京都女 子大学 現代社 会研 究 51
家庭用 愛玩動物 に関す る意識調査 と今後 の方 向
蒲 生 孝 治
要 旨 本 調 査 研 究 は 、 特 に 家 庭 用 愛 玩 動 物 に 焦 点 を 当 て 、2010年10月 に 公 表 さ れ た 内 閣 府 に よ る 「動 物 愛 護 に 関 す る 世 論 調 査 」 の 結 果 を、 筆 者 に よ る 近 畿 地 域 の 若 者 世 代 の 実 態 調 査 結 果 か ら 検 証 す る と共 に、 米 国 及 び ドイ ツ の実 情 を総 領 事 館 資 料 等 を も と に調 査 ・分 析 し、 我 が 国 の 課 題 を 明確 化 した 。 主 な結 果 は 以 下 の とお りで あ る。 (1)7年 前 と比 較 して ペ ッ ト好 きの 割 合 は 増 加 し て い るが(約66%か ら約73%へ)、 飼 育 経 験 は 減 少 して い る(約37%か ら約34%へ)。 (2)7年 前 と比 較 し、 ペ ッ トの 種 類 で は 猫 と魚 類 が 増 加 し犬 が 減 少 して い る 。 (3)米 国 で は 犬 の 飼 育 世 帯 率 は最 近 の30年 間 、 約37%一 定 で 、 家 庭 用 愛 玩 動 物 が 市 民 生 活 に し っか り根 付 い て い る(日 本 は約19%)。 (4) ドイ ツ で は 約80年 前 か ら全 地 域 で動 物 保 護 団体 が 組 織 化 さ れ 、 殺 処 分 を無 くす た め 「動 物 の 家 」(シ ェ ル ター)を 設 置 す る な ど、 確 固 た る管 理 体 制 が 構 築 され て い る。 キ ー ワ ー ド:動 物 愛 護 、 家 庭 用 愛 玩 動 物 、 ペ ッ ト飼 育 1.は じ め に 2010年10月 に 名 古 屋 国 際 会 議 場 で 開 催 さ れ た 生 物 多 様 性 条 約 第10回 締 約 国 会 議(COP10) を機 に 、 生 物 に対 す る 国 民 の 意 識 が 格 段 に 高 ま っ て い る 。 身 近 な 生 物 とい え ば 、 犬 や 猫 に 代 表 され る家 庭 用 愛 玩 動 物 で あ る 。 少 子 高 齢 化 、 ス トレ ス 社 会 を 背 景 に ペ ッ ト飼 育 が ブ ー ム に な り、 こ の よ う な 動 物 た ち に 対 す る呼 び 方 も 、 こ こ10数 年 の 間 に 「ペ ッ ト(愛 玩 動 物)」 か ら 「コ ンパ ニ オ ン ・ア ニ マ ル(伴 侶 や 仲 間 と し て の 動 物)」 へ と 変 化 して きた 。 そ の 一 方 で 、 動 物 た ち に 対 す る 多 くの 課 題 が 発 生 して お り、 そ の 対 策 が 必 要 と さ れ て い る 。 我 が 国 に は 明 治 時 代 か ら動 物 の 愛 護 に 関 す る 「動 物 愛 護 管 理 法 」 が 制 定 さ れ て い る 本 法 令 が 対 象 とす る動 物 は 家 庭 動 物 、 展 示 動 物 、 産 業 動 物(畜 産 動 物)、 実 験 動 物 等 の 人 の 飼 養 に 係 る 動 物 で あ り、 そ の 目 的 は 動 物 の 愛 護 と動 物 を 適 切 に管 理 す る こ と で あ る。 ま た 、 本 法 律 の 基 本 原 則 は 「す べ て の 人 が 動 物 は 命 あ る もの で あ る こ と を認 識 し、 み だ り に動 物 を 虐 待 す る こ と の な い よ う に す る の み で な く、 人 間 と動 物 が 共 に生 き て い け る 社 会 を 目指 し、 動 物 の 習 性 を よ く52 家庭用 愛玩動物 に関す る意識 調査 と今後 の方向 知 っ た う え で 適 正 に取 り扱 う」 こ とで あ る。 しか しな が ら、 日本 の 現 状 は 本 法 の 基 本 原 則 や 飼 い 主 責 任 と は 程 遠 い 。 そ ん な 折 、2010年9 月 、 内 閣 府 が7年 ぶ りに 「動 物 愛 護 に 関 す る 世 論 調 査 」 を実 施 し た 。 本 研 究 で は 、 近 畿 地 域 の 若 者 世 代 に対 して 実 施 した 同 種 の 調 査 の 結 果 を 国 の 調 査 結 果 と比 較 検 討 す る と共 に 、 家 庭 用 愛 玩 動 物 に 関 す る 我 が 国 の 現 状 を 欧 米 の 状 況 と比 較 す る こ と に よ っ て 課 題 を 明 らか に し、 今 後 の 方 向 に つ い て 考 察 した 。 皿.背
景
