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はじめに 214 年度の国内新車需要台数は 消費税増税の駆け込み需要の反動減などにより 53 万台と前年度を下回る結果となりました 15 年度に入り 原油安や円安による企業経営環境の改善 株高などによる景気回復の兆しも見られますが 軽自動車税の増税やエコカー減税基準の厳格化などにより 自動車販売を取

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Academic year: 2021

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自動車ディーラー・ビジョン

(平成 27 年版・2015 年版)

乗用車店編

2015 年 7 月

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会

株 式 会 社 現 代 文 化 研 究 所

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は じ め に 2014 年 度 の国 内 新 車 需 要 台 数 は、消 費 税 増 税 の駆 け込 み需 要 の反 動 減 などにより、 530 万 台 と前 年 度 を下 回 る結 果 となりました。15 年 度 に入 り、原 油 安 や円 安 による企 業 経 営 環 境 の改 善 、株 高 などによる景 気 回 復 の兆 しも見 られますが、軽 自 動 車 税 の増 税 やエコカー減 税 基 準 の厳 格 化 などにより、自 動 車 販 売 を 取 り巻 く環 境 は依 然 厳 しく、 勢 いを取 り戻 す状 況 には至 っておりません。 中 長 期 的 には消 費 税 増 税 や尐 子 高 齢 化 に伴 う一 層 の社 会 保 障 の国 民 負 担 増 加 の 懸 念 に加 え、若 年 層 のクルマ離 れや高 齢 者 の保 有 中 止 などによる自 動 車 市 場 の先 細 り が見 込 まれるため、個 社 単 位 による経 営 基 盤 の強 化 や効 率 化 と共 に、中 長 期 的 な環 境 変 化 に対 応 した取 り組 みを業 界 全 体 で着 実 に進 めていく必 要 があります。 今 回 のディーラー・ビジョンは、将 来 見 通 しの範 囲 を従 来 の 2020 年 度 から 2025 年 度 へ 広 げ 、 市 場 変 化 を 想 定 し た 上 、 中 長 期 的 な デ ィ ー ラ ー ビ ジ ネ ス の 将 来 像 ( 方 向 性 、 課 題 等 )を明 らかにするため、以 下 の第 1~3 章 の 3 つのテーマについて具 体 的 な検 討 を 行 い 、 ( 株 ) 現 代 文 化 研 究 所 の 協 力 を 得 な が ら 、 流 通 委 員 会 ( 委 員 長 : 久 恒 兼 孝 トヨタカローラ博 多 (株 ) 社 長 )において議 論 ・検 討 を重 ねた結 果 を取 りまとめたものです。 第 137 回 流 通 委 員 会 平 成 26 年 9 月 4 日 ・企 画 案 の検 討 第 138 回 流 通 委 員 会 平 成 26 年 11 月 20 日 ・企 画 案 の確 定 第 139 回 流 通 委 員 会 平 成 27 年 4 月 9 日 ・各 章 の内 容 検 討 第 140 回 流 通 委 員 会 平 成 27 年 5 月 21 日 ・最 終 審 議 、次 回 への課 題 第 1 章 は「中 長 期 市 場 の見 通 し」として、「国 内 乗 用 車 系 市 場 の見 通 し」と「市 場 環 境 要 件 」について、特 に地 域 別 の視 点 を重 視 しつつ分 析 しました。 第 2 章 は「将 来 ビジョンとビジネスモデルの方 向 性 」をテーマとし、「 2025 年 に向 けた 将 来 ビジョンの要 素 」、「将 来 のビジネスモデルの方 向 性 」について考 察 しました。 第 3 章 は「将 来 のビジネスモデルの具 体 的 検 討 」とし、「人 材 不 足 時 代 の『人 材 戦 略 』」、 「市 場 環 境 の変 化 に対 応 した『顧 客 戦 略 』」について検 討 しました。 さ ら に 今 般 、 会 員 各 社 か ら の ご 要 望 に 対 応 し 、 報 告 書 を 電 子 媒 体 化 す る と 共 に 、 「 概 要 」 、 「 本 編 」 、 「 資 料 編 」 を 別 建 て と し て 、 使 い 勝 手 の 向 上 、 読 み 易 さ の 改 善 を 図 りました。 今 回 取 り ま と め た 内 容 が 会 員 各 社 に と っ て 、 今 後 、 事 業 運 営 の 革 新 を 具 体 的 に 進 めていく上 での一 助 になれば幸 いです。 平 成 27 年 7 月 一 般 社 団 法 人 日 本 自 動 車 販 売 協 会 連 合 会

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目 次

「2015 年 版 自 動 車 ディーラー・ビジョン 概 要 」(別 掲 )

第 1 章 中 長 期 市 場 の見 通 し

Ⅰ.国 内 乗 用 車 市 場 の見 通 し ... 1

1.地 域 別 中 長 期 市 場 の見 通 し(乗 用 車 ) ... 1

Ⅱ.市 場 環 境 要 件 ... 6

1.将 来 の社 会 環 境 変 化 について ... 6 2.乗 用 車 保 有 ・需 要 に影 響 する要 因 と見 通 し ... 14

資 料 編 1.短 期 市 場 の見 通 し

第 2章 将 来 ビジョンとビジネスモデルの方 向 性

Ⅰ.2025 年 に向 けた将 来 ビジョンの要 素 ... 26

Ⅱ.将 来 のビジネスモデルの方 向 性 ... 34

1.ビジネスモデルの6つの方 向 性 分 類 ... 35 2.共 通 する次 世 代 型 経 営 モデル ... 45

資 料 編 2.「将 来 ビジョンとビジネスモデルの方 向 性 」に関 わる取 材 事 例 集

第 3章 将 来 のビジネスモデルの具 体 的 検 討

Ⅰ.人 材 不 足 時 代 の「人 材 戦 略 」 ... 48

1.人 材 不 足 時 代 へのスタンスについて ... 50 2.若 年 層 の採 用 ・育 成 について ... 51 3.エンジニアのモチベーションとキャリアパスについて ... 54 4.人 材 の多 様 な活 用 について(女 性 、高 齢 者 、高 卒 ) ... 57

Ⅱ.市 場 環 境 の変 化 に対 応 した「顧 客 戦 略 」 ... 59

1.乗 用 車 市 場 成 長 戦 略 に沿 って ... 59 2.販 売 ・サービスシステムの効 率 化 ・省 人 化 ... 75

資 料 編 3.「将 来 のビジネスモデルの具 体 的 検 討 」に関 わる取 材 事 例 集

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第 1 章 中 長 期 市 場 の見 通 し

Ⅰ.国 内 乗 用 車 市 場 の見 通 し

1.地 域 別 中 長 期 市 場 の見 通 し(乗 用 車 )

注 )短 期 市 場 の見 通 しについては、今 回 は中 長 期 市 場 見 通 しに重 きを置 いたため、 資 料 編 に掲 載 これまでのディーラー・ビジョンでは、2020 年 度 までを対 象 に将 来 展 望 を行 ってきたが、 2015 年 版 では 10 年 後 の 2025 年 度 までの国 内 の乗 用 車 市 場 に影 響 を及 ぼすとみられ る社 会 環 境 要 因 から今 後 の社 会 の方 向 性 を展 望 し、乗 用 車 市 場 及 び自 動 車 販 売 業 へ の影 響 を考 察 する。 昨 年 のディーラー・ビジョンで長 期 的 な保 有 市 場 環 境 変 化 を考 察 し、将 来 シミュレー ションを行 ったが、本 年 は、足 元 の保 有 台 数 を鑑 み、将 来 推 計 保 有 台 数 の見 直 しを行 う とともに 2025 年 度 までの乗 用 車 市 場 について、地 域 別 に保 有 ・新 車 需 要 台 数 の推 計 を 試 みた。 『第 1章 Ⅱ.市 場 環 境 要 因 』に後 述 するが、乗 用 車 市 場 の見 通 しにあたっては地 域 別 の視 点 を重 視 しつつ、都 道 府 県 別 の社 会 環 境 要 因 の特 徴 、動 向 、見 通 しから将 来 の 都 市 像 の変 化 を展 望 し、自 動 車 の利 用 との関 係 性 、保 有 ・需 要 に影 響 する要 因 につい て比 較 分 析 している。 1)保 有 台 数 の見 通 し 乗 用 車 の保 有 台 数 は、2014 年 3 月 末 現 在 で 6,052 万 台 と、昨 年 と同 様 に軽 自 動 車 の増 勢 が引 き続 き、2013 年 度 末 から 47 万 台 増 加 した。 乗 用 車 の保 有 台 数 は、人 口 動 態 など現 状 の趨 勢 が延 長 される場 合 (趨 勢 ケース)で は、2020 年 度 に 6,025 万 台 (2014 年 度 から▲27 万 台 )、2025 年 度 で 5,830 万 台 (同 ▲ 222 万 台 )に減 尐 する見 通 しである。(次 頁 図 表 1-1-1-1) 2025 年 には団 塊 世 代 が 75 才 以 上 になるため、2020 年 以 降 は保 有 中 止 が増 加 する と想 定 される。 仮 に自 動 車 保 有 促 進 策 を打 ち保 有 率 が改 善 された場 合 (対 策 実 施 ケース)、2020 年 度 で 6,550 万 台 (2014 年 度 から+498 万 台 )、2025 年 度 で 6,700 万 台 (同 +648 万 台 ) の増 加 が期 待 できる。( 次 頁 図 表 1-1-1-1) 対 策 実 施 ケースの場 合 、①高 齢 者 の運 転 可 能 年 齢 が 5 歳 延 長 、②女 性 を中 心 にし た 30~50 代 の自 動 車 保 有 率 の伸 び率 が 12%増 加 、③若 年 層 の保 有 率 の伸 び率 が 12%増 加 すると設 定 し推 計 を行 った。 地 域 エリア別 の総 保 有 台 数 は、2014 年 度 から 2020 年 度 にかけ中 国 、四 国 で減 尐 率 が大 きく、更 に 2025 年 度 にかけては北 海 道 、東 北 をはじめ地 方 圏 での減 尐 率 が大 きくな

