• 検索結果がありません。

パフォーマンスレポート PRIMERGY TX120 S2

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "パフォーマンスレポート PRIMERGY TX120 S2"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

要約

このドキュメントでは、PRIMERGY TX120 S2 で実行したベンチマークの概要について説明します。 PRIMERGY TX120 S2 のパフォーマンスデータを、他の PRIMERGY モデルと比較して説明しています。 ベンチマーク結果に加え、ベンチマークごとの説明およびベンチマーク環境の説明も掲載しています。 目次 ドキュメントの履歴 ... 2 製品データ ... 3 SPECcpu2006 ... 4 StorageBench ... 9 SAP SD ... 15 関連資料... 17 お問い合わせ先 ... 17 ページ数 17

パフォーマンスレポート

PRIMERGY TX120 S2

(2)

ドキュメントの履歴

バージョン 2.0 ベンチマークの章を含むレポートの初版  SPECcpu2006 以下で測定: o Celeron 575 o Core 2 Duo P8400、P8600、P8700、T9400、T9600、T9900  StorageBench TX120 S2 SAS タイプ

「LSI MegaRAID 4 ポートベースの RAID 0/1 SAS」コントローラーで測定 「LSI MegaRAID 256 MB ベースの RAID 5/6 SAS」コントローラーで測定  SAP SD

Core 2 Duo T9400 および SAP Business Suite ソフトウェア SAP ERP 6.0(Unicode)用 SAP 拡張 パッケージ 4 で測定

(3)

製品データ

PRIMERGY TX120 S2 は最高水準の静音性と低消費電力、省スペース化を実現した 1 ソケットのタワーサー バで、PRIMERGY TX120 S1 の後継製品です。Intel 5100 チップセット、Celeron または Core 2 Duo プロセッ サ、最大 16 GB の PC2-5300 DDR2-SDRAM、667 MHz(Celeron)または 1067 MHz(Core 2 Duo)フロン トサイドバス、Intel 82567-LM4 1 Gbit LAN コントローラー、RAID 0 および RAID 1 の統合サポート対応 Intel ICH9R 4 ポート SATA コントローラー、2.5 インチ SAS ハードディスク × 2、PCI スロット × 4(ロープロファ イル PCI 32 ビット/33 MHz × 1、ロープロファイル PCI-Express x8 × 1)が搭載されています。

(4)

SPECcpu2006

ベンチマークの説明

SPECcpu2006 は、整数演算および浮動小数点演算のシステム性能を測定するベンチマークです。これは、 12 本のアプリケーションからなる整数演算テストセット、および 17 本 のアプリケーションからなる浮動小 数点演算テストセットで構成されています。これらのアプリケーションは大量の演算を実行し、 CPU / メモ リを集中的に使用します。ディスク I/O やネットワークなど、他のコンポーネントについては、このベンチ マークでは測定しません。 SPECcpu2006 は、特定のオペレーティングシステムに依存しません。このベンチマークは、ソースコード として利用可能で、実際のベンチマークの前にコンパイルする必要があります。したがって、使用するコン パイラーのバージョンやその最適化設定が測定結果に影響を与えます。 SPECcpu2006 には、2 つのパフォーマンス測定方法が含まれています。最初の方法(SPECint2006 および SPECfp2006)は、1 つのタスクの完了に必要な時間を評価します。次の方法(SPECint_rate2006 および SPECfp_rate2006)は、スループット(並列処理できるタスク数)を評価します。いずれの方法も、さらに 2 つの測定の種類、「ベース」と「ピーク」に分かれています。これは、コンパイラー最適化を使用するかどう かという点で異なります。「ベース」値は公開時に常に用いられますが、「ピーク」値はオプションです。 ベンチマーク 演算 タイプ コンパイラー 最適化 測定結果 アプリケーション SPECint2006 整数 ピーク アグレッシブ 速度 単体実行 SPECint_base2006 整数 ベース 標準 SPECint_rate2006 整数 ピーク アグレッシブ スループット 多重実行 SPECint_rate_base2006 整数 ベース 標準 SPECfp2006 浮動小数点 ピーク アグレッシブ 速度 単体実行 SPECfp_base2006 浮動小数点 ベース 標準 SPECfp_rate2006 浮動小数点 ピーク アグレッシブ スループット 多重実行 SPECfp_rate_base2006 浮動小数点 ベース 標準 結果は、個々のベンチマークで得られた正規化比の幾何平均を使用しています。算術平均と比較して、幾何 平均のほうが、ひとつの飛び抜けて高い値に左右されない平均値です。「正規化」とは、テストシステムが基 準システムと比較してどの程度高速に実行されるのかを測定することです。基準システムの SPECint_base2006、 SPECint_rate_base2006、SPECfp_base2006、および SPECfp_rate_base2006 の結果が、値「1」と判定さ れたとします。このとき、たとえば SPECint_base2006 の値 2 は、測定システムがこのベンチマークを基準 システムよりも約 2 倍の性能で実行したことを意味します。SPECfp_rate_base2006 の値 4 は、測定対象シ ステムが基準システムよりも、約 4/[ベースコピー数] 倍の性能でこのベンチマークを実行したことを意味し ます。ここで、「ベースコピー数」はベンチマークで実行された並行インスタンスの数です。 弊社は、SPEC の公開用に、 SPECcpu2006 を測定したデータのすべてを提出しているわけではありません。 このため、すべての結果が SPEC の Web サイトに表示されるわけではありません。弊社は、すべての測定 値のログデータをアーカイブしているので、測定の内容に関していつでも証明できます。

