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小学生の視力低下と生活習慣の関連

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Academic year: 2021

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<研究資料>

小学生の視力低下と生活習慣の関連

米嶋美智子・福田美恵子・大谷直史

Relationship between Myopia and Elementary Schoolchildren’s Lifestyle

YONESHIMA Michiko, FUKUTA Mieko, OOTANI Tadasi

キーワード:視力低下,小学生,生活調査

Key Words:Myopia,Elementary schoolchildren,Lifestyle

1 はじめに

文部科学省が実施している学校保健統計調査において裸眼視力 1.0 未満の児童生徒の割合は,過去最高値を 更新し続けており,視力低下の多くは近視である。近視は,特に日本を含めた東アジアで増加傾向にあり,その 多くは,学童期に発症する早期発症近視である1)と言われている。また、近視の増加の要因として,近年の社 会環境および生活環境の変化が影響していると推測される2)。加えて,2020(令和 2)年度は,春先より新型コ ロナウイルス感染症拡大によって生活環境の急変が,児童生徒の視力にも影響を与える可能性がある。さらに, 学校教育ではタブレット端末を使用した学習が進む一方で,「ドライアイ」や「視力低下」,「姿勢の悪化」3) 対する影響等が懸念されているため,今後ますます児童生徒の近視進行予防,特に強度近視への進行予防の対 策が急がれる。 本調査では,学校健康診断で実施している児童の裸眼視力の実態を把握し,視力低下に影響を及ぼす生活習 慣と視力との関係性を分析する。また,これまでの研究4)5)6)7)8)で視力低下に関係性がみられた生活習慣である 「外遊び」「勉強時間」の過去 5 年間(2016~2020 年度)の変化を分析し,児童の近視進行予防策のための基礎 資料を得ることを目的とした。

2 方法

1)対象者

鳥取県の T 小学校全児童 370 名を対象とした。各学年の内訳は,1 年生(男子 32 名,女子 36 名)68 名,2 年 生(男子 21 名,女子 28 名)49 名,3 年生(男子 30 名,女子 31 名)61 名,4 年生(男子 24 名,女子 39 名) 計 63 名,5 年生(男子 29 名,女子 38 名)67 名,6 年生(男子 33 名,女子 29 名)62 名である。

2)視力測定

視力測定は,2020 年 4 月と 10 月に,国際基準に準拠したランドルト環を使用した視力表(字づまり)5m 用を用いて実施した。検査は教職員で行い,視力 B 以下の児童に対しては,養護教諭が再検査した。分析に は,左右の裸眼視力のうち,視力低下している方の片眼視力結果を使用した。視力検査受検率は 100%である。

3)質問紙調査

質問紙調査は,2020 年 10 月に,学級活動等の時間を利用して実施した。1.2 年生に関しては担任が一ずつ 質問を読み上げながら行った。質問内容は,①起床時刻②起床の自立③朝の目覚め④朝食⑤排便⑥昼休みの外 遊び⑦帰宅後の外遊び⑧外遊びや運動が好きか⑨座位時の姿勢⑩学校外の勉強時間⑪学校外の読書時間⑫テ レビ視聴時間⑬家で使用している電子機器⑭電子機器の使用用途⑮コロナ禍の電子機器使用時間の変化⑯目

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の疲労感⑰就寝時刻⑱通塾等⑲お稽古ごと⑳スポーツクラブ㉑学校生活㉒家庭生活㉓やってみたい仕事㉔自 己肯定感について質問をした。回収率は 100%である。 4)視力測定の表示区分 視力検査の表示と区分は,A(1.0 以上),B(0.9~0.7),C(0.6~0.3),D(0.3 未満)である。

