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内外価格差についての考察 : その実態,発生要因,対応策

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研究会優秀論 文

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内外価格差についての考察

桑 田 昇

総合政策学部

3

周郡北男研究会

1

995

年春学期

E・E・-ーー詰 ~m::-, 芸自者タ台市 圏E・E・

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慶 磨 義 塾 大 学 湖 南 藤 沢 学 会

(2)
(3)

内外価格差についての考察

その実態、発生要因、対応策

桑 田 昇

総合政策学部

3

7

9

3

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1

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9

199 5

年 春 学 期

間部研究会

*本論文はインターネットにおいても全文アクセス可能で、ある。

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(概要) 1 .わが国においては、近年いわゆる内外価格差が国民の大きな不満となっており、 また政策課題にもなっているO 例えば東京における主要商品の価格は先進諸国の都市 に対して 1. 4倍前後割高・となっており、同じ水準の生活をするのに、 1. 4倍のコ ストがかかることを意味している。また、わが国では、割高となっている商品には生 活必需的品目が多いため、所得が比較的低い階層にその問題が特に大きくあらわれる 点も特徴的である。内外価格差が問題なのは、わが国の所得水準が高い割には生活が 豊かにならないことである。 2 .このような内外価格差が生じるひとつの要因は、為替レートが急激に上昇する ことに伴うものである。このため、昭和60年のプラザ合意以降の急激な円高によっ て内外価格差は急激に拡大した。いまひとつの要因は、経済の構造的側面に関連して いる。所得水準の上昇によって内外価格差が必然的に拡大するという現象は、構造的 要因のひとつであるが、構造要因の主たるものは規制である。

3

.では、実際に内外価格差を解消するとどのような効果があるのだろうか。それ は、内外価格差の存在から生じていた生産者余剰を喪失させる一方、消費者余剰を上 昇させる効果を持つ。ひとつの最近の研究結果によれば、国民1人あたり 6. 8万円の 消費者余剰を手にいれることになる。この効采が果たしてマクロ経済的に大きな意味 をもつかどうかについて異論を唱える向きもあるが、実質雇用者所得の上昇、ラチエツ ト効果による平均潟支任向の低下回避などといった現在の日本経済のパフォーマンス をみるかぎり、内外価格差を解消することでマクロ経済的にはプラスの効果がでるこ とが予,認される。 i ..内外価格差を解消することから生じる問題としては、対象となる国内商品F値 下がりと国内生産の減少による生産者余剰の喪失から生じる問題、すなわち失笑の発 生があるdこのため、内外価格差解消策は失業対策と組み合わせて実施する‘ニとが重 要である。このためには、インターネットを利用した職業紹介システムの祥築、再訓 練システムの拡充といった労働市場の改善が必要で、あり、また、とりわげ非製造業の 労働生産性向上に努める必要がある。

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目 次

1 内外価格差とは 2 内外価格差がなぜ問題なのか 3 内外価格差の実態 4 内外価格差の要因 4.1 低生産性・高価格部門の残存と政府規制 2 2 3 3 5 4.1.1 低生産性・高価格が目立つ生活関連分野.• • • • . . . • . . .. 5 4.1.2 生産性向上・コスト低減を阻害している要因.• • . . . .. 5 4.1.3 政府規制分野や公共事業における価格の硬直性 . . . .. 6 4.1.4 土地コストの影響. . . • . • . . . . • . . . • .. 8

4

.

2

流通の問題 • . . . • . . . ..

8

4.3 消費者の購買行動.• . • . • . . . • . . . • • . . • . • . . • • .. 9 4.3.1 商品選択の際に重視する条件 . . • • . . . .. 9

4

.

3

.

2

情報の非対称性.• • . . . • • . . . • . . . • ..

9

5 内外価格差の解消が日本経済に与える影響 10 5.1 肯 定 派 .. . • . ・ ・ ・ ・ 10 5.2 否 定 派 ィ .. • . . . • . . . . • • . .. 15 6 3つの分析結果の検討 16 7 政策提言 17 7.1 労 働 市 場 対 策 . . . • . . . • • . . . • .• 18 7.2 その他の留意点. . • • • . . . • . . . • • . . . • . . . .. 19 参考文献 20

(8)

1

内外価格差とは

はじめに、内外価格差を定義しておく10内外価格差とは、同一の商品(あるいは商 品群)を国内および国外で購入した場合の価格の差であり、通常、価格調査時点の為 替レートを用いて換算した価格によって比較される。 このため、内外価格差は、通常、以下の式で表されるO 海外での価格(現地通貨)

x

為替レート(円/現地通貨) 内外価格差(比)=ー 日本での価格(円) あるいは、「購買力平価=日本での価格(円) /海外での価格(現地通貨)

J

の式を用 いて、 為替レート(円/現地通貨) 内外価格差(比)ー となる。 一購買力平価(円/現地通貨) 例えばコ、今、東京でゴルフクラブの価格がl本30000円であり、同じ品質のも のがロンドンでは l本100ポンドで買えるとするO このとき、東京における 300

o

0円とロンドンにおける 100ポンドは、ゴルフクラブに対する購買力としては等 しいといえる。この関係から、円とポンドの換算率が300円/ポンドであるならば、 両都市におけるゴルフクラブの価格は等しくなり、これが購買力平価となる。 このとき、為替レートが150円/ポンドであるならば、上の式より内外価格差(比) は30 0 (円/ポンド) / 1 5 0 (円/ポンド)より 2(倍)となる。

2

内外価格差がなぜ問題なのか

わが国の家計所得は名目上世界最高水準となったとはいえ、国民の生活実感として はなかなか世界最高水準を感じられるには至っていない。その理由として、内外価格 差の存在によって実質的な購買力が低いことが挙げられている3。特に、日本からの海 外渡航者が増えるに従い、そうした意識が一層強まってきたようにうかがわれる(図表 1以下『レポート内外価格差jから引用 2

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物価レポート, 9 4 J参照 3

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生活大国キーワ}ド jなど

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1 )。更に、上式から明らかなように円高によって内外価格差は拡大するが、昭和60 年9月のプラザ、合意以降は急激かつ傾向的な円高を背景に内外価格差の問題はますま す深刻化しており、その是正が叫ばれるようになった。

3

内外価格差の実態

では、内外価格差の実態はどうなっているのかをこれからみてみたい40 図表2において、総合してみると東京はいずれの都市に対しでも 1. 4倍前後の内 外価格差があることがわかる。財に関しては、食料品、被服・履物はいずれの都市に対 しでも東京の方が割高となっている。耐久財はニューヨークに対しては割高となって いるが、その他の都市に対してはほぼ同じ水準となっている。また、サービスに関し ては、家賃はいずれの都市に対しでも東京の方が割高となっており、特にニユ}ヨー クに対する価格差が大きくなっている。家賃以外の一般のサービスについては、ロン ドンに対しては東京の方が割高となっているが、他の都市に対してはほぼ同水準となっ ている。 ここで、注目すべきは、食料品、被服・履物、家賃について内外価格差が大きいと いう事実であり、そのことは、日本の内外価格差のコストはエンゲル係数の高い、所 得の低い家計がより多く負担していることを示している点である。

4

内外価格差の要因

では、内外価格差はなぜ、生じるのか。短期的要因としては、円高が急速で国内価格 の調整が遅れること、為替レート自体が貿易財の価格よりも割高になることが言える。 ただし、これらはある程度、期間がたてば消えていくはずのものである。そのメカニ ズムは以下の通りである50 4詳細については f物価レポート, 9 4 Jを参照 5

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平成6年版経済白書j参照

(10)

