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– 1 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資 料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、 何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果について は一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 更新日:2010/11/15 石油企画調査部:舩木弥和子

ブラジル:プレソルト開発にブラジルの将来を託す Dilma Rousseff 次期大統領

(Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas 他)

1.10月31日に行われたブラジル大統領選挙決選投票で、Dilma Rousseff候補がJosse Serra候補を破り、 次期大統領に就任することとなった。Dilma Rousseff 候補は、2003 年 1 月から 2005 年 6 月に鉱山エネル ギー大臣を、2005 年 6 月から 2010 年 3 月に文官長を務めた経験はあるものの、政治家としては知名度 が低かった。しかし、高い支持率を維持するLula大統領の全面的な支援や、好調な経済状況を背景に、 当選を果たした。

2.Dilma Rousseff 氏は過去の経歴や Lula 大統領への忠誠心の強さなどから、石油政策についても、経済 や外交と同じように Lula 大統領の政策を継承するとみられている。そして、2010 年中もしくは 2011 年初 には、一部成立し施行されているプレソルト開発法案の残りの部分も成立し、2011 年上半期にプレソルト を対象とするライセンスラウンドが実施される模様だ。

3.Petrobras の CEO には現職の Gabrielli 氏が留任するか、Petrobras の Director of Gas and Energy を務 める Maria das Gracas Silva Foster 氏が就任するのではないかとみられている。

4.サントス盆地のプレソルトでは 10 月末に Tupi 油・ガス田のパイロット生産の準備が進んだり、Libra 油田 の可採埋蔵量が 37~150 億 bbl であるとの発表があったりと明るい話題が続いている。 5.しかし、これについては大統領選挙に照準をあわせた動向であるとの見方もある。Petrobras の増資で 政府の Petrobras 持ち株比率が増加しており、新政権下での石油政策の動向、政府と Petrobras の関係 が注目される。また、プレソルト開発法案成立、ライセンスラウンド実施の見通しは立ったが、Petrobras 以 外の企業はプレソルトの探鉱・開発にどの程度参加できるのか、Petrobras は資金的に、人材的にプレソ ルトの多くの油田を遅滞なく開発することができるのかなど疑問点も多い。 1.次期大統領には Dilma Rousseff 氏 ブラジルでは、10 月 3 日に大統領選挙の第 1 回投票が実施され、政権与党労働者党(PT)の Dilma Rousseff 候補が 46.9%、ブラジル社会民主党(PSDB)の Josse Serra 候補が 32.6%、元環境相の緑の党(PV) の Marina Silva 候補が 19.3%、その他の候補者が合計で 1.2%の票を獲得した。Dilma Rousseff 候補が第 1 回投票で圧勝するとの見方もあったが、過半数を獲得することができなかったため、10 月31 日に決選投 票が行われた。決選投票では、Dilma Rousseff 候補が 56.05%、Serra 候補が 43.95%を獲得し、Dilma Rousseff 氏が次期大統領に決定した。

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– 2 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資 料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、 何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果について は一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 大統領選挙第 1 回投票 決選投票 (各種資料より作成) ブラジル初の女性大統領となる Dilma Rousseff 氏(62 歳)は、1947 年に、ミナスジュライス州でブルガリ ア人の父とブラジル人の母の間に生まれた。リオグランデドスル連邦大学を卒業、後に社会学博士号を 取得している。1960 年代には、左翼団体に所属し逮捕、拷問された経験もある。リオグランデドスル州の 市役所勤務からスタートし、同州幹部となった。2001 年には、Lula 大統領の選挙綱領作りに参加し、2003 年 1 月から 2005 年 6 月に鉱山エネルギー大臣を、2005 年 6 月から 2010 年 3 月に文官長(官房長官)を 務めた。2009 年には悪性リンパ腫であったことを公表している。学究、官僚として経験を積んできたため、 政治の世界では知名度が低く、大統領選でも当初、支持率は低かったが、80%を超える支持率の Lula 大統領が 2008 年 10 月という早い時期に自らの後継者に指名し、積極的にアピールを続けたことや、ブ ラジルの経済状況が非常に良いことを背景に支持率を伸ばし、最終的に大統領選で当選を果たした。こ のように Lula 大統領の全面的な支援を得ての勝利であったことから、Dilma Rousseff 氏の当選は「Lula の 勝利」とも言われている。

