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アメリカ禁酒法の施行状況 : ウィカシャム報告書にみる同時代の評価

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ー ウ ィカ シ ャ ム報 告 書 に み る 同 時 代 の評 価

-常

ア メ リカ禁 酒 法 の施 行 状 況 は   じ  め  に   ア メ リ カ 合 衆 国 は、 一 九 一 九 年 一 月 に 禁 酒 を 規 定 す る 憲 法 修 正 第 一 八 条 を 成 立 さ せ 、 一 九 三 四年 三 月 に は、 憲 法 修 正 第 二 一 条 に よ って そ れ を 廃 止 し た 。 前 者 は、 発 効 が 確 定 の 一 年 後 か ら と さ れ て い た か ら 、 憲 法 条 項 に 基 づ く 全 国 禁 酒 体 制 は、 一 四 年 ほ ど し か 続 か な か った こ と                                                   ① に な る 。 そ れ が ﹁ 施 行 さ れ な か った し 、 施 行 不 可 能 だ った ﹂ こ と を 知 って い る 後 世 の 人 間 に は、 愚 か し く ま た 失 敗 を 運 命 づ け ら れ た も の と し か 映 ら な い こ の 試 み は、 し か し 、 同 時 代 の少 な く と も 一 部 の人 び と に と って は 、 理 念 的 に も 制 度 的 に も 、 望 ま し い だ け で な く 必 然 的 な 運 び だ った 。 そ の こ と に つ い て は、 こ れ ま で 多 く の 研 究 が 著 さ れ て い る し 、 筆 者 自 身 も 論 考 を も の し て き た か ら 、 こ こ で は取 り 上 げ る 必 要 は         ② な い だ ろ う 。   本 稿 で 問 題 に す る の は 、 ウ ィ カ シ ャ ム 報 告 書 で あ る。 こ れ は、 一 九 二 八 年 選 挙 で 選 出 さ れ た フ ー ヴ ァー 大 統 領 が そ の 公 約 を 実 行 に 移 し 、 就 任 早 々 の 二九 年 三 月 に 結 成 し た 、 法 律 の 遵 守 と 施 行 に 関 す る 全 国 委 口貝ム 瓜 ( ブ 研慧 o ⇔ 鋤 一〇9 B欝 冨゜ 。 随o ⇒ o づ ピ鋤 ≦ ○び ωΦ 吋 く ⇔ 昌 o Φ 偉。 ゆ 島国切 {o 触 o Φ ︼B Φ 欝 ○ i 元 司 法 長 官 ジ ョ ー ジ ・ W ・ ウ ィ カ シ ャ ム を 委 員 長 に 、 元 陸 軍 長 官 ニ ュ ー ト ン ・ D ・べ ー カ ー 、 連 邦 判 事 の ウ ィ リ ア ム ・S ・ケ ニ ヨ ン 、 ポ ー ル ・J ・ マ コ ー ミ ッ ク 、 ウ ィ リ ア ム ・1 ・グ ラ ブ 、 元 ワ シ ン ト ン 州 最 高 裁 首 席 判 事 ケ ネ ス ・ マ キ ン ト ッ シ ュ、 ハ ー ヴ ァ ー ド 大 学 の ロ ス コ ー ・ パ ウ ン ド 、 ラ ド ク リ フ 大 学 長 エ イ ダ ・L ・ カ ム ス ト ヅ ク 、 弁 護 士 の ヘ ン リ ー ・ W ・ ア ン ダ ー ソ ン 、 モ ン テ ィ ・M ・リ ー マ ン 、 フ ラ ン ク ・ J ・ ロ ヅ シ ュか ら な り 、 ウ ィ カ シ ャ ム 委 員 会 と 通 称 さ れ る ー が                 ③ 作 成 し たも の であ る。                                                             ④   一 九 三 一 年 一 月 に提 出 さ れ た全 = 一巻 から な る こ の 大 部 の 報 告 書 は、 合 衆 国 に おけ る法 律 の施 行 に つい て多 方 面 から 調 査 ・ 検 討 し 、 そ の 分 析 結 果 を まと め たも の で、 非 常 に優 れ た成 果 も 含 ま れ て い る。 そ のう ち、 本 稿 で主 に取 り上 げ る の は、 全 国 禁 酒 法 の施 行 状 況 を 扱 っ た 第 二篇 で あ る。 そ の 内 容 を ペ ー ジ を追 っ て紹 介 す るだ け で は、 あ ま り 意 味 はな い ので 問題 を絞 り込 ん だ。 禁 酒 法 施 行 の制 度 的 問 題 点 が ど こ にあ っ た のか、 そ の 難 局 を も た ら し た の は何 な の か、 禁 酒 体 制 の閉 塞 状 況 と でも 言 う べ き事 態 の根本 的改 善 に は何 が 必要 と さ れ て い た の か。 そ のた め、 決 定 的 な 結論 を 得 る のが たぶ ん 不 可能 な、 酒類 の 密 35

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窓 史 造 、 密 輸 入、 密 売 と も ぐ り酒 場 の問 題 は捨 象 せざ るを え な か っ た 。   本 報告 書 は、 結 論 部 で全 国 禁 酒 体 制 の存 続 を勧 告 し て い るが 、 全 体 的行 論 はそ の結論 と 必ず し も適 合 的 で は な い。 む し ろ、 憲 法 修 正 第 一 八 条 と 全 国禁 酒法 の 施 行 不 可能 を証 明 す る こと に、 か な り の部 分 を 費 や し て い る 。 こ の 中 途 半 端 な論 じ方 のた め、 公 刊当 時 か ら批 判 が あ っ た。 だ から と 言 っ て、 そ れ が行 っ た提 案 は、 遵 守 に関 す る根 本 的 な問 題 で はな く 、  ﹁ 裁 判 所 で軽 微 な事 件 を 処 理 す る と いう ど う で も よ い 問                     題 に関 す るも のだ っ た﹂ と 片 付 け てよ いも の かど う か。 な に ょ り そ れ は、 大 統 領 に受 け 入 れ ら れ た政 府 の公 式 見 解 だ っ た。 そ の 意 味 か ら だ け でも 、 相 応 の検 討 に値 す るも の であ ろう ( 以 下 の行 論 で は 、 ウ ィカ シ ャ ム 報 告 書 第 二篇 か ら の引 用 は、 本 文 中 に括 弧 を 付 し て 掲 載 ペ ージ を 示 し て いる) 。

  ウ ィカ シ ャム報告 書 は、 本 文 = ハ ニペ ー ジ、 邦 訳 す れ ば 四〇 〇 字 詰 め原 稿 用 紙 で ほ ぼ 五 百 枚 程度 に な ろ う か と い う文 書 であ る。 目 次 を 一                                         暼 し てす ぐ に気 付 く の は 、 章 の不 均衡 で あ る。 二 〇 ペ ー ジ を越 え る章 も あ れ ば 、 一 ∼ 二 ペ ージ し か割 り 当 てら れ て いな いも の が 三章 あ る。 章 の 長 さ は、 主 題 の重 要 性 に左 右 さ れ ると は いえ、 た と えば 、 いず れ も 一 ペ ー ジ弱 の第 四章 ﹁ 必 要 な 施 行 の度 合 い﹂ と第 六章 ﹁ 連 邦 の 統 制 の必要 性 ﹂ は、   ﹁ よ り効 率 的 な 施 行 のた め のプ ラ ン ﹂ と題 さ れ た第 五 章 に収 め ら れ て いたと し ても 、 そ れ ほど 違 和 感 はな い 。 議 論 も 十分 に は 整 理 さ れ て お らず 、 あ る章 で提 起 さ れ た問 題 の 一 部 が 別 の 章 で説 明 さ れ て いる事 例 もあ る。   こ の よう な 構 成 に 由 来 す る 理解 の困 難 が、 本 報 告 書 の正当 な評 価 を 妨 げ てき た 一 因 だ ろう か。 ウ ィ カ シ ャ ム報告 書 の 解 釈 を め ぐ る 混 乱 は、 公 刊 当 時 から 表 明 さ れ て いた 。 諸 新 聞 は、   ﹁ これ ま で 述 べ ら れ たう ち 、 憲 法 に よ る禁 酒 へのも っ と も 致 命 的 な 一 撃 ﹂ と 評価 し つ つ 、                                 キ ヤ ブ シ ヨ ソ 他 方 で は ﹁ 反 禁 酒 的 な内 容 に禁 酒 的 な 説 明 ﹂ が 添 え ら れ た も のと 批 判 し た。 なさ れ た の は、   ﹁ 連 邦 禁 酒 法 が 絶 望 的 な 失 敗 で あ る と いう直 接 的 で率 直 な公 式 の告 白 を 回避 す る こと ﹂ だ っ た と は 、 リ ッ 。フ マ ン の 評 言 であ る。 あ る下 院 議 員 は、 う まく も な い地 口 で ﹁ 邪 悪 で ご ま か し の   ( ♂ 耋 o 犀 Φ 阜簿 口 餌 あ訂 日) ﹂ 報告 書 と 呼 び、 なぜ も っ と ま し な も のを 作                         れ な か っ た のかと 非 難 し た。   こ の 文 書 の検 討 ・ 評 価 に着 手 す る前 に、 ま ず 簡 単 に内 容 を 紹 介 し て お こう。 予備 的 考 察 で は、 報 告 書 の検 討 範 囲 と 使 用 し た資 料 が 示 さ れ ( 1 、 2) 、 酒 類統 制 と いう 問 題 ( 3) と 憲 法 修 正第 一 八条 以 前 の酒 類 統 制 の歴 史 ( 4 )が 概 観 さ れ て い る。 後 二 者 は、 ペ ー ジ数 は多 く な いが、 禁 酒 法 の施 行 の 困 難、 税 制 と 酒 類 産 業 の 規 制 、 州 禁 酒 法 の前 進 、 酒 場 の 変 質 な ど に触 れ つ つ 要 領 よく 課題 を まと め た好 論 であ る。 第 一 章 ﹁ 全 国 禁 酒 法 ﹂ は 、 憲 法修 正第 一 八条 と 全国 禁 酒 法 の特 徴 を述 べ ( 1) 、   一 九 二七年 の 禁 酒局 法 制 定 以 前 と 以 後 に つい て、 禁 酒 法 の 施 行 状 況 を 論 じ て い る ( 2 、 3 ) が、 と り わ け ー で は禁 酒 法 が 内 包 す る問 題 点 が 指 摘 さ れ て い る 。   ﹁ 遵 守 と 施 行 の現 状 ﹂ を 扱 う 第 二章 は 、 法 への 敵 対 の 存 続 と消 費 量 の 減 少 と いう 趨 勢 を 確 認 し た後 、 施 行 ( 違 反 ) の実態 を検 討 す る。 具 体 的 に は、 a 輸 入 と 製 造 、 b 販 売 、 c 輸 送 そ れ ぞ れ に関 す る施 行 、 d 飲 酒 の 場 所 、  e 酒 類 の 価 格 、 f州 の 協 力 の 実 態 が 対 象 と さ れ て い る

