法I
法令
• 憲法 • 条約 • 法律 • 命令 • 政令 • 府令・省令条例と法律
• 地方公共団体の議会が制定する • 「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を 処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律 の範囲内で 条例を制定することができる」(憲法 94条) • 地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限 するには、法令に特別の定めがある場合を除く ほか、条例によらなければならない(地方自治法 14条) • 罰則として定められるのは、2年以下の懲役・禁 錮、100万円以下の罰金、拘留、科料もしくは没 収又は5万円以下の過料(地方自治法14条3項)罰則の例(1)
罰則の例(1)a
• 千代田区
警察官OBによる 選任職員がパトロールを実 施し、平成14~23年度累計で約5万5千件、 約1億1千万円の過料を徴収
罰則の例(1)b
• 千代田区- なぜ罰金でないのか • 罰金を科すことについて警察と協議した際に警察が 難色を示したため過料を採用した • 刑罰であっても地方公共団体の職員のパトロール 等によって告発は可能である←ただし、告発につい て、躊躇することがあると推測される • 捜査・起訴・裁判となると、警察や検察の人的資源 等に限りがあるうえ、かつ慎重な手続が要求される ので、実際には、相当悪質な事案でないかぎり警察 が捜査に乗り出すことができない罰則の例(2)
• 青少年健全育成条例(すべての都道府県が 制定)の罰則は上限ぎりぎり(2年以下の懲役 または100万円以下の罰金)のものが多い 詳細については、たとえば、 paro2day.blog122.fc2.com/blog-entry-77.html 参照条例と法律
• かつては、法令が規制対象としている領域は、 およそ条例は制定できないという解釈(法律 先占理論)が有力 • しかし、最判昭和50年9月10日刑集29 巻8 号 489 頁(徳島市公安条例事件判決)徳島市公安条例事件判決
• 両者の対象事項と規定文言を対比するのみで なく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比 較し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによ つてこれを決しなければならない • ある事項について国の法令中にこれを規律する 明文の規定がない場合でも、当該法令全体から みて、右規定の欠如が特に当該事項についてい かなる規制をも施す ことなく放置すべきものとす る趣旨であると解されるときは、これについて規 律を設ける条例の規定は国の法令に違反する こととなりうる徳島市公安条例事件判決
• 特定事項についてこれを規律する国の法令 と条例とが併存する場合でも、後者が前者と は別の目的に基づく規律を意図するものであ り、その適用によって前者の 規定の意図する 目的と効果をなんら阻害することがないとき は国の法令と条例との間にはなんらの矛盾 牴触はなく、条例が国の法令に違反する問題 は生じえな い徳島市公安条例事件判決
• 両者が同一の目的に出たものであつても、国 の法令が必ずしもその規定によつて全国的 に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではな く、それぞれの普通地方公共団 体において、 その地方の実情に応じて、別段の規制を施 すことを容認する趣旨であると解されるとき国 の法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触 はなく、条例が 国の法令に違反する問題は 生じえない。空き家条例
• 所沢市が2010年7月に全国で初めて空き家条例 を制定 • 2012年1月に条例を施行した秋田県大仙市では、 家屋倒壊の恐れがあり、強風時に危険があると して所有者へ勧告、措置命令が出され、その後、 行政代執行による家屋の解体が行われた • 2012年時点で31自治体(16都道府県) • 2014年4月1日時点で355自治体 http://www.nhk.or.jp/d-navi/link/akiya/pdf/ jyorei_H260401.pdf空き家条例
• 勧告 • 命令 • 公表 • 代執行 • 罰則形式的効力が同じ法令間の優先劣後
• 特別法優位―一般法と特別法の関係が存在 するとみなされる場合には、特別法が優先的 に適用される – 一般法とは、ある事項の全体について一般的に 適用される法律/特別法とは、特定の人、事物、 行為または地域にのみ適用される法律(相対的 に判断される e.g. 商法は民法との関係では特 別法であるが、国際海上物品運送法との関係で は一般法)形式的効力が同じ法令間の優先劣後
• 後法優位―時間的に後に制定されたものの ほうが先に制定されたものより優先する
法律ができるまで
• 内閣提出法案 • 議員提出法案
内閣提出法案の場合
• 法律案の原案作成 • 内閣法制局における審査 • 国会提出のための閣議決定 • 国会における審議 • 法律の成立 • 法律の公布法律案の原案作成
• 内閣が提出する法律案の原案の作成は、それを所管 する各省庁において行われる • 各省庁は所管行政の遂行上決定された施策目標を 実現するため、新たな法律の制定又は既存の法律の 改正もしくは廃止の方針が決定されると、法律案の第 一次案を作成 • この第一次案を基に関係する省庁との意見調整等 • 審議会に対する諮問又は公聴会における意見聴取等 を必要とする場合には、これらの手続 • 法律案提出の見通しがつくと、その主管省庁は、法文 化の作業→法律案の原案審議会
• 法務省は基本法を所轄しており、多くの場合、 法制審議会に法務大臣から諮問 • 法制審議会第160回会議(平成21年10月28日開催) ex.諮問第88号 民事基本法典である民法のうち債権 関係の規定について、同法 制定以来の社会・経済の 変化への対応を図り、国民一般に分かりやすいものと する等の観点から、国民の日常生活や経済活動にか かわりの深い契約に関する規定を中心に見直しを行う 必要がある と思われるので、その要綱を示されたい。審議会