2.Dilma Rousseff 氏の石油政策

大統領就任後の Dilma Rousseff 氏の石油政策については、経済政策や外交政策と同じように Lula 大 統領の政策を継承するとみられている。これは、Dilma Rousseff 氏が、Lula 政権下で鉱山エネルギー大 臣やプレソルト開発法案起草委員を務めていたこと、Lula 大統領の後継者とされ、Lula 大統領への忠誠 心が強いこと、Lula 大統領は大統領引退後も Dilma Rousseff 政権に対して強い影響力をもつと考えられ ることによる。しかし、一部には Rouseff 氏は Lula 大統領の政策を変更するのではないかと懸念する向き もあり、Petrobras がブラジルの社会開発に大きな役割を果たさなくてはならなくなり、探鉱・開発に影響 が生じるのではないかとの見方もある。

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– 3 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資 料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、 何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果について は一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

ブラジル政府は、2007 年 11 月に Petrobras が Santos Basin の Tupi 油・ガス田の可採埋蔵量は原油換 算で 50~80 億 bbl であると発表した直後より、プレソルトを開発するには法税制改革が必要とし、その作 業を進めてきた。当初予定よりも時間はかかったものの、2010 年8 月までにプレソルト開発に関する 4 つ の法案のうち2 つの法案が成立した。残り2 つの法案も下院で承認され、上院でも一本化されたあと承認 されたが、ロイヤルティの配分について上院と下院で承認された法案の内容が異なるため、下院に差し 戻されることとなった。Lula政権は、ロイヤルティの配分について産油州と非産油州の間で折り合いをつ けることが難しいと判断し、残る法案については大統領選挙後の成立をめざすこととした。Dilma Rousseff 氏が大統領選挙で当選を果たしたことで、残りのプレソルト開発法案も早い時期(2010 年中もしくは 2011 年初)に成立し、プレソルトを対象とするライセンスラウンドが 2011 年上半期に実施される可能性が高ま っている。なお、プレソルトを対象とするライセンスラウンドの対象鉱区は Libra とされる見通しだ。 プレソルト開発法案の状況 (各種資料より作成) 3.Petrobras の CEO は誰に? PetrobrasのCEOは大統領が任命することとなっており、Dilma Rousseff氏が誰をPetrobrasのCEOに任 命するかが注目を集めている。

現在のCEO、José Sergio Gabrielli de Azevedo氏は国立バイア大学修士課程(経済学)、ボストン大学

法案 内容 審議、承認等の状況 PLC8/09 政府はペトロブラスに Santos 盆地プレソルト の鉱区権益(埋蔵量 50 億 bbl)を付与、ペトロ ブラスはプレソルトの探鉱・開発に必要な資 金を得るために新株を発行し、この一部を鉱 区権益付与の代わりに政府が取得し、政府 のペトロブラス持株比率を引き上げる。 6 月 9 日、上院本会議で承認。 6 月末、ルラ大統領承認、成 立。9 月末に、ペトロブラスが新 株を発行。 PLC 309/09 ブラジル国家石油庁(ANP)の監督下に 100%国有のPré-Sal Petróleoを設置、プレソ ルトでの探鉱・開発を管轄させる。 7月7日、上院本会議で可決。8 月2日、ルラ大統領が署名、成 立。 PLC7/09 プレソルトの新規鉱区については、契約形態 をPS契約に変更、ペトロブラスは鉱区権益の 最低30%を保有しオペレーターを務める。 6月9日、上院本会議で承認。 ロイヤルティの配分について 上院、下院で内容が異なる(上 院案は産油州の特権を排除、 下院案は産油州に連邦が補 償)ため、下院に差し戻し。 プレソルトで生産された原油・ガスの売却益 を原資としSocial Fundを設立し、教育、貧困 対策、科学、技術の振興に充てる。

