(1)環境システム推進者及び同内部監査担当者向け講演会資料
ISO14001:
2004
【JIS Q 14001:
2004 】
1996年版からの移行のヒント
2005年1月
㈱日立製作所 産業システム事業部
MES/環境ソリューション部
&
(2)Ⅰ 規格改訂の主旨
* 2004年版は“
明解さ(clearly)
”と、ISO9001との“
両立
性(compatibility)
”を意図し
(序文7文節>
、1996年版の要求に
追
加
はしない。
* 法的、
その他の要求事項
に関する順守管理、
トップマネジ
メントのコミットメント
など、具体的な表現を追加して運営の
実
質強化
を狙っている
<序文6文節、4.3.2及び4.5.2>
。
* 方針策定で
要求事項の及ぶ範囲を明確
にし、その中の
活動、製品、サービスの
全ての
直接、間接的環境側面を特
定
する。
<1 適用範囲;4.3.1a) 環境側面;4.3.1及びA3.1>
(3)Ⅱ 改訂規格の発行
* ISO14001:
2004
2004年11月15日発行
JIS Q 14001:
2004
2004年12月27日発行
タイトル:
環境マネジメントシステム‐要求事項及び利用の手引き
内容:客観的に監査できる要求事項とその手引き
* ISO14004:
2004
2004年11月15日発行
JIS Q 14004:
2004
2004年12月27日発行
タイトル:
環境マネジメントシステム‐原則、システム及び支援技法の一般指針
内容:EMSに関する一般的な手引きである<序文11文節>
注:この規格の指針はJIS Q 14001環境システムマネジメントシステムモデルと整合してい
るが、JIS Q 14001:2004の要求事項の解釈の提供を意図したものではない。
(4)Ⅲ 2004年版移行について
ISO−IAF共同コミュニケ
(2004年12月 Webにて確認)
IAF
(International Accreditation Forum,INC)
とISO
(International Organization for Standardization )
は、1996年版における全ての認証を
2006年5月14日(
発行から18ケ月)
までに2004
年版に移行する。
予定下記
① 発行6ケ月(05年5月14日)までは公表期間(この間は96/04版並存可)
② その先12ケ月、更新とサーベイランスともに2004年版で行う、この間に現在使っ
ている1996版を終了させてほしい。
③ 発行後18ケ月(06年5月14日)以降は2004年版による。
【出典解説他】上記はIAFのWebによる公表でありJAB(日本適合性認定協会)の正式発表は05年1月17日Web
公表で、「認定されたEMS審査登録機関に対する2004版への移行審査実施方法」が公表された。その取扱い
解説によると、「移行審査は原則として、サーベイランス又は更新審査と併せた審査とする」となっている(上記②)
②の期間に審査機関が先行して、移行審査(有料)をサーベイランス又は更新審査と併せて行いたいときは、JAB
に対して事前の変更申請を行う必要があります。JABとしては、審査機関からこの変更申請がなければ登録証
は“2004版”にしません。このため②の期間にサーベイランスなどが予定されている組織は審査機関と相談が
必要です。この件はたぶん審査機関から事前に案内があるでしょう。
(5)Ⅳ ISO14001:
2004
新規格の構成
青色:2004年 版変更、追加 緑色:1996年版
4 環境マネジメントシステム要求事項
4.1 一般要求事項
4.2 環境方針
4.3 計画
4.3.1
環境側面
4.3.2
法的及びその他の要求事項
4.3.3 目的、目標及び
実施計画
(4.3.4を併合)
序文
1 適用範囲
2 引用規格
3 用語及び定義
3.1
監査員
3.2継続的改善
(文変更)
3.3
是正処置
3.4
文書
3.5環境 3.6環境側面
(文変更)
3.7環境影響
(文変更)
3.8環境マネジメントシステム
(文変更)
3.9環境目的
(文変更)
3.10環境パフォーマンス
(文変更)
3.11環境方針
(文変更)
3.12環境目標 3.13利害関係者
3.14
内部
監査
(文変更)
3.15
不適合
3.16組織 3.17
予防処置
3.18汚染の予防
(文変更)
3.19
手順
3.20
記録
(6)Ⅳ ISO14001:
2004
新規格の構成
4.4 実施及び運用
4.4.1 資源、役割、責任及び権限 (体制及び責任)
4.4.2 力量、 教育訓練及び自覚 (訓練、自覚及び能力)
4.4.3 コミュニケーション
4.4.4 文書類 (環境マネジメントシステム文書)
4.4.5 文書管理