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全 国 的 に増 加 するが、2025 年 度 にかけ北 東 北 、四 国 、九 州 、北 海 道 、中 国 で減 尐 する。 登 録 車 は、2020 年 度 、2025 年 度 にかけ全 地 域 で減 尐 する見 通 しである。(図 表 1-1-1-2) 図 表 1-1-1-1 乗 用 車 保 有 台 数 見 通 し(総 市 場 ) 図 表 1-1-1-2 地 域 ブロック別 乗 用 車 保 有 台 数 見 通 し(趨 勢 ケース) 区分 該当都道府県 北海道 北海道 東北 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 北関東 茨城、栃木、群馬 首都圏 埼玉、千葉、東京、神奈川 甲信越 新潟、長野、山梨 中部 富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、三重 近畿 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山 中国 鳥取、島根、岡山、広島、山口 四国 徳島、香川、愛媛、高知 九州 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 注 ) 地 域 区 分 内 訳 (千台,%) 2014年度 2020年度 2025年度 14→20年度 増加率 20→25年度 増加率 北海道 2,771 2,731 2,584 ▲ 1.4 ▲ 5.4 東北 5,202 5,112 4,783 ▲ 1.7 ▲ 6.4 北関東 4,585 4,656 4,561 1.5 ▲ 2.1 首都圏 12,079 12,195 11,863 1.0 ▲ 2.7 甲信越 3,274 3,241 3,140 ▲ 1.0 ▲ 3.1 中部 10,566 10,671 10,452 1.0 ▲ 2.1 近畿 7,994 7,876 7,682 ▲ 1.5 ▲ 2.5 中国 4,123 3,999 3,866 ▲ 3.0 ▲ 3.3 四国 2,149 2,075 1,983 ▲ 3.5 ▲ 4.4 九州 7,775 7,694 7,386 ▲ 1.0 ▲ 4.0 全国 60,517 60,250 58,300 ▲ 0.4 ▲ 3.2 総市場 5,814 6,052 6,025 5,830 6,052 6,550 6,700 4,500 5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500 2010年度 2014年度 2020年度 2025年度 (万台) 趨勢ケース 対策実施ケース 2014年度 2020年度 2025年度 14→20年度 増加率 20→25年度 増加率 2014年度 2020年度 2025年度 14→20年度 増加率 20→25年度 増加率 北海道 1,918 1,801 1,659 ▲ 6.1 ▲ 7.9 854 930 925 9.0 ▲ 0.5 東北 3,202 3,009 2,746 ▲ 6.0 ▲ 8.7 2,000 2,104 2,037 5.2 ▲ 3.2 北関東 3,099 2,989 2,844 ▲ 3.6 ▲ 4.8 1,486 1,668 1,717 12.2 2.9 首都圏 9,280 8,987 8,529 ▲ 3.2 ▲ 5.1 2,798 3,208 3,333 14.7 3.9 甲信越 1,937 1,824 1,719 ▲ 5.8 ▲ 5.7 1,337 1,417 1,421 6.0 0.3 中部 6,920 6,689 6,392 ▲ 3.3 ▲ 4.4 3,646 3,981 4,060 9.2 2.0 近畿 5,328 5,020 4,774 ▲ 5.8 ▲ 4.9 2,665 2,856 2,907 7.1 1.8 中国 2,346 2,168 2,042 ▲ 7.6 ▲ 5.8 1,777 1,831 1,824 3.0 ▲ 0.3 四国 1,163 1,055 976 ▲ 9.2 ▲ 7.5 986 1,019 1,007 3.3 ▲ 1.2 九州 4,298 3,993 3,707 ▲ 7.1 ▲ 7.2 3,476 3,701 3,679 6.5 ▲ 0.6 全国 39,491 37,536 35,388 ▲ 5.0 ▲ 5.7 21,026 22,714 22,912 8.0 0.9 登録車 軽自動車

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2)新 車 需 要 台 数 の見 通 し 2014 年 度 に 445 万 台 であった乗 用 車 の新 車 需 要 台 数 は、2020 年 度 には保 有 台 数 が趨 勢 ケースの場 合 で 436 万 台 (2014 年 度 から▲9 万 台 )、2025 年 度 で 400 万 台 (同 ▲45 万 台 )に減 尐 する見 通 しである。保 有 台 数 が対 策 実 施 ケースの場 合 、2020 年 度 で 472 万 台 (2014 年 度 から+27 万 台 )、2025 年 度 で 428 万 台 (同 ▲17 万 台 )となる見 通 し である。(図 表 1-1-2-1) 地 域 エリア別 では、2020 年 度 にかけ、首 都 圏 では若 干 増 加 する一 方 で、 甲 信 越 、中 国 、四 国 では大 きく減 尐 し、更 に 2025 年 度 にかけては北 海 道 、東 北 、九 州 での減 尐 率 も大 きくなる見 通 しである。 軽 自 動 車 は 2020 年 度 ま で は 、 中 国 、 四 国 地 方 を 除 き 増 加 傾 向 が 続 く が 、そ の 後 2025 年 度 にかけ首 都 圏 以 外 の地 域 で減 尐 する見 通 しである。 また、登 録 車 は、北 海 道 、東 北 、甲 信 越 、四 国 、九 州 で 2020 年 度 、2025 年 度 にかけ 大 きく減 尐 すると見 込 まれる。 今 後 は、都 市 圏 で需 要 台 数 の減 尐 率 が小 さい反 面 、地 方 圏 では大 きくなり、格 差 が 広 がる見 通 しである。( 次 頁 図 表 1-1-2-2) 図 表 1-1-2-1 乗 用 車 需 要 台 数 見 通 し <保 有 台 数 が趨 勢 ケース > <保 有 台 数 が対 策 実 施 ケース> 267 269 254 226 121 176 183 174 0 100 200 300 400 500 600 2010年度 2014年度 2020年度 2025年度 (万台) 登録車 軽自動車 388 445 436 400 267 269 274 244 121 176 198 184 2010年度 2014年度 2020年度 2025年度 登録車 軽自動車 388 445 472 428

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3)乗 用 車 市 場 の推 計 与 件 (推 計 にあたり、特 に影 響 する要 因 ) (1)保 有 母 体 である人 口 の減 少 が進 展 するとともに人 口 の地 域 間 格 差 が拡 大 2025 年 にかけ総 人 口 が減 尐 するなか、団 塊 世 代 と団 塊 ジュニア世 代 の 50 代 、70 代 では増 加 するものの、40 代 以 下 、60 代 人 口 が大 きく減 尐 し、保 有 、需 要 の減 尐 が見 込 ま れる。2025 年 には団 塊 世 代 が 75 才 以 上 になるため、2020 年 以 降 は保 有 中 止 が増 加 す ると想 定 される。地 方 圏 の高 齢 者 比 率 は更 に高 まり、東 北 、九 州 では 60 代 以 下 の全 年 代 で人 口 が減 尐 する。高 齢 者 比 率 の高 い地 域 においては、軽 自 動 車 比 率 の上 昇 が見 込 まれる。 (2)経 済 環 境 の格 差 が拡 大 人 口 減 尐 による地 域 所 得 の減 尐 が消 費 、生 産 の減 尐 をもたらし、地 域 経 済 全 体 の縮 小 につながると考 えら れる。今 後 、地 域 別 には、生 産 年 齢 人 口 比 率 が高 い都 市 圏 で所 得 が増 加 する見 通 しである。但 し、若 年 層 の非 正 規 雇 用 比 率 の上 昇 、所 得 環 境 の低 迷 図 表 1-1-2-2 地 域 別 乗 用 車 需 要 台 数 見 通 し(保 有 台 数 が趨 勢 ケース) (千台,%) 2014年度 2020年度 2025年度 14→20年度 増加率 20→25年度 増加率 北海道 179 173 155 ▲ 3.8 ▲ 10.5 東北 347 335 297 ▲ 3.6 ▲ 11.5 北関東 310 305 280 ▲ 1.7 ▲ 8.2 首都圏 942 951 896 1.0 ▲ 5.8 甲信越 225 215 194 ▲ 4.6 ▲ 9.6 中部 842 830 764 ▲ 1.5 ▲ 7.9 近畿 627 617 568 ▲ 1.5 ▲ 8.0 中国 319 305 279 ▲ 4.6 ▲ 8.3 四国 143 133 119 ▲ 6.5 ▲ 10.5 九州 518 500 451 ▲ 3.4 ▲ 9.8 全国 4,454 4,364 4,003 ▲ 2.0 ▲ 8.3 総市場 2014年度 2020年度 2025年度 14→20年度 増加率 20→25年度 増加率 2014年度 2020年度 2025年度 14→20年度 増加率 20→25年度 増加率 北海道 111 101 87 ▲ 9.5 ▲ 14.0 68 72 68 5.6 ▲ 5.6 東北 196 181 155 ▲ 7.7 ▲ 14.1 152 154 141 1.7 ▲ 8.3 北関東 188 176 156 ▲ 6.6 ▲ 11.3 122 129 124 5.8 ▲ 3.9 首都圏 668 646 590 ▲ 3.3 ▲ 8.7 275 306 307 11.3 0.3 甲信越 118 107 93 ▲ 9.7 ▲ 12.8 107 108 101 1.1 ▲ 6.4 中部 519 495 444 ▲ 4.6 ▲ 10.3 323 335 320 3.6 ▲ 4.5 近畿 390 371 333 ▲ 4.9 ▲ 10.4 237 246 235 4.0 ▲ 4.4 中国 166 153 137 ▲ 7.8 ▲ 10.7 153 151 142 ▲ 1.2 ▲ 5.9 四国 69 61 53 ▲ 11.2 ▲ 13.5 73 72 66 ▲ 2.1 ▲ 7.9 九州 267 246 214 ▲ 8.0 ▲ 12.8 251 255 237 1.4 ▲ 7.0 全国 2,693 2,536 2,262 ▲ 5.8 ▲ 10.8 1,761 1,828 1,741 3.8 ▲ 4.7 登録車 軽自動車

