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Basin scale evaluation of the groundwater recharge and nitrogen contamination processes in an intermountain basin of Himalayan region 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 Shakya Bijay Man 博士の専攻分野の名称 博士(工学) 学 位 記 番 号 医工農博甲第31号 学 位 授 与 年 月 日 令和2年3月19日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 環境社会創生工工学専攻

学 位 論 文 題 目 Basin scale evaluation of the groundwater recharge and nitrogen contamination processes in an intermountain basin of Himalayan region (ヒマラヤ山岳盆地における盆地スケールでの地下水涵養と窒素汚染プロセスの解明) 論 文 審 査 委 員 主査 教 授 西田 継 教 授 坂本 康 教 授 風間 ふたば 教 授 石平 博 准教授 遠山 忠 助 教 中村 高志

学位論文内容の要旨

|本学位論文は、代表的な山岳盆地であるネパール・カトマンズ盆地において、人口集中 都市の重要な水資源となっている地下水を対象に、盆地スケールでの地下水の涵養プロセ スを明らかにすると共に、主要な地下水汚染物質である窒素の起源ならびに汚染プロセス について解析を試みたものである。具体的には、カトマンズ盆地全域で採取した地下水や 河川水、山地湧水等の水環境試料を採取し、試料水中の同位体や水質トレーサーの観測と 解析を行い地下水涵養源と帯水層の分布を把握すること、水質汚染物質である窒素化合物 の濃度の季節変動や窒素化合物を構成する窒素や酸素の安定同位体比の観測による汚染プ ロセスの解明を目的とした研究が実施された。 本論文は、全部で8 章から構成されている。第 1 章では、研究の背景と目的が明確に記さ れている。第2 章では、一般的な地下水の涵養プロセス、カトマンズ盆地における地下水 研究、カトマンズ盆地における地下水の水質、山岳盆地における地下水涵養プロセスに関 する研究等に関する既存の知見が体系的に整理されており、研究分野内での本論部の位置 付けや重要性が適切に示されている。第3 章では,研究対象地域の地形や気候、人口分布

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や土地利用状況、地下水利用状況、地質情報等、地下水涵養や流れ、窒素汚染に関わる要 因となる情報が過不足なく記述されている。また地下水調査の調査方法についてもその詳 細が記述されている。 第4 章では、カトマンズ盆地全域における深層地下水の涵養域を推定することを目的と し、地下水の他、山地湧水等の水中水素および酸素安定同位体比の観測結果と解析により 推定された涵養域が示されている。盆地内の深井戸から採取された深層地下水の安定同位 体比の分布傾向から、北西部の一部地域、山麓部、盆地中央部の深層地下水の涵養域をそ れぞれ標高2500m 以上、1600m-2200m、1600m-1300m と複数の涵養域と地下水流動系が あることを明らかにしている。 第5 章では、地下水中の主要な溶存化学成分の組成を把握することで、地下水流動特性 ならびに帯水層の分布を明らかにすることを目的とし、溶存化学成分の観測結果ならびに 各種水質構成表を用いた解析結果について報告している。北部涵養地域と中央部から南部 にかけて異なる2 つの水質組成が分布していることから、異なる帯水層が存在することを 明らかにし、北部の山麓地域からのみ地下水涵養されていると考えられていた既往の報告 とは異なり、南部から中央部においても涵養プロセスがあることを新たに示すことに成功 している。 第6 章では、窒素汚染が著しい対象地域の浅層地下水について、涵養に伴う地下水汚染 プロセスの把握を目的とし、盆地内全域の浅井戸から採取した乾季(97 地点)および雨季 (85 地点)の浅層地下水、総計 182 検体の水質データと 2 地点において実施された 1 年半 に及ぶ各月の水質データを涵養プロセスが異なると考えられる2 つの地質(砂礫堆積地域 と粘土堆積地域)に分けて解析している。雨季の涵養による地下への酸素供給に伴ってア ンモニア態窒素の消化反応が促されること、これとは別に地下水涵養に伴って地表から負 荷される硝酸態窒素もあることを指摘している。さらに、砂礫地域では消化