為替レートが増価すれば、第一次的には海外との比較で日本全体の物価が相対的に 上昇する。このとき、貿易財(製造業)については、貿易取引による裁定が作用する ため、国内価格は国際価格にさや寄せされ、内外価格差は縮小していくと考えられる。 一方、非貿易財(非製造業)については、こうした裁定がそもそも作用しにくいた め、内外価格差が残る。サーピス価格は賃金の固まりだと考えると、為替レ}トの増 価によって賃金コストは海外に比して割高となりやすい。すると、貿易財と非貿易財 の平均である物価水準はどうしても割高になってしまう。事実、内外価格差の短期的な 変動は、かなり現実の為替レートに応じて変動している。アメリカを基準とした内外 価格差をみると(図表3)、円安であった80年代前半は日本の方が物価水準が低かっ たものの、円高が急激に進行した

80

年代後半以降は日本の物価水準も急速に高まり、 内外価格差が大きく拡大した。このような現実の為替レートに応じた内外価格差の動 きは、日本だけではなくドイツ、フランス、イギリスなど他の諸国にも共通してみら れる。従って、国内物価水準が他の国の物価水準に比べて高いからといって、それが 直ちに問題であるというわけで、はない6。それは、所得水準の高い国ほど非貿易財部門 の物価水準が高いという傾向がみられるからである。 一般に、発展途上国では先進工業国に比べてサービス価格が著しく安くなっている。 このため、先進国と途上国の間では為替変換された名目所得の格差が、実際の生活水 準の格差に比べて誇張されたものとなっているといわれてきた70 以上のような要因により生じた内外価格差であれば、経済発展の成果(労働生産性 の高さ)を反映したものであり、ある程度の物価水準の高まりは避けられない。 ここでOECDの調査による実質所得水準と物価水準との関係を見ると(図表4、) 6以下『物価レポート, 9 4 J参照 7この事実に関する理論的説明としては、 f生産性の二重構造jがある2 これは、1.経済発展に伴って賃金水準 は高まるが、技術革新や資本集約化によって、労働生産性を著しく向上させることか可汀能な貿易財産業では、賃金 上昇を吸収することができる、 2.これに対して、ー直接的な労働に依存する割合が高く労働生産性を大幅に引き上 げることが困難な非貿易財産業で、は、賃金上昇分を価格に転嫁されやすい、 3. したがって、非貿易財部門の価格 は、貿易財部門にくらべて、相対的に高くなる、 4.貿易財の価格は国際競争によって基本的には一物一価が成立 する、 5.貿易財産業の労働生産性の高い国=実質所得水準の高い国ほど非貿易財の価格が高くなり、全体の物価 水準も高くなるjことによるとの説である。

(11)

先進国であるOECD諸国については、実質所得水準の高い国ほど物価水準も高いと いう一般的傾向が見られ、

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生産性の二重構造jは妥当していると考えられる。しかし、 日本はOECD諸国のなかで、実質所得水準では 5--6番目に位置する一方、物価水 準は最も高い国のーっとなっており、傾向線から上方に大幅にずれていることから、 O ECD諸国における実質所得水準と物価水準の全体的傾向からみて、日本の物価水準 は、スイスや北欧諸国と並んで、、実質所得の水準の割にかなり高いグループに属して おり、日本の内外価格差には、経済発展の反映とは言い切れない部分がある。すなわ ち、日本の内外価格差には、為替レートの円高要因に加えて、国内の価格構造の偏り による要因8があると考えられる。 そこで以下では、園内の価格構造に影響を及ぼしている要因のうち、特に重要と考 えられる、低生産性・高価格部門の残存と政府規制、流通の問題、消費者の購買行動 について順次見ていきたい9。

4

.

1

低生産性・高価格部門の残存と政府規制

4.1.1 低生産性・高価格が目立つ生活関連分野 労働生産性の国際比較をおこなうと、わが国の労働生産性は農林水産業、商業、建 設業、運輸・通信業で劣位となっている(図表5)。また、就業人口の業種別構成を欧 米と比較しでも、農林水産業、商業、建設業の就業者の比率は欧米より高めとなって いる(図表6)。これらの結果をみると、図表1ですでにみたように、生活関連分野に おいてわが国の物価が割高で、あるのと、因果関係にあると考えるべきである。 4.1.2 生産性向上・コスト低減を阻害している要因 では、なぜ、生活関連分野で生産性の向上、コストの低減が起こらないのか。 80ECD調 査 (1 9 9 0年)により、財・サービスの部門別物価水準でみた場合の日本の価格構造の特徴は、高 いものではOECD平均の約2. 5倍に達する一方、低いものは同3分の2程度に止まるというように、 OECD 諸国の平均との問で価格体系に大きな違いがある国のーっとなっている。詳しくは、 f物価レポート・ 94 J参照。 9以下、 fレポ}ト内外価格差j参照

(12)

まず、第 lに国際競争からの隔離が考えられるO 自転車・家電メーカ一等は円高の 中期的な進行のなかでコストダウンに尽力してきているのに対し、農業、建設業等の 分野については、国際競争から隔離されている面が強く、また、供給者と需要者の間 における情報の非対称性(後で詳しく述べる)もあって、生産性向上・コストダウン 圧力が働きにくくなっている。 第2に、政府規制などの影響が考えられる。政府規制分野や公共事業においては、新 規参入、柔軟な価格設定、革新的技術の導入などが制限されがちになっており、これ もコストダウンへの取り組みを限害している。 第

3

に、上の二つの理由の結果、生活関連分野(その上流の生活関連資材流通を含 む)において、旧態依然とした業界構造・体質や資材流通構造・商慣行が残存しがち であることが考えられる。 以上の結果、とりわけ生活関連分野においては、生産性向上が立ち遅れ、また、高 コスト体質が温存されてきたといえる。 4.1.3 政府規制分野や公共事業における価格の硬直性 では、価格に影響を及ぼしている政府規制はどのようなものかをこれから詳しく見 ていきたい。 第 1に、参入規制が挙げられる。参入規制としては輸入割当等があるが、政府規制 項目のうち、卸売物価統計で国内卸売物価と翰入物価の両デ}タが採れる品目につい てその価格の推移をみると、例えば1985年から 88年にかけて輸入物価指数が約 102から 73へと大きく低下したにもかかわらず囲内卸売物価指数は約 104から 100へというようにほとんど低下しなかった(図表7)。一方、非規制品目について は輸入物価指数が1985年から 88年にかけて約 105から 75へと低下している とき、園内卸売物価指数も約 106から 82へと低下しており(図表7)、規制の有無 によって価格に及ぼす影響の遠いが大きいことが見て取れる。 近年、牛肉、オレンジなどの輸入割当がより緩やかな規制となったため、牛肉やオ

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レンジジュースの価格が大幅に下がっており 10、規制緩和の効果は極めて大きいことが 証明された。また、同時に、価格支持を行っている豚肉との価格が接近し、牛肉と豚 肉の規制方式の違いが価格に与える景発撃についても大きくクローズアップされている。 第 2に、料金規制がある。独占公共企業体の価格設定は「コスト+適正利潤率」で 行われるため、企業がコスト削減を行う余地があっても、設定価格がヲ

i

き下げられた り、企業利潤が増大するといったことは生じにくい。したがって、企業のコスト抑制 のために、インセンテイブ規制11やプライスキャップ制度12などの導入を検討すべきで ある。 第

3

に創意工夫の制限がある。わが国の建築基準法は基本的に建築物の仕様(設計、 材料、工法など)を規定する性格を持っているのに比べ、米国の建築基準法は基本的 に性能(構造強度、防火、耐震など)の規定に重点を置かれているO 規定の性能を実 現するための手法は、法規にバリエーションを持たせて紹介されているので、設計や 材料の選択は、要求される性能を満たす限り原則として自由である13。また、薬事法に よる安全規則は、欧米と同等な意図を有するものであるが、わが国においては安全性 の担保のための手段が限定されているため、並行輸入がしにくく、化粧品の内外価格 差の一因となっている140 10例えば輸入牛肉の価格と国産牛の卸売価格はともにおよそ 2 0 %低下したa 11企業がコスト削減に成功すれば、その利益の一部を留保できるもので、強占企業のイノベーションを刺激でき るo 12総括原価方式に代わる方式として欧米で最近採用されている方法で、価格の上限を規定する方式である。上限 の枠内であれば簡単な手続きで料金の値上げを認めるというやり方で、基本的な考え方はく物価上昇率-x%>の 範囲内で料金の値上げを認めるというものである。物価上昇率は通常、消費者物価上昇率が用いられるE また、こ こでいう x%は生産性の上昇率を意味する。白JlI(1994)参照。 13 (財)日本住宅総合センタ}の指摘 14

r

レポート内外価格差j参照。また、日本の規制が諸外国と比べて、すべてにおいて設しい訳ではないことは 注目すべきであるo例えば、日本の化粧品の成分表示は香港と比べて甘いという指摘があるD これについては、原 田泰 (1994)参照。