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(3)車 ニーズの低 い都 市 地 域 の人 口 ボリュームが拡 大 公 共 交 通 機 関 が充 実 し、交 通 インフラの整 備 率 が高 い都 市 では車 の必 要 度 が低 く、 そうした都 市 地 域 に人 口 が集 中 、拡 大 すると見 込 まれ、自 動 車 保 有 率 は頭 打 ちになると 見 込 まれる。 (4)女 性 の就 労 が拡 大 女 性 就 業 率 は今 後 も上 昇 し 、通 勤 などの車 ニーズが高 まると見 込 まれる。但 し、所 得 環 境 の 低 迷 、世 帯 の セカンドカー的 位 置 づけのため、小 型 車 、軽 自 動 車 へのニーズが 高 いと見 込 まれる。 参 考 図 表 総 市 場 (乗 用 車 +商 用 車 )新 車 需 要 台 数 の見 通 し 総 市 場 ( 登 録 車 +軽 自 動 車 ) 新 車 需 要 台 数 登 録 車 総 市 場 新 車 需 要 台 数 521 569 530 518 512 510 469 350 400 450 500 550 600 '12 '13 '14 '15 '16 '20 '25年度 (万台) →予測 324 343 312 318 310 292 257 200 250 300 350 400 '12 '13 '14 '15 '16 '20 '25年度 (万台) →予測 (万台,%) '12 '13 '14 '15 '16 '20 '25年度 総市場 521 569 530 518 512 510 469 登録車 324 343 312 318 310 292 257 軽自動車 197 226 217 200 202 218 212 軽比率 37.9 39.7 41.0 38.6 39.5 42.8 45.1 前回→ 総市場 480 470 登録車 295 285 軽自動車 185 185

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Ⅱ.市 場 環 境 要 件

1.将 来 の社 会 環 境 変 化 について

乗 用 車 市 場 及 び自 動 車 販 売 業 に影 響 を及 ぼすであろう社 会 環 境 の潮 流 として、 1)人 口 動 態 から見 た地 域 は大 きく3つの方 向 に 2)高 齢 化 ・単 身 化 3)所 得 ・資 産 格 差 の拡 大 4)資 源 ・エネルギー、環 境 問 題 5)自 動 車 のIT化 ・自 動 化 、IT社 会 化 6)消 費 者 の価 値 観 変 化 の6項 目 を挙 げ、分 析 を行 った。 1) 人 口 動 態 から見 た地 域 は大 きく3つの方 向 に 国 内 総 人 口 は、2013 年 の 1 億 2,706 万 人 から、2025 年 には 1 億 2,066 万 人 に減 尐 (▲5.0%)する。(資 料 編 1:資 料 2-1-(1)) 都 道 府 県 別 の 2000 年 から 2013 年 の人 口 の変 化 は、大 都 市 圏 の 8 都 府 県 に沖 縄 を 加 えた 9 都 府 県 で人 口 が増 加 している一 方 で地 方 圏 では減 尐 し、都 市 部 と地 方 圏 との 差 が鮮 明 に表 われている。東 京 への人 口 集 中 が顕 著 であることに加 え、地 方 でも中 核 都 市 への集 中 が起 こり、同 じ地 域 内 でも過 密 と過 疎 のモザイク化 が進 みつつある。 (次 頁 図 表 2-1-1) 2025 年 にかけては地 方 圏 だけでなく、都 市 部 での人 口 減 尐 幅 も大 きくなる見 込 みで、 高 齢 化 に伴 い利 便 性 の高 い地 域 への人 口 の集 中 も更 に強 まるものとみられる。 このように、人 口 の 全 体 数 が減 尐 し 、地 域 は「大 都 市 」、地 方 の中 で人 口 が集 中 する 「中 核 都 市 」と「過 疎 化 地 域 」といった3つの方 向 に分 かれていくものと見 込 まれる。 昨 年 、「日 本 創 成 会 議 」から、「このまま出 生 率 の低 下 と地 方 からの人 口 流 出 が続 けば、 2030 年 代 には自 治 体 の3分 の1の市 町 村 が消 滅 する」といったセンセーショナルな提 言 が発 表 され大 いに話 題 となったが、問 題 が深 刻 化 してから対 処 しても遅 きに失 するた め、 早 めの対 策 が必 要 となる。人 口 をいかに増 やすかが政 策 課 題 となっているが、一 方 で人 口 減 尐 を前 提 とし、それにいかに対 応 していくかの議 論 も必 要 となってくるだろう。 乗 用 車 市 場 への影 響 を考 えると、普 及 率 が顕 著 に低 い東 京 への人 口 の一 極 集 中 は、 全 国 の乗 用 車 保 有 台 数 の維 持 にはマイナス要 因 となる。 地 方 圏 及 び都 市 部 郊 外 の人 口 減 尐 と急 速 な高 齢 化 の同 時 進 行 は社 会 サービスを低 下 させ、公 共 交 通 サービスの維 持 ・充 実 が困 難 となるため、地 方 での自 家 用 車 の重 要 性 は維 持 されるだろう。

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ことが困 難 となるため、行 政 コストの制 約 の面 からも政 策 的 にコンパクトシティ化 (コンパク トな街 づくり)が推 進 されていくことが見 込 まれる。この流 れは、住 居 ・店 舗 ・会 社 ・学 校 ・ 医 療 機 関 ・公 共 施 設 などを交 通 利 便 性 の高 い都 市 中 心 部 に集 中 化 させるため、車 の必 要 性 の低 下 が懸 念 される。 更 に人 口 減 尐 に伴 う人 手 不 足 はすでに顕 在 化 しており、今 後 、限 られた人 的 資 源 を いかに活 用 するかが課 題 となる。 2) 高 齢 化 ・単 身 化 2025 年 の 65 歳 以 上 の人 口 比 率 は全 国 で 27.4%になる。東 北 、四 国 を中 心 に 9 県 で は 35%を超 え、人 口 の減 尐 とともに高 齢 化 が急 速 に進 行 する。( 次 頁 図 表 2-1-2)さらに、長 期 的 には首 都 圏 での高 齢 化 の加 速 度 は地 方 を上 回 り、これまで地 方 から流 入 した人 た 資 料 ) 総 務 省 「 国 勢 調 査 」 、国 立 社 会 保 障 ・人 口 問 題 研 究 所 「日 本 の 将 来 推 計 人 口 」 都 道 府 県 別 人 口 増 減 の変 化 図 表 2-1-1 ▲ 800 ▲ 600 ▲ 400 ▲ 200 0 200 400 600 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 老年(65歳以上)人口 年少(0~14歳)人口 生産年齢(15~64歳)人口 総人口 (千人) ▲ 1,000 ▲ 500 0 500 1,000 1,500 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 老年(65歳以上)人口 年少(0~14歳)人口 生産年齢(15~64歳)人口 総人口 (千人) 〔2013→2025年の増減変化〕 〔2000→2013年の増減変化〕

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同 時 に高 齢 者 の単 身 世 帯 化 も加 速 し高 齢 者 単 身 世 帯 比 率 の全 国 平 均 は、 2010 年 の 9.6%から 2025 年 には 13.4%に上 昇 する。2025 年 の高 齢 者 単 身 世 帯 比 率 の水 準 は 西 日 本 で高 いが、増 加 の勢 いは大 都 市 で強 まる。(資 料 編 1:資 料 2- 1-(2 )) 高 齢 社 会 のなか、今 後 、行 政 が「元 気 な高 齢 者 」を増 やすことに注 力 していくことは、 社 会 保 障 費 負 担 増 大 を抑 制 する効 果 に加 え、自 動 車 保 有 規 模 の維 持 にもプラス要 因 と なる。過 疎 化 する地 域 では、単 身 高 齢 者 の買 い物 難 民 の増 加 が見 込 まれ、既 に宅 配 な どが盛 んではあるが、移 動 販 売 車 などの活 躍 の機 会 も生 まれるだろう。 一 方 、高 齢 者 の単 身 世 帯 増 だけでなく、未 婚 化 ・晩 婚 化 の進 展 により中 年 層 以 下 で も単 身 世 帯 化 が進 むことが見 込 まれ、保 有 コストの 負 担 が大 きいことが 自 動 車 市 場 には マイナス要 因 となる。 3) 所 得 ・資 産 格 差 の拡 大 労 働 者 の給 与 を時 系 列 に見 ると、ここ 20 年 間 ほとんど変 わっていないが、すでに問 題 が表 面 化 している非 正 規 雇 用 者 の増 加 は、正 規 雇 用 者 との所 得 格 差 を生 んでいる。 (次 頁 図 表 2-1-3) 特 に、若 年 層 の非 正 規 化 の拡 大 による未 婚 率 の上 昇 や将 来 の低 所 得 高 齢 者 予 備 軍 増 加 への影 響 が懸 念 され、将 来 の生 活 保 護 費 の上 昇 など社 会 にとってマイナスの影 響 をもたらすことが想 定 される。 都 道 府 県 別 65 歳 以 上 人 口 比 率 図 表 2-1-2 資 料 ) 総 務 省 「 国 勢 調 査 」 、国 立 社 会 保 障 ・人 口 問 題 研 究 所 「日 本 の 世 帯 数 の 将 来 推 計 」 34.6 35.8 35.5 30.7 39.5 35.7 34.5 31.2 30.831.3 28.4 30.0 25.2 27.2 34.3 33.6 31.2 32.832.533.2 31.331.6 26.4 30.8 27.5 30.8 29.230.4 32.6 34.834.436.4 31.331.4 35.435.8 33.8 34.6 36.9 30.5 32.4 35.2 33.334.134.3 34.4 25.0 26.626.927.8 23.5 30.3 28.1 25.7 24.523.925.4 23.224.4 22.322.6 27.428.1 25.926.526.027.725.725.6 22.4 25.8 22.6 25.7 24.725.2 26.1 28.6 27.4 30.1 26.8 26.0 29.3 28.5 27.728.1 30.0 24.325.7 27.326.928.127.227.3 18.8 10 15 20 25 30 35 40 45 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京 神 奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜岡静愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良 和 歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川媛愛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎 鹿 児 島 沖 縄 2013年 2025年 (%) 全国(2025年) 27.4%

