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<研究計画>産業クラスター事業計画の傾向とクラスター化の実態,関係性モデル法案 : 日本新潟県央地域クラスター化の事例研究

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Academic year: 2021

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研究 計画

産 業 クラスター事業 計画 の憤 向とクラスター化 の実態,

関係性モデル方案

一 日本新 潟 県央 地 域 クラスター化 の事 例研 究

-日本 新潟経営大学

片上 洋 目次 問題の所在 研究計画 自生 的経済 圏における産 業クラスター仮 説

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-153-研究計画 産業クラスター事業計画の傾 向 とクラスター化の実態、関係性モデル方案 - 日本新潟県央地域 クラスター化の事例研究-新潟経営大学教授 片上 洋 問題 の所在 日本 と韓国の両国 ともに、現在 、脚光 を浴びてい る産業 クラス ターモデルは、同一業種 の地域的集積による関連業種 との関係性、 ロジステ ィクス、流通等 に関す る トランザ クシ ョンの向上、お よびイ ンフラス トラクチャー投資効率の向上を図 るべ く計画 され ているよ うに概観す る。 しか しなが ら、産業クラスターが未発達の地域 にお ける地場産業の活性化のためには、 日本的な下請け状態か ら脱却 と固有市場の確保が重要課題 である。 このためには、産業 ク ラスターの自生的な発展成長 を可能にす る独立 した経済圏 としての環境形成が望 まれ る。 研究計画 このため、消費者市場に直結す る製品の開発 ・製造 とい う意味での、主たる役割 を担 う地 場産業が原材料調達先 としての川 上の産業 との地域的な関係性、流通ネ ッ トワー ク として の川 下の流通業 との地域的な関連性、最終市場及び労働力の娘泉 としての地域的な労働 人 口との間での有機的な関連性の確立が重要である。 そ こで、事例 として、日本政府 ・経済産業省 な どが主導す る産業 クラスター推進事業が、 新潟県央地域において、 どのよ うに導入実施 されてい るのかを調査 し、下請 け状態か らの 脱却のために必要な方案 を分析 し、 自生的発展 にとって不可欠のサプ ライチ ェー ンとして の地域的関係性の確立、固有市場確保 のための方案 について考察 し、地域的有機的関係性 クラスターの形成政策モデルを提唱す る段階まで研究す る予定である0 地域的に、求心力のある、安定 した固有市場 を有す る企業群 によって構成 され る産業 ク ラスターの場合、各企業はポジシ ョニングを行い、関連産業や流通業 との関係性 を自立的 に行 うことが可能である。 しか し、新潟県のよ うに、経済圏 と しては首都圏に含 まれ るが その周辺部 に位置す る場合 、自生的な産業 クラスターの開発のためには、新潟県央地域が 自立的な経済圏 として機能する必要がある。また、そのためには固有市場が不可欠である。 さらにそのためには、求心力のある最終消費財産業 の誘致 ・開発が必要である。 また最 終消費財製品にむ けての、地域的に 「マーケテ イング・チーム」を構成す る 「関連する」異 種産業間で相互に対等互恵の関係性 と産業構成 を、政策的に誘導す る計画が必要である。 以 上の計画の具体的な方案の策定のために、地域の独 自性、出発点 としての現状 を調査 -155

