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日本家政学会誌 Vol. ₆₇ No. ₃ 168~175(₂₀₁₆) Vol. No. ノート ユニバーサルデザインのための色の象徴性の検討 (1) 若者の生活行動における言語と色の象徴性 石原久代 ₁*, 小町谷寿子 ₂, 大澤香奈子 ₃, 内藤章江 ₄ ₅, 橋本令子 Study on Col

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Academic year: 2021

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₃₆ Copyright © 2016 The Japan Society of Home Economics

ノート

ユニバーサルデザインのための色の象徴性の検討(1)

―若者の生活行動における言語と色の象徴性―

石原 久代

*,小町谷寿子

,大澤香奈子

内藤 章江

,橋本 令子

Study on Color Symbolism for Universal Design (I)

Symbolism of Colors and Words in Daily Living Activities of Young People

Hisayo ISHIHARA₁*, Hisako KOMACHIYA, Kanako OHSAWA,

Akie NAITO₄ and Reiko HASHIMOTO

For the effective utilization of color in universal design, it was thought that commonality exists in color symbolism tacitly felt by most people. Therefore, a study was conducted on the symbolism of colors and words in younger people's daily activities. A total of ₁₀₀ males and females in their teens or twenties were used as subjects. A total of ₂₀₀ test words including nouns, verbs, and adjectives relating to daily activities were chosen and presented to the subjects. Participants were asked to choose a color from a ₇₁-color chart and associate it with the respective words.

For ₆₁ of ₂₀₀ words tested, ₂₀% or more subjects chose the same color and word association. The most frequently chosen associated color was blue, followed by red and orange. The general tendency was for men to choose yellow and women to choose red. These vivid tones were selected by one-third of subjects and their selectivity was high for high-chroma colors. For antonyms, a combination of red and blue, not complementary colors on the hue circle, was most frequently chosen. This demonstrated a remarkably high rank correlation coefficient between men and women, and the respective colors associated with many words were generally the same among young people.

Key words: Universal Design ユニバーサルデザイン,Color Symbolism 色の象徴性,Daily Living Activities 

生活行動

所属機関名: 1名古屋学芸大学,2名古屋女子大学,3京都光華女子大学短期大学部,4お茶の水女子大学,5椙山女学園大学

1Nagoya University of Arts and Sciences,2Nagoya Women’s University,3Kyoto Koka Women’s College,4Ochanomizu

University,5Sugiyama Jogakuen University 原稿受付:平成27年10月 6 日  原稿受理:平成28年 1 月 6 日 * To whom correspondence should be addressed  E-mail:[email protected]

1.緒 言

 私たちは色を見て,モノや言葉を連想する.色の連想 は見る人の年齢や性別,経験,教養,個性などによって 相違がみられるが,そこには共通的な連想が存在する. 色の連想が個人差を超えて社会的に普遍性を帯びると, その色が象徴的な性格を持つようになる.  我が国は,ますます高齢化が進んでおり,ユニバーサ ルデザインが求められる一方で,生活情報の提供は,社 会の細かいニーズに答えるために複雑化の一途を辿って おり,商品には原材料名,内容量,使い方,使用上の注 意だけでなく,保管および容器の廃棄上の注意など多大 なピクトグラムや文字情報が付与されており,私たちは それらの情報を判別し,可読しなければならない.しか し,加齢に伴って老眼だけでなく眼球の黄変や白内障な どにより高齢期の視力は低下し,可読するために困難を 極める場合も多い.現在色の象徴性が一致して多用され ているものに温水の赤や冷水の青,性別を表す女性の赤 や男性の青などがあるが,一方で住宅設備のスイッチは 赤が ON,緑が OFF であるのに対してテレビなどの電化 製品では逆の色彩が使われ,何回も押し直すことが茶飯 事である.また,商品の中には細かい文字を読まなけれ ば蓋が開けられないものもあり,文字の理解できない子 供や色弱などの色覚障害の人々にもやさしい情報提供が

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(169) ₃₇ なされているとは言い難い.  そこで,温度や性別に関わる象徴性だけでなく,さら に多くの色彩の提示によって可読性や明視性を心理的に 誘導し,生活における行動や状況をサポートできないか と考えた.  色彩がより効果的にユニバーサルデザインに寄与する ためには,多くの人が暗黙裡に抱く色の象徴性の共通認 識が重要であるといえる.色の象徴性や連想に関する研 究は,色彩学の研究分野では多数行われており,それら の多くは民族や文化史の中で色の象徴性を取り上げ比較 検討した研究₁)₂)や色名や色彩そのものが提示され,何が 連想されるかなど,モノと色彩の関係を検討した事 例₃)~₅)が多い.しかし,これらの研究は,色彩のもつ心 理的基礎理論を解明する内容がほとんどであり,色の象 徴性をユニバーサルデザインに利用するという視点から 生活行動に絞って研究したものはほとんど見当たらない. 本研究の内容は,「人間生活の充実と向上に寄与する」こ とを目的としているという点において家政学そのものの 目指すところと一致しており,情報過多の今,家政学の 分野で扱っておくべき重要な内容であると考える.  そこで,第 ₁ 報にて,より多くの生活行動と色の象徴 性との関係を見出すために,日常生活の中での行動その ものやそれに付随する多くの言語を用い,さらに性別に よる差について検討することとし,若い男性,女性を対 象に実験を行った.今回,若者を取り上げた理由は,色 の象徴性が高齢になって突然形成されるものでない点や, ユニバーサルデザインを考えるにあたり,年代を超えて 提供される色彩である点から,まず,大容量の情報を正 確に判断できる年代を対象として全体傾向を把握したい と考えたことによる.