1.動 物 の 愛 護 管 理 に 関 す る最 近 の 問 題 図1に 飼 育 動 物 に 関 して 、 各 主 体 に発 生 して い る主 な 問 題 事 例 を 示 す(環 境 省 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り方 検 討 会 」 資 料(2004.2.6))。 図1に 示 した よ う に 、 飼 い 主 等 に は 虐 待 (殺傷 、 給 餌 ・給 水 の 中止 等 に よ る 衰 弱 死 等)、 過 度 な 使 役 、 不 潔 ・狭 小 な 環 境 に お け る 各 種 動 物 の 飼 養 保 管 等 の 事 例 が あ り、 一 般 社 会 に 関 連 す る事 例 と して は 、 鳴 き声 や 糞 尿 に よ る 迷 惑 、 遺 棄 、 動 物 に よ る 人 間 へ の 危 害(咬 傷 事 故 、 感 染 症 等)等 の事 例 が あ り、 ま た 動 物 取 扱 業 者 等 に は 不 潔 ・狭 小 な 環 境 に お け る 各 種 動 物 の 飼 養 保 管(展 示 動 物 、 実 験 動 物 、 畜 産 動 物)、 苦 痛 の 軽 減 が 十 分 で な い 方 法 等 に よ る殺 処 分 、 過 度 な 繁 殖 や 使 役 等 の 事 例 が 多 く見 られ る 。 図1.飼 養 動 物 に 関 して発 生 して い る主 な 問 題 事 例 (参考:環 境 省 第1回 「動 物 の愛 護 管理 の あ り方 検 討 会 」 資 料(2004.2。6))京都女 子大学 現代社 会研究 53 「動 物 愛 護 に 関 す る 世 論 調 査(2010年9月2日 ∼9月12日 実 施)」(内 閣 府 大 臣 官 房 政 府 広 報 室2010.11.1発 表)中 の 「ペ ッ ト飼 育 に よ る 迷 惑 に つ い て 」 の 調 査 結 果 に よ る と、 「散 歩 して い る犬 の 糞 の 放 置 等 飼 い 主 の マ ナ ー が 悪 い 」 を 挙 げ た 者 の 割 合 が55 .9%(前 回2003年7月 の 調 査 で は60.3%)と 最 も高 く、 以 下 、 「猫 が や っ て 来 て 糞 尿 を し て い く」 が37.8%(前 回 調 査 で は42.6%)、 「鳴 き声 が う る さ い 」 が31.7%(前 回調 査 で は35.1%)、 「犬 の 放 し飼 い 」 が28 .8% (前 回 調 査 で は29.5%)等 のlil頁と な っ て い る 。 依 然 と して 多 くの 迷 惑 が 発 生 し て い る が 、 前 回 の 調 査 以 降7年 間 で い ず れ の 項 目 に お い て も改 善 が 見 られ た 。 また 、 大 都 市 圏 につ い て 見 る と 図2(大 阪 市 の 事 例:環 境 省 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り 方 検 討 会 」 資 料(2004.2.6))の 通 りで あ る 。 図2か ら わ か る よ う に 、 自 治 体 へ の 苦 情 と し て は 、 犬 に 関 して は 野 犬 捕 獲(28%)が 最 多 で 、 次 い で 放 し飼 い(20%)が 多 く、 ま た 、 猫 に 関 して は 糞 尿 問 題(34%)が 最 多 で 、 次 い で 病 気 負 傷 猫 に 関 す る 苦 情(30%)が 多 か っ た 。 猫 に対 す る 総 苦 情 件 数 は 犬 の 約2倍 で あ っ た 。 これ ら の 傾 向 は 世 論 調 査 を 実 施 し始 め た1974年 か らあ ま り変 化 が 見 ら れ な い 。 大 阪市(犬) 合 計 数=1844件 i大 阪 市(ね こ)1 合 計 数=3586件 図2.大 阪 市 に 寄 せ られ た苦 情 の 種 類 と割 合 (参 考:環 境 省 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り方 検 討 会 」 資 料(2004.2.6))
54 家庭 用愛玩動 物 に関す る意識調査 と今後の方向 2.動 物 管 理 関 係 法 令 前 述 の 苦 情 に鑑 み 、 我 が 国 で は古 くか ら動 物 管 理 関 係 法 令 が 定 め られ て い る 。 我 が 国 に お け る社 会 的 規 範 と して の 動 物 の 愛 護 管 理 の 普 及 に つ い て は 、 動 物 の 愛 護 管 理 関 係 法 令 の 変 遷(近 世)を 見 れ ば よ く理 解 で き る(環 境 省 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り方 検 討 会(2004年)」 資 料4)。 動 物 の 愛 護 管 理 は 、 初 め は 一 部 の 知 識 人 に よ っ て 提 唱 され て い た も の で あ り牛 馬 を対 象 と して い た が 、 対 象 と な る 動 物 の 範 囲 が 拡 大 す る と共 に 、 動 物 愛 護 の 精 神 が 国 民 の 間 に 普 及 ・定 着 し、 社 会 的 規 範 と し て 法 制 化 され る に至 っ た 。 