(14)

4.1.4 土地コストの影響 また、わが国の地価は国際的にも非常に高く、このため、家賃、車庫借料など土地 利用サービスが割高にならざるをえない。しかし、土地利用コストの高さは、税制や 土地利用制度の影響による部分も大きい。また、消費者も高い地代を前提としたコー ヒーや外食への支払いをためらわなかったり、その結果、企業が地代を払ってもそこ で収益を得られると考えていたりすれば、地代が上昇する。 したがって、高い地代を所与のものと考えるのではなく、地代を高止りさせる制度 や消費者・企業行動にも大きな原因があり、それを改める必要がある。

4.2

流通の問題

流通の問題が内外価格差を引き起こしている一因としてクローズアップされてきた 一番の理由は、日米構造協議において日本の流通における系列取引を指摘きたもので あった。流通においては、卸売の多段階性、建値制、リベート制などが取り上げられ ているが、議論の余地はある150 したがってここでは、日本特有な商慣行として返品制 15まず、「卸売の多段階性jについてであるが、その非効率性が指摘されているにもかかわらず今なお存在してい るのは、そのシステムが継続的に用いられることによって生じた利点、具体的には、相互に信頼関係が生まれ、取 り引きに関しての不確実性か唱滅された、という利点をもっ。これらの利益が、非効率性によるコストを上回る状 況に至っているケ}スが、今日でも存在する可能性があるo もちろん、非効率によるコストが継続的取り引き慣行 から得られる利益を次第に上回っていく状況もみられる。次に、「建値制jについてであるが、これはメーカ}が希 望小売り価格を設定し、それを基準にして小売業者、卸売業者に対して標準的な販売価格を提示する制度である。 メーカーによる希望小売り価格の設定は日本に特有なものではなく、欧米諸国にも存在するが、流通の各段階での 出荷価格を提示する建値性は日本に特有なものである。このような建値性について消費者は「他の同種の商品との 価格水準の比較が容易となるJといった理由で支持するケースが多い、という。建値性それ自体に問題はないが、 それが小売業者の販売価格を拘束する場合には競争制限的な効果をもち、消費者に不当に高い価格を強要すること を通じて被害を与える、と考えるべきである。最後に、「リベート制jについてであるが、これはメーカー(売り 手)と流通業者(買い手)との間で商取り引きが成立したのち、メーカーの徴収した,代金の一部を流通業者に払い 戻す「割戻しJのことで、欧米に起源をもっo

r

リベート制Jは流通業者に対して販売促進へのインセンテイプを与 える手段として用いられる。欧米企業の主張によれば、日本で行われている「リベート制Jの問題点は、その内容 が複雑で不明瞭なことと、それに関連して競争を排除する効果をもつことであるc しかし、商慣行はどこの国でも 部外者には独特で複雑なものだが、当事者には合理的で明快なものだという意見もあり、現に、制度を理解して順 調に事業を展開している欧米企業もあるという。詳しくは、中北・浦田・原田 (1993)参照。

(15)

をとりあげる。 百貨庖による衣料品取扱いについてみると、 92年時点では、委託契約や返品条件 付きの買取契約が主流であり、また、卸売への返品率は26?IOとなっているなど、百貨 底側はリスクをあまり負わない形態となっている。こうしたことは、仕入れコストを 高め、百貨庖の衣料品価格を高止まりさせている。百貨庖向けの契約を委託契約から 買取契約に変更することによって、返品リスクや販売員の派遣経費がなくなれば、価 格を 30--40%程度引き下げられるという160

4

.

3

消費者の購買行動

これまでは、内外価格差を生じさせる要因のうち供給サイドの要因をみてきた。こ れからは、需要側すなわち消費者の購買行動に焦点をあててみたい。 4.3.1 商品選択の際に重視する条件 通産省および国際価格構造研究所による日米欧アンケート結果(図表8)によると、 テレどを例にとれば、東京圏では「ブランド重視派

J

は欧米都市圏よりやや多いもの の、「品質重視派」は7割程度とニューヨーク・ロサンゼルス閣を大きく下回っている。 結果としては、東京はブランド重視、欧米は品質重視ということになった。これより、 ブランドカと価格支配力の関係17からブランド重視の姿勢は、価格を硬直化させる要因 となっている。 4.3.2 情報の非対称性 次に、消費財流通における情報の非対称性について指摘したい(図表9)。中間財に ついては、たとえば、新日鉄とトヨタの間の自動車用鋼板の取引のように、メーカー とユーザーがその生産コストなどについてほほ同じだけの情報量を有しており、対等 16日本経済新聞93年7月23日 17メーカー・輸入総代理庖による価格設定など

(16)

の立場で価格交渉が行われるO 他方、消費財については、メーカーの持つ商品情報と 消費者の持つ商品情報には大きな格差がある。このような、

r

(

生産者と消費者の聞の) 情報の非対称性

J

は、消費者にとって不利益であるだけでなく、メーカーにとってもよ りすぐれた商品を市場に投入しでも消費者の購買行動がそのまま価格に現れないとい う点で、その努力が報われない可能性があり、健全な市場取引を問答する恐れがある。 以上、内外価格差が生じる要因について、主に為替レート要因と構造的要因とにわ けで考察してきた。これからは、実際に内外価格差を解消したときに日本経済にどの ような影響があるかをみてみよう。

5

内外価格差の解消が日本経済に与える影響

はじめにみたように、内外価格差によって様々な弊害が生まれている。では、内外 価格差を解消することは日本経済にどのような影響をおよぼすのであろうか。これか ら、その効果について肯定的な意見と否定的な意見を紹介したい。

5

.

1

肯定派

内外価格差が解消されることによって期待される重要な効果は、価格低下による消 費拡大、実質所得の向上による需要増加というマクロの景気拡大への影響で、ある180い ま一つは、すでに指摘したように、内外価格差によって生じている保護のコストの負 担は、所得の低い家計に対して重いことから、内外価格差の解消は、所得税減税の議 論と同じように、逆進性を是正することによってもきわめて大きな消費拡大効果を生 むことが予想される。 ここでは、 1989年に佐々波・浦田・河井が行ったシミュレーション分析のエッセ 18以下、佐々波 (1994)参照

(17)

ンスを引用する190 ( 1 )分析のフレームワーク 内外価格差の解消の効果の分析には国際経済学における関税率引き下げの効果の分 析を用いることができる。関税引き下げの効果としては、国内財と輸入財の相対価格 およびそれらの消費量、生産量ばかりでなく、他の財市場や労働・資本といった要素 市場にまで影響をおよぼす。さらにその効果は商品の特性や国内外の市場条件の遠い、 長期あるいは短期といった分析期間の違いによって異なる。 ここでは、 1.他の市場への影響は無視しうるほど小さい(部分均衡)、 2.国内市 場および海外市場では完全競争が成立している、 3.日本の輸入量の変化は輸入財価 格に影響をおよぼさない(小国の仮定)、という基本的な仮定に加えて、

4

.