2.方 法

(1)生活行動に関する言語の選出  アンケートに用いた言語は,本研究が生活の中で行動 を示す表記に特定の色彩を用いることで行動を助けるこ とに主眼を置いているため動詞を中心に名詞,形容詞な ども含めた₁₀₀語程度を若年女性₂₀名によりあげてもら い,その中から出現率の高かった用語を順に選出し,そ の用語の反対語,類義語を加えた₂₀₀語(後述 Table ₂) とした.  ₂₀₀語の内容は,生活の中で使用することに重点を置 き,「右」,「左」,「東」,「西」,「南」,「北」な ど,位 置 や方向を表す言語,「晴れ」,「雨」,「曇り」,「雪」など天 気を表す言語,「男」,「女」,「父」,「母」,「兄」,「弟」, 「姉」,「妹」など性別や続柄を表す言語,「キッチン」, 「リビング」,「玄関」など生活空間に関する言語などを含 め,名詞が計₅₁語,「ありがとう」,「ごめんなさい」とい う挨拶,「甘い」,「辛い」,「すっぱい」などの味覚に関す る言語や「暑い」,「寒い」などの皮膚感覚に関する言語 などの形容詞,形容動詞が₁₇語,「押す」,「引く」,「出 す」,「入れる」,「開く」,「閉じる」などの生活の中での 行動を表す動詞₁₃₀語である.なお,反対語はできる限り 反対語大事典₆)を参考に選出した. (2)実験方法  実験は,上記の生活行動に関する言語を ₁ 言語ずつ提 示し,作成したカラーチャートから連想される ₁ 色を選 択し,カラー番号を書き込んでもらう方法で₂₀₀語につい て行った.なお連想できない場合は,無選択とした.被 験者は₁₈~₂₈歳の男性₁₀₀名,女性₁₀₀名の計₂₀₀名, ₁ 回 の同時実験数は ₅ 名程度,途中の休憩は席についたまま 各自で目を休める程度に取った.制限時間は設けず,観 察条件は JIS に準拠し,日の出 ₃ 時間後から日の入り ₃ 時間前までの北窓自然昼光のもとで行った.実験実施期 間は₂₀₁₁年 ₉ 月~₂₀₁₂年 ₁ 月であった.カラーチャート は生活の中にある製品やピクトグラムに多く使用されて いる色を中心に Fig. ₁ に示した PCCS における v(ビビッ ト゛トーン)の₁₂色,lt(ライトトーン)の₁₂色,d(ダ ルトーン)の₁₂色,dk(ダークトーン)の₁₂色とし,こ れら ₄ トーンの色相は₂₄色相における偶数番号を使用し た.また,低彩度領域の p(ペールトーン)の ₆ 色,g (グレッシュトーン)の ₆ 色,dkg(ダークグレッシュ トーン)の ₆ 色は色相番号 ₂ , ₆ ,₁₀,₁₄,₁₈,₂₂を用 いた.さらに,無彩色については,Gy(グレイ)の Gy-₇.₅,Gy-₅.₅,Gy-₃.₅の ₃ 色に W(ホワイト),Bk (ブラック)を加えた ₅ 色とした.なお,各色のマンセル 値を Table ₁ に示した.  カラーチャートはこれらの色彩を PCCS ハーモニック カード₂₀₁(日本色彩研究所製)から選出し,縦 ₁.₅ Fig. 1.カラーチャートのトーン配置 p sf lt ltg g dkg dk d b s dp v W Gy-7.5 Gy-5.5 Gy-3.5 Bk 6色 12色 6色 12色 12色 12色 5色 彩度 6色

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(170) ₃₈ cm×横 ₃ cm に切断し,N₆.₀の A₄グレイ台紙に貼付し て作成した.得られた結果を基に共通性や男女間の差に ついて検討した.  なお,本実験は「日本家政学会誌投稿論文の倫理的観 点に基づく審査」を受け承認された.

