フ ラ ン ス 語 の 冠 詞 の 用 法 を 日本 語 母 語 話 者
に 習 得 させ る場 合 に つ い て の 調 査 報 告
Cécile
MOREL
は
じ め
に
私 は,以 前 『人 文論 叢 』 に発 表 した 「フ ラ ンス 語教 育 に おけ る テキ ス ト言 語 学 と相 互 的学 習 方法 の応 用一 フ ラ ンス語 の冠 詞 の用法 を 日本 語母 語 話 者 に習 得 させ る場 合一 」(モ ンル,2005)に お い て,フ ラ ンス語 の冠 詞 の用 法 を 日本 語 母 語 話 者 に理 解 させ るため に テキ ス ト言 語学 と相 互 学 習 方法 の利 用 が効 果 的 で あ る こ とを 主張 し,具 体 的 な練 習 方 法 を提 案 した が,本 稿 は,そ こで紹 介 した 練習 方 法 の よ り実践 的 な応 用 を 目指 し,そ の効 果 を確 認 す る こ とを 目的 として い る。 そ のた め,具 体 的 に い くつ か の練 習 問題 を作 成 し,そ れ を実 際 の 日本 語 を母 語 とす る フ ラ ンス語学 習 者 にや って もら うとい う調 査 を行 い,そ の結果 に つ い て報 告す る。調 査 の 概 要
対 象 学 生 ・調 査 期 間 ・ 2005年 前 期,京 都 女 子大 学 の3回 生,11人 に1ケ 月 の期 間 を与 え,宿 題 とし て,前 述 の定冠 詞,不 定 冠 詞 に つ い て の問題 をや って もら うとい う調 査 を行 っ た 。 (練 習 問 題 の詳 細 は,後 の節 を参 照)。 本 稿 の構 成 本 稿 は,調 査 の結果 を分 析 し,考 察 す る こ とを 目的 とす るが,今 回 の調 査 で 67は,モ レル(2005)で 紹 介 した練 習 方 法 を考 察 しなお し,前 回作 成 した 問題 を 改善 し,ま た新 た な練 習 問 題 も作 成 した の で,ま ず 最初 に,前 回 の論 文 で提 唱 した 練習 方 法 とそ の問題 点,改 良点 を紹 介 す る。 そ の後,今 回作 成 した新 たな練 習 問 題 も含 め て,実 際 に行 った練 習問 題 と, そ の実施 結 果 を報 告 す る。 最 後 に,調 査 対 象 とな った学 習者 た ち の感 想文 を紹 介 す る と ともに,練 習 問 題 の効果,問 題 点,改 良点 な どに つ い て考 察 す る。 前 回提 唱 した練 習 方 法 外 国語 習 得 と母 語 習 得 に つ い て リュ ヅ クが 述べ てい る よ うに,「 テキ ス ト言 語 学 の視 点 か らす る と,"文"(phrase)と い うもの に よ って テ キス トの描 写 が 限定 され ない のは,コ ンテキ ス トとテ キ ス トの 中 の文 の相 互 依存 関係 のせ い であ る。 さ らに,あ る コ ンテキ ス トの状 況 に よって,単 独 の文 を テキ ス トとし て扱 うこ と もで き る し,そ の単 独 の文 に新 たな文 を くっつ け るだけ で テキ ス ト として完 成 させ る こ ともで きる。 この よ うな文 と文 の関係,そ の 出現 の効 率 の よい 規 性 につ い て考 え た り,詳 し く調 べ た りす る こ とが テキ ス ト言 語学 の 目的 であ る」 (Ruck,199:113) 前 述 の定 冠 詞,不 定 冠 詞 につ い て の 問題 をや って も ら うとい う調 査 の 目的 は テキ ス ト言 語 学 の視 点 か ら学 習 者 に は文 と文 の関係 を理解 させ る こ とで あ る。 定 冠 詞 と不 定 冠 詞 は文 と文 の関 係 に大 切 な役 割 を持 ってい る こ とに重点 を置 か なけ れ ば な らな い。 そ のた めに 学習 者 に文 の中 で定 冠 詞 と不 定冠 詞 の役割 と必 要 性 につ い て理 解 させ る必 要 が あ る。 学 習 者 が文 と文 の関 係1yLつい て理 解 力 を 補 うこ とが で き る よ うに な るた め に この 調査 を す る こ とに した 。 そ の こ とか ら 今 の よ うな調 査 の必然 性 が 分 か る よ うに な るだ ろ う。 こ こで前 回紹 介 した 練 習 方 法 を新 た にご紹 介 す る必 要 が あ る。 そ れ は前 回紹 介 した 練 習方 法 も使 った り,そ の練習 方 法 と違 う練 習 方法 も使 った りしたか らで あ る。 まず,前 回紹 介 した練 習 方 法 の一 つ は次 の もの で あ る:「 た とえば,日 本 語
フランス語の冠詞の用法を 日本語母語話者に習得 させる場合にっいての調査報告 の新 聞 の三 面記 事 とフ ラ ンス語 の三面 記 事 を用 意 す る。 そ れ ぞ れ記 事 内容 が 似 た よ うな ものを選 ぶか,あ るいは 日本 語 の三 面記 事 の仏 訳 を準 備 し,そ れ ぞ れ の記 事 を バ ラバ ラに してか ら,学 習 者 に 記 事 を元 の順番 に 戻 す よ うに 指 示 す る。」 (モ レル,2005:57)。 そ の練 習 方法 の 目的は テキ ス トとい うものに つ い て考 え る機 会 を与 え る こ と で あ る。 そ して学 習 者 が テキ ス トに様 々 な進 行 が あ る こ とに気 付 く機 会 を与 え る こ とで あ る。 テキ ス トの 中 で定冠 詞 と不 定 冠 詞 の位 置 に よ って テキ ス トの進 行 が 変 わ る。 テ キ ス トの進 行 が変 わ る こ とを理 解 す るた め に定 冠 詞 と不 定 冠 詞 の重 要 な役 割 に つ い て考 え る必 要 が あ る。 また 定 冠 詞 と不 定 冠 詞 の重 要 な役 割 を果 た してい る こ とに 気付 くこ とに な るに ちが い な い。 テ キ ス トが作 られ て行 くとい うプ ロセ スに参 加 させ る こ とに な る。 