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ア メ リカ禁 酒 法 の 施 行 状 況 が 、 c 、 d 、 eに はそ れ ほ ど 枚 数 が 割 か れ て は いな い。 aは違 法 な酒 類 の源 を 、   ( 密 ) 輸 入、 工 業 用 ア ル コ ー ルか ら の 転 換 、 違 法 な蒸 留 、 ビ ー ル製 造 、 ワイ ン 製 造、 家 庭 で の 製 造、 医 療 用 ・ 秘 跡 用 ・ 科 学 用 ア ル コー ルか ら の流 用 に 分 け て論 じ、 違 法 な製 造 の素 材 を 紹 介 し て い ⑧ る。 さ ら に b は酒 類 の 密 売 と も ぐ り 酒 場 に つ いて、 f は諸 州 の 協 力 体 制 を、 いく つか の実 例 を あげ て論 じ て い る 。   第 三章 ﹁ 現 状 の悪 い側 面 と 施 行 に お け る困 難﹂ は、 1 ﹁ 腐 敗 ﹂ 、 2 ﹁ まず い発 端 と そ の結 果 ﹂ 、 3 ﹁ 世 論 の状態 ﹂ 、 4 ﹁ 経 済 上 の困 難 ﹂ 、 5 ﹁ 地理 上 の困 難 ﹂ 、 6 ﹁ 政 治 上 の困難 ﹂ 、 7 ﹁ 心 理的 な 困難 ﹂ 、 8 ﹁ 裁 判所 、 起 訴機 構 、 処罰 施 設 の 過 重 な負 担 ﹂ 、 9 ﹁ 果 物 ジ ュ ー スに 関 す る規 定 に含 まれ て いる偽 善 と 違 反 の誘 い﹂ 、 10 ﹁ 実 施 拒 否 ﹂ 、 11 ﹁ これ ら 失 敗 の全国 禁 酒 法 への 影 響 ﹂ の 一 一 節 か ら な る。 1、 4、 5、 10 は 質 量 と も に見 る べき も のは な い 。 第 四章 の ﹁ 必 要 な 施 行 の 度 合 い﹂ は 、 法 律 の遵守 を も た ら し、   ﹁ 出 回 る酒 類 を相 対 的 に無 視 でき る量 に 限 定 す る﹂ べ き であ ると の 、 常 識 的 な提 言 を行 う に留 ま っ て い る ( ℃ ° ① H ) 。   第 五章 の主 題 は ﹁ よ り効 率 的 な施 行 のた め の プ ラ ン し で、 1 ﹁ 施 行 領 域 の連 邦 と 州 と の間 で の分 割﹂ 、 2 ﹁ 施 行 機 関 の よ り良 い組 織 化﹂ 、 3 ﹁ よ り適 切 な 部 隊 と 装 備 ﹂ 、 4 ﹁ 法 律 と 規 制 に おけ る改 善 ﹂ 、 5 ﹁ 裁 判 所 の組 織 と 手 続 き の改 善﹂ 、 6 ﹁ 政 治 か ら の施 行 の分 割 ﹂ 、 7 ﹁ さ ら な る市 民 の活 動 ﹂ 、 8 ﹁ 世 論 の教 育﹂ を そ れ ぞ れ 考 察 し て い る。   こ こ でも 質 と 量 に お い て か な り の相 違 が みら れ、 6 以降 に つ い て は 、   ﹁ 施 行 人 員 の選 抜 、 募 集 、 組 織 化 、 訓 練 の変 更 以 上 に勧 告 す べ き こと はな い﹂  ( 6) 、  ﹁ こ こ で特 別 に 提 案 す る こと は な い ﹂  ( 7) 、 世 論 教育 の た め の ﹁ 単 な る 宣 伝 は 、 敵 対 的 な世 論 を育 む 現 状 の 悪 い 局 面 が 是 正 さ れ な いかぎ り、 ほと んど 何 も 達 成 でき な い﹂  ( 8) と 簡 単 に片 付 け ら れ て いる ( ℃ ℃ ° ① oO I ① り ) 。  第 六章 ﹁ 連 邦 に よ る 統 制 の必要 ﹂ も 章 題 通 り の 内 容 で、 連 邦 政 府 は 、 酒 類統 制 の ﹁ プ ロ グ ラ ムに お いて大 き な役 割 を果 た し、 そ れ を効 率 的 に行 う た め の 権 限 を認 め ら れ ねば な ら な い ﹂ と強 調 し て いるだ け であ る ( や ざ ) 。 第 七 章 で は ﹁ 保 持 さ れ る べき 禁 酒法 の 恩 恵﹂ が 、 経 済 面 と 社 会 面 に つい て論 じ ら れ て いるが 、 他 の 箇 所 で も触 れ ら れ て い る主 題 だ け に 、 期 待 さ れ るほ ど の量的 充 実 はな い 。 第 八章 ﹁ 外 国 の シ ス テ ム の要 約 し も 非 常 に簡 略 な 内 容 であ る 。 第 九 章 ﹁ 現 行 シ ステ ム へ の代 替 案 ﹂ は、 憲 法 修 正第 一 八条 の廃 止 ( 1) や 全 国 禁 酒 法 の 廃 止 ( 2) 、 施 行 組 織 と人 員 の 改 善 ( 3) 、 憲 法 修 正 第 一 八 条 の修 正 ( 4 ) を 検 討 し て い る。   こ の第 九 章 の構 成 にも 疑 問 は残 る i 3 と 4 は逆 にし た方 が自 然 で は な い の かー が、 委 員 会 の目 的 が 禁 酒 体 制 の廃 絶 で はな く、 よ り 効 率 的 な施 行 の た め の具 体 的 ・ 現 実 的 な 提 言 にあ っ た こと を 反 映 し て い よ う。 第 一 〇 章 は全 = 一項 目 から な る ﹁ 結 論 と 勧 告 ﹂ であ り、 さ ら に そ の後 に委 員 全 員 に ょ る個 別 の報 告 書 が 添 え ら れ て い る 。 これ も、 一 〇 行 程度 のカ ム スト ック の ﹁ 声 明 ﹂ か ら 二〇 ペ ー ジ を越 え る ア ン ダ ; ソ ン の ﹁ 個 別 報 告 書 ﹂   ( 目 次 も 付 され て い る) ま で、 多 様 な量 と 質 を 特 徴 と し て お り、 全 体 で 八〇 ペ ー ジ近 い分 量 に な る。 つま り、 個 々 の 委 員 の見 解 が本 報告 書 のほぼ 半 分 を し め て いる。 こ れ ら の大 部 分 は、                                                        ⑨ 委 員 会 と し て の結 論 を ﹁ ま っ た く の ナ ン セ ン スに し て は﹂ い な いと は いえ 、 報 告 書 の形 式 と し て は異 例 で あ ろ う。 37

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窓 史   報 告 書 の 重 要 な部 分 を よ り詳 細 に検 討 し てゆ こう。   ﹁ 酒 類 の 統 制 、 と りわ け 完 全 禁 酒 法 体 制 に は特 別 で 固有 の困 難が あ る。 確 立 し た習 慣 と 社 会 慣 習 は 、 容 易 に は 立法 に よ る命 令 に屈 す るも の で はな い﹂   ( ℃ ° 戯 ) と 、 そ の施 行 に内 在 す る困 難 を 認 識 す る委 員 会 は 、 まず 法 そ のも の の具体 的 な検 討 や問 題 点 の指 摘 から 始 め て い る 。 憲 法 修 正第 一 八条 は、 飲 用 目 的 で の酩 酊 性 酒 類 の製 造 ・ 販 売 ・ 輸 送 ・ 輸 入 ・ 輸 出 のみ を 禁 止 し て い る。 酩 酊 性 で な い ア ル コー ル性 酒 類 や飲 用 目的 以 外 で の 酩 酊 性 酒 類 の製 造 等 も、 酩 酊 性 ・ 非 酩 酊 性 を 問 わず 、 ど のよ う なも の で                                                          あ れ 酒 類 の購 入、 購 入 者 に ょ る 所 有 や飲 用 も禁 じ ら れ て は い な い。 そ れ ら の問 題 の解 決 は 、 憲 法 修 正第 一 八条 第 二 節 に ょ っ て、   ﹁ 議 会 に与 え ら れ て おり 、 あ る い は 諸 州 に 一 任 さ れ て いる﹂   ( ℃ ° c。 ) 。               全 国禁 酒法 に つ いて は 、 と り わ け 議 論 の 的 に な っ た 三 箇 条、 第 一 条 、 第 三条 、 第 二九 条 が 取 り上 げ られ る ( 隱 ゜ 。。 山 掃 ) 。 各 種 用語 の定 義 のた め の 第 一 条 は、   ﹁ 酩 酊 性 酒 類 ﹂ を、 醸 造 酒 ・ 蒸 留 酒 を 問 わ ず、 ま た名 称 に か か わ らず 、  ﹁ 飲 用 に適 し た ア ル コー ルを 体 積 で ○ ・ 五 パ ー セ ント以 上 含 む﹂ も のと し て お り、 第 三 条 は、   ﹁ 本 法 のあ ら ゆ る条 項 は、 飲 料 と し て の酩 酊 性 酒 類 の使 用 を 禁 止 す るた め、   ︹法 の目的 に 合 致 す る よう ︺ 自 由 に解 釈 さ れ ね ば な ら な い﹂ と 規 定 し て い た。 こ の 二条 項 が 批 判 さ れ た の は 、 前 者 は 酩 酊 性 に はあ た ら な い し、 後 者 は飲 料 と し て の酩 酊 性 酒 類 の 使 用 の 禁 止 ま で を含 む か ら、 いず れ も 修 正 条                                            ゆ 項 を 逸 脱 、 な いし 拡 大 し て いる と の判断 か ら だ っ た。   報告 書 は、 酩 酊性 に つい て は、 正確 な定 義 が 不可 能 であ る以 上 、 専 断 的 な標 準 の 設 定 を せざ る を え な いと し て退 け 、 使 用 の禁 止 に つ いて             テ  ク   ニ  カ  ル は、 いく ぶ ん法 解 釈 的 な も ので あ り 、  ﹁ 直 接 的 で 明 言 さ れ た 目 的﹂ で あ る酒 類 の供 給 の源 と プ ロセ スを禁 止 す れば 、 いず れ 使 用 も 禁 止 さ れ る こと にな る と 反論 し て い る ( b ℃ 。 O 讐 H ド 讐 α 心 ) 。 ○ ・ 五 パ ー セ ント 条 項 は 、 議 会 に与 え られ た権 限 の範 囲 内 にあ ると し て、 連 邦 最 高 裁 に よ っ て支 持 さ れ て お り、 全 国 禁 酒 法 第 三 三 条 が、 法 の 発 効 以 前 に購 入 され                                 ゆ た酒 類 の所 有 ・ 飲 用 は合 法 と し て いる か ら、 これ ら の主張 に は さ しあ た り問 題 点 は な い よう に思 え る 。 し か し、 少 な くと も反 禁 酒 派 に は、 徹 底 性 を 欠 い た及 び 腰 の議 論 に 映 っ た こ と であ ろう 。   ウ ィカ シ ャ ム委 員 会 が 例外 的 に激 し く非 難 し た のが 、  ﹁ 果 物 ジ ュー ス に関 す る規 定﹂ で あ る。 問題 に さ れ て い る全 国 禁 酒 法 第 二九 条 は 、 ﹁ 自 宅 で のみ 用 いら れ る非 酩 酊性 のサ イダ 1と ジ ュ ー スを 製 造 す る人 間 ﹂ を 、 処罰 対 象 か ら除 外 す ると 規 定 し て い た。 そ れ ら の 飲 料 が 酒類 で な い のな ら、 す で に酒 類 製 造 を禁 止 す る条 項 が あ る のだ か ら、 な ぜ こ のよ う な規 定が 必要 な の か わ か らな い。 酒 類 であ る のな ら、 そ の 製 造 に関 す る 処罰 の 対 象 外 にす る こと で、 結 果 と し て 、 よ り ア ル コ ー ル 分 の低 いビ ー ルを禁 止 し、 ア ル コー ル分 が よ り 高 い ワイ ンを黙 認 す る と い う差 別 的 処 遇 を導 入 す る こと にな る ( ℃ ℃ ° O " α ○○ ー α ¢ ) 。   実 際 、 そ の条 文 で は ﹁ 非 酩 酊 性 ﹂ が 定 義 さ れ て いな か っ た か ら、 判 断 は裁 判 所 に 一 任 さ れ 、家 庭 内 ワイ ン 醸 造 を 合法 的 と す る判 決 も 出 さ     れ た ( ℃ や ω 甲 ω ω ) 。 こ の 解 釈 が 正 し い の な ら、 他 の 条 項 、 と く に第 一 条 、 第 三条 と 矛 盾 し、 混 乱 と弊 害 を も た らす だ け であ る。 こ の よう な               ﹁ 不規 則 な規 定 ﹂ は 廃 止 さ れ る べき であ る ( ℃ ℃ ° ① O " Oo 鼻 ) 。 これ は例 外 的 な 廃 止 勧 告 だ っ た。 委 員 への 任 命 を、 禁 酒 法 を ﹁ 既 定 の全 国 的 政 策 と し て受 け取 る よ う にと の命 令 ﹂  ( や H ω り ) と捉 え た リ ー マ ン の 解 釈 が、 全 員 に共 有 され て い た かど う か は不 明 だ が 、 憲 法 修 正 条 項 と 全 国

