• 検索結果がありません。

2 千一夜物語( アラビアンナイト ) の中から 海のアブドゥッラーと陸のアブドゥッラーの話 をとりあげ アラビア語のテキストに母音符号を付し 対訳とアラビア語の語彙と文法の説明をつけたものです アラビア語の文法を一通り学習した人を対象にしています * アラビア語のテキストは 平凡社 東洋文庫 版

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2 千一夜物語( アラビアンナイト ) の中から 海のアブドゥッラーと陸のアブドゥッラーの話 をとりあげ アラビア語のテキストに母音符号を付し 対訳とアラビア語の語彙と文法の説明をつけたものです アラビア語の文法を一通り学習した人を対象にしています * アラビア語のテキストは 平凡社 東洋文庫 版"

Copied!
93
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)
(2)

説明をつけたものです。アラビア語の文法を一通り学習した人を対象にしています。 *アラビア語のテキストは、平凡社「東洋文庫」版『アラビアン・ナイト』の原典であるカルカッ タ第2版を基本とし、ハムザや長母音の表記等を現代風にし、区切りの*マークを除いたほ か、文法上の疑問がある数箇所については、他の版を参考にして、そちらを採用しました。 *説明の部分では、文法的な説明のほか、基本的な単語以外は初出時に意味を載せてい ます。いずれも、一度説明をしたものは、基本的にはその後の説明を省略しています。 *動詞については、基本となる3人称男性単数の完了形を示し、人称や派生形などの説明 をつけ、و や ي などを語根に持つものについては特に詳しく、何度も説明しています。 *巻末に、テキストに出てくる単語のリストを掲載しています。 *母音符号の付け方、訳については他の解釈もあり得ます。また、あくまでも対訳であり、 良い訳文ではありません。説明部分の過不足や誤りもあるかと思いますがご容赦下さい。 略語説明 ①、②、③ など :テキスト文左の行番号に対応 Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ など :動詞の派生形 1. :1人称 2. :2人称 3. :3人称 m. :男性 f. :女性 sg. :単数 pl. :複数 双 :双数 未:未完了形(直説法) 接:未完了形接続法(=接続形) 要:未完了形要求法(=短形) 命:命令形 受:受動態 能分:能動分詞 受分:受動分詞 関代:関係代名詞 接代:接尾人称代名詞 √:語根 基本形である完了形、能動態、3人称男性単数形、命令形の男性単数形の場合は、そ の記載を省略しました。 名詞の格は、主格、属格(=所有格)、対格(=目的格)という名称を使っています。 目次 「海のアブドゥッラーと陸のアブドゥッラーの話」対訳 p.3 プリントアウトのご案内 p.75 単語リスト p.76 あとがき・参考文献 p.93

(3)

رَبْلٱ ِللهٱ ِدْبَع ُةَياَكِح

يِرْحَبْلٱ ِللهٱ ِدْبَع َعَم ي

1 اًضْيَأ ىَكْحُي اَّمِمَو 2 ُةَعْسِت ُهَلَو ِلاَيِعْلٱ َريِثَك َناَكَو ِللهٱ ُدْبَع ُهُمْسٱ ٌداَّيَص ٌلُجَر َناَك ُهَّنَأ 3 َةَكَبَّشلٱ َّلَِإ ُكِلْمَي َلَ اًّدِج اًريِقَف َناَكَو ْمُهُّمُأَو ٍد َلَْوَأ 4 海のアブドゥッラーと陸のアブドゥッラーの話 また語り伝えられていることの中に次のようなものもあります。 アブドゥッラーという名の漁師の男がいました。彼は家族が多く、9人の子どもと彼らの母親が いました。彼は大変貧しく、網しか持っていませんでした。 ①ٌ ةَياَكِح:「話」 ٌِللٱٌ ُدْبَع:アブドゥッラー(名前)「神のしもべ」の意。 ٌ ي ِر ْحَب, يِّرَب: 「海の」「陸の」ٌ ر ْحَب(海)、ٌ رَب(陸)の関係形容詞。 ②اَّمِم=اَم+ ْنِم、اَم は先行詞を含む 関代。 ىَك ْحُي:ىَك َح 未・受「語る」 اًضْيَأ:「また」 ~ُهَّنَأٌىٌَك ْحُيٌاَّمِم:「語られ ていることの中に~のことがある」 ③ٌُهَّنَأ=ٌُه+ َّنَأ ٌَّنَأ:名詞節を作る。その節が名詞文な ら主語は対格になる。名詞文でないとき、このように代名詞のٌُهを形式的に主語として付ける が特に意味がなく、節の内容全体を指す。 ٌَناَك:ここでは補語がなく、存在を表す「ある、い る」の意。 ٌ داَّيَص:「漁師、猟師」 ٌِللٱٌُدْبَعٌُهُم ْسِا:ٌ داَّيَصٌ لُج َر にかかる関係節、先 行詞が非限定なので関代はないが、ٌُه が先行詞を指している。 ٌ ُريِثَك ٱ ٌِلاَيِعْل :形容詞+限定属格名詞で作られる合成形容詞、ٌَناَك の補語なので対格 になっている。ٌ ريِثَك 「多い」、ٌ لاَيِع:ٌ لِّيَعの pl. 「(扶養)家族」、合わせて「家族が多い」の 意。~ُهَل:所有(者)を示す、「彼には~がある」 ④ٌ د َلَ ْوَأ:ٌ دَل َو の pl.「子供、男児」 数 詞の3~10の後の名詞は複数属格になる。ٌ ريِقَف:「貧しい」 اً دِج:「大変」 ... َّلَِإ~ َلَ: 「・・・以外~ない」 ٌُكِلْمَي:ٌَكَلَم 未「所有する」 ٌ ةَكَبَش:「網」、ٌَّلَِإ が入っているがٌُكِلْمَي の目的語として対格。

(4)

ِهِد َلَْوَأ ىَلَع ُهُقِفْنُيَو َو ُللهٱ ُهَقَزَر اَم ِرْدَقِب ِ ا ِن ُخُبْطَي اًريِثَك َداَطْصٱ 2 ًةَهِكاَف ُذُخْأَيَو ًةَبِّيَط ًةَخْبَط ُفِرْصَي ْلَزَي ْمَلَو ُهَعَم ىَقْبَي َلَ ىَّتَح 3 ٍدَغ يِف يِتْأَي ٍدَغ ُقْزِر ِهِسْفَن يِف ُلوُقَيَو ٌءْيَش 4 毎日、漁をしに海へ行き、少し獲れたときはそれを売り、神が与え給うたものの量に応じてそ れを子供達のために費やし、たくさん獲れたときには良い料理を作り果物も摂りました。(得た お金を)使い続け、結局彼のもとには何も残らず、心で言うのでした。「明日の糧は明日来る」 ①ٌُحوُرَي:ٌَحا َر 未「行く」、ٌَناَك と未完了形動詞で過去の習慣的行動や状態を表す。 ٌ م ْوَيٌ َّلُك:「毎日」 ~ ِل:後に未完了形接続法が続き、目的を示す。ٌَداَط ْصَي:ٌَداَط ْصِا Ⅷ接「漁をする」 √ديص。第1語根がص のときⅧ形のت は ط になる。 ~اَذِإ: 「~なら、~したとき」条件節を導く。ٌ ليِلَق:「少し」 ٌُعيِبَي:ٌَعاَب 未「売る」 ②ٌُقِفْنُي:ٌَقَفْنَأ Ⅳ未「費やす」 帰結節の2つの動詞は、条件節の動詞の完了形に対して未完了形であるが、 過去のこと。~ ِرْدَقِب:「~の程度、分量に応じて」 ~の部分には属格名詞が来るが、ここで は関代のاَم が使われている。ٌَق َز َر:「(神が)与える」 ٌُه:先行詞や関代が関係節におい て主語以外の場合は、節の中にそれを指す人称代名詞が使われる(省略されることもある)。 ~ ْنِإ:「~なら、~したとき」条件節を導く。次にٌْلٱ が来て、子音が2つ続くのを避けるため、 i 音が入る。ٌُخُب ْطَي:ٌَخَبَط 未「料理する」 ③ٌ ة َخْبَط:ٌَخَبَط の動名詞 ٌ خْبَط にة が付 いて1回の行為を表す動名詞、「料理」の意もある。動詞がその動名詞等を目的語にとる同族 目的語の用法。 ٌ بِّيَط:「良い」 ٌُذُخْأَي:ٌَذ َخَأ 未「取る」 ٌ ةَهِكاَف:「果物」 ~ْل َزَيٌ ْمَل: 後に未完了形動詞が続き、「~し続ける」(ٌْل َزَي:ٌَلا َز 要)ٌُف ِرْصَي:ٌَفَرَص 未「費や す」 ىَّت َح:後 に動 詞 が続き 、結 果を 示 す。ىَقْبَي:ٌَيِقَب 未「 残る 」 ④ٌ ئْيَش:「もの」 ٌُلوُقَي:ٌَلاَق 未「言う」 ٌ سْفَن:「自身、心」 ٌ ق ْز ِر:「日々の糧」 ٌ دَغ:「翌日」 يِتْأَي: ىَتَأ 未「来る」

(5)