国内財と 輸入財は製品差別化されている(不完全代替)、という仮定の下で、単純なモデルを構 築した。 このモデルを図示した図表10を用いて、内外価格差がなくなる、つまり輸入財価格 が下落する効果を検討してみよう。当初、輸入財市場と国内財市場・ではそれぞれE m、

Ed

という点で需給が均衡しているとする。まず輸入財価格の低下

(Pm-Pm'

)に よって消費者の需要は国内財から輸入財へシフトするので、輸入財需要は需要曲線D mに沿って増加する。一方、国内財の需要曲線Ddは輸入財への代替のためDd 'にシ フトするので、国内財に対する需要は減少し、国内財価格は下落する。その結果、国 内財の生産量は供給曲線Sdに沿って、 QdからQd 'へと減少する。しかし、国内 財価格の下落は逆に輸入財から国内財への需要の代替をもたらすため、輸入財の需要 曲線も左下

Dm'

ヘシフトする。このような輸入財市場と国内財市場の相互作用が収 束した結果、新しい需給の均衡点は

E

n

l

'

. Ed'

になる。図表

9

によれば、内外価格 差の縮小によって輸入財価格は

Pm

から

Pm'

へ低下し、輸入量は

Qm

から

Qm'

へ 上昇するので、消費者には利益をもたらす。一方、国内財価格はPdから Pd'へと

(18)

低下し、国内財生産量(消費量・でもある)はQ dから Qd 'へ減少する。国内生産の 減少は、雇用調整をもたらすことになる。 内外価格差縮小によってもたらされる経済の各主体に対する影響を余剰概念20を用 いて分析すると次のようになる。まず、輸入財市場では消費者はa+bの利益を得る。 このうち aの部分は内外価格差が存在していた状況の下では輸入業者のレント(関税 が存在していたならば、

a

の一部は政府による関税収入である)であった部分であり、 bの三角形は内外価格差が存在することによる消費の歪みを示している。国内財市場 では消費者は Cの利益を得るが、それは生産者がかつて享受していた利益(生産者余 剰)を喪失したものに一致する。以上のことから、内外価格差の消滅によって生産者、 輸入業者、政府から消費者への所得の再分配がおこなわれ、消費者は最終的にはa+ b+cの利益(消費者余剰)を得ることになる。 ここで¥重要なのは内外価格差がなくなることによって、所得が生産者、輸入業者、 政府から消費者に再分配されることだけでなく、再分配の結果、経済全体で利益を享 受できることである。この利益は、価格の歪みがなくなることで、資源がより効率的 に使用されることによってもたらされるもので、図表 10では三角形 bで表すことが できる。 ( 2 )シミュレーションの結果 日本の内外価格差がなくなった場合の日本経済への影響を図表10のモデルを用い てシミュレーションを行った結果が図表11に示されているO ここでは、分析対象品 目としては産業連関表の529部門のなかから 1989年時点での輸入額が 10億円 以上でかつ園内出荷価格と輸入価格の差、つまり内外価格差が10%以上という 51 品目に限って分析がなされており、そこから得られた結果を 5分類に集計しである。 これによって内外価格差の解消による影響を見てみよう。 1 .マクロ経済への影響:分析対象となった商品の輸入は2倍以上に拡大するのに 20ある財を一定量購入する買手が、代価と思う最大の貨幣額から実際の購入額をヲiいた差額を買手の余剰と呼ぴ、 ある量を販売する売手の獲得貨幣額と販売(生産)のための最小費用額の差益を売手の余剰と呼ぶ口部分均衡モデル における厚生分析は、この意味での余剰を厚生の尺度にして行われる。金森・荒憲・森口(1 9 8 8年)参照。

(19)

対し、国内生産は

8

. 6

%減少するO 国内財の消費は減少するが、輸入財の消費が大 きく上昇するので、全消費(国内財+輸入財)は拡大する。その結果消費者余剰は2

1

兆円も上昇する。

21

兆円というのは分析の対象となった商品に対する消費支出の 18%、GNPの5. 3 %、民間消費の9. 3 %に相当する金額である。消費者余剰 の上昇は日本国民一人あたりでみると約 17万円に相当する。 2.雇用への影響:国内生産量の減少による生産者余剰の喪失は 13兆円である。国 内生産の減少は失業を生む。労働・生産比率を一定とした場合の推定では、内外価格差 の解消によって分析の対象となった産業における雇用は 10%低下する。これは労働 者全体の O. 5 %にあたる。日本における失業率は2 %前後で推移しているので、さ らに

o

.

5 %の失業が発生するとすれば雇用調整が大きな問題となる。

3

.

輸入業者と政府への影響:内外価格差の解消によって輸入業者は輸入品の国内 価格を高く維持することができなくなるので、レント(不労所得)を失う。分析の対 象となった商品に関しては、輸入業者によるレントの喪失は3兆6000億円になる。 レントの多くは規制されている輸入品を輸入できる権利をなんらかの手段で獲得した 業者にだけ特権的に与えられる所得であるので、レントの消滅は日本経済全体にとっ ては好ましい。さらに、レントの発生はそれを獲得するために資源のムダ遣いである レント・シーキング活動を助長するということを考慮するならば、レントの消滅による 経済への好ましい影響はさらに大きなものになる。内外価格差が解消されることで政 府は関税収入の減少を余儀なくされる。ここでの分析では、輸入関税がゼロになるこ とで政府収入は4000億円減少する。これは一般会計における政府収入の約O. 5 %に相当する。 4 .資源配分への影響:日本経済全体の獲得する資源配分の上昇(図表10のb)に よる利益は4兆2000 億円になる。これは、 GNPの約 1. 1 %に相当する。これ は、日本の国防費よりも多く、日本の

ODA

支出額の

3

倍以上の額である。 5 .消費者への影響:消費者余剰上昇の消費支出に対する比率(ここでは消費者余 剰比率と呼ぶ)を用いて消費者への影響をみると、内外価格差がなくなることによっ

(20)

て最も大きな消費者余剰比率が得られる産業は金属・金属製品 (44.5%)と食料 品 (43.1%)である。このことは、金属・金属製品あるいは食料品に関して内外 価格差がなくなれば、消費者の満足度はそれらの商品の消費に支払っている金額の

4

割以上上昇するということである。その他の産業における同比率はそれほど大きくは ないが、衣料・軽工業品で20. 2 %、化学製品では 15. 7 %、機械製品では8. 9 %となっているO 内外価格差の解消が望ましいとする結果が日本総合研究所からも出ている。内外価 格差解消による需要拡大効果を推計した 1993年のその研究によると、実質所得の 増加は

44. 8

兆円にものぼり、上にみたシミュレーション結果の

2

倍以上にもなる (図表

12

参照)。この推計では内外価格差の解消とは、市場開放による国産品と輸入 品との競争によって、日本の園内価格がニューヨー夕、ロンドン、パリ、ハンブルク 4 都市平均まで下がることであると仮定しているのが特色であるO このような仮定を実 現するには、国内での競争を妨げる規制の緩和もその前提となる。流通での競争を阻 む大庖法や出庖にあたって地元商庖街への働きかけや調整に必要とされる見えない費 用や規制があれば、実際に国内小売価格はなかなか下がらない。さらに国内運賃や郵 便料金も企業・家計にとってはコストである。『物価レポート,

9

4

J

は日本の公共料 金がアメリカ、イギリスに比べて電気、ガス、郵便、遠距離電話、鉄道、バス、タク シー(図表 13 )とほとんどの分野において割高(アメリカについては、 1. 2 9倍 --2. 1倍、イギリスについては、 1. 0 5倍--3. 17倍)であることを示してい る。運輸、通信、エネルギーといった国内の諸分野についても規制緩和による競争促 進が国内価格を引き下げる。 内外価格差が解消される過程で、安い輸入品によって国産品が代替されるケースが あることは上にもみたとおりである。前述の日本総合研究所の研究では、日本の輸入 比率が、自本を除く先進7カ国平均まで上昇した場合の国内生産への影響を 32. 9 兆円と試算している。しかし、国内価手釘民下による需要増44. 8兆円からこの32. 9兆円を

5

1

いてもなお 11. 9兆円のマクロ効果がある。これは国民1人あたり 9. 9

(21)

万円の需要増加にあたる。この結果は、佐々波・浦田・河井のシミュレーションで出 た 結 果 (

6

.

8

万円)に比べると国民一人あたり

3

.

