−2)については,その水位変化は,降雨強度変動図(図− 6)が他の単位時間のものより,ともに,よく相似していることを見出した.

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香川大学農学部学術報告 鎌 田 萬 100 したが?て,この時刻における雨水到達時間は2い0時間,また,このときの平均降雨強度は,61・Omm/hI・であるこ とを解析,推定することができた. つぎに,鏡ダムにおける他の水文資料を用いたときの雨水到達時間と降雨強度,および,雨永流入時間については, その解析結果は,表−2に示すとおりとなった 表−2 鏡ダムの雨水到達時間と渓床流入時間(実測方法) 石一5 等価粗度の解析 鏡ダム最上流域の山腹地形についてほ,地理院の1/50,000地形図を用い,図−7に示すことにした. 図−7 鏡 ダ ム の 流 域 また,この山腹斜面の地形条件は,図示のとおり5caseに大別することができるが,その代表caseには,CaSelを 採用することにした. つぎに,山腹斜面等価粗皮の解析については,解析方法は,ⅢnematicⅥ亀Ve法を適用,雨水流入時間は,論理的方

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爵30巻 罪63号(1978) 山地二流域の洪水流出 Ⅱ 101 法と実測雨鼠と水位準用い窄方法甲南僚,地形条件は,上述のものを用い行なった. そして,その結果については,真一3に示すことにした¶ 表−3 v鏡ダム 山腹斜面等価紐皮の解析 山腹斜面(casel) 理論 的 方 法

実 測 方 法

年月 日 時 刻 距 離l勾 配 降雨強度【流入時間l等価粗皮 降雨強度l流入時間l等価紐皮 llr nl ̄㌔sec lい5 r Oい28 ;二右3て二…… 2.2i o.38 L嘩 すなわち,義一3を考察するに,鏡ダム上流域の山腹斜面等価粗皮は,その値が,いづれも,N=028∼038m ̄鳩 secとなり,同一資料のときは,いづれの方法においても,おなじ値か,きわめて近い値となっている. このことは,雨水到達時間の算定において,実測値による方法は,その妥当性があり,また,理論的方法の実証とも なっているものと考察された. 4 石芋川,玉Jtlダム山腹斜面等価租虔の解析 4−1水文資料の調査 右手川ダムは,松山市内を貫流している右手川の上流に,治水と上水道,かんがい補給水を確保する目的で,昭和48 年完成した総貯水容盟12,800,000m3,堰高87mの重力式コンクリートダムである. 本研究の資料については,降雨は米野の雨量,流入水位は玉谷の水位記録を採用し,過去大出水時の資料としては, 昭和51年9月11日(台風17号),昭和50年8月17日(台風5号),昭和48年6月27日の資料を調査,解析することにした. また,右手川ダムの玉谷水位観測所における集水面積は舅km2,河道距離が10kmとなっているので,雨水流入時 間の界定については,鏡ダムとおなじく,河道流についても解析,考察することが必要であった. 玉川ダムは,今治市内を貫流している蒼社川の上流に,防災ダムとして昭和46年完成した総貯水容盈9,900,000m3, 堰高56mの重力式コンクリートダムである 本研究の資料については,降雨は木地の雨藍,流入水位は,中通水蝕観測所の水位記録を採用し,過去大出水時の資 料は,昭和51年9月12日(台風17号),昭和50年8月17日(台風5号)の資料を調査,解析することにした また,玉川ダムの申通水位観測所における賃水面熟ま26km2,河道距離が8kmとやはり,広大であった. 4−2 雨水到達時間の算定 石手川ダムにおける降雨と流入水位との関係については,図−8から図−10,また,玉川ダムは,図−11と図−12に示す 図−8 右手川ダムの降雨盈と流入水位(No.1)

(8)

鎌 田 萬 香川大学農学部学術報告 102 梓雨前線1973 240抑 36 220 32 mツ30min

240m

220 200 ほ0 160 】40 120 100 80 60 36 32 28 24 20 16 12 8 4 0 TB==2.8時間 rmp=け.9mm/ムr &∵ 4 2 2 】60 20 140 16 t20 ほ tOO 8 80 4 60 0

柑 19 20 2】 22時

2 3 4 5 6時 ㌢17

■、、ご丁

図−9 右手川ダムの降雨盈と流入水位(No,.2) 図−10 右手川ダムの降雨盈と流入水位:(No”3)