SPEC®、SPECint®、SPECfp®、および SPEC の各ロゴは、Standard Performance Evaluation Corporation(SPEC)

(5)

ベンチマーク結果

次の 2 種類のプロセッサバージョンで PRIMERGY TX120 S2 を測定しました。  Celeron 575 (Merom、チップあたり 1 コア)  Core 2 Duo P8400、P8600、P8700、T9400、T9600、T9900 (Penryn、チップあたり 2 コア) プロセッサ コア GHz L2 キャッシュ バス TDP SPECint_base2006 SPECint2006 Celeron 575 1 2 1 MB 667 MHz 31 W 11.4 12.4 プロセッサ コア GHz L2 キャッシュ バス TDP SPECint_rate_base2006 SPECint_rate2006 Core 2 Duo P8400 2 2.27 3 MB 1067 MHz 25 W 29.3 31.3 Core 2 Duo P8600 2 2.40 3 MB 1067 MHz 25 W 30.3 32.3 Core 2 Duo P8700 2 2.53 3 MB 1067 MHz 25 W 31.5 33.5 Core 2 Duo T9400 2 2.53 6 MB 1067 MHz 35 W 34.7 37.1 Core 2 Duo T9600 2 2.80 6 MB 1067 MHz 35 W 37.3 39.8 Core 2 Duo T9900 2 3.07 6 MB 1067 MHz 35 W 38.8 41.4

(6)

プロセッサ コア GHz L2 キャッシュ バス TDP SPECfp_base2006 SPECfp2006 Celeron 575 1 2 1 MB 667 MHz 31 W 10.5 10.9 プロセッサ コア GHz L2 キャッシュ バス TDP SPECfp_rate_base2006 SPECfp_rate2006 Core 2 Duo P8400 2 2.27 3 MB 1067 MHz 25 W 22.1 22.8 Core 2 Duo P8600 2 2.40 3 MB 1067 MHz 25 W 22.9 23.5 Core 2 Duo P8700 2 2.53 3 MB 1067 MHz 25 W 23.9 24.5 Core 2 Duo T9400 2 2.53 6 MB 1067 MHz 35 W 24.8 25.6 Core 2 Duo T9600 2 2.80 6 MB 1067 MHz 35 W 26.5 27.4 Core 2 Duo T9900 2 3.07 6 MB 1067 MHz 35 W 27.6 28.6

(7)

下の図は、PRIMERGY TX120 S2 のパフォーマンスを先行モデルの PRIMERGY TX120 S1 と比較していま す。両方とも最高パフォーマンス構成での比較です。

(8)

ベンチマーク環境

 SPECcpu2006 での測定は、すべて次のハードウェアおよびソフトウェア構成の PRIMERGY TX120 S2 で実 行されました。 ハードウェア モデル PRIMERGY TX120 S2 CPU Celeron 575 Core 2 Duo P8400、P8600、P8700、T9400、T9600、T9900 CPU 数 1 プライマリー キャッシュ 32 KB(命令) + 32 KB(データ)オンチップ(コアあたり) セカンダリー キャッシュ Celeron 575: 1 MB(I+D)オンチップ (チップあたり)

Core 2 Duo P8400、P8600、P8700: 3 MB(I+D)オンチップ (チップあたり) Core 2 Duo T9400、T9600、T9900: 6 MB(I+D)オンチップ (チップあたり) その他の キャッシュ なし メモリ 2 GB PC2-5300 DDR2-SDRAM × 4 ソフトウェア オペレーティング システム