4.4.6 運用管理
4.4.7 緊急事態への準備及び対応
4.5 点検 (点検及び是正処置)
4.5.1 監視及び測定
4.5.2 順守評価
4.5.2.1 順守の定期的評価
4.5.2.2 その他の要求事項
4.5.3 不適合並びに是正処置及び予防処置( 4. 5 .2 不 適 合 ・ ・是 正 及 び ・ ・ )
4.5.4 記録の管理 (4.5.3記録)
4.5.5 内部監査 (4.5.4環境マネジメントシステム監査)
4.6 マネジメントレビュー (経営層による見直し)
青色:2004年 版変更、追加 緑色:1996年版
(7)Ⅴ 表現変更個所と解釈
序文その1
序文に込め
られた改訂
の理念
改定の理念は序文第6文節に大幅な追加文章で表
現している。
加筆された
ポイント1
この規格は、組織が、法的要求事項及び著しい環境
側面についての情報を考慮に入れた方針及び目的
を設定し、実施することができる
ように、環境マネジ
メントシステムのための要求事項を規定している。
加筆された
ポイント2
このシステムの成功は、組織のすべての階層及び部
門のコミットメント、特にトップマネジメントのコミットメ
ントのいかんにかかっている。
加筆された
ポイント3
この種のシステムは、組織が環境方針を策定し、方
針におけるコミットメントを達成するための目的及び
プロセスを設定し、パフォーマンスを改善するため
に必要な処置をとり、システムがこの規格要求事項に
適合していることを実証することができるようになって
いる。
(8)Ⅴ 表現変更個所と解釈
序文その2
改訂の焦点
序文第7文節に二つの焦点がある
焦点1
1996年版の表現 の明確化
焦点2
ISO9001【JIS Q9001】との両立性
今回の改訂は1996年版発行当初から関係者間で議論百出の諸問題の解決
を狙ったものです。各国の審査機関、登録事業者それぞれが文書解釈で悩み、戸
惑った問題の解決が明確さ(
clearly
)です。今回はかなり具体的な表現、事例
の提示があります。(付属書に大切な記述があります) また文章表現などでの
ISO9001との両立も(
compatibility
)精力的に対応しています。その結果
内容が具体的になり「Shall」の数が大幅に増えました。
(9)Ⅴ 表現変更個所と解釈
1 適用範囲
(1)今回加筆された内容のポイント 解説【附属書A(参考)】他より
法的要求及び組織が同意するその他の要求 A.3.2に例示され、これらの要求事項を特定
するプロセスの中で行われる
方針及び目的を策定し、実施する 策定だけでは意味がないので“実施”が加筆
された
組織が管理できるもの及び組織が影響を及ぼすことができるものとして
組織が特定する環境側面
適用範囲は、・・その活動、製品及びサービスの性質並びに組織が機能
する立地及び条件のような要員に依存する
C)3)自己宣言について組織外部者による確認
C)4)外部期間による環境マネジメントシステムの認証/登録
A.3.1に例示された“活動、製品及びサービ
ス”の環境側面から組織が著しい環境側面
を特定するプロセスが必要。この中には直接
の他に管理できないが明らかに影響が出る
間接的な環境側面の例が示されている
(2)規格に適合していることの提示方法
C)1)自己決定し、自己宣言する
C)2)利害関係者などによる確認
(10)Ⅴ 表現変更個所と解釈
3 用語及び定義
追加用語 定義
監査員 監査を行う力量を持った人
是正処置 検出された不適合の原因を除去するための処置
文書 情報及びそれを保持する媒体
内部監査
組織が定めた環境マネジメントシステム監査基準が満
たされている程度を判定するために、監査証拠を収集
し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、
文書化されたプロセス
不適合 要求事項を満たしていないこと
予防処置 起こり得る不適合の 原因を除去するための処置
手順 活動又はプロセスを実行するために規定された方法
記録 達成した結果を記述した、又は実施した活動の証拠を
提供する文書
(11)Ⅵ 2004年版要求事項
4 環境マネジメントシステム要求事項
4.1 一般要求事項
組織は必要なものは
文書化し、要求事項
を満たす方法を決め、
システムを確立する
実施
維持
継続的
改善
適用範囲を定め文
書化する
規格の要求事項
96年版(黒字)
に比べシステムの全
体像を明確にした
(12)Ⅵ 2004年版要求事項
4 環境マネジメントシステム要求事項
4.2 環境方針
トップマネジメントは組織の環境方針を定め、環境マネジメントシステム(以下EMSと記す)
の定められた適応範囲の中で、環境方針が次の事項を満たすことを確実にすること。
