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地域母子保健福祉情報紙
定款第1章第3条 目的(抜粋) 国及び地方自治体 関係諸団体と連携協力して 母子保健の重要性を啓発し 母性の健康を守り たかめ 心身ともに健全な児童の 出生と育成に寄与してまいります 公益社団法人 母子保健推進会議今
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「健やか親子21全国大会」開催/健やか親子21(第2次)と地域で子育て応援 … 1∼4 紙上セミナー:子育てって楽しい!「少子化時代の子育て」 ……… 5 地域で妊娠期から切れ目なく母子を支えるために(併設全国集会) … 6∼8 被災から4年目の冬に・・子育てママの一歩、一歩(5) ………… 9 紙上セミナー:8020の里づくり「乳幼児期の歯磨きと口腔衛生」 … 10 ∼ 11 健やか親子 21「8020の里賞(ロッテ賞)」各賞決まる、北村先生保健文化賞受賞、編集帖 …12 平成26年度「健やか親子21全国大会 (母子保健家族計画全国大会)」が11月 25日(火)∼ 27日(木)、「未来へつな げる!愛顔の子育て地域づくり∼子ど もは地域の宝、母親も地域の宝∼」を テーマに、ひめぎんホール(愛媛県松 山市)に延べ2千人を集め開催された (主催 : 厚生労働省・愛媛県・松山市・ (社副)母子愛育会・(一社)日本家族計画 協会・(公社)母子保健推進会議)。健やか親子21(第2次)、
妊娠期からの切れ目のない支援を
26日(水)に行われた式典では、主 催者として塩崎恭久厚生労働大臣が挨 拶に立ち、同大会で表彰を受けられる 方々に対して祝意を述べるとともに、 母子保健、子育て支援対策には国とし てもその重要性を認識している。中で も、27年4月からは始まる「健やか親 子21国民運動」の第2次計画と妊娠期 からの切れ目のない支援に対して、特 に関係の方々の一層の理解と協力を求 め、挨拶とした。 つづいて、長年各地域において母子 保健、子育て支援に尽力された方々に 対する表彰が行われ、母子保健推進会 議会長表彰として51名と5団 体の方々に対して、本会議巷 野悟郎会長より表彰状と記念 品を授与した。 同大会は、功労者表彰等を 行う式典、特別講演、シンポ ジウムのほか、主催団体に因 る併設集会が3つ、関連会議 などが行われ、全国から参集の2千人 の関係者の熱い学びの場となった。 次年度「健やか親子21全国大会(母 子保健家族計画全国大会)」は、平成27 年10月7日∼9日、神奈川県民ホール (神奈川県横浜市)を会場に開催する。「健やか親子21全国大会」開催
「健やか親子21全国大会」開催
挨拶する塩崎厚労大臣 本年度全国大会は愛 県松山市で開催 母子保健推進会議会長表彰を受賞された方々愛媛県松山市に
愛媛県松山市に
延べ2千人を集め
延べ2千人を集め
No.230
式典(本紙1頁)に続き、特別講演では、 真正会富山病院診療内科部長明橋大二先生 が「子育てハッピーアドバイス∼子が宝な ら、母もまた宝∼」をテーマに講演した。 大人の精神疾患、うつ病の人を診ている と、子ども時代にいじめ、虐待などつらい 思いを抱えて生きてきた人が多い。子ども 時代の心のSOSを周囲が気づいていたら、 大人になってつらい思いをしなくてすんだ のではないか。日本の子どもたちが抱える 心の問題の根底には、自己肯定感の極端な 低さがある。他の国の高校生と比較する と、「自分は価値のある人間だ」と答えた高 校生はアメリカ89.1%、中国87.7%、日本 36.1%(H23日本青少年研究所「高校生の 心と身体の健康に関する調査」)。大人が子 どもに対して「わがまま」、「甘えている」、 「何でこれくらいのことができないのか」な ど否定的な言葉を繰り返し与えて来た結果。 教育現場でも同様。子育ては、もっと子ど もをほめ、大らかでよいのではないか。
子どもの心は手のひらの中の卵
非行、ひきこもり、摂食障害、いじめ、 自殺未遂等々の子どもたちの話を聞くと、 「自分は生きている意味がない」と思ってい る子が多い。自己肯定感の根は、親子間の スキンシップを通して0∼3歳に育まれ、 それを心の成長の土台として3∼6歳でし つけ(生活習慣、自分のものと他人の物の 区別、順番を守るなど)も可能に。6歳く らいになると好奇心が芽生え勉強に繋が る。自己肯定感が育まれていると、相手を 思いやる心も身につく。換言すると、自分 が大切にされていると思えない子どもは他 人を大切にできない。自己肯定感を低くす る原因として、虐待、いじめ、親や大人と の関わりが希薄(寂しい、不安→ほめても らえるよう手 のかからない 子どもに→親 は安心し子ど もを構わなく なるという悪 循 環 )。 周 囲 はサイン(頭 痛・ 腹 痛 な ど)に気づき「あなたは大切」「大好きだよ」 ということを伝えることが必要。自己肯定 感は何歳になっても育つ。もし手のかから ない良い子を見かけたら、周囲の大人は「何 か我慢していることはない?何でもいいか ら言ってごらん」と声をかけてほしい。 子どもの心は、依存と自立を繰り返しな がら成長する。十分甘えて安心して成長し、 自立する。小学生頃までの甘えは必要。依 存させない(放任、ネグレクト等)、自立さ せない(過干渉、抑圧・否定)は禁物。子 どもの心は、手のひらの中の卵のようなも の。周りから締め付け過ぎても、放し過ぎ ても、壊れたり転がり落ちたりする。「甘えさせる」と「甘やかす」は違う