3 結果

1) 視力検査の結果

(1)全校の結果(図 1) 裸眼視力 1.0 未満の児童の割合は 4 月が 37%,10 月が 41%であった。 図 1 全校の視力検査の結果 (2)全校の男女別の結果(図 2) 4 月と 10 月の結果を比較すると裸眼視力 A の男子の割合は,73%から 70%へと 3%減少し,女子は,55%から 50%へと 5%減少した。 一方,裸眼視力 D の男子の割合は,8%から 12%へと 4%増加し,女子は,18%から 27%へと 9%増加した。 図 2 4 月・10 月男女別視力検査結果 (3)学年別の結果(図 3) 4 月と 10 月の結果を比較すると裸眼視力 A の児童の割合は,1 年生は 84%で変化はなかった。2 年生は 80% から 65%へと 15%減少,3 年生は 62%から 56%へと 6%減少,4 年生は 57%から 54%へと 3%減少,5 年生は 48%か ら 45%へと 3%減少,6 年生 52%で変化はなかった。一方,裸眼視力 D の児童の割合は,1 年生は 3%から 4%へ と 1%増加,2 年生は 0%から 6%へと増加,3 年生は 8%から 16%へと 8%増加,4 年生 19%から 24%へと 5%増加,5 年生 21%から 34%へと 13%増加,6 年生 27%から 32%へと 5%増加であった。 63 59 37 41 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4月 10月 裸眼視力1.0以上 裸眼視力1.0未満 (n) 370 370 73 70 55 50 7 6 7 8 11 12 20 15 8 12 18 27 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4月 10月 4月 10月 男子 女子 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 169 169 201 201

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図 3 4 月・10 月の学年別視力検査結果 (4)4 月から 10 月にかけて裸眼視力 A の児童の割合が最も減少した学年男女別の結果(図 4) 裸眼視力 A の児童の割合が最も減少した学年は,2 年生であった。男子は,86%から 71%へ 15%の減少してい た。女子は,75%から 61%へ 14%の減少であった。一方,裸眼視力 D の割合は,男子は 0%から 10%へと 10%増加 し,女子は,0%から 4%へと 4%増加していた。裸眼視力 A の児童が減少し,裸眼視力 D の児童が増加する傾向に あった。 図 4 4 月から 10 月にかけて裸眼視力 A の割合が最も減少した学年男女別の結果 (5)裸眼視力 D の児童の割合が最も増加した学年男女別の結果(図 5) 裸眼視力 D の割合が最も増加した学年は 5 年生であった。男子は,10%から 14%へ 4%増加していた。女子は, 29%から 50%へと 21%増えており,男子より約 5 倍の増加であった。一方,裸眼視力 A の割合は,男子が 69%から 66%へ 3%減少し,女子は,32%から 29%へ 3%減少していた。 84 84 80 65 62 56 57 54 48 45 52 52 9 4 12 16 7 7 5 6 6 4 6 6 4 7 8 12 23 21 19 16 25 16 15 10 3 4 6 8 16 19 24 21 34 27 32 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4月 10月 4月 10月 4月 10月 4月 10月 4月 10月 4月 10月 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 68 68 49 49 61 61 63 63 67 67 62 62 86 71 75 61 5 14 18 18 10 5 7 18 10 4 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4月 10月 4月 10月 男子 女子 2 年 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 21 28 28 21

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図 5 裸眼視力 D の割合が最も増加した学年男女の結果

2)10 月の裸眼視力と質問紙調査のクロス集計の結果

設問「ふだん,朝何時ごろにおきますか」の結果(図 6) 裸眼視力 A の児童の割合は「6 時前(60%)」「6 時~6 時 29 分(60%)」の起床が最も多く,次いで「6 時 30 分 以降(58%)」であった。視力低下と起床時刻には関連はみられない。 図 6 起床時刻 × 裸眼視力 設問「朝,人におこされないで自分でおきていますか」の結果(図 7) 裸眼視力 A の児童の割合は「いつもおこしてもらう(66%)」が最も多く,次いで「ときどき自分でおきる(60%)」 「自分でおきる(56%)」であった。起床の自立ができるほど,視力低下する児童が増える傾向がみられた。 図 7 起床の自立 × 裸眼視力 設問「ふだん,朝すっきり目覚めますか」の結果(図 8) 裸眼視力 A の児童の割合は 「朝すっきり目覚める(65%)」が最も多く,次いで「目覚めない(62%)」「あまり 目覚めない(58%)」「まあまあ目覚める(55%)」の順であった。視力低下と朝の目覚めには関連はなかった。 69 66 32 29 7 3 5 5 14 17 34 16 10 14 29 50 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4月 10月 4月 10月 男子 女子 5 年 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 29 29 38 38 60 60 58 8 8 5 9 13 19 22 19 19 0% 20% 40% 60% 80% 100% 6時前 6時~6時29分 6時30分~6時59分 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 107 140 123 56 60 66 9 5 6 13 15 11 22 20 16 0% 20% 40% 60% 80% 100% 自分でおきる ときどき自分でおきる いつもおこしてもらう 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 156 152 62