学 習 者 の理 解 度 を高 め るた め に次 の練 習 方法 を前 回 紹介 した: 「よ り簡 単 な 問題 とは 同 じ三 面記 事 を使 って,今 度 は 学 習 者 に 日本 語 の三面 記 事 に 出て くる助詞 の 「は 」 と 「が 」 のつ いた 名 詞 に線 を 引 か せ,そ れ らが対 応 す る言 葉 を フ ランス語 の三 面記 事 か ら書 き出す よ うに指 示 す る。 さ らに そ れ ぞれ の特 徴 を考 え,フ ラ ンス語 と 日本 語 に共 通 点 は あ るか な い か探 る よ うに指 示 す る。 そ の後,新 情報 ・旧情 報 の説 明 を し,前 もって教 師 が 作 った 旧情報 ・ 新 情 報 の表 に そ れ ぞ れ の単 語 を入 れ させ る。 そ の よ うな作 業 を通 じ て,学 習者 に,あ る記 事 の中 で 旧情 報 のrは 」 と新 情報 の 「が」,あ るい は 旧情 報 の定 冠 詞 と新 情 報 の不 定冠 詞 に 気 付か せ る こ とが で きる。学 習者 は テキ ス トの 中 で旧 情報 と新 情 報 に 出 会 うこ とに よって テキ ス トの結 束 性,複 数 の文 の間 で個 別 の 情 報 がつ な が っ て 行 く様 子 を は っ き りと体 験 す る こ とに な るだ ろ う。」(モ レ ノレ, 2005:57)。 こ の練 習 方法 の 目的は学 習者 に 旧情 報 のrは 」 と新 情 報 の 「が」,あ るい は 旧情 報 の定 冠詞 と新 情 報 の不 定 冠詞 に つ い て考 え る機 会 を与 え る こ とで あ るの で この調 査 の中 で そ うよ うな専 門 用語(旧 情 報 ・新 情 報)を 使 って行 く必要 が あ る。学 習 者 に は ち ょっ と難 し くて も新 た な体験 で きる こ とに な る。 日本語 と 69
フ ラ ンス語 に つ い て の新 しい知 識 を得 る こ とが で きる。 新 しい 視点 か ら母 語 と フ ラ ンス語 につ い て考 え る機 会 を与 え る こ とに な る。外 国語 の習得 には母 語 の 理 解 は 欠か せ ない ので 旧情 報 の 「は 」 と新 情 報 の 「が 」 の理 解 が 必要 であ る。 「母 語 の理 解 が 不 十分 で あ る と外 国語 習得 の プ ロセ ス の中 で障 害 にこぶつ か るこ とは い うまで もない 。」(モ レル,2005:58)。 障 害 にぶ つか る こ とに よ って,自 分 自身 の外 国語 習 得 の プ ロセ スを理 解す る こ とが で き,よ り着 実 に 習 得 が進 む こ とに つ な が るだ ろ う。
1
前 回紹 介 した練 習 問題 を 使 った り,異 な る練 習 問 題 を作 った り,や り方 を変 えた りした こ とを こ こで説 明 して行 く必要 が あ る と思わ れ る。 最初 は,前 回紹 介 した 練 習 問題 の一 部 を使 った が,そ れ ぞ れ の問題 の難 し さにつ い て考 え,も っ と根 本 的 な練 習 問題 か ら始 め るべ き こ とに 気 が つ いた 。 テ キ ス トの中 で定冠 詞 と不 定 冠詞 は重 要 な役 割 を果 た して い る こ とを説 明す る必 要 が あ る こ とに気 付 い た。 また専 門用 語(旧 情 報 ・新 情 報)が 使 わ れ て い る こ とに よ って学 習者 間 の混乱 が起 こる恐 れ が あ る と考 え直 す こ とに した 。専 門 用 語 の導 入 までは段 階 を置 くこ とに した。 先 に 言 った よ うに専 門 用語 の導 入 に よ って学習者 は新 し い知 識 を得 る こ とが で きるが そ の知識 を得 るた め に定 冠 詞 と不 定冠 詞 に つい て の知 識 を 固 め る必要 があ る と考 えた 。 まず最 初 に,一 川 周史 の言葉 を借 りて み る と:「 も とも と 「あ の」 を意 味 す る ラテ ン語(ille)を,厳 密 志 向の フラ ンス語 が1000年 程 前 か ら時間 をか け て, 名 詞 の 《身 元 》 を 明 らか に す るのに不 可 欠 な 「定 冠 詞 」 に育 てて きま した 。そ して も う400年 近 くフラ ンス人 は,今 日 と同 じ様 々な冠 詞 を無 意 識 の,あ るい は 意識 した 厳 密志 向 で使 い続 け てい るわ け で す 。 日本 語 には 全 く訳 出 し よ うが な い ケ ースが多 い の で,そ の ニ ュア ンスは,文 の意味 の中 に 感 じ とって いかね ば な りません 。 日本 語 に無 理 を強 いれ ば,「 そ の∼」,「 とい うの も」,「 そ の もの」等 と訳 せ る時 もあ ります。 冠詞 に対 応 す る品詞 あ るい は 観念 が 日本 語 に な く,し か も この語 は名 詞 と共 に出 ず っぱ りな の で,無 視 してい ては 永 久に フフ ランス語 の冠詞 の用 法を 日本語母語 話者 に習得 させ る場合 につ い ての調査報告 ラ ン ス 語 は もの にこな りま せ ん 。」(_)『 新 ・冠 詞 抜 き で フ ラ ン ス語 は わ か ら な い 」(一 川 周 史,2003:12) 一 川 周 史 氏 が 言 う よ うに"名 詞 の く身 元 〉 を 明 らか に す る の に 不 可 欠 の 「定 冠 詞 」 に 育 て て き だ'フ ラ ン ス 語 な の で,学 習 者 が そ の 現 実 を理 解 す る よ うにご 練 習 問 題 を 提 出 し な け れ ば な らな い と考 え た 。 そ の た め,第 一 段 階 と し て,最 初 に 定 冠 詞 を 中 心 的 に 扱 か った 問 題 を 選 ん だ 。 そ れ ら の 問 題 は 次 の よ うな 問 題 で あ る 。 豆
今回提唱 した練習方法 とそ の実施結果