1つ目の違いは、「甘えさせる」は子ども の情緒的な欲求(抱っこして、お話聞いて など)に応えること。「甘やかす」は物質的 欲求を満たす(お菓子やおもちゃを欲しがっ たら与えるなど)、心の寂しさをモノで埋め る行為。2つ目の違いは、「甘えさせる」は、 子どもがどうしてもできないことに手助け をする、「甘やかす」は、子どもができるの に手を出すこと。また子どもを突き放すこ とが自立させることではない。いつも突き 放していると人に頼ってはいけないと孤立 に繋がる。 思春期頃の子どもの反抗は、十分甘え、 安心感をもらっているために出てくる。健 全に育ち自立に向かっている証拠。反抗が 出てこない子の方が心配。20歳を過ぎた頃、 爆発的に反抗することがある。自己肯定感育むポイント
子どもの話を聴く。聴かないと、話を聴 いてもらう価値がないと感じ、自己肯定感 が下がる。気持ちを表現することができず、 身体的な症状に出ることもあるので、周囲 の大人は気持ちを汲んで言葉かけ(=言葉 育て)、褒める。ポイントは 1. できないことを指摘するのではではな く、できているところに注目する。 2. できて当たり前ではなく、できなくて 当たり前(⇒子どもに対する要求水準を 下げる) 3.比較するなら、以前のその子と。 子どもの頑張りを認め、ねぎらう言葉は 「頑張ってるね」、「頑張って」は×。自己肯 定感を育てるもっとも有効な言葉は「あり がとう」。お礼の気持ちを表すとともに、相 手の存在価値を高めることにも繋がる。話を聴き、認め合い、気づき合い
親と支援者、夫婦間でも同様に
親が子どもにキレてしまうのは、子育て を頑張っている証拠。過度の責任を負おう とせず、子どものあるがままを認め、持っ ているよいところに注目する。支援者は、 親の自己肯定感を支えていくことが重要。 方法は基本的に子どもに対する時と同じ。 話を聴く、気持ちを汲んで言葉を返す、で きていることをほめる、比べる時は以前の 本人と。大人同士、夫婦間も同様、互いを 認め、ほめ合い、辛さや哀しさを気づき合 い支え合う。ますそこから始めてみてはい かがでしょうか? 明橋先生健やか親子21(第2次)と地域で子育て応援
健やか親子21(第2次)と地域で子育て応援
健やか親子21全国大会
健やか親子21全国大会
シンポジウム
シンポジウム
式典、特別講演が行われた翌日(11月27 日)には、「母子保健の推進と地域づくり∼ 地域で子育てを応援しよう∼」をテーマに シンポジウムが行われた。第Ⅰ部では、基 調講演として山梨大学大学院医学工学総合 研究部社会医学講座教授の山縣然太朗先生 が「健やか親子21(第2次)が目指すもの」 について講演した。
健やか親子21の最終評価から
2001年から10年間の国民運動計画とし て始まり、4年延長となった「健やか親子 21国民運動計画」も、2014年度に終了し、 2015年4月から、第2次国民運動計画が開 始される。健やか親子21では、4つの主要 課題のもと、69指標74項目について目標を 定め、全国自治体、関係団体が取り組んで きた。これらについて最終評価を行った結 果、約8割で改善した。悪くなったのは、「10 代の自殺率」と「低出生体重児の割合」の 2項目。しかし改善している項目でも、妊 娠中の喫煙率は軽減しても、出産後に喫煙 をまた始めてしまう人、また児童虐待につ いては、死亡数は軽減しているが、児童相 談所への相談件数は増加を続けており、さ らなる取り組みが必要。 低出生体重児について、妊娠中の喫煙が 理由の一つに挙げられる。妊娠中の低栄養 は、後に生活習慣病を発症するリスクが高 いとされている。低栄養状態のおなかの中 の赤ちゃんは、少ない栄養を一生懸命摂取 しようとするため栄養の吸収率が上がり、 血糖値が上がろうとする力がついてしまう ためである。また、3歳児のむし歯の有病 率から見えてくることは「地域格差」。一時 的なものではなく経年的に見ても変わらな い。これが地域格差であり、今後の課題。第2次計画の基盤と重点課題
2015年4月から始まる「健やか親子21 (第2次)」では、次期国民健康づくり計画 「健康日本21(第2次)」と健やか親子21の 最終評価(前述)を鑑みて課題、目指す姿 等を検討した。最終評価で示された母子保 健の課題としては、⑴思春期保健対策の充 実、⑵周産期・小児救急・小児在宅医療の 充実…低出生体重児、⑶母子保健事業間の 有機的な連携体制の強化、⑷安心した育児 と子どもの健やかな成長を支える地域の支 援体制づくり…健康格差、ソーシャル・キャ ピタル、⑸育て にくさを感じる 親に寄り添う支 援 … 発 達 障 害、 ⑹児童虐待防止 対策のさらなる 充実 健 康 日 本21 (第2次)の基本的な方向性と特に関連の深 いことはソーシャル・キャピタル(社会資 本/人と人とのつながり、団結力/格差社 会では弱体化)であり、健康の社会的決定 要因は、 ・社会で子どもの健康を守るという視点 ⇒孤立させない、見守りと支援 ・健康格差がない社会 ⇒日本のどこで育っても同じような健康 状態でいることができる、標準化された 健診とサービス、地域特性に合った支援 ・ 母子保健領域におけるソーシャル・キャ ピタルの醸成 これらをもとに、「健やか親子21(第2 次)」の10年後に目指す姿を「すべての子 どもが健やかに育つ社会」とし、5つの課 題と54の指標を策定した。 山縣先生【3つの基盤課題】括弧内は指標の数 ・ 基盤課題A : 切れ目のない周産期・乳幼 児保健体制の充実⒃ ・ 基盤課題B : 学童期・思春期から成人期 に向けた保健対策⑾ ・ 基盤課題C : 子どもの健やかな成長を見 守り育む地域づくり⑽ 【2つの重点課題】 ・ 重点課題1:「育てにくさ」を感じる親に 寄り添う支援⑹ ・ 重点課題2 : 妊娠期からの児童虐待防止 対策⑾