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図 8 朝の目覚め × 裸眼視力 設問「朝ごはんは食べますか」の結果(図 9) 朝ごはんを「毎日食べる」児童は全校の 87%であり,そのうち裸眼視力 A の児童の割合は 59%であった。視力 低下と朝食には関連はなかった。 図 9 朝食摂取× 裸眼視力 設問「毎日うんこがでますか」の結果(図 10) 裸眼視力 A の児童の割合は「3 日以上に 1 回でる(65%)」が最も多く,次いで「毎日でる(61%)」「2 日に 1 回 (52%)」であった。視力低下と排便リズムには関連はなかった。 図 10 排便リズム × 裸眼視力 設問「学校の昼休みは外で遊びますか」の結果(図 11) 裸眼視力 A の児童の割合は「ときどき遊ぶ(63%)」が最も多く,次いで「よく遊ぶ(62%)」であった。一方, 「あまり遊ばない」「遊ばない」児童は,「遊ぶ」「ときどき遊ぶ」児童に比べ,裸眼視力 A の児童の割合が減少 する傾向にあった。 65 55 58 62 6 7 4 15 12 12 20 15 17 26 17 9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 朝すっきり目覚める まあまあ目覚める あまり目覚めない 目覚めない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 114 153 69 34 59 61 43 7 5 29 15 10 19 24 29 0% 20% 40% 60% 80% 100% 毎日食べる ときどき食べない 食べない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 322 41 7 61 52 65 6 9 6 12 16 15 20 23 15 0% 20% 40% 60% 80% 100% 毎日でる 2日に1回でる 3日以上に1回でる 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 188 113 68

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図 11 昼休み外遊び × 裸眼視力 設問「ふだん,家に帰ってから友だちと遊びますか」の結果(図 12) 家に帰ってから友達と「遊ばない」と答えた児童は全校の 62%であった。裸眼視力 A の児童の割合は「とき どき遊ぶ(71%)」が最も多く,次いで「よく遊ぶ(61%)」であった。一方「あまり遊ばない」「遊ばない」児童 は「遊ぶ」「ときどき遊ぶ」児童に比べ,裸眼視力 A の児童の割合が減少する傾向がみられた。 図 12 帰宅後の外遊び × 裸眼視力 設問「外で遊んだり,運動をしたりするのが好きですか」の結果(図 13) 外で遊んだり,運動をしたりするのが「好き」と答えた児童は全校の 62%であった。裸眼視力 A の児童の割合 は「外遊び・運動が好き(62%)」が最も多く,次いで「どちらかといえば好き(60%)」で視力のよい児童が多い 傾向にあった。一方,「どちらかといえばきらい」と答えた裸眼視力 A の児童の割合は 46%,「きらい」は 23%で あり,外遊びや運動がきらいな児童は,視力が低下している傾向にあった。 図 13 外遊びや運動好き × 裸眼視力 62 63 48 50 7 10 4 8 12 13 21 19 20 15 27 23 0% 20% 40% 60% 80% 100% よく遊ぶ ときどき遊ぶ あまり遊ばない 遊ばない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 199 88 56 26 61 71 53 58 11 2 6 8 11 12 21 13 17 15 21 21 0% 20% 40% 60% 80% 100% よく遊ぶ ときどき遊ぶ あまり遊ばない 遊ばない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 36 52 53 229 62 60 46 23 8 4 4 23 12 15 18 31 18 21 32 23 0% 20% 40% 60% 80% 100% 好き どちらかといえば好き どちらかといえばきらい きらい 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 228 101 28 13