1万円の差が出ており、試算の 方法によって結果には相当の差異がある。しかし、一人あたり

6

. 8

万円(佐々波・浦 田・河井の推計)ないし、同9. 9万円(日本総合研究所推計)という金額は、 93年 度における一人あたりの雇用者所得

51

7

.

4

万円21のそれぞれ約

1

. 3

%、約

1

. 9

%にあたり、 93年度における一人あたりの雇用者所得の前年比が O. 9 %22であるこ とを考えると、内外価格差解消の効果は大きいといえる。景気回復の見通しが依然と して不透明な現在、規制緩和による内外価格差解消に多くの期待が寄せられるのもこ の大きな需要増加が予想されるためである。

5

.

2

否定派

しかし、上に挙げたように「規制緩和によって内外価格差が解消されることで、消費 者の実質所得が増加するのであるから望ましいことである

J

とった意見に対して、そ れは余りにも楽観的であるとする指摘もある23。 もし、実質所得が上がっているならば、相対的に価格の高いものへの支出比率が高 まるので、物価指数の下落率よりも、購入単価の下落率が小幅にとどまるはずで、ある が、現実は逆であること(図表

14

)がその理由として指摘されている。また、平均的 サラリーマンの実質所得も、価格破壊が激しくなったここ 1--2年下落している。し たがって、所得を一定と仮定して、価格だけが下がる場合の議論は、現在の価格破壊 問題に答えるには不適当で、ある、とする。 また、日本興業銀行調査部の 1994年のリポートでも、価格引き下げは、それを 相殺するほどの数量増加をもたらさず、消費総額をかえって、減少させるという結果が で、ている24。その理由は以下のとおりである。

80

年代を通じて実質個人消費の名目賃 21

r

平成6年版経済白書jの「参考資料Jより算出 22

r

平成6年版経済白書jの「参考資料Jより 23宮尾 (1994)f経済セミナーj 24前中 (1994)fエコノミストj

(22)

金弾性値は一貫して消費者物価弾性値を上回る水準で推移しており、わが国の消費者 が恒常的に物価水準の変化よりも名目賃金の変化に対してより敏感に消費態度を決定 してきたことがいえる(図表15)。従って、この分析結果から、わが国の消費者行動 は実質賃金よりも、名目賃金の変化によって規定されるところが大きいということで ある、としている。 これまで見てきた分析結果をまとめ、それに付随する影響を整理すると図表

16

の ようになる。便宜上、ここでは内外価格差解消の賛成派の分析結果をケース l、宮尾 氏の分析結果をケース 2、日本興業銀行調査部の分析結果をケース 3とする。

6

3

つの分析結果の検討

では、上の分析結果を検討してみよう。まず、ケース 2で指摘されているように、実 質所得は減少しているのではないかという議論であるが、図表 17をみると、実質雇 用者所得の伸びは低迷はしているものの前年比にすると一貫してプラスであり、 19

9

4

年度の

I

期には上昇傾向がみられるのがわかる。次に、ケース

3

で考えられてい るように、価格引き下げによってそれに見合った数量増加は見られないということに ついてであるが、図表 14を見るかぎり、 1993年半ば以降は購入数量は増加して いるO 仮に日本経済全体でみて購入数量が増加しなかったとしても、それはマクロ的にみ ると問題はない。というのも、確かにミクロ的にある企業のみを考えると、その企業 の販売価格が低下して、しかも価格の低下分をカバーするだけの数量面での増加がな ければ、売り上げ自体が減少してしまう。また、価格の低下分以上の数量面での増加が あり、売り上げは増加したとしても、価ネ各低下以前に比べれば収益は少なくなる。しか し、マクロ経済的にみれば、個人消費の額が一定あるいは増加しているとすれば、消 費者は、ある製品の価格が低下したことによって生まれたゆとり分を、他の消費に回 しているはずで、ある。つまり、マクロ経済の景気についていえば、いわゆる価格破壊

(23)

によって実質値で、測った総需要は一段と拡大しているはずなのである230 また、実質個人消費の消費者物価弾性値が低いという指摘についても、図表18を 見れば分かるように価格弾力性は93年になってますます大きくなっている。更に、名 目所得は年々下がっているので消費が抑制されるのでは、という指摘についても、図 表19を見ると、平均消費性向は下がっていない。これは、所得の伸びが低下する過 程では、消費水準をあまり落とさないようにしようとする力

(

f

ラチェット効果J)26が 働いていることによる。 したがって、これらの分析結果をみるかぎり、内外価格差の解消によって実質雇用 者所得は上昇し、また平均消費性向も低下するわけで、はないことから、実質消費支出 が増加する。従って、内外価格差解消は望ましいことになる。

7

政策提言

では、内外価格差を解消するにあたってどのような点に留意すべきであるのか。 はじめに、内外価格差を解消することで、失業率が増加することは必至である。し たがって、失業対策が必要となる。内外価格差が解消される過程で、主に内外価格差の 原因となっている労働生産性の低い産業は生産性の向上を強いられ、多くの失業者を 生む一方、新産業が開拓されるようにもなる。失業対策として最も望ましいのは、失 業者をいかにして新産業に配置・転換させるかを考えることである。直接的な方法とし ては、失業者のための職業紹介システムの充実、失業者の再教育、再訓練がある。し かしながら、失業者が必ずしも新産業に適任で、あるとは限らない。従って、労働市場 をもっと流動化させ、すべての労働者が各々最も適任である分野に配置・転換される ことが必要とされる。具体的には、次のような3つの面からの政策が適当であろう27。 25鈴木 (1994)rエコノミスト j参照 26

r

平成6年版経済白書j参照 27一部、島田 (1995)参照。

(24)

7

.

1

労働市場対策

まず、職業紹介システムについてであるが、わが国は現在でもコンピュータネット ワークを介した世界で最も進んだともいえるシステムを持ち、一定の役割を果たして いるが、主に生産労働者や一般事務労働者、販売員といった比較的定型的な作業内容 の職業を紹介することを前提としており、とりわけ新産業において大きな役割を担う ものと期待されるホワイトカラーにとっては、十分で、ない。従って、情報量が豊富で全 国に張り巡らされた(場合によってはグローバルな)ネットワークが求められる。そ の意味では例えばインターネットの果たす役割が大きいであろうし、現在でもそのよ うな試みがなされている。 次に、失業者の再教育、再訓練はどうすべきか。内外価格差の解消によって新産業 が開拓されるようになると、新産業での労働力は、厳しい競争条件のなかから新たに 作り出されてくるような新産業に求められるものであるから、非常に高い競争力、効 率性、創造性といったものが要求されるO すなわち、高い技術の質や、知識集約型の 労働力が必要とされるのである。従って、新産業での労働力を育てるためには、これ までの公共職業訓練のようなノウハウでは対応できず、それぞれ個人が、特有な技能、 国有の知識を磨くために、大学や研究所なども含め、独自に訓練に適合した場所を探 し、そこで実力を磨き、方法論を身につけ、さらに現場に出て技能を修得するといっ た自助努力が必要になる。こうした自助努力を可能にするために提案されているのが、 自己啓発優遇税制であるO これは、労働者が自己再教育、再訓練にかかった費用とと もに、すでに家庭をもっている人には家族の養育費を含めた実費を、課税所得から控 除する制度である。現在でも国が現実に補助金を出す制度があり、その一部は企業の 従業員の自己再訓練のために費やされているが、この予算はきわめてわずかな規模で しかなく、その存在すら知らない人も多い。この制度は国にとって一時的に税収を減 らすことになるが、この制度によって労働者がスキルを身につけ、日本経済を活性化 することになれば税収は高まるようになるであろうし、教育機関からの税収も増える ことになるので、非常に有効で、あると考えられる。

(25)

第三に、労働市場の流動化をはかるための方法であるが、それには給与の年俸制が 適当であると思われる。従来、日本の労働市場が流動的で、ないといわれてきたのは、や はり、年功賃金制に支えられた終身雇用制度の存在があったからで、あろう。しかし、年 俸制の導入によって年功賃金制がなくなれば、労働者にとって同じ企業に居続けるメ リットが現在よりも小さくなるので、自ずと労働市場は流動化する。ここで、大事な ことは、人々の能力や成果といったものを正確に評価し、それを報酬に結びつけるよ うな方法論を開発することである。このような方法論は、労働市場が流動化すればす るほど市場原理によって客観的な評価が行えるようになって、やっと確立されていく 訳であるから、まずは、労働市場が開放的で、あることが求められる。

7

.