道 の案 内 は練 習 問 題 の元 にす る。 道 の案 内 の中 で全 て の定 冠 詞 は記 入 され て い る。 最初 に,学 習者 に道 の案 内 を読 んで もら う。 そ の後,そ の中 で使 わ れ た 名 詞 を定冠 詞 抜 きで取 り出 して,定 冠 詞 を 入 れ て も ら う。 こ の問題 の正解 率 は 非 常 に 高か った 。99%だ った 。 冠 定 詞 そ の(1):次 の文 を読 んで くだ さい 。PlanPour venir chez moi, tu prends la rue Descartes, puis le boulevard
Carnot à gauche et tu continues jusqu'à la boulangerie. Là, tu verras
la statue de Pasteur sur la petite place:
j'habite
l'immeuble
qui est juste derrière
la statue. Tu entres, tu
vas dans la cour, tu prends le couloir à droite et c'est la première
porte à gauche.
Et n'oublie pas les photos de ton voyage en Inde!
(Grammaire
vivante du français, Clé International)
定 冠 詞 を書 い て くだ さい。 - ... rue Descartes - ... boulevard Carnot -... boulangerie - ... immeuble - ...cour -. . . couloir 71
一,..statue
-...petite
place
一...premi鑽e porte - ..,photos 上記 で紹 介 した もの の 目的 は,学 習者 が定 冠 詞 の使 い方 を 思 い 出す た め の も の で もあ り,次 の練 習 問題 のた めに反 復 練 習 問題 に な る。 今 度 は 学 習 者 が 穴 埋 め の 招 待 状 と穴 埋 め の 会 話 に 定 冠 詞 を 入 れ る。 これ ら の 問 題 に は 全 て の定 冠 詞(le, la,1',1es)を 使 う こ とに な る 。 これ ら の 練 習 問 題 の 正 解 率 も高 か った 。93%だ った 。 しか し 男 性 名 詞 ・女 性 名 詞 ・複 数 ま た 母 音 の前 で 省 略 す る も の は 明 ら か に 習 得 さ れ て い な か った 。 定 冠 詞 を入 れ て くだ さい 。 A)Itin駻aire Les M駭ards,1.e 18.12.89Cher Paul, ch鑽e Mich鑞e,
Nous vous attendons pour_jour de_an dans notre皿aison de
campagne. Voici...indications pour nous trouver.
Vous sortez de Salon, vous prenez..,route de P駘issane. A P駘issane,
vous traversez tout...village et juste apr鑚...pont, vous quitterez...
route principale pour prendre...route de Lan輟n. Vous faites 3
kilomさtres(_paysage est magnifique!)et vous verrez...panneau
qu indique...M駭ards.
...chemin n'est pas bon mais...maison est 00 m鑼res de l珥
penne, ans...arbres.
B)D駱art En五n...vacances!
フランス語 の冠 詞 の用法 を 日本語母語 話老 に習得 させ る場 合につい ての調査報 告
-Tu pars ? Tu vas où?
-A Avignon . Je pars avec. . . enfants.
Je me dépêche,
je dois aller
chercher. . . billets à. . . agence avant midi !
-Vous prenez. . . avion ?
-Non , . . . train. Avec... TGV, c'est rapide !
そ の次 に,ま た 穴埋 め の 問題 であ る。 今 度 はA)特 定 主 語 の もの を示 す定 冠 詞 が 使 われ てい る文 とB)対 象 物 に つ い て話 し手 と聞 き手 の両者 に 了解 され て い る ものを示 す 定冠 詞 が使 わ れ てい る文 を 分 け て番 号 を記 入 す る こ とを指示 し てあ る。 この練 習 問題 は とて も難 し く,指 示 も分 か りに くい と ころか ら正解 率 は あ ま り高 くなか った 。64%だ った 。 そ の点 で この練 習 問 題 全 体 の改 善 が 必要 で あ る と思 う。特 定主 語 につ いて もっ と説 明すべ きだ った 。特 定 主 語 に つ い て例 文 を 出 して か ら練習 問題 に入 るべ きだ った 。今 回 の例文 では 区別 しに くい と ころが あ る ので正解 率 は あ ま り高 くなか った 。正 解 率 は そ れ ほ ど高 くな い が学 習 者 は 真 面 目に取 り組 ん で くれ た に違 い ない 。 定冠 詞 につ い ての練 習 問 題 は 以上 で あ る。 定 冠 詞 そ の(2):定 冠 詞 を入 れ て下 さい!
1)
2)
3)
... examens sont au mois de juillet ? Oui, ... examens
sont bientôt
là.
... film que tu as vu hier, il était comment ?
... film que j'ai vu hier, il était passionnant.
C'est...
dernier
film
de Pedro
Almodovar.
J'aime beaucoup. . . films de Pedro
Almod-ovar.