健康格差、希望格差なく健やかに
「健康格差」は「経済格差」から起こる。 低所得の人ほど肥満が多く喫煙率が高い。 子育てにも満足できていない、父親も手伝っ てくれない、地域のサークルやイベントに も参加できないなど、経済的にゆとりがな いと、母子保健のあらゆる指標に関わって くる。加えて、今の日本では、「希望格差」、 が入っているとされる。うちは貧乏だし、 うちの親は、などと諦め、私だって頑張れば、 と思えなくなってきている。夢があるから、 健康であることが大切になる。格差をいか に是正していくか取り組むべき課題。 最近の子育てが大変と言われる背景には 「孤立」、「孤独」がある。それには、パート ナー、家族、地域の支援が必要。日本のどこ で、どんな逆境で生まれてもすべての子ども が健やかに育つように、子育て健康支 援をしていきましょう!糸口、エネルギーは地域の中に
子どもを見守り育む地域づくり
シンポジウム第Ⅱ部では、パネル ディスカッションが行われた。コー ディネーター:宮内清子先生(愛媛県 立医療技術大学保健科学部長)、アドバイ ザーに前田眞先生(特定非営利活動法人ま ちづくり支援えひめ代表)、パネリストは、 石津薫氏(四国中央市保健推進課保健師)、 井上美詠氏(八幡浜市保健センター管理栄 養士)、曽我部香織氏(松山市保健センター 南部分室保健師)。コーディネーターの宮内 先生は、本パネルディスカッションの趣旨 として、子どもの成長を見極め、見守り、 育んでいける地域づくりに着目し、親子を 取り巻く環境づくり、地域ケアをどのよう に地域の方々が繋がり、仕組みとして育て ていけるか。行政や専門家だけでできるこ とではなく、むしろ地域のなかに解決の糸 口があり、エネルギーが埋もれていると考 えられる、とした。 母子を支える力が加わってこそ 石津薫四国中央市保健師 四国中央市は人口9万1千人、今年度の 母子保健の重点目標は、①妊娠期からの切 れ目のない支援体制の充実…妊娠早期から のサポート体制、支援ニーズの有無の確認、 随時妊婦相談の実施、医療機関との連携(情 報共有)等。②乳幼児期の健診の受診率向 上と健診後の適切な個別指導。関係機関と のネットワークづくり、共通の目標を持つ ことで、地域全体の課題解決に繋がる。住 民の声が反映され、母子を支える地域の力 が加わってこそ、切れ目のない妊産婦、乳 幼児への支援体制の充実を目指していく。 新たな視点や気づきも 井上美詠管理栄養士 八幡浜市は人口3万7千人。子どものこ ろからの食育が重要と、H15年度から食育 プログラムを実施。幼児、小学校、中学校 で食育学習。保護者の協力が不可欠なため、 参観日に食育事業を実施。食育活動をまと めた食育マニュアルの作成。今後は高校に も広げたい。町内、行政関係者、保護者に も参加していただきワーキング部会を開催、 食育推進計画の策定を進めている。連絡や 意見集約のために時間を割く大変さもある が、ともに活動することで、新たな視点や 気づきがあり、活気づいている。食を大切 にすることは命を大切に、ひいては、自分 を大切にすること。 住民と試行錯誤したプロセスを礎に 曽我部香織松山市保健師 松山市の人口は51万6千人。健康づくり に関心のある住民が参加した「はなみづき 会」は、地域と行政が一体となり、生活習 慣病を予防するための健康づくりに取り組 んでいる。小学生にもわかりやすく伝える 工夫(健康劇や講話など)をして、家庭で 生活習慣を身につけることが重要。親子で 考えるきっかけとなる内容を盛り込んだ。 今後は、「地域力」を活用して子育て支援に も力を入れ、地域ぐるみで子どもの健全育 成を応援していきたい。さらに、地域に潜 在的にある資源の掘り起こし、新たな資源 を作るなど、ソーシャル・キャピタルの醸 成にも力を入れていく。 地域づくりの成果は、住民との協働を続 ける中で、時間をかけて育んでいくもの。 住民と共に地域の健康問題について話し合 い、試行錯誤を繰り返したプロセスを礎と して、健康なまちづくり、地域づくりへと 輪を広げていきたい。 活発な意見が交わされたシンポジウムものでした。 このような育 児は、母と子の 日常的な生活の 一 部 の よ う な 時代のことでし た。そしてそれ は今でも、ある年齢以上のおとなに とっては、ついこの間の風景で、な つかしく思い出すのではないでしょ うか。
戦後30年の子育ち風景
近年「少子高齢化の時代」という 文字が目につきます。昔の人口構成 は、赤ちゃんや子どもが多くて、年 齢が上がるほど少なくなるという形 でした。今は出生数が少なくて長寿 の時代です。生活している環境から、 赤ちゃんの姿が少なくなってきたと いう雰囲気です。 そこで近年のこのような人口構成 になってきた以前を振り返ってみる と、昔戦争が終わった昭和20年前 後に遡ります。その頃は戦争中の「生 めよ、ふやせよ」の多産や、戦後の 第1次ベビーブームで、年間200万 人以上の出生でした。 その頃の赤ちゃんは成長して、親 となり、昭和48年を頂点とした第 2次ベビーブーム到来となったので す。そしてその頃は、日本全体が新 しい時代の育児に目が向けられたの で、育児 相談・電 話相談・ 育児雑誌 などが盛 んでした。 そこでその頃生まれた今のおとな は、3∼4歳になって物心がついた 頃の街中での遊びや、家庭ではきょ うだいとの生活を楽しんだことなど が、今でも頭のどこかに、思い出と して残っているのではないかと思い ます。 それからもう40年∼ 50年です。 だい分昔のことですが、今でもその 当時のことなどを、仲間と語りあう ことがあるのではないでしょうか。閉鎖的な環境での子育てに
