技術としての対策
T h e m e a s u r e f r o m a technical side佐藤公俊
l Kimitoshi Sato . は じ め に 外来種対策を考えるにあたり,まず始めに対象種 の分布状況や生態を把握する必要がある . 本報告では,ウチダザリガニの生息状況の現状を 把握する方法として,環境調査員の視点から,環境 の把握方法,個体の捕獲方法を紹介する . また,分 布拡大が問題となっていることから,特にウチダザ リガニの移動能力を把握する方法も紹介する. . ウチダザリガニ調査方法 我々が最も知りたい情報として,以下が挙げられ る. ここでは,それぞれの調査方法について紹介する. ① 生息環境( 水温 ・水質) の調査方法 ② 生息個体の捕獲方法 ③ 移動能力の調査方法 . 生息環境の調査手法 生息環境の要素として,水温,水質 Cp H,溶存酸 素量,電気伝導率,濁度) の調査機材を紹介する . 水温については,常時観測が可能な水温計( 図1 , 2)が市販されており,これを使用することで,日毎, 月毎,年毎の水温変化が把握できて便利である. 計測結果のイメ ージを図 3 に示す. 1 株式会社ドーコン環境保全部 干004--8585 札幌市厚別区厚別中央l条5-4-1 Docon Co. Ltd, 1-5-4ー1 Atsubetsu, Sapporo, Hokkaido 004--8585,JapanE-mail: ksI359@ docon.jp
Ca.γ'Cinological Socie砂ofJapan
図1 . 水温計.
間
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比
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図2. 水温計設置状況. また ,p H,溶存酸素量,電気伝導率,濁度につ いても,現場で簡易に計測可能な機器が市販されて おり( 図 4 - 7),これらを用いることでリアルタイ ムに水質の概況が把握できる . . 生 息 個 体 の 捕獲方法 生息個体の捕獲方法として,直接手づかみによる97
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6/1 7/1 8/1 図3. 7 } < 温常時観測結果イメ ージ. 10/1 図4.i
容存酸素量の計測器. 図5. p H,電気伝導率 (EC) 計測器. 捕獲( 図8) ,ハンドネ y トやラ ーメン等の湯切り で使うザルなどを用いた捕獲( 図的,カニ箆を用 いた捕獲( 図10) がある . 手づかみやハン ドネット等を用いた捕獲は,調査 員が自ら行うものであるが,人数,調査範囲,調査 時聞を予め決めることで定量的な把握ができ,継続 して同じ調査を繰り返すことにより ,個体数の変化 を把握することが可能である . カニ簡を用いた調査 9/1 11/1 12/1 図6. i濁度の計測器. 図7. p H,電気伝導率の計測. についても,設置場所,時間,設置個数を一定にす ることで定量的な把握が可能となる. . 移 動 能 力 の 把 握 方 法 ウチダザリガニの移動能力を把握することによ り,今後の自然的な分布の拡大を推定する指標にな るものと考える. 方法としては,標識法と小型発信機による方法が 98I
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21 (2012)図8. 直接手づかみによる捕獲. 図9. ハンドネット等を用いた捕獲. 図 10. カニ箆を用いた捕獲. ある. 標識法としては,油性インクで- 個体に色をつける 方法や,尾部の一部を切除する方法などがある . 油 性インクによる着色では,ウチダザリガニが脱皮し てしまうと色が落ちて分からなくなる . 一方,尾部 の一部を切除する方法では,個体に傷をつけること になるが,脱皮しでも切除跡は残るので,長期間の 技術としての政策 図11. 尾部の一部切除による標識. 図12. 小型発信機. 追跡調査に耐えられる( 図11 ). また ,多くの甲殻 類の標識方法としても用いられている手法である. 小型発信機による方法としては,図12に示すよ うな小型の発信機をつけて個体を追跡する方法もあ る. 従来,水生生物としては,大型のサケ科魚類な どの資源量把握などで用いられているが,近年では 発信機がかなり小型になり,小型の水生生物にも装 着が可能となってきている . 標識をつけた個体を放 流し ,数時間後,もしくは数 日後に再度捕獲を行 い,捕獲された場所を記録することにより,数時間 ( もしくは数日間) でどの程度移動が可能なのか? 障害物を乗り越えて移動する ことができるのか ? というような情報を得ることがで、きる.