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萋 ア メ リ カ禁酒 法 の施 行状 況 禁 酒 法 の ﹁ 欠陥 ﹂ に つい て、 委 員 会 が 慎 重 であ ろ う と し た こと は容 易 に想 像 で き る。 し か し、 仔 細 に検 討 し て み ると、 決 し て そ う で は な か っ た ことが 判 明す る。   報 告 書 が 描 く 禁 酒 法 施 行 の歴 史 を概 略 す れば 、 以 下 のよう に な る。 全国 禁 酒 法 が まず い出 発 を 切 り、 そ れ がず っ と そ の 後 の 施 行 に影 響 し た こと 、 そ の 一 因 は、 憲 法 は遵 守 さ れ る も のと の 前 提 に た っ たう え で の 諸 州 に ょ る共 同 の施 行 への期 待 にあ っ た こ と 、 そ の結 果 生 じ た欠 陥 のあ る組 織 、 人 員 不 足 と 不 充 分 な装 備 、 関 連 諸 機 関 の非 協 力 の た め、 一 九 二 一 年 から 二七年 頃 ま で ﹁ 禁 酒法 の 施 行 に着 実 な衰 退 が あ っ た﹂ ( ℃ 気㊤ ) こと 、 事 態 の 改 善 は、   一 九 二六年 の上 院 の調 査 と 、 禁 酒 法 ゐニジ エ ソト 取 締 官 を公 務 員 制 度 の対 象 にす る こと を規 程 し た 一 九 二 七 年 の法 律 に ょ っ て、 や っ と も た らさ れ た こと ( 鬻 ゜ 置 山α レ① H ) 、 ただ し評 価 でき る成 果 も あ った こと であ る 。   まず い発 端 は 、 九 項 目 に分 け て論 じ られ て い る ( ℃ や 濠 ム G。 ) 。 ω 憲 法 修 正 第 一 八条 が 大戦 中 に付 託 さ れ批 准 され た こと 。 戦 中 に は政 府 権 限 の強 化 の た め に 個 人 的 権 利 が 犠 牲 に さ れ、 あ る種 の熱 狂 が 支 配 す る。 憲 法 修 正 第 一 八 条 は ﹁ そ れ ゆ え、 採 択 に は最 良 のと き 、 施 行 に は 最 悪 のと き に出 現 し た﹂   ( ℃ ° 島 ) 。 終 戦 が 不 可避 的 に出 現 さ せ た政 府 権 限 への反 発 は 、 個 人 の習慣 と行 動 に 干渉 す る法 律 へ の反 対 と いう 形 を 取 っ た。 兵 士 の出征 中 に批 准 が 行 われ た こと も 不満 を 高 め た ( 戦 争 の影 響 に つ いて は 、 詳 述 す る紙 幅 が な い。 そ の修 正条 項 を 通 過 さ せた 議 会 は 、 参戦 前 の 一 九 一 六年 選 挙 で選 ば れ て い た から 、 戦 争 の影 響 は 過大 視 でき な い こ と 、 と は いえ 、 二大 政 党 が い ず れ も 一 貫 し て禁 酒 問                                             ⑯ 題 を掲 げ て は いな か っ た こと を 指 摘 す る に 留 め た い ) 。   ② 憲 法 ・ 連 邦 法 の 威 信 が 過 大 に 評 価 さ れ て お り、 そ の た め課 題 の大 き さ が 認 識 さ れ て いな か っ た こと。 ③ 連 邦 の経験 不 足。 連 邦 の刑 事 立 法 の対 象 は これ ま で相 対 的 に少 なく 、 そ の警 察 権 限 の 歴 史 も 浅 か っ た 。 ㈲ 禁 酒 支 持 者 の主 張 に 押 さ れ て、 自 由 や家 庭 の神 聖 に関 す る憲 法 の保 証 を侵 害 す る諸 州が あ っ た こと。   ﹁ 共 同 の権 限 条 項 に基 づ く 州 の 施 行 は 、 捜索 と 押 収、 密 偵 ・ スパ イ ・ 内 通 者 に関 し てと りわ け ま ず い                             ⑰ 出 発 を 切 っ た﹂ と 指 摘 さ れ て い る ( や 合 ) 。 ⑤ 政 治 の影 響 。 禁 酒 法体 制 下 で は、 そ の不 正 な 施 行 が 巨額 の 利 益 を 生 み出 し た か ら、 政 治が ﹁ 最 初 か ら 決 定的 に介 入 し て い た﹂( ℃ ﹄ ① ) 。 許 可 証 の発 効 や 取 消 し、 施 行 組 織 の人 員 の 選 任 や よ り厳 格 な法 施 行 への干 渉 な ど、 政 治家 に と って、 禁 酒 法 は つね に政 治 的 圧力 の対 象 だ っ た。  ⑥ 法 律 と施 行 機 関 の頻 繁 な変 更 。 禁 酒 法 は四 度、 施 行 のた め の 中 央 組 織 は 二度、 工 業 用 ア ル コ ー ルの許 可 制 は 三度 そ れ ぞ れ 修 正 ・ 改 変 さ れ 、 現 場 に 混 乱 を も た ら し た。 ⑦ 工業 用 ア ル コー ルを 管 理 ・ 規 制 す る た め の行 政 裁 判所 シ ステ ムの機 能 不全 。 ⑧ 禁 酒 法 施 行 に関 わ る連 邦 機 関 の協 力 の欠如 。 財務 省、 司法 省 、 農 務 省、 労 働 省 に所 属 す る部 局 ( 税 関 、 沿 岸 警 備 隊、 禁 酒局 、 移 民 局 など ) が 直 接 間 接 に禁 酒 法 施 行 に携 わ るが 、 これ ら の間 に は協 力 が な か っ た だけ で なく 、 しば しば 対 立 も 生 じ た。 ⑨ 禁 酒組 織 の 活 動 、 と り わ け教 育 的 活 動 の停 止 。 これ ら の項 目 の中 に は適 切 な も のもあ れば 、 瑣 末 なも の もあ る。 重 要 な点 に つ いて は、 以 下 で よ り詳 しく 検 討 す る。   ﹁ 全 国 民 の社 会 習慣 を変 化 さ せ る史 上 も っ と も広 範 で徹 底 的 な努 力 の 一つ ﹂ 、 全国 禁 酒法 の施 行 は、   ﹁ 慎 重 に選 択 され 、 特 別 に訓 練 を受 39