. . . concert,
c'est quand ?. . . concert,
c'est dans 3 jours.
4) . . . musique
que j'ai entendue
l'autre
jour chez toi, c'est.. .
musique d'un film?
Oui, c'est. . . musique du film de Sergio Leone.
Je ne connais pas ce film, tu peux me preter. . disque ?
5) . . . exposition,
c'est pour bientôt ? . . . exposition
des oeuvres de
ma soeur aura lieu dans une semaine environ. C'est. . . première
exposition qu'elle fait au Japon.
6) . . . cerisiers vont commencer à fleurir dans combien de temps ?
. . . cerisiers ? Dans une semaine environ.
7) Tu as vu. . . publicité pour. . . nouvelle
voiture de Nissan ? Non,
pas encore.
8) Elle est amusante. . . nouvelle publicité pour. . . voiture de Nissan,
regarde-la!
A)特 定 の も の を 示 す 定 冠 詞 が 使 わ れ て い る の が 何 番 で す か 。 2.4.7.(正 解) B)対 象 物 に つ い て 話 し手 と聞 き手 の 両 者 に 了解 され て い る もの を 示 す 定 冠 詞 が 使 わ れ て い る の が 何 番 で す か 。1.3.5.6.8(正 解) そ して第 二 段 階 として,今 度 は 中心 的 に不 定 冠 詞 を扱 か った練 習 問題 を選 ん だ。 学 習者 に不 定 冠詞 もまた 無規 しては い け な い 品詞 であ り,定 冠 詞 との使 い 分 け は とて も難 し く,定 冠詞 が持 つ特 徴,ま たそ の使 い道 は不 定 冠 詞 が 持 つ特 徴,ま た は使 い道 とは違 うとい うこ とに 注 目させ る必要 があ る。 そ のた めに, 次 の練 習 問題 に した 。 最 初 の問題 は,定 冠 詞 に 関 す る問 題 と似 て い る問題 であ る。全 ての不 定冠 詞 が 記 入 され てい る迷子 にな った 人 の話 を読 ん で もら う。 そ の後,定 冠 詞 の練 習 問 題 と同 じ よ うに不定 冠 詞 を書 き出す 。 この問題 の正解 率 は 非 常 に高 か った。 100%だ った 。フ ランス語 の冠詞 の用法 を 日本語 母語話者 に習得 させ る場合 につ いて の調査報 告 不 定 冠 詞 そ の(1)次 の 文 を 読 ん で くだ さ い 。
Je me suis perdu!
Quand je suis sorti de Meaux,
j'ai pris une route
à droite,
j'ai traversé
un village
puis une forêt.
Après, j'ai vu un
lac et heureusement,
juste à côté, il y avait un terrain
de camping;
ce sont des campeurs
qui m'ont expliqué
comment
venir à Penchard,
sinon je ne vous trouvais pas!
... route
... village
... forêt
... lac
... terrain
de camping
... campeurs
次 に 穴 埋 め の 問 題 を い くつ か を 出 し,そ れ ぞ れ の 問 題 は 内 容 が 異 な っ て い る
が 根 本 的 に 不 定 冠 詞(un, une, des)を 入 れ る問 題 で あ る。 最 初 の練 習 問 題 は
短 い テ キ ス ト,そ の次 は 引 っ越 しの 会 話,そ の 後 誕 生 日 プ レゼ ン トを 選 ぶ こ
と,最 後 に 映 画 の シ ナ リオ で あ る。 こ の4つ の 練 習 問 題 に 関 し て は 正 解 率 は と
て も高 か った 。Aは92%, Bは96%, Cは98%, Dは97%。
不定 冠 詞 を入 れ て くだ さい。
A) Bon, maintenant tu es là...
Tu vois, il y a... bon feu dans la cheminée. Installe-toi,
je vais te
préparer...
café, puis nous irons faire... promenade
dans les bois.
Avec un peu de chance, nous trouverons ... champignons pour faire
... omelette ce soir. Ici, nous menons... vie bien tranquille!
B) Mais parle-nous un peu de toi...
Tu as trouvé... appartement ?
-Oui, hier soir: c'est... studio assez grand dans... quartier que
beaucoup, les Gobelins, tu connais? Maintenant,
il me faut...
j'aime
les. Dès demain,
j'irai acheter. . . canapé-lit,. . . table et. . . chaises
-Si tu veux. . . cuisinière
à gaz et. . . frigo, on peut te prêter
ça.
-Oui, volontiers.
Et vous n'auriez pas. . . étagères
de bibliothèque
par
hasard?
-Non , on n'a pas ça!
C) Une idée de cadeau
La semaine prochaine,
c'est l'anniversaire
de Mathilde.
Qu'est-ce
que je peux bien lui offrir ?
. . . pull ? . . . chaussures
de ski ? . . . stylo? . . . montre fantaisiste ?
. . . lunettes de soleil ? . . . livre d'art ? . . . écharpe ? . . . cassettes?
D) Scénario de film
C'est l'histoire d'. . . écrivain
qui, au cours d'. . . week-end chez.. .
amis, recontre. . jeune danseuse ; . . . grande passion va naître. Puis,
. . . jour, elle part en tournée à l'étranger
et disparaît.
最 後 に穴 埋 め の問題 であ る。 今 度 はA)特 定 の ものを示 す 不 定 冠 詞 が使 わ れ てい る文 とB)対 象物 に つ い て話 し手 と聞 き手 の両 者 に 了解 され てい る ものを 示 す不 定 冠 詞 が使 わ れ て い る文 を分 け て番 号 を 記入 す る こ とを指 示 して あ る。 この問題 に 関 しては 正解 率 は低 か った 。37%だ った 。 こ の問 題 は思 った よ り学 習者 に と って とて も難 しか った 。 そ の点 で この練 習 問 題 は全 体 的 な改善 が 必要 であ る と思 う。 そ の練 習 問 題 に関 して も っ と説 明が 必要 で あ ろ うと思 う。 また 使 わ れ て い る フラ ンス語 が 学習 者 に は分 か りに くい とい うこ とも考 え られ る。 不定 冠 詞 に 関 す る練 習 問 題 は これ 以上 で あ る。 不 定 冠 詞 は そ の(2)
フランス語 の冠詞 の用 法を 日本語 母語話 者に習 得 させ る場 合 につ い ての調 査報告
1) J'ai vu. . . très joli sac dans.. . magasin près de l'Université.