3.結果および考察

(1)色の象徴性の使用状況  生活の中にある製品において色の象徴性がどのように 使用されているか,その現状を把握するために調査を 行った.その一例として Fig. ₂ は,トイレの案内表示サ インの例であるが,トイレはすでに女性が赤,男性が青 または黒といった性別についての色の象徴性が利用され ている場合が多い.しかし,Fig. ₃ は形状のみにて性別 を表現している例で,男女とも同色が使われており,か なり近距離でないと判別し難い.色の象徴性を利用して いないこれらの案内表示サインは,特にデザインに拘っ たものが多く,利用者側の分りやすいという視点に立っ て提供されているとは言い難い.また Fig. ₄ は,温度感 について色の象徴性が利用されている例であり,水栓に Table 1.選択用カラーチャートのマンセル値 No PCCS マンセル表色系 No PCCS マンセル表色系 色相 明度 彩度 色相 明度 彩度 ₁ v₂ ₄ R ₄.₅ ₁₄.₀ ₃₇ dk₂ ₄ R ₂.₅ ₆.₀ ₂ v₄ ₁₀R ₅.₅ ₁₄.₀ ₃₈ dk₄ ₁₀R ₃.₀ ₆.₀ ₃ v₆ ₈ YR ₇.₀ ₁₃.₀ ₃₉ dk₆ ₈ YR ₃.₅ ₆.₀ ₄ v₈ ₅ Y ₈.₀ ₁₃.₀ ₄₀ dk₈ ₅ Y ₄.₀ ₅.₅ ₅ v₁₀ ₃ GY ₇.₀ ₁₂.₀ ₄₁ dk₁₀ ₃ GY ₃.₅ ₅.₀ ₆ v₁₂ ₃ G ₅.₅ ₁₁.₀ ₄₂ dk₁₂ ₃ G ₃.₀ ₄.₅ ₇ v₁₄ ₅ BG ₄.₅ ₁₀.₀ ₄₃ dk₁₄ ₅ BG ₂.₅ ₄.₅ ₈ v₁₆ ₅ B ₄.₀ ₁₀.₀ ₄₄ dk₁₆ ₅ B ₂.₅ ₄.₅ ₉ v₁₈ ₃ PB ₃.₅ ₁₁.₅ ₄₅ dk₁₈ ₃ PB ₂.₀ ₅.₀ ₁₀ v₂₀ ₉ PB ₃.₅ ₁₁.₅ ₄₆ dk₂₀ ₉ PB ₂.₀ ₅.₀ ₁₁ v₂₂ ₇ P ₃.₅ ₁₁.₅ ₄₇ dk₂₂ ₇ P ₂.₀ ₅.₀ ₁₂ v₂₄ ₆ RP ₄.₀ ₁₂.₅ ₄₈ dk₂₄ ₆ RP ₂.₅ ₅.₅ ₁₃ l t₂ ₄ R ₇.₅ ₆.₅ ₄₉ p₂ ₄ R ₈.₅ ₂.₀ ₁₄ l t₄ ₁₀R ₈.₀ ₆.₅ ₅₀ p₆ ₈ YR ₉.₀ ₂.₀ ₁₅ l t₆ ₈ YR ₈.₅ ₆.₅ ₅₁ p₁₀ ₃ GY ₉.₀ ₂.₀ ₁₆ l t₈ ₅ Y ₉.₀ ₆.₀ ₅₂ p₁₄ ₅ BG ₈.₅ ₂.₀ ₁₇ l t₁₀ ₃ GY ₈.₅ ₅.₅ ₅₃ p₁₈ ₃ PB ₈.₀ ₂.₀ ₁₈ l t₁₂ ₃ G ₈.₀ ₅.₀ ₅₄ p₂₂ ₇ P ₈.₀ ₂.₀ ₁₉ l t₁₄ ₅ BG ₇.₅ ₅.₀ ₅₅ g₂ ₄ R ₄.₀ ₂.₀ ₂₀ l t₁₆ ₅ B ₇.₀ ₅.₀ ₅₆ g₆ ₈ YR ₄.₅ ₂.₀ ₂₁ l t₁₈ ₃ PB ₆.₅ ₅.₅ ₅₇ g₁₀ ₃ GY ₄.₅ ₂.₀ ₂₂ l t₂₀ ₉ PB ₆.₅ ₅.₅ ₅₈ g₁₄ ₅ BG ₄.₀ ₂.₀ ₂₃ l t₂₂ ₇ P ₆.₅ ₅.₅ ₅₉ g₁₈ ₃ PB ₃.₅ ₂.₀ ₂₄ l t₂₄ ₆ RP ₇.₀ ₆.₀ ₆₀ g₂₂ ₇ P ₃.₅ ₂.₀ ₂₅ d₂ ₄ R ₄.₅ ₆.₅ ₆₁ dkg₂ ₄ R ₂.₀ ₁.₅ ₂₆ d₄ ₁₀R ₅.₀ ₆.₅ ₆₂ dkg₆ ₈ YR ₂.₅ ₁.₅ ₂₇ d₆ ₈ YR ₅.₅ ₆.₅ ₆₃ gkg₁₀ ₃ GY ₂.₅ ₁.₅ ₂₈ d₈ ₅ Y ₆.₀ ₆.₀ ₆₄ dkg₁₄ ₅ BG ₂.₀ ₁.₅ ₂₉ d₁₀ ₃ GY ₅.₅ ₅.₅ ₆₅ dkg₁₈ ₃ PB ₁.₅ ₁.₅ ₃₀ d₁₂ ₃ G ₅.₀ ₅.₀ ₆₆ dkg₂₂ ₇ P ₁.₅ ₁.₅ ₃₁ d₁₄ ₅ BG ₄.₅ ₅.₀ ₆₇ W N₉.₅ ₉.₅ ― ₃₂ d₁₆ ₅ B ₄.₀ ₅.₀ ₆₈ Gy-₇.₅ N₇.₅ ₇.₅ ― ₃₃ d₁₈ ₃ PB ₃.₅ ₅.₅ ₆₉ Gy-₅.₅ N₅.₅ ₅.₅ ― ₃₄ d₂₀ ₉ PB ₃.₅ ₅.₅ ₇₀ Gy-₃.₅ N₃.₅ ₃.₅ ― ₃₅ d₂₂ ₇ P ₃.₅ ₅.₅ ₇₁ Bk N₁.₅ ₁.₅ ― ₃₆ d₂₄ ₆ RP ₄.₀ ₆.₀