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窓 史 け、 適 切 に 組織 さ れ 報酬 を 与 え ら れ る 部 隊 に よ っ て、 人 び と の 共 感 と 支 持 を かき 立 て るた め の 努 力 を伴 っ て、 用 心 深 く 試 み ら れ た と考 え る のが 自 然 で あ ろ う﹂   ( 署 レO 山 ド ) 。 し か し、 実 際 に は 、 そ のよ う な や り 方 は採 用 さ れ ず、 機 構 や制 度 に関 し て、 納 得 ゆ か な い 決 定 が な され た。 国 税 局 長 が 反 対 し て い た にも か か わ らず 、 同 局 に禁 酒 法 施 行 の責             ゆ 任 が 負 わ され た。 そ の た め、 財 務 省 高 官 の中 に は禁 酒 法 施 行 に熱 意 を 持 た な い者 も多 く、 そ の 態 度 は 必 然的 に、 現 場 の 役 人 や取 締 官 に影 響 を 与 え る こと に な っ た ( 唱 ゜ ロ レ ド 刈 ) 。   禁 酒 法 取 締官 の 数 は当 初、 一 五 〇〇 人 ( 最 終 的 に は 二三〇 〇 人 ) 程 度 で 、 長 い ー し か も 禁 酒 を実 施 し て いな いカ ナダ と メキ シ コ と の 陸 上 の、 複 雑 な 地 形 を 特 徴 と し、 密 輸 入 に は恰 好 の条 件 を提 供 す る海 岸 の i i 国 境 線 、 広 大 な 国 土、 民 族 的 ・ 文 化的 に 多 様 で 多 数 の国 民 を 監                                                           シ ヴ 視 す る に はあ ま り に貧 弱 だ っ た 。 連 邦 禁 酒 局 長 と 取 締 官 の任 命 は、 公 イ ル ロサ サ ヴ イ ス 務 員 ( 任 用 ) 法 の対 象 外 と さ れ て お り、 さ ら に給 料 が ﹁ あ ま り に も 低 く 魅 力 的 で はな か っ た﹂ か ら、   ﹁ 人 格 ・ 知 性 ・ 能 力 に関 し て多 く の批 判 ﹂ の対 象 と な る人 び と を 採 用 せ ざ る を え な く な っ た ( ℃ や H ① 山8 ド ド ○。 ) 。 それ は、 必然 的 に、 法 施 行 を めぐ っ て生 じ る腐 敗 の直 接 ・ 間 接             の の 原 因 と な っ た。   一 九 二 〇 年 か ら 一 九 三 〇年 ま で、 施 行 開 始 か ら の 一 一 年 間 に ﹁ 収 賄 、 強 請、 窃 盗、 全 国禁 酒 法 違 反、 記 録 の改 竄 、 共 同 謀 議 、 偽 金 造 り、 偽 証 ﹂ そ の 他 の正当 な 理 由 で、 一 六〇 四人 の 捜 査 官 が 解 雇 さ れ た ( や 箋 ) し 、 離 職 者 数 も = 一〇 〇 〇 人 に 達 し た ( こ の 数 も 異 常 に多 い                                                   ゆ し、 密 造 酒 組 織 に ﹁ 転 職 ﹂ し た者 も か な り い た よう であ る) 。 こ の 間 の 任 官 者 数 は約 一 八万 人 だ っ た か ら、 ほぼ 一一 人 に 一 人 が 罪 を間 われ た こと に な る。 ま さ に、 法 治 国家 に と っ て は 危 機的 な 状況 が 進 展 し て いた 。 こ の深 刻 な事 態 も、 し か し 、 禁 酒 法支 持者 を困 惑 さ せ る こと は な か っ た。 あ る上 院 議 員 は、   ﹁ = 一人 の使 徒 の 一 人 も 道 を踏 み外 し                                 ⑳ た﹂ のだ か ら と ﹁ 理 解 ﹂ を 示 し て い る。  報 告 書 は明 白 に述 べ て は い な いが 、 禁 酒 法 の施 行 を 妨 害 し た これ ら の要 因 はす べ て、 強 力 な圧 力 団 体 と し て全 国 禁 酒 法 体 鰯 の実 現 に貢 献             ア ソ タ イ リサ ル   ソ  リ ヨ グ し た禁 酒 組 織 、 反 酒 場 連 盟 ( A S L) の主 張 や要 求 に ょ るも のだ っ た。   ﹁ 長 年 、 酒 類 企 業 を 扱 っ てき た﹂ こと を理 由 に、 財 務 省 に禁 酒 局 を設 置 す る こと を主 張 し、 司 法 省 へ のそ の移 管 に最 後 ま で反 対 し た の は、 禁 酒 局 を公 務 員 法 か ら除 外 し ( 縁 故 採 用 の対 象 と し) た の は、 禁 酒法 施 行 の 年 間 予算 は 五 百 万 ド ルで十 分 と議 会 に 保 証 し、 結 果 と し て、 貧 弱 な と し か形 容 し よ う のな い 組 織 を押 し つけ た の は、 そ し て、 禁 酒 法 の施 行 状 況 に つ いて の 議 会 調 査 に 一 貫 し て 反対 し た の は、 いず                                    ゆ れ も AS L のリ ー ダ ⋮、 ウ ィー ラ ー だ っ た。   A SL は 、 禁 酒 法 の 有 効 性 を 狭 め る よ う な方 針 を 政 府 に求 め たと 言 え る。 な ぜ か。 一 つ に は、 憲 法 修 正 条 項 と そ れ に 基 づ く 全 国法 が 遵守                                                   ゆ さ れ な いわ け が な いと いう 思 い込 みが あ っ たと さ れ て い る ( ℃ 誌α ) 。 委 員 会 の こ の解 釈 を 、 多 く の研 究 者 は受 け 入 れ てお り 、本 稿 も さ し あ た っ て は採 用 し て い るが 、 疑 問 は残 る。 禁 酒 運 動 は、 奴 隷 制 廃 止 運 動 を モ デ ルに し て い た か ら、 憲 法 修 正第 一 四条 が 狭 く 解 釈 さ れ 、 黒 人 の 公 民権 が 剥 奪 さ れ て い っ た経 過 が 認 識 され て い な か っ たと は思 え ず 、 憲 法 修 正第 一 八 条 の 行 く末 に楽 天的 に な れ た はず が な い。 A S Lが 行 政 ・ 立 法 に 介 入 し た のは、 禁 酒法 の 施 行 に は、 自 ら の影 響 力 の行 使 が                                         の 不 可 欠 であ ると 判 断 し た か ら で はな いだ ろう か。

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蕁 ア メ リカ禁 酒 法 の施 行 状 況   この点 に つい て は、 十 分 な根 拠 が あ るわ け で は な い の で、 一つの可 能 性 と し て お く し か な い し、 な に よ り、 楽 観 論 と いう 説 明 を採 用 す れ ば 、 A S L に よ る低 額 の予 算 要 求 は理 解 し やす く な る。 も ち ろ ん、 酒 税 が 消 滅 し て し ま っ た以 上 、 巨 額 予算 の要 求 は、 偉 大 な道 徳 的 達 成 だ っ た禁 酒 法 の 威 信 を傷 つけ る だ け で な く、 反 対 派 を勢 いづ け る こと に                             ゆ も な る と の現実 的 な 判 断 も あ っ た。 あ る いは、 憲 法 修 正条 項 の成 立 だ け で 目 的 が達 成 さ れ た と す る、   ﹁ 象 徴 的 十 字 軍﹂ と いう解 釈 も、 依 然 と し て有 効 性 を 主張 で き る か も し れ な い 。 い ず れ に せ よ、 禁 酒法 施 行                                                       が 最 初 か ら 大 き す ぎ る 不 利 を 負 わ さ れ て いた の は 事 実 で あ る。   質 量 と も に貧 弱 な 取 締体 制 は 、 私 宅 への 違 法 な 侵 入 や 市 民 に 対 す る 発 砲 、 不 十 分 な 証 拠 に基づ く 逮 捕 や 令 状 な し の捜 索 と 押 収 を も た ら し た。 当 然 な が ら、 そ れ ら は、 裁 判 のあ り 様 や 行方 に 影 響 を 与 え る。 施 行 開 始 直 後 から、 禁 酒 局 長 に ょ る逮 捕 令 状 の発 効 の拒 絶、 裁 判 所 に ょ る起 訴 の却 下 が 生 じ て い た。   ﹁ 禁 酒 法 取 締 官 は、 慎 重 に 重 要 な裁 判 を 準 備 でき るだ け の ︹ よ り 少 な く 確 実 な ︺事 件 を 地方 検 事 に も た ら す よ り、 多 く の逮 捕 や 押 収 を 行 う こと に関 心 を 払 っ て い た﹂   ( や 濠 ) 。 そ の た め、 連 邦 判 事 と 地 方 検 事 は、 現 場 の取 締 官 への不 信 を募 ら せ た。 裁 判 件 数 そ のも のが 激 増 し た の は、 言 う ま でも な い。 こう し て、 まず い発 端 は、 そ の後 の施 行 に悪 影 響 を 与 え 続 け る こと にな っ た。   次 章 で触 れ る連 邦 と 州 と の共 同 の権 限 も 、 裁 判 に悪 影 響 を 与 え る。 か つて、 軽 微 な ( 刑 事 ) 事 件 を 処 理 す る警 察 裁 判 所 の管 轄 下 に あ っ た 事 件 が 、 重 要 な訴 訟 を 担 当 す る連 邦 裁 判 所 に移 さ れ た 。 施 行 から の五 年 間 で、 連 邦 裁 判 所 で の禁 酒 法 関 係 の起 訴 件 数 は七 倍 に な り、 一 九 三 〇 年 に結 審 し た 禁 酒 法 関 連 件 数 は、 一 九 一 四年 に 審 理 さ れ た 連 邦 の全 起 訴 件 数 の 八倍 近 く に増 加 し て い た。 こ の結 果 、 裁 判 所 は過 密 状 態 に 陥 り、 地 方 検 事 は被 告 人 と の取 引 を 迫 られ る こと に な っ た。 後 者 が 軽 微 な違 反 に対 し て有 罪 を 申 し 立 て、 軽 い処 罰 に処 せら れ ると いう も の であ る ( や α ① ) 。   一 九 三〇 会 計年 度 に は、 有 罪 判 決 の九 分 の 八ま でが                                                         ⑳ こ の制 度 に よ るも のに な り、 懲 罰 は有 名 無 実 な も の にな っ て いた 。   有 罪 の申 し 立 て の横 行 と 軽 い処 罰 は、 連 邦 裁 判 所 の威 信 と 告 発 ( さ れ る こと ) や 有 罪 判 決 の意 味 を 低 下 さ せ、 結 果 と し て、 人 び と に禁 酒 法 違 反 を 些 細 な 事 柄 と 認 識 さ せ たし 、 違 反 を煽 っ た可 能 性 さ え あ る。 連 邦 裁 判 所 の威 信 低 下 を も たら し た の は、 こ の よう な 一 連 の展 開 だ け で は な い。 か つて、 そ れ は、 刑 事 裁 判 遂 行 の効 率 と 迅 速 と に よ っ て、 人 び と の ﹁ 健 全 な畏 れ と 尊 敬 ﹂ を 得 て い た。   ﹁ 時 と し て、 州 裁 判 所 に は わず か な敬 意 し か払 わ な い職 業 的 犯 罪 者 も 、 連 邦 裁 判 所 の管 轄 権 に は 入 ら な いよう 慎 重 に行 動 し た﹂ 。 し かし、 禁 酒 法 関 連 裁 判 に忙 殺 さ れ て いる現 状 に ょ っ て、 そ の威 信 は傷 つ け られ 、 尊 敬 は失 わ れ つ つ あ る ( ℃ ° α ① ) 。   裁 判運 営 全体 への 悪 影 響 も 無 視 でき な い。 連 邦 と 州 の検 事 は ﹁ 禁 酒 法 に し か関 心 を も た な い組 織 の圧力 の下 に任 命 さ れ 、 選 出 さ れ ﹂ て お り、 そ の 仕 事 は ﹁ 酒 類 事 件 に おけ る熱 意 と いう 観 点 から の み評 価 さ れ た﹂ 。 判 事 も ま っ たく 同 様 の圧 力 と 評 価 に晒 さ れ、   ﹁ 民事 事 件 は し ば しば 遅 滞 し、 妨 害 さ れ た﹂ 。  ﹁ 熱 心 な 組 織 ﹂ は、 判 事 の任 命 、 政 策 、 裁 判方 針 を 指 図 ・ 命 令 し よ う と し て、   ﹁ そ の 法 律 が 発 効 し たと き のそ の他 の不 幸 な 条 件 を 悪 化 さ せ、 粗 野 な 施 行 方 法 を も た ら し た﹂   ( 梦 α 刈 ) 。 名 指 し さ れ て は いな いが、   ﹁ 熱 心 な組 織 ﹂ が A S L であ る こと は明 白 であ る。 確 か に、 同 組 織 に は、 禁 酒 法 の劣 悪 な 施 行 に関 す る責 41