2) C'est. . . sac comment ? C'est. . . sac bleu avec des rayures blanches.
3) C'était. . . jour pluvieux,
je suis sortie
faire les courses.
J'ai
rencontré. . . petit garçon près de la boulangerie.
Le petit garçon
m'a dit : J'ai perdu. . . jeu. Alors nous avons cherché
le jeu.
Nous avons retrouvé le jeu. Le petit garçon était content.
4) C'est. . . dictionnaire
de français?
5) Non, ce n'est pas. . . dictionnaire
de français. C'est. . . dictionnaire
français-japonais.
6) C'est l'histoire d'. . . femme qui part en voyage.
Au cours de
son voyage, elle va rencontrer. . . gens du monde entier.
7) Maintenant,
elle va nous raconter. . . histoire de fantômes.
8) Autrefois,
il y avait. . . village
ici, mais il a disparu dans.. .
incendie.
A)同 類 の も の の任 意、の一 つ ま た は 複 数 を 示 す 不 定 冠 詞 が 使 わ れ て い る の が 何 番 で す か 。2.4.5.(正 解) B)対 象 物 に つ い て 話 し手 と聞 き 手 の両 者 間 に 了 解 が な い も の を 示 す 不 定 冠 詞 が 何 番 で す か 。1.3.6.7.8.(正 解) そ れ で第 三 段 階 は,『 「は」/「が」,定 冠 詞/不 定冠 詞 の対 応 に つ い て考 え て も ら うこ とに した 。一 般 に,旧 情 報 とは,話 し手 と聞 き手 が 共有 してい る と想 定 され てい る情 報 で,新 情報 とは 聞 き手 が まだ知 らな い と話 し手 が想 定 して い る情 報 で あ る。 「は 」は 旧情報 にか か わ り,「 が 」 は新 情 報に か かわ る こ とが しば しばあ ります。不 特 定 主語 「が 」 は新 情 報 で あ り,特 定 主語 「は 」 旧情報 で あ る と考 え られ る。 フラ ンス語 で は定 冠 詞 が特 定 主語 に な り,不 定 冠 詞 が不 特 定 主 語 にこな る。』 次 の説 明を 加 え てか ら,日 本 の昔 話 『き き耳ず きん』 の一 部 を読 んで もら っ 77た 。 指 示 は次 の よ うに な る:「 この話 を よ く読 ん でか ら線 が 引 い てあ る ところ に定 冠 詞 または 不 定冠 詞 を 入れ て みて くだ さい。 そ れ ぞれ の冠 詞 に対 して 日本 語 の何 か が使 わ れ てい るの を書 い てみ て くだ さい 。」 線 が 引 い て あ る と こ ろ は6ケ 所 で あ る 。 一 人 の お じい さ ん が,お じい さん は,子 ぎつ ね が,こ ぎ つ ね は,お じい さ ん は 。 そ の次 に逆 の練 習 問題 をや って も ら った 。指 示 は次 の よ うに な る。r今 度 は フ ラ ンス の話 を よ く読 ん で線 が 引 いて あ る と ころ を 日本 語 に 訳 して みて くだ さ
い 。
Princesse
Eglantine,
Chapitre
3, Les deux brigands (Mes premiers
J'aime lire, Bayard jeunesse),,I
この練 習 問題 のた め に も線 が 引 いて あ る と ころは6ケ 所 で あ る。
Un brigand, un deuxième brigand, le premier brigand, le premier
brigand, l'autre brigand, une récompense.
これ らの練 習 問 題 は学 習 者 に とって は特 に難 し く感 じる こ とは なか った と思
わ れ る。正解 率 は非 常 に 高 か った 。 『きき耳 ず きん』 もLes deux brigands
も ど っち も92%だ った。 これ ら の問題 は 「は じめ に」 の中 の紹介 した三 面記 事 の練 習 問題 を簡 単 に し た 練 習 問題 で あ る。三 面 記 事 よ り簡 単 な練 習 問題 か ら始 め る と学習 者 の理 解 が 深 ま る こ とが想 定 で き る。 さ らに,旧 情報 と新 情 報 の説 明,rは 」 は 旧情 報 に か か わ り,「 が 」 は新 情 報 にか かわ る こ とが しば しば あ り,不 特 定 主語 「が 」 は新 情 報 で あ り,特 定 主語 「は」 旧情 報 で あ る と考 え られ る とい う説 明は欠 か せ ない し,そ の上 フラ ンス語 では定冠 詞 が特 定 主 語 に な り不 特 定冠 詞 が不 特 定 主 語 に な る とい う説 明 も欠 かせ な い と思わ れ る。 言 わ ば,学 習者 が今 まで習 っ た こ と とち ょっ と違 う面 か ら定冠 詞/不 定 冠 詞 の働 きにつ い て考 え る こ とにな