• 法制審議会第160回会議(平成21年10月28日開催) – 法務大臣から新たに発せられた民法(債権関係)の改正 に関する諮問第88号及び凶悪・重大犯罪の公訴時効の 在り方等に関する諮問第89号に関し,事務当局から諮問 に至った経緯及び諮問の趣旨等について説明がされた。 – これらの諮問について,その審議の進め方等に関する意 見表明がされ,諮問第88号については,「民法(債権関 係)部会」(新設)に,諮問第89号については,「刑事法 (公訴時効関係)部会」(新設)に,それぞれ付託して審議 することとし,各部会から報告を受けた後,改めて総会に おいて審議することとされた。審議会
• 法制審議会第174回会議(平成27年2月24日開催) • 民法(債権関係)部会長から,諮問第88号について, 同部会において決定された,「民法(債権関係)の改 正に関する要綱案」 に関する審議結果等の報告が された。 審議・採決の結果,同案は,全会一致で原案どお り採択され, 直ちに法務大臣に答申することとされ た。内閣法制局における審査
• 内閣が提出する法律案については、閣議に付される前にすべて内閣法制局にお ける審査が行われる • 内閣法制局における審査は、本来、その法律案に係る主管省庁から出された内 閣総理大臣あての閣議請議案の送付を受けてから開始されるものであるが、現 在、事務的には主管省庁の議がまとまった法律案の原案について、いわば予備 審査の形で進める方法が採られている→閣議請議は、内閣法制局の予備審査を 経た法律案に基づいて行われる • 内閣法制局における審査は、主管省庁で立案した原案を法律的、立法技術的に あらゆる角度から検討 – 憲法や他の現行の法制との関係、立法内容の法的妥当性 – 立案の意図が、法文の上に正確に表現されているか – 条文の表現及び配列等の構成は適当であるか – 用字・用語について誤りはないか • 予備審査が一応終了すると主任の国務大臣から内閣総理大臣に対し国会提出 について閣議請議の手続を行う • これを受け付けた内閣官房から 内閣法制局に対し同請議案が送付されるが内 閣法制局では、予備審査における審査の結果とも照らし合わせつつ、最終的な 審査を行い、必要があれば修正の 上、内閣官房に回付する国会提出のための閣議決定
• 閣議請議された法律案については、異議なく 閣議決定が行われると、内閣総理大臣から その法律案が国会(衆議院又は参議院)に提 出 • 内閣提出法律案の国会提出に係る事務は内 閣官房が行う民法の一部改正法案
(債権法改正)の場合
民法の一部改正法案
国会における審議
• 内閣提出の法律案が衆議院又は参議院に提出されると、 原則として、その法律案の提出を受けた議院の議長は、こ れを適当な委員会に付託 • 委員会における審議 – 国務大臣による法律案の提案理由説明 – 審査は、主として法律案に対する質疑応答 – 質疑、討論が終局したときは、表決 • 本会議における審議 • 内閣提出の法律案が、衆議院又は参議院のいずれか先 に提出された議院において、委員会及び本会議の表決の 手続を経て可決されると、その法律案は、他の議院に送 付 • 送付を受けた議院においても、同様に、委員会及び本会 議の審議、表決の手続法律の成立
• 法律案は、憲法に特別の定めのある場合を 除いては、衆議院及び参議院の両議院で可 決したとき法律となる • 法律が成立したときは、後議院の議長から内 閣を経由して奏上法律の公布
• 法律は、法律の成立後、後議院の議長から内閣を経由して奏上さ れた日から30日以内に公布されなければならない • 法律の公布のための閣議決定を経た上、官報に掲載されることに よって公布 • 「公布」とは、成立した法律を一般に周知させる目的で、国民が知 ることのできる状態に置くことをいい、法律が現実に発効し、作用 するためには、それが公布されることが必要 • なお、法律の効力が一般的、現実的に発動し、作用することにな ることを「施行」といい、公布された法律がいつから施行されるかに ついては、通常、その法律の附則で定められている • 法律の公布に当たっては、その法律に法律番号が付けられ、主任 の国務大臣の署名及び内閣総理大臣の連署がされる議員立法(議員提出法案)の場合
• 衆議院では20名以上、参議院では10名以上 の賛成がないと提案することができない(予算 を伴う場合はそれぞれ50名、20名以上の賛 成が必要)(国会法56条)←この制限は成立 の見込みが全くないのに少数の国会議員が 露骨な地元利益還元を目標とする「お土産法 案」提出の乱発を防止するため議員立法(議員提出法案)の場合
• 衆議院においては、議員の所属する会派が機関承認 をしていない場合には法案の発議を受理していない ←各会派が議院事務局に、会派の承認の無い議員立 法を受理しないよう申し入れ、事務局がこれにした がっているため • 平成5年に「国政における重要問題に関する国民投票 法案」が衆議院事務局に提出されたが、機関承認が ないことを理由に事務局によって保留され、会期末を 迎え不受理に終わった←この件については、損害賠 償請求がなされたが、議院の自律権の範囲内である として、裁判所の審査権は及ばないとして棄却された (東京高判平成9年6月18日判時1618号71頁。原審・ 東京地判平成8年1月9日訟務月報43巻4号1148頁)議員立法(議員提出法案)の場合
• 法律案の作成においては、両議院にそれぞれ 設置された議院法制局が議員に協力する。議員 の立案依頼に対して、その原案の問題点などを 指摘し、これを繰り返して作られた法案を最終的 に議院法制局が審査し、問題がなければ提出さ れる • 議院法制局の人員が内閣法制局と比べると少 ないことなどから、法案起草の過程において政 府(各府省)による非公式の内容確認(実質的な 審査)が議院法制局からの善意の情報提供とい う形式によって実施されることもある議員立法(議員提出法案)の場合
• 国会に提出された後は内閣提出法案とほぼ 同じであるが、提出された議院から先に審議 が行われる