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史 窓 任 の 一 端 が あ った 。

 共

  ウ ィカ シ ャ ム委 員会 は、 制 度 上 の問 題 点 を い ろ い ろ 指 摘 し て い る が、 裁 判所 の混雑 や行 政 機 関 の権 限 ・ 責 任 の重 複 以 上 に重 視 さ れ て い た のが、 連 邦 と諸 州 と の協 力 関 係 だ っ た。 たと え ば、 そ の発 展が 大戦 中 に 大 き な弾 み を得 、 全 国 禁 酒 法 時 代 に急 速 に普 及 し た 自 動車 に つ い て、 諸 州 の 中 に は、 自 動 車 捜 索 に関 す る広 範 な 権 限 を警 察 に与 え て い る も のもあ ると し たう え で、 委 員 会 は断 じ て いる。 連 邦 の 施 行 と 州 の 施 行 は、 人 び と の理 解 で は切 り 離 さ れ て いな いか ら、   ﹁ そ れ ら は、 一 つ の シ ステ ムの ︹ 二 つの︺ 部 分 と 見 な さ れ て いる。 い く つか の管 轄 区 域 で の州 に ょ る施 行 の劣 悪 な特 徴 は 、 人 び と の 認 識 に お い て は全 国 禁 酒 法 に帰 せら れ て い る ﹂ と ( b ℃ ° ω Oo l Go ⑩ ) 。   大 統 領 の命 に よ って 、 全国 禁 酒法 の 施 行 状 況 の調 査 を 目 的 と し て組 織 さ れ た 調 査 機 関 だ っ た に せ よ、 州 の 施 行 が まず い の は仕 方 な いし、 そ れ はあ く ま で州 の 責 任 であ り、 連 邦 政 府 の関 知 す ると こ ろ で はな い と 言 わ ん ば か り の こ の 表 現 は、 い か にも 無 責 任 な 、 責 任 転 嫁 の弁 に 思 え る 。 し かし そ れ は、 州 が そ の 義 務 を果 た し て いな い こと への苛 立 ち の表 明 だ っ た。 そ の こ と は、 ハ ーデ ィ ン グ ( 二 二年 = 一月 、 二三年 五 月 と 六月 ) や ク ー リ ヅジ ( 二 三年 一 〇 月 と 一 二月 、 二五 年 五 月 と 一二 月 、  二六年 、   二七年 、   二 八年 の いず れ も = 一月 ) に よ って 、 繰 り 返                                              ⑳ し、 州 の 効 率 的 な支 援 を求 め る声 明 が 出 さ れ て い る こと にも 窺 え る。   諸 州 の 全 国 禁 酒 法 実 施 への取 組 み は、 ど のよ う な も のだ っ た のか。 憲 法 修 正第 一 八条 が 採 択 さ れ た と き 、 三 三 州 が 憲 法 や 制 定 法 に ょ っ て 禁 酒 を 施 行 し て いた 。 さ ら に 、 そ の確 定 後 に は 一 二州が 新 た に州 禁 酒 法 を 制 定 し、 一 八 州が 全国 禁 酒法 にあ わ せ て従 来 の法 律 を 補 足 し た り 、 修 正 し た りし て いる ( 娼 ゜ 0 ) 。 憲 法 修 正 第 一 八 条 が 最 終 的 に 四 六 州 に よ っ て 批 准 さ れ た こと と 重 ね合 わ せれ ば 、 諸 州 は全 国 禁 酒 法 の施 行 に な み な み な ら ぬ熱 意 を も っ て い た よう に思 え る。 し か し、 そ の ﹁ 熱 意﹂ は、 法 律 の制 定 や改 訂 の作 業 を終 え た時 点 で、 消 滅 し てし ま            ⑳ っ た よ う であ る。   そ の理由 は、 連 邦 と 州 の共 同 の権 限 規 定 にあ っ たが 、 ま ず 州 に よ る 施 行 の 実 態 を確 認 し て お か ねば なら な い。 報 告 書 は、 諸 州 を 四 つ の集 団 に分 類 し、 それ ぞ れ に つい て評 価 を 行 っ て い る ( 具 体 的 な 州 名 が ほ と んど あ げ られ て い な い の は、 必 要 な 配 慮 だ っ た ろう が、 史 料 と し て の有 効 性 を狭 め て い る) 。 四 つ の 集 団 と は、 ω 全 国 禁 酒 法 以前 に禁 酒 法 が 成 立 し て おり 、 世 論 が 州 によ る 施 行 と 連 邦 政 府 と の 協 力 を要 求 し て い た州 、 ② 全 国 禁 酒 法 以 前 に 禁 酒 法 が 成 立 し て いたが 、 世 論 が 消 極 的 だ っ た州 、 ㈲ 全 国 禁 酒 法 以前 に は 禁 酒 法 を制 定 し て い な か っ たが 、 そ の後 に禁 酒 法 を 採 択 し た 州、 ω 全 国禁 酒法 以 前 に も以 後 にも 州 法 を も たな か っ た 州 であ る ( ℃ ℃ ﹄ O ム G。 ) 。   ω の集 団 が も っ と も 積 極 的 で熱 心 だ っ た と 期 待 さ れ るが 、 必ず しも そ う で はな い。 た と え ば ヴ ァ ー ジ ニア州 は、 一 九 一 四年 か ら厳 格 な禁 酒 法 を 施 行 し てき た が、 そ の 都 市 部 で は逮 捕 件数 ・ 流 通 す る酒 類 の量                ⑳ と も に増 大 し て いた。 半 世 紀 以 上 に わ た る禁 酒州 だ った カ ン ザ ス で も 、 主 要 都 市 を 含 む 郡 部 で は ﹁ 劣 悪 ﹂ な いし せ いぜ い ﹁ か な り良 い ﹂ であ り、 依 存 症 な ど ア ル コ ー ルに 帰 せ ら れ る 死 亡 率 も、 一 九 一 七 ∼ 二 〇 年 に は非 常 に低 下 し た も の の 、 そ れ以 後 は 一 七年 の水 準 に戻 っ て し

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ア メ リカ禁 酒 法 の 施 行状 況                       ⑫ ま っ た こと が 確 認 さ れ て い る 。 ② の タイプ の 州 で は、 状 態 は よ り 不満 足 なも の で、 全 国 禁 酒 法 以前 の施 行努 力 の ﹁ 少 な く と も か な り の 部 分 を放 棄 す る傾 向 ﹂ が増 大 し て いる ( ℃ ° 今 ) 。   ③ のグ ル ープ でも 同 様 の趨勢 が 認 め ら れ、 全 体 と し て ﹁ 州 に ょ る施 行 は、 当 初 と 比 べ て は っ き り と 消 極 的 にな っ て いる﹂  ( ℃ °懸 ) 。 ω の タイ プ の州 で は 、 禁 酒 法 施 行 に関 わ る 全責 任 が 連 邦 政 府 に託 され て い る こと は、 言 う ま でも な い 。 委 員 会 が 下 す 結論 は、 と り わけ 近 年 に な っ て、 連 邦 政 府 に施 行 の負 担 を負 わ せ る 傾 向が 成 長 し て お り、 施 行 が 順 調 に なさ れ て い る の は 、 全 国 禁 酒 法 以前 に、 か な り長 期 に わ た っ て 禁 酒 を実 施 し てき た州 の、 し かも 農 村 的 な 地 域 に お いて だ け であ ると い うも のだ っ た ( 梦 醤 ) 。 言 い 換 え れば 、 ど の集 団 の州 にお いて も、 都 市 部 に おけ る積 極 的 ・ 消 極 的 な 禁 酒 法 反 対 の態 度 が 確 認 さ れ、 憂 慮 さ れ て い るが 、 こ の問 題 に つい て は こ こ で は取 り 上げ な い 。   州 に よ る連 邦 政 府 へ の 一 任 を 生 み出 し た の は 、 憲 法 修 正第 一 八条 第 二 節 の規 定 であ る。 そ こ に は、   ﹁ 連 邦 議 会 と各 州 と は 、 適 切 な 立 法 に よ っ て こ の条 項 を施 行 す る共 同 の権 限 を も つ ﹂ と 規 定 さ れ て いた。 こ の 規 定 を 遵守 す る か し な い か の決 定 は、 各 州 の専 権 事 項 だ っ た し、 そ の結果 が ど の よ う なも の に な っ た か は、 上 述 の通 り であ る。 現 実 に は 、 隣 接 し あ う複 数 の 州 の間 で施 行 の度 合 いが 異 な る こ と も あ っ た ( や α α ) か ら、 人 び と の不満 は い っ そ う募 っ た。 な ぜ こ の 規 定 が 憲 法 修 正 第 一 八 条 に 盛 り込 ま れ た のか、 なぜ こ の規 定 はう まく 機 能 し な か っ た のだ ろ う か。 そ も そ も こ の条 項 は原 案 に は なく 、 下 院 司法 委 員                              ⑬ 会 で擬 案 さ れ、 付 加 さ れ た も のだ っ た。   こ の条 項 は 、 連 邦 政 府 を 重 い経済 的 負 担 か ら解 放 す る も のであ り、 他方 で、 伝 統的 州 権 論 に配 慮 し た も の だ っ た。 南 部 を中 心と す る 旧弊 な 民 主党 議 員 の 憲 法 修 正第 一 八条 へ の反 対 は、 根 強 か っ た。 ア ラバ マ 州 選 出 の ヘブリ ン下院 議 員 は述 べ て い る。   ﹁ 皆 さ ん、 わ れ わ れ は、 そ の行使 な し に は、 合 衆 国 のど の州 に お い ても 禁 酒 法 を も ちえ な いあ の 自 治権 を諸 州 か ら奪 い、 そう す る こと に よ っ て、 諸 州 が 自 州 内 の事 柄 を 統 制 す る権 利 と 権 限 を永 久 に放 棄 し よう と し て い る の でし ょう か﹂ 。 州 は、 こ の 種 の 純 粋 に州 内 的 問 題 を解 決 す る た め の自 然 な 単 位 で あ り、 全 国 的 に 一 律 な体 制 を強 行 す れば 、 公 然 た る抵 抗 を招 く 可 能 性 が あ ると の信 念 が こ こに は表 明 さ れ て い た。   こ の提 案 の 本 来 的 な趣 旨 は、 こ の よう な反 対 を抑 え る こと 、 諸 州 が 独 自 の立 法 を 施 行 す る のを妨 げ な い で、 し かも 、 連 邦 へ の積 極 的 な協 力 を 可 能 にす る こと に あ っ た。 し か し、 ひ と た び制 定 され 施 行 され る と 、 新 し い意 味 を帯 び る。 憲 法 修 正第 一 八条 は、 諸 州 に共 同 の権 限 を 認 め る こと で 、 同 時 に、   ﹁ 連 邦 政 府 の 同 等 のパ ー ト ナ ー﹂ と し て の地 位 と ﹁ 法 的 にも 道 義 的 に も、 そ の 施 行 に 関 す る 同 等 の 責 任 を与 え た﹂ と 解 釈 さ れ 始 め る 。   こ の解 釈 は、 法 的 に は合 理 的 なも のだ っ た が 、 ﹁ 効 率 的 な 州 の協 力 の重 要 性 ﹂ を 十 分 に は認 識 し て は いな か っ た。 い ざ 全 国 禁 酒 法 が 実 施 さ れ 、 州 の非 協 力 的 な 姿 勢 が 明 ら か に な る と、 連 邦 に は、 そ の行 動 を 指 図 す る権 限 が な い以 上 、 解 決 困 難 な 問 題 が 出 来                す る こと に な っ た。   こ の 間 の 経 緯 を大 ま か に眺 めれ ば 、 以 下 の よう にな ろう 。 一 九 世 紀 半 ば 以 降 、 禁 酒 法 は州 レベ ルで制 定 され 、 施 行 され てき た。 し かし 、 州 際 通 商 法 の 制 定 ( 一 八 八七 年 ) が 事 態 を複 雑 にす る。 州 際 通 商 に ょ っ て運 搬 さ れ る商 品 は、 酒 類 を含 め て、 州 の 管 轄 権 か ら除 外 され て し 43