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また、地 域 間 においても、都 市 部 の高 所 得 者 層 の増 加 、 雇 用 需 要 の増 大 など、所 得 格 差 が拡 大 傾 向 にある。(図 表 2-1-4) 更 に高 齢 化 により、2025 年 までに社 会 保 障 給 付 費 は大 きな増 加 が見 込 まれており、 国 民 負 担 率 の上 昇 や年 金 支 給 開 始 年 齢 の引 き上 げなど支 給 総 額 の削 減 が強 まれば、 低 所 得 者 や資 産 層 の生 活 困 窮 度 は強 まる可 能 性 がある。 月 額 所 定 内 給 不 の推 移 (男 女 計 ・10 人 以 上 の民 間 事 業 所 ) 図 表 2-1-3 資 料 ) 厚 生 労 働 省 「 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 」 291 296 299 299 301 302 306 303 302 302 302 302 301 299 295 296 297 298 296 300 200 250 300 350 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14年 (千円) 月 額 所 定 内 給 不 、年 間 収 入 (2013 年 ) 資 料 ) 厚 生 労 働 省 「 平 成 25 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 」 図 表 2-1-4 1,141 898 730 753 1,004 703 792 920 1,172 1,116 1,067 1,115 1,085 1,427 1,352 855 985 987 935 1,087 1,002 1,004 1,208 1,437 1,195 1,300 1,165 1,200 1,171 1,027 1,005 854 838 1,086 1,093 1,125 995 1,040 951 765 1,059 804 855 910 867 742 767 587 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 0 100 200 300 400 500 600 全 国 北 海 道 青 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神 奈 川 新 潟 富 山 石 川 福 井 山 梨 長 野 岐 阜 静 岡 愛 知 三 重 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和 歌 山 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 徳 島 香 川 愛 媛 高 知 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿 児 島 沖 縄 所定内給不額(左目盛) 年間収入額(右目盛) (千円) 年間収入 全国平均 1,141千円 所定内給不 全国平均 296千円 (千円)

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4) 資 源 ・エネルギー、環 境 問 題 資 源 ・エネルギーは生 活 に必 要 不 可 欠 であるが、その消 費 に伴 う環 境 への負 荷 は 増 大 している。近 年 、環 境 悪 化 が一 国 内 だけに止 まらず、地 球 温 暖 化 や有 害 廃 棄 物 の越 境 移 動 など地 球 的 規 模 へと拡 大 している。そのため地 球 環 境 問 題 の観 点 から、車 も含 め て石 油 依 存 度 の低 減 を目 指 した取 り組 みが強 化 され 、自 動 車 産 業 の燃 費 規 制 ・排 ガス 規 制 は制 度 及 び技 術 の両 面 において、より厳 しくなると予 想 される。 こうした中 、次 世 代 自 動 車 の購 入 ・維 持 費 やインフラ設 置 への助 成 策 といった政 策 的 な後 押 しや、2014 年 12 月 には一 般 向 けのFCV(燃 料 電 池 自 動 車 )が発 売 されるなど、 次 世 代 自 動 車 (FCV、EV、PHV、HV など)の普 及 に大 きな期 待 がかかる。2025 年 頃 には、 販 売 や整 備 のあり方 にも本 格 的 な影 響 を及 ぼしている可 能 性 がある。 環 境 に良 い車 への代 替 促 進 は、市 場 活 性 化 の要 因 としても期 待 が大 きい。将 来 的 に 、 自 然 エネルギーで発 電 しFCVなどで蓄 電 する仕 組 みが確 立 すれば、移 動 手 段 としての 価 値 はもちろん、エネルギーの効 率 的 利 用 や災 害 時 の対 応 など、社 会 的 インフラとして の価 値 も高 まることになる。 またガソリン車 とは異 なる設 計 の自 由 度 を 活 かし、魅 力 的 で多 様 なデザイン、サイズの モデルが登 場 してくれば、保 有 の裾 野 を広 げる要 因 としても寄 与 するだろう。 ある大 手 住 宅 メーカーからは、「30 年 後 は、全 ての新 規 住 宅 がスマートハウス(免 震 耐 震 構 造 、太 陽 光 発 電 システム、燃 料 電 池 、HEMS(Home Energy Management System) 活 用 による安 全 ・効 率 的 な住 まい)になる」といった話 もあり、スマートハウスが普 及 すれば、 EV・PHV普 及 の追 い風 になるだろう。(図 表 2 -1-5) 積 水 化 学 工 業 が発 売 した『グランツーユー V to Heim (ブイ トゥ ハイム)』の 電 気 自 動 車 (EV)とスマートハウスによる電 力 供 給 システム 図 表 2-1-5 資 料 ) セキスイハ イムプレス リリースより

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5) 自 動 車 のIT化 と自 動 化 、IT社 会 化 (1)自 動 車 のIT化 と自 動 化 の影 響 スマートフォンや専 用 通 信 機 などを通 じて 様 々な情 報 の送 受 信 が可 能 となる「 自 動 車 のつながる化 」の進 化 で、車 両 情 報 のセンター管 理 による安 全 ・安 心 面 での対 応 力 の向 上 、アミューズメント機 能 の向 上 などが見 込 まれる。但 し、ユーザーの車 両 利 用 から得 られ る情 報 は「誰 のものか」という課 題 が新 たに生 じるこため、メーカーとディーラーとの協 議 が 必 要 になるだろう。ディーラーはユーザーとの直 接 の窓 口 であり、緊 急 時 や想 定 外 のこと が発 生 した際 にも対 応 可 能 な主 体 であるため、ユーザー関 連 情 報 の管 理 や利 用 につい ても主 導 権 を持 つべきと考 える。 先 進 安 全 装 備 による運 転 支 援 機 能 の進 化 も、身 体 機 能 が低 下 していく高 齢 者 や、女 性 、若 年 層 など運 転 に不 安 を持 つ層 も含 めて、市 場 活 性 化 の要 因 として非 常 に有 望 で ある。交 通 事 故 が大 きく減 る社 会 に なれば、車 の社 会 的 効 用 が高 まると共 に、安 全 性 へ の信 頼 感 の高 まりと自 動 車 保 険 料 低 下 による保 有 コスト 低 下 の両 面 から、保 有 意 欲 を高 める効 果 を期 待 できるだろう。 更 に自 動 運 転 に向 けた取 り組 みも国 際 的 な競 争 となっている。様 々な局 面 での安 全 性 の確 保 や事 故 時 の責 任 の所 在 など課 題 も多 く、日 本 の都 市 部 の道 路 事 情 の 下 では 実 現 が難 しいとみられるが、2025 年 までには現 在 よりも技 術 が大 きく進 歩 しているものと 推 測 される。 但 し、情 報 産 業 や異 業 種 からの自 動 車 産 業 への参 入 により、バリュースライサー (専 業 企 業 )の影 響 力 が高 まり、ビジネスモデルが変 容 する可 能 性 もある。例 えば、自 動 運 転 の ソフトウェアが出 現 し、それが車 の最 重 要 部 分 となり、その使 用 料 を軸 とした課 金 方 式 (ラ イセンス契 約 )にすることが考 えられる。 また、次 世 代 車 へのシフトによる部 品 点 数 の大 幅 削 減 、故 障 減 尐 によるアフタービジ ネスの縮 小 、先 進 安 全 装 備 による事 故 減 尐 などで板 金 塗 装 修 理 需 要 の大 幅 減 尐 なども 懸 念 材 料 として想 定 される。 既 に 、日 本 の 電 機 メ ーカーの 多 くが自 動 車 分 野 を 新 た な収 益 源 にしよう という動 きが 強 まっているが、他 方 で国 内 の自 動 車 部 品 サプライヤーが自 社 技 術 のノウハウを活 用 し、 「介 護 者 の負 担 軽 減 や自 立 支 援 のための機 器 」開 発 などに注 力 している。時 代 のニーズ 変 化 を受 けて、持 てるノウハウの活 用 先 の検 討 、活 用 方 法 の工 夫 などから産 業 間 の垣 根 も低 くなっており、この流 れは今 後 も加 速 するとみられる。 時 代 の変 化 の中 で、チャンスとリスクが新 たに生 じてくることを前 提 とすると、他 業 種 か らの参 入 を許 すばかりの保 守 的 な姿 勢 でなく、新 たな成 長 領 域 を果 敢 に見 出 していく必 要 もあるのではないかと思 われる。

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(2)IT社 会 化 の影 響

ITの発 展 は、我 々の生 活 利 便 性 を大 いに高 め、社 会 システムを大 きく変 容 させるポテ ンシャルを持 つ。例 えば、遠 隔 での「勤 務 (SOHO: Small Office/Home Office)」、「学 習 」、 「医 療 」の進 展 などが考 えられる。在 宅 勤 務 が普 及 すれば、自 宅 での子 育 てと仕 事 の両 立 が可 能 になる。ITの活 用 で社 会 的 な効 率 ・生 産 性 は高 まるが、自 動 車 市 場 にとっては 通 勤 ・通 学 、通 院 などの移 動 ニーズが減 尐 する懸 念 もある。 また情 報 収 集 手 段 が更 に効 率 化 し、ネット通 販 やオムニチャネル(あらゆる販 売 チャネ ルの統 合 )の利 用 が進 展 すれば、エネルギー利 用 、人 流 ・商 流 の効 率 化 は進 むが、自 動 車 保 有 にはマイナス面 が大 きいと思 われる。 最 新 の情 報 技 術 や映 像 技 術 が、モノの売 り方 やプロモーションの手 法 を大 きく変 容 さ せる可 能 性 もあり、それらを上 手 く活 用 できるかも問 われるようになるだろう。 6)消 費 者 の価 値 観 変 化 消 費 が 成 熟 化 し経 済 のサービス化 が進 展 する先 進 国 では、かつてのよ うな企 業 が 価 値 を創 り顧 客 が消 費 する形 態 から、「価 値 づくり」に顧 客 も参 加 し、価 値 を「共 創 」していく 方 向 にシフトしている。更 に、プロモーションにおける「共 感 」形 成 力 が重 要 度 を増 してお り、SNS(Social Networking Service)などを通 したクチコミが短 期 間 に広 く伝 播 されること も一 般 的 になってきている。こうしたトレンドをディーラーも活 かしていく必 要 があると思 わ れる。 また、車 に対 する関 心 の低 さが問 題 視 されている現 在 の日 本 の若 年 層 は、現 状 の生 活 への満 足 度 が高 い一 方 で、将 来 に対 する不 安 が非 常 に大 きく、貯 蓄 志 向 が強 い。ネ ットの利 用 をはじめインドア志 向 が強 く、アウトドアレジャーや旅 行 などへの意 欲 が低 下 し ており、各 種 調 査 でも若 者 の関 心 事 の中 で自 動 車 の位 置 付 けは大 きく低 下 している。車 を移 動 手 段 としてしか見 ず、新 車 が出 ても興 味 を感 じない人 が多 いようである。 (次 頁 図 表 2-1-6~7) なお一 般 財 では「保 有 」から「使 用 」へと価 値 観 の変 化 がみられ、 世 界 的 にも「シェアリ ングエコノミー(シェアハウス、カーシェアリングなど、有 形 無 形 のものを共 有 し、必 要 な時 に利 用 する合 理 的 な消 費 の潮 流 )」 の価 値 観 が拡 大 していると言 われる。こうした中 、長 期 的 に見 て車 の保 有 コストが高 く、インフラが集 積 する大 都 市 部 では、若 年 層 などでカー シェアリングの利 用 が増 える可 能 性 がある。カーシェアリングの増 加 は自 動 車 保 有 にはマ イナスの面 もあるが、もともと車 への関 心 が低 く 、車 を利 用 しない人 へのエントリー経 験 の 提 供 手 段 としてはプラスの面 もあるため、どういうスタンスで処 していくかが今 後 の課 題 とな る。(次 頁 図 表 2-1-8)