Celeron 575、Core 2 Duo P8400、P8600、T9400: SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2(64 ビット) その他:

SUSE Linux Enterprise Server 11(64 ビット)

コンパイラー SPECfp_rate_base2006、SPECfp_rate2006 (Core 2 Duo P8700、T9600、T9900 搭載): インテル C++/Fortran コンパイラー 11.1 その他: インテル C++/Fortran コンパイラー 11.0  国または販売地域によっては一部のコンポーネントが利用できない場合があります。

(9)

StorageBench

ベンチマークの説明

ディスクサブシステムの能力を評価するために、富士通テクノロジー・ソリューションズ は StorageBench と いうベンチマークを開発しました。StorageBench は、システムに接続されている異なるストレージシステムを 比較することができます。このベンチマークでは、インテルで開発された Iometer という測定ツールと、実 際の顧客アプリケーションで発生する負荷プロファイルを組み合わせ、測定シナリオを定義しました。 測定ツール 2001 年末以降、Iometer は http://SourceForge.net のプロジェクトとなり、さまざまなプラットフォームに移 植され、国際的な開発者グループによって強化されています。Iometer は、Windows のユーザーインターフェー スとさまざまなプラットフォームで利用できる、いわゆる「dynamo」で構成されています。この数年で、こ れら 2 つのコンポーネントは、 http://www.iometer.org/ または、 http://sourceforge.net/projects/iometer から 「インテルオープンソースライセンス」でダウンロードできるようになりました。 Iometer は、IO サブシステムへのアクセスについて実際のアプリケーションの動作を再現することができま す。このため、特に、使用するブロックサイズ、シーケンシャルリード/ライト、ランダムリード/ライト、 およびこれらの組み合わせなど、アクセスの種類を設定できます。また、同時アクセス数(「未処理 IO」)も 設定できます。その結果、Iometer は 1 秒あたりのスループット、1 秒あたりのトランザクション数、各アク セスパターンの平均応答時間などの基本的なパラメーターを含むカンマで区切られた.csv ファイルを生成し ます。この方法により、特定のアクセスパターンを使ってさまざまなサブシステムの性能を比較できます。 Iometer は、ファイルシステムを使用して、サブシステムにアクセスできるばかりでなく、いわゆる RAW デ バイスにもアクセスできます。 Iometer では、さまざまなアプリケーションのアクセスパターンをシミュレーションおよび測定できますが、 オペレーティングシステムのファイルキャッシュは考慮されません。また、オペレーションは 1 つのテスト ファイル上のブロックで行われます。 負荷プロファイル アプリケーションがマスストレージシステムにアクセスする方法は、ストレージシステムのパフォーマンス に多大な影響を及ぼします。各種アプリケーションのさまざまなアクセスパターンの例: アプリケーション アクセスパターン データベース(データ転送) ランダム、67 %リード、33 %ライト、8 KB(SQL Server) データベース(ログファイル) シーケンシャル、100 %ライト、64 KB ブロック バックアップ シーケンシャル、100 %リード、64 KB ブロック リストア シーケンシャル、100 %ライト、64 KB ブロック ビデオストリーミング シーケンシャル、100 %リード、ブロック ≥ 64 KB ファイルサーバ ランダム、67 %リード、33 %ライト、64 KB ブロック Web サーバ ランダム、100 %リード、64 KB ブロック オペレーティングシステム ランダム、40 %リード、60 %ライト、ブロック ≥ 4 KB ファイルコピー ランダム、50 %リード、50 %ライト、64 KB ブロック これから次の 4 つの独特なプロファイルが導き出されました。 負荷プロファイル アクセス アクセスパターン ブロック サイズ 未処理 IO 負荷 ツール リード ライト ストリーミング シーケンシャル 100 % 64 KB 3 Iometer リストア シーケンシャル 100 % 64 KB 3 Iometer データベース ランダム 67 % 33 % 8 KB 3 Iometer ファイルサーバ ランダム 67 % 33 % 64 KB 3 Iometer 4 つのプロファイルはすべて Iometer で生成されました。

(10)

測定シナリオ

比較できる測定結果を得るためには、再現可能な同一の環境ですべての測定を実行することが重要です。そ のため StorageBench は上記の負荷プロファイルに加えて次の規則に基づいています。