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窓 史       オ リ ジ ナ ル  バ ツ ケ セ ジ ま っ た。 原   梱   包 で荷 受 人 に届 け ら れ る酒 類 は、 州 政 府 が 手 出 し で き な い商 品 にな り 、 州 禁 酒 法 が 実 質 的 に骨 抜 き にさ れ てし ま っ た 。 禁 酒 派 は、 地 域 的 な 禁 酒 を 可能 にす るた め いく つか の連 邦 法 を 制 定 す る が 、 いず れ も 連 邦 最 高 裁 に よ っ て挫 かれ て し まう 。 一 九 一 三年 に、 当 該 州 の法 律 に違 反 し て酒 類 を 輸 送 す る こと を 禁 じ るウ ェッ ブ ・ ケ ニ ヨ                                                 ⑯ ン 法 が 制 定 され た の は、 そ のよ う な文 脈 に お い てだ っ た。   少 な く と も こ の時点 ま で、 禁 酒 法 運 動 は 、 州 レベ ルで の 法 施 行 を確 実 にす る こ と を目 指 し て いた。 憲 法 修 正第 一 八条 も 、 そ の よう な立 法 活 動 の 延 長線 上 に構 想 さ れ た のか ど う か は、 ま だ検 討 を要 す る課 題 だ が 、 ウ ェ ッ ブ ・ ケ ニヨ ン 法 の 合 憲 性 が 疑 問 視 され て い た事 実 は、 そ の 可能 性 を 仄 め かす も のだ ろう。 さ ら に、 報 告 書 に も、 それ を示 唆 す る 指 摘 が 散 見 さ れ る 。 酒 類 統 制 に関 す る ﹁ 諸 州 の シ ステ ムを保 護 す る に は、 つね に連 邦 の行 動 が 必要 と な ろう ﹂   ( ℃ 為 O ) 。 全国 禁 酒法 以 前 、 不十 分 な連 邦 権 限 で は、 州 外 から の侵 入 から禁 酒 州 を 防 衛 でき な か っ た から 、 そ の ﹁ 禁 酒 ( 法 ) を保 護 でき る 連 邦権 限 の明 確 な 保 証 条 項 が 、 憲 法 に盛 られ るべ き であ る﹂  ( ℃ ° 頴 ① ) 。   禁 酒 ( 法 ) 運 動 史 に おけ る憲 法 修 正 第 一 八条 の意 義 や意 味 は 、 州 レ ベ ルの法 律 の施 行 と いう 観 点 か らも 検 討 され る べき こと を、 さ しあ た り確 認 し て お い て、 上 述 し た運 動 の展 開 が も たら し た事 態 に議 論 を 絞 ろ う。 と く に 注 目 す べき は、 州 法 の 効 力 を保 証 す る た め に連 邦 法 が 動 員 さ れ た経 緯 が 、 為 政 者 、 官 僚 、 一 般 市 民 を問 わず 、 人 び と の記 憶 に 鮮 明 だ っ た ろ う と いう こと であ る。 本 来 的 に は州 法 を よ り完 全 に実 現 す る た め の 連 邦 法 だ っ た のだ か ら、 州 が 相 応 の義 務 を担 う べき であ る と の主 張 の出 現 は、 必 然的 な運 びだ っ た。 それ が 、 全 国禁 酒法 体 制 下 に お い て、 説 得 力 あ る主 張 だ っ た かど う か は別 に し ても 。   共 同 の権 限 を めぐ る 議 論 の 背 景 に は 、 既 述 のよ う に、 憲 法∵ 連 邦 法 はそ の権 威 に ょ って自 動 的 に 遵 守 さ れ よ う と の 、 ア メリ カ人 の 法 律 観 が あ っ た と さ れ て い る 。   ﹁ 憲 法 修 正 条 項 と、 連 邦 政 府 を 全国 禁 酒 法 の 側 に置 い た連 邦法 と は 、 そ れ自 身 で、 そ の 法 律 を効 率 的 にす る よう 働 く と 期 待 さ れ て いた よ う に思 え る﹂ と 報 告 書 も 指 摘 す る 。 確 か に 当 初 、 こ の期 待 は正 当 だ っ た よう に 見 え たが 、   ﹁ すぐ に、 一 九 一 = 年 以 後 、 顕 著 な 変 化 が 生 じ た。 か つ て考 え ら れ て いた よ り も、 違 反が は る か に容 易 であ り、 施 行 が は る か に 困難 であ る こと ﹂閏 が 判 明 し た ( 娼 ゜ 齢 ) 。 憲 法 修 正 第 一 八 条 の 権 威 の短 命 の 一 因 に、 共 同 の 権 限 条 項 が あ っ たと いう のが 委 員 会 の考 え であ る 。   理論 的 に は必 然 だ っ た かも し れ な いが 、熟 慮 さ れ た も ので は なく 、 現 実 的 なも の で は決 し て な か っ た連 邦 と 州 の共 同 の 権 限 は 、法 施 行 に と っ て は最 悪 の結 果 、両 者 の間 で の責 任 のな す り 合 いを も た ら し て い た 。 全 国禁 酒 法 の施 行 を めぐ る困 難 は、 全 国 政 府 と 州 政 府 が ﹁ 共 同的 に行動 す べ き とす るそ の憲 法 修 正 条 項 の考 え 方 に、 本 来 的 に備 わ っ て いた ﹂ ( や α ω ) 。 そ の困 難 は容 易 に は 克 服 で き な いと い う のが委 員会 の結 論 であ る 。 そ の 議 論 の展 開 は錯 綜 し て い る の で 、筆 者 な り にま と めて み る と 以 下 のよ う にな る 。 共 同 の 権 限 を実 効 あ るも の にす る た め の対 処 、 連 邦 警 察 力 の 強 化 や連 邦 と州 の関 係 の整 備 は いず れ も 困 難 で あ る。 そ れ ゆ え 議 会 の行 動 ( 立 法 ) と 世 論 の 喚 起 が 不 可欠 であ る。 以 下 、順 を 追 っ て 検 討 し て ゆ く 。   連 邦警 察 の 強 化 は非 現 実 的 だ った。 効 率 的 な 施 行 だ け を 考 慮 す れ ば

