16 見てきたもの コミュニケーション活動には、 伝えたいメッセージが不可欠。 自己表現に子どもは意欲的に取り組む。 英語を使って人との関わることで、子供たちの心が育っていく。 ハードルを上げることで、 子どもはより意欲的になる。 教師ができないと思った時点で子どもの可能性を摘んでいる。 達成感が自信を生み出し、 それが力 となる。 一斉授業をしつつも、 子どもたちと個別に関わりを持つことが大切である。 (個々の関わりの大切さ) うれしかったこと • 授業で子どもと多く関われたこと。 • 子供たちが課題に前向きに取り組んでくれたこと。 • 英語の授業を学年の話題にできたこと。 • 家庭の食卓で、 英語の授業の話題が出たこと。 未来を見据えて • 大切なのは、 子供たちに力をつけること。 • 英語を通じてメッセージを伝えること。 • IT 機器の活用。 ( 電子教科書の行方 ・ パワーポイント ・ 映像メディアの活用 ) • 英語教室の設置と活用。 体当たりで生徒に向かっておられる姿勢に敬意を表したい。 実践紹介 : 「元気の出る授業」 ~子どもたちが活動を通して 「気づく」 「学ぶ」 授業を目指して~ 枚方市立第2中学校教諭 岡 順二 1 はじめに 子どもたちに力をつけたいという一心で、 従来の文法 ・ 訳読 ・ 解説を重視した授業を20年近く続けてきた。 説明 ・ 解説の技量 は伸びたとは思うが、 自己満足にすぎず、 子どもたちが、 授業で何かに気付き、 自ら学んでいるという実感が、 伝わってこなかっ た。 ある時を境に、 教師主体の授業を続けていて、 言葉の4技能を伸ばすことができるのか、 疑問を感じるようになった。 こども たちが自分を表現できる授業、 子どもたちの声が響く授業、 相手の発話から学ぶ授業、 つまり子どもたちが主体となって取り組め る授業の模索がスタートだった。 2 授業のコンセプト 「話す」 「聞く」 重視の現行カリキュラムが実施されたが、子どもたちの英語運用能力は伸びていない。 学校教育への不信感から、 子どもと保護者は塾を選択している。学校は塾以上に魅力的でなければいけない。塾を超える授業を提供することが望まれている。 そのためには、 授業の中で、 コミュニケーション能力と平行して、 入試突破のスキルを育成する必要がある。 ただ、 詰め込み一 辺倒、 講義主体となってしまっては塾と同じになってしまう。 目指すは、 両方が満たされる魅力的な授業である。 現行入試を分 析してみると、入試問題も変化していることがわかる。 大きく見ると、言語の知識を問う出題から、リスニング問題や長い英文を読み、 理解力を問う問題に移り変わってきている。 授業の中では、 コミュニケーション活動を中心に据えながら、 入試にも対応できるよう、 言語知識の習得にも努めていきたい。
17 3 学習活動の工夫 ● 「自分が楽しい授業」 授業が終わったとき、 今日はあっという間に終わったなあと思える授業を目指したい。 そのためには子どもを飽きさせない工夫 が必要である。 授業で心掛けているのは、 スピードと展開で、 メリハリと切り替えが授業の生命線である。 どの活動も10分~15 分を基本にしている。 生徒はどんな活動でも、 すぐに飽きるので、 暇を与えないこと、 4技能をスパイラルにからませること、 静動・ 強弱 ・ 質と量、 そしてパターンの切り替えなど、 常にバランスを意識することが大切である。 ●いきなり音読 授業のスタートは必ず音読から。 毎時、 子どもたちを起立させ、 教科書の音読から授業をスタートする。 いわゆる、 体育の授 業で言えば、 準備体操である。 これを習慣化し、 3年で英語の基礎体力を養成することを目指している。 ●授業は生徒主体 クラスの個々の生徒が1時間にどれだけ発話したかを重視したい。 そのため、教師の発話量はできるだけ削る。 生徒に活動させ、 しゃべらせる。 生徒の一人あたりの発話量を確保するため、 一人が発話して、 みんなが聞いている時間をできるだけ減らし、 み んなが同時に発話している時間を確保する。 ●ペアワーク活動の充実 言葉は相手とのやり取りが基本である。 ペアーで音読活動に取り組ませる。 言葉は生き物なので、 他者との言葉のやりとりをする ことで、 他者との協力関係が生まれ、 そこから、 こどもたちは多くを学び、 クラスが活性化する。 ●音読→暗唱→暗写の徹底 教科書を最大限に活用し、 教科書の英文を覚え込ませる。 学年が上がるにつれて、 文が長くなり、 覚えにくいと思うが、 これ は覚えることが習慣化されていないからであると思う。 短時間で覚えたものは消えやすい。 ある程度の時間をかけ、 何度も繰り返 し音読、 暗唱し暗写までもっていくことで、 英文を体に染みこませることが大切である。 音読においては、 単語だけではなく、 語 句のまとまり (チャンク) を常に意識させ音読させることで、 内容への理解をより深めていく。 ●暗唱 ・ 発表など自己表現の機会 内容を吟味し、 良い題材を一年時から与え暗唱させる。 たとえ、 それが3年生の教材であってもかまわない。 (試しに、 1年生 にセヴァン鈴木 “リオの伝説のスピーチ” を暗唱させた。 高いハードルを設定することで、 子どもたちの潜在能力を引き出せた。) 自己紹介、他己紹介、Show and Tell, 偉人の紹介など、人前で発表する機会をできるだけ設ける。 人前での発表は緊張感を伴う。 それを乗り越えていくことが、 子どもたちの自信につながり、 その達成感が学習意欲を向上させる。 4 まとめ *子どもを学習活動の中心に据えることで、 子どもたちは意欲的になった。 *参加型学習で、 やらされるのではなく、 自分からやる姿勢が育ってきた。 *音読活動を通じ、 音のつながりを自然に意識できるようになった。 音に慣れることで、 リズム、 イントネーションや強勢のとりか たがスムーズになった。 *チャンクを常に意識させ、 英文を読み込ませることが、 英文の読解力に大きな効果を果たした。 ******* ■ 「明日からの授業実践のために -英語授業の哲学-」 大阪女学院大学 教授 中井 弘一 残った 1 時間少しを 、 私の方で 、 英語教員として持っていて欲しいと願う教育哲学について話した。 前日の府高英研で講演の話と同じ内容であったが、その時の参加者が 3 人もこの勉強会に駆けつけていただき、どうしようかと思っ た。 厚顔で同じ内容に少しアドリブを加えて話した。 要旨 教師は教師である前に、 「生きていることに夢を持ち」 「好きなことがある」 など 『普通の人』 であること、 その上で 「「勉強する」