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はじめに
工学部の教育は,1990年に開始された日本技術者教育認定機構(JABEE)の 教育プログラムにより大きく変わった.講義では教師が教えるのではなく,学 生が学ぶことでありTeachからLearnへと流れが変わった.一方的に教師が講 義するのではなく,双方向な授業形態が推奨されている.またグローバルなエ ンジニアを目指すための技術英語の教育も重要視されている. このような教育環境で専門知識は深化を遂げているが,専門への導入教育は 変化していない.古いテキストを使用しているのが現実である.化学工学の基 礎を標榜するテキストは,単位操作を中心として記述され,その単位操作の 計算方法を学習する.しかし,基本的には,主要な基礎式は物質収支式,成分 収支式,エネルギー収支式から導出されている.その基本が十分に理解でき ないで,個別の単位操作を理解することは難しい.また,パーソナルコンピュ タ(PC)の導入により,計算の数値解析は理解していると考えられる.そこで, このたび静岡大学の化学工学系の先生方にこの趣旨を理解していただき,まず 基礎・化学工学のテキストを作成することとした.主要な趣旨を上げると, 1. JABEEが進める「自己学習」が可能となること.これに対応し,各節に (自己学習コーナー)を設けた.予習に役立ててもらいたい. 2. 内容を基礎・化学工学の物質収支,エネルギー収支に限定した.化学の量 論および化学工学の量論計算をその後の単位操作,速度論の根幹と考えたpLATEX 2ε: root : 2012/11/27(14:39) ii はじめに からである. 3. 1章がおよそ講義1回分の内容とし,半期15回の講義で1冊が完結するよ う分量を限定した. 4. 章末の演習問題は,少し多めの分量を作成し,略解を巻末に掲載し,復習 が可能になるよう配慮した. 5. 工学基礎計算は,PC使用を前提とし,計算基礎を解説した. 工学部の化学系の学生の課題設定能力,問題解決能力に基盤となる考え方が 身につくことを期待する.本書の出版に当たっては共立出版(株)営業部の木村 邦光氏および編集部の皆様に大変お世話になった.ここに,心からお礼申し上 げる. 2012年11月 須藤雅夫