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– 4 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資 料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、 何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果について は一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 博士課程(ブラジル公共部門ファイナンシング)を修了し、バイア大学等の教授を経て、2003年2月にペ トロブラスの最高財務責任者に就任、2005年7月から現職を務めている。Dilma Rousseff次期大統領との 関係も良好と言われており、現職にとどまる可能性もあるが、政治的なキャリアを積むためにPetrobrasを 去り、Bahia 州のJaques Wagner 知事政権に参画するのではないかとの見方もある。

そこで、その後任として有力視されているのが、2007年9月よりPetrobrasのDirector of Gas and Energy を務めるMaria das Gracas Silva Foster氏だ。同氏は、フルミネンセ連邦大学卒業 (化学工学) 、リオデジ ャネイロ連邦大学修士課程修了(原子力工学)後、Getulio Vargas FoundationでMBAを取得している。 2003年1月~2006年には、鉱山エネルギー省でSecretary for Oil, Natural Gas, and Renewable Fuelsを務 めた同氏は、Dilma Rousseff次期大統領の親しい友人でもある。

4.サントス盆地プレソルトの最近の動向

Petrobras によると、10 月中旬に、サントス盆地 BM-S-11 鉱区で 9 坑めの 3-BRSA-854-RJS (3-RJS-678、Tupi SW)号井を掘削(水深 2,152m)した結果、Tupi 油・ガス田の可採埋蔵量は当初発表通り 原油換算 50~80 億 bbl であることを確認したという。

また、10 月28 日には Petrobras、BG、Galp が Tupi 油・ガス田のパイロット生産を前に、FPSO Cidade de Angra dos Reis(生産能力 10 万 b/d、5MMm3/d)と Tupi-P1(RJS-660)井がつながれ、テストが開始された。 生産量は 2010 年末に 1.4~2.8 万 b/d、2011 年中ごろに 5 万 b/d、2011 年末に 7~7.5 万 b/d、2012 年 末以降に 10 万 b/d と増加する見通しだ。ガスは当初フレアするが、2011 年初には 0.5MMm3/d を生産 し、Mexilhao ガス田経由でパイプラインで輸送する計画である。

さらに、10 月29 日には、Gaffney, Cline & Associates が Libra 油田の可採埋蔵量は 37~150 億bbl で、 79 億 bbl である可能性が高いと評価したと ANP が発表した。Libra 油田は 2011 年上半期に実施される 模様のプレソルトを対象とする最初のライセンスラウンドで公開される予定である。 終わりに Dilma Rousseff 氏が次期大統領に就任することとなり、全てのプレソルト開発法案が 2010 年中あるいは 2011 年初に成立する見通しとなった。また、これを受けて、プレソルトを対象とするライセンスラウンドが 2011 年上半期に実施される予定だ。このライセンスラウンドで付与されるプレソルトの新規鉱区についは、 Petrobras が権益の 30%以上を保有することとなる見通しで、今後は Petrobras 以外の企業はどの程度プ

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– 5 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資 料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、 何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果について は一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 レソルトの探鉱・開発に参加できるのか、そして、Petrobrasは資金的に、人材的にFranco、Libra等プレソ ルトの多くの油田を遅滞なく開発することが可能なのかが注目されよう。また、10 月 3 日の大統領選挙第 1 回投票の直前に Petrobras の増資を実施、10 月 31 日の決選投票の直前に Libra の可採埋蔵量を発表 するなど、石油が選挙の手段、道具に使われているむきがある。Petrobras の増資に伴い、政府の Petrobras 持ち株比率も増加しており、Dilma Rousseff 政権下での石油政策の動向、政府と Petrobras の関 係を注視していく必要がある。

ブラジルプレソルト関連地図

参照

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