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国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の回 数 別 行 動 者 率(全 国 ・ 20 代 ) 図 表 2-1-7 資 料 ) 総 務 省 「 社 会 生 活 基 本 調 査 」 カーシェアリング車 両 台 数 と会 員 数 の推 移 図 表 2-1-8 資 料 ) 公 益 財 団 法 人 交 通 エ コロジー・モビリティ財 団 注 ) 2 0 0 2 年 か ら 2 0 0 5 年 ま で は 4 ~ 6 月 調 べ 。 2 0 0 6 年 以 降 は 1 月 調 べ 若 者 の意 識 図 表 2-1-6 資 料 ) 厚 生 労 働 省 「 若 者 の意 識 に関 する調 査 ( 2 013 年 )」 ■現 在 の生 活 への満 足 度 asijfhfjg あし asiasizoku ぞ く足 度 ■日 本 の未 来 は明 るいか (%) 0回 1~2回 3~4回 5回以上 1991 32.7 33.3 18.3 15.2 1996 38.9 33.1 15.6 11.6 2001 41.9 31.8 13.1 12.8 2006 46.9 31.7 11.7 9.2 2011 49.9 29.6 10.5 9.6 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 0 5,000 10,000 15,000 20,000 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 車両台数(左目盛) 会員数(右目盛) (台) (人) 年 満足している どちらかといえば 満足している どちらかといえば 丌満だ 丌満だ 8.9 54.4% 27.2 9.6 n=3133 そう思う どちらかと いえばそう思う どちらとも いえない どちらかと いえばそうは 思わない そうは 思わない 2.7 16.5 35.7% 32.5 12.6 n=3133

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2.乗 用 車 保 有 ・需 要 に影 響 する要 因 と見 通 し

1)都 道 府 県 別 の特 徴 (1)デモグラフィック(人 口 、年 齢 、性 別 などに関 する統 計 データ) 2000 年 から 2013 年 までの人 口 の伸 びを見 ると、東 京 の伸 びが顕 著 で、東 京 一 極 集 中 の傾 向 が続 いてきたことがわかる。次 いで、沖 縄 、神 奈 川 、愛 知 、滋 賀 など が高 い伸 び (年 0.4%以 上 )を示 してきた。一 方 、秋 田 、青 森 、岩 手 、山 形 、福 島 、和 歌 山 、高 知 で人 口 の減 尐 (年 ▲0.7 以 下 )が進 んだ。(次 頁 図 表 2-2-1-1) 人 口 の増 減 は高 齢 化 率 との相 関 も非 常 に高 く、地 域 別 の勢 いを分 ける基 本 的 な要 因 となっている。(次 頁 図 表 2-2-1-2) 国 立 社 会 保 障 ・人 口 問 題 研 究 所 の人 口 推 計 によると、東 京 においても 2020 年 以 降 は人 口 が減 尐 に転 じる見 込 みで、2025 年 以 降 には全 都 道 府 県 で人 口 が減 尐 すると予 測 されている。 中 長 期 の人 口 を左 右 する合 計 特 殊 出 生 率 は、西 日 本 の地 方 部 で高 い傾 向 があるが、 今 後 はそうした地 域 でも低 下 度 合 いが強 くなると予 測 されている。なお、東 京 の出 生 率 の 低 さは突 出 しており、東 京 への人 口 の集 中 化 は、全 国 の人 口 維 持 にとってマイナスに働 く要 素 が強 い。(資 料 編 1: 資 料 2-2-1-(1)) 世 帯 人 員 数 は山 形 、福 井 、佐 賀 、岐 阜 、富 山 などで多 く、東 京 、北 海 道 、大 阪 、高 知 、 京 都 などが尐 ない。都 市 部 を中 心 に進 んできた核 家 族 化 、単 独 世 帯 化 が、今 後 は地 方 部 へも拡 大 していくものと見 込 まれる。(高 齢 単 身 世 帯 の増 加 など)( 資 料 2-2-1-(2)) 免 許 保 有 率 は、大 都 市 部 を除 いた地 域 で 2005 年 から 2013 年 にかけてかなりの伸 長 をみせ、自 動 車 保 有 を支 えてきた。群 馬 、長 野 、栃 木 、岐 阜 、茨 城 などで水 準 が高 い一 方 、東 京 は最 も水 準 が低 く、伸 びもみられない。大 阪 、京 都 、神 奈 川 などの大 都 市 部 で も同 様 の傾 向 が見 られる。(P16 図 表 2-2-1-3)

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人 口 の伸 びと高 齢 化 比 率 図 表 2-2-1-2 資 料 ) 国 立 社 会 保 障 ・人 口 問 題 研 究 所 「 日 本 の将 来 推 計 人 口 」 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 全国 26 28 30 32 34 36 38 40 42 ▲ 1.6 ▲ 1.4 ▲ 1.2 ▲ 1.0 ▲ 0.8 ▲ 0.6 ▲ 0.4 ▲ 0.2 0.0 6 5 歳 以 上 人 口 比 率 ( 2 0 3 0 年 ) 総人口の伸び(2013→2030年) <G1> 人口減少比率が大きく、 高齢者比率が高い <G4> 人口減少比率が小さく、 高齢者比率が低い <G2> 人口減少比率が中程度、 高齢者比率がやや高い <G3> 人口減少比率が中程度、 高齢者比率がやや低い (%) (%) (全国平均▲0.51%) (全国平均31.5%) 543 134 130 233 105114 195 293 199 198 722 619 1,330 908 233 10811680 85 212 205 372 744 183 142 262 885 556 138 9858 70 193 284 142 77 9914175 509 84140 180 118 112 168 142 -0.3 -0.8 -0.7 -0.1 -0.9 -0.7 -0.7 -0.1 -0.1 -0.2 0.3 0.3 0.8 0.5 -0.5 -0.3 -0.1 -0.3 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0.4 -0.1 0.4 -0.1 0.0 0.0 -0.3 -0.7 -0.5 -0.6 -0.1 -0.1 -0.6 -0.5 -0.3 -0.5 -0.7 0.1 -0.3 -0.6 -0.2 -0.3 -0.3 -0.5 0.5 ▲ 5.0 ▲ 4.0 ▲ 3.0 ▲ 2.0 ▲ 1.0 0.0 1.0 2.0 0 500 1,000 1,500 2,000 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2013年<左目盛> 00→13年伸び率<右目盛> (万人) (%) 人 口 総 数 と人 口 の伸 び 図 表 2-2-1-1 資 料 ) 国 立 社 会 保 障 ・人 口 問 題 研 究 所 「 日 本 の将 来 推 計 人 口 」

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(2)所 得 、就 業 「課 税 対 象 所 得 」は、東 京 と神 奈 川 の高 さが顕 著 であり、愛 知 、千 葉 、 奈 良 、兵 庫 、埼 玉 なども高 い。一 方 、秋 田 、山 形 、青 森 、鳥 取 、宮 崎 などは低 く、東 京 や神 奈 川 との格 差 が大 きい。(図 表 2-2-1-4) 「女 性 就 業 者 比 率 」は、2000 年 から 2010 年 の間 に多 くの地 域 で上 昇 しており、島 根 、 長 野 、鳥 取 のほか、甲 信 越 や北 陸 地 方 で高 い傾 向 がある。奈 良 、大 阪 、神 奈 川 、千 葉 、 埼 玉 など比 率 が低 かった地 域 でも上 昇 がみられる。(次 頁 図 表 2-2-1-5) 今 後 は女 性 の就 業 化 が更 に高 まり、特 に出 産 、子 育 てのライフステージにあり非 就 業 化 していた 30 代 、40 代 女 性 の就 業 化 が進 むと見 込 まれる。( 次 頁 図 表 2-2-1-6) 課 税 対 象 所 得 (納 税 義 務 者 1人 当 り)(2012 年 ) 図 表 2-2-1-4 免 許 保 有 率 (対 20 歳 以 上 人 口 ) 図 表 2-2-1-3 資 料 ) 警 察 庁 「 運 転 免 許 統 計 」 2,800 2,5732,597 2,956 2,5532,571 2,718 3,066 2,972 2,919 3,298 3,398 4,104 3,699 2,6772,803 2,843 2,802 2,902 2,808 2,930 3,020 3,407 3,052 3,132 3,188 3,255 3,353 3,355 2,912 2,577 2,608 2,867 3,022 2,855 2,852 2,963 2,793 2,637 2,997 2,647 2,683 2,706 2,724 2,580 2,670 2,668 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 (千円) 全国平均 3,210千円 74.1 76.5 76.978.4 77.0 81.7 80.3 83.884.4 86.2 76.4 76.2 66.6 72.6 80.5 83.2 80.7 83.5 83.4 84.6 84.2 82.4 82.282.581.6 70.0 66.9 74.3 76.4 79.9 80.5 78.2 79.9 77.877.8 80.0 81.6 77.6 76.1 76.4 82.6 73.7 79.2 78.1 83.0 79.5 82.4 55 60 65 70 75 80 85 90 95 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2013年 2005年 (%) 全国平均(2013年) 78.5%