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(171) ₃₉ おいて温水が赤,冷水が青で表現されている.今回の調 査においては水栓が最も色の象徴性が利用されていた. しかし,Fig. ₅ に示したエアコンのリモコンにおいては, 同じように温度感に関するサインであるにもかかわらず, 色の象徴性は利用されておらず,リモコン全体のデザイ ンと連動してスイッチが成型されており,象徴性とは無 関係な色彩が用いられており,水栓ほど色の象徴性が広 く利用されていない状況であった. Table 2.各用語の一致色と一致率 (%) 順位 用語 一致色 一致率 順位 用語 一致色 一致率 順位 用語 一致色 一致率 順位 用語 一致色 一致率 順位 用語 一致色 一致率 ₁ 辛い v₂ ₇₂.₅ ₂₄ 机 dk₆ ₂₉.₅ ₅₁ 磨く W ₂₁.₀ ₇₄ リビング l t₈ ₁₇.₅ ₉₉ 触る l t₆ ₁₃.₅ ₁ 雷 v₈ ₇₂.₅ ₂₇ 押す v₂ ₂₈.₅ ₅₁ 下 v₁₈ ₂₁.₀ ₇₇ 炒める v₂ ₁₇.₀ ₁₀₂ 走る v₂ ₁₃.₀ ₃ 雪 W ₆₃.₀ ₂₈ 事故 v₂ ₂₈.₀ ₅₁ 南 v₂ ₂₁.₀ ₇₇ 滑る l t₁₆ ₁₇.₀ ₁₀₂ 動く v₁₈ ₁₃.₀ ₄ 男 v₁₈ ₅₉.₅ ₂₉ 左 v₁₈ ₂₆.₀ ₅₄ 閉じる Bk ₂₀.₅ ₇₇ 幼稚園 v₈ ₁₇.₀ ₁₀₂ 買う v₂ ₁₃.₀ ₅ 勝つ v₂ ₅₈.₀ ₂₉ 恥じる v₂ ₂₆.₀ ₅₄ 生まれる W ₂₀.₅ ₈₀ 閉める Bk ₁₆.₅ ₁₀₅ 歩く v₁₂ ₁₂.₅ ₆ 暑い v₂ ₅₆.₅ ₃₁ 悲しむ v₁₈ ₂₅.₅ ₅₄ 妹 l t₂₄ ₂₀.₅ ₈₁ なぞる Bk ₁₆.₀ ₁₀₅ 憎む dk₂₂ ₁₂.₅ ₇ 怒る v₂ ₅₃.₀ ₃₁ 上 v₂ ₂₅.₅ ₅₇ 会う l t₂₄ ₂₀.₀ ₈₁ 拭く W ₁₆.₀ ₁₀₅ 落とす Bk ₁₂.₅ ₈ 女 v₂ ₅₂.₀ ₃₁ 濡れる l t₁₆ ₂₅.₅ ₅₇ 開ける v₂ ₂₀.₀ ₈₁ 後ろ v₁₈ ₁₆.₀ ₁₀₅ 東 v₁₈ ₁₂.₅ ₉ 止まる v₂ ₅₁.₅ ₃₄ 食べる v₆ ₂₅.₀ ₅₇ 出口 v₁₂ ₂₀.₀ ₈₁ 今日 l t₈ ₁₆.₀ ₁₀₅ 描く W ₁₂.₅ ₉ 死ぬ Bk ₅₁.₅ ₃₄ ごめんなさい v₁₈ ₂₅.₀ ₅₇ 沈む dk₁₈ ₂₀.₀ ₈₅ 起きる v₆ ₁₅.₅ ₁₁₀ こぼす l t₁₆ ₁₂.₀ ₁₁ 涼しい l t₁₆ ₄₄.₅ ₃₆ 切る v₂ ₂₄.₅ ₅₇ 父 v₁₈ ₂₀.₀ ₈₅ 北 v₁₈ ₁₅.₅ ₁₁₀ 話す v₆ ₁₂.₀ ₁₂ 寒い v₁₈ ₄₄.₀ ₃₆ 甘い l t₂₄ ₂₄.₅ ₆₂ 笑う v₆ ₁₉.₅ ₈₅ 始まる W ₁₅.₅ ₁₁₀ 歌う v₈ ₁₂.₀ ₁₃ 書く Bk ₄₀.₅ ₃₆ 椅子 dk₆ ₂₄.₅ ₆₂ 入口 v₂ ₁₉.₅ ₈₈ 上げる v₂ ₁₅.₀ ₁₁₀ 遅い v₁₈ ₁₂.₀ ₁₄ 雨 v₁₈ ₃₉.₅ ₃₉ 浮く l t₁₆ ₂₃.₅ ₆₂ 味わう v₆ ₁₉.₅ ₈₉ 西 v₈ ₁₄.₅ ₁₁₀ しょっぱい W ₁₂.₀ ₁₅ 刺す v₂ ₃₈.₅ ₃₉ 暖かい v₄ ₂₃.₅ ₆₅ 壊す Bk ₁₉.₀ ₈₉ 奏でる l t₈ ₁₄.₅ ₁₁₀ キッチン W ₁₂.₀ ₁₆ 愛する v₂ ₃₆.₅ ₄₁ 殴る v₂ ₂₃.₀ ₆₅ 犬 d₆ ₁₉.₀ ₈₉ 赤ちゃん v₂ ₁₄.₅ ₁₁₆ 聞く v₈ ₁₁.₅ ₁₆ 負ける v₁₈ ₃₆.₅ ₄₁ 泣く v₁₈ ₂₃.₀ ₆₇ 隠す Bk ₁₈.₅ ₈₉ 階段 dk₆ ₁₄.₅ ₁₁₆ 埋める dk₆ ₁₁.₅ ₁₈ すっぱい v₈ ₃₅.₅ ₄₁ 叫ぶ v₂ ₂₃.₀ ₆₇ 兄 v₁₈ ₁₈.₅ ₈₉ ぬるい l t₆ ₁₄.₅ ₁₁₈ まずい g₁₀ ₁₁.₀ ₁₉ 晴れ v₂ ₃₅.₀ ₄₄ 積もる W ₂₂.₅ ₆₉ 叩く v₂ ₁₈.₀ ₈₉ 賢い v₁₈ ₁₄.₅ ₁₁₉ 脱ぐ l t₆ ₁₀.₅ ₂₀ 洗う l t₁₆ ₃₄.₀ ₄₅ 見つける v₈ ₂₂.₀ ₆₉ 母 v₂ ₁₈.₀ ₉₅ 打つ v₂ ₁₄.₀ ₁₁₉ 弟 l t₁₆ ₁₀.₅ ₂₁ 泳ぐ v₁₈ ₃₁.₅ ₄₅ ありがとう v₂ ₂₂.₀ ₆₉ 姉 v₂₄ ₁₈.₀ ₉₅ 別れる v₁₈ ₁₄.₀ ₁₂₁ 見る l t₈ ₁₀.₀ ₂₁ 曇り Gy₇.₅ ₃₁.₅ ₄₅ 飛ぶ l t₁₆ ₂₂.₀ ₆₉ 時間 W ₁₈.₀ ₉₅ 弾ける v₈ ₁₄.₀ ₁₂₁ 開く v₂ ₁₀.₀ ₂₃ 右 v₂ ₃₀.₀ ₄₅ お風呂 l t₁₆ ₂₂.₀ ₆₉ 駐車場 Gy₅.₅ ₁₈.₀ ₉₅ 渋い dk₁₀ ₁₄.₀ ₁₂₁ 乾かす W ₁₀.₀ ₂₄ 飲む l t₁₆ ₂₉.₅ ₄₉ 小学生 v₈ ₂₁.₅ ₇₄ 前 v₂ ₁₇.₅ ₉₉ 引く v₁₈ ₁₃.₅ ₁₂₁ 早い v₈ ₁₀.₀ ₂₄ 終わる Bk ₂₉.₅ ₄₉ 和室 d₁₀ ₂₁.₅ ₇₄ 美味しい v₆ ₁₇.₅ ₉₉ 寝る Bk ₁₃.₅ ₁₂₁ 売る v₁₈ ₁₀.₀ Fig. 2.色の象徴性の使用例(トイレ) Fig. 3.色の象徴性の不使用例(名古屋市内ホテルのトイレ)