2004版 1996版
a 活動、製品及びサービスの、性質、規模
及び環境影響に対して適切である a 又は
b 継続的改善及び汚染の予防に関する
ミットメントを含む コ b 約束
c
環境側面に関係し適用可能な法的要求
事項及び組織が同意するその他の要求
事項を順守するコミットメントを含む
c 約束
d 環境目的及び目標の設定及びレビュー
のための枠組みを与える d 見直す
e 文書化され、実行され、維持される e かつ全従業員
f 組織で働く又は組織のために働くすべて
の人に周知される e eから分けた
g 一般の人々が入手可能である f 人が複数
(13)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.3 計画 4.3.1 環境側面
組織は、
次の事項にかかわる
手順を確立し、実施し、維持すること。
a:
EMSの定められた適用範囲の中で、活動、製品及びサービスについて組織が管
理できる環境側面 ① 及び
組織が影響を及ぼすことができる環境側面
② を特
定する。その際には、計画されたもしくは新規の開発、又は新規のもしくは変更された
活動、製品及びサービス ③
も考慮に入れる。
①は直接的 ②は間接的な環境側面。
③
は新規、変更のことに関して1996版附属書A.3.1記述から規格に登
用した。
(14)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.3 計画 4.3.1 環境側面
組織は、
次の事項にかかわる
手順を確立し、実施し、維持すること。
b:
環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面(著しい環境側面)を決定
する。組織は、この情報を文書化し、常に最新のものにしておくこと環境側面を確実に
考慮に入れること。
2004版A.3.1には、製品の使用による環境影響など間接的な環境影響に
関する詳細記述があり、組織が管理できない部分などの記述にも触れ、管
理の程度及び影響を及ぼすことができる側面の決定は“組織”であるとして
いる。【注意】「LCAを要求するものでない」としながら実際はどうか!?
(15)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.3 計画 4.3.2 法的及びその他の要求事項
組織は、
次の事項にかかわる
手順を確立し、実施し、維持すること。
a:
組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他
の要求事項を特定し参照する。
b:
これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。
組織は、そのEMSを確立し、実施し、維持するうえで、これらの適用可能な法的要求事
項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れること。
2004版A.3.2では、法的要求の他に1996版ではまったく触れて
いない組織が同意するかもしれない例が9事例列挙され、これらの
適用をどうするかを「要求事項を特定するプロセス」の中で実施する
よう促している。
(16)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.3 計画 4.3.3 目的、目標及び
実施計画
組織は、組織内の関連する部門及び階層で、文書化された環境目的及び目標を設定し
、実施し、維持すること。
目的及び目標は、実施できる場合には測定可能であること。そして、汚染の予防、適用
可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守並びに継続的改善
に関するコミットメントを含めて、環境方針に整合していること。
1996版との違いは、①用語定義3.9及び3.12の目的、目標に関して
「・・定量可能のこと」が文から削除された。②要求事項4.3.4環境マネジメ
ントプログラムが、この項(4
.3
.3)に含まれたこと。
ただし、本文に「・・測定可能である」が生きていることで、定量と測定の
違いなど、議論が起こることもあり得る。
(17)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.3 計画 4.3.3 目的、目標及び
実施計画
組織は、組織内の関連する部門及び階層で、文書化された環境目的及び目標を設定し、
実施し、維持すること。
その目的及び目標を設定しレビューするにあたって、組織は、法的要求事項及び組織が
同意するその他の要求事項並びに著しい環境側面を考慮に入れること。また、技術上の