َأ َةَرَشَع اوُراَص ُهُتَجْوَز ْتَعَضَو اَّمَلَف ٍصاَخْش يِف ُلُجَّرلٱ َناَكَو 1 َش ُكِلْمَي َلَ ِمْوَيْلٱ َكِلٰذ َجْوَز ُهَل ْتَلاَقَف اًدَبَأ اًئْي يِدِّيَس اَي ُهُت ُا يِل ْرُظْن 2 ىَلِإ ىَلاَعَت ِللهٱ ِةَكَرَب ىَلَع ٌحِراَس اَنَأ اَه اَهَل َلاَقَف ِهِب ُتَّوَقَتَأ اًئْيَش 3 ِمْوَيْلٱ اَذٰه يِف ِرْحَبْلٱ َرُظْنَن ىَّتَح ِديِدَجْلٱ ِدوُلْوَمْلٱ اَذٰه ِتْخَب ىَلَع 4 َّمُث ِرْحَبْلٱ ىَلِإ َهَّجَوَتَو َةَكَبَّشلٱ َذَخَأَف ِللهٱ ىَلَع ْلَّكَوَت ُهَل ْتَلاَقَف ُهَدْعَس 5 ٱ ِلْفِّطلٱ َكِلٰذ ِتْخَب ىَلَع َةَكَبَّشلٱ ىَمَر ُهَّنِإ ِريِغَّصل 6 彼の妻が子供を産み、10人になりました。その日、男は全く何も持っていませんでした。彼の 妻が彼に言いました。「あなた、私に何か食べる物を世話して下さい」男は妻に言いました。「さ あ、私は、いと高き神様の恩寵に頼り、今日、この新しい赤ん坊の運にかけて、海に出かけよ う、この子の幸運を見るために」彼女は彼に言いました。「神様にお任せなさい」彼は網を取っ て海に向かいました。そしてその小さい子の運をかけて網を投げました。 ①~اَّمَل:「 ~ し た と き 」ٌْتَعَض َو:ٌَعَض َو 3.f.sg. 「 置 く 、 子 供 を 産 む 」 ٌ ة َج ْو َز:「 妻 」 اوُراَص:ٌَراَص 3.m.pl.「~になる」 ٌ صا َخْشَأ:ٌ ص ْخَش の pl. 「人」 ②اًدَبَأ:「決し て 」 اَي:呼 び か け の 辞 。 ٌ دِّيَس:「 主 人 」 ٌْرُظْنُا:ٌَرَظَن 命 「 見 る 、 世 話 を す る 」 ③ ٌُت َّوَقَتَأ:ٌِبٌ َت َّوَقَت Ⅴ未 1.sg.「~を食べる」、前のاًئْيَش にかかる関係節、ٌِهِب のٌِه が先 行詞を指す。اَنَأٌ اَه:اَه は注意を喚起する辞。ٌ ح ِراَس:ٌَحَرَس 能分「出かける」能分は 英語の進行形のように使われる。ٌ ةَك َرَب:「恩寵」 ىَلاَعَت:Ⅵ「至高である」 形容辞として ٌُ َاَل の 後 に よ く 用 い ら れ る 。 ④ٌ ت ْخَب:「 運 」 ٌ دوُل ْوَم:「 赤 ん 坊 」 ٌ ديِد َج:「 新 し い 」 ىَّت َح:後に接続法の動詞が続き、「~するために」という目的を示す。 ⑤ٌ د ْعَس:「幸運」 ٌْلَّك َوَت:ىَلَعٌ َلَّك َوَت Ⅴ命「~に頼る」 ٌَهَّج َوَت:Ⅴ「向かう」 ٌَّمُث:「そして、それから」 ⑥ ٌَّنِإ:名詞文の最初に用いられ、注意を喚起する。主語の名詞は対格になるが、代名詞なら 接代を用いる。ىَم َر:「投げる」 ٌ لْف ِط:「子供、幼児」 ٌ ريِغَص:「小さい、年少の」

(6)

ًلًْمَرَو اًشْفَع ًةَئِلَتْمُم ْتَجَرَخَف اَهَبَحَس َّمُث ًةَّدُم اَهْيَلَع َرَبَصَو 2 اًريِثَك َلَ ِكَمَّسلٱ َنِم اًئْيَش اَهيِف َرَي ْمَلَو اًشيِشَحَو ىًصَحَو ًلًيِلَق َلََو 3 َيِناَث اَهاَمَر ىَمَرَف اًكَمَس اَهيِف َرَي ْمَلَف اَهَبَحَس َّمُث اَهْيَلَع َرَبَصَو ٍةَّرَم 4 َرَو اًثِلاَث ُلْطَي ْمَلَف اًسِماَخَو اًعِبا َرَخآ ٍناَكَم ىَلِإ َلَقَتْنٱَف ٌكَمَس اَهيِف ْع 5 彼は言いました。「神様、あの子の日々の糧を、たやすいように、困難でないように、多いよう に、少なくないように、して下さい」彼はしばらくの間、網を辛抱して待ちました。それから網を引 くと、網はがらくたや砂や小石や草で一杯になって出てきて、その中には、多くも少なくも魚は 全く(何も)見えませんでした。2回目、網を投げ、辛抱しました。そして網を引きましたが、その 中に魚は見えませんでした。3回目、4回目、5回目と投げましたがその中から魚は現れませ んでした。彼は別の場所に移動しました。 ①ٌَّمُه :ٌ للَا 神様に呼びかける言葉。ٌْلَع ْجِا:...~َلَع َج 命「~を・・・にする(~も・・・も対 格)」ここでは・・・の部分が4つある。ٌ ري ِسَي:「たやすい」 ~ُرْيَغ:後に名詞や形容詞の属 格が続き、「~でない、~なしの」 ٌ ري ِسَع:「困難な」 ②ىَلَعٌ َرَبَص:「~を耐える、辛抱す る」 ٌ ةَّدُم:「期間」、副詞的用法の対格で「しばらくの間」の意。ٌَب َحَس:「引く」 ٌَج َر َخ:「出 る」 ٌ ةَئِلَتْمُم:~َ َلََتْمِا Ⅷ能分 f.「~で一杯である(~は対格)」、分詞や形容詞を対格で使 い、主語や目的語の「ハールٌ لا َح (状態)」を表す。ٌ شْفَع:「がらくた」 ٌ لْم َر:「砂」 ③ ىًص َح:「小石」(主・属・対格ともこの形)ٌ شي ِش َح:「草」 ٌَرَي:ىَأ َر 要。ٌْمَل と要求法で 完了形の否定。ٌ كَمَس:「魚」 ًٌليِلَقٌ َلَ َوٌا ًريِثَكٌ َلَ:اًئْيَشٌにかかり、2つのٌَلَ は「多い」 と「少ない」の両方否定することを強調。 ④اَهاَم َر: ىَمراَه+ 、ىَـ は語末しか使えない のでاَـ を使う。ٌ ة َّرَمٌ َيِناَث:「2回目に」(口語的な表現)ٌ ناَث:「2番目」 ٌ ة َّرَم:「度、回」 ⑤ٌ ثِلاَث:「3番目」 ٌ عِباَر:「4番目」 ٌ سِما َخ:「5番目」いずれも対格で副詞的に使われ ている。ٌْعُل ْطَي:ٌَعَلَط 要「現れる」 ٌَلَقَتْنِا:Ⅷ「移動する」 ٌ ناَكَم:「場所」 ٌُر َخآ:「別の」

(7)

َزَي ْمَلَو ىَلاَعَت ِللهٱ َنِم ُهَقْزِر ُبُلْطَي َلَعَجَو ىَلِإ ِةَلاَحْلٱ ِهِذٰه ىَلَع ْل 1 ِراَهَّنلٱ ِرِخآ ِص َلََو ْدَطْصَي ْمَلَف ي َر ًة اَذٰه ْلَه َلاَقَو ِهِسْفَن يِف َبَّجَعَتَف 2 َّقَش يِذَّلٱ َّنَِلِ اًدَبَأ ُنوُكَي َلَ اَذٰهَف ٍقْزِر ِرْيَغ ْنِم ُللهٱ ُهَقَلَخ ُدوُلْوَمْلٱ 3 َلَمَح ُهَّنِإ َّمُث ٌقاَّزَر ٌميِرَك ىَلاَعَت ُللهٱَف ِقاَزْرَْلِٱِب اَهَل َلَّفَكَت َقاَدْشَْلِٱ 4 َرَو َةَكَبَّشلٱ ِهِلاَيِعِب ٌلوُغْشَم ُهُبْلَقَو ِرِطاَخْلٱ َروُسْكَم َعَج 5 彼はいと高き神様にその日の糧を求め始めました。日中の終わりまでずっとこの状態でいまし たが、小魚1匹獲れませんでした。彼自身驚いて言いました。「この赤ん坊を神様は日々の糧 なしに造られたのだろうか。こんなことは決してありえない。なぜなら(生物の)口を開かれるお 方はその口に日々の糧を保証されるからだ。いと高き神様は寛大であり扶養者であらせられ る」そして彼は網を持って打ちひしがれた思いで帰り、心は家族のことで占められていました。 ①~َلَع َج:未完了形動詞が続くと「~し始める」の意。ٌُبُل ْطَي:... ْنِم~ َبَلَط 「~を・・・ に求める」~ْل َزَيٌ ْمَل:後に前置詞句や形容詞が続くと「~のままである」 ٌ ةَلا َح:「状態」 ②ٌ رِخآ:「終わり」ٌ راَهَن:「日中、昼間」 ٌْدَط ْصَي:ٌَداَط ْصِا Ⅷ要。ٌ ة َري ِص:「1匹の小 魚」(エジプトの方言らしい)、ٌَلَ َو は否定の意味を強調するために入っている。ٌَبَّجَعَت:Ⅴ 「驚く」 ٌُدوُل ْوَمْلٱٌ اَذٌ ه という主部(語)に対して~ُهَقَل َخ という動詞文が述部。このٌُه はそ の「赤ん坊」を指す。 ③ٌَقَل َخ:「創造する」 ~ ِرْيَغٌ ْنِم:この形で「~なしに」の意で用い られる(次頁ではٌِب が使われている)。 ~ َّنَ ِلِ:理由を示す節を導く。対格名詞が続く。 يِذَّلَا:関代。ここでは先行詞を含む。ٌَّقَش:「割く、開く」 ④ٌ قاَدْشَأ:ٌ ق ْد ِشの pl. 「口角」 ...ب~لٌ َلَّفَكَت:Ⅴ「~に…を保証する」ٌ قا َز ْرَأ:ٌ ق ْز ِر の pl. ٌ مي ِرَك:「寛大な」 ٌ قا َّز َر:「扶養者」(=神) ٌَلَم َح:「運ぶ」 ⑤ٌَع َج َر:「帰る」 ٌِر ِطاَخْلٱٌ ُروُسْكَم:「思 いを壊されて」合成形容詞。主語のハール(状態)を示す対格。ٌ روُسْكَم:ٌَرَسَك 「壊す」の 受分が形容詞として使われている。 ٌ ر ِطا َخ:「思い」 ٌ بْلَق:「心」 ٌِبٌ لوُغْشَم:「~で (心が)占められる」 ~ُهُبْلَق َو: ٌو に導かれた文が主文の主語のハールを表す。

(8)