 実際の顧客構成で RAW デバイスを使用するのは例外的な状況のみであるため、内蔵ディスクのパフォー

マンス測定は常にファイルシステムを使用したディスク上で実行されます。高いパフォーマンスが他 のファイルシステムや RAW デバイスで実現できる場合でも、Windows では NTFS が使用され、Linux では ext3 が使用されます。

 ハードディスクは、コンピュータシステムで最もエラーが発生しやすいコンポーネントです。ハード

ディスクの故障によるデータの損失をなくすためにサーバシステムで RAID コントローラーが使用さ れる理由はここにあります。ここでは、複数のハードディスクを組み合わせて「Redundant Array of

Independent Disks」(RAID)を形成し、1 つのハードディスクが故障した場合でもすべてのデータが

維持されるように(RAID 0 を除く)すべてのデータを複数のハードディスクに分散させます。ハード ディスクをアレイで編成する最も一般的な方法は、RAID レベル、RAID 0、RAID 1、RAID 5、RAID 6、 RAID 10、RAID 50、RAID 60 です。各種 RAID アレイの基本については、資料 パフォーマンスレポー

ト - PRIMERGY 用モジュラー RAID を参照してください。

ディスクの数および装着されているコントローラーに応じて、 RAID 構成を変えながら PRIMERGY サー バの StorageBench を測定しました。2 台のハードディスクを装着できるシステムでは RAID 1 およ び RAID 0 を使用し、3 台以上では RAID 1E および RAID 5 を使用します。適用可能な場合はサポー トされていることを条件にさらに上位の RAID レベルを使用します。  ハードディスクのサイズに関係なく、サイズが 8 GB の測定ファイルを常に測定に使用しています。  I/O サブシステムの効率の評価では、プロセッサパフォーマンスおよびメモリ構成は、今日のシステ ムでは大きな要因ではありません。通常、考えられるボトルネックは CPU やメモリではなく、ハー ドディスクや RAID コントローラーに影響を及ぼします。したがって、CPU やメモリの構成を数々 変えながら StorageBench で解析する必要はありません。 測定結果 負荷プロファイルごとに、StorageBench は次のようにさまざまな主要指標を提供します。1 秒あたりのデー タ転送量をメガバイト数で表した(MB/s)「データスループット」、1 秒あたりの I/O オペレーション数(IO/s) の「トランザクションレート」、およびミリ秒(ms)単位の「待機時間」(「平均アクセス時間」)。シーケン シャルな負荷プロファイルでは、データスループットが通常の指標であり、小規模なブロックサイズを使用 するランダムな負荷プロファイルでは、通常、トランザクションレートが使用されます。スループットおよ びトランザクションレートは互いに直接比例し、次の式に従って計算できます。 データスループット [MB/s] = トランザクションレート [ディスク-I/O /s] × ブロックサイズ [MB] トランザクションレート [ディスク-I/O /s] = データスループット [MB/s] / ブロック サイズ [MB]

(11)

ベンチマークの結果

PRIMERGY TX120 S2 には、Modular RAID ファミリーのコントローラーが搭載されています。各種の RAID ソリューションにより、ユーザーはアプリケーションシナリオに合わせて適切なコントローラーを選択でき ます。

PRIMERGY TX120 S2 には、次の機能を提供する RAID ソリューションがあります。

1. 「LSI MegaRAID 4 ポートベースの RAID 0/1 SAS」コントローラー(LSI MegaRAID SAS 1064) このコントローラーは、PCI Express カードとして供給されています。RAID レベル 0、1、1E に対 応しています。このコントローラーには、キャッシュがありません。このコントローラーに接続でき るハードディスクの最大数は 4 台です。

2. 「LSI MegaRAID 256 MB ベースの RAID 5/6 SAS」コントローラー(LSI MegaRAID SAS 1078) このコントローラーは PCI Express カードとして供給され、RAID ソリューション一式を提供します。 RAID レベル 0、1、5、6、10、50、60 に対応しています。コントローラーのキャッシュは、電源障 害に対してオプションのバッテリーバックアップユニット(BBU)により保護できます。コントロー ラーは 240 台までのハードディスクをサポートします。 これらのコントローラーには、さまざまなハードディスクを接続できます。必要なパフォーマンスに応じて、 適切なディスクサブシステムを選択できます。PRIMERGY TX120 S2 サーバでは、2.5 インチ SAS ハードディ スク用の 2 つのホットプラグベイを使用できます。オプションで、 2 つの 2.5 インチホットプラグベイを追 加できる拡張ボックスを使用できます。 PRIMERGY TX120 S2 には、次のハードディスクを選択できます。  2.5 インチ SAS ハードディスク、容量 73 GB、146 GB(10 krpm)  2.5 インチ SAS ハードディスク、容量 73 GB(15 krpm)