寄り添って
その後、第3次ベビーブームの時 代が期待されたのですが、出生率は 低下で、150 ∼ 200万人の出生数 は減少して、100万人出生が続いて、 今日に至っています。 そして今0・1・2歳児の子育て 真っ盛りの両親の生まれは、第2次 ベビーブーム後の出生数の減少して きている頃でした。さらに昭和50 年頃からは女性の社会進出と、保育 所保育が盛んで、家庭での子育てが 遠くなってきた頃でもありました。 かつての隣近所の中でわいわいし ながら育てられた時代は遠くなり、 今では子育てを身近で見ることも少 なくなった頃の両親が多いのではな いかと思います。 母推さんは子育ての経験を生かし て、赤ちゃんを明るく楽しく見守っ て、新しい時代のお母さんを、応援 してあげて頂きたいと思います。 公益社団法人母子保健推進会議会長 小児科医 野悟郎少子化時代の子育て
産声で生まれた赤ちゃんは呼吸が 始まると、しばらくは静かな眠りに 入ります。しかしやがてお母さんか ら離れた赤ちゃんは、空腹になるの で泣きます。 お母さんはどうして泣いたのかな と考えて、空腹かと思ったら、乳首 を口にあてて、飲ませてあげます。 赤ちゃんは満足感と同時に、抱っ こしているお母さんのぬくもりや声 を感じるから、いつの間にか母と子 の気持ちが結ばれて、泣きは二人の 言葉のようになっていきます。 人と同じ哺乳動物なのに、野生の 動物の赤ちゃんは、空腹になると自 分から母の乳首を求めて飲むし、排 泄もやたらなところではしません。 寒いと親に身を寄せて、自分を守り ます。生まれたときから自分で、生 きていく知恵があるから、早いうち に親から自立して、親子の関係はな くなります。 人の赤ちゃんは、自分で何もでき ないから泣くだけです。すべてがこ の調子だから、赤ちゃんの育ちには 四六時中、何かと先輩おとなの手が かかります。そこで昔は抱っこして 外出したときなどは、電車の中でも 乳を飲ませたし、どこででも場所を 借りておむつを替えていました。こ のような風景はいくらでも目にした地域で妊娠期から
地域で妊娠期から切れ目なく
切れ目なく
表彰状を受け取る豊田市母推の会 「健やか親子21全国大会」に併設して11 月26日(水)、ひめぎんホール真珠の間を 会場に、『母子保健推進員等及び母子保健関 係者全国集会』を開催した(主催 : 母子保 健推進会議・全国母子保健推進員等連絡協 議会、後援:厚生労働省)。会場には、全国 自治体の保健師、母子保健推進員等地域組 織の代表母子保健関係者が280人を越える 関係者が出席した。まず、乳幼児期からの 健康づくりと地域組織活動の活性化を目的 として本会議等が実施している、健やか親 子21「8020の里賞―(ロッテ賞)―」の 表彰、活動紹介が行われた。平成26年度同 顕彰事業で優秀賞を受賞したのは下記3団 体(順不同/下段は受賞理由)。 岡山市北区北保健センター むし歯予防、口腔の健康、食育について、 寸劇・紙芝居・手づくり人形・ペープサー ト・調査等を対象に合わせて創作、実施し、 保育園や学校、健康まつり等に出向いて上 演する等積極的多角的に活動。また愛育委 員、栄養委員、21推進委員等の住民ボラン ティア、保健師や歯科衛生士、管理栄養士 等専門職が一丸となって取り組んだ。 天城町母子保健推進員(鹿児島県) 離島(徳之島)という保健医療サービス が都市部のように至便ではない状況のなか、 歯科衛生士と母子保健推進員が中心となり むし歯予防啓発のための紙芝居、ペープサー ト等手づくりして積極的に活動。同事業に も第1回から連続して応募、これまでも奨 励賞、佳作賞受賞。 豊田市母子保健推進員の会 平成13年度より自主的活動として子ども の事故予防の啓発に取り組む。改訂を繰り 返し、母親学級等で披露。食育の冊子は、 市からの委託により母子保健推進員が担っ ている『おめでとう訪問』(乳児家庭全戸訪 問事業)時に母親に手渡している。乳児期 に大切な情報を母推活動に組み込み、創意 工夫と熱意で活動。 3団体には、本会議 野会長より表彰状と 副賞(会場までの往復の旅費、組織育成費 5万円とキシリトールガム)が授与された。 健やか親子21(第2次)の目指すこと 特別講演では、厚生労働省雇用均等・児 童家庭局母子保健課の一瀬篤課長が「最近 の母子保健を取り巻く状況」について、特 に、「健やか親子21(第2次)」、妊娠・出 産包括支援事業、不妊に悩む方への特定治 療支援事業、小児慢性特定疾病の新たな制 度について講演した。 「健やか親子21(第2次)」については本 紙3頁で触れているが、最終評価の結果か ら、乳幼児(0∼4歳)死亡率、3歳児む し歯有病率、男子小学生の肥満などは特に 都道府県格差が大きいとし、第2次計画で は、「すべての子どもが健やかに育つ社会」 を目指すことから、対策の必要性をあげた。 また、第2次計画の3つの基盤では、Cの 「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づ くり」について、社会全体で子どもの健や かな成長を見守っていくためには、母子保 健推進員や愛育委員等との連携が、より重 要となるとした。 重点課題①「育 てにくさを感じる 親 に 寄 り 添 う 支 援」は、発達障害 の子どもとその親 への支援だけでな く、広く親子に寄 り添い支援していく必要がある。重点課題 ②「妊娠期からの児童虐待防止対策」では、 基盤A「切れ目のない妊産婦・乳幼児への 支援」にも一部重なるが、妊娠期から妊婦 に寄り添うことで問題点を早期に発見し、 継続して対処していく。