選択肢、財務上、運用上及び事業上の要求事項、並びに利害関係者の見解も考慮に入
れること。
組織は、その目的及び目標を達成するための実施計画を策定し、実施し、維持すること。
実施計画は次ぎの事項を含むこと。
a) 組織の関連する部門又は階層における、目的及び目標を達成するための責任の明示
b) 目的及び目標の達成のための手段及び日程
(18)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.1
資源、役割及び権限
経営層は、EMSを確立し、実施し、維持し、改善するために不可欠な資源を確実に利用
できるようにすること。資源には、人的資源及び専門的な技能、組織のインフラストラク
チャー、技術、並びに資金を含む。
効果的な環境マネジメントを実施するために、役割、責任及び権限を定め、文書化し、か
つ、周知すること。
4.4.1は項目表現が「体制及び責任」から一見大幅に変わったが、
内容に実質変更はなく理解を得るための明確さを求めたもの。
青色:2004年 版変更、追加 緑色:1996年版
(19)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.1
資源、役割及び権限
組織のトップマネジメントは、特定の管理責任者(複数も可)を任命すること。その管理責任
者は次ぎの事項に関する定められた役割、責任及び権限を、他の責任にかかわりなくもつ
こと。
a) この規格の要求事項に従って、EMSが確立され、実施され、維持されることを確実に
する。
b) 改善のための提案を含め、レビューのために、トップマネジメントに対しEMSのパフォー
マンスを報告する。
4.4.1は項目表現が「体制及び責任」から一見大幅に変わったが、
内容に実質変更はなく理解を得るための明確さを求めたもの。
(20)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.2
力量、教育訓練及び自覚
組織は、組織によって特定された著しい環境影響の原因となる可能性をもつ作業を組
織で実施する又は組織のために実施するすべての人が、適切な教育、訓練又は経験に
基づく力量を持つことを確実にすること。また、これに伴う記録を保持すること。
組織は、その環境側面及びEMSに伴う教育訓練のニーズを明確にすること。組織は、
そのようなニーズを満たすために、教育訓練を提供するか、又はその他の処置をとるこ
と。また、これに伴う記録を保持すること。
4.4.2の第一文節は“力量をもつ”ことが主体で、その“教育訓練”は力量をも
つための手段です。第二文節は組織の環境側面とEMS運営に必須なニーズ
確認のための“教育訓練”で、記録はそれぞれに必要となります。
(21)
4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.2
力量、教育訓練及び自覚
組織は、組織で働く又は組織のために働く人々に次ぎの事項を自覚させるための手順を
確立し、実施し、維持すること。
a) 環境方針及び手順並びにEMSの要求事項に適合することの重要性
b) 自分の仕事に伴う著しい環境側面及び関係する顕在又は潜在の環境影響、並びに各
人の作業改善による環境上の利点
c) EMSの要求事項との適合を達成するための役割及び責任
d) 規定された手順から逸脱した際に予想される結果
第三文節は、関係するすべての人々に a)~d)を自覚させる手順を求
めているものです。
(22)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.3 コミュニケーション
組織は、環境側面及びEMSに関して次の事項にかかわる手順を確立し、実施し、維持
すること。
a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション
b) 外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて受け付け、文書化し、
対応する
組織は、著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し、その決
定を文書化すること。外部コミュニケーションを行うと決定した場合は、この外部コミュニケ
ーションの方法を確立し、実施すること。
(23)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.4
文書類
EMS文書には、次の事項を含めること。
a) 環境方針
b) EMSの適用範囲の記述
c) EMSの主要な要素、それらの相互作用の記述、並びに関係する文書の参照
d) この規格が要求する、記録を含む文書