LSI MegaRAID SAS 1064

以下では、LSI MegaRAID SAS 1064 コントローラーで利用可能なハードディスクタイプのパフォーマンスを 比較しています。このコントローラーには、コントローラーキャッシュがありません。よって、測定を実行 するにあたり、ディスクキャッシュパラメーターの影響のみを測定し、ハードディスク比較の測定は、ディ スクキャッシュありとなしで実施しました。 ハードディスクキャッシュは ディスク I/O パフォーマンスに影響を及ぼします。多くの場合、この機能は電 源障害時の安全上の問題により無効化されます。しかし、ハードディスクの製造元は、書き込みパフォーマン スの向上のために組み込んでいます。I/O アクセス用のキャッシュは圧倒的に大きく、電源障害時の潜在的な リスク(データの損失)がメインメモリには存在します。これは、オペレーティングシステムによって管理 されます。データの損失を防止するには、システムに無停電電源装置(UPS)を装備することを推奨します。 テストでは、2 台のハードディスクをコントローラーに接続し、RAID 1 として構成しました。測定では、 PRIMERGY TX120 S2 で現在利用可能なすべてのハードディスクタイプを解析しました。RAID 1 での各ハー ドディスクタイプのスループットを種々のアクセスパターンを使用して比較します。 右図は、64 KB ブロックサイズを使用してシーケンシャルリード/ライトを行った場合のスループットが、 回転速度の増加に伴って向上することを示しています。 シーケンシャルリードの場合、回転数 10 krpm のハー ドディスクの代わりに回転数 15 krpm のハードディス クを使用した結果、スループットは約 21 %向上しまし た。 ディスクキャッシュを有効にしたシーケンシャルライ トの場合、回転数 10 krpm のハードディスクの代わり に回転数 15 krpm のハードディスクを使用すると、約 21 %スループットが向上し、ディスクキャッシュが有 効でない場合には、37 %向上しました。

(12)

前頁の図からわかるように、ディスクキャッシュを有効にすることで、シーケンシャルライトでのスループッ トの向上が可能です。10 krpm のハードディスクではスループットは約 80 %向上し、15 krpm のハードディ スクではスループットは約 59 %向上します。 右図は、読み取りが 67 %を占めるランダムアクセスに おいても、ディスクキャッシュがスループットの向上 に重要な役割を果たしていることを示しています。ディ スクキャッシュを有効にした場合のスループットの向 上率は、約 22 %です。 回転数の多いハードディスクでは、ランダムアクセス でもパフォーマンスが向上します。回転数が 15 krpm の 場合、回転数が 10 krpm のディスクに対するパフォー マンスの向上率は 20 %を若干上回ります。

LSI MegaRAID SAS 1078

可用性の観点からどのようにデータが扱われるかは、RAID アレイによって決まります。各 RAID アレイ内で データが転送される速さは、ハードディスクのデータスループットによって大きく異なります。RAID アレイ で測定用に構成されるハードディスクの数は、RAID レベルに応じて決定され、2 台または 3 台のハードディ スクが使用されました。さまざまなキャッシュ設定でのコントローラーの性能を測定するときに、ハードディ スクがボトルネックにならないように、回転数が 15 krpm のハードディスクで測定が実行されました。 キャッシュ設定によって、スループットが大幅に向上する場合があります。ただし、このようなスループッ トの向上は、データの構造とアクセスのパターンによって異なります。測定では、コントローラーキャッシュ のオプション「Read モード」は、常に「No Read-ahead」に設定され、「I/O cache」のオプションは常に「I/O

direct」に設定されます。「Write モード」と「Disk cache」のオプションはさまざまな設定が行われました。

次の図では、2 台の 2.5 インチ ハードディスクを使用した RAID 1 と、3 台の 3.5 インチ ハードディスクを 使用した RAID 5 それぞれで、64 KB ブロックを使用した、シーケンシャルリード/ライトのスループットを キャッシュ設定を変えて測定した結果を示しています。 読み取りのスループットは、最大可能スループット値 (RAID 1 では 100 MB/秒以上、RAID 5 では 200 MB/秒) に匹敵します。 対照的に、書き込みのスループットは、キャッシュ設定に よって異なります。RAID 1 で最善のパフォーマンスを実 現するために、最適なキャッシュ設定として「Disk cache enabled」のオプションを使用する必要があります。弊社 での測定では、シーケンシャルライトの場合のスループッ トが 1.6 倍向上しました。 優れたパフォーマンスのために最適なキャッシュ設定を行 うことの重要性は、特に RAID 5 で明らかです。図は、コン トローラーキャッシュを「Write-back」のオプションで有 効にし、ディスクキャッシュを「enabled」のオプション で有効にした結果、シーケンシャルライトのスループット が、大幅に(37 倍に)向上したことを示しています。

