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大正大学大学院研究論集33号 014渡辺里子「社会福祉実践分析研究の成果と今後の展望」

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Academic year: 2021

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社会福祉実践分析研究の成果と今後の展望

渡 辺 里 子

1.社会福祉実践分析研究の沿革 本専攻は , 設置当初より社会福祉実践分析研究(以下 , 実践分析)を院生の必修科目とし , 地域研究を 継続してきた。当初は都内特別区の地域研究を中心に展開したが , 本学のプロジェクト研究所「福祉デザ イン研究所」による地域研究および地域活動を推進するプロジェクト創出の提言を受け , それまでの実践 研究班を 2004 年度に再編成し , 呼称を「庚申塚商栄会協働プロジェクト」として , 西巣鴨地域へ研究と 実践のフィールドを転換した。 まずは西巣鴨エリアの地域特性を把握するため , 統計研究・社会資源研究・地域史研究とともに , 商店 街の現状と課題の明確化のためのグループインタビュー調査による研究成果を公開シンポジウムで公表す るなどした結果を踏まえ , 大学に隣接する西巣鴨地域における実践交流拠点として , 庚申塚商栄会の一角 に本学が支援する NPO 法人でもくらしぃが「大正さろん」を設置した。 なお , 実践分析の研究成果の詳細は , 毎年度末に発行している『社会福祉実践分析研究報告書』を参照 されたい1) 2.2007 年度の取り組みにおける成果 実践分析研究の 2007 年度の取り組みは 2 つの柱から成っている。1つめは 2006 年度に実施した高齢 者・子育て中の親・本学学生を対象とした , 世代間交流に関するアンケート調査の継続的な研究課題を受 け , 統計分析(二次分析)に取り組んだことである。その結果 , 世代間交流が地域の活性化を促し , 日常 生活の満足度が向上する可能性が示唆されるとともに , 高齢者のアンケート対象が「区民ひろば西巣鴨第 一」の利用者という限定的なものにせよ , 少子高齢化社会において , 元気な高齢者が地域交流の促進を主 体的に担う可能性も明らかになった。 2つめは ,『西巣鴨の地域住民交流に関するグループインタビュー調査~「大正さろん」を拠点とする 今後の展開に向けて~』として , 本学の周辺地域の町会長および民生委員(計7名)を対象にグループイ ンタビュー調査を実施したことである。この調査からは ,地域交流に関する多くの重要カテゴリーが抽出2) されるとともに , 西巣鴨地域の住民交流の活性化に向けた地域展開の将来設計が構造的に整理された3) これからは , 今後の大正さろんの展開を考える際の設計図としても活用し得るものである。 また ,2007 年度の取り組みから , 地域の活性化に向けた大正さろんおよび本学への今後の展開に向けた 提案としては , ①地域行事へ積極的に参加すること , ②学生の地域への参加促進のためのボランティアセ ンター機能を準備すること , ③学生の地域交流活動を本学がカリキュラム化すること , ④本学および「大 正さろん」の活動姿勢を明示すること , の4点である。これまでの実践分析の研究成果の積み重ねにより , 今後の展開の道筋を提示することができた。 3.実践分析研究の今後の展開 2007 年度の実践分析の研究成果による今後の展開に関する提案を受けて ,2008 年度の取り組みでは ,

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本学の学部生による「学生出前定期便」の実施に向けて準備を進めている。この企画は , 大学院生のコー ディネートのもと , 学部生が高齢者のニーズに合わせて自宅へサービスを定期的に届けるものである。簡 便な電球の取り換え , 重たい荷物の上げ下ろし , 古新聞の片づけ等を通じて , 高齢者が抱える更なるニー ズを把握する取り組みを想定している。 また実践分析では , 当初より豊島区行政との協働を意図しながら進めたが , これまでの研究成果が「豊 島区地域保健福祉計画」づくりにも生かされる見通しである。2008 年度の試行的な取り組みを通し , 区 行政との協働の具体化も目指している。 今後は大学院生がコーディネーターとなって試行プログラムを実施し , モニタリングを重ねた上で , 住 民と共に事後評価を実施する予定である。そして , 地域住民のニーズに応え得るものに定着化させ , 住民 による主体的な活動へと発展するよう構想している。さらには , 高齢者のニーズにアウトリーチするフィ ールドワークによって , 大学生が地域から学ぶという新たな「教育プログラム」を構築できるよう努めたい。 註 1)大正大学大学院人間学研究科社会福祉学専攻が 1997 年度から各年度末に『社会福祉実践分析研究報 告書』を発行している。 2)註1)『報告書− 2007 年度版』pp.114-121 の「重要カテゴリー表」を参照。 3)註1)『報告書』pp.130 の「図Ⅱ− 3 − 1」を参照。 (大学院人間学研究科社会福祉学専攻修士課程)

参照

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