具体的には、妊娠 届時にアンケートを実施する等して、妊婦 の身体的・精神的・社会的状況について市 区町村で把握することなどを挙げている。 妊娠期から切れ目なく母子を支える 妊娠・出産包括支援事業については、平 成26年度より妊娠・出産にかかる相談・支 援サービスの充実を図るためにモデル事業 を実施している。支援の核となる母子保健 コーディネーターを配置し、産後ケア事業、 産前・産後サポート事業等も組み入れ、妊 産婦個々に即した支援をパッケージとして 一体的に引き受け、ワンストップサービス 的に行う。産後ケア事業では、心身のケア や育児サポート等きめ細かな支援を行うも のであり、産前・産後サポート事業は、助 産師等による相談支援及びシニア世代が話 し相手となり妊産婦の孤立感の解消を目指 す。来年度からは、150市区町村をモデル として、ワンストップ拠点で様々な相談に 乗ることを目指す。 一瀬課長母子を支えるために
母子を支えるために
小 児 慢 性 特 定 疾病においては、 対 象 疾 病 数 を 約 1.5倍 の704と し て、 約15万 人 を 対 象 に、 医 療 費 の助成に加えて、 相 談 支 援 や 自 立 支援を行う。平成27年1月1日、改正後の 法律施行。 続くシンポジウムでは、「地域で妊娠期 からの切れ目なく母子を支えるために」を テーマとし、座長の大阪府立母子保健総合 医療センター母子保健情報センター長佐藤 拓代先生が基調講演として、「妊娠期からの 母子支援」について講演した。 座長の佐藤先生は、本シンポジウムの趣 旨について以下のように述べた。日本では、 妊娠届けを出さない、妊婦健診を受けない 人、孤立感からストレスを溜めながら育児 をしている母親が少なくなく、中には虐待 に至ることもある。そのような子ども、母 親をなくすため、国では妊娠期からの切れ 目のない支援事業を開始した。 この時期の課題は何か、そのための対策 として、国のモデル事業として先駆的に取 り組んでいる自治体の事業の紹介をしてい ただく。また、妊娠期からの切れ目のない 支援について、世界のトップランナーであ るフィンランドの母子保健、子育て支援に かかるシステムについて紹介(妊婦健診・ 出産費用は無料、妊婦健診を受けると祝い 金または育児に必要なものが詰まったパッ ケージが国からプレゼント。ネウボラ(相 談・健診の場)で妊娠期から学齢前まで一 貫して同じ保健師が中心となり妊 婦・乳幼児健診、予防接種、各種 相談等手厚い医療、保健サービス を提供)、フィンランド大使館の協 力により展示の「育児パッケージ」の紹介 (写真下)を行い、講演に入った。 すべての子どもを守るために 予防できない事例は、これまでの取り組 みではアプローチしにくい、サービスの隙 間に落ちてしまった家庭から起きている。 生後0日で死亡している児の出産場所は医 療機関は0%、周囲が気がつく必要だが、 1日以上1か月未満の虐待死亡事例では医 療機関での出産は約5割、また妊娠期、手 帳の交付は受けても健診をあまり受けない 人もいるが、行政でその情報を得ることは 難しい。子どもの命、母親を孤独から救う ため、その後のケア、サービスに繋げてい くためにも医療機関と行政は必要な情報を シェアする仕組みが必要。 また妊婦健診を受けない理由として、経 済的な理由、健診時厳しいことを言われそ の後受診しないこともある。前者について は妊婦健診の助成についての案内を様々な 形で、後者については、「あなたの体が心配」 というメッセージを頻繁に伝える、よいと ころを探してほめる。利用者の視点で既存 のサービスを受けやすく、受けて良かった と思われるようにする。情報の提供は、小 児科、産科、精神科、歯科、地域など様々 な所から得る努力、仕組みを。 思いがけない妊娠の場合、うつ傾向を引 き起こしていることが多いので、支援者は 否定せず、まずは相談者を受容する。相談 できる力を付けるには、受け入れられたと いう思いが、支援者は、何かある、妊娠し ていることを見抜く力が必要。行政と関わ りを持たない人もいるので、小さな情報で も集める、気づく。母子保健推進員等地域 で活動する人たちと連携することも効果的。 支援を必要とする妊婦の把握と支援は、 疾病予防と先を見通した変化への対応がよ り求められる時期であり、子育てのリスク 予想も可能である。また親との関係性の見 極めなど、育児の真の支援者の確保も必要 である。妊娠期の情報の重要性をネット ワークが認識し、行政と医療機関との連携 を強化し、情報共有とアセスメントを 行い、それを踏まえた支援を行う。既 存のサービスにのらない妊婦ほど支援 が必要であり、工夫を凝らした取り組 みが求められている。 妊娠期からの切れ目のない支援と は、支援者が「私はあなたのことを、 いつも気にかけている」というメッ セージを送り続けること。 席が足りなくなる盛況の全国集会 フィンランドの育児パッケージの展示 佐藤先生母子保健関係者
全 国 集 会 開 く
基調講演に続いて、愛媛県松山市、山梨 県甲州市、三重県名張市による事例報告が 行われた。松山市の「“母推さん”と協働で 進める地域に根差した親子への支援」につ いては、本紙No,229を参照されたい。甲州 市の「切れ目のない妊娠・出産・育児への 支援を目指して」は本紙次号で報告する。
人と人をつなぐ