フランス語の冠詞の用法を 日本語母語話者にご習得 させる場合についての調査報告 る。 これ らの問題 を 通 して学 習者1yと っ て フ ラ ンス語 と母 語 に つ い て考 え るまた 比較 す る機 会 に な る と考 え た 。言 葉 の習 得 に は失 敗 も実 験 も大 事 で あ る とい う まで もない。 言葉 の習 得 は 永遠 の実 験 とい う感 覚 を 覚 え させ る必 要 が あ る と考 え た 。 以 上 の練習 問 題 を さ らにご理 解 させ るた め に,先 に紹 介 した 「た とえば,日 本 語 の新 聞 の三 面 記 事 と フラ ンス語 の三面 記 事 を 用 意 す る。そ れ ぞれ記 事 内容 が 似 た よ うな もの を選 ぶか,あ るいは 日本 語 の三 面 記事 の仏 訳 を準 備 し,そ れ ぞ れ の記事 を バ ラバ ラに して か ら,学 習者)'Y記事 を 元 の順 番 に戻 す よ うに指 示 す る。」(モ レル,2005:57)と い う練 習 問題 を 出 した 。 次 の よ うに指 示 した:「 フ ラ ンス語 の記 事 と 日本語 の記 事 を 元 に戻 して くだ さい 。そ の後,線 の と ころ とイ タ リ ヅ クの と ころ そ れ ぞれ分 け て下 の表 に入 れ てみ て くだ さい 。」 日本 語 で書 か れ てい た三 面 記事 の場 合 は,11人 の 内8人 は 問題 を解 け る こ と が で き,こ の問 題 に関 して は正解 率 は あ ま り高 か くなか った 。65%だ った 。 フ ラ ンス語 の訳 に 関 しては正解 率 はそ れ ほ ど高 くなか った 。55%だ った 。11人 の 内 は6人 は問 題 を解 け る こ とが で き,後 の5人 は全 くで きな か った。 フラ ンス 語 訳 の場合 は,定 冠詞,不 定 冠詞 の問 題 よ りフ ラ ンス語 そ の もの が問 題 に な っ た と思 われ る。 そ れ ぞれ の練 習 問題 のつ な が りの意 味 が理 解 され な か った可 能 性 が あ る と思 わ れ るが,そ れ に して は正解 率 は高 か った とも言 え る。 そ の 三 面 記 事 は 朝 日新 聞2005年1月31日 の も の で あ る 。 「毒殺?ウ サ ギ15匹 死 ぬ」 「31日午 前8時 ごろ,大 阪 府 豊 中 市(…),市 立 西 丘 小 学校 の ウサ ギ小 屋 で,飼 育 して い る ウサ ギ15匹 と,ニ ワ トリ1羽 が死 んで い るのを 出勤 した 用務 員 が見 つけ,豊 中署 に 通報 した。 ウサギ数 匹 は刃 物 で刺 され,ニ ワ トリは首 を切 断 され た 状 態 で,首 か ら上 79
は 見 つか ってい な い。 同署 は動 物 愛護 法違 反 と建 造 物 侵 入容 疑 で調 べ てい る。 同署 に よる と,小 屋 に出血 の跡 が少 な く,同 署 は一毒物 を飲 ませ るな ど して 殺 した後,傷 つ け た可 能性 が あ る とみ てい る。 教諭 が帰宅 した28日 午 後7 時か ら31日 朝 まで の間 の犯 行 ら しい 。」 フ ラ ン ス 語 の訳:
"Empoisonnement
? Mort de quinze lapins
dans une école primaire
à Toyonaka."
"Aux
environs
de 8 heures
du matin le 31 janvier
dans la cage à
lapins d'une école primaire
à Toyonaka
dans la préfecture
d'Osaka,
un employé
a trouvé à son arrivée
une poule et quinze lapins morts
puis a téléphoné
à la police.
Les lapins
ont été tués d'un
coup de couteau
et la poule
a été
décapité
mais sa tête n'a pas été retrouvée.
La police enquête
pour
violation
de bâtiment
et violation
de la loi
sur la protection
des animaux.
D'après
la police, les traces
de sang
étant
peu nombreuses
dans la cage à lapins, il est possible que les
animaux
aient été tués après empoisonnement.
Le délit a dû se produire
entre
le 28 janvier
19 heures
et le 31
janvier
au matin après le départ
des professeurs."
問 題 は次 で あ る: 「フ ラ ンス語 と 日本 語 の記事 を そ れ ぞれ比 較 しなが ら,新 情 報,旧 情 報,特 定 に な ってい る部 分 を 書 き出 して,日 本 語 とフ ラ ンス語 の共 通 点 につ い て考 え てみ て下 さい。 で き るだけ 詳 し く 書 い て くだ さい 。」 これ ら の問題 に関 しては 正 解 率 は 高か った。89%と82%だ った。 次 の問題 が最 後 に 出 され た問題 で あ り,先 に紹 介 した よ うに:「 学 習者 はテ
ブランス語 の冠詞の用法を 日本語母語話者に習得 させる場合にっいての調査報告 キ ス トの中 で 旧情 報 と新 情 報 に 出会 うこ とに よ って テ キス トの結 束 性,複 数 の 文 の間 で個別 の情 報 がつ な が って行 く様 子 を は っ き りと体験 す る こ とに な るだ ろ う。」 (モ レル,2005:57)。 そ れ ぞ れ の練 習 問題 の正 解 率 をみ てみ る と学 習 者 は全 体的 に よ くで きた と思 わ れ る。 答 え は次 の よ うにな る 不 定冠 詞: 定冠 詞:
un employé, une poule, quinze lapins, des professeurs.