2

その他の留意点

以上のような労働面からの対応策に加え、次のような点にも留意する必要がある。す なわち、産業調整の過程で生産が海外に移転し、国内生産が縮小することで、対外黒 字が減少すれば、やがて円安に向かうようになり、日本企業は国際競争力を取り戻す ことになるであろう。その時点であまりにも産業空洞化が進んで、しまっていては問題 である。したがって、日本の産業は技術革新を推進し、空洞化の抑制に寄与すべきで ある。 次に内外価格差を解消する手段としての規制緩和は、特に非製造業の生産性向上に 留意すべきであり、また新産業開拓の発展に寄与するように行うべきである。 最後に、生産者と消費者が持つ商品情報についての格差などにみられる情報の非対 称性を解消し、消費者の日を向上させるべきである。それに必要なのは情報公開の徹 底と情報通信ネットワークの確立である。

(26)

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エコノミスト j

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経済辞典新版j有斐問、

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988

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S.Urata and H.Kawai

'Measuring the Costs of Protection in Japan¥Institute for International Economicsヲ

1

9

9

5

(28)

図表1 (万人) 1.400 1,200 1,000 8α) 600 400 200 0..1 出回日本人数と内外価格差 (1)出国日本人数 19731f 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 海外経験のある者 海外経験のない者 之、 ιz 海外経験のある者 海外経験のない者 (2)物価モニター調査 わ が 国 の 価 格 は 外 国 と 比 較 を し た と き に 高 い と 感 じ る か よく感じる ときどき感じる 感じない 55.3 52.1 tH 19.81日 53.5 L-ーーー__.J-....ーーーー一--L-ーーーーーーJ 40 50 60 70 80 ~O 100(%) ど の よ う な 時 に 、 最 も 高 い と 感 じ る か ( 価 格 差 を 感 じ る と 答 え た 者 ) 日本で雑誌・ 海外で買い物をしたとき 日木で輸入品海外でサービスを 新聞等で初介 l を買ったとき 平IJJI1したとき その他 .8 o 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%) (注) 1.経済企商庁「物価モニター (4,200名)調査J(平成5年11月実施) による。 2.海外経験のある者とは、海外生活や海外旅行を経験したことの あるffのことである。 (資料)国際観光振興会r!lH~1 日本人数j、経済企画庁「物価レポート'94J (出所)

r

日本銀行月報

J

1 9 9 s牛6月号、 p4 6

(29)

図表2 東京とニューヨーク,ロンドン,パリ,ベルリンの内外価指差 (平成 5年(1993年)11月) 海 外 各 都 市 に 対 す る 東 京 の 内 外 価 格 差 ( 倍 ) 費 自 対ニューヨーク 対 ロ ン ド ン 対 Jぞ 対 ベ ル リ ン 総 A E3 1. 4 1 - 1. 46 1. 36 1. 38 食 料 口E口Z 1. 62 2. 1 5 1. 38 1. 93 耐 久 財 1. 36 1. 07 1. 00 O. 9 3 被 服 ・ 履 物 1. 64 1. 66 1. 2 6 1. 34 そ の 他 商 品 1. 37 1. 34 1. 1 8 1. 22 エネルギー・7対立 1. 87 1. 7 1 1. 23 O. 9 8 運 輸 ・ 通 信 1. 25 1. 1 2 1. 23 1. 1 2 保 健 ・ 医 療 O. 8 0 1. 83 1. 69 3. 5 5 教 育 O. 9 0 O. 8 1 2. 2 0 1. 18 家 賃 1. 84 1. 2 1 1.3 4 1. 35

l

一一一一般一の サ ー ビ ス 1. 1 1 1. 28 O. 9 9 1. 1 1 」 〈備考) 1.ロンドンについては1990年11月の調査結果を、パリについては1991年11月の調査結果を、ベルリンに ついては1992年11月の調査結果を、それぞれ品目毎の消費者物価上昇率で延長推計し立ものである。 ニューヨークについては1993年11月の調査結果である。 2.調査品目は、ニューヨークについては 409品目、ロンドンについては 331品目、パリについては 393 品目、ベルリンについては 388品目。調査品目については、品質・規格を特定した上で比校を行ってい るが、原則として調査銘柄の特定は行わず、同ーの品質・規格の範囲内でできる限り出回り量の多いも ので比較した。 3.海外部市の価格は、日本貿易振興会に委託して調査した。東京の伍格は、総務庁「小売物伍統計調査J 及び物価局職員の独自調査による。価格は、税込みの小売価格を調査した。 4.総合(費目別)の内外価格差は、個別品目の蹄買力平伍を、東京の消費者物価j旨数のウェイトで加重 平均したものと比較対象都市の消費者物価倍数のウェイトで加重平均したものとを幾何平均して求めた 総合〈費目別)の購買力平価を、為替レートで除して算出している。 5.消費者物価指数のウェイトは、東京については1990年のウェイト、ニューヨーク、ロンドン及びパリ については1993年のウェイト、ベルリンについては1985年のウェイトを用いた。東京及びニューヨーク は都市ウェイトであり、他3都市は全国ウェイトである。 6.為替レートは、 l 米"I~=111. 20円、 1ポンド=166. 87円、 17り==19.64円、 17付=67.26円。 1993年の 年間平均レート。[M F. • [nternatiooal F ioancial S tatistics'による。 1. r食料品Jには、酒煩を含む。 8.品質・規格が厳密にば一致しない場合には、個別品目の厳密の比伎は困鰻な場合があり、また、食料 品については食習慣の遭いがあることにも留意する必要がある。 9.保僧・医療、教育については、財政、社会保険料等による負但が行われている項目であることに留意 する必要がある。 (出所)経済企画庁編 f物価レポート'94J (1994)、p8 9

(30)

図表3 円レートと主要国の内外価格差の推移 ① 現 実 の 対 ド ル 円 レ ー ト (円) 100 200 300 70 75 ② 内外価格差 1.4 1.2 1.0 70 75 80 85 80 85 90 92(年) (アメリカ=1 ) ~白木 90 92(年) (-v相考 1. OECD rMain Economic lndicatorsJにより作成。 2.対ドル円レートはインターパンク直物中心相場。 3. 内外価格差は、 GDPベースの購買力平価を現実の為替レートて・割った値. (出所)経済企画庁編 f平成6年版経済白書j (1994)、 p3 1 5

(31)

110 160 1 SO 140 130 120 110 物 100 価 90 80 水 10 ~ 60 so 10 30 図表4 OECD諸国の実質所得水準と物価水準の関係(平成 5年(1993年)) (7J叫 =100) 110

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10 20 30 40 50 60 10 10 90 100 1¥0 120 l人当たり G0 P (問買力平価で険JI) (7J'Jb::llOO) {例考)0 E C O. • Maln Econornlc I ndicators. March 1994"による. (出所)経済企画庁編『物価レポート'94J (1994)、p1 0 7

(32)