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設問「机で勉強をしているときや本を読んでいるときの姿勢はいいですか」の結果(図 14) 裸眼視力 A の児童の割合は,「いつもいい」が 75%で最も多く,次いで「よくない」が 69%であった。視力低 下と姿勢には関連はなかった。 図 14 学習時等の姿勢 × 裸眼視力 設問「学校以外で勉強をどのくらいしていますか」の結果(図 15) 裸眼視力 A の児童の割合は「ほとんどしない~1 時間未満(67%)」が最も多く,次いで「2 時間~3 時間未満 (62%)」であった。また,裸眼視力 D の児童は,「3 時間以上(34%)」が最も多く,「3 時間以上」勉強をしてい る児童は,視力低下の児童が増える傾向にある。 図 15 勉強時間× 裸眼視力 設問「学校以外で読書をどのくらいしていますか」の結果(図 16) 裸眼視力 A の児童の割合は「しない(66%)」が最も多く,次いで「30 分以内(64%)」であった。裸眼視力 D の児童の割合は,「2 時間以上(31%)」が最も多く,読書時間が 2 時間以上になると,視力低下の児童が増える 傾向にある。 図 16 読書時間 × 裸眼視力 75 52 58 69 7 7 5 12 6 13 20 12 12 27 17 8 0% 20% 40% 60% 80% 100% いつもいい どちらかといえばいい あまりよくない よくない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 67 164 113 26 67 56 62 39 8 6 2 13 15 13 13 14 10 25 24 34 0% 20% 40% 60% 80% 100% ほとんどしない~1時間未満 1時間~2時間未満 2時間~3時間未満 3時間以上 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 155 96 63 56 66 64 58 56 44 9 4 5 7 13 16 14 12 13 13 9 18 25 24 31 0% 20% 40% 60% 80% 100% しない・ほとんどしない 30分以内 30分~1時間未満 1時間~2時間未満 2時間以上 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 68 118 83 55 45

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設問「ふだんテレビをどのくらいみていますか」の結果(図 17) 裸眼視力 A の児童の割合は「みない・ほとんどみない(69%)」が最も多く,次いで「30 分以内(63%)」であ った。視力低下とテレビ視聴時間には関連はなかった。 図 17 普段のテレビ視聴時間 × 裸眼視力 設問「ふだん家で使っているものがありますか(複数回答あり)」の結果(図 18) 裸眼視力 A の児童割合は,「ゲーム機(62%)」「スマホ(59%)」「タブレット(56%)」「パソコン(52%)」の順 に多かった。また,「パソコン」を使用する児童に相対的に視力低下がみられた。 図 18 普段の使用している電子機器× 裸眼視力 設問「電子機器はどんなことに使っていますか。(複数回答あり)」の結果(図 19) 裸眼視力 A の児童割合は「ゲーム(62%)」,次いで「ラインやツイッター(61%)」「ユーチューブなどの 動画(55%)」「勉強(54%)」の順に多かった。 図 19 電子機器の使用目的 × 裸眼視力 69 63 53 57 58 58 8 5 6 12 4 6 8 16 14 8 18 21 15 16 27 23 20 15 0% 20% 40% 60% 80% 100% みない・ほとんどみない 30分以内 30分~1時間未満 1時間~2時間未満 2時間~3時間未満 3時間以上 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 48 63 86 75 45 53 59 56 52 62 5 7 6 8 14 15 17 15 22 22 24 15 0% 20% 40% 60% 80% 100% スマホ タブレット パソコン ゲーム機 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 144 176 103 170 61 55 62 54 9 6 6 7 2 15 15 15 28 25 17 24 0% 20% 40% 60% 80% 100% ラインやツイッター ユーチューブなどの動画 ゲーム 勉強 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 28 100 135 88