َّمُث ِةَلْيَّللٱ ِهِذٰه يِف ِد َلَْوَْلِْل ُلوُقَأ اَذاَمَو ُلَمَعْلٱ َفْيَك ِهِسْفَن يِف ُلوُقَي 2 َز ِهْيَلَع ىَأَرَف ٍزاَّبَخ ِنْرُف َماَّدُق َلَصَو ُهَّنِإ َتْقَو ُتْقَوْلٱ َناَكَو ًةَمْح 3 ُي َلَ ِماَّيَْلِٱ َكْلِت يِفَو ٍء َلًَغ ُمْلٱ َنِم ِساَّنلٱ َدْنِع ُدَجو ْؤ ٌليِلَق َّلَِإ ِةَن 4 ْنِم ْمُهْنِم ٍدَحَِلِ ُهِبَتْنَي َلََو ِزاَّبَخْلٱ ىَلَع َسوُلُفْلٱ َنوُضِرْعَي ُساَّنلٱَو 5 ُرُظْنَي َفَقَوَف ِماَحِّزلٱ ِةَرْثَك ُّمُشَيَو ِنْخُّسلٱ ِشْيَعْلٱ َةَحِئاَر 6 なぜなら彼らを食べ物なしでおいてきたからです。とりわけ彼の妻はお産をしたばかりです。彼 は心で言いながら歩き続けました。「どうしよう、今夜、子供達に何と言おう」そしてパン屋のか まどの前に着きました。そこには人だかりが見えました。その時は物価高の時で、その頃、 人々には少ししか食料がなく、人々はパン屋にお金を見せていましたが、人だかりの多さにパ ン屋は彼らの誰一人にも注意を向けていませんでした。彼は立ち止まって見ながら温かいパ ンの匂いを嗅ぎました。 ①~ َّنِإَف:「なぜなら~」 ٌَك َرَت:「放置する」 ٌ لْكَأ:「食べもの」 اَمَّي ِسٌ َلَ:「とりわけ」 ٌُءاَسْفَن:f.「お産をしたばかりの」 ~َلا َزٌ َلَ=ٌْل َزَيٌْمَل 「~し続ける」 ي ِشْمَي:ىَشَم未 「歩く」~ٌ ُلوُقَيٌ َوُه َو:ハール(彼が歩いている時の状態を示す)。②ٌُلوُقَي:ٌَلاَق 未。 ٌ لَمَع:「行為」 ٌ ةَلْيَل:「夜」 ③ٌَلَص َو:「達する」 ٌَماَّدُق 「~の前に」 ٌ ن ْرُف:「かまど」 ٌ زاَّب َخ:「パン屋」 ٌ ةَم ْح َز:「人だかり」 ٌ تْق َو:「時」 ④ٌ ء َلَغ:「物価高」 ٌ ماَّيَأ:ٌ م ْوَي の pl. 「日」 ٌُد َجوُي:ٌَد َج َو 未・受「見出す」の意だが、受動態で「ある、いる」の意。ٌَّلَِإ の後 のٌ ليِلَق が主語。ٌ ساَن:「人々」 ٌ ةَن ْؤُم:「食料」 ⑤ٌَنوُض ِرْعَي: ٌَرَعٌَض 未 3.m.pl. 「見せる」ٌ سوُلُف:ٌ سْلِف の pl. 「フィルス(貨幣の単位)」複数形で「お金」の意。ٌُهِبَتْنَي: ٌَهَبَتْنِا Ⅷ未「注意を向ける」 ٌ د َحَأ:「1、1人」 ⑥ٌ ة َرْثَك:「多さ」 ٌ ما َح ِز:「人だかり」 ٌَفَق َو:「立つ、止まる」この後の2つの未完了形動詞は主語のハールと考える。 ٌ مُشَي:ٌَّمَش 未「嗅ぐ」 ٌ ة َحِئا َر:「匂い」 ٌ شْيَع:「パン(エジプトの口語)、生活」 ٌ ن ْخُس:「温かい」

(9)

َن ْتَراَصَف ِعوُجْلٱ َنِم ِهيِهَتْشَت ُهُسْف ِهْيَلَع َحاَصَو ُزاَّبَخْلٱ ِهْيَلِإ َرَظَنَف 1 َلاَقَف َتَكَسَف اًشْيَع ُديِرُتَأ ُهَل َلاَقَف ِهْيَلِإ َمَّدَقَتَف ُداَّيَص اَي َلاَعَت َلاَقَو 2 َكيِطْعُأ اَنَأَف ُمِهاَرَد َكَعَم ْنُكَي ْمَل ْنِإ ٌميِرَك ُللهٱَف ِحَتْسَت َلََو ْمَّلَكَت ُهَل 3 َع ُرِبْصَأَو يِعَم اَم ُمِّلَعُم اَي ِللهٱَو ُهَل َلاَقَف ُرْيَخْلٱ َكَئيِجَي ىَّتَح َكْيَل 4 ُمِهاَرَد 5 空腹のため心はそれを食べたくなってきました。パン屋が彼を見て、彼に叫んで言いました。 「漁師さん、来なさい」漁師は彼の方へ進み出ました。パン屋は漁師に言いました。「パンが欲 しいのか」漁師は黙っていました。パン屋は言いました。「話しなさい、恥ずかしがらないで。神 様は寛大でいらっしゃる。あなたにお金がないのなら私があなたにあげよう。あなたに良いこと が来るまで辛抱して待とう」漁師は言いました。「神様に誓って、ご主人、私にはお金がない。 ①ٌَراَص:後に未完了形動詞が続いて「~し始める、~するようになる」ٌ س :ٌْفَن f.「心、自身」 يِهَتْشَت:ىَهَتْشِا Ⅷ未 3.f.sg. 「欲しがる」 ٌ عوُج:「空腹」 ~ىَلِإٌ َرَظَن:「~を見る」 ٌَحاَص:「叫ぶ」 ②ٌَلاَعَت:ىَلاَعَت Ⅵ命 命令形で「来なさい」の意。ٌُداَّيَص:اَي (呼びか けの辞)の後の名詞はタンウィーンなしの主格。ٌَمَّدَقَت:Ⅴ「進み出る」 ٌُدي ِرُتَأ:ٌَأ は疑問の 辞 。ٌُدي ِرُت:ٌَداَرَأ Ⅳ 未 2.m.sg. 「 望 む 」 ٌَتَكَس:「 黙 る 」 ③ٌْمَّلَكَت: ٌَتٌَمَّلَك Ⅴ 命 「 話 す 」 ٌِحَتْسَت:ىَحَتْسِا Ⅹ要 2.m.sg.「恥じる」√ييح だが、ي が1つ省かれている。ٌَلَ と要求 法で否定命令。 ٌْنُكَي:ٌَناَك 要。~ َف~ ْنِإ:条件節に対する帰結節が動詞以外で始まっ ているときٌَف を入れる。 ٌُمِها َرَد:ٌ مَه ْرِد の pl. 「ディルハム(貨幣の単位)」複数形で「お 金」の意。ي ِط ْعُأ:ىَط ْعَأ Ⅳ未 1.sg. 「与える」目的語を2つとるが、ここではٌَك だけが使 われている。 ④ٌُرِبْصَأ:ٌَرَبَص 未 1.sg. 「辛抱する」 ~ىَّت َح:後に動詞が続き「~まで」 未完了形動詞は接続法になる。ٌَءيِجَي:ٌَءاَج 接「来る」 ٌ رْي َخ:「良い(こと)」 ٌِلل :ٱٌَو 「神様に誓って」 ٌ مِّلَعُم:「先生、店の主人」 اَم:否定。

(10)

اَذِإَف َكِقْزِر ُباَبَو َكُناَّكُد َةَكَبَّشلٱ ِهِذٰه َّنِإ ُنيِكْسِم اَي ُهَل َلاَقَف ٍدَغ 2 َلاَق َكيِفْكَي يِذَّلٱ ِرْدَقْلٱِب يِنْرِبْخَأَف ُداَطْصَت ٍءْيَش ِّيَأِبَو اَهَتْنَهَر 3 ُث ٍفاَصْنَأ ِةَرَشَعِب اًزْبُخ ُهاَطْعَأَف ٍةَّضِف ِفاَصْنَأ ِةَرَشَعِب ُهاَطْعَأ َّم 4 ُخ ُهَل َلاَقَف ٍةَّضِف ِفاَصْنَأ َةَرَشَع ٍفاَصْنَأ َةَرَشَعْلٱ ِهِذٰه ْذ َكَل ْخُبْطٱَو 5 ٍةَّضِف َفْصِن َنوُرْشِع َكَدْنِع ىَقْبَيَف ًةَخْبَط اَهِب 6 しかし、私の家族に十分なパンを下され。明日までこの網をあなたのところに抵当として預けよ う」パン屋は言いました。「気の毒に。この網はあなたの店、日々の糧の門だ。それを抵当に預 けたら何で漁をするのか。あなたに十分な量を私に知らせなさい」漁師は言いました。「10半 銀」パン屋は彼に10半銀分のパンを与え、更に10半銀を与えて言いました。「この10半銀を とりなさい。それであなたのために料理をしなさい。それであなたには20半銀(借りが)残る。 ①ٌْنِك :ٌ ل 「しかし」 يِن ِط ْعَأ=يِن+ ِط ْعَأ:ىَط ْعَأ Ⅳ命+接代。ٌ ةَياَفِك:「十分」ٌُنَه ْرَأ: ٌَنَه َر 未 1.sg.「抵当として預ける」 ②ٌ نيِك ْسِم:「気の毒な」 ٌ ناَّكُد:「店」 ٌ باَب:「門、 戸」 ③~ ِّيَأِب َو:اَذِإ の条件節の帰結節。動詞で始まらないので普通ٌَف が入るが、代わ り にٌَو が 入 っ て い る 。~ ِّيَأِب:ٌ يَأ 「 ど れ 」 に 前 置 詞 のٌِب が 付 い て い る 。ٌْرِب ْخَأ: ...ِب~ َرَب ْخَأ Ⅳ命 「~に・・・を知らせる」 ٌ ر ْدَق:「分量」 يِفْكَي:ىَفَك 「~に十分であ る」 ④ٌ فاَصْنَأ:ٌ ف ْصِن の pl. 「半分」 ٌ ةَّضِف:「銀」 ここでは「銀半分」という貨幣単位 らしい。良い訳ではないが「半銀」とした。ٌ زْبُخ:「パン」 ⑤ٌْذُخ:ٌَذ َخَأ 命「取る、持って行く」 ٌ فاَصْنَأٌ ُة َرَشَعْلَا:数詞が付いた名詞に定冠詞をつけるとき、このように前の数詞に定冠 詞を付けることもある。ٌْخُب ْطُا:ٌَخَبَط 命。語頭のハムザは一時性なので前に他の語がある ため読まない。 ⑥ىَقْبَي:ٌَيِقَب 未「残る」 ٌَنوُرْشِع:「20」 11~99の数詞の後の名詞 は単数対格。

(11)