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(172) ₄₀ (2)連想色の選択傾向  ₂₀₀語における連想色としての出現結果を Fig. ₆ に示し た.₇₁色の中で最も多く選択されたのは男女とも v₂(ビ ビッドレッド)であり,選択数は₂₀₀名₂₀₀言語の₄₀,₀₀₀ 回答のうち₂,₈₀₅と₇.₂%の選択率であった.次いで v₁₈ (ビビッドブルー)が₂,₀₁₉(₅.₂%),v₈(ビビッドイエ ロー)が₁,₈₄₄(₄.₇%),v₆(ビビッドイエロイッシュ オレンジ)が₁,₃₇₈(₃.₅%), l t₁₆(ライトグリーニッ シュブルー)が₁,₃₇₇(₃.₅%), l t₈(ライトイエロー) が₁,₃₃₄(₃.₄%),W(ホワイト)が₁,₂₇₈(₃.₃%),Bk (ブラック)が₁,₂₃₀(₃.₁%)と続いており,₃.₀%以上 選択されこれら ₈ 色は,現在ピクトグラムに多く使われ ている馴染みのある色彩といえる.  これらの出現色をマンセル表色系における色相別にま とめ,Fig. ₇ に示した.まとめた ₆ 色相は表 ₂ の PCCS 表色系における色相番号により,赤色相は₂₄, ₂,橙色 相は ₄, ₆ ,黄色相は ₈,₁₀,緑色相は₁₂,₁₄,青色相は ₁₆,₁₈,紫色相は₂₀,₂₂として集計した.  男性,女性とも最も多く選択されたのは青色相であり, 男性で₁₈.₆%,女性で₂₀.₀%であった.色彩そのものの 選択率は v₂(ビビッドレッド)が最も多かったが,青色 相はビビッド以外のライトトーンやダークトーン,ダル トーンなどで赤色相より多く選択されていることから トータル的に多く選択されたといえる.暖色系(赤・ 橙・黄) ₃ 色相の選択について,男性は黄色相が₁₇.₁% と多く,次いで橙色相が₁₆.₇%であった.それに対し女 性は赤色相が₁₈.₉%と多く,次いで橙色相が₁₇.₂%選択 されており,男性では黄色相,女性では赤色相が多く選 択されるという傾向がうかがえた.この理由については 今後検討していきたいと考える.なお,中性色である緑 色相と紫色相についての選択率は,男性・女性とも低 かった.  次いで,選択色について明度・彩度を統合した属性で Fig. 4.色の象徴性の使用例(水栓) Fig. 5.色の象徴性の不使用例(エアコンのリモコン) Fig. 6.色彩別出現数