―親子の力と 地域の子育て力を支える― 名張市健康福祉部健康支援室 保健師 上田紀子 三重県西部に位置する名張市は、大阪、 名古屋からともに電車で1時間のベッドタ ウン、人口81,469人(H26年3月)、出生 数657人(H24年)。人口減少、急速な高齢化、 核家族化、待機児童の増加が進み、一方で 医療機関が少なく開業助産師もいない。名 張市の強みと母子保健の課題を整理した結 果、強み : ①地域づくり組織の自治力、② 地域の支え合いの仕組み、③「まちの保健室」 の仕組み、④保健師の地域に根差した保健 予防活動、⑤医療と福祉の連携、⑥主任児 童委員(地域住民)による乳児家庭全戸訪 問事業の仕組みと仕掛け、⑦市長の“生涯 現役のまち”への情熱と保健師活動への理 解。名張市の母子保健の課題 : ①妊婦の高 齢化、幅広い年齢、経済的困窮、②妊娠期 の不安(3人目妊娠の不安)、③行政サービ スの妊娠中と産後1か月頃の希薄さ、④ハ イリスクアプローチが中心となり潜在 するニーズが把握できていない(虐待 予防や精神保健、低出生体重・疾患へ の個別対応の増加)、⑤母子保健事業 と子育て支援事業(一体的な推進、状 況に応じた選択の必要性)という状況 から、「名張版ネウボラ」を推進する ことに。 まず、市内15の地域ごとにある地 域づくり組織それぞれで“ワールドカフェ” (自由に意見を出してもらう)を実施、子育 てに関する課題を地域住民、母親と共有し、 ニーズ把握を進め整理(市内でも地域ごと に特徴が違う)。課題として、妊娠能力のな い妊婦、住民票のない妊婦の把握が不十分 なことなどがわかった。これらをもとに、 ハイリスクへの支援は様々な部署と連携し て手厚く行っていくが、併せて「産んでよ かった、もう一人産みたい」と自然に選択 できる環境づくり、望まない妊娠でも公的 機関に支援者がいる、何とかやっていける、 と思える環境をつくることを目的とした。 定着し効果をあげる『まちの保健室』 と民生委員による乳児家庭全戸訪問 名張市では、平成17年、医療機関が少な く高齢化が進む中、在宅で安心して暮らせ るよう、15の地区ごとに『まちの保健室』(地 区保健福祉センター)を設置、嘱託職員(社 会福祉士、看護師、介護福祉士など)2∼ 3名が常駐し、地域の身近な相談窓口とし て各種申請の代行、健康教室の開催、サロ ンなど地域活動の拠点として定着。 乳児家庭全戸訪問事業は、民生児童委員 に委託、ハイリスクこそ地域での日常的な 見守りが必要であることから、民生委員が すべての対象家庭を訪問(ハイリスクとわ かっている場合は事前に保健師が訪問した 後に訪問)している。地域住民である民生 委員が訪問することで、いるはずのない子 の発見など、効果をあげている。 “名張版ネウボラ”を目指して これまでの事業を活かしつつ新たに取り 組む事業として、 1. チャイルドパートナー、母子保健コー ディネーターの設置 『まちの保健室』で妊娠期から育児期まで 継続的に相談支援を行う相談員を「チャ イルドパートナー」とし、子ども支援セ ンターやマイ保育ステーション(地域子 育て支援拠点事業)、地域づくり組織等と 連携して地域に根差した活動を行う。 また、保健師を「母子保健コーディネー ター」とし、チャイルドパートナーの情 報をもとに必要に応じて支援に結びつけ る(支援プランの作成)。 2.健康教育・相談事業 思春期から妊娠、出産、育児機関にわたり、 保健師、助産師が訪問、教室、面接等を 行う。 3. 産前・産後サポート事業(地域の子育 て応援力事業) 地域づくり組織や子育て支援拠点始業等 と連携し、地域の強み、ニーズに応じた 支援、交流会や研修会等を行う。 4. 産後ケア・医療機関連絡体制整備事業 医療機関と連携し、妊娠中からの相談、 支援、産後の心身のケアができる体制を 整備。産後のケアを訪問型・参加型・宿 泊型において実施。 既存の事業に上記事業を組み合わせ、各 職種立場の方々との連絡会を機能させ、「名 張版ネウボラ」を推進(地域住民からは「自 分たち地域独自のネウボラ」として活動し たいと取り組んでいる)していく。 先駆的な取り組みが発表されたシンポジウム2011年3月11日に発生した東北地方 太平洋沖地震は、それまでにない未曾有 の出来事として、直後から連日メディア で取り上げられ、多くの人々に私的に、 公的に何かできることはないかと駆り立 ててきた。それから3年目の冬を迎え、 新しい年を迎える。 前号で次回からは、被災してもその住み 慣れた地域で復興を目指すママを紹介す ると伝えたが、その前に紹介したいママが 見つかった。福島県県北健康福祉センター でリフレッシュママクラス終了後のママ たちの交流会で、これまでずっと一緒に活 動してきたママの一人に起きている出来 事を知ったからである。それを多くの人た ちに伝えることが私の役割であり、彼女の 心のありようと行動力にエールを送り続 けることだと考えたからである。
「きらきら輝く瞳」との出会い
彼女との出会いは、“被災地のママを元 気にプロジェクト”2年目の初夏であっ た。これまで紹介してきた長い黒髪の思 春期のママが参加したリフレッシュママ クラスのいわば後輩ママとなる。 “被災地のママを元気にプロジェクト” 2年目のリフレッシュママクラス開始に あたって、“今年はどんなママたちに会え るのだろうか?被災後2年目を迎えても なお復興が長引いている時期を過ごして いるママたち、どんな気持ちで参加して くるのかな?”と思いながらも、でもきっ と素敵な出会いがいっぱいあるだろうと 心待ちしていた。 そのママは、会場に 一番乗りであった。会 場へ入ってきたその瞬 間から、きらっとひと 目でそこにいる人たちの心をひきつけて しまうような強さを秘めた瞳を、私たち に真正面から投げかけてきた。その瞳に 圧倒されながらも、私は「よく来たね!! 