َت ٌءْيَش َكَل ْلُصْحَي ْمَل ْنِ اَو اًكَمَس اَهِب يِل ِتاَه ٍدَغ يِفَو ْذُخ َلاَع 1 َكَشْيَع َةَرَشَعَو ُرْيَخْلٱ َكَيِتْأَي ىَّتَح َكْيَلَع ُرِبْصَأ اَنَأَو ٍفاَصْنَأ 2 ِحاَبُمْلٱ ِم َلًَكْلٱ ِنَع ْتَتَكَسَف ُحاَبَّصلٱ َداَزَرْهَش َكَرْدَأَو 3 ِةَئاِمِعْس تلٱ َدْعَب َنوُعَبْرَْلْٱَو ُةَيِداَحْلٱ ُ ةَلْيَّللٱ ِتَناَك اَّمَلَف 4 اَم ْذُخ ِداَّيَّصلِل َلاَق َزاَّبَخْلٱ َّنَأ ُديِعَّسلٱ ُكِلَمْلٱ اَهُّيَأ يِنَغَلَب ْتَلاَق 5 ُرْيَخْلٱ َكَيِتْأَي ىَّتَح َكْيَلَع ُرِبْصَأ اَنَأَو ِهْيَلِإ ُجاَتْحَت ٰذ َدْعَبَو ِتاَه َكِل 6 اَمِب يِل َأ ِحَتْس ُّق ُه اًكَمَس َكَدْنِع 7 明日、その分の魚を私に持って来てくれ。もしあなたに何も起こらなかったら、来て、パンと10 半銀を取って行きなさい。あなたに良いことが来るまで私は辛抱して待とう」朝が来て、シャハ ラザードは許された話をやめて黙りました。 941番目の夜になると、 彼女は言いました。幸福な王様、私に伝わったのは次のようことです。パン屋は漁師に言いま した。「あなたが必要とするものを取りなさい。あなたに良いことが来るまで私は辛抱して待と う。その後、私があなたに請求する権利がある分の魚を持って来てくれ」 ①ٌِتاَه:「持って来い」命令形しかない動詞。ٌْلُص ْحَي:ٌَلَص َح 要「起こる」 ②ٌَيِتْأَي: ىَتَأ 接 「来る」 ③~َك َر ْدَأ:Ⅳ「~をとらえる、~のところに来る」 ここでは「朝がシャハラ ザードのところに来た」 ٌ حاَبَص:「朝」 ٌْتَتَكَس:ٌَتَكَس 3.f.sg. 「黙る」 ٌ م َلَك:「言葉、 話」 ٌ حاَبُم:ٌَحاَبَأ Ⅳ受分「許す」 ④941番目:941の序数を「900の後の41番目」と表し ている。40の部分は基数と同じで、1の位についてはيِدا َحْلَا を用いる。⑤ٌَغَلَب:「届く、伝 わる」主語は~ َّنَأ 以下。 اَه يَأ:定冠詞の付いた語と共に使う呼びかけの辞。ٌ كِلَم:「王」 ٌ ديِعَس:「幸福な」 اَم:関代。 ⑥ٌُجاَت ْحَت: ىَلِإٌَجاَت ْحِا~ Ⅷ未 2.m.sg. 「~を必要とする」 ⑦ٌ قِحَت ْسَأ:ٌَّق َحَت ْسِا Ⅹ未 1.sg. 「~に値する、~の権利がある」 ٌَكَدْنِع~اَم:関係節。

(12)

َّضِف ِفاَصْنَأ َةَرَشَعْلٱَو ٍة َلَخَدَو َرَّسَيَت اَم ُهَل ىَرَتْشٱَو اًروُرْسَم َحاَرَو 2 َنِم َنوُكْبَي ْمُهَو ِد َلَْوَْلِٱ ِرِطاَخِب ُذُخْأَت ًةَدِعاَق اَهآَرَف ِهِتَجْوَز ىَلَع 3 ُلُكْأَت اَمِب ْمُكوُبَأ يِتْأَي ِتْقَوْلٱ اَذٰه يِف ْمُهَل ُلوُقَتَو ِعوُجْلٱ اَّمَلَف ُهَنو 4 ِهْيَلَع َلَخَد ْم ُهَل َلَصَح اَمِب ُهَتَجْوَز َرَبْخَأَو اوُلَكَأَف َشْيَعْلٱ ُمُهَل َّطَح 5 ُهَل ْتَلاَقَف َا ٌميِرَك ُلله 6 漁師はパン屋に言いました。「いと高き神様があなたに報いを与えられますように、私にしてく れたことに対して全ての良いことであなたに報いて下さるように」そしてパンと10半銀を取り、 喜んで行き、買えるものを自分のために買いました。妻のところへ入ると、彼女が座って、空腹 で泣いている子供たちをなだめているのが見えました。彼女は子供達に言っています。「この 時間にはお父さんが食べる物を持って来るよ」漁師は彼らのところに入ると、彼らのためにパ ンを置き、彼らは食べました。彼は妻に起こったことを知らせました。彼女は言いました。「神様 は寛大でいらっしゃる」 ①ٌَر َجآ:Ⅳ「報いを与える」祈願を表す完了形。ٌَكا َز َج:ٌَك+ى َز َج 「報いる」これも祈願 の完了形。ٌ لُك:「全て」 ②ٌ روُر ْسَم:「喜んで」ٌَحا َر (彼は行った)の「彼」のハールを示 す対格。ى َرَتْشِا:Ⅷ「買う」 اَم:関代。ٌَرَّسَيَت:Ⅴ「利用できる」 ٌَل َخَد:「入る」 ③ اَهآ َر:اَه+ىَأ َر 「見る」。ىَأ َر の目的語の後に対格の分詞や未完了形動詞が来てい ると、「~が~しているのを見る」 ٌ ةٌَدِعاَق:ٌَدَعَق 能分 f.「座る」 ٌُذُخْأَت:ٌَذ َخَأ 未 3.f.sg. ~ ِر ِطاَخِبٌ َذَخَأ:「~をなだめる」 ~ َنوُكْبَيٌ ْمُه َو:و に導かれた文が「子供達」のハ ール を示 す。ٌَنوُكْبَي:ىَكَب 未 3.m.pl. 「泣 く」 ④ٌُلوُقَت:ٌَلاَق 未 3.f.sg. ٌْمُكوُبَأ:ٌ بَأ 「父」に 1.sg.以外の接代や属格名詞が続くと、主格ではوُبَأ になる。~اَمِب:اَم は関代。ٌِب はىَتَأ と共に用いて「~を持って来る」の意。ٌُهَنوُلُكْأَت:ٌَلَكَأ 未 2.m.pl. 「食べる」 ٌُه は関 代を指す。 ⑤ٌَّط َح:「置く」 اَم:関代。

(13)

اَي َكُلَأْسَأ ُلوُقَي َوُهَو ِهِراَد ْنِم َجَرَخَو ُهَتَكَبَش َلَمَح ٍمْوَي يِناَث يِفَو 1 ٰه يِف يِنَقُز ْرَت ْنَأ ِّبَر اَّمَلَف ِزاَّبَخْلٱ َعَم يِهْجَو ُضِّيَبُي اَمِب ِمْوَيْلٱ اَذ 2 اَهيِف ْجُرْخَي ْمَلَف اَهُبِذْجَيَو َةَكَبَّشلٱ ُحَرْطَي َراَص ِرْحَبْلٱ ىَلِإ َلَصَو 3 َكِلٰذَك ْلَزَي ْمَلَو ٌكَمَس ُي ْمَلَو ِراَهَّنلٱ ِرِخآ ىَلِإ َح ِّص ْيَش ْل اًئ َعَجَرَف 4 يِف َلاَقَف ِزاَّبَخْلٱ ِنْرُف ىَلَع ِهِتْيَب ُقيِرَط َناَكَو ٍميِظَع ٍّمَغ يِف َوُهَو 5 يِناَرَي َلَ ىَّتَح يِوْطَخ ُعِرْسُأ ْنِكٰلَو يِراَد ىَلِإ ُحوُرَأ َنْيَأ ْنِم ِهِسْفَن 6 ًةَمْحَز ىَأَر ِزاَّبَخْلٱ ِنْرُف ىَلِإ َلَصَو اَّمَلَف ُزاَّبَخْلٱ 7 次の日、漁師は網を持ち、次のように言いながら家から出かけました。「神様、今日はパン屋 に顔向けができるようなものをお恵み下さるようお願いします」彼は海に着くと、網を投げたり 引いたりし始めましたが、その中に魚は出ませんでした。日中の終わりまでそのようにし続け ましたが、何も得られませんでした。彼は大変悲しく思いながら帰りました。彼の家への道はパ ン屋のかまどのところにありました。彼は心で言いました。「どこから家の方へ行こう。だが パン屋が私を見ないように歩みを速めよう」パン屋のかまどに着くと、人だかりが見えました。 ①ٌ راَد:「家」 ~ُلوُقَيٌ َوُه َو:ハール。 ٌُلَأ ْسَأ:... ْنَأ~َلَأَس 未 1.sg. 「~に・・・するよ う頼む」 ②ٌِّب َر=يِّب َر:يِـ+ٌ ب َر 「私の主、神様」 ٌْنَأ:後に動詞文が続き、名詞節 を作る。未完了形動詞は接続法になる。 اَم:関代。 ٌُضِّيَبُي:ٌَضَّيَب Ⅱ未「白くする」 ٌ ه ْج َو:「顔」 ~َه ْج َوٌ َضَّيَب:「~の顔を白くする=やましいところをなくする」③ٌُح َر ْطَي: ٌَح َرَط 未「投げる」 ٌُبِذ ْجَي:ٌَبَذ َج 未「引く」 ④ٌْلِّص َحُي:ٌَلَّص َح Ⅱ要「得る」 ⑤ ~ َوُه َو:ハール ٌ مَغ:「悲しみ」 ٌ مي ِظَع:「非常に大きな」 ٌ قي ِرَط:「道」 ٌ تْيَب:「家」 ⑥ٌَنْيَأ:「どこ」格変化しない。 ٌُحوُرَأ:ٌَحا َر 未 1.sg. ٌُع ِرْسُأ:ٌَعَرْسَأ Ⅳ未 1.sg. 「速く する」 ٌ و ْط َخ:「足どり」 ~ َلٌَىَّت َح:「~しないように」(接続法が続く) ا َرَي:ىَأ َر 接。

(14)