300 an

280 260 240 220 200 180 160 140 t20 100

1400 cmm

20

380

】8 16

360 340

】4 320 I2 300 10 280 8 260 6 240 4 220 2 200 0 O 2】 シー 22 23時 ㌢け 9 −0 ‖ t2時 図−12 玉川ダムの降雨盈と流入水位,(Noり2) 図−11玉川ダムの降雨盈と流入水位(No1) ことにしたり また,各ダム,それぞれの雨水到達時間の解析は,理論的方法と実測値を用いた方法を適用,その解析冶異について は,理論的方法は表−4,実測方法は,表−5に示すとおりとなった. 表−4 右手川ダム,玉川ダムの渓床流入時間(理論的方法)

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欝30巻 第63号(1978) 山地流域 の 洪水流 出 Ⅱ 表−5 右手川ダム,玉川ダムの漠床流入時間(実測方法) 103 雨水到達時間 水 位 観 測 所 渓 床 流入時間 時 刻 ・年 月 日 降雨強度 到達時間 水 位‡平均流速 よ 流下時間 4−5 等価粗度の解析 右手川ダム最上流域の山腹地形については,地理院の1/50,000地形図を用い,図−13に示すことにした. また,この山腹斜面の地形条件は,図示のどとく10caseに大別できるが,本解析において−は,その代表caseは, case6を採用す−ることにした. h−㌢イドb押極り巨れ 図−13 右 手 川 ダ ム の 流 域

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香川大学農学部学術報告 鎌 田 萬 1(沌 つぎに,玉川ダム最上流域の山腹地形については,おなじく,地理院の1/50,000地形図を用い,図−14に示すことに した. そして,この地形条件は,図示のとおり3caseに大別されるが,その代表caseは,Ca$e2を採用するこ七にした.

CaSe L H】 H2 H/L 摘賓 ロ KM l.5 M 】000 M 600 り3.8 採用 2 ア00 3 .0 150 850 /3.3

図−14 玉 川 ダ ム の 流 域 つぎに,山腹斜面等価粗虔の解析には,Kine血aticwave法に本研究の成果である雨水流入時間と降雨強度,およ び,地形条件を通用,解析した. 義一6 右手川ダム,玉川ダム山腹斜面等価粗皮の解析 実 測 方 法 山 腹 斜 面! 理 論 的 方 法 時 刻 年月 日

距 離l勾 配l降雨強度l流入時間l等価粗皮l降雨強皮l流入時間l等価粗皮

m ̄%sec km‡ !mm/hT・: br・

石芋川ダムl(。aSe閻

9 9 9 l l l ︻〇 5 7 1⊥ l l 9 0 9 1 1 1 ﹁a一4 ▲4 2 0 8 0 0 0 ワ︼ 2 2 玉川ダム 51‖9‖12 50817

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舞30巻 欝蔚号(1如8) 山 地 流 域 の 洪水流 出 Ⅱ 105 その結果については,表一6に示すとおりとなった. すなわち,愛媛県における山腹斜面の等価紐皮については,右手川ダムはN=0.26∼0.32m瑚sec,玉川ダムは N=0・別∼0・31m ̄%s甲と,ともに,近似値となるとと,また,雨水の渓床流入時間の簸恵に理論的方法と実測値 を如、た方法は,その値がほとんど同一・になることを明らかにした. 5 考 察 香川県の山腹斜面等価植皮については,前報(5)において,小豆島の殿川ダムと本土の前山ダムにつき調査,研究 し,殿川ダム上流域はN=0.18∼023m ̄%$∝,前山ダムはN=…0.以∼0∩31m ̄%sec程皮であることを明らかに した. また,本研究においては,高知県の鏡ダム上流域における山腹斜面等価粗皮は,その値がN=0..認∼0霊m ̄%$eC 程度,愛媛県の右手川ダムほN=0.26∼0.32m ̄%sec,玉川ダムはN=0“飢一0.31m ̄%sec程度であることも明ら かにした したがって,これらの値を考察するに,愛嬢県における右手川ダムと玉川ダムは,いづれも,北三方が森と伊之予山 を分水嶺とし,南斜面が右手川,北斜面が蒼社川の流域となっている. よって,右手川ダムと玉川ダムの値は,ともに,よく近似し,また,香川県の前山ダムの値とも近似している. すなわち,このことについては,香川県と愛媛県ほ,ともに,瀬戸内海に面した位置にあり,地形,地質,林相など 諸条件がよく似ていることによるものと考察された. また,高知県の鏡ダムの値は,愛媛県の右手川ダム,玉川ダム,およば,香川県の前山ダムの値より少し大きくな っている. このことは,高知県の鏡ダム上流の林相,その他,諸条件が愛媛県,および,香川県より雨水保留効果において少し 良好である理由によるものと考察されたり したがって,今後,高知県における山腹斜面等価粗度については鏡ダム,また,愛媛県ほ,右手川ダム,玉川ダムの 値が,その代表値となるものと考察された 6 高知県の渓流洪水到達時間 山地渓流の洪水流出解析においては,降雨の山頂から渓床への雨水流入時間を・適確に算定することが必要である. 高知県の山腹斜面等価粗皮については,卒研究により,その値は,N=0.㌶∼0謂m ̄%sec程度であることを明ら かにした. したがって,高知県における山地渓流の洪水流出解析の基礎となる渓床への雨水流入時間については,等価粗度は Ⅳ=0誕m一弘$eCとし,また,山腹斜面勾配は砿から塊の範囲,山腹斜面長はユ.Okmから2いOkmまで,平均有 効降雨強度は50mm/hI・から100mm/hI・に変化させた場合を解析し,その解析結果は,義一・7に示すことにした. 真一7 高知県における山腹TBの昇定義 単位h・