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女 性 就 業 者 比 率 (女 性 15-64 歳 人 口 比 ) 図 表 2-2-1-5 資 料 ) 総 務 庁 「 国 勢 調 査 」 年 代 別 女 性 就 業 者 比 率 の推 移 と見 通 し 図 表 2-2-1-6 資 料 ) 総 務 庁 「 国 勢 調 査 」 、2 020 年 以 降 は 現 文 研 推 計 61.3 67.1 70.8 60.5 69.5 73.2 66.4 63.4 65.766.7 61.160.3 59.057.7 71.1 74.2 72.3 74.5 68.3 74.9 68.970.4 64.8 67.4 63.463.3 57.1 59.1 55.2 64.8 74.6 76.4 66.1 65.767.465.6 68.2 66.0 69.8 61.1 71.0 66.6 68.9 67.1 70.2 67.8 56.8 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 85.0 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2010年 2000年 (%) 全国平均(2010年) 63.3% 66.1 67.8 68.4 70.7 70.7 72.1 56.2 59.3 63.1 67.0 67.8 70.4 68.7 70.0 70.3 71.8 74.6 75.7 61.8 62.4 65.5 68.7 71.2 72.9 50.0 60.0 70.0 80.0 19.9 18.7 20.2 20.6 18.6 18.9 0.0 10.0 20.0 30.0 2000 2005 2010 2013 2020 2030年 (%) ~ ~ 60代以上 40代 20代 30代 50代

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(3)財 政 、産 業 2013 年 度 の「財 政 力 指 数 」(基 準 財 政 収 入 額 /需 要 額 )は、愛 知 、神 奈 川 、東 京 、千 葉 、埼 玉 などで高 く(0.75 以 上 )、島 根 、高 知 、鳥 取 、秋 田 、徳 島 、沖 縄 などで低 い(0.29 以 下 )。需 要 と供 給 のバランスがとれている(財 政 力 指 数 が1以 上 )都 道 府 県 は一 つもな く、地 方 自 治 体 の財 政 は厳 しい状 況 が続 いている。(図 表 2-2-1-7) 「工 場 立 地 件 数 」は年 により変 動 が大 きいが、2012 年 には北 海 道 、静 岡 、群 馬 、兵 庫 、 栃 木 などで多 くなっている。地 価 の高 い東 京 での工 場 立 地 はほとんどなくなっており、 沖 縄 、島 根 、高 知 、秋 田 などでも件 数 が非 常 に尐 ない。グローバル化 の影 響 で、地 方 の工 場 が海 外 にシフトしている影 響 も各 地 で起 こっているとみられる。( 図 表 2-2-1-8) 財 政 力 指 数 (2013 年 ) 図 表 2-2-1-7 工 場 立 地 件 数 図 表 2-2-1-8 資 料 ) 総 務 省 自 治 財 政 局 「 主 要 財 政 指 標 一 覧 」 75 12 22 31 6 9 40 51 61 70 40 27 1 19 30 13 16 17 8 36 38 73 54 24 30 22 20 68 22 19 10 3 15 18 151814 9 3 52 12 15 24 12 19 33 1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 北 海青森岩手宮城秋田形山福島茨城栃木群馬埼玉葉千東京神奈新潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知重三滋賀京都大阪兵庫奈良和歌鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児沖縄 2012 2000 (件) 0.39 0.31 0.30 0.53 0.27 0.32 0.43 0.61 0.57 0.56 0.75 0.75 0.87 0.91 0.40 0.43 0.44 0.370.37 0.44 0.50 0.68 0.93 0.55 0.53 0.55 0.73 0.60 0.40 0.30 0.24 0.22 0.48 0.56 0.40 0.29 0.43 0.39 0.23 0.58 0.31 0.30 0.36 0.34 0.30 0.30 0.29 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 全国平均 0.46

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2)都 道 府 県 別 の自 動 車 市 場 の動 向 (1)保 有 保 有 台 数 の規 模 は、2013 年 度 末 時 点 で、愛 知 、東 京 、埼 玉 、神 奈 川 、北 海 道 の順 で 大 きい。2000 年 度 から 2013 年 度 にかけ、沖 縄 、滋 賀 、茨 城 、栃 木 では保 有 台 数 の伸 び が高 かったが、東 京 、大 阪 では減 尐 した。(図 表 2-2-2-1) 「人 口 当 りの保 有 台 数 (普 及 率 )」では、群 馬 、長 野 、茨 城 、山 梨 では1を上 回 る高 水 準 となっている一 方 、東 京 (0.34 台 )、大 阪 (0.47 台 )、神 奈 川 (0.48 台 )は顕 著 に低 く、 2000 年 度 と比 べてもほぼ横 ばいのままである。(図 表 2-2-2-2) 保 有 台 数 (2013 年 度 )と年 平 均 伸 び率 図 表 2-2-2-1 344 95 97 157 78 89 154 242 160 168 375 335 385 361 174 85 85 63 70 179 160 269 482 142 96124 342 279 79 71 44 53 144 176 102 59 74 96 53 310 64 88 129 87 89 127 99 0.3 0.3 0.6 0.8 0.10.4 0.6 1.0 0.9 0.6 0.6 0.7 ▲ 0.4 0.2 0.6 0.5 0.6 0.50.60.4 0.50.60.7 0.7 1.0 0.0 ▲ 0.1 0.4 0.3 0.3 0.5 0.4 0.6 0.5 0.4 0.4 0.6 0.4 0.2 0.8 0.8 0.6 0.8 0.8 0.7 0.7 1.7 ▲ 4.0 ▲ 3.0 ▲ 2.0 ▲ 1.0 0.0 1.0 2.0 0 100 200 300 400 500 600 700 800 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 保有台数(総市場・2013年度) 年平均伸び率(00→13年度) (万台) (%) 人 口 当 りの保 有 台 数 (対 20 歳 以 上 人 口 ) 図 表 2-2-2-2 0.76 0.860.90 0.82 0.88 0.940.961.010.98 1.04 0.630.65 0.34 0.48 0.900.960.90 0.981.011.030.96 0.88 0.80 0.95 0.84 0.57 0.47 0.61 0.70 0.88 0.940.910.91 0.76 0.870.920.91 0.830.85 0.75 0.94 0.77 0.880.90 0.97 0.930.91 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2013年度 2000年度 (台) 全国平均(2013年度) 0.74台

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「保 有 の軽 自 動 車 比 率 」は、2000 年 度 から 2013 年 度 の間 にどの地 域 でも上 昇 を示 し ている。2013 年 度 末 時 点 で水 準 が高 いのは、沖 縄 、高 知 、長 崎 、和 歌 山 、鹿 児 島 などで、 一 方 東 京 と神 奈 川 は顕 著 に低 いものの 2000 年 度 と比 べるとかなり上 昇 している。 (図 表 2-2-2-3) (2)需 要 「新 車 需 要 台 数 」は、愛 知 、東 京 、神 奈 川 、大 阪 、埼 玉 など大 都 市 のシェアが大 きい。 2000 年 から 2010 年 にかけての需 要 市 場 は、沖 縄 を除 きマイナス成 長 であったが、2010 年 以 降 、エコカー減 税 やモデル効 果 もあり、堅 調 な伸 びをみせた。(図 表 2-2-2-4) 保 有 の軽 自 動 車 比 率 図 表 2-2-2-3 31.8 46.6 46.1 37.8 46.7 45.5 41.1 35.5 35.0 38.7 31.5 31.4 19.4 24.3 45.7 40.8 39.4 43.545.1 46.7 39.840.4 31.2 43.2 44.7 38.7 31.8 36.5 41.4 53.3 52.853.0 48.0 44.0 47.5 48.8 48.3 51.6 55.1 40.7 51.2 54.9 48.448.7 52.553.156.3 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2013年度 2000年度 (%) 全国平均(2013年度) 38.6% 新 車 需 要 台 数 (含 軽 新 車 )と年 平 均 伸 び率 図 表 2-2-2-4 23 7 6 12 6 6 11 14 11 12 29 24 35 31 13 6 6 5 4 12 12 22 44 11 8 11 29 22 6 5 3 4 10 14 8 4 5 6 4 22 4 6 9 6 6 7 5 ▲ 30.0 ▲ 25.0 ▲ 20.0 ▲ 15.0 ▲ 10.0 ▲ 5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 北 海 道 青 森岩手 宮 城 秋 田山形 福 島茨城 栃 木群馬 埼 玉 千 葉東京 神 奈 川 新 潟 富 山石川 福 井山梨長野 岐 阜静岡 愛 知三重 滋 賀京都 大 阪 兵 庫奈良 和 歌 山 鳥 取 島 根岡山 広 島山口徳島 香 川愛媛 高 知福岡 佐 賀長崎熊本 大 分宮崎 鹿 児 島 沖 縄 需要台数(含軽新車・2013年度) 年平均伸び率(00→10年度) 年平均伸び率(10→13年度) (万台) (%)