ْذُخ َلاَعَت ُداَّيَص اَي ُهَل َلاَقَو َحاَصَف ِهْيَلَع ُهَرَصَب َعَفَر ِزاَّبَخْلٱِب 2 اَمَّنِ اَو ُتيِسَن اَم ِللهٱَو َلَ َلاَق َتيِسَن َكَّنِإَف َكَفوُرْصَمَو َكَشْيَع 3 َلَ ُهَل َلاَقَف ِمْوَيْلٱ اَذٰه يِف اًكَمَس ْدَطْصَأ ْمَل يِّنِإَف َكْنِم ُتْيَحَتْسٱ 4 ىَلَع َكَل ُتْلُق اَمَأ ِحَتْسَت ُهاَطْعَأ َّمُث ُرْيَخْلٱ َكَيِتْأَي ىَّتَح َكِلْهَم 5 ٱ َةَرَشَعْلٱَو َشْيَعْل ٍفاَصْنَأ َهَرَبْخَأَو ِهِتَجْوَز ىَلِإ َحاَرَو ْتَلاَقَف ِرَبَخْلٱِب ا 6 ُهَل َا ُهَّقَح ِهيِفوُتَو ُرْيَخْلٱ َكيِتْأَي ىَلاَعَت ُللهٱ َءاَش ْنِإ ٌميِرَك ُلله 7 パン屋に恥ずかしいので彼が自分を見ないように漁師は歩みを速めました。すると不意にパ ン屋が彼の方に目を上げ、叫んで言いました。「漁師さん、来なさい。あなたのパンと経費を取 りなさい。あなたは忘れているよ」 漁師は言いました。「いいえ、神様に誓って、忘れたのでは ありません。そうではなく、あなたに恥ずかしかったのです。今日は魚が獲れなかったので」 パン屋は漁師に言いました。「恥ずかしがらないでくれ。良いことがあなたに来るまでゆっくり やれと私はあなたに言わなかったか」 そして彼にパンと10半銀を与えました。漁師は妻のと ころへ行き、彼女にその話を知らせました。彼女は言いました。「神様は寛大でいらっしゃる。 いと高き神様が望み給うたならば、あなたに良いことが来て、あなたはその人の受け取るべき ものをすべて払えるでしょう」 ①ٌ يْشَم:「歩み」 ٌ ءاَي َح:「恥じること」 ٌِبٌ اَذِإ:「すると不意に」 ②ٌَعَف َر:「上げる」 ٌ رَصَب:「視線」 ③ٌ فوُر ْصَم:「経費」 ٌَتي ِسَن:ٌَي ِسَن 2.m.sg. 「忘れる」 اَم:否定。 اَمَّنِإ:「そうではなく、むしろ」 ④ٌُتْي َحَت ْسِا:ى َحَت ْسِا Ⅹ1.sg. 「恥じる」(√ييح 前述) يِّنِإ:ٌَّنِإ + 1.sg. の 接 代 。 ٌْدَط ْصَأ:ٌَداَط ْصِا Ⅷ 要 1.sg. ⑤ٌِحَتْسَت:ىَحَتْسِا Ⅹ 要 2.m.sg. اَمَأ:ٌَأ 疑問、اَم 否定。ٌُتْلُق:ٌَلاَق 1.sg. ٌَكِلْهَمٌىَلَع:「ゆっくりやれ」 ⑥ٌ رَب َخ: 「知らせ、話」 ⑦ٌُللٱٌٌَءاَشٌ ْنِإ:「神様が望み給うたなら」未来のことを話す時に付け加える 言葉。 يِفوُت:ىَف ْوَأ Ⅳ未 2.m.sg. 「全額支払う」 ٌ ق َح:「権利、当然受け取るべきもの」 zen

(15)

ِّلُك يِف َوُهَو اًمْوَي َنيِعَبْرَأ َةَّدُم ِةَلاَحْلٱ ِهِذٰه ىَلَع ْلَزَي ْمَلَو ُحوُرَي ٍمْوَي 1 ٍكَمَس َلًِب ُعِجْرَيَو اَهِبوُرُغ ىَلِإ ِسْمَّشلٱ ِعوُلُط ْنِم ِرْحَبْلٱ ىَلِإ 2 َنِم اًمْوَي َكَمَّسلٱ ُهَل ْرُكْذَي ْمَلَو ِزاَّبَخْلٱ َنِم اًفوُرْصَمَو اًشْيَع ُذُخْأَيَو 3 ْلَب ِساَّنلٱ َلْثِم ُهْلِمْهُي ْمَلَو ِماَّيَْلِٱ َشَعْلٱ ِهيِطْعُي ٍفاَصْنَأ َةَر َشْيَعْلٱَو 4 ُتْقَو اَذٰه اَم ْحُر ُهَل ُلوُقَي يِنْبِساَح يِخَأ اَي ُهَل ُلوُقَي اَمَّلُكَو 5 ىَّتَح ِباَسِحْلٱ َبِساَحُأَف ُرْيَخْلٱ َكَيِتْأَي ِهِدْنِع ْنِم ُبَهْذَيَو ُهَل وُعْدَيَف َك 6 ُهَل اًرِكاَش 7 漁師は40日間、ずっとこの状態で、毎日、日の出から日没まで海に行き、魚なしで帰り、パン 屋からパンと経費を取り、パン屋は一日たりとも魚のことを述べず、人々のように彼を無視する こともなく、彼に10半銀とパンを与えました。漁師が彼に「兄弟よ、私と清算をしてくれ」と言う たびに、パン屋は言うのでした。「行きなさい。これ(=今)は清算の時ではない、あなたに良い ことが来るまでは。それからあなたと清算をしよう」それで漁師は彼のために祈り、彼に感謝し てそのもとを離れて行くのでした。 ①ٌَنيِعَب ْرَأ:ٌَنوُعَب ْرَأ の属格。 ②ٌ عوُلُط:「昇ること」 ٌُسْمَّشلَا:「太陽」 ٌ بوُرُغ: 「 ( 日 が ) 沈む こと 」 ٌُعِج ْرَي:ٌَعَجَر 未 「 帰 る 」 ٌَلِب:「 ~ な し に 」 属格 名詞 が 続 く 。 ③ ٌُذُخْأَي:ٌَذ َخَأ 未 ٌْرُك ْذَي:ٌَرَكَذ 要「述べる」 ④ٌْلِمْهُي:ٌَلَمْهَأ Ⅳ要「無視する」 ٌَلْثِم: 「~のように」 ٌْلَب:「そうではなく」 ي ِط ْعُي:ىَط ْعَأ Ⅳ未 ⑤ٌ ~اَمَّلُك:「~するたびに」 ٌ خَأ:「兄弟」兄弟以外にも親しみをこめて使う。يِـ は 1.sg.の接代。 ٌْب ِسا َح: ٌَبَسا َح~ Ⅲ命「~との間で清算する」 ٌْحُر:ٌَحا َر 命「行く」 اَم:否定。 ⑥ٌ باَسِح:「清算(Ⅲ形の 動詞の動名詞)」 وُع ْدَي:ٌِلٌاَعَد 未「~のために祈る」 ٌُبَه ْذَي:ٌَبَهَذ 未「行く」 ~ِدْنِعٌ ْنِم:「~のところから」 ⑦ا ًرِكاَش:ٌَرَكَش 能分「感謝する」ハール。

(16)

َّنَأَك اَهَل َلاَق ٍءْيَش ِّيَِلِ ُهَل ْتَلاَقَف ِةَشيِعْلٱ ِهِذٰه ْنِم َحاَتْرَأَو َةَكَبَّشلٱ 2 َنِم َعَطَقْنٱ يِقْزِر ُتْبُذ يِّنِإ ِللهٱَو ُلاَحْلٱ اَذٰه ىَتَم ىَلِإَف ِرْحَبْلٱ 3 َزوُجَأ َلَ ىَّتَح ِرْحَبْلٱ ىَلِإ ُحوُرَأ ُتيِقَب اَم اَنَأَف ِزاَّبَخْلٱ َنِم ًءاَيَح 4 ِهْيَلَع ُتْزُج اَمَّلُكَو ِهِنْرُف ىَلَع َّلَِإ ٌقيِرَط يِل َسْيَل ُهَّنِإَف ِهِنْرُف ىَلَع 5 َو يِنيِداَنُي ٱ يِنيِطْعُي ٍفاَصْنَأ َةَرَشَعْلٱَو َشْيَعْل َأ اَنَأَو ىَتَم ىَلِ اَو ُنَياَدَت 6 ُهْنِم 7 41日目、漁師は妻に言いました。「私の望みはこの網を断ち切ってこの生活から解放されるこ とだ」彼女は言いました。「どうしてですか」彼は言いました。「まるで私の日々の糧は海から断 たれたかのようだ。いつまでこの状態なのか。神様に誓って、私はパン屋に恥ずかしくて溶けて しまった。もはや海へは行かない。彼のかまどのところを通らないように。なぜなら私にはかま どのところ以外には道がないから。そこを通るたびにパン屋は私を呼び、パンと10半銀をくれ る。いつまで私は彼から借金をするのか」 ①ٌ ةَأ َرْمِا:「女、妻」最初のハムザは一時性。ٌ دا َرُم:「意図、望み」これが主語で、述語は ~ ْنَأ の節。ٌَعَطْقَأ:ٌَعَطَق 接 1.sg. 「切る、断つ」 ②ٌَحاَت ْرَأ:ٌَحاَت ْرِا Ⅷ接 1.sg. 「解放さ れる、休息する」 ٌ ةَشيِع:「生活のしかた」 ٌ ء ْيَشٌ ِّيَ ِلِ:「どのことために=どうして」 ~ َّنَأَك:「まるで~であるかのようだ」主語の名詞は対格になる。 ③ٌَعَطَقْنِا:Ⅶ「断たれる」 ىَتَمٌىَلِإ:「いつまで」 ٌ لا َح:「状態」 ٌُتْبُذ:ٌَباَذ 1.sg. 「溶ける」 ④ًٌءاَي َح:原因を示 す対格「恥ずかしさのために」 ٌُتيِقَب:ٌَيِقَب 1.sg. 否定語のاَمと共に使って「もはや~しない」 ٌَزوُجَأ:ٌَزا َج 接 1.sg. 「通る」 ⑤ٌُهَّنِإَف:このٌُه は p.3③ٌُهَّنَأ のٌُه と同様。 ~ َّلَِإٌ.. َسْيَل: 「~以外にない」 ٌُت ْزُج:ٌَزا َج 1.sg. ⑥يِداَنُي:ىَداَن Ⅲ未「呼ぶ」 ٌُنَياَدَتَأ:ٌَنَياَدَت Ⅵ 未 1.sg. 「互いに借金し合う」の意だが、ここでは単に「借金する」の意らしい。

(17)