Les lapins, la poule... la police (3 fois)
∼ が ∼:ウ サ ギ15匹 ,ニ ワ トリ1羽 が,用 務 員 が,教 諭 が
∼ は ∼:ウ サ ギ は ,ニ ワ トリは 特 定:同 署 は(3回)
1)フ ラ ン ス語
a)新 情 報
un employé, une poule, quinze lapins, des professeurs.
b)旧 情 報
Les lapins, la poule...
c)特 定
la police (3 fois)
2)日 本 語 a)新 情 報 ウサ ギ15匹,ニ ワ ト リ1羽,用 務 員 が,教 諭 が b)旧 情 報 ウサ ギ は,ニ ワ トリは c)特 定 同 署 は(3回) 8ヱ皿 これ か ら学 習 者 に 書 い て も らった感 想文 を 紹介 して行 きた い と思 う。 調査 に 参 加 した11人 の うち7人 は,「 日本 語 と フラ ンス語 の共 通 点 につ い て」 または 「感 想 文 」 の2点 の うちい ず れか1点 また は両 方 に答 え を 書 い て くれ た 。そ の 内容 は 以 下 の よ うな もので あ た。 こ こでは 考 察 を加 え て行 き たい と思 う。 学 習 者1)日 本 語 と フ ラ ン ス語 の共 通 点 に つ い て:runeな ど冠 詞 は フ ラ ン ス 語 で は 初 め に く る,日 本 語 は 「∼ が 」 の よ うに 後 に くっ つ く。 「初 め 」 と 「後 」 とつ く位 置 は 違 うけ ど,形 と し て は 同 じだ し,言 葉 の リズ ム感 は 似 て い る と思 う。」 感 想:「 私 自身,日 本 語 の理 解 力 が な い の で 少 し難 しか っ た で す 。 日本 人 な の に ま だ ま だ 自分 が 話 して い る 言 葉 を き ち ん と 理 解 で き て い な い な あ...と 思 い ま し た 。 (...)夏 休 み は,フ ラ ン ス 語 も 日本 語 も そ の 他 の こ と もい ろ ん な こ とに 興 味 を 持 っ て勉 強 し た い と思 い ま す 。」
学 習 者2)日 本 語 と フ ラ ンス 語 の共 通 点 に つ い て:fun, une, des-∼ が定 冠
詞 は 日本 語 で は ∼ が とな る 。le, la,1es-∼ は 不 定 冠 詞 は 日本 語 で は ∼ は に あ た る 。」 感 想:「 今 ま で 日本 語 と フ ラ ン ス語 の 共 通 点 は 考 え た こ とが な か っ た の で勉 強 に な りま し た 。 今 回 の プ リ ン トは 難 しか っ た の で す 。 特 に フ ラ ン ス語 の文 を も とに も どす 問 題 は あ ま り分 か りませ ん で した 。 そ れ か ら特 定 は ど の程 度 ま で が 特 定 とさ れ る の か 文 で見 分 け る の は 難 しか った で す 。 これ か ら も っ と フ ラ ン ス 語 を 理 解 で き る よ うに 頑 張 ろ う と思 い ま し た 。」 学 習 者3)日 本 語 と フ ラ ンス 語 の共 通 点 に つ い て:「 始 め て 文 章 に 出 て き た 言 葉 は フ ラ ン ス 語="un",日 本 語="∼ が"と,そ れ ぞ れ 使 わ れ る 。 逆 に,一 一
フランス語 の冠詞 の用法 を 日本語母語話 者に習 得 させ る場 合につ いて の調 査報告 度 文 に 出 た 言 葉 に は フ ラ ン ス 語=・"le",日 本 語="∼ は"と,そ れ ぞ れ 使 わ れ る。 こ の 点 は フ ラ ン ス語 も 日本 語 も共 通 した 部 分 が あ る と思 う。」 感 想:「 文 章 の 順 番 を 元 に戻 す 問 題 が 一 番 時 間 が か か りま し た 。 文 章 は 簡 単 な 内 容 な の に,な か な か 難 しか った で す 。 問 題 を 解 い て み て,日 本 語 で も フ ラ ンス 語 で も,そ れ ぞ れ 訳 し て み る と,不 定 冠 詞 や 定 冠 詞 が 使 わ れ て い る と こ ろ は 同 じ意 味 を 持 つ ん だ な あ(例 え ばunだ っ た ら 「∼ が 」 と訳 す)と い うこ と が 分 か りま した 。 うま く言 葉 で は説 明 で き な い の で す が...。 これ ま で,こ ん な に 冠 詞 に つ い て深 く考 え た こ とが な か っ た の で す が フ ラ ン ス 語 に は 男 性 名 詞 と女 性 名 詞 が あ る の で,そ こが や っ ぱ りや や こ し い で す 。」 学 習 者4)日 本 語 と フラ ンス語 の共 通 点 に つ い て:r旧 情 報,新 情 報 を 主語 に付 く語(日 本語 は助 詞,仏 語 は 冠 詞 に よ りあ る程 度 見分 け る こ とが で き る 点 。 前 述 の語(旧 情 報)を 再 度 使 用 す る際 に別 の語 に置 きか え る ところ。 しか し,日 本 語 は す ぐ前 に 出 て きた ものにつ い て省略 してい る事 が多 い 。」 感 想:「 今 まで,不 特 定 主語,特 定 主 語 や新 情 報,旧 情 報 とい うよ うな ポ イ ン トか ら 日本 語,フ ラ ンス語 と も見 た こ とが なか った ので ピ ヅ ク リしま した。 これ を知 ってい る と仏語 の長 文 を読 む時 に何 か の役 に立 ち そ うです ね!」
学 習 者5)日 本 語 と フ ラ ン ス語 の 共 通 点 に つ い て:1e, la, les=は, un, une,
des=が に 当 た る 。」 感 想:「 以 前 か ら代 名 動 詞 の あ る文 の語 順 と 日本 語 の語 順 は 似 て い る な と思 っ て い ま した が,定 冠 詞.不 定 冠 詞 とい う少 し細 か い と こ ろ に も共 通 点 が あ る よ うで,言 葉 とは 奥 が 深 い な と思 い ま し た 。 毛 糸 不 明 の 日本 語 で す が,ど こ か 遠 い 遠 い と こ ろ で フ ラ ン ス 語 と つ な が って い る と こ ろ が あ る の か な あ...歴 史 ロマ ンで す ね 。」 学 習 者6)日 本 語 と フ ラ ン ス語 の共 通 点 に つ い て:「 日本 語 で 「∼ が 」 と な っ て い る 時 は フ ラ ンス 語 で は 不 定 冠 詞,「 ∼ は 」 とな っ て い る と き は 定 冠 詞 で 83