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萋 蒹 ア メ リカ禁 酒 法 の施 行 状 況 有 望 だが 、  ﹁ ア メリ カ人 は、 過 度 な 集 権 化 に対 し て ⋮ ⋮伝 統 的 敵 意 を 抱 いて いる。 ど のよ う な も の であ れ 、 相 当 程 度 の連 邦 の捜 査 権 行 使 は、 わ が 国 の 憲 法 の 全 般 的 な精 神 と 完 全 に対 立 す る﹂ 。 そ のよ う な組 織 が あ らゆ る地 域 共 同 体 に入 り 込 め る と いう 可能 性 には 、 ﹁ 心穏 や か な ら ざ るも の も あ る﹂ ( や ① 心 ) 。 実 際 、   一 九 二 六年 、 ク ー リ ッ ジ大 統 領が 、連 邦 、州 、 自 治 体 の警 官 を ﹁ 名 目 だ け の 報 酬 で財 務 省 ︹禁 酒 局 ︺ 取 締官 に﹂ 任 命 し、 全 国 禁 酒 法 施 行 にあ た る地 域 の警 官 に 、連 邦 権 限 を与 え ると す る行 政 命 令 を 出 し た と き の 反 応 は 凄 ま じ か っ た。 ﹁ 危 険 な 命 令 ﹂ 、 ﹁ わ が 国 政 体 を 根 本 的 にし か も 即刻 に変 化 さ せ る﹂ 政                                                         策 と し て厳 し い非 難 を 受 け て 、 実 施 を 断念 せ ざ る を え なく な っ た。   連 邦 と 州 の関 係 の調 整 に は、ω 両 者 の 自 発 的 な協 力 、② 両 者 の間 で の自 発 的 な 権 限 分 割 、③ 諸 州 への (一 部 )連 邦 権 限 の譲 渡 と いう 具 体 的 な 選 択 肢 が あ っ た 。 他 地 域 の行動 理念 と生 活 方 法 が 強 制 さ れ たと 憤 る地 域 が 現 に 存 在 す る ( ℃ ° α 。。 )以 上 、ω に は可 能 性 が な い。 そ の こと は、 な によ り これ ま で の経験 が 証 明 し て い る。 ② の計 画 は、 わ が 国 の 伝 統 によ っ て 実 現 が 困 難 であ る 。そ れ は 、 ﹁ 連 邦 法 施 行 の 手 段 と し て 、 州 政 府 と 州 裁判 所 が 公式 に 利 用 でき る﹂ と の建 国 当 初 の構 想 が う ま く ゆ かず 、連 邦 の行政 機 関 を設 立 す る必 要 が 生 じ た こと に明 白 で あ る 。   二 四 〇年 にお よ ぶ 二重 政 府 体 制 下 で の全 国 法 の施 行 の経 験 は 、 こ の 一 〇年 間 に繰 り返 され てL き た ( ℃ ° α ω ) 。   ③ も推 奨 で き な い。 具 体 的 に は これ は、 輸 入 ・ 州 際 通 商 ・ 大 規 模 な 違 法 行為 ( 製 造 ・ 取 引 ) は連 邦 に 、憲 法 修 正 第 一 八 条 以 前 に諸 州 に属 し て いた事 柄 は諸 州 にと いう 形 で、 管 轄 領 域 を 分 割 す る も ので あ る 。 これが 採 用 でき な い の は、 ﹁ 共 同 の権 限 と いう 方針 を断 念 ﹂ し ( 明 ら か に、 こ の指 摘 は他 の箇 所 で の 勧 告 と矛 盾 し て い る) 、 無 関 心 な諸 州 にお け る禁 酒 法 の 実 施 を断 念 す る実 施 拒 否 に相 当 し 、 場 合 に よ っ て は、連 邦 権限 の 不 当 な介 入 を 招 く から であ る ( ℃ ° ① ω ) 。 さ ら に ﹁ ア メ リ カ の経済 的 統 一 、輸 送 手 段 の発 達 、産 業 状 況 、 生 活 のあ ら ゆ る 面 で の 機 械 の全 般 的使 用 に 鑑 みれ ば 、憲 法 修 正 第 一 八 条 から 完 全 に撤 退 す る のは 不 可能 であ る﹂ ( ℃ 気 O ) 。   ﹁ 共 同 の 権 限 に 関 す る規 程 を 除 去 す る のが 賢 明 な こと ﹂ ( や ○。 N ) と 結 論 す る委 員 会 は 、議 会 の行 為 に ついて 、 批 判 め いた 発 言 を 直 接 に行 っ て は いな い が 、満 足 し て い たわ け で は決 して な い。   ﹁ 結 論 と 勧 告 ﹂ は 、議 会 の 責 任 を 指 摘 し て い る。 そ れ は、 憲 法 修 正 第 一 八 条 が 改 訂 さ れ る な らと いう 条 件 下 に提 示 さ れ た、 現 行 の第 一 節 の修 正案 に看 取 で き る。   ﹁ 議 会 は 、合 衆 国 お よび そ の管 轄 内 にあ る す べ て の領 土 にお け                               ト ラ フ イ ツ ク る飲 用 目的 で の酩 酊 性 酒 類 の製 造 、 売 買 、 あ る いは 輸 送 、 そ の輸 入 と 輸 出 を 規 制 し たり 禁 止 す る 権 限 をも つ も の とす る ﹂   ( b ° ○。 蔭 ) 。 販 売 の代 わ り に売 買 が 規 制 ・ 禁 止 の対 象 と さ れ 、議 会 が 主語 と さ れ 、結 果 的 に第 二節 が 抹 消 さ れ て いる 。委 員 会 は 、 共 同 の権 限 を 楯 にし た議 会 の無 為 を 批 判 し て いた 。   マ1 ツ に よれ ば 、 憲 法 修 正 第 二 八条 の原案 を 通 過 さ せ た のも 、議 会 の無 為 だ っ た 。 議 員 た ち は 、 一 世代 以 上 にわ た っ て禁 酒関 連 問題 ( 酒 の広 告 の郵 送 を 禁 止 す る 法案 、 酒 類 の 州 際 通商 を禁 止す る法 案 、軍 隊 駐 屯 地 ・ 首 都 そ の他 で の禁 酒 法案 な ど ) に悩 ま さ れ て き た 。反 対 す れ ば 、 強 力 な 圧 力 団 体 のA S L に報復 さ れ 、次 回 の選 挙 で猛 烈 な再 選 阻 止 の運 動 に直 面 す る こと にな り 、賛 成 す れ ば 業 界 か ら の 抗 議 を 受 け る。 い い かげ んう んざ り し た彼 ら の中 に は、 これ 以 上 、 煩 わ さ れ た く 45

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史 窓 な いと いう 理 由 で賛 成 票 を投 じ た者 も い た。 人 民 の判 断 に委 ね た いと                                                       ⑳ の ハ ーデ ィ ング の発 言 は 、そ の よう な 感 情 を よく 表 明 し て いた 。   こ の観 察 が 正 し いと す れ ば 、代 議 制 民 主 主 義 が 危 機 に 直 面 し て いた こ と 、少 なく とも 、圧 力 団 体 政 治 の弊 害 が 見 て 取 れ る 。圧 倒 的 な集 票 力 を誇 る組 織 を前 に し て 、議 員 たち は、 自 分 の良 識 ・ 判 断 や時 には 国 益 を犠 牲 に し て ま で 、そ の要 求 に従 わざ るを え な く な る ( こ の 点 に つ い て は 、 A S L にも 言 い分 はあ った はず で、 国 民 の過 半数 に 支 持 され て い る と反 論 し た だ ろう ) 。 あ る い は、 問 題 の解 決 を 立 法 によ っ て行 い、 そ の 合憲 ・ 違 憲 の判 断 は連 邦 最 高 裁 に委 ね ると いう 、革 新 主義 に 特 徴 的 な傾 向 が こ こ にも 認 めら れ よう か。 そ う であ っ た のな ら 、禁 酒 が 制 定 法 で は なく 憲 法 修 正 条 項 に よ って定 めら れ た こと が 、あ ま り に も 軽 視 され て い たと 断 じ る し かな い。   マー ツ の指 摘 が 正 しく 、 憲 法 修 正 第 一 八条 の通 過が 、議 会 の 判 断 放 棄 の結 果 だ っ た のな ら 、禁 酒 法 時 代 を 通 じ て そ の無 為 は、 む し ろ必 然 だ っ た こ と に な る。 連 邦 警 察 権 限 の介 入 は、当 時 の 状 況 か ら し て不 可 能 だ っ た と し ても 、州 の責 任 は何 か、諸 州 が何 も し な い場 合 、連 邦 政 府 は どう す べき か つい て、 議 会 に は検 討 す る資 格 と 義 務 が あ っ た 。議 員 た ち の多 く が 、憲 法 修 正 第 一 八 条 の成 立 によ っ て義 務 を果 た し た と 考 え て い た と し ても 、少 な く と も 、 ﹁ 共 同 の権 限 ﹂条 項 を付 加 し た責 任 はあ っ た はず であ る。 し か し瑣 末 な 法 律 の制 定 や 罰 則条 項 の 強 化 以                                       ゆ 外 、 これ と い った立 法 活 動 はな さ れ て いな い。   最 大 の 理 由 は 、 A S Lを はじ めと す る 禁 酒 組織 の 対 応 に あ っ た。 そ れ ま で禁 酒 法 制 定 を 求 め て議会 を 責 め 立 て て き た禁 酒組 織 は 、 な に ょ り 、実 質 的 な施 行 の た め の徹 底 的 な 行動 を 求 め るあ ま り 、新 たな 反 対 派 を 作 り 出 す こと を 回 避 し な け れば な ら な か っ た。 より 厳 格 な 施 行 の 要 求 は、 禁 酒法 が 機 能 し て い な い こと の公 認 に他 な ら な い。 そ れ は 、 禁 酒 体制 の 賢 明 さ を疑 問 視 さ せ る こと にな る。 AS Lが 禁 酒 法 の施 行 状 態 に つい て の調 査 に 一 貫 し て反 対 し た の は、 そ のよ う な判 断 に基 づ いて のこ と だ っ た。 そ の結 果 、 彼 ら は 、 議 会 の 無 為 を黙 認 し 、 行動 ( 瑣末 な 立法 行為 ) を 称 賛 せざ るを え な いと いう 自 己 矛 盾 に 陥 っ た 。 議 会 は 、言 う ま でも な く 、 ﹁ 戦 闘 的 な 禁 酒 派 のか く も も のわ か り の良                ゆ い 雰 囲気 を歓 迎 し た﹂ 。   委員 会 は 、繰 り返 し 、禁 酒 に好 意 的 な 世 論 醸 成 の必 要 を も指 摘 し て いる 。 ア メリ カ の政 府 は世 論 に立 脚 す る 政 府 だ か ら 、  ﹁ 通常 は 遵法 的 な 人 び と の世論 を反 映 し た り 、そ の表 現 であ る ﹂ 法 律 し か 遵守 さ れ な いし 、 施 行 でき な い ( ℃ ﹄ ㊤ ) 。 大 多 数 の人 び と によ っ て 自 発 的 に 遵 守 さ れ る法 律 し か 、残 り の人 び と に強 制 でき な い。 そ の こと は 、禁 酒法 を麻 薬 取 締法 と比 較 し て みれ ば 、 一 目 瞭 然 であ る 。 後 者 の 違 反 も莫 大 な利 益 を も た らす し 、麻 薬 の捜 索 ・ 押 収 は酒 類 のそ れ よ り も 困 難 だ か ら 、 犯 罪者 には大 き な 誘 因 を与 え て い る。 し か し 、 麻 薬 取 締法 は 、 ﹁ 全 般 的 で決 然 た る世 論 に支 え ら れ て いる から ﹂ う ま く機 能 し て い る ( ℃り ゜ 刈 ⑩ー cQ O )。   個 人的 な生 活 や習 慣 に直 接 関 わ る 飲 ( 禁 ) 酒 問 題 の 受 け と め方 は 、 地域 的 な多 様 性が 大 き い の に、 熱 狂 的 な 組 織 や 運動 によ っ て 、全 国的 に斉 一 的 な法 律 が いき な り 制 定 さ れ て し ま っ た 。 こ のよう に把 握 す る 委 員 会 は 、 こ こ でも A S L に対 し て 批 判 的 で あ る 。 そ れ は 、以 下 の よ う な指 摘 に は っ き り と 示 さ れ て いよ う 。世 論 の改 善 は 主 と し て教 育 に よ ら ねば なら な い。 教 育 によ っ て 、全 国禁 酒法 への憤 り の原 因 の多 く