近 世 の 動 物 の 愛 護 管 理 法 令 に つ い て は 、 明 治41年 に 「公 衆 の 目 に 触 れ るべ き場 所 に お け る 牛 馬 等 の 虐 待 の 防 止 」 が 「警 察 犯 処 罰 令 」 の 中 に 制 定 さ れ 、 次 い で 、 戦 後1948年 に 「殴 打 ・酷 使 等 に よ る 牛 馬 等 の 虐 待 の 防 止 」 が 「軽 犯 罪 法 」 の 中 に組 み 入 れ られ た 。 そ の 後 、25年 を経 過 した1973年 、 ① 保 護 動 物 の 虐 待 ・遺 棄 の 防 止 、 ② 動 物 愛 護 思 想 の 普 及 啓 発 、 ③ 動 物 に よ る 人 へ の 危 険 の 防 止 等 を主 た る 内 容 と し た 「動 物 の 保 護 及 び 管 理 に 関 す る 法 律(動 物 保 護 管 理 法)」 が 単 独 の 法 律 と し て 制 定 さ れ た 。 更 に26年 経 過 した1999年 及 び2005年 に 議 員 立 法 に よ る 主 た る 法 改 正 が 行 わ れ 、 「動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 す る 法 律(動 物 愛 護 管 理 法)」 と して 制 定 さ れ 、2011年8月30日 の 最 終 改 正(法 律 第105号)を 経 て 今 日 に 至 っ て い る 。 本 動 物 愛 護 管 理 法 の 目的 は 、 「国 民 の 問 に動 物 を 愛 護 す る気 風 を 招 来 し、 生 命 尊 重 、 友 愛 及 び 平 和 の 情 操 の 涵 養 に 資 す る こ と」、 「動 物 に よ る 人 の 生 命 、 身 体 及 び 財 産 に 対 す る侵 害 を防 止 す る こ と」 の2つ と さ れ て い る。 動 物 愛 護 管 理 法 の 主 な 内 容 は 以 下 の5点 で あ る。 ① 愛 護 動 物 の 虐 待 ・遺 棄 の 防 止 ② 動 物 愛 護 思 想 の 普 及 啓 発 ③ 動 物 に よ る 人 へ の 危 険 の 防 止 ④ 動 物 取 扱 業(ペ ッ トシ ョ ッ プ)に 対 す る 規 制 ⑤ 動 物 に よ る周 辺 生 活 環 境 を損 な う迷 惑 行 為 の 防 止 な お 、 動 物 愛 護 管 理 法 に お い て 使 用 さ れ て い る 「愛 護 」 と い う言 葉 は、 「動 物 に 対 す る実 体 的 な行 為 」 と 「生 命 尊 重 等 の 理 念 」 の2つ の 意 味 を 内 包 し て お り(改 正 動 物 愛 護 管 理 法 ・動 物 愛 護 管 理 法 研 究 会2001)、 以 下 の と お りで あ る 。 (1)実 体 的 な 行 為:動 物 に対 す る 虐 待 防止 、 適 正 な 取 扱 い 、 適 正 な 管 理 等 を行 う こ と。 動 物 の 習 性 等 に 配 慮 しつ つ 、 愛 情 や 優 し さ を も っ て 取 り扱 う こ と を含 む 。 (2)生 命 尊 重 等 の 理 念:動 物 や 動 物 の 命 を大 切 にす る気 風 や 思 想 の こ と。
皿.調 査 研 究 の 目的 ・方 法 と結 果
本 研 究 は 、 ペ ッ ト等 の 家 庭 動 物 に 焦 点 を 当 て 、2010年11月1日 に 公 表 さ れ た 内 閣 府 に よ る 「動 物 愛 護 に 関 す る 世 論 調 査 」 の 結 果 を 分 析 評 価 し、 次 い で 近 畿 地 域 に 在 住 の 次 代 を 担 う 世 代 、 す な わ ち20歳 世 代 を 対 象 に 国 と同 様 の 「動 物 愛 護 意 識 調 査 」 を実 施 し調 査 結 果 と比 較 検 討 す る京都女子 大学現 代社 会研 究 55 こ と、 そ して 欧 米 諸 国 の 動 物 愛 護 の 現 状 を 領 事 館 等 の 協 力 を 得 て 調 査 分 析 す る こ と に よ っ て 、 我 が 国 の 愛 玩 動 物 飼 養 の 課 題 ・問 題 点 を抽 出 し、 将 来 の 政 策 に 提 言 す る こ と を 目的 と した 。 1.内 閣 府 に よ る動 物 愛 護 に 関 す る 世 論 調 査 国 に よ っ て 、1974年 か ら2010年 ま で 「動 物 愛 護(保 護)に 関 す る世 論 調 査 」 は9回 実 施 され て い る 。 以 下 に2010年 に 実 施 さ れ た 第9回 世 論 調 査 につ い て 記 す 。 (1)調 査 対 象:・ 全 国20歳 以 上 の 者3,000人(回 収 率646%、 有 効 回収11 ,939人 、 内20∼29歳: 男 性84人9.6%・ 女 性95人8.9%) ・調 査 方 法 調 査 員 に よ る 個 別 面 談 聴 取 (2)調 査 目的:動 物 愛 護 に つ い て の 国 民 の 意 識 を把 握 し、 動 物 愛 護 に 関 す る 施 策 の 参 考 とす る 。 (3)調 査 項 目:① ペ ッ トの 飼 育 状 況 に つ い て ② ペ ッ トの 飼 育 に 関 す る意 識 に つ い て ③ 動 物 愛 護 管 理 政 策 の 推 進 に つ い て ペ ッ トの飼 育 状 況 に 関 す る 調 査 結 果 を表1に 示 す 。 表1.内 閣 府 に よ る動 物 愛 護 に 関 す る世 論 調 査 結 果 の 概 要(2010年) ペ ッ トの 飼 育 の 好 き嫌 い ペ ッ ト飼 育 の 有 無 ペ ッ トの 種 類 所 有 者 明 示 の 有 無 (名札や首輪、マイクロチップ等の装着) 去 勢 ・避 妊 手 術 ず み 殺 処 分 につ い て 好 き 嫌 い 有 り 無 し 男 女 男 女 男 女 男 女 犬 猫 魚類 犬 猫 犬 猫 必要 必 要 で な い 男 女 男 女 動物愛護 管理規制 の強化 が必要 2003年7月(%) 男女別 68.1 63.4 ., 34.3 35.8 37.2 64.2 62.8 全体 65.5 31.6 36.6 63.4 62.4 29.2 11.7 30.4 16.2 21.1 ・ 74.0 65.4 20.6 27.3 69.3 24.3 50.0 2010年9月(%) 男 女別 73.8 71.4 23.4 26.5 34.0 34.7 ・ ・1 65.3 全体 72.5 25.1 34.3 65.7 ・ 30.9 19.4 33.8 17.5 1' 72.3 62.5 50.3 25.5 32.4 55.8 29.3 57.3 (内閣府 大 臣官房 政府 広報 室HP(2010)「 動物 愛護 に 関す る世論 調査 」 を元 に筆者 作成)
56 家庭用愛 玩動物 に関す る意識 調査 と今後 の方 向 内 閣府 に よ る 第9回 世 論 調 査 の 主 な 結 果 を ま と め る と、 以 下 の と お りで あ る 。 (1>ペ ッ ト飼 育 が 「好 き」 とす る 者 の 割 合 が72.5%で 前 回(65.5%)よ り上 昇 し、 特 に20歳 代 、 30歳 代 で 高 くな っ て い る。 (2)ペ ッ トを 飼 っ て い る 割 合 は34.3%で 、 前 回(36.6%)よ り少 し低 下 して い る。 (3)飼 育 し て い る ペ ッ トの 種 類 で は、 「犬 」 が58.6%と 最 も 高 い が 前 回 結 果(62.4%)よ り減 少 し、 魚 類 が 大 幅 に上 昇 して い る(11.7%か ら19.4%へ)。 (4)去 勢 ・不 妊 手 術 を し て い る 割 合 は 犬 が3α8%、 猫 が72.3%で 共 に約9%上 昇 して い る 。 (5)「 殺 処 分 を行 う必 要 が あ る 」 と答 え た 者 の 割 合 が55.8%で 、 前 回 結 果 よ り13.5%も 低 下 し て い る。 特 に20歳 代 、30歳 代 で の 低 下 が 著 しい 。 (6>動 物 愛 護 管 理 政 策 に 対 す る 要 望 で は 、 「飼 い 主 の 迷 惑 行 為 に 対 す る規 制 や 指 導 を 強 め る 」 を挙 げ た 者 の 割 合 が57.3%と 最 も多 く、 前 回 結 果(50.0%)よ り大 幅 に 上 昇 して い る 。 2.近 畿 地 域 の 若 者 世 代 に 対 す る動 物 愛 護 に 関 す る調 査 筆 者 らは 、2010年11月 に前 記 内 閣 府 に よ る 世 論 調 査 と ほ ぼ 同 様 の 調 査 を 、 近 畿 地 域 の 大 学 生 男 女117名 に実 施 した 。 そ の 主 な 結 果 を 表2に 示 す 。 表2.近 畿 地 域 の 若 者 世 代 に対 す る ペ ッ トの 飼 育 状 況 調 査 結 果(2010,単 位%)(筆 者 作 成) ペ ッ ト飼 育 の 好 き嫌 い ペ ッ ト飼 育 経 験 の 有 無 ペ ッ トの 種 類(複 数 回 答) 好 き 嫌 い 有 り 無 し 犬 猫 魚類 81.4 ・ 79.3 20.7 16.0 8.4 23.3 飼 え な くな っ た 犬 ・猫 の処 置 (複 数 回 答) 新 たな飼 い主 を探 す 動物 愛護 団体 へ譲 渡 保 険 所 や 管 理 セ ン ター へ 譲 渡 殺 処分が必 要 53.9 30.9 11.2 10.3 表2か ら明 らか な よ う に 、 本 調 査 に よ れ ば 近 畿 地 域 の 若 者 世 代 は 全 国 の 大 人 世 代 よ り も、 ペ ッ ト飼 育 が 好 き(本 調 査81 .4%;全 国72.5%)で 、 飼 育 の 経 験 が 約2倍(本 調 査79.3%;全 国34.3%)高 く、 ペ ッ トの 種 類 で は 犬(本 調 査16.3%;全 国5&6%)や 猫(本 調 査 &4%;全 国30.9%)が 少 な く、 魚 類(本 調 査23.3%;全 国19.4%)が 多 か っ た 。 