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(173) ₄₁ あるトーン別にまとめたものを Fig. ₈ に示した.男性, 女性ともに高彩度色である v トーンが最も多く選択され ており,男性で₃₂.₄%,女性で₃₄.₆%が選択している. 次いで,男女とも高明度の l t トーンが多かったが,そ の他のトーンについて男女間の選択率を比較してみると, 女性に比べ,男性の方が d(ダル)トーン,dk(ダーク) トーン,dkg(ダークグレイッシュ)トーンが多く選択 されている.それに対して女性は, l t トーンや p(ペー ル)トーンが男性に比べ多く選択されており,女性の方 が高明度,男性の方が低明度を選択する傾向が明らかに なった.なお,無彩色についても男性の方が多く選択し ており,彩度についても女性の方が高彩度色を多く選択 しているといえる.なお,女性と男性における選択色に ついて,スピアマンの順位相関を求めたところ₀.₉₅₅と非 常に高く,危険率 ₁ %で有意な相関が得られており,両 者には多少の選択傾向に違いはあるが,生活行動に関す る多くの言語において,多くの若者が同一色を連想する 傾向がうかがえた. (3)連想色の一致傾向  Table ₂ に各言語で最頻値を示した色彩とその一致率が ₁₀%以上あった₁₂₅言語を示した.₂₀%以上の被験者が同 色を選択した言語は₂₀₀語中₆₁語,₃₀%以上は₂₃語出現し た.  最も高い一致率を示したのは「辛い」の v₂と「雷」の v₈であり,₇₂.₅%の被験者が同色を挙げている.次いで 「雪」が W で₆₃.₀%,「男」が v₁₈で₅₉.₅%,「勝つ」が v₂で₅₈.₀%,「暑い」が同じく v₂で₅₆.₅%,「怒る」, 「女」,「止まる」も v₂で₅₀%以上が一致している.これ ら₅₀%以上一致した₁₀語のうち ₆ 語がv₂で一致しており, 鮮やかな赤は共通認識されやすい色彩であることがわか る.性別についての言語では,「女」は v₂で₅₂.₀%, 「男」の v₁₈の方が一致率がやや高い.先に示したように 性別の色の象徴性にはトイレなどですでに古くから使わ れているにも拘らず半数強程度の一致率は予想外の結果 であった.しかし,別の色で,「男」では v₁₆(ビビッド グリーニッシュブルー)や Bk(ブラック)が多く挙がっ ており,案内表示やサインなどにもそれらの色彩は使わ れることもあり,色彩としては想定内といえよう.一方, Fig. 7.色相別出現率 18.9% 16.1% 17.2% 16.7% 15.7% 17.1% 11.5% 11.9% 20.0% 18.6% 8.2% 8.6% 8.5% 10.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 女性 男性 赤色相 橙色相 黄色相 緑色相 青色相 紫色相 無彩色 Fig. 8.トーン別出現率 34.6% 32.4% 24.2% 22.3% 9.0% 9.7% 9.3% 10.3% 6.6% 6.2% 4.3% 4.2% 3.5% 3.9% 2.8% 3.7% 2.9% 3.7% 2.8% 3.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 女性 男性 v lt d dk p g dkg W Gy Bk

(7)