e) 著しい環境側面に関係するプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実にする
ために、組織が必要と決定した、記録を含む文書
注意点 ①記録が文書扱いに ②EMSの適用範囲の記述が必須に
なりました。
(24)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.5 文書管理
EMS及びこの規格で必要とされる文書は管理すること。記録は文書の一種であるが、
4.5.4に規定する要求事項に従って管理すること。
a) 発行前に、適切かどうかの観点から文書を承認する。
b) 文書をレビューする。また、必要に応じて更新し、再承認する。
c) 文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする。
d) 該当する文書の適切な版が、必要なときに、必要なところで使用可能な状態にあること。
e) 文書が読みやすく、容易に識別可能な状態であることを確実にする。
f) EMSの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を明確にし、その配
付が管理されていることを確実にする。
g) 廃止文書が誤って使用されないようにする。また、これらを何らかの目的で保持する場合
には、適切な識別をする。
(25)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.6 運用管理
組織は、次に示すことによって、個々の条件の下で確実に運用が行われるように、その
方針、目的及び目標に整合して特定された著しい環境側面に伴う運用を明確にし、計
画すること。
a) 文書化された手順がないと環境方針並びに目的及び目標から逸脱するかもしれない
状況を管理するために、文書化された手順を確立し、実施し、維持する。
b) その手順には運用基準を明記する。
c) 組織が用いる物品及びサービスの特定された著しい環境側面に関する手順を確立
し、実施し、維持すること、並びに請負者を含めて供給者に適用可能な手順及び要
求事項を伝達する。
(26)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.4 実施及び運用 4.4.7 緊急事態への準備及び対応
組織は、環境に影響を与える可能性のある潜在的な緊急事態及び事故を特定するため
の、またそれらにどのようにして対応するかの手順を確立し、実施し、維持すること。
組織は、顕在した緊急事態や事故に対応し、それらに伴う有害な環境影響を予防又は緩
和すること。
組織は、緊急事態への準備及び対応手順を、定期的に、また特に事故又は緊急事態の
発生の後には、レビューし、必要に応じて改訂すること。
組織は、また、実施可能な場合には、そのような手順を定期的にテストすること。
(27)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.5
点検 4.5.1 監視及び測定
組織は、著しい環境影響を与える可能性のある運用の鍵となる特性を定常的に監視及び
測定するための手順を確立し、実施し、維持すること。この手順には、パフォーマンス、
適用可能な運用管理、並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報
の文書化を含めること。
組織は、校正された又は検証された監視及び測定機器が使用され、維持さあれているこ
とを確実にし、また、これの伴う記録を保持すること。
(28)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.5
点検 4.5.2 順守評価
4.5.2.1 順守に対するコミットメントと整合して、組織は、適用可能な法的要求事項の
順守を定期的に評価するための手順を確立し、実施し、維持すること。
組織は、定期的な評価の結果の記録を残すこと。
4.5.2.2 組織は、自らが同意するその他の要求事項の順守を評価すること。組織は、
この評価を4.5.2.1にある法的要求事項の遵守評価に組み込んでもよいし、別
の手順を確立してもよい。
2004版改訂の目玉の一つで、環境方針のC)項の詳細である
(29)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.5
点検 4.5.3 不適合並びに是正処置及び予防処置
組織は、顕在及び潜在の不適合に対応するための並びに是正処置及び予防処置をとる
ための手順を確立し、実施し、維持すること。その手順では、次の事項に対する要求事項
を定めること。