LSI MegaRAID SAS 1064

(13)

LSI MegaRAID SAS 1078(256 MB のキャッシュを搭載) RAID 1 でのランダムアクセスで最善のスループットを実現するためには、コントローラーキャッシュの Write モードのオプションを「Write-through」に設定し、ハードディスクのディスクキャッシュを有効にすること が重要です。このように最適のキャッシュ設定にした結 果、8 KB のブロックを使用したランダムアクセスでは 18 %、64 KB のブロックを使用したランダムアクセス の場合 13 %のスループットの向上が実現しました。 RAID 5 でのランダムアクセスで最善のスループットを 実現するためには、コントローラーキャッシュの Write モードのオプションを「Write-back」に設定し、ハード ディスクのディスクキャッシュを有効にすることが重要 です。このような最適のキャッシュ設定により、ブロッ クサイズに応じて、49 %および 37 %のスループットの 向上を実現しました。 このトピックについての詳細は、次の文書で入手できま す:『パフォーマンスレポート - PRIMERGY 用モジュラー RAID』 コントローラーの比較 ここでは、2 つのコントローラーのスループットを比較します。同じ RAID 1 アレイで同じ種類のハードディ スクで測定しました。図では、キャッシュを無効にした場合(Off)と、最適なキャッシュ設定を行った場合 (Optimal)に得られるスループットを示しています。 使用したコントローラーによるパフォーマンスの違いは、純粋なシーケンシャルアクセスではごく僅かです。 シーケンシャルリードでは、すべてのコントローラーで、キャッシュ設定に関係なく最大のスループットを 実現しました。シーケンシャルライトでも、すべてのコントローラーのパフォーマンスは同じ範囲内で、デー タスループットは最適なキャッシュ設定によって最大 59 %向上させることができます。 今回の負荷プロファイルを用いた RAID 1 でのランダムアクセスでは、エントリーレベルのコントローラー LSI MegaRAID SAS 1064 が、LSI MegaRAID SAS 1078 コントローラー(より上位の RAID レベル用のコントロー ラーキャッシュと拡張機能が搭載され、RAID 1 でも優れたパフォーマンスを発揮する)よりも、若干高いデー タスループットを示しました。

(14)

結論

「モジュラー RAID」のコンセプトによって、PRIMERGY TX120 S2 は、さまざまなアプリケーションシナリ オの多様な要件を満たすことができます。

LSI MegaRAID SAS 1064 に代表されるエントリーレベルのコントローラーでは、基本的な RAID ソリュー ション RAID 0、RAID 1 および RAID 1E が実現され、それぞれが非常に優れたパフォーマンスでサポートさ れています。

LSI MegaRAID SAS 1078 コントローラーに代表される「ハイエンド」コントローラーでは、現在のすべて の RAID ソリューションを実現します。最大 4 台の内蔵ハードディスクまで拡張可能な PRIMERGY TX120 S2 では、RAID レベル 0、1、5、6、および 10 がサポートされます。このコントローラーには、256 MB のコン トローラーキャッシュが搭載され、オプションとして、BBU を使用したデータの保護が可能です。キャッシュ の使用に関するさまざまな設定を行うことで、使用する RAID レベルに合わせた最適なパフォーマンスを柔 軟に引き出すことができます。 RAID 5 または RAID 6 を使用すると、既存のハードディスクの容量を経済的に活用して、優れたパフォーマン スを実現できます。ただし、最善のパフォーマンスとセキュリティのためには、RAID 10 をお勧めします。 PRIMERGY TX120 S2 では、回転数 10 krpm または 15 krpm の 2.5 インチ SAS ハードディスクを使用でき ます。ディスクの回転速度は、必要なパフォーマンスに応じて決定する必要があります。15 krpm のハード ディスクでは、最大 50 % のパフォーマンスの向上が可能です。 最大のパフォーマンスを実現するには、特にコントローラーキャッシュを持たないコントローラーを使用す る場合は、ハードディスクのキャッシュを有効にすることをお勧めします。これによって、使用するディス クの種類とアクセスパターンによってはパフォーマンスが最大で 80 %向上します。ハードディスクのキャッ シュを有効にする場合は、UPS の使用をお勧めします。