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設問「新型コロナウイルス感染症の影響により,スマホ,タブレットやパソコンなどに触れる時間が増えまし たか」の結果(図 20) 電子機器に触れる時間が「増えた」と答えた児童は全校の 16%であった。また,裸眼視力 A の児童の割合は, 「ほとんど使わない・しない(62%)」,「以前と変わらない(59%)」の順に多かった。また,裸眼視力 D の児童の 割合は,「休校の時は増えた(26%)」「増えた(22%)」の順に多く,電子機器に触れる時間が多くなると,若干で はあるが,視力が低下する傾向にある。 図 20 普段のゲーム等の使用時間 × 裸眼視力 設問「ふだん,生活の中で目がつかれたと思うことがありますか」の結果(図 21) 「目が疲れたと思うことがない」と答えた裸眼視力 A の児童の割合は 68%,「目が疲れたと思うことがある」 と答えた児童の割合は 51%であった。視力低下の児童は、目の疲れを感じやすい傾向にあった。 図 21 眼精疲労感 × 裸眼視力 設問「ふだん,何時ごろねますか」の結果(図 22) 裸眼視力 A の児童の割合は「21 時前に就寝する(68%)」が最も多く,次いで「21 時~21 時 59 分(61%)」で あった。また,裸眼視力 D の児童は「22 時~22 時 59 分(28%)」が最も多かった。 図 22 就寝時刻 × 裸眼視力 62 59 56 56 9 7 7 3 11 14 15 15 18 19 22 26 0% 20% 40% 60% 80% 100% ほとんど使わない・しない 以前と変わらない 増えた 休校の時は増えた 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 90 182 59 39 51 68 8 6 15 12 26 13 0% 20% 40% 60% 80% 100% 目が疲れたと思うことがある 目が疲れたと思うことはない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 193 177 68 61 53 52 7 7 3 15 14 13 15 13 11 19 28 20 0% 20% 40% 60% 80% 100% 21時前 21時~21時59分 22時~22時59分 23時以降 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 71 165 88 46

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設問「学習塾に通ったり,家庭教師にきてもらったりしていますか」の結果(図 23) 裸眼視力 A の児童の割合は「通っていない(65%)」群に多く,また,裸眼視力 D の児童の割合は,「通って いる(25%)」群に多かった。塾等に通っている児童に,視力低下がみられる傾向にあった。 図 23 通塾 × 裸眼視力 設問「おけいこごとをしていますか」の結果(図 24) おけいこごとをしている児童は全校のわずか 6%であったため,関連をみることができなかった。 図 24 おけいこごと × 裸眼視力 設問「学校以外のスポーツクラブに通っていますか」の結果(図 25) スポーツクラブに「通っている」裸眼視力 A の児童の割合は 61%で,「通っていない」児童は 57%であった。 視力低下とスポーツとの関連はなかった。 図 25 スポーツ×裸眼視力 設問「学校の生活は楽しいですか」の結果(図 26) 全校の 91%の児童が「学校は楽しい・まあまあ楽しい」と答えており,視力と学校生活の関連をみることは できなかった。「楽しくない」と答えた 8 名のうち,裸眼視力 D の児童の割合は 50%で最も多かった。 図 26 学校生活の様子 × 裸眼視力 54 65 8 6 13 15 25 14 0% 20% 40% 60% 80% 100% 通っている 通っていない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 202 168 75 58 8 7 4 14 13 21 0% 20% 40% 60% 80% 100% している していない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 24 345 61 57 5 9 11 16 22 18 0% 20% 40% 60% 80% 100% 通っている 通っていない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 176 194 63 53 61 38 7 6 13 11 20 9 13 19 21 17 50 0% 20% 40% 60% 80% 100% 楽しい まあまあ楽しい あまり楽しくない 楽しくない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 219 120 23 8

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設問「家の生活は楽しいですか」の結果(図 27) 84%の児童が「家の生活は楽しい・まあまあ楽しい」と答えており,視力と家庭生活の関係性をみることは できなかった。「あまり楽しくない」と答えた群の裸眼視力 D の児童は 43%で最も多かった。 図 27 家庭生活の様子× 裸眼視力 設問「あなたは大人になったらやってみたい仕事がありますか」の結果(図 28) 児童の 86%が「やってみたい仕事がある」と答えており,視力と将来の仕事への興味の関連はなかった。 図 28 将来の仕事への興味× 裸眼視力 設問「あなたは自分のことが好きですか」(図 29) 児童の 70%が自分のことが「好き・どちらかといえば好き」と答えており,裸眼視力 A の割合は「好き」が 64%で「嫌い」は 63%であった。視力低下に自己肯定感との関連はなかった。 図 29 自己肯定感× 裸眼視力