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ア メ リカ禁 酒 法 の施 行 状 況 は除 去 さ れ る し 、 好意 的 な態 度 も育 め る。 し か し なが ら 、  ﹁ 全 国 禁 酒                                           ゆ 法 の 発 効 以 来 、 教 育 より も 強 制 が 強 調 さ れ てき た ﹂ ( や α ⑩ ) 。 し たが って、 現 状 を 鑑 み る と き 重要 な のは 、世 論 教 育 が 単 な る宣 伝 にな ら な い こ と であ る ( ℃ ° ① ⑩ ) 。   一 九 二〇 年 代 の禁 酒法 に関 す る世 論 は 、実 際 に は、 ど のよ う な状 況 にあ っ た の か。 そ の趨 勢 を 、 フー ヴ ァー大 統 領 が 結 成 し たも う 一 つ の 委員 会 、社 会 潮 流 に関 す る大 統 領 委 員 会 の研 究 成 果 であ る ﹃ 合衆 国 に お け る近 年 の社 会 潮 流 ﹄ に よ って確 認 し てお こう 。 ア メリ カ社会 の あ ら ゆ る側 面 を調 査 対 象 と し た こ の報 告 書 の第 八章 は、   ﹁ 変 化 す る社 会 的 な態 度 と関 心﹂ の検 証 を 課 題 と し て い る。 具 体 的 に は、 い く つか の 重要 な 主題 に つい て の議 論 の量 と 、 ﹁ より 根 本 的 な係 争 問題 に 関 し て 表 明 さ れ た是 認 、あ る い は否 認 ﹂ に つい て の指 標 と を 可能 な かぎ り客 観 的 に 究 明す る た め に 、代 表 的 な 総 合 雑 誌 に掲 載 さ れ た意 見 の 統 計 的           ゆ な分 析 を行 う 。   図 1 は 、  ﹃ 定 期 刊 行 物 案 内 ﹄ の索 引 に載 せら れ て いる記 事 千篇 に つ いて 、禁 酒 法 ・ 酒 類 問 題 を 扱 った論文 本 数 の 変 遷 を 示 し た も の で あ る 。 一 目瞭 然 な よう に 、 一 九〇 八年 と 二 六年 に ピ ー クが あ る ( 原著 者 は 、 一 九 一 五年 も ピ ー ク と し て い るが 、 一 九 二 三年 と 大 差 な い の で省 略 す る) 。 前 者 は 、 南 部 を中 心 と し た州 禁 酒 法 の コ 咼波 ﹂ に よ るも の で あ り 、後 者 に つい て は説 明 は な いが 、上 院 の禁 酒 法 施 行 に関 す る 調                     ゆ 査 によ る も のと思 われ る。 こ の統 計 は 一 九 二八 年 で終 わ っ て い る た め 、 そ の 後 の趨 勢 に つい て は不 明 だが 、禁 酒 法 反 対 諸 組織 の活 動 の活 発 化 、 大 恐 慌 の到来 ( によ る廃 止論 の盛 り上 が り) 、 ウ ィカ シ ャム委 員 会 の 結 成 が 、人 び と の注 目 を 集 め始 めて いた と 考 え て よ いだ ろう 。 そ の こと は 、 上昇 曲 線 で終 わ っ て いる こと から も 推 測 でき る。 図1  索 引にあげ られた論文千篇 の うち禁酒法 ・酒類問題に関    連す るものの本数

Hart,"hanging  Social  Attitudes",  p.424.

出,典   も っ と 重 要 な の は論 調 の変 化 で あ る 。 一 七種 類 の大衆 雑 誌 に つい て の調 査 に よれ ば 、 論 文 千篇 に つ いて 禁 酒 法 に好意 的 な も のと非 好意 的 な も の の本 数 は、 以 下 のよ う に 変 化 し て いる 。 一 九〇 五年 には 好意 的 な も の九 一 篇 に対 し て 、 非 好 意 的 な も の は○ 篇 だ っ た ( 以 下 、 こ の組 み合 わ せ で紹 介 す る ) が 、 一 九 一 五 年 には 四 一 六篇 と 二 二篇 、 一 九 二 〇 年 に は 三五 九 篇 と 二七 五 篇 、 一 九 三 〇 年 に は 一 七 一 篇 と 四 二 八篇 と 47

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窓 史 推 移 して いた 。 ﹁ つま り これ ら の雑 誌 に お いて 、 一 九 一 五年 か ら 一 九 三 〇年 に、禁 酒法 に好意 的 な態 度 の指 数 は半 分 以 下 に減 少 し 、 非 好 意                           的 な 態 度 は 一 九 倍 に 増 加 し た﹂ 。 世 論 の趨 勢 は、 禁 酒 法 への敵 対 を は っ き り と 示 し て いた が 、 こ の問 題 に つ いて は 、後 に立 ち戻 る こと に し た い。

酒法

  ウ ィカ シ ャム委 員 会 は、 全 国禁 酒法 体制 の合 理性 には疑 義 を投 げ か け つ つ も 、そ の廃 止 は勧 告 しな か った。議 会 に 報 告 書 を提 出 す る に際 し て の教 書 に お いて 、 フ ーヴ ァーは ﹁ 委 員 会 は圧 倒的 多 数 で ⋮ ⋮憲 法 修 正 第 一 八 条 の廃 止 を 支 持 し て は いな い﹂  ( ℃ 篇 く ) と述 べ て いる ( こ の表 現 自 体 、 かな り 奇 異 な も の で はあ る ) が 、事 実 を歪 曲 し て い た わ け で は な い。 現 状 維 持 を 望 んだ 委 員 が 少 数 派 にすぎ な か っ た ことが 、                             言 及 され て い な か った に し ても 。 委 員 会 が 廃 止 に 消 極 的 だ っ た 理 由 は 、現 代 社 会 に お い て は、 酒 類 へのあ る種 の 統 制 が 不 可欠 であ る と い う こと 、そ れ が ま だ十 分 に ﹁ 公 平 な 裁 判 ﹂ を 受 け て いな いと い う こと にあ った ( 唱 や ド ぱ山 H 伊 ド ド メ 嵩 ρ 窃 α レ① 陣 ) 。   し か し 、憲 法 修 正 第 一 八条 の 修 正 は、 か り にそ のよう な措 置 が 現 実 的 に i 禁 酒 法 に 対す る 激 し く敵対的な世論を 前 に して 1 可 能 だ っ た と し て 、単 に共 同 の権 限条 項 を 削除 し 、言 わば 、禁 酒法 . 禁 酒体 制 の州 権 論 的 な根 を 切 断 し て、 議 会 の責 任 を 明確 にす る こと を 目指 し て い た だけ な の か。 たと え 、 役 人 が施 行 し た い 法 律 を選 び 、市 民 が 遵守 し た い法 律 を 選 ん だり す る こと 、憲 法 の 実 施 拒 否 は 、法 治 国 家 のま さ に ﹁ 基 盤 を破 壊 す る﹂ 行 為 に他 な ら な いと 断 言 す る ( ℃ μ 認 ) 大 統 領 を得 て いた と し て も 、議 会 が 全 国 禁 酒 法 の より 満 足 す べ き 施 行 を 実 現 す る と期 待 す る の は 、 は た し て合 理 的 な こと だ っ た ろ う か 。 こ の 疑 問 への解答 は 、禁 酒 体 制 の ﹁ 恩 恵 ﹂ に ついて の評 価 が 与 え て く れ る 。   まず 委 員 会 が ﹁ 客 観 的 で合 理 的 に信 用 でき る 証 拠 が あ る ﹂ 恩 恵 と し て いる のは 、 経 済的 な も の、 生 産 性 の 増 大 、 労働 者 の 効 率 の 上 昇 、 ﹁ 青 い 月 曜 日 ﹂ の 消 滅 、 事 故 の減少 な ど の 産 業 的 な 恩 恵 と 貯 金 の増 加 、慈 善 活 動 の必要 性 の低 下 であ る。 た だ し、 注 目 す べ き は 、 これ ら                                                         ⑱ の成果 が無 条 件 に禁 酒 法 に よ るも のと はさ れ て いな い こと であ る 。以 下 、議 論 を 追 っ て み よう 。 労 働 者 の効 率 の増 大 と ﹁ 青 い月 曜 日 ﹂ の消 滅 に つ いて は 、 ﹁ 直 接 、酒 場 の廃 絶 に帰 せら れ る こと を 示 す 強 力 で 説 得 的 な証 拠が あ る﹂ が 、 労 働 組 合 の 指 導 者 は 、 よ り 良 い 雇 用 条 件 、 労働 時間 短 縮 、 賃 金 上昇 を実 現 し た 組 合 の 努 力 を高 く 評価 し た ( や 刈 H ) 。   経 営 法 の改善 や産 業 の 組 織 化 におけ る進 歩 な ど を 強 調 す る証 人 も い る 。 か つて の 飲 酒 に取 って代 った新 し い娯 楽 のあ り 様 と 余 暇 時 間 の利 用 法 も 、 重 要 だ っ た 。   ﹁ し か し あ らゆ る面 か ら考 慮 し て 、 わ れ わ れ は、 全 国 禁 酒 法 発効 の 後 に 真 の 重 要 な獲 得 が 定 着 し た と 確 信 し て い る﹂ 。 つ ぎ に、 産 業 事 故 の 減 少 に つ いて だが 、  ﹁ これ ほど 明 確 に証 明 さ れ て いる も のは な い ﹂ 。 た だ し 、禁 酒 法 以 前 、 飲 酒 が ど の程 度 ま で そ れ ら の事 故 の原 因 だ っ た のか に つ いて は議 論 が あ る 。 労 働 時 間 短 縮 、 工場 の組織 化 ・ 組 織 方 法 と機 械 の 改 善 、安 全装 置 の 設 置 など の進 歩 が 、今 世 紀 初 頭 の禁 酒 法 時 代 と の 単 純 な 比 較 を 不 可 能 にし て いる から であ る ( ℃ ℃ ° 刈 困 -刈 N ) 。   貯 金額 の増 加 は事 実 であ るが 、 大 戦中 の倹 約 推進 宣伝 、貯 蓄 促 進 運

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