ُهَل ْتَلاَق َا ُدْمَحْل َتوُقْلٱ َكيِطْعُيَف َكْيَلَع ُهَبْلَق َفَّطَع يِذَّلٱ ىَلاَعَت ِهٰ لِل 1 َع ُهَل َيِقَب َلاَق اَذٰه ْنِم ُهَرْكَت ٍءْيَش َّيَأَو ِمِهاَرَّدلٱ َنِم ٌميِظَع ٌرْدَق َّيَل 2 َلََو َّدُب ِب َكاَذآ ْلَه ُهُتَجْوَز ُهَل ْتَلاَق ُهَّقَح ُبُلْطَي ُهَّنَأ ْمَلَو َلَ َلاَق ٍم َلًَك 3 َضْرَي اَذِإَف ْتَلاَق ُرْيَخْلٱ َكَيِتْأَي ىَّتَح يِل ُلوُقَيَو يِنَبِساَحُي ْنَأ 4 اَهَل َلاَقَف َتْنَأَو اَنَأ ِهيِجَتْرَن يِذَّلٱ ُرْيَخْلٱ َيِتْأَي ىَّتَح ُهَل ْلُق َكَبَلاَط 5 ْقَدَص َلاَق ٌميِرَك ُللهَا ُهَل ْتَلاَق ِهيِجَتْرَن يِذَّلٱ ُرْيَخْلٱ ُءيِجَي ىَتَم َّمُث ِت 6 ِرْحَبْلٱ ىَلِإ َهَّجَوَتَو ُهَتَكَبَش َلَمَح 7 彼女は言いました。「その人の心をあなたに対して優しくし、あなたに食べ物を与えられる、い と高き神様に讃えあれ。このことの何をあなたは嫌うのですか」彼は言いました。パン屋には 私に対して大きな金額の貸しが残っている。きっと、受け取るべきものを求めるに違いない」妻 は彼に言いました。「その人は言葉であなたを傷つけたのですか」彼は言いました。「いいや、 彼は私と清算することに満足せず、あなたに良いことが来るまでと言うのだ」彼女は言いまし た。「それなら、その人があなたに請求したら、私とあなたが期待する良いことが来るまでと、 彼に言いなさいな」漁師は妻に言いました。「私達が期待する良いことはいつ来るのだろう」彼 女は言いました。「神様は寛大でいらっしゃる」彼は言いました「お前の言うとおりだ」そして網 を持って海へ向かい、 ①ٌ دْم َح:「賛美」 ٌِ ِللٌ ُدْم َحْلَا:「神に栄光あれ、おかげさまで」 ٌَفَّطَع:Ⅱ「(心を)優しく する」 ٌ بْلَق:「心」 ٌ توُق:「食べ物」ここまで関係節。②ٌُه َرْكَت:ٌَه ِرَك 未 2.m.sg. 「嫌う」 ~ ِل は債権者、~ىَلَع は債務者を表す。 ٌَّيَلَع:ىَلَعに 1.sg.接代が付いた形。 ③ ~ َّنَأٌَّدُبٌ َلَ:「必ず~するはずだ」 ٌُبُل ْطَي:ٌَبَلَط 未「求める」 ٌَكاَذآ:ىَذآⅣ「傷つけ る」+接代 ④ٌَض ْرَي:ٌَي ِض َر 要「~に満足する」 ⑤ٌَبَلاَط:Ⅲ「請求する」 ٌْلُق:ٌَلاَق 命 يِجَت ْرَن:ىَجَت ْرِا Ⅷ未 1.pl. 「期待する」 ⑥ٌُءيِجَي:ٌَءاَج 未。ٌِتْقَدَص:ٌَقَدَص 2.f.sg. 「真実を語る」

(18)

ًةَليِقَث اَهَدَجَوَف اَهَبَحَس َّمُث ِرْحَبْلٱ يِف َةَكَبَّشلٱ ىَمَر ُهَّنِإ َّمُث ِزاَّبَخْلٱ 2 اَهيِف ىَأَر اَهَجَرْخَأ اَّمَلَف اًديِدَش اًبْعَت َبِعَت ىَّتَح اَهيِف ُجِلاَعُي َلاَز اَمَف 3 ْتَمِئَسَف ٌةَهيِرَك ُهُتَحِئاَرَو اًخوُفْنَم اًتِّيَم اًراَمِح َنِم ُهَصَّلَخ َّمُث ُهُسْفَن 4 َّلَِإ َةَّوُق َلََو َلْوَح َلَ َلاَقَو ِةَكَبَّشلٱ ٱِب ُتْزَجَع ْدَق ِميِظَعْلٱ ِّيِلَعْلٱ ِلله 5 ِرْحَبْلٱ يِف ٌقْزِر يِل َيِقَب اَم ِةَأْرَمْلٱ ِهِذٰهِل ُلوُقَأ اَنَأَو 6 言うのでした。「神様、たとえ魚1匹でも私にお恵み下さい。それをパン屋にあげるために」そし て海に網を投げました。それからそれを引くと、それが重いことがわかりました。網に取り組み 続け、ひどく疲れてしまいました。網を(海から)出すと、中には、ふくれあがった死んだロバが見 え、その臭いは嫌な臭いで、彼の心はうんざりしてしまいました。そして網からそれを取り除い て言いました。「いと高く偉大なる神様以外に力も強さもなし。私は力がなくなって、この女に言 ったものだ、もはや海には私の日々の糧はない、 ①~ َوُه َو:前頁ٌَهَّج َوَت の主語のハール。~ ْوَل َو:「たとえ~でも」 ٌَيِدْهُأ:ىَدْهَأ Ⅳ接 1.sg. 「贈る」 ②...~َد َج َو:「~は・・・だと気付く、見出す」 ٌ ليِقَث:「重い」 ③~َلا َزٌ اَم:「~し続ける」 ٌُجِلاَعُي:ٌَجَلاَع Ⅲ未「取り組む、扱う」 ٌَبِعَت:「疲れる」 ٌ ب ْعَت:「疲れ」同族目的語の用法。ٌ ديِدَش:「激しい」 ٌَج َر ْخَأ:Ⅳ「出す」 ④ٌ راَمِح:「ロ バ」 ٌ تِّيَم:「死んだ」 ٌ خوُفْنَم:「ふくらんだ」 ٌ هي ِرَك:「嫌な」 ٌَمِئَس:「うんざりする」 ٌَصَّل َخ:Ⅱ「取り除く、救い出す」 ⑤ٌَلَ:絶対否定のٌَلَ 「~はない」、後に来る名詞はタン ウィーンなしの対格。ٌ ل ْو َح:「力」 ٌ ة َّوُق:「力、強さ」 ٌِللٱٌِبٌ َّلَِإٌَة َّوُقٌ َلَ َوٌَل ْوَحٌ َلَ 「力も 強さも神様以外にはない」 ٌ يِلَع:「高い」 ٌْدَق:完了形動詞と共に用いて、完了の意味を強 める。ٌُت ْز َجَع:ٌَز َجَع 1.sg.「力が不足している」 ⑥~ُلوُقَأٌ اَنَأ َو:ハールと考える。 ٌُةَأ ْرَمْلَا:ٌ ةَأ َرْمِا 「女」に定冠詞をつけるときはこの形を使う。 اَم:否定。

(19)

َةَعْنَّصلٱ ِهِذٰه ُكُرْتَأ يِنيِعَد يِل ُلوُقَت َيِهَو َا ُرْيَخْلٱ َكيِتْأَيَس ٌميِرَك ُلله 1 َغ ُهَل َلَصَح ُهَّنِإ َّمُث ُرْيَخْلٱ َوُه ُتِّيَمْلٱ ُراَمِحْلٱ اَذٰه ْلَهَف ٌديِدَش ٌّم 2 َةَكَبَّشلٱ َذَخَأَو ِراَمِحْلٱ ِةَحِئاَر ْنَع َدُعْبَيِل َرَخآ ٍناَكَم ىَلِإ َهَّجَوَتَو 3 ْلَزَي ْمَلَف ًةَليِقَث اَهآَرَف اَهَبَذَج َّمُث ًةَّيِناَمَز ًةَعاَس اَهْيَلَع َرَبَصَو اَهاَمَرَو 4 ِهْيَّفَك ْنِم ُمَّدلٱ َجَرَخ ىَّتَح اَهيِف ُجِلاَعُي اَهيِف ىَأَر َةَكَبَّشلٱ َجَرْخَأ اَّمَلَف 5 َناَك َنيِذَّلٱ َناَمْيَلُس ِدِّيَّسلٱ ِتيِراَفَع ْنِم ٌتيِرْفِع ُهَّنَأ َّنَظَف اًّيِمَدآ 6 ِرْحَبْلٱ يِف ْمِهيِمْريَو ِساَحُّنلٱ ِمِقاَمَق يِف ْمُهُسِبْحَي 7 この仕事をやめさせてくれと。そして彼女は私に、神様は寛大です、あなたに良いことが来るで しょうと言った。この死んだロバがその良いことなのか」彼を激しい悲しみが襲いました。彼はロ バの臭いから遠ざかろうと別の場所に向かいました。そして網を取り、投げて、ある時間、辛抱 しました。そして引くと、それが重いのがわかりました。網に取り組み続け、とうとう両手のひら から血が出てきました。網を(海から)出すと、中に人間が見えました。彼は、それはスライマー ン様が銅製の瓶に閉じ込めて海に投げ捨てたイフリート(=悪魔)の1人だと思いました。 ①يِعَد:...~ َعَد َو 命 2.f.sg. 「~に・・・させる」(この意味では完了形は用いられない) ٌُكُرْتَأ:ٌَك َرَت 未 1.sg. 「やめる」 ٌ ةَعْنَص:「職業」 ٌَكيِتْأَيَس:ٌَس は未完了形に接頭し 未来を示す ②ٌِلٌ َلَصَح:「~に起こる」 ③ٌَدُعْبَي:~ ْنَعٌ َدُعَب 接「~から遠くにある」 ④ٌ ةَعاَس:「時間」 ٌ يِناَم َز:「時の」 ًٌةَّيِناَم َزٌ ًةَعاَس:「ある時間」副詞的用法の対格 اَهآ َر=اَه+ىَأ َر ⑤ٌ مَد:「血」 ٌِهْيَّفَك:ٌ فَك 「手のひら」の双、属格+接代ٌُه ⑥ٌ يِمَدآ: 「人間」 ٌَّنَظ:「思う」 ٌ تي ِرْفِع:「イフリート、悪魔」 pl.はٌُتي ِراَفَع。ٌ ُدِّيَّسلَا:男性の敬 称 。ٌُناَمْيَلُس:「 ス ラ イ マ ー ン 、 旧 約 聖 書 の ソ ロ モ ン 」 ٌَنيِذَّلَا:関 代 m.pl. 先 行 詞 は ٌُتي ِراَفَع。 ⑦ٌُسِب ْحَي:ٌَسَبَح 未「閉じ込める」 ٌُمِقاَمَق:ٌ مُقْمُق の pl. 「首が長く下が膨ら んだ瓶」 ٌ سا َحُن:「銅、真鍮」 يِم ْرَي:ىَم َر 未。ٌِر ْحَبْلٱٌيِف までがٌَنيِذَّلَا の関係節。

(20)