ベンチマーク環境

 ここで説明したすべての測定は、下記の一覧で示したハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを使用 して実行されました。 コンポーネント 詳細 サーバ PRIMERGY TX120 S2

オペレーティングシステム Windows Server 2003, Enterprise Edition

Version:5.2.3790 Service Pack 1 Build 6001

ファイルシステム NTFS

測定ツール Iometer 27.07.2006

測定データ 8 GB の測定ファイル

コントローラー

「LSI MegaRAID 4 ポートベースの RAID 0/1 SAS」 (LSI MegaRAID SAS 1064)

製品: LSI RAID 0/1 SAS 1064

ドライバ名: lsi_sas.sys、ドライバのバージョン: 1.27.03.00

ファームウェアのバージョン: 1.24.00.00 BIOS のバージョン: 06.20.00.00

コントローラー

「LSI MegaRAID 256 MB ベースの RAID 5/6 SAS」 (LSI MegaRAID SAS 1078)

製品: LSI RAID 5/6 SAS 1078

ドライバ名: msas2k3.sys、ドライバのバー ジョン: 2.20.0.32 ファームウェアのパッケージ: 8.0.1-0039 ファームウェアのバージョン: 1.12.182-484 BIOS のバージョン: NT16 コントローラーキャッシュ: 256 MB ハードディスク SAS、2.5 インチ、10 krpm Seagate ST973402SS、73 GB ハードディスク SAS、2.5 インチ、15 krpm Seagate ST973451SS、73 GB  国または販売地域によっては一部のコンポーネントが利用できない場合があります。

(15)

SAP SD

ベンチマークの説明

SAP アプリケーションソフトウェアは、標準的な業務プロセスを管理するためのモジュールで構成されてい ます。受注組立(ATO)、財務会計(FI)、人事管理(HR)、在庫購買管理(MM)、生産計画(PP)および販 売管理(SD)、SCM(サプライチェーンマネジメント)、小売、銀行業務、公益事業、BI(ビジネスインテリ ジェンス)、CRM(顧客関係管理)、PLM(製品ライフサイクル管理)といった ERP(企業資源計画)用モジュー ルがあります。 このアプリケーションソフトウェアは、常にデータベースシステム上で実行されるので、完全な SAP の構成 は、(ハードウェアのサポートに加えて)ソフトウェアコンポーネントのオペレーティングシステム、データ ベースおよび SAP ソフトウェア自体となります。 SAP アプリケーションシステムのパフォーマンス、適合性およびスケーラビリティを評価するために、SAP AG は SAP 標準アプリケーションベンチマークを開発しました。これらのベンチマーク(SD ベンチマーク が最重要)では、システム全体のパフォーマンスが分析され、各コンポーネントを統合した状態での品質の 評価基準が用意されています。 ベンチマークは、2 階層の構成と 3 階層の構成で違いがあります。2 層の構成では、SAP アプリケーション とデータベースが、1 台のサーバにインストールされます。3 層の構成では、SAP アプリケーションの個々 のコンポーネントを数台のサーバに分散でき、別のサーバにデータベースが引き継がれます。

SAP AG(ドイツ、Walldorf)によって開発されたベンチマークの詳細な仕様は、http://www.sap.com/benchmark

で参照できます。

ベンチマーク結果

1 基の Core 2 Duo T9400 プロセッサを搭載した PRIMERGY TX120 S2(SAP enhancement package 4 for SAP ERP 6.0(Unicode)と SQL Server 2008 x64 を使用)が、2009 年 3 月 2 日に、Windows Server 2008 Enterprise x64 Edition SP1 を使用して次の結果を達成したことが、認証番号 2009015 で SAP によって認証されていま す。

ベンチマークユーザー数 325 SD(Sales & Distribution)

平均ダイアログ応答時間 0.92 秒 スループット 完全に処理された注文項目数(1 時間あたり) 35670 ダイアログステップ(1 時間あたり) 107000 SAPS 1780 平均 DB 要求時間(ダイアログ/アップデート) 0.023 秒/0.056 秒 CPU 使用率(中央サーバ) 98 %

オペレーティングシステム(中央サーバ) Windows Server 2008 Enterprise x64 Edition SP1

RDBMS SQL Server 2008 x64

SAP Business Suite ソフトウェア SAP enhancement package 4 for SAP ERP 6.0(Unicode)