他 に は ネ ズ ミ類 と昆 虫 類 が 多 く共 に 約14%で あ っ た 。 ま た 、 飼 え な く な っ た 犬 ・猫 の 処 置(複 数 回 答)で は 、 「新 た な 飼 い 主 を探 す 」 が53.9%で 過 半 で は あ っ た が 全 国 平 均65.9%よ り少 な か っ た 。 「殺 処 分 が 必 要 」 は10.3%(全 国 の20歳 ∼29歳 は44.7%)と 非 常 に少 な い こ と、 及 び 「ペ ッ ト飼 育 が 好 き」 が81.4%と 高 い こ と等 か ら判 断 し て 、 こ の 近 畿 地 域 の 若 者 世 代 は 全 国 平 均 と比 べ て動 物 愛 護 の 管 理 意 識 や 飼 い 主 の 責 任 意 識 が 強 い もの と思 わ れ る。
京都女 子大学現 代社 会研 究 57
N.我
が国の家庭用 愛玩動物 の飼 育状 況分析
厚 生 労 働 省 及 び 一 般 社 団 法 人 ペ ッ トフ ー ド協 会 が 公 表 して い る デ ー タ(2010年 全 国 犬 猫 飼 育 実 態 調 査(第17回 全 国 調 査))を 元 に 、 まず 、 登 録 、 鑑 札 装 着 、 注 射 済 票 の 装 着 が 法 律 で 義 務 付 け られ て い る(2000年12月 よ り法 律 施 行)犬 に つ い て 飼 育 状 況 の 年 度 別 推 移 を 調 べ た 。 分 析 結 果 を 図3(厚 生 労 働 省 デ ー タ)と 図4(ペ ッ トフ ー ド協 会 デ ー タ)に 示 す 。 但 し、 登 録 ・予 防 注 射 率 は 全 国 平 均 で 約74.3%(大 阪 府 は67.4%)で あ る か ら、 実 際 の 頭 数 は 更 に 多 い も の と 思 わ れ る 。 図3.1人 あ た りの 犬 の 平 均 登 録 頭 数 の 年 度 別 推 移(1960年 ∼2010年)(筆 者 作 成) 図4.世 帯 飼 育 率 と1世 帯 あ た りの 犬 の 平 均 飼 育 頭 数 の 年 度 別 推 移(2004年 ∼2010年) (2010年 の ペ ッ トフ ー ド協 会 の デ ー タ を基 に 筆 者 作 成)58 家庭 用愛玩動物 に関す る意識調査 と今後の方向 図3と 図4か ら 明 ら か な よ う に、1人 あ た り の 犬 の 飼 育 頭 数 は 最 近 の50年 間 で 約2.5倍 (0.020か ら0.054へ)増 加 して い る 一 方 、 最 近5年 間 で は 犬 を飼 育 し て い る 世 帯 数 、 及 び 飼 育 して い る 世 帯 の 平 均 飼 育 頭 数 は 減 少 して い る 。 次 い で 、 猫 に つ い て 調 べ た 結 果 を 図5に 示 す 。 犬 と猫 の 飼 育 世 帯 率 の 比 較 で は 犬 の 方 が1.7 倍(2010年 飼 育 世 帯 率:犬17.8%、 猫10.6%)多 い こ とが わ か る 。 図5.世 帯 飼 育 率 と1世 帯 あ た りの猫 の平 均 飼 育 頭 数 の年 度 別 推 移(2004年 ∼2010年) (2010年 の ペ ッ トフー ド協 会 デ ー タ を基 に 筆 者 作 成)
京都女子 大学現 代社 会研 究 59 次 い で 、 都 道 府 県 別 の 犬 の 登 録 頭 数 の 割 合 を調 べ る と表3の よ う に な る 。 表3.犬 の 飼 育 頭 数 割 合 の都 道 府 県 比 較(2009年) 1位 2位 3位 3位 5位 6位 6位 8位 8位 10位 38位 46位 上 位10都 道 府 県:1人 あ た りの 犬 の 平 均 登 録 頭 数 (「犬 の登 録 頭 数(厚 生 省)/ 総 人 口 数(総 務 省)」 で 算 出) 全 国 三重県 群馬県 山梨県 香川県 岐阜県 静 岡県 熊本県 茨城県 鹿児 島県 山 口県 京都府 大阪府 0.051 a.073 0.072 !1・ ・ 11・ ・ !1・ ・ 0.064 0.064 0.063 0.063 0.062 ',II 0.035 上位10都 道府 県:1世 帯 あ た りの 犬 の平 均登 録 頭 数 (「犬 の 登 録 頭 数(厚 生 省)/ 総 世 帯 数(総 務 省)」 で 算 出) 全 国 群 馬県 三重県 岐阜 県 山梨県 香 川県 茨城 県 静 岡県 佐 賀県 熊 本県 岩手県 京都 府 大阪府 0.131 0.201 0.201 0.194 0.191 1 :・ 0.181 0.179 0.178 0.177 0.171 o.107 0.084 (厚生 労働 省 「犬の登録 頭数 と予 防注射頭数等 の年次別推 移」 を基 に筆者 作成) 表3の よ う に、 犬 の 飼 育 頭 数 の 割 合 は 三 重 県 や 群 馬 県 等 の 都 市 近 郊 で は 全 国 平 均 よ り高 く (約1.5倍)、 京 都 府 や 大 阪 府 で は 低 い 。 特 に 大 阪 府 は 第46位 で 全 国 平 均 よ り約40%も 低 い 。 こ れ は 都 市 部 ほ ど マ ン シ ョ ン等 の 集 合 住 宅 が 多 い 等 の 住 居 環 境 の 違 い が 飼 育 頭 数 割 合 の 差 に 現 れ て い る もの と思 わ れ る。