a) 不適合を特定し、修正し、それらの環境影響を緩和するための処置をとる。
b) 不適合を調査し、原因を特定し、再発を防ぐための処置をとる。
c) 不適合を予防するための処置の必要性を評価し、発生を防ぐために立案された
適切な処置を実施する。
d) とられた是正処置及び予防処置の結果を記録する。
e) とられた是正処置及び予防処置の有効性をレビューする。
(30)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.5
点検 4.5.4 記録の管理
組織は、組織のEMS及びこの規格の要求事項への適合並びに達成した結果を実証す
るのに必要な記録を作成し、維持すること。
組織は、記録の識別、保管、保護、検索、保管期間及び廃棄についての手順を確立し、
実施し、維持すること。
組織は、読みやすく、識別可能で、追跡可能な状態を保つこと。
1996版で、「記録には訓練記録、監査及び見直しの結果を含む」としていたのが
削除されたが、消えたわけではなく、上記の「EMS及びこの規格の要求事項への
適合並びに達成した結果を実証するのに必要な記録」に包含されたと見るのがよ
いでしょう。
(31)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.5
点検 4.5.5 内部監査
組織は、次の事項を行うために、あらかじめ定められた間隔でEMSの内部監査を確実に
実施すること。
a) 組織のEMSについて次の事項を決定する。
1) この規格の要求事項を含めて、組織の環境マネジメントのために計画された取り決
め事項に適合しているかどうか。
2) 適切に実施されており、維持されているかどうか。
(32)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.5
点検 4.5.5 内部監査
b) 監査の結果に関する情報を経営層に提供する。
監査プログラムは、当該運用の環境上の重要性及び前回までの監査の結果を考慮に入
れて、組織によって計画され、策定され、実施され、維持されること。
次の事項に対処する監査手順を確立し、実施し、維持すること。
− 監査の計画及び実施、結果の報告、並びにこれに伴う記録の保持に関する責任及び
要求事項
− 監査基準、適用範囲、頻度及び方法の決定
監査員の選定及び監査の実施においては、監査プロセスの客観性及び公平性を確保する
こと。
(33)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.6
マネジメントレビュー
トップマネジメントは、組織のEMSが、引き続き適切で、
妥当で、かつ、有効であることを確実にするために、あらか
じめ定められた間隔でEMSをレビューすること。レビュー
は、環境方針、並びに環境目的及び目標を含むEMSの
改善の機会及び変更の必要性の評価を含むこと。マネジ
メントレビューの
記録
は、保持されること。
(34)4 環境マネジメントシステム要求事項
4.6
マネジメントレビュー
マネジメントレビューのインプットは、次の事項を含むこと。
a)内部監査の結果、法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守評価の結果
b)苦情を含む外部の利害関係者からのコミュニケーション
c)組織の環境パフォーマンス
d)目的及び目標が達成されている程度
e)是正処置及び予防処置の状況
f)前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
g)環境側面に関係した法的及びその他の要求事項の進展を含む、変化している周囲の状況
h)改善のための提案
マネジメントレビューからのアウトプットには、継続的改善へのコミットメントと首尾一貫させて、
環境方針、目的、目標及びその他のEMSの要素へ加え得る変更に関係する、あらゆる決定及
び処置を含むこと。
(35)Ⅶ 2004年版要求事項への対応ヒント
14001として 実行する内容項目数
2004年版
1996年版
規格の中の Shallの
数(英文にて確認したもの)
59
52
Shall付き文章に従う行
為数
52
20
実行する事項の総数
111
72
Shallの日本語訳 「・・すること」
「・・であること」 など 「・・ねばならない」
04年版は、96年版に比較して文章が平易で分かりやすく、内容表現がかなり具体的になっ
た。そのため実行する項目が多くなったが、関係者間での誤解、思い込みが少なくなり、対
応に戸惑いが起こりにくくなった。
(36)Ⅶ 2004年版要求事項への対応ヒント
2004年版対応を機会に実行したいシステム構築
この際 EMSのIT化をしよう!