構成(中央サーバ) PRIMERGY TX120 S2

Core 2 Duo T9400、2.53 GHz、 6 MB L2 キャッシュ(チッ プあたり)、16 GB RAM × 1

(16)

ベンチマーク環境

 認定番号 2009015

テスト対象システム(System Under Test:SUT) ハードウェア

サーバ PRIMERGY TX120 S2

プロセッサ Core 2 Duo T9400 × 1

メモリ 4 GB PC2-5300 DDR2-SDRAM(4 枚)

ディスクサブシステム

LSI MegaRAID 4 ポートベースの RAID 0/1 SAS × 1 2.5 インチ SAS ディスク、73 GB、15 krpm × 1 2.5 インチ SAS ディスク、146 GB、10 krpm × 1 ソフトウェア

オペレーティングシステム Windows Server 2008 Enterprise x64 Edition SP1

データベース SQL Server 2008 x64

SAP Business Suite ソフト

ウェア SAP enhancement package 4 for SAP ERP 6.0(Unicode) 負荷ジェネレーター ハードウェア モデル PRIMERGY RX600 S2 プロセッサ Xeon 7040 × 4(3 GHz、4 MB L2 キャッシュ) メモリ 8 GB PC2-3200 DDR2-SDRAM ソフトウェア オペレーティングシステム Linux 2.6  国または販売地域によっては一部のコンポーネントが利用できない場合があります。 2 層環境 テスト対象システム 負荷ジェネレーター

(17)

納品までの時間は在庫状況によって異なります。技術仕様は予告なく変更さ れることがあります。誤記脱漏は随時訂正されます。 示しているすべての販売条件は(TC)ユーロでの希望価格で VAT を除く価格 です(別途記載ない限り)。ハードウェアおよびソフトウェアの名前はすべて、 発行部門: Enterprise Products PRIMERGY Server インターネット: http://ts.fujitsu.com/primergy エクストラネット: http://partners.ts.fujitsu.com/com/products/serv

関連資料

PRIMERGY Systems http://ts.fujitsu.com/primergy PRIMERGY TX120 S2 Data sheet http://docs.ts.fujitsu.com/dl.aspx?id=31dd3041-1bbb-42fe-91eb-2d0253e9a6bc PRIMERGY Performance http://ts.fujitsu.com/products/standard_servers/primergy_bov.html SAP SD http://www.sap.com/benchmark ベンチマークの概要 SAP SD http://docs.ts.fujitsu.com/dl.aspx?id=ab13a8c0-44d8-40ee-9415-695d372e2e7b SPECcpu2006 http://www.spec.org/osg/cpu2006 ベンチマークの概要 SPECcpu2006 http://docs.ts.fujitsu.com/dl.aspx?id=00b0bf10-8f75-435f-bb9b-3eceb5ce0157 StorageBench パフォーマンスレポート - PRIMERGY 用モジュラー RAID http://docs.ts.fujitsu.com/dl.aspx?id=6baa9baf-39b7-4558-b1c2-f8846b22fbd4 Iometer http://www.iometer.org PC サーバ PRIMERGY(プライマジー) http://primeserver.fujitsu.com/primergy/

お問い合わせ先

PRIMERGY のパフォーマンスとベンチマーク mailto:primergy.benchmark@ts.fujitsu.com

参照

関連したドキュメント

Generative Design for Revit は、Generative Design を実現するために Revit 2021 から搭 載された機能です。このエンジンは、Dynamo for

[リセット] タブでは、オンボードメモリーを搭載した接続中の全 Razer デバイスを出荷状態にリセットで きます。また Razer

本節では本研究で実際にスレッドのトレースを行うた めに用いた Linux ftrace 及び ftrace を利用する Android Systrace について説明する.. 2.1

議論を深めるための参 考値を踏まえて、参考 値を実現するための各 電源の課題が克服さ れた場合のシナリオ

・ここに掲載する内容は、令和 4年10月 1日現在の予定であるため、実際に発注する建設コンサル

【オランダ税関】 EU による ACXIS プロジェクト( AI を活用して、 X 線検査において自動で貨物内を検知するためのプロジェク

AMS (代替管理システム): AMS を搭載した船舶は規則に適合しているため延長は 認められない。 AMS は船舶の適合期日から 5 年間使用することができる。

エネルギー大消費地である東京の責務として、世界をリードする低炭素都市を実 現するため、都内のエネルギー消費量を 2030 年までに 2000 年比 38%削減、温室 効果ガス排出量を