3)視力低下に関係性がみられた生活習慣「外遊び」

「勉強時間」について

過去 5 年間(2016~2020 年度)の変化 設問「学校の昼休みは外で遊びますか」の結果(図 30) 学校の昼休みは外で「よく遊ぶ」児童の割合は,2017 年が 60%で最も多く,2019 年が 51%と最も減少してい た。外で遊ぶ児童がやや減少している傾向にある。 59 67 21 57 7 4 29 14 14 14 7 14 21 14 43 14 0% 20% 40% 60% 80% 100% 楽しい まあまあ楽しい あまり楽しくない 楽しくない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 266 83 14 7 59 62 7 8 14 15 21 15 0% 20% 40% 60% 80% 100% やってみたい仕事がある やってみたい仕事はない 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 318 52 64 59 50 63 7 6 9 9 7 18 18 14 23 17 24 14 0% 20% 40% 60% 80% 100% 好き どちらかといえば好き どちらかといえば嫌い 嫌い 視力A 視力B 視力C 視力D (n) 121 138 68 43

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図 30 学校の昼休みの様子 設問「ふだん,家に帰ってから友達と外で遊びますか」の結果(図 31) 学校から帰宅後,友達と外で「よく遊ぶ」児童の割合は,2018 年が 13%で最も多いが,2016~2020 年にかけ て約 10%と大きな変化はみられない。一方,「遊ばない」児童の割合は,2016 年の 40%に対し,2020 年は 62%へ と急激に増加している。 図 31 学校から帰宅後の外遊びの様子 設問「学校以外で勉強をどのくらいしていますか」の結果(図 32) 「勉強はほとんどしない~1 時間未満」の児童の割合は,2018 年が 45%で最も多く,2019 年が 36%でもっとも 少なかったが,過去 5 年間の大きな変化はみられない。 図 32 学校以外での勉強時間の様子 59 60 57 51 54 23 21 26 26 24 13 13 13 17 15 5 7 4 6 7 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 よく遊ぶ ときどき遊ぶ あまり遊ばない 遊ばない (n) 396 385 384 367 370 12 11 13 11 10 25 20 18 18 14 23 21 20 24 14 40 48 49 47 62 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 よく遊ぶ ときどき遊ぶ あまり遊ばない 遊ばない (n) 396 385 384 367 370 44 41 45 36 42 24 24 27 29 26 18 20 14 21 17 14 16 15 14 15 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 勉強はほとんどしない~1時間未満 1時間~2時間未満 2時間~3時間未満 3時間以上 (n) 396 385 384 367 370

(13)

3 結語

1)学校健康診断で実施している児童の裸眼視力の実態

(1)全校の裸眼視力 1.0 未満の割合は,4 月が 37%で 10 月が 41%であった。 (2)学年が上がるほど,裸眼視力 1.0 未満の児童が増加し,特に裸眼視力Dの児童が増える傾向にあった。 (3)4 月から 10 月にかけて裸眼視力 A の児童の視力低下が顕著にみられた学年は,2 年生であった。また, 裸眼視力 D へと視力低下が顕著にみられた学年は 5 年生で男子より女子により多くみられた。

2)視力低下に関連のある要因

(1)本研究において,単純なクロス集計において視力低下と関連が見られた項目は「学校の昼休みに外で遊 ぶ」「外遊び・運動好き」「眼精疲労」「通塾」であった。また「勉強時間」「読書時間」「電子機器(パソ コン)接触時間」でもゆるやかな関連が見られた。学年の効果を含めて,検討が必要である。