اَي َناَمَْلِٱ َناَمَْلَِا ُلوُقَي َراَصَو ُهْنِم َبَرَهَف ِةَكَبَّشلٱ يِف َعَلَطَو 2 َلاَقَو ِةَكَبَّشلٱ ِلِخاَد ْنِم ُّيِمَد ْلْٱ ِهْيَلَع َحاَصَف َناَمْيَلُس َتيِرْفِع 3 َص اَي َلاَعَت َلاَنَتِل يِنْصِّلَخَف َكَلْثِم ٌّيِمَدآ يِّنِإَف يِّنِم ْبُرْهَت َلَ ُداَّي 4 اَّمَلَف يِرْجَأ ُداَّيَّصلٱ ُهَم َلًَك َعِمَس ٱ اَمَأ ُهَل َلاَقَو ُهَءاَجَو ُهُبْلَق َّنَأَمْط 5 ٌنِمْؤُم ٌّيِسْنِإ اَنَأ اَمَّنِإ َلَ َلاَق ِّنِجْلٱ َنِم ٌتيِرْفِع َتْنَأ ٱِب ِلله ِهِلوُسَرَو 6 ِرْحَبْلٱ يِف َكاَمَر ْنَمَو ُهَل َلاَق ِد َلَْوَأ ْنِم اَنَأ ُهَل َلاَق ِرْحَبْلٱ 7 長い年月のために瓶が壊れてそのイフリートが瓶から出て、網の中に現れたのだと。漁師はそ れから逃げ、言い始めました。「お助け下さい、スライマーンのイフリートよ」すると網の中の人 間は彼に叫んで言いました。「来なさい、漁師さん。私から逃げないでくれ。私はあなたと同じよ うに人間です。私を救い出して、私の報酬を得なさい」漁師は彼の言葉を聞いたとき、心は安 堵し、彼のところへ来て言いました。「あなたはジン(=魔人)のイフリートではないのですか」彼 は言いました。「いいえ、そうではなく、私は神様とその使徒を信じる人間です」漁師は言いまし た。「誰があなたを海に投げ込んだのですか」彼は言いました。「私は海の子の1人です。 ①ٌَرَسَكْنِا:Ⅶ「壊れる」 ٌ لوُط:「長さ」 ٌَنيِن ِس:ٌ ةَنَس の pl. 属格「年」、主格はٌَنوُن ِس 。 ②ٌَب َرَه:「逃げる」ٌ ٌ ناَمَأ:「安全、保護」 ここでは「お願いします」などの動詞が省かれ ていると考えて対格。③ٌَناَمْيَلُسٌ َتي ِرْفِع:اَي の後の名詞が単独語ではなく、属格名詞に 限定された名詞である場合などには、対格になる。ٌ لِخاَد:「内側」 ④ٌْبُرْهَت:ٌَب َرَه 要 2.m.sg. يِّنِم:ٌْنِم に 1.sg.の接代が付いた形。 ~َلْثِم:「~と同じように」 ٌْصِّل َخ: ٌَصَّل َخ Ⅱ 命 ٌَلاَنَت:ٌَلاَن 接 2.m.sg. 「 得 る 」 ⑤ٌ ر ْجَأ: 「 報 酬 」 ٌَعِمَس:「 聞 く 」 ٌَّنَأَم ْطِا:4語根動詞Ⅳ形。「安堵する」 اَمَأ:ٌَأ 疑問、اَم 否定。⑥ٌ نِج:「ジン、魔人」 ٌ ي ِسْنِإ:「人間」 ٌ نِم ْؤُم:ٌِبٌ َنَمآ:Ⅳ能分「信じる」 ٌ لوُس َر:「使徒」

(21)

ِللهٱ ِماَكْحَِلِ َنوُعيِطُم ٌماَوْقَأ ُنْحَنَو َةَكَبَّشلٱ َّيَلَع َتْيَمَرَف اًرِئاَد ُتْنُك 1 َنوُكَأ ْنَأ ىَشْخَأَو ُفاَخَأ يِّنَأ َلَْوَلَو ىَلاَعَت ِللهٱ ِقْلَخ ىَلَع ُقِفْشُنَو 2 َر ْنِكٰلَو َكَتَكَبَش ُتْعَطَقَل َني ِصاَعْلٱ َنِم َّيَلَع ُللهٱ َرَّدَق اَمِب ُتي ِض 3 َكَل ْلَهَف َكَريِسَأ ُري ِصَأ اَنَأَو يِل اًكِلاَم ُري ِصَت يِنَتْصَّلَخ اَذِإ َتْنَأَو 4 يِبِحاَص ىَقْبَتَو يِنَدِهاَعُتَو ىَلاَعَت ِللهٱ ِهْجَو َءاَغِتْبٱ يِنَقِتْعُت ْنَأ 5 私が(海を)回っていると、あなたが私に網を投げたのです。私達は神様の規定に服従する民で あり、いと高き神様の被造物を思いやります。もし私が(神に)服従しない者の1人になることを 怖れたり心配したりしないなら、あなたの網を断ち切っていたでしょう。しかし私は神様が私に 定められたことに満足しました。あなたが私を救い出してくれるなら、あなたは私の主人となり、 私はあなたのとらわれ人となりましょう。あなたが、いと高き神様の御顔を(拝することを)望ん で私を解放し、私と契約し、私の友人となるのはどうですか。 ①ٌ رِئاَد:ٌَراَد 能 分 「 回 る 」 ٌَتْيَم َر:ىَم َر 2.m.sg. ٌ ما َوْقَأ:ٌ م ْوَق の pl. 「 民 」 ٌَنوُعي ِطُم:ٌَعاَطَأ Ⅳ能分 pl. 「服従する」 ٌ ماَك ْحَأ:ٌ مْكُح の pl.「規定」 ②ٌُق :ٌِفْشُن ىَلَعٌ َقَفْشَأ Ⅳ未 1.pl.「思いやる」 ٌ قْل َخ:「被造物」 ~ َلَ ْوَل:「もし~がなければ」帰結 節はٌَل で始める。 ٌُفا َخَأ:ٌَفا َخ 未 1.sg. 「怖れる」 ىَش ْخَأ:ٌَي ِش َخ 未 1.sg. 「怖れ る 」 ٌَنوُكَأ:ٌَناَك 接 1.sg. ③ٌَني ِصاَع:ىَصَع 能分 pl. 属格。 「反抗 する」 主格 は ٌَنوُصاَع、sg.はٌ صاَع。 ٌُتي ِض َر:ٌَي ِض َر 1.sg. اَم:関代。関係節の中でこれを指す べき接代は省かれている。ٌَرَّدَق:Ⅱ「定める」 ④ٌُري ِصَت:ٌَراَص 未 2.m.sg. ٌ كِلاَم:「所有 者」 ٌ ري ِسَأ:「とらわれ人」 ~ ْنَأٌ َكَلٌ ْلَه:「~するのはどうか?」 ⑤ٌَقِت ْعُت:ٌَقَت ْعَأ Ⅳ 接 2.m.sg. 「解放する」 ٌ ءاَغِتْبِا:「望むこと(Ⅷ形の動名詞)」原因を示す対格。 ⑥ٌَدِهاَعُت: ٌَدَهاَع Ⅲ接 2.m.sg. 「~と契約する」 ىَقْبَت:ٌَيِقَب 接 2.m.sg. 「~として残る」 ٌ بِحاَص: 「友人」

(22)

ِع ْمُكَدْنَع َّنِإَف ِّرَبْلٱ ِراَمِث ْنِم ٍةَّيِدَهِب ًخيِّطَبَو اًنيِتَو اًبَن َخَو ا ْو اًخ 2 ُنْحَنَو َكْنِم ٌلوُبْقَم َّيَلِإ ِهِب ُءيِجَت ٍءْيَش ُّلُكَو َكِلٰذ َرْيَغَو اًناَّمُرَو 3 َكَل َُلْْمَأ اَنَأَف ُرِهاَوَجَو ٌتوُقاَيَو ٌدُّرُمُزَو ٌدَجْرَبَزَو ٌؤُلْؤُلَو ٌناَجْرَم اَنَدْنِع 4 اَهيِف يِل ُءيِجَت يِتَّلٱ َةَّنَشِمْلٱ ٱِب ِداَعَم ِةَهِكاَفْل ِرْحَبْلٱ ِرِهاَوَج ْنِم َن 5 يِنْيَب ُةَحِتاَفْلَا ُداَّيَّصلٱ ُهَل َلاَق ِم َلًَكْلٱ اَذٰه يِف يِخَأ اَي ُلوُقَت اَمَف 6 ِم َلًَكْلٱ اَذٰه ىَلَع َكَنْيَبَو 7 毎日この場所で、私があなたのところに来て、あなたが私のところに来て、あなたは私に陸の 果実の贈り物を持ってくる、あなた方のところにはブドウ、イチジク、スイカ、モモ、ザクロ、その 他のものがあり、あなたが私に持ってくるものは全てあなたから受け入れる。私達のところに はサンゴ、真珠、貴橄欖(かんらん)石、エメラルド、鋼玉や宝石がある。あなたが果物を入れ て持って来るかごを、私は海の宝石の鉱物で満たす。兄弟よ、この言葉について何と言います か」漁師は彼に言いました。「私とあなたの間でこの言葉について『ファーティハ』を(唱えよう)」 ①ٌُءيِجَأ:ٌَءاَج 未 1.sg. يِتْأَت:ىَتَأ 未 2.m.sg. ②ٌ ةَّيِدَه:「贈り物」 ٌ راَمِث:ٌ رَمَث の pl. 「果実」 ٌ رَب:「陸」 ٌ بَنِع:「ブドウ」 ٌ نيِت:「イチジク」 ٌ خيِّطَب:「スイカ」 ٌ خ ْو َخ:「モ モ」 ③ٌ ناَّمُر:「ザクロ」 これらの単語はٌَّنِإ の文の主語なので対格 ٌَّيَلِإ:ىَلِإに 1.sg.接 代が付いた形。ٌ لوُبْقَم: ٌٌَلِبَق 受分「受け取る」④ٌ نا َج ْرَم:「サンゴ」 ٌ ؤُل ْؤُل:「真珠」 ٌ د َج ْرَب َز:「貴橄欖石、ペリドット」 ٌ د رُمُز:「エメラルド」 ٌ توُقاَي:「鋼玉(ルビーやサファ イヤ)」 ٌُرِها َو َج:ٌ رَه ْو َج の pl. 「宝石」 ٌَُلَْمَأ:ٌََلََم 未 1.sg. 「~で~を満たす(目的語 が2つとれる)」 ⑤ٌ ةَّنَشِم:「かご」 يِتَّلَا:関代 f. 関係節はٌِةَهِكاَفْل ٌِبٱ まで。ٌُنِداَعَم: ٌ نِد ْعَم の pl.「鉱物、金属」ٌَُلَْمَأ の2つ目の目的語。 ⑥اَم:疑問詞。ٌُة َحِتاَفْلَا:「ファーティ ハ、コーラン第1章:開巻の章のこと」 ٌَكَنْيَب َوٌيِنْيَب:「私とあなたの間で」

(23)