60 家庭用愛 玩動物 に関す る意識調 査 と今後 の方 向 V.欧 米 の 家 庭 用 愛 玩 動 物 の 飼 育 状 況 1.米 国 図6に 米 国 に お け る 、 「犬 の 飼 育 世 帯 率 」 と 「飼 育 して い る 世 帯 あ た りの 平 均 飼 育 頭 数 」 の 年 度 別 推 移 を 示 す 。 図6の よ う に 、2007年 の 平 均 飼 育 世 帯 率 は37.2%(日 本 は約1&9%)と3 世 帯 に1世 帯 は 犬 を 飼 育 して お り、 飼 育 して い る世 帯 は平 均1.7頭(日 本 は1.3頭)の 犬 を飼 育 して い る 。 図6.米 国 に お け る 犬 の 飼 育 世 帯 率 と平 均 飼 育 頭 数(2007年)
(American Veterinary Medical Association(2007)の デ ー タ を 基 に 筆 者 作 成)
図7,米 国 に お け る 猫 の 飼 育 世 帯 率 と 平 均 飼 育 頭 数(2007年)
京都 女子大 学現代社 会研 究 61 ま た 、 犬 の 総 飼 育 頭 数 は72,114,000頭(2007年)で 、 総 人 口(308,700,000人)で 割 っ た 米 国 総 人 口 あ た りの 犬 の 飼 育 頭 数 は0.23頭(日 本 は0.05頭)で 、 犬 に 関 し米 国 は す べ て の 数 値 で 日 本 よ り大 幅 に大 きい 。 一 方 、 猫 の 総 飼 育 頭 数 は81,721,000頭(2007年)で 、 図7に 示 し た よ う に2007年 の 猫 の 飼 育 世 帯 率 は32.4%(日 本 は 約11.2%)、1世 帯 の 平 均 飼 育 頭 数 は2.18頭(日 本 は1.77頭)で あ る。 以 上 か ら、 日本 と米 国 の 大 き な相 違 は 以 下 の と お りで あ る。 (1)飼育 世 帯 率 に 関 し て は 、 米 国 は 日本 よ り犬 で 約2.0倍 、 猫 で 約2.9倍 大 き い 。 (2)飼育 世 帯 率 の 値 か ら 判 断 し て 、 米 国 で は 犬 と 猫 に そ れ ほ ど差 は な い が 、 日 本 で は 猫(約 11.2%)よ り犬(約18.9%)の 飼 育 が 好 まれ る 。 (3)飼育 して い る 世 帯 の 平 均 飼 育 頭 数 は 、 犬 、 猫 共 に 米 国 と 日本 は そ れ ほ ど大 きな 違 い は な い 。 2.ド イ ツ の 動 物 保 護 団 体 佐 藤 衆 介(2005)『 ア ニ マ ル ウ ェ ル フ ェ ア 』、B.ガ ン タ ー(2006)『 ペ ッ ト と生 き る一 ペ ッ ト と 人 の 心 理 学 』 及 び 作 左 部 和 雄(2007)『 ペ ッ ト業 界 初1ペ ッ トビ ジ ネ ス か ら犬 や 猫 を 守 る 』 に よ る と、 ドイ ツ で は 殺 処 分 場 が な く、 殺 処 分 数 も ゼ ロ とい わ れ て お り、 そ の 代 わ り に 里 親 探 しの た め の 「動 物 の 家 」 と い う シ ェ ル タ ー が500か 所 以 上 に設 置 さ れ て い る 。 ドイ ツ の 動 物 保 護i団体 の 歴 史 は 古 く、1871年 にす で に200の 動 物 保 護 団 体 が そ れ ぞ れ 独 自 に 活 動 し、1879年 に 初 め て 全 団 体 が 集 ま っ て す べ て の 保 護 団 体 を結 ぶ 中 心 部 が 設 立 さ れ た 。1930 年 に は 約300の 動 物 保 護 団 体 、 約10万 人 の 会 員 数 と な り、 ドイ ツ動 物 保 護 法 が 制 定 さ れ た 。 そ して 、 現 在 は約700団 体 、500余 の 動 物 の 家 、80万 人 の 会 員 か ら組 織 さ れ て い て 、 ヨ ー ロ ッパ の 中 で は 最 大 規 模 と な っ て い る 。 「動 物 の 家 」 はす べ て 民 間 の もの で 、 遺 産 贈 与 や 寄 付 と ボ ラ ン テ ィ ア で 成 り立 っ て い る 。 そ の 中 心 の 役 割 を 果 た して い る の は ドイ ツ 動 物 保 護 同 盟 で あ る 。 