3)過去 5 年間(2016~2020 年度)の生活習慣のうち、児童の視力低下に関係性がみられた「外

遊び」

「勉強時間」の変化

(1)児童の昼休みの外遊びについての様子については,過去 5 年間で大きな変化はみられなかった。 (2)児童の学校から帰宅後の外遊びの様子にいては,2020 年は急激に外で遊ばない児童が増えていた。新型 コロナウイルス拡大の影響が関与している可能性がある。 (3)児童の学校以外での勉強時間については,大きな変化は見られなかった。 引用参考文献 1)長谷部聡:近視進行に関する疫学,日本の眼科.91 巻 10 号.2020:1392-1395. 2)福下公子:児童生徒の視力―学校保健の立場からー,日本の眼科.88 巻 11 号.2017:1477-1481. 3)文部科学省:児童生徒の健康面への影響等に関する配慮事項.学びのイノベーション事業実証研究報告 書,2014. 4)米嶋美智子,大谷直史:小学生の視力低下と規定要因に関する分析Ⅱ,鳥取大学教育研究論集,(5), 107-118, 2015. 5)米嶋美智子,大谷直史:小学生の視力低下と規定要因に関する分析Ⅲ,鳥取大学教育研究論集,(6), 71-82, 2016. 6)米嶋美智子,福田美恵子,大谷直史:鳥取 T 小学校の視力低下に関する調査,(7), 鳥取大学教育研究論集, 95-105, 2017. 7)米嶋美智子,福田美恵子,大谷直史:小学生の視力と生活習慣に関する調査 : 電子機器の利用に着目し て,鳥取大学教育研究論集(8), 61-74, 2018. 8)米嶋美智子,福田美恵子,大谷直史:小学生の生活習慣の現状と視力の関係:鳥取大学教育研究論集(10), 115-128, 2020. 米嶋美智子(川崎医療福祉大学) 福田美恵子(鳥取大学附属小学校) 大谷直史(鳥取大学教育支援・国際交流推進機構 教員養成センター)

図 3  4 月・10 月の学年別視力検査結果  (4)4 月から 10 月にかけて裸眼視力 A の児童の割合が最も減少した学年男女別の結果(図 4)  裸眼視力 A の児童の割合が最も減少した学年は,2 年生であった。男子は,86%から 71%へ 15%の減少してい た。女子は,75%から 61%へ 14%の減少であった。一方,裸眼視力 D の割合は,男子は 0%から 10%へと 10%増加 し,女子は,0%から 4%へと 4%増加していた。裸眼視力 A の児童が減少し,裸眼視力 D の児童が増加する傾向
図 5  裸眼視力 D の割合が最も増加した学年男女の結果                                                                                                                          2)10 月の裸眼視力と質問紙調査のクロス集計の結果  設問「ふだん,朝何時ごろにおきますか」の結果(図 6)  裸眼視力 A の児童の割合は「6 時前(60%) 」 「6 時~6 時 29 分(60%) 」の
図 8  朝の目覚め  ×  裸眼視力  設問「朝ごはんは食べますか」の結果(図 9)    朝ごはんを「毎日食べる」児童は全校の 87%であり,そのうち裸眼視力 A の児童の割合は 59%であった。視力 低下と朝食には関連はなかった。  図 9   朝食摂取×  裸眼視力  設問「毎日うんこがでますか」の結果(図 10)  裸眼視力 A の児童の割合は「3 日以上に 1 回でる(65%) 」が最も多く,次いで「毎日でる(61%) 」 「2 日に 1 回 (52%) 」であった。視力低下と排便リズムには関連
図 11  昼休み外遊び  ×  裸眼視力  設問「ふだん,家に帰ってから友だちと遊びますか」の結果(図 12)  家に帰ってから友達と「遊ばない」と答えた児童は全校の 62%であった。裸眼視力 A の児童の割合は「とき どき遊ぶ(71%) 」が最も多く,次いで「よく遊ぶ(61%) 」であった。一方「あまり遊ばない」 「遊ばない」児童 は「遊ぶ」 「ときどき遊ぶ」児童に比べ,裸眼視力 A の児童の割合が減少する傾向がみられた。  図 12  帰宅後の外遊び  ×  裸眼視力  設問「外で遊んだり,運動をした
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参照

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