新規格では、最近の組織の情報化(IT化)を意識して、“4.4.1資源、役割、責任及び権限”でわざ
わざ「組織のインフラストラクチャー」を利用しようと、うたっている。この機会にぜひIT化をしましょう。
準備するもの 何をどうするか メリット
ハードウエアー ソフト対応
ISO14001関連文
書、デジタル保存可
能な記録類(紙ベー
スであれば、保存管
理部署、場所のイン
デックス等のフォル
ダー)をすべて収納
する
記憶媒体に4.4.4
で要求する文書の
原文、生データなど
関連文書を保存し、
保存、最新情報提
供、改廃管理など選
任部署で行う
4.4.5対応の
管理文書類の安
全管理、利用
性、改廃管理時
の人的作業の絶
対的な削減、省
資源になる
上記オフイスの命令
である“ハイパーリン
ク”を使用、関連文書
にリンクを張る
4.4.4 c)項の
完全対応
必要用紙フォーマット
のストック
必要な人が自席で
利用できる
内部監査業務合
理化その他運営
の万能薬
パソコンサー
バーと組織
内LAN(WA
N)
OSとして
オフイス
(ワード、
エクセル、
パワーポイ
ント程度)
を準備、担
当者の少
しの努力で
誰にでも構
築可
1
9
9
6
年
版
原
稿
を
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ス
テ
ム
対
応
は
朝
飯
ま
え
で
す
。
(37)Ⅶ 2004年版要求事項への対応ヒント
文書、表などをシステム的に利用するソフトツール
ハイパーリンクって何だ!
ワードなどで作った文書の中の文章、文字、記号などから関連する他の文章、エクセル表、パワーポ
イントなどのフォルダーに関連つけを定義する命令。定義するとその部分の色が換わり、定義され
たことが分かる。 (もともとはHTM Lでのホームページ編集のため使ったプログラム実行命令)
使い方:定義された部分にカーソル(マウスの矢印)を置きクリックすると定義されたフォルダー内
の文書に画面が移り(リンクと言う)、4.4.4の c)項の「相互作用の記述・・関係する文書の参照」
の機能をパソコン上で実現できる。
環境方針
環境側面
著しい環境側面表
目的、目標
リンク(ハイパーリンク)
(ワードなどのフォルダーを別々に作っておく)
(38)Ⅶ 2004年版要求事項への対応ヒント
ISO14001のかなめを何にする?
関係する文書、表、パワーポイントなどをどうして関連つけするか
答え:目次として規格の項目番号とその名称(コアーエレメント:核となる項目)を使用、
そしてリンクを張る
規格項目番号
マニュアル文書類
手順、基準など データ、資料など
メリット;
この方法だと規格項目番号だけ新規作成、変更しない文書は96年版をそのままでも使える
今回の改訂はほとんどの文書が利用できるのです。
リンク(ハイパーリンク)
(39)Ⅶ 2004年版要求事項への対応ヒント
IT化した文章の4.4.5文書管理対応
この方法でシステム化した場合の仕掛けとしての対応を下記します。
a) 発行前に、適切かどうかの観点から文書を承認する。⇒原稿をデジタル承認または紙出力を承認し原紙
ファイルを別にする
b) 文書をレビューする。また、必要に応じて更新し、再承認する。⇒承認された文書のコピーを公開し原本は
別に公開できないフォルダーに保存する:公開文書を消されたり、いたずらされたときの再発行対策用
c) 文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする。⇒ a)に同じ
d) 該当する文書の適切な版が、必要なときに、必要なところで使用可能な状態にあること。⇒社内ホ‐ムペ‐ジ公開
e) 文書が読みやすく、容易に識別可能な状態であることを確実にする。⇒当然原稿で対応
f) EMSの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を明確にし、
その配付が管理されていることを確実にする。⇒社内ホ‐ムペ‐ジ公開
g) 廃止文書が誤って使用されないようにする。また、これらを何らかの目的で保持する
場合 には、適切な識別をする。⇒廃止文書フォルダーを設けオフライン化ストック
上記は社内用としての「性善説」の仕掛け。EMS用としては、改廃管理機能つき文書管理ソフトパッケージなどの利
(40)Ⅶ 2004年版要求事項への対応ヒント
一番簡単なマニュアルを作ろう
「We will do ・・」による対応
今回は規格文章の表現が分かりやすく、一目的一項目になっ
ているものが多く、マニュアル文章をあまり凝ったものにしな
いで「規格の文章をそのまま主語を自分の組織にする」だけ
で十分通用するでしょう。規定、基準、記録などはほとんど従
来のものが利用できるはずです。是非トライしてください。
(41)ISO14001:
2004
1996年版からの移行のヒント
終
2005年1月
㈱日立製作所 産業システム事業部
MES/環境ソリューション部
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