待ってたよ!!」と声をかけた。その瞬 間、瞳の輝きが優しくほっと変化し、「お はようございます」と応えてくれたこと を今でも鮮明に覚えている。 クラスが始まるまでの15分くらいの間 に、彼女はとても積極的に、後から来る ママたちに声をかけていた。声をかけら れたママたちは、それまでの不安そうな 顔をほころばせ、挨拶を交わしあい、自 由に居場所を選び、いつの間にかグルー プになって座っていた。支援者も2年目 で寄り添い方を心得たのか、「こっちに 座って……」等の介入はなく、ママたち の自然な交流に暖かなまなざしを注いで いた。そしてプロジェクト2年目のリフ レッシュママクラスは始まった。 実は今回紹介するママは、翌週の2日 目のクラスの時にも、そしてその後結成 されたリフレッシュママクラス修了生の ママを中心とした「リフレッシュママ交 流会 : 素敵な名称を考え中といいながら なぜか、現在までこの名称」でも、いつ も一番乗りできらきらと輝く大きな瞳で 仲間のママたちを待っている。「知らない土地」でひたむきに生きる
リフレッシュママクラス修了生のママ も、クラスは受けていないけれど交流会 に参加したいと来るママたちも、その瞳 の輝きに迎えられなぜかすぐ溶け込みあ う。そんな不思議な力を秘めた彼女に、「い つも一番乗りなのはどうして?」とその 理由を聞いてみると、「1番乗りなのはた またまだと思いますが、私は時間厳守の 人間なんです。待つ事はしても待たせる 事はしたくないだけです。ギリギリの行 動はしたくないんです。」と笑いながら答 えてくれた。 でもそれだけの理由でいつもいつも一 番乗りは続かない。他にも何か理由があ るはずだと感じていたところ、リフレッ シュママクラスに参加した動機を聞いた 時に、「そうだよね」と心からその気持ち を受けとめることができた。 彼女はクラスを受講した理由を、「知ら ない土地に来て誰も話す人がいなかった ので、ママ友が欲しかった。また、その 時の浪江町役場の担当の方(保健師さん) が『どうですか!どうですか!』と熱心 に誘ってくださり、その熱意に負けまし た(笑)。でも主人に『旦那の文句でも言っ て、ストレス解消できるママ友つくらな いとダメだぞ』って言われていたのもあ りますけどね(笑)」 住んでいた町を離れて福島市に移り住 んだ理由を、「最初は会津の知り合いの所 へ3か月お世話になりましたが、主人が 震災により南相馬市小高区の営業所が避 難区域に指定された為、福島営業所へ転 勤となりました。毎日、片道2時間の通 勤は大変な為、営業所がある福島市へ移 りました。」と話してくれた。 彼女の一番乗りの理由が心から愛おし く思えるのは、私だけではないだろう。 (続く) リフレッシュママクラス ファシリティター Ann (自治医科大学名誉教授 髙村寿子)被災から4年目の冬に・・
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しゃいました。 子どもにとって歯磨きは「面倒くさい」 代表なのかもしれません。大人と違い爽 快感や満足感を感じることは難しいと思 います。では、どうやって歯磨きを嫌い にならないようにすればよいのでしょう か?もの心がつく前から歯磨きとの つき合いは始まります。
乳児のハミガキ始め
ほとんどのお子さんが1歳6か月 健診ではじめて歯科医師に口の中を 見せることになるので、それまでの間 に歯ブラシによる口腔ケアがうまく 導入できるような方法として、脱感作 療法があります。口腔内に歯ブラシを 入れられることに抵抗する(筋肉が いませんが、食べる 時には短時間で済ま せ、通常の食事と同 じように歯磨きをす る習慣をつけた方が よろしいでしょう。 ケース② 震災時、避難所で水などが足 りず、歯磨きができなかった。 避難中は水も限られ、行動も制限され ていたため、歯磨きどころか、手も洗え ない状況が続いていた。避難所から自宅 に戻れても、水が貴重なのは変わらず、 歯磨き等は後回しになってしまっていた。 徐々に通常の生活に戻った時には、子 どもの歯磨き習慣は薄れ、「なんで歯磨 きしなきゃいけないの?この間まではし なくてもよかったのに…」と反抗される ようになった。たまたま反抗期と、いろ いろなストレス等が重なっただけかもし れないが、また歯磨きの習慣をつけるの に苦労しているというお母さんもいらっ間食とハミガキ
震災から早いもので、3年が経ちまし た。今回は震災後にお母さん方から聞い た話やお悩みなども含めてお話ししたい と思います。 ケース① 避難所でお菓子(スナック菓 子)の味を覚えてしまった。 あるお母さんは、震災前まではおやつ にも気を付け、ジュース類やスナック菓 子は食べさせないようにしてきたという ことです。おやつを食べたとしても、食 後にしっかりと歯磨きをさせていたそう です。ですが、震災後の避難所では食料 が足りず、寄せられた物資も日持ちがす るスナック菓子が多かった。そこでスナッ ク菓子の味を覚えてしまい、日常生活が 戻ってくるにつれ買い物先でもねだるよ うになってしまった。スナック菓子をダ ラダラ食べる癖がついてしまい、むし歯 になったのでは?と考えているそうです。 スナック菓子=むし歯の原因とは言え ないと思いますが、やはり口腔内にいつ までも糖分等が残っているのは、良い環 境とは言えません。また、兄弟がいるご 家庭では、お兄ちゃん、お姉ちゃんにむ し歯がなくても、弟、妹は早期にお菓子 などを食べ始めることが多く、むし歯の リスクが上がる傾向があるようです。 