表4に 環 境 省 主 催 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り方 検 討 会 」 資 料(2004.2.6)を 元 に 、 日 本 と 欧 米 の 家 庭 用 愛 玩 動 物 に対 す る実 情 ・考 え方 の 差 異 を ま とめ て 示 す 。 表4に 示 し た よ う に 、 欧 米 は 飼 養 技 術 が 整 っ て お り、 動 物 は 人 間 が 管 理 す べ き責 任 を 持 っ て お り、 合 理 的 ・科 学 的 ・ 操 作 的 な性 格 が 強 い 。 こ の 考 え 方 が ドイ ツ の 「動 物 の 家 」 制 度 、 及 び ドイ ツ動 物 保 護i同盟 に 浸 透 して い る よ う で あ る 。
62 家庭用愛 玩動物 に関す る意識調査 と今後の方 向 表4.家 庭 用 愛 玩 動 物 に関 す る 日本 と欧 米 の比 較 人 と動 物 との 関係 位 置関係 階層関係 対象動物 飼養技術 態 度 日 本 基 本的 に異 なる世界 に存在 人 間 と生 命 的 に は 平 等(但 し、 総 体 的 価 値 と して は 人 間 が 優 位)。 輪 廻 転 生 に よっ て 、 人 間 と動 物 と は相 互 転 換 す る 。 生 命 的 に は連 続 的 な存 在 ペ ッ ト等 が 中 心 生 産 性 の豊 か な稲 作 中心 の 文化 等 を背 景 に 、 十 分 に発 達 ・普 及 せ ず 情 緒 的 ・放 任 的 な性 格 が 強 い 欧 米 同一 の 世 界 に存 在 人 間 とは 別 の生 命 体 で あ り、 人 間 の従 属 物 。 人 間 の た め に存 在 し、 人 間 が 管 理 す べ き責 任 を持 っ て い る 存 在 畜 産動物や使役 動物 が中心 生 産性 の 乏 しい 自然 ・牧 畜 中心 の 文 化 等 を 背 景 に、 発 達 ・普 及 合 理 的 ・科 学 的 ・操 作 的 な性 格 が 強 い (参考:環 境 省 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り方 検 討 会 」 資 料(2004.2.6)) V[.ま と め 本 研 究 は 、 「コ ンパ ニ オ ン ・ア ニ マ ル(伴 侶 や 仲 間 と して の 動 物)」 と して 最 近 存 在 価 値 が 大 き くな っ て い る 「家 庭 用 愛 玩 動 物 」 に 焦 点 を 当 て 、2010年11月 に 公 表 さ れ た 内 閣 府 に よ る 「動 物 愛 護 に 関 す る世 論 調 査 」 の 結 果 を 、 近 畿 地 域20歳 代 の 若 者 世 代 へ の 実 態 調 査 結 果 か ら検 証 す る と共 に 、 米 国 及 び ドイ ッ の 実 情 を 総 領 事 館 等 の 協 力 を得 て 調 査 分 析 し、 我 が 国 の 課 題 を明 確 化 した もの で あ る 。 内 閣 府 に よ る 主 な結 果 の 概 要 は 以 下 の とお りで あ る 。 (1)7年 前 と比 較 して 「ペ ッ ト飼 育 が 好 き」 とす る 割 合 が 増 加 して い る が(約66%か ら約73% へ)、 飼 育 経 験 は 減 少 して い る(約37%か ら約34%へ)。 (2)7年 前 と比 較 して ペ ッ トの 種 類 で は猫 と魚 類 が 増 加 し犬 が 減 少 して い る 。 (3)「 殺 処 分 を 行 う必 要 が あ る」 と答 え た 者 の 割 合 が55.8%で 、 前 回 結 果 よ り13.5%も 低 下 し て い る。 特 に20歳 代 、30歳 代 で の 低 下 が 著 しい 。 (4)動 物 愛 護 管 理 政 策 に 対 す る 要 望 で は 、 「飼 い 主 の 迷 惑 行 為 に対 す る 規 制 や 指 導 を 強 め る 」 を挙 げ た 者 の 割 合 が57.3%と 最 も多 く、 前 回 結 果(50.0%)よ り大 幅 に 上 昇 して い る 。 ま た 、 欧 米 の 家 庭 用 愛 玩 動 物 の 飼 育 状 況 の 概 要 は 以 下 の とお りで あ る 。 (1)米 国 で は最 近30年 間 の 「犬 の 飼 育 世 帯 率 」 は平 均 約37.2%と ほ ぼ 一 定 で 、 家 庭 用 愛 玩 動 物 が 市 民 生 活 に しっ か り根 付 い て い る(日 本 は約1&9%)。 (2)ド イ ツ で は 約80年 前 か ら全 地 域 で 動 物 保 護 団 体 が 組 織 化 さ れ 、 殺 処 分 を無 くす た め 「動 物 の 家 」(シ ェ ル ター)を 設 置 す る な ど管 理 体 制 が 構 築 され て い る。