表 さ れ て い る事 が わ か った 。」 感 想:(な し) 学 習者7)日 本 語 とフ ラ ンス語 の共 通 点 につい て:(な し) 感 想:「 今 回 や った定 冠 詞,不 定冠 詞 が私 は今 まで よ く分 か らなか った の で 勉 強 す る機 会 が で きて よか った です 。 で も定 冠 詞 と前 置 詞 が 並 ぶ場 合,短 縮 す る ものが あ るけ れ どそ れ が また パ ヅ と分 か らない のです 。仏 検 も前 置詞 や冠 詞 を 入 れ る問題 が 苦 手 で苦 戦 しま した 。 また この単語 は女 性,男 性名 詞 の どち ら か とい うのが 知 らな い もの もあ る し,文 中 で判 断 で き る時 とで きない時 が あ る の で気 を つけ て 文 を見 ない といけ な い な あと思 い ま した 。」 全 て の感 想 文 を み て見 る と学習 者 が 調査 に真面 目に取 り組 ん で くれ た こ とが よ く分 か る。 そ して,学 習 者 が書 い て くれ た感 想文 か ら も学 習者 が外 国語得 得 に 力 を 入 れ てい るの は よ く分 か る。 しか し,学 習者 は直 面 した 問題 が似 てい る と ころか ら 練 習 問題 の 難 しさ と 改善 すべ き 点 につ い て 改 め て考 え る こ とにな る。 つ ま り,授 業 中 に学 習 者 が フ ラ ンス語 の冠 詞 の用法 に 関 して どれ だ け理 解 され てい る こ とは 調べ て置 く必要 が あ った 。学 習者 に冠 詞 の練習 問題 を通 じて テ キ ス トそ の ものにつ い て考 え させ る機 会 を与 え る必 要 が あ った。 そ の上 で, テ キ ス トの 中で冠 詞 の働 きに つ い ての練 習 問題 を させ て置 く必要 が あ った。 この調 査 の中 で提 供 した 練習 問題 よ りも っ と多 く練 習 問 題 を提 供 すべ きだ っ た 。 さらに,こ の調 査 の 目的 を 詳 し く説 明 を 行 うこ と も 必 要 だ った と思 わ れ る。
結
論
この調査 は,対 象 とな る学 習者 の人 数 が 少 な い こ とか ら良 い点 と悪 い 点 が あ った と思わ れ る。 人数 が 少 ない が学習 者 か ら様 々な情 報 が得 られた こ とは 良い 点 で あ る。 そ の情 報 に よって調 査 す る意 義 があ った と も言 え る。 悪 い点 は とい え ば,人 数 が少 ない こ とか ら一般 的 に調査 の 正確 さが下 が る と 思 わ れ るが この場 合は十 分 正 確 だ った と思 う。つ ま り,学 習 者 の11人 はほ とんフ ランス語 の冠 詞 の用 法 を 日本語母語話 者 に習得 させ る場 合 につ いて の調 査報告 ど全 て の練 習 問題 に答 え を 出 してい る こ と,半 分 以上 の学 習者 が 「日本 語 と フ ラ ンス語 の共 通 点 につ い て 」 また 「感 想 文 」 を 書 い て くれ た こ とか ら正 確 さが 見 られ る と思 う。本 来 な らば この調 査 は授 業 中に 行 う予 定 だ ったが そ の時 間 が 取 れず,宿 題 とい う形 に した こ とは調 査 の形 は か わ るだ ろ うが 調 査 と しては な り立 つ と思 う。 参考文献
Jean-Michel Adam, Eléments de linguistique textuelle, Mardaga, 1990. Jean-Michel Adam, Linguistique textuelle, Nathan Université, 1999. Francine Cicurel, Lectures interactives, Hachette, 1991.
Catherine Fuchs, Les ambiguités du français, Ophrys, 1996.
Catherine Kerbrat-Orecchioni, Les interactions verbales t. 1, Armand Colin, 1998. Catherine Kerbrat-Orecchioni, L'implicite, Armand Colin, 1991.
Catherine Kerbrat-Orecchioni, Les interactions verbales t. 3, Armand Colin, 1998. M. A. K. Halliday & Ruqaiya Cohesion in English, Hasan, Longman, 1976. Jean-Emmanuel Le Bray, Linguisique textuelle, CNED, 1998.
Philippe Meirieu, Apprendre... oui, mais comment, ESF, 1987.
Sophie Moirand, Une grammaire des textes et des textes et des dialogues, Hachette, 1990.
Christian Puren, Se former en didactique des langues, Ellipses, 1998.
Heribert Rück, Linguistique textuelle et enseignement du français, Hatier, 1991. Claude Vargas, Grammaire pour enseigner, Armand Colin, 1999.
Harald Weinrich, Le temps, Seuil, 1973.
井 口厚夫,井 口裕 子 『日本語文 法整理読本 』 バベル ・プレス 2004 目向茂 男,日 比 谷潤子 『談 話 の構造 』荒竹 出版 1994 日本語教育 指導 参考 書11『 談話 の研 究 と教 育1』 国立 国語研究所 1995 日本語教育指導 参考書15『 談話 の研究 と教育2』 国立 国語研究所 1989 久 野瞳,高 見健 一 『謎解 きの英文 法 冠詞 と名詞』 くろしお 出版 2005 久野障,高 見健 一 『謎解 きの英文 法 文 の意味 』 くろ しお 出版 2005 85