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2013 年 度 の「新 車 需 要 発 生 率 」(新 車 需 要 台 数 /前 年 度 末 保 有 台 数 )は、2000 年 度 に比 べ沖 縄 を除 く全 国 で低 下 している。2013 年 度 末 時 点 で水 準 が高 いのは愛 知 、東 京 、 神 奈 川 、大 阪 、京 都 などであり、逆 に低 いのは沖 縄 、鹿 児 島 、茨 城 、山 梨 、愛 媛 などであ る。(図 表 2-2-2-5) 「需 要 の軽 自 動 車 比 率 」も、2000 年 から 2013 年 の間 にどの地 域 でも上 昇 を示 している。 2013 年 度 末 時 点 で水 準 が高 いのは、長 崎 、高 知 、 沖 縄 、鳥 取 、佐 賀 などである。基 本 的 に西 日 本 で高 比 率 の地 域 が多 いが、東 日 本 では秋 田 、青 森 、新 潟 、長 野 などで高 水 準 となっている。一 方 、東 京 (22.0%)と神 奈 川 (26.8%)の軽 自 動 車 比 率 の低 さは顕 著 で ある。( 図 表 2-2-2-6) 需 要 の軽 自 動 車 比 率 図 表 2-2-2-6 新 車 需 要 発 生 率 図 表 2-2-2-5 6.9 6.9 6.7 8.1 7.7 7.0 7.1 6.1 7.0 7.4 7.9 7.3 9.1 8.7 7.6 7.2 7.3 7.5 6.2 7.17.6 8.1 9.3 8.2 8.2 8.5 8.7 7.9 7.4 6.9 7.4 8.3 7.2 8.1 8.4 6.4 7.2 6.3 7.0 7.3 6.46.9 6.8 6.96.4 5.8 5.3 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2013年度 2000年度 (%) 全国平均(2013年度) 7.6% 37.5 50.2 47.2 39.3 52.3 45.6 39.839.738.940.7 35.8 35.4 22.0 26.8 49.7 43.3 39.8 45.5 45.9 49.0 39.8 44.3 31.8 44.7 45.3 40.4 32.5 37.3 41.0 51.2 54.3 53.8 48.4 43.7 49.2 49.3 52.1 50.0 56.1 39.7 54.5 57.8 50.4 50.0 52.751.454.7 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 北 海 道 青 森岩手宮城秋田山形福島城茨栃木群馬埼玉千葉東京神奈 川 新 潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌 山 鳥 取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児 島 沖 縄 2013年度 2000年度 (%) 全国平均(2013年度) 39.7%

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3)乗 用 車 保 有 ・需 要 と相 関 の高 い指 標 乗 用 車 の保 有 ・需 要 関 連 データと市 場 環 境 データを用 いて、都 道 府 県 別 の相 関 分 析 を行 い、保 有 ・需 要 に影 響 を及 ぼす要 因 を抽 出 し、今 後 への影 響 を展 望 した。 (1)保 有 への影 響 が大 きい環 境 要 因 ① 乗 用 車 の保 有 レベルを示 す人 口 当 り保 有 台 数 (普 及 率 ) (ア) 人 口 密 度 :人 口 密 度 が高 くなるほど車 の普 及 率 が低 いという負 の相 関 がみら れる。今 後 、東 京 など大 都 市 への人 口 集 中 や、地 域 内 でも 利 便 性 の高 い地 域 への移 住 が進 めば、車 の必 要 度 は低 下 傾 向 になるものと想 定 される。 (資 料 編 1: 資 料 2-2-3-(1)) (イ) バス輸 送 人 員 数 (乗 合 ) :人 口 当 りのバス輸 送 人 員 数 が多 いほ ど、車 の普 及 率 が低 くなる負 の相 関 がある。人 口 当 りのバス輸 送 人 員 数 は、公 共 交 通 の利 便 性 を 示 す代 表 的 指 標 である。公 共 交 通 機 関 が発 達 し ていな い地 域 ほ ど、 移 動 に自 家 用 車 が必 要 となり、車 の普 及 は促 進 される。公 共 のバスは、利 用 者 の減 尐 で採 算 が悪 化 し、自 治 体 も財 政 が厳 しいため支 えられず、路 線 廃 止 が増 加 を続 けている。今 後 もこの傾 向 は続 くとみられ、地 方 では鉄 道 の利 便 性 も悪 い地 域 が多 いため、車 の保 有 促 進 要 因 として働 くと想 定 される。 (図 表 2-2-3-1) 図 表 2-2-3-1 バス輸 送 人 員 数 (乗 合 )×人 口 当 り保 有 台 数 (20 歳 以 上 人 口 ) 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 全国 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 0 10 20 30 40 50 60 70 80 人 口 当 り 保 有 台 数 ( 2 0 歳 以 上 人 口 ) 人口千人当りバス輸送人員数(乗合)(人) (台) (人)

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(ウ) 住 宅 地 価 :住 宅 地 価 が高 くなるほど、車 の普 及 率 が低 くなる負 の相 関 がある。 東 京 は住 宅 地 価 の高 さで突 出 しており、神 奈 川 と大 阪 が続 くが、駐 車 場 料 金 の高 さなどから車 の保 有 を押 し下 げる要 因 となっている。今 後 、東 京 など大 都 市 に人 口 が集 中 すれば地 価 の押 し 上 げ要 因 とも なり、車 保 有 の抑 制 要 因 が 強 くなる可 能 性 も考 えられる。(資 料 編 1:資 料 2-2 -3-(2)) ② 保 有 における軽 自 動 車 比 率 (ア) 課 税 対 象 所 得 額 :納 税 義 務 者 1 人 当 り課 税 所 得 額 が高 いほど、保 有 におけ る軽 自 動 車 比 率 が概 ね低 くなるという負 の相 関 がみられる。 今 後 の所 得 環 境 は厳 しめと想 定 されることや税 金 や社 会 保 障 負 担 額 の増 加 などを考 えると、軽 自 動 車 比 率 を押 し上 げる要 因 として働 く可 能 性 が高 いとみ られる。(資 料 編 1:資 料 2- 2-3-(3)) (イ) 65 歳 以 上 人 口 比 率 :65 歳 以 上 の高 齢 者 の人 口 比 率 が高 いほど、軽 自 動 車 比 率 も概 ね高 まるという正 の相 関 がみられる(但 し、沖 縄 は例 外 )。 今 後 、高 齢 化 が確 実 に進 む中 、老 後 の 資 金 繰 りへの不 安 も高 いと想 定 され、 実 用 性 主 体 の用 途 、運 転 し やすいサイ ズ、維 持 コストの面 などか ら軽 自 動 車 比 率 が高 まる要 因 として働 く見 込 みである。(図 表 2-2-3-2) 図 表 2-2-3-2 65 歳 以 上 人 口 比 率 ×保 有 の軽 自 動 車 比 率 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 全国 10 20 30 40 50 60 18 20 22 24 26 28 30 32 保 有 の 軽 自 動 車 比 率 ( % ) 65歳以上人口比率(%) (%) (%) 資 料 ) 総 務 省 「 国 勢 調 査 」 、一 般 社 団 法 人 自 動 車 検 査 登 録 情 報 協 会

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(ウ) 女 性 就 業 者 比 率 :女 性 に占 める就 業 者 の比 率 も高 くなるほど、軽 自 動 車 比 率 が概 ね高 まるという相 関 がみられる。 男 性 の所 得 が伸 び悩 む中 、共 働 きの増 加 などで女 性 の就 業 者 比 率 は上 昇 し ている。今 後 は労 働 力 人 口 を維 持 するための政 策 の後 押 しも加 わり、女 性 の 就 業 者 比 率 は上 昇 を続 ける見 込 みである。(P17 図 表 2-2-1 -6 参 照)地 方 部 での女 性 の就 業 は車 通 勤 を伴 う形 態 が多 く、用 途 面 や維 持 コスト面 から軽 自 動 車 比 率 の上 昇 要 因 として働 くと見 込 まれる。(図 表 2-2-3-3) (2)需 要 発 生 率 (総 市 場 )に影 響 が大 きい環 境 要 因 ① 保 有 に対 する新 車 需 要 発 生 率 (ア) 課 税 対 象 所 得 額 :納 税 義 務 者 1 人 当 り課 税 所 得 額 が高 いほど、新 車 需 要 発 生 率 が概 ね高 いという緩 やかな傾 向 が見 られる。 東 京 、神 奈 川 、愛 知 は所 得 が高 く、新 車 需 要 発 生 率 が高 い典 型 例 である。所 得 はこれまで長 く伸 び悩 みが続 き、新 車 需 要 発 生 率 も低 迷 状 態 が続 いてきた。 今 後 の中 長 期 的 な視 点 からは所 得 環 境 が厳 しくなるとみられるため、新 車 需 要 発 生 率 はあまり伸 びが期 待 できないものと見 込 まれる。 図 表 2-2-3-3 女 性 就 業 者 ×保 有 の軽 自 動 車 比 率 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 全国 10 20 30 40 50 60 50 55 60 65 70 75 80 保 有 の 軽 自 動 車 比 率 ( % ) 女性就業率(%) (%) (%) 資 料 ) 総 務 省 「 国 勢 調 査 」 、一 般 社 団 法 人 自 動 車 検 査 登 録 情 報 協 会

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(イ) 財 政 力 指 数 :財 政 力 指 数 が高 い(財 政 に余 裕 がある)ほど、新 車 需 要 発 生 率 が高 いという緩 やかな正 の相 関 がみられる。 公 共 サービスが十 分 に提 供 されていれば生 活 コストが軽 減 されたり、インフラや 公 共 施 設 などへ の 投 資 が充 実 し 、暮 らしへの安 心 感 も 高 まり、需 要 が促 進 さ れやすいものと想 定 される。しかし、自 治 体 の財 政 力 は危 機 的 な状 況 のところ が多 く、今 後 は全 国 的 にマイナス要 因 として作 用 することが多 くなるものと想 定 される。(資 料 編 1:資 料 2- 2-3-(5)) (ウ) 保 有 の 軽 自 動 車 比 率 :保 有 におけ る軽 自 動 車 比 率 が高 いと 新 車 需 要 発 生 率 は概 ね低 いという緩 やかな負 の相 関 がみられる。 車 の必 需 性 が高 い地 域 では、車 を手 放 さずに維 持 コストが低 い軽 自 動 車 を保 有 して対 処 するが、買 い替 えは容 易 にできない状 況 があるためと思 われる。今 後 そうした地 方 部 に おいて所 得 環 境 が厳 しい見 込 みということもあり、軽 自 動 車 の保 有 増 で保 有 水 準 は維 持 されたとしても、需 要 水 準 は下 がるということも 考 えられる。(資 料 編 1:資 料 2-2-3-(6)) (3)需 要 の軽 自 動 車 比 率 に影 響 が大 きい環 境 要 因 ① 需 要 の軽 自 動 車 比 率 (ア)課 税 対 象 所 得 額 、(イ)65 歳 以 上 人 口 比 率 、(ウ)女 性 就 業 者 比 率 上 記 の要 因 との関 係 性 や今 後 の影 響 見 通 しは、保 有 の軽 自 動 車 比 率 で述 べた ことと同 様 であり、説 明 は割 愛 する。