京都 女子 大学現代 社会研 究 63 V匚.お わ り に 2010年 時 の 全 国 犬 猫 飼 育 頭 数 の 合 計 は21,473,000頭(ペ ッ トフ ー ド協 会)で あ り、 近 年 ペ ッ トビ ジ ネ ス 市 場 は 活 気 を 呈 して い る 。 ま た 、 現 在 の ペ ッ トビ ジ ネ ス 業 界 で は 、 「長 寿 化 」 と 「家 族 化 」 が キ ー ワ ー ドと さ れ サ ー ビ ス 内 容 も多 岐 に わ た っ て い る。 しか し、 一 部 の 悪 質 な 繁 殖 業 者(ブ リ ー ダ ー)や ペ ッ トシ ョ ッ プ に お い て 動 物 の 扱 い が 非 常 に 劣 悪 で あ る 。 こ れ ら の 業 者 は 餌 代 や ワ クチ ンを は じめ 、 自 治 体 へ の 登 録 料 や 狂 犬 病 の 予 防 接 種 料 等 の 経 費 が か か る た め 、 自 治 体 の 動 物 愛 護 管 理 セ ン タ ー へ 持 ち 込 む こ とが 多 い 。 日本 で は 税 金 が 「殺 処 分 」 に 使 わ れ て い る の で あ る。 犬 や 猫 等 の ペ ッ トを何 ら か の 事 情 で 飼 え な く な っ た 場 合 、 ペ ッ ト好 きの 世 帯 に 無 償 で 譲 渡 さ れ れ ば 良 い が 、 な か な か 善 意 の あ る 飼 い 主 を見 つ け る こ と は 難 しい 。 そ の た め 我 が 国 で は、 全 国 の 自 治 体 に お い て 年 間 に 犬 が 約11万 頭 、 猫 が 約20万 頭(2010年)引 き取 られ て お り、 そ れ らの 約9割 は 殺 処 分 さ れ て い る 。 一 方 、 ドイ ッ で は 先 に 述 べ た よ う に 「動 物 の 家 」 と い う シ ェ ル タ ー が 国 内 に 数 多 く設 置 さ れ 殺 処 分 数 は ゼ ロ で あ る。 我 が 国 も動 物 愛 護 先 進 国 ドイ ツ を参 考 にす る べ き で あ る 。 人 と動 物 が 共 に幸 せ に暮 らす 社 会 を築 くた め に は 、 我 々 個 々 が 動 物 虐 待 や 遺 棄 に 真 剣 に 対 応 す る こ とが 必 要 で あ る こ と に加 え 、 生 命 尊 重 ・動 物 福 祉 の 普 及 啓 発 、 飼 育 環 境 ・健 康 管 理 等 の 社 会 的 環 境 の 改 善 が 大 切 で あ る。 こ れ らの こ とが 「動 物 愛 護 管 理 法 」 で 謳 っ て い る 「国 民 の 間 に動 物 を 愛 護 す る 気 風 を招 来 し、 生 命 尊 重 、 友 愛 及 び 平 和 の 情 操 の 涵 養 に 資 す る こ と」 に つ なが る も の と思 わ れ る 。 本 研 究 を遂 行 す る に あ た り、 多 くの ご支 援 と資 料 の ご提 供 を 戴 い た 環 境 省 自然 環 境 局 の 諸 氏 、 貴 重 な ご意 見 を 戴 い た 「森 林 牧 場 丹 後 」 で 自然 放 牧 法 酪 農 を され て い る ア ミ タ ホ ー ル デ ィ ン グ ス(株)地 域 デ ザ イ ン部 長 佐 藤 博 之 氏 、 現 場 見 学 と貴 重 な ご意 見 を 戴 い た 犬 猫 シ ェ ル ター 運 営NPO法 人 動 物 愛 護 市 民 団 体JCDL代 表 の 門 田 充 博 氏 、 米 国 の ペ ッ トに 関 す る 貴 重 な 資 料 を ご 提 供 い た だ い た 関 西 ア メ リ カ ンセ ン ター ・レ フ ァ レ ンス 資 料 室 、 そ して デ ー タ収 集 と分 析 ・評 価 に ご協 力 戴 い た 菊 地 佐 和 子 氏(2011年3月 本 学 卒 業)に 深 く謝 意 を 表 す 。 引用 ・参 考 文 献 蒲 生 孝 治 、 菊 地 佐 和 子(2011)「 家 庭 動 物 の 愛 護 ・管 理 に 関 す る 課 題 と若 者 世 代 か ら の 一 提 案 」 『日本 環 境 学 会 第37回 研 究 発 表 会 予 稿 集 』218-221頁. 環 境 省 自然 環 境 局HP(2006)「 動 物 の 愛 護 と適 切 な管 理 」(2011.9.13) (http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/). 環 境 省(2006)『 実 験 動 物 の 飼 養 及 び 保 管 並 び に 苦 痛 の軽 減 に 関 す る基 準(2006.4.28i環 境 省 告 示 第88号)』 環 境 省.
64 家庭用愛玩 動物 に関す る意識調査 と今後の方 向 環 境 省 第1回 「動 物 の 愛 護 管 理 の あ り方 検 討 会 資 料 」 環 境 省(2004.2.6配 布). 厚 生 労 働 省 「犬 の 登 録 数 と予 防 注 射 頭 数 等 の 年 次 別 推 移(1960年 度 ∼2009年 度)」(2011.6.11)