また、乳幼児期のむし歯の原因はブラッ シング不良というよりも、食事や飲み物 の回数、時間によることが大きいと思い ます。おやつを食べることは悪いとは言 緊張して口をすぼめる、吐き出すような 動作をする)場合には指を使って歯肉を マッサージしながら筋の緊張をとってい く方法です。歯肉は上顎前歯部が最も刺 激に敏感で、下顎前歯、臼歯の順で鈍感 になっていきます。乳児の場合、はえ始 めた前歯部は口腔内でも刺激に敏感な部 位といえますので、歯のない臼歯部から マッサージを開始して、お口の緊張を取 りながら歯ブラシの導入をしていく方法 をお勧めします。 脱感作療法で大事なことは、リラック スしてもらうことです。お子さんにリ ラックスしてもらうには、まず親がリ ラックスしなくてはいけません。イライ ラして無理強いするのではなく、スキン シップをしながら、お口に遠いところ、 手、腕、肩、胸などから徐々にお顔に近 づき、自然とお口につなげていくという のもよいでしょう。 最初は歯磨きを目的にするのではな く、歯磨きへの慣れを目的にしてみま しょう。普段から赤ちゃんの口の周りや 口の中、唇などに触ることに慣れさせて おくと抵抗が減ります。赤ちゃんの口は とてもデリケートですから、最初から歯 ブラシは使わず、ガーゼなどを使用して乳幼児期の歯磨きと口腔衛生
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マッサージと汚れの除去から徐々に始め ていきましょう。
ハミガキの時間と場所
歯磨きは食後すぐに行わなくてはいけ ないのでしょうか?大人と違いお茶を飲 みながら余韻を楽しむということはない と思います。すぐに遊びたい時期もある でしょう。良い習慣をつけるには、食事 と歯磨きをセットにしていくのが理想で す。美味しい食事をさせてくれた歯とお 口に感謝しながら、お礼をしましょうと。 ただし、朝や日中は忙しくて時間が取 れないこともあるでしょう。そういう場 合には、夕食後にしっかりと時間をとる ようにしましょう。コミュニケーション の一つとして、成長度合いの確認として 歯磨きをします。子どもと触れ合う時間 の少ないお父さんが参加するのもよいで しょう。一人磨きに興味を持ち始めたら 家族揃って歯磨きをしたり、上手く出来 たら皆で褒めたり、雰囲気づくりも大切 です。場所は洗面所である必要はありま せん。歯磨き剤を使わなければダイニン グやキッチンなどでもできます。また泡 で見えなくなることもないので、歯や汚 れの状況が見えやすくなります。 歯磨きの方法について詳しくはかかり つけの歯医者さんで点検を兼ねて教えて もらうのがよいでしょう。 公益社団法人 日本歯科医師会 地域保健委員 新沼 康弘 歯磨きといえば必ず歯磨き粉で磨か なくてはいけないとお思いの方も多い のではないでしょうか?ブラッシング だけを考えれば、歯磨き剤は必ずしも 必要ではないのです。特に小さなお子 様は誤飲の心配もあります。(もちろん、 そのことも考えて安全な成分で構成さ れているかとは思いますが。) 大震災、また近年では気象災害での 避難を余儀なくされる方もいらっしゃ います。防災用品には何が必要かとい う情報も溢れています。最近はすすぐ だけの液体ハミガキや、歯磨き用のシー トなども製品化されています。小さい ので衛生用品に加えて準備できます。 ですが、もっと簡単な方法もありま す。何もつけずにブラッシングだけす るのです。歯磨き剤になれている方に は抵抗があるかもしれませんが、多く のメリットがあります。 まずは歯磨き剤の泡でいっぱいにな らないので、ゆっくりと時間をかけて磨 けます。テレビなどを見ながらでもで きます。研磨剤で軟らかい歯の表面を 傷つけることもありません。唾液の分 泌も促します。出てきた唾液は抵抗が 無ければそのまま飲み込むことをお勧 めします。カルシウムがたくさん含ま れているので、出しては「モッタイナイ」 のです。それ以外に唾液には歯の再石灰 化を促す成分が含まれています。特に酸 の強い果物等を食べた後にはお勧めで す。普段から歯磨き剤に頼らない歯磨 きに慣れるのもよいかもしれませんね。8020
ひとくちメモ
歯磨き剤なしの歯磨きとそのメリット
平成26年度健やか親子21全国大 会は愛媛県松山市に延1981人の母 子保健推進員等母子保健関係者を集 め開催された。大会には塩崎泰久厚 労大臣が主催者の一員としてあいさ つを行い、大会を盛り上げて頂いた。 昭和40年母子保健法が施行され、そ れまでの母子衛生大会、家族計画大 会を合わせ第1回母子保健家族計画 全国大会は、東京日比谷公会堂で開 催した。東京埼玉での2回開催を含 め愛媛県大会で一巡。その間健やか 親子21国民運動発足に合わせ大会名 称を健やか親子21全国大会とした。 来年度開催神奈川大会は母子保健法 制定50年の記念すべき大会となる。 母子保健法制定に尽力した学術専 門家団体を構成会員とした公益社団 法人母子保健推進会議は、大会の主 催団体の一員として第2次健やか親 子21国民運動推進の記念すべき大会 としたい。 (H) 発 行:公益社団法人 母子保健推進会議 発行人:原澤 勇 編集人:鑓溝和子 協 力:全国母子保健推進員等連絡協議会 東京都新宿区市谷田町 1-10 保健会館新館(〒 162-0843) TEL.03-3267-0690 FAX.03-3267-0630 E メール [email protected] URL http://www.bosui.or.jp 年間購読料 2,160 円(税〒込み) 母子保健推進員等特別価格 年間購読料 1,290 円(税〒込み) 郵便振替口座 00120-9-612578