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香川大学農学部学術報告 鎌 田 て106 7 愛媛県の渓流洪水到達時間 愛媛県の山腹斜面等価粗度については,その値はN=0小以∼03占m−%sec程度であることが明らかと。なったので, 愛媛具における渓床への雨水流入時間については,等価粗皮はN=0.㌘m ̄%secとし,山腹斜面勾配は塊から鳩 山腹斜面長は1.Okmから2.Okm,平均有効降雨強度は50mm/hrから100mm/h‡・に変化させた場合を解析し,そ の結果を表−8に示すことにした. 表−8 愛媛具における山腹TBの算定表 単位虻r 8 ま と め 本研究においては,山地流域の雨水流出機構について研究し,高知県と愛媛県における山腹斜面の等価粗度を調査, 解析した. そして,高知県は鏡ダム,愛媛県は右手川ダムと玉川ダムを選び,水文資料ほ,過去大出水時の資料を用い,山腹斜 面等価粗皮については,鏡ダム上流域ほN:=0.28∼0.38m,%sec,右手川ダムほN=0.26∼0”32m,%$eC,玉川ダ ムはN=0“訟∼031m ̄兢$eC程度の値であることを明らかにした また,本研究の過程において,地表面流の瑛床流入時間の解析については,聾者が提唱している実測雨盈と水位によ る方法と理論的方法を用い,山腹斜面等価粗皮は,両方法ともに,ほとんど同じ結果をえ,実測値による方法の妥当性 ≒理論的方法の実証をえることができた・ したがって,これら各ダム上流域の山腹斜面等価粗虔については,その値は,各県を代表する値とも考えられ,今 後,等価粗庶の全国的決定基準の一潜料となることも考察された. しかしながら,この研究については,これらのダムのみならず,他のダムについても,今後,さらに,新しい資料で 調査,研究を深めてゆく所存である. 最後に,本研究にあたっては,京都大学工学部土木工学教室,高樟教授に直接,懇切など指導,ど教示を裁くととも に,水文資料の提供については,高知県河川課,鏡ダム管理事務所,建設省右手川ダム管理事務所,愛媛県河川課,玉 川ダム管理事務所の方々に絶大なるど協力を戴いたので,ここに,厚くお礼を申し上げるしだいである 参 考 文 (1)石原藤次郎,高樟塚馬:中間流出現象とそれが流 出過程に及ぼす影響について,土木学会論文集, 穿79号,15−23(1962). (2)高梓琢馬,金丸昭治:水文学,104−112 207− 208 朝倉・書店(1975). (3)角屋 睦,福島 屈:中小河川の洪水到達時間, 献 京大防災研年報,第19号B,143−151(1976). (4)石原安雄,小弟竹重機:洪水ハイドログラフの形 成過程に関する研究,京大防災研年租 界18号 B,4≦汀(1975). (5)鎌田 萬:山地流域の洪水流出に関する研究,香 大農学報,29(2),35−365(1978). (1978年5月31日 受理)

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