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資 料 編 1.短 期 市 場 の見 通 し

Ⅰ.市 場 環 境 の状 況

2015 年 3 月 に実 施 したユーザー調 査 による家 計 消 費 の動 向 、車 購 入 意 識 等 の結 果 を 1 年 前 と比 較 して自 動 車 市 場 への影 響 を考 察 する。 <家 計 消 費 の動 向 > 円 安 、株 高 により、2015 年 5 月 の内 閣 府 による地 域 経 済 動 向 報 告 では、ほとんどの地 域 の企 業 景 況 が「回 復 基 調 にある」と判 断 され、先 行 きの明 るさがみられる。しかし、各 消 費 マインドを 1 年 前 と比 べた現 在 の状 況 について、ユーザー調 査 (2015 年 3 月 時 点 )の 結 果 では、「やや良 くなった」以 上 ―「やや悪 くなった」以 下 の比 率 は、「暮 らし向 き」で▲ 12 % 、 「 世 帯 支 出 意 欲 」 で ▲ 20 % 、 「 円 安 の 家 計 へ の 影 響 」 で ▲ 30 % な ど 、 前 回 調 査 (2014 年 3 月 )に比 べ低 下 している。このように、まだ家 計 においては景 気 回 復 の実 感 は 伴 っていないようである。 但 し、原 油 安 の影 響 により「ガソリン代 の家 計 への影 響 」については改 善 が見 られる。 (資 料 1-1-(1)) 今 後 、企 業 の業 績 回 復 が家 計 に波 及 するに伴 い、消 費 マインドも徐 々に回 復 していく と見 込 まれる。 資 料 1-1-(1) 1 年 前 と比 べた現 在 の状 況 資 料 ) 現 代 文 化 研 究 所 「全 国 自 動 車 保 有 ユーザー調 査 」(2 0 15 年 3 月 ) (N=2472) (%) 非常に良くなった やや良くなった 1年前と 変わらない 非常に悪くなった やや悪くなった 「やや良く なった」以上 ―「やや悪く なった」以下 前回調査 ▲ 12 ▲ 8 ▲ 20 ▲ 15 ▲ 9 ▲ 0 ▲ 21 ▲ 20 ▲ 26 ▲ 24 ▲ 30 ▲ 24 ▲ 7 ▲ 6 ▲ 1 ▲ 40 ▲ 18 ▲ 21 14 11 18 11 10 6 11 27 9 61 58 56 56 54 58 71 45 64 26 31 27 33 36 36 18 28 27 暮らし向き 世帯支出意欲 日本景気 世帯所得の見通し 家計収支の見通し 円安の家計への影響 株価の家計への影響 ガソリン代の家計への影響 車の買い時

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地 域 ブロック別 の消 費 マインドを全 国 平 均 との差 で見 ると、中 部 、中 国 ・四 国 では「暮 らし向 き」、「世 帯 支 出 意 欲 」、「世 帯 所 得 の見 通 し」、「家 計 収 支 の見 通 し」の水 準 が高 い。中 部 や中 国 は自 動 車 産 業 の好 調 も寄 与 していると見 られる。一 方 、北 海 道 ・東 北 で はすべての指 標 で水 準 が低 くなっているなど地 域 間 でかなり違 いが見 られるが、概 ね首 都 圏 以 南 では消 費 マインドの回 復 基 調 が見 られるようである。(資 料 1 -1-(2)) 次 に性 年 代 別 の消 費 スタイルの特 徴 を見 ると、男 性 50 代 以 下 では日 頃 の節 約 の意 識 が低 い(全 国 平 均 との差 、以 下 同 :男 性 20~30 代 ▲14%、男 性 40~50 代 ▲6%)にも 関 わらず、旅 行 や趣 味 にもあまりお金 を使 わず(男 性 20~30 代 ▲8%、男 性 40~50 代 ▲ 3%)、プチ贅 沢 への興 味 も低 い(男 性 20~30 代 ▲4%、男 性 40~50 代 ▲5%)など消 費 に消 極 的 のようである。 一 方 、60 代 以 上 は男 女 とも日 頃 は節 約 を意 識 しつつも(男 性 60 代 以 上 +10%、女 性 60 代 以 上 +7%)、旅 行 や趣 味 にはお金 を使 い(男 性 60 代 以 上 +10%、女 性 60 代 以 上 +16%)、環 境 への配 慮 も高 い(男 性 60 代 以 上 +4%、女 性 60 代 以 上 +11%)。 女 性 20~30 代 は貯 蓄 指 向 が高 く(+9%)、日 用 品 は安 さを重 視 (+8%)しているが、そ の中 でプチ贅 沢 (+7%)を楽 しんでいる。また、クチコミ重 視 の指 向 が強 い(+6%)。 女 性 40~50 代 はメリハリ消 費 (+7%)、プチ贅 沢 (+6%)など、一 番 消 費 を楽 しんでい る世 代 のようである。 このように、消 費 において女 性 と高 齢 者 の元 気 さが目 立 ち、今 後 個 人 消 費 の回 復 に 伴 い期 待 できる層 と見 込 まれる。( 次 頁 資 料 1-1-(3)) 資 料 1-1-(2) 地 域 ブロック別 1 年 前 と比 べた現 在 の状 況 (全 国 平 均 との差 ) 資 料 ) 現 代 文 化 研 究 所 「全 国 自 動 車 保 有 ユーザー調 査 」(2 0 15 年 3 月 ) ▲ 0.3 ▲ 0.9 ▲ 1.5 1.7 2.4 ▲ 1.1 2.5 ▲ 1.8 ▲ 0.3 0.5 ▲ 0.9 ▲ 1.1 1.7 ▲ 2.9 2.1 2.0 ▲ 4.0 ▲ 0.3 3.3 ▲ 1.5 ▲ 0.6 3.1 ▲ 1.1 ▲ 2.8 ▲ 0.6 ▲ 0.3 0.1 ▲ 1.0 1.8 ▲ 3.3 1.2 2.1 ▲ 1.2 0.2 0.6 0.4 2.0 ▲ 3.8 1.6 1.4 ▲ 0.3 ▲ 0.5 1.3 2.1 0.3 ▲ 0.1 ▲ 1.4 ▲ 1.6 ▲ 2.3 ▲ 0.6 4.0 4.0 ▲ 0.3 0.3 ▲ 2.7 ▲ 3.4 ▲ 0.4 2.3 ▲ 0.1 ▲ 1.2 ▲ 2.8 1.3 ▲ 0.3 2.7 ▲ 3.0 ▲ 1.3 1.9 2.3 ▲ 0.4 1.2 ▲ 2.8 1.1 ▲ 5.0 ▲ 4.0 ▲ 3.0 ▲ 2.0 ▲ 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 北海道・東北 北関東 首都圏 甲信越 中部 近畿 中国・四国 九州・沖縄 暮らし向き 世帯支出意欲 日本景気 世帯所得の見通し 家計収支の見通し 円安の家計への影響 株価の家計への影響 ガソリン代の家計への影響 車の買い時

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資 料 1-1-(4) 前 保 有 車 、現 保 有 車 と次 期 購 入 希 望 車 資 料 ) 現 代 文 化 研 究 所 「全 国 自 動 車 保 有 ユーザー調 査 」(2 0 15 年 3 月 ) (%) 2BOX セダン ミニバン その他 前保有車 現保有車 次期購入希望車 軽自動車 登録車 26 36 36 11 19 9 28 13 18 13 14 15 22 18 22 <次 期 購 入 希 望 車 の動 向 > 次 期 購 入 希 望 車 の 見 通 し は 、 現 保 有 車 と 比 較 し 、 2 B O X へ の 指 向 が 低 下 し ( 19 → 9 %)、セダンで高 まっ ている (13→18%)。軽 自 動 車 意 向 は、 次 期 希 望 車 でも 同 水 準 の 36%と高 い。 (資 料 1-1-(4)) 地 域 ブ ロ ッ ク 別 の 特 徴 は 、 北 関 東 の 軽 自 動 車 意 向 が 高 く、首 都 圏 、甲 信 越 でセダ ン意 向 が高 い。 (資 料 1-1-(5)) ▲ 14 ▲ 6 10 3 4 7 ▲ 9 ▲ 4 3 8 4 ▲ 1 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 8 1 7 8 0 ▲ 3 ▲ 6 9 2 ▲ 4 ▲ 5 0 5 ▲ 4 1 4 ▲ 8 ▲ 3 10 ▲ 4 ▲ 3 16 ▲ 9 1 17 ▲ 9 ▲ 2 7 ▲ 4 ▲ 5 ▲ 5 7 6 1 ▲ 3 ▲ 4 4 ▲ 4 1 11 1 ▲ 2 ▲ 4 6 1 ▲ 3 ▲ 20 ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 20 20~30代 40~50代 60代以上 20~30代 40~50代 60代以上 日頃は 節約を意識 日用品は 安さを重視し 品質が悪く ないものを 選ぶ メリハリ消費 貯蓄志向 日用品は 費用対効果を 十分比較・吟味 旅行や趣味に 積極的に お金を使う 持ち物による 外見は 気にしない プチ贅沢 環境に良い 生活スタイルを 志向 消費は クチコミを 重視 男性 女性 ( % ) 資 料 1-1-(3) 性 年 代 別 消 費 スタイル(全 国 平 均 との差 ) 資 料 ) 現 代 文 化 研 究 所 「全 国 自 動 車 保 有 ユーザー調 査 」(2 0 15 年 3 月 ) 資 料 1-1-(5) 地 域 ブロック別 次 期 購 入 希 望 車 ―現 保 有 車 2 6 ▲ 1 ▲ 5 0 2 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 10 ▲ 16 ▲ 10 ▲ 12 ▲ 10 ▲ 11 ▲ 7 ▲ 8 5 4 8 9 4 4 5 5 ▲ 2 2 1 ▲ 0 2 2 1 1 5 4 2 7 4 3 4 4 ▲ 20 ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 (%) 軽自動車 2BOX セダン ミニバン その他

参照

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