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-することによって導き出す必要がある。 現在、新潟県央の地場産業 としては、桐製の木工家具、和釘 (日本の伝統的な釘)、木工 用の道具、金属加工 (金型、工具、調理器具、金属表面処理)、繊維産業 (ニ ッ ト)などの 地盤産業があるが、桐製 の木工家具、和釘、木工用道具、工具、調理器具な どはすでに自 立的であ り、あるいはオ リジナル製品 ・市場に向けての努力 を行 っている。また繊維産業 (ニ ッ ト)についても、 これまで大規模ブラン ド・メーカーの下請けの状態か ら自律にむけ て、協同組合を中心に、オ リジナル製品の開発 ・ブラン ド確立 ・共同直営店舗の設置、上 港-の進出等の努力が行 われている。 しか し、製品が加工 ・流通の上流に位置す る産業や 製品の部分加工の産業では、依然 として首都圏-の従属的な関係性か ら脱却できる可能性 は低い。 そ こで、信濃川テクノポ リス構想 を実現す るため、地方 自治体 としての新潟県を中心に、 異業種交流が行われてい るが、技術開発 を中心にシーズ志向であるため、市場の開発、市 場性 のある製品の計画- と結びつかないのが現状である。地域的な産業連関が 自律的な経 済圏を形成するのではな く、地域的な集積が下請け企業の集合であるような産業集積では、 クラスタ-化は、望むべ くもない. マーケテ イング的な視 点か ら、すべての地場産業がクラスター化 を成 し遂げ、関係性 を 強化 してい くための可能なモデルを導き出すため、さらに精練な調査 ・_分析が必要である。 しか し,流通のコーディネーター としての地域卸売業の視点か らは、部分工程 としての各 産業が相互に直接的な関係性 を確立す ることとは、利害的に対立す る。相互に無関係の地 場諸産業が、固有市場 を持たず、卸売業に従属することを通 じて、首都圏にある有名ブラ ン ド製品企業に半製品を供給する現状を維持す ることが卸売業者の利益に合致する。 このよ うな現状をいかに して脱却す るか。 この課題 に対 して、新潟県の特殊な地理的位 置にその鍵が隠 されているとい う仮説 を立てるものである。新潟県はロシア (ハバ ロフス クを中心に)、中国 (吉林省 を中心に)、韓国 (釜山を中心に) との交流 ・貿易があ り、ク ラスターを東北アジアの地域に拡大 し、その三地域で分業関係が強化 されることにより、 これ ら三地域の各々の国内における自立性 を実現す る方向である。Seoul 、東京が太平洋-対米 に地域的分業の対象があった として も、上記三地域の企業間連携 によって、各地域は それぞれが独立 したクラスタT として発展する可能性がある。 もちろん、三地域がそれぞ れ、国内において 自立的な経済圏 としてのクラスターを構築す ることを同時に推進す る必 要がある。 課題は、各地域内の現状を調査 し、クラスター化-の方策を検討す ることである。 自生的経済圏における産業クラスター仮説 そ こで、現状の調査研 究に先立ち、 自生的な経済圏における産業クラスターのモデル と して、仮説的に産業の木 (Indu8trialTree)モデルを挙げる。 クラスター (Cluster-戻)であるか らには、小枝につ く複数の果実が企業である。企業 -1

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56-が果実であるためには、養分 (需要) を地 中 (市場)か ら吸収 しなけれ ばな らない。房に 実 る複数の果実 -企業は相互の関係性 によって、分業 を行い、複合的な、よ り高度化 した 製品 ・サー ビスを開発 ・生産す ることによ り養分 を吸収 しよ うとす る。 しか レ J、枝 はより 大 きな枝 (マーケテ イング ・チャネル) を通 じて他 の製品 ・サー ビス と合流 し、幹 ・根を 通 じて地中 (市場)に到達 しなけれ ばな らない。幹か ら根 にいたるマーケテ イング ・チャ ネルの トランザクションを高めるシステムがSupplyChainである。 このよ うに考 えた とき、市場の創造やマーケテ イング ・チャネル、サプライチェー ンの 確立な しに、同一産業の集積や関連産業の複合的集積 は、製品化 において有効であっても、 それ以上の意味を有 しない。 また、クラスター形成 のためのイ ンフラス トラクチャーの整 備 は、財政 スペ ンデ ィングとしての景気回復効果のみ期待できる。現行 の産業 クラスター 計画の問題性はそこにある。 主要な経済圏に販売網 をもつ諸企業がそ こに誘致 され、あるいは 「クラスター」 と呼ば れ る集積 に立地す る場合 は、関係性 を確立す るメ リッ トがあるが、主要な経済圏の周辺地 域 の企業集積の場合、それ を自生的なクラスターに発展 させ るためには、産業の木 として の条件整備が必要である。 -1

参照

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