(174) ₄₂ 「女」の方は l t₂₄(ライトレッドパープル)のいわゆる ピンクが₁₄.₅%と多く挙がっていることから選択色が分 散し,男性に比べ一致率が低下したと思われる.その他 に₃₀%以上一致した言語には,「雷」,「雪」,「雨」,「晴 れ」,「曇り」など天気に関する言語や「暑い」「涼しい」 「寒い」などの温度感に関する言語が多かった.  また,₁₀%以上一致した言語の中には「東」「西」「南」 「北」の方角も入っている.色と方角との関係は古くから 陰陽五行説で伝えられており,相撲や歌舞伎などの日本 文化の中でも伝承されており,東が青,西が白,南が赤, 北が黒とされているが,ここでは「東」の青と「南」の 赤は説と同様であったが,「北」も「東」と同じ v₁₈の青 が挙がり,「西」は v₈(ビビッドイエロー)が挙がって おり陰陽五行説通りとはならなかった.その他の方向や 位置を表す多くの言語も色の一致をみており,「右」, 「左」,「上」,「下」,「前」,「後ろ」なども v₂と v₁₈の組 み合わせで挙がってきており,生活行動における表示に おいて,位置や方向を表す時の手がかりになると思われ る.味覚については「辛い」が v₂で₇₂.₅%,「すっぱい」 が v₈で₃₅.₅%,「甘い」が l t₂₄で₂₄.₅%とかなり一致し た結果が得られており,これらは食品のパッケージなど に現在も利用されているが,一致傾向は明確であること から,今後さらに有効利用できると考えられる.  さらに,生活空間としては,「お風呂」が l t₁₆,「和 室」が d₁₀(ダルイエローグリーン),「リビング」が l t₈ (ライトイエロー),「キッチン」が W として₁₀%以上一 致している.  その他の生活の中の日常的な行動である「書く」,「刺 す」,「洗う」,「飲む」,「押す」,「食べる」,「切る」,「閉 じる」,「開ける」,「壊す」,「叩く」,「閉める」,「上げる」 「打つ」,「引く」,「脱ぐ」などもそれぞれ₁₀%以上の被験 者が一致した色彩を選択しており,今後,ピクトグラム や文字表示にも利用できる可能性が期待できる.  なお,₁₀%以上の被験者が色を連想できないとした言 語は「募る」の₁₂%,「渡す」,「交わす」,「つまむ」の ₁₁%の ₄ 語のみであり,その他₁₉₆言語は₉₀%以上の被験 者が何らかの色彩を選択しており,生活行動と色は密着 した関係があることが分かった.  次に,男性,女性それぞれにおいて一致率が₂₀%以上 あった言語の中から反対語がともに出現した言語₁₄対を Table ₃ に示した.反対語として₂₀%以上が一致した言語 は男性より女性の被験者の方が多かった.ユニバーサル デザインを考えるにあたり,行動の判別に色彩をより効 果的に用いることが望ましいことから,対の言語に対の 色の象徴性が見出せれば,より行動に結びつきやすいと 考えられる.  まず,「女」に対して「男」,「暑い」に対して「寒い」, 「勝つ」に対して「負ける」,「晴れ」に対して「雨」, 「右」に対して「左」,「ありがとう」に対して「ごめんな さい」の上位 ₆ 対についてはすべて v₂(ビビッドレッ ド)と v₁₈(ビビッドブルー)という組み合わせが選択 されており,本来色相環上の反対色は赤に対しては緑で あるが,色相上の補色の関係ではなく,暖色の赤と寒色 の青という組み合わせで選択されるという特徴が顕著で あった.また,「開ける」は v₂であるが,その反対語の 「閉じる」は Bk(ブラック)が選択されており,必ずし も色相でイメージされている対ばかりではないことが判 明した.さらに,同じように温度感を表す「暖かい」は v₄(ビビッドレッディシュオレンジ)が選択されており, 「暑い」の v₂(ビビッドレッド)に比べ,オレンジの方 にシフトしている.その反対語の「涼しい」についても l t₁₆が選択されており,「寒い」の v₁₈に比べ,高明度の 色彩であることは,筆者らの色彩の温度感に関する研究₇) とも一致する傾向であった.従って,色彩を扱う SD 法 の実験の場合,形容詞対の選択は,「暑い」と「暖かい」, 「寒い」と「涼しい」では異なる感覚であることを念頭に 入れて使用する必要があると考えられる.また,「生まれ る」は W(ホワイト),それに対して「死ぬ」が Bk(ブ ラック)と両者とも無彩色が挙がっている.  なお,「怒る」は v ₂であるのに対し,反対語の「笑う」 は v₆といずれも暖色のかなり近い色相が選択され,トー ンも等しいことからこの言語の場合,対語として色彩を 使用することは識別性の観点から難しいと考えられる. さらに,「浮く」の l t₁₆(ライトグリーニッシュブルー) Table 3.一致率20%以上の反対語の一致色 用 語 男性 女性 用 語 男性 女性 女 v₂ v₂ ⇔ 男 v₁₈ v₁₈ 暑い v₂ v₂ ⇔ 寒い v₁₈ v₁₈ 勝つ v₂ v₂ ⇔ 負ける v₁₈ v₁₈ 晴れ v₂ v₂ ⇔ 雨 v₁₈ v₁₈ 右 v₂ v₂ ⇔ 左 v₁₈ v₁₈ ありがとう v₂ v₂ ⇔ ごめんなさい v₁₈ v₁₈ 開ける v₂ v₂ ⇔ 閉じる Bk Bk 暖かい v₄ ⇔ 涼しい l t₁₆ l t₁₆ 生まれる W ⇔ 死ぬ Bk Bk 怒る v₂ v₂ ⇔ 笑う v₆ 浮く l t₁₆ l t₁₆ ⇔ 沈む dk₁₈ 兄 v₁₈ ⇔ 姉 v₂₄ 上 v₂ ⇔ 下 v₁₈ 入口 v₂ ⇔ 出口 v₁₂

(8)

(175) ₄₃ に対して,「沈む」も dk₁₈(ダークブルー)と明度差は あるものの色相は,かなり近い ₂ 色である.  女性において₂₀%以上挙がった反対語として「兄」の v₁₈に対して「姉」が v₂₄(ビビッドレッドパープル)の 赤紫が選択されており,どちらもビビットトーンの高彩 度色で表現されている.これに対し,Table ₃ から「弟」 と「妹」を見ると「妹」が l t₂₄(パープリッシュピン ク)であるのに対し,「弟」は l t₁₆といずれもライト トーンの明るい色が選択され,同じ兄弟姉妹を表す言語 であるが,年齢が若いことが高明度で表現される傾向が うかがえた.この選択については被験者が若年であるこ とから,弟や妹を連想する場合,自分より若いことから 低年齢を連想し,高明度のきれいな色彩が選択されたも のと考える.  また,「上」は v₂と「下」は v₁₈と赤と青で選択され ている.同じく「入口」もv₂が選択されているが「出口」 は v₁₂(ビビッドグリーン)と赤と緑の対で示されてお り,唯一本来の色相環における反対色が選出されている. 「出口」に緑が選択されたことは非常口のサインが緑であ ることによると考えられるが,公共の建物で常時目にし ているという点からすれば,女性についてのみ₂₀%程度 の選択率というのは低すぎるのではないかと思われる.  以上の結果から,生活行動に関するかなり多くの言語 において,多くの人が同一色を連想することが明らかに なった.次報において実際に生活の中の製品や案内表示 にこれらの色彩を利用して提供し,行動と結びつくかに ついて,年齢の枠を越えて検証する予定である.  さらにそれらの検証結果をもとに,ユニバーサルデザ インへの色彩の効果的な利用を提案していきたいと考え ている.

4.結 論

 色彩をより効果的にユニバーサルデザインに利用する ためには,多くの人が暗黙裡に抱く色の象徴性が共通し ていることが重要である.そこで,まず若者を取り上げ, 生活行動における多くの言語と色の象徴性について検討 した.  被験者は,₁₀~₂₀歳代の男女各₁₀₀名であった.実験 は,生活行動に関する名詞,動詞,形容詞など₂₀₀語を取 り上げ, ₁ 語ずつ提示し,連想する色彩 ₁ 色を₇₁色のカ ラーチャートから選出する方法で行った.  ₇₁色の中で最も多く選択されたのは男女とも v₂(ビ ビッドレッド)であり,次いで v₁₈(ビビッドブルー), v₈(ビビッドイエロー),v ₆(ビビッドイエロイッシュ オレンジ), l t₁₆(ライトグリーニッシュブルー), l t₈ (ライトイエロー)であった.  選択された色彩の色相は青色相が最も多く,赤,橙と 続いている.全体的に暖色系の色彩は女性が赤色相を, 男性が黄色相を選択する傾向が認められた.トーンにつ いては,ビビッドが全体の約 ₃ 分の ₁ を占め,高彩度色 の選択率が高かった.  ₂₀%以上の被験者が同色を選択した言語は,₂₀₀語中₆₁ 語も出現し,天気や温度感を表す言語や位置や方向を表 す言語,味覚を表す言語などが多かった.中でも₃₀%以 上が同色だった言語は,「辛い」,「勝つ」,「暑い」,「怒 る」,「女」,「止まる」,「刺す」,「愛する」,「晴れ」,「右」 の v₂(ビビッドレッド),「男」,「寒い」,「雨」,「負け る」,「泳ぐ」の v₁₈(ビビッドブルー),「雷」,「すっぱ い」の v₈(ビビッドイエロー),「涼しい」,「洗う」の l t₁₆(ライトグリーニッシュブルー),無彩色では「雪」 の W(ホワイト),「書く」,「死ぬ」の Bk(ブラック), 曇りの Gy-₇.₅(明るいグレイ)があがった.  反対語としてあがった言語については,暖色の赤と寒 色の青の対で出現するケースが多く,色相上の補色の関 係では出現した色彩は「入口」の赤に対して,「出口」の 緑のみであった.  選択色における男女間の順位相関係数は₀.₉₅₅と非常に 高く,生活行動に関する多くの言語において,多くの若 者が同一色を連想する傾向がうかがえた.  以上の結果から,生活行動に関するかなり多くの言語 において,多くの人が同一色を連想することが明らかに なったことから,今後,生活中にある行動を伴う商品の ピクトグラムや文字表示などに効果的にこれらの色彩を 利用し,ユニバーサルデザインに寄与できるのではない かと考える.

参 考 文 献

 ₁) 車貞玟,三星宗雄.言語から連想される色彩イメージ 比較研究 韓国人,日本人,日本在住韓国人を対象に. 日本色彩学会誌.₂₀₁₀, 34 (Supplement), ₃₂-₃₃  ₂) 千々岩英彰.世界の色彩感情事典.河出書房新社,₁₉₉₉  ₃) 滝井督三他.形と色の連想についての実験的研究.相 愛女子大学・相愛女子短期大学研究論集.₁₉₇₃, 21, ₂₅-₃₂  ₄) 舟阪晃.色彩連想と情報伝達.大阪外大英米研究. ₁₉₉₅, 20, ₁-₁₄  ₅) 伊藤久美子.色彩好悪と色彩象徴の経年比較.デザイ ン学研究.₂₀₀₈, 55, ₃₁-₃₈  ₆) 中村一男.反対語大辞典.東京堂出版,₁₉₇₉  ₇) 石原久代,梶田三津江.被服における色彩の温度感と 快・不快感に関する研究.名古屋学芸大学メディア造 形学部研究紀要.₂₀₁₄, 7, ₆₅-₇₄

参照

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