図表5 産業別労働生産性の日米格差 (1990年) (米国==100) 120 100 ︾ , 牛 、 A F , ‘ a v f A 舟 -L V '.J、 .~ ,司、 e '~ '1ι. 80 e -, t e -1 ・ ‘ j ' 、 マ, . '. , 4、E J、1 ・ 、 60 ノヲ 誠九 ''1'‘. . 0,¥ i'/; : I I __.~ .~ I 1,れ , 40 ‘ ,~, .恥 1・ 、〆。、. . ,,‘、1‘ . 20~ 1. も よ ' 業 ス レ ﹂ サ 業 A 川 一 一 } 一 口 牛肉ザ?, a 1 , 速通 ・産 融 険 動 金 保 不 ・ 業 士 一 ル ホ N H H V 、 ttl 什 台 市 川 ス ⋮ 迫 電 ガ 水 業 設 建 業 産 n U ( 1~ü考)1.国際価格杭造研究所試算。 2.日本銀行「伺際比較統計1993J、OECD"PurchasingPower Parities and Heal Expenditures 1990"などにより作)1<; 3.日米の産業別労働生ifr.性(=巨l内嬰紫所得/就業者数)を産業別問j'{力平価により 換算。 (出所)国際価格構造研究所・小川高志編著 『レポート内外価格差J(1994)、p2

6

図表6 税業人口の業種別構成 (89年) 日 本 欧米平均 米 国 ドイツ フランス イギリス 農林水産業 7.6 3.8 2.9 3.7 6.3 2.1 製造業 24.2 22.9 18.5 31.5 2l.1 20.4 電気・ガス・水道 0.5 1.1 1.3 l.0 1.0 l.1 建設業 9.4 6.8 6.5 6.7 6.8 7.2 卸・小売業 22.8 18.3 20.6 14.8 17.0 20.6 運輸・通信業 5.9 5.9 5.6 5.7 6.4 5.7 金融保険不動産業 7.8 10.0 1l.3 7.9 9.6 11.2 サービス業 21.0 30.5 32.6 27.8 31.1 30.6 ーーーーー」ーーー一ー (備考)日本銀行「国際比較統計」により作成。 (出所)国際価格構造研究所・小川高志編著

f

レポート内外価格差J(1994) 、 p2 '7

(33)

図表 7 . . . 1985 . . . .

.

. . . . . . . . . 規 制 品 目 と 非 規 制 品 目 の 価 格 動 向 " ・ " ,

.

. 九..・・・・. ・・.. , -輸 入 物 価 / 88 .

.

・ .~.w・..・-..-・・・・・' ・.・"・・ 92 (年) 2,非規制品目 {指数)

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. . -. . . 一一 一・ー・・ -・・..."9.・.・・ ・'ー・.・ ・. ・ 1985 86 87 88 89 90 91 92 (年) 備考) 1.日本銀行の国内却売物価指数と輸入物価指数で共通に採用されている 78品Eをとりあげた。 これらの共通品目は、それぞれ国産品と輸入品であるため践合関係にある。 2.これら 78品目のうち価格支持、輸入数量制限及び参入規制が行なわれている品Eを規制品目、 それらが行なわれていない品目を非規制品目とした。規制品目は、扮乳、粗皆、たばこ.ウイ スキー、ぶどう酒、プランデ一、生糸、小麦、牛肉、豚肉の 10品目である。 3.規制品目であっても、行政価格の引き下げにより国内卸売物倍が低下している品目もある。 出所)経済企画庁刷物価レポート 1992"第2・2・1因。 (出所)佐々波楊子・浦田秀二郎・河井啓希

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見えない障壁jが生む 負の影響

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経済セミナー

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(1 9 9 3年8月)、 p4 6

(34)

図表8 T';Í/セ MIt,71~ ロンドン I~ 購入の際に重視する条件 fllliJ1竹5フ'ラント

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lJlimm枕派 }k );( It員 NY ・ LA~ Tユソセ Iq'1~7 問 ロンドン│割 価柿VSプランド{価格草枕派 東 京 IISl NY・LAI割 (11約J 90 100(%) o ]0 20 30 40 5o 60 70 80 90 100(%) hllimvs/ラ ン ド 同 日 前 布 石11H

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図表9 生活システムにおける情報格差(消費資本の必姿性) 「ー・ーーーーーー-ー-ーーーーーーーーーー一"ーーー-一一ーーーー一一一一一ー一ーーーーーーーーーーーーーーーーー寸 ;生産システム 生産者(メーカー) 生産者(ユーザー2 市場 -骨ーー一ーー+・・ ーーー一ーーーーー・ーーーーー一ー-ーーーーー一一ーーーーーーーーー寸 !生活システム 生産者 (現状) 一 一 一 情報の{iUE ffil人的入 ! (今後の方向) 生産主 流通 生並主 ガ レ ー ジ セ ー ル

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川 資 本 の 形 成 1m先 輸 入 "M,H" ilUi枯れ'i報 ほか "!U行者ニーズ (Wj考)IEI 際1I!!i~ 仇 jJiftJf究所

(出所)国際価格構造研究所・小川高志編著

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図表10 p p m P m p P d P(j' 5(1 内外価格差の解消が日本経済にもたらす 影響を考察するための分析モデル D m 0(1' 0(1 輸入財市場 Om Om' 国内財市場 Qd' O(j ¥ Od' Q D m (出所)佐々波楊子・浦田秀二郎・河井啓希

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見えない障壁

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が生む 負の影響

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経済セミナー

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(1 9 9 3年8月)、 p4 8 図表11 内外価格差解消に関するシミュレーション結果:1989年 a.綿入、生産、扇舟への彫窃 内外価格差 関説率 輸入額 生産額 眉 用 (Pd -Pm)/、号 (%) (l∞億円) (1以){t'!円) (万人) (%) 内外価格差 内外価格差 内外価格走 品目/産業 あ り な し あ り な し あ り な し 食料品 417.6 11.5 171 668 1926 1679 63 54 衣類・軽工業品 215.6 10.9 151 230 1154 1078 72 66 金属・金属製品 250.2 0.8 155 306 185 163 化学製品 280.5 2.8 499 677 1313 1197 24 23 機械製品 216.3 2.2 208 508 5427 5032 204 185 官 十 265.3 4.1 1187 2389 10005 9149 367 333 総計(全産業) 3858 79523 6437 b.所得分配へのIJI'I::余剥の変化 (100億円} 消 費 者 生 産 者 関説収入 レント 純 利 益 消 費 者 余 剰 / 余剰 余剰 囲内消費(%) 品目/産業 (a+b+c) ~ ~の一部~の一部)_Æ 食料品 903 -605 -14 -1∞ 184 43.1 衣類・軽工業品 264 -175 -15 -53 21 20.2 金属・金属製品 151 -35 -63 52 44.5 化学型品 284 -139 -11 -62 73 15.7 機後製品 501 -324 O -87 89 8.9 針 2103 -1279 -41 -365 420 17.8 {設出所ド:の1:9記38審9号者年IfIにE図絡よ2るの推中定の。記号に対応する。 (出所)佐々波楊子・浦田秀二郎・河井啓希