َةَحِتاَفْلٱ اَمُهْنِم ٌّلُك َأَرَقَف ُهَل َلاَق َّمُث ِةَكَبَّشلٱ َنِم ُهَصَّلَخَو اَم ُداَّيَّصلٱ 1 ْسٱ َلاَق َكُم ِا ْمَلَو ِناَكَمْلٱ اَذٰه ىَلِإ َتْيَتَأ اَذِإَف ُّيِرْحَبْلٱ ِللهٱ ُدْبَع يِمْس 2 يِف َكَدْنِع ُنوُكَأَف ُّيِرْحَب اَي ِللهٱ َدْبَع اَي َتْنَأ َنْيَأ ْلُقَو ِداَنَف يِنَرَت 3 ْلٱ ِم َلًَكْلٱ ِنَع ْتَتَكَسَف ُحاَبَّصلٱ َداَزَرْهَش َكَرْدَأَو ِلاَحْلٱ ِحاَبُم 4 ِةَئاِمِعْس تلٱ َدْعَب َنوُعَبْرَْلْٱَو ُةَيِناَّثلٱ ُةَلْيَّللٱ ِتَناَك اَّمَلَف 5 َلاَق َّيِرْحَبْلٱ ِللهٱ َدْبَع َّنَأ ُديِعَّسلٱ ُكِلَمْلٱ اَهُّيَأ يِنَغَلَب ْتَلاَق اَذِإ ُهَل 6 اَي ِللهٱ َدْبَع اَي َتْنَأ َنْيَأ ْلُقَو ِداَنَف يِنَرَت ْمَلَو ِناَكَمْلٱ اَذٰه ىَلِإ َتْيَتَأ 7 ُداَّيَّصلٱ َلاَقَف َكُمْسٱ اَم َتْنَأَو ِلاَحْلٱ يِف َكَدْنِع ُنوُكَأَف ُّيِرْحَب 8 ِللهٱ ُدْبَع يِمْسِا 9 それで2人とも『ファーティハ』を唱えました。漁師は彼を網から救い出しました。そして漁師は 彼に言いました。「あなたの名前は何というのですか」彼は言いました。「私の名前は海のアブ ドゥッラーです。あなたがこの場所に来て私を見なかったら、呼んで、アブドゥッラーよ、海の者 よ、あなたはどこだ、と言いなさい。すぐに私はあなたのところに来ます」朝が来て、シャハラザ ードは許された話をやめて黙りました。 942番目の夜になると、 彼女は言いました。幸福な王様、私に伝わったのは次のようなことです。海のアブドゥッラーは 言いました。「あなたがこの場所に来て私を見なかったら、呼んで、アブドゥッラーよ、海の者 よ、あなたはどこだ、と言いなさい。すぐに私はあなたのところに来ます。あなたの名前は何と いうのですか」漁師は言いました。「私の名前はアブドゥッラーです」 ①ٌَأَرَق:「読む、唱える」 ②ٌَتْيَتَأ:ىَتَأ 2.m.sg. ③ٌَرَت:ىَأ َر 要 2.m.sg. ٌِداَنَف:条件文の 帰結節が命令文のときٌَف が入る。 ٌِداَن:ىَداَن Ⅲ命 「呼ぶ」 ٌْلُق:ٌَلاَق 命。 اَي:これに 続く名詞については、p.9②と p.20③を参照。 ٌِلاَحْلٱٌيِف:「直ちに」

(24)

يِف ُّيِرْحَبْلٱ ِللهٱ ُدْبَع َحاَرَف ًةَعاَطَو اًعْمَس ُهَل َلاَقَف ٍةَّيِدَهِب َكَيِتآَو 2 َنِم ُهَصَّلَخ ِهِنْوَك ىَلَع ُّيِّرَبْلٱ ِللهٱ ُدْبَع َمِدَن َكِلٰذ َدْنِعَف ِرْحَبْلٱ 3 ْعَأ َنْيَأ ْنِم ِهِسْفَن يِف َلاَقَو ِةَكَبَّشلٱ َوُه اَمَّنِ اَو َّيَلِإ ُعِجْرَي ُهَّنَأ ُفِر 4 يِف َساَّنلٱ ِهْيَلَع ُجِّرَفُأ ُتْنُك ُهُتْيَقْبَأ ْوَلَو ُهُتْصَّلَخ ىَّتَح َّيَلَع َكِحَض 5 َتوُيُب ِهِب ُلُخْدَأَو ِساَّنلٱ ِعيِمَج ْنِم َمِهاَرَّدلٱ ِهْيَلَع ُذُخآَو ِةِنيِدَمْلٱ 6 َّدَنَتَي َراَصَف ِرِباَكَْلِٱ ِه ِسْفَنِل ُلوُقَيَو ِهِق َلًْطِإ ىَلَع ُم 7 彼は言いました。「あなたは陸のアブドゥッラーで、私は海のアブドゥッラーだ。では、私が行っ て贈り物を取って来るまでここに留まっていて下さい」漁師は言いました。「承知した」海のアブ ドゥッラーは海に行きました。そのときになって、陸のアブドゥッラーは彼を網から救い出したこ とを後悔し、心で言いました。「彼が私のところに戻って来るかを、どこから私は知ることができ るだろう。それどころか、実は彼は私のことを笑っていて、結局私は彼を救い出してしまったの だ。もし彼を残しておいたら、町で人々に彼を見せて、全部の人々からお金を取ることができ、 彼を連れて偉い人達の家にも入ることができただろうに」そして彼を解放したことを後悔し始 め、心で言いました。 ①ٌْفِق:ٌَفَق َو 命「立ち止まる」 اَنُه:「ここ」 ②ٌ عْمَس:「聞くこと」 ٌ ةَعاَط:「服従」 ًٌةَعاَط َوٌاًعْمَس 「承知しました」 ③ٌَمِدَن:「後悔する」 ٌ ن ْوَك:ٌَناَك の動名詞。ٌَناَك と動 詞完了形で過去完了を表す。 ④ٌُف ِرْعَأ:ٌَفَرَع 未 1.sg. 「知る」 ⑤~ىَلَعٌ َكِحَض: 「~のことを笑う」 ٌْوَل:「もし~なら」(事実でないことの仮定) ٌُتْيَقْبَأ:ىَقْبَأ Ⅳ1.sg.「残す」 ٌُتْنُك:ٌَناَك 1.sg. ٌُجِّرَفُأ:ىَلَع~َجَّرَف Ⅱ未 1.sg.「を~に見せる」 ⑥ٌ ةَنيِدَم:「町」 ٌُذُخآ:ٌَذ َخَأ 未 1.sg. ٌ عيِم َج:「全て」 ⑥ٌ توُيُب:ٌ تْيَب の pl.「家」 ٌُرِباَكَأ:ٌُرَبْكَأ(ٌ ريِبَك の 比較級の形)の pl. 「上位の人」 ٌَمَّدَنَت:Ⅴ「後悔する」 ٌ ق َل ْطِإ:「解放」Ⅳ形の動名詞

(25)

َكِدَي ْنِم َكُدْيَص َحاَر ِهِدَي ْنِم ِه ِص َلًَخ ىَلَع ُفَّسَأَتَي َوُه اَمَنْيَبَف 1 اًناَجْرَمَو اًؤُلْؤُل ِناَتَءوُلْمَم ُهاَدَيَو ِهْيَلِإ َعَجَر ِّيِرْحَبْلٱ ِللهٱ ِدْبَعِب اَذِ اَو 2 َو اًتوُقاَيَو اًدُّرُمُزَو اَم ُهَّنِإَف يِنْذِخاَؤُت َلََو يِخَأ اَي ْذُخ ُهَل َلاَقَو َرِهاَوَج 3 َذَخَأَو ُّيِّرَبْلٱ ِللهٱ ُدْبَع َحِرَف َكِلٰذ َدْنِعَف َكَل اَهُؤَلْمَأ ُتْنُك ٌةَّنَشِم يِدْنِع 4 ُط َلْبَق ِناَكَمْلٱ اَذٰه ىَلِإ يِتْأَت ٍمْوَي َّلُك ُهَل َلاَقَو َرِهاَوَجْلٱ ُهْنِم ِعوُل 5 َلَخَد ُهَّنِإَف ُداَّيَّصلٱ اَّمَأَو َرْحَبْلٱ َلَخَدَو َفَرَصْنٱَو ُهَعَّدَو َّمُث ِسْمَّشلٱ 6 ِزاَّبَخْلٱ ِنْرُف ىَلِإ َلَصَو ىَّتَح اًيِشاَم ْلَزَي ْمَلَو ُناَحْرَف َوُهَو َةَنيِدَمْلٱ 7 يِنْبِساَحَف ُرْيَخْلٱ اَناَتَأ ْدَق يِخَأ اَي ُهَل َلاَقَو 8 「お前の獲物がお前の手から行ってしまった」漁師が、自分の手から彼が解放されたことを残 念がっていると、不意に海のアブドゥッラーが彼のところに帰ってきて、その両手は真珠やサン ゴやエメラルドや鋼玉や宝石で一杯でした。そして言いました。「取りなさい、兄弟よ。私を責め ないでくれ。かごがないのだ。(あれば)あなたのためにそれを満たしたのだが。その時になっ て陸のアブドゥッラーは喜び、彼から宝石を取りました。彼は言いました。「毎日、日の出前にあ なたはこの場所に来るのです」そして別れを告げ、去って、海に入りました。漁師のほうは喜ん で町に入り、歩き続け、遂にパン屋のかまどのところに着きました。漁師はパン屋に言いまし た。「兄弟よ、私達に良いことが来た。私と清算をしてくれ」 ①ٌ دْيَص:「獲物」 ٌ دَي:「手」f. اَمَنْيَب:「~する間に」 ٌَفَّسَأَت:Ⅴ「残念がる」 ٌ ص َل َخ: 「解放」 ②ٌُهاَدَي َو:~ َو の文はハール。ٌُهاَدَي:ٌ دَي の双(主格)+接代。 ٌِناَتَءوُلْمَم:ٌََلََم 受分 f.双 ③ٌْذُخ:ٌَذ َخَأ 命。ٌْذِخا َؤُت:ٌَذ َخآ Ⅲ要 2.m.sg. 「責める」 اَم:否定。 ④ٌُؤَلْمَأ: ٌََلََم 未 1.sg. ٌَح ِرَف:「喜ぶ」 ⑤يِتْأَت:ىَتَأ 未 2.m.sg. ~َلْبَق:「~の前に」 ⑥ٌَعَّد َو:Ⅱ 「別れを告げる」 ٌَف َرَصْنِا:Ⅶ「立ち去る」 ~اَّمَأ:「~について言えば」その内容を述べ る文はٌَف で始める。 ⑦ٌُنا َح ْرَف:「喜んでいる」 اًي ِشاَم:ىَشَم 能分 対格。「歩く」

参照

関連したドキュメント

255 語, 1 語 1 意味であり, Lana の居住室のキーボー

長尾氏は『通俗三国志』の訳文について、俗語をどのように訳しているか

長尾氏は『通俗三国志』の訳文について、俗語をどのように訳しているか

日本語で書かれた解説がほとんどないので , 専門用 語の訳出を独自に試みた ( たとえば variety を「多様クラス」と訳したり , subdirect

つまり、p 型の語が p 型の語を修飾するという関係になっている。しかし、p 型の語同士の Merge

Aの語り手の立場の語りは、状況説明や大まかな進行を語るときに有効に用いられてい

 さて,日本語として定着しつつある「ポスト真実」の原語は,英語の 'post- truth' である。この語が英語で市民権を得ることになったのは,2016年

文字を読むことに慣れていない小学校低学年 の学習者にとって,文字情報のみから物語世界