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見えない隆盛jが生む 負の影響j

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経済セミナ

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(1993年8月)、 p5 0

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図表13 図表12 規先IJj~廃・内外価格差是正の効果 1 ~ lll~ 1人 1~~ 似 .!'tたり ( 1 i OECI刈ff:,iI ;;~業 f'長"をのコスト (1りつ:!q..) リJ:)じ1'1 7.6}j!'1 (2) (t々i皮 ,llilll・i"fJl'!fr.,;1(1'):-¥り(1.) 愉人 111ft椛 rl~ 下による iì'l l~円 余 干 : !1 )l~ 川 17Ji川 間内側il栴 低 下 に よ る'1:.))(f'i'1;f'l!J 企12.目指川 ( 3) f1本総{i-!tIf究所JH;;I(1993i:tJ 問内倒的 1応ドによる J~IJ1 !ln 愉入 J~7 加による生児減 Aは"7fナス。 ('iH十) :l.:.'jじ1'/ 4411兆1'1 A32.9兆円 11.9兆円 6 RJi!l/ }7JiI'1 9.9JjfT/ (1 )ガyト'/1初日 (1リヲJ1f)、6f)O米ドルを 11)<)211=の・I'HJレート 1ドル、 = 12fiPJでl呪11.0 (2) I伝Jヤィ!主.,llilll i"1J1 (1リリ)tj')ld凸より。 (3)U 本.r.:~合併允J ,i (199.111 1 よりう (出所)佐々波楊子「規制緩和はなぜ必要かj f経済セミナーj(1 9 9 4年1月)、 p3 3 公共料金の内外価格差の水準(日本=100,平成5年(1993年)11月) 日 木 アメリカ イ ギ リ ス ド イ ツ フランス 電 気 (280kWh使用時月断) 100 77.7 61. 8 99. 1 ガス (55万kcal使用時月額) 100 48. 5 31. 5 80. 3 55. 3 郵便 ((国国内内封はが書き1適1通当た当たり)り) 100 52.0 67.3 108.5 88. 7 100 51. 5 101. 8 131. 2 134. 1 電(話昼通間話3料分間金) 区40減km程程程内度度度 100 103 2,10 150 139 100 140 57 77 93 100km 100 109 80 174 139 500回 100 51 35 77 77 鉄 道 (100km) 100 65. 4 95. 7 57.8 93. 8 パ ス (1ゾ ー ン 文 は 均 一 料 金 ) 100 77.2 74.2 119.6 70. 9 タ ク シ ー 〈 昼 間5km、i名 、 荷 物 指 し ) 100 47.6 55. 5 59.5 41. 5 米(精米10kg、 消 費 者 価 格 ) 100 48. 1 47.2 45. 9 38.6 」・ーー・ 〈備考) 1 . 料 金 体 系 や サ ー ビ ス の 内 容 に 速 い が あ る こ と に 加 え 、 需 要 的 造 、 間 助 金 、 税 制 等 の 抱 i生があるため、単純な比校は困難である。 2.為替レートは、 1ドル=111.20円、 1ポ ン ド =166. 87円、 1マ ル ク =67.25円、 1フ ラ ン =19. 54円である 0993年平均レート)。 (出所)経済企画庁編 f物価レポート'94j (1994)、 p1 1 5

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購入数量と購入単価 購入数量¥も ー10 (前年同期比) 図表14 ① 電 子 レ ン ジ (%) -20 20 10 -10 IllIDNIllIITNIllIITNIllIITN(期〉 1・9O.Jし91.JL92.Jし93.J (年) -20 1 lllIINJ llillNJ llIITNI llIDN(期) し9O.Jし91.JLg 2.JLg 3.J (年) R 守止、ノ V % ' ' k a u ④ ③ テレビ (%)

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J戸、¥け 閥入単価 -30

し一-1 nl11IVI nlUIVl nmIVI nmIV (期 1IIIIIIVJlIillIVI nmIVI nmN (期〉

Lg O.JLg 1-' Lg 2-' Lg 3.J ( 年 ) し90-'し91-'し92-' L93-' (年) 20 10 (前年同期比) 購入数量 J/' 10 -¥ 0 -20 -20 総務庁「家計調査」より作成. 購入数量と購入単価の前年同期比は、それぞれを彼方6期移動平均し、四半 期佑して求めた。 購入数量は、総務庁「家計調査jの支出金額を購入単価で実質化して求めた。 1. 2. (備考) p 2 6 8 (1994)、 3. (出所)経済企画庁編

f

平成6年版経済白書j 図表15 (出所)前中正行「価格破壊は日本経済にどんな影響を与えるか

J

f経済セミナーJ(1 9 9 4年12月)、 p2 1

(39)

図表16 図表17 ① 国民経済計算ベース , ~、 ". 、 司 、---

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什---'、. I .~・....、1・ ' 2 ~一、 1 -0' 85 86 87 飽 89ω01 92ω q;lt 毎月勤労統計ベース -s 85B 6 前 倒 旬 開 91 92ω 年 度 分析結果のまとめ 所得の伸び(前年比)の要因分解

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期 印 刷in貿拙/.._--- \..<-:、不竺~ 1 n m w [ n m W 1 r m r w 1 n回 W I 問} 」ー侠トー~-!ì l-~ ~92-~ ---ro-~ 、!H(q:J 四 半 期 ー・ーーーーーーーー-ーー『司・・ー・・司・・ーー--目'ー・・-ーー--'-圃圃戸ーーー・ー『ーーーーー----画・・ーー・ーーー・四・唱ー 1 n m W I U m N 1 n国 lV I n m W I <,.,) 」ー-90---' ー-91-~ ~-92-~ ー ωー~、9.f【If- I 四半.,., (備考) 経済企画庁「国民経済計算年報J、「凶半期別凶民所得統計速報j、労働省「毎月 勤労統計調査(事業所規慎30人以上)J.総務庁「消費者物価指数jにより作成. (出所)経済企画庁編『平成6年版経済白書j (1994)、p 3 7

(40)

図表18 「被服及び履物J消費支出の価格弾力性分析 ① 線型回帰による推計結果 定政項 CPI 問 入 隊 価 実 質 所 得 R' D. W. 縫 E十 期 間 6.376 0.0656 0.6794 0.399 1.781 85年l月 一 02.22) (0.36) (2.19) -90年12月 6.209 島0.4246 1. 2023 0.261 1.313 何年l月 一 (l0.99) (-4.53) (6.06) -93年12月 四 6.918 0.0345 0.5431 0.296 2.126 85年1月 一 (13.23) (0.24) (2. (9) -905手12月 W 7.331 -0.3484 0.8290 0.147 1. 614 85年l月 一 (]3.06) (-4.29) (4.(4) -93~12月 ② カルマン・フィルターによる価格弥力性の推移 .2 .3

.

1 23 4 567 891011121 234 567891011121 234 567 B 9101112(月} 」ーー一一一 91 一一一一一~ ~一一一一一 92 一一一一一, ~一一一一一 93 一一一一~ (年) (備考) 1.総務庁「家計調査j、「消費者物価指数j、労働省f毎日勤労統計調査jにより作成。 2. 被説明変数は、 l式及び11式では「被服及び履物j支出のうち riHfU、「シャツ・ セーターJ、「その他被服j、「履物jへの支出をCPIの該当する指数で実質化したも の。1Il式及びIV式では f被服及び履物J支出(f!!し-nBM,目を除<28品目)を家計 調査から積み上げ計算した「被服及び履物jの購入単価指数で除したもの。 3. Jこの表て・、 rCPIJ1;1消費者物価指数、「購入単価J1;1家計調査より積み上げ計算し た購入単価指数、 f実質所得Jは毎月勤労統計調査における実質現金給与総額指数。 4. 説明変数.被説明変数とも対教をとった. 5. カルマン・フィルターの計濃l]/iCPIベ ー ス で 行 っ た (1・Il式タイプ). 6. ②のカルマン・フィルターの初期値設定は85!f.1月-90年12月まで。 (出所)経済企画庁編 f平成6年版経済白書j (1994)、p2 6 6

図表 1 (万人) 1 . 4 0 0  1 , 2 0 0  1 , 0 0 0  8α)  6 0 0  4 0 0  2 0 0  0 .. 1  出回日本人数と内外価格差(1)出国日本人数 1 9 7 3 1 f  7 4   7 5   7 6   7 7   7 8   7 9   8 0   8 1   8 2   8 3   8 4   8 5   8 6   8 7   8 8   8 9   9 0   9 1   9 2   9 3   9 4  海外経験のある者 海外経験のない者 之
図表 2 東京とニューヨーク,ロンドン,パリ,ベルリンの内外価指差 (平成 5 年(1 9 9 3 年) 1 1月) 海 外 各 都 市 に 対 す る 東 京 の 内 外 価 格 差 ( 倍 ) 費 自 対ニューヨーク 対 ロ ン ド ン 対 J ぞ 対 ベ ル リ ン 総 A  E3  1 .  4  1  ‑ 1 .  46  1 .  36  1 .  38  食 料 口 E 口 Z  1 .  62  2
図表 3 円レートと主要国の内外価格差の推移 ① 現 実 の 対 ド ル 円 レ ー ト (円) 100  200  300  7 0  7 5  ②  内外価格差 1
図表 5 産業別労働生産性の日米格差 ( 1 9 9 0 年) (米国== 1 0 0 )  1 2 0  1 0 0  A F︐牛︑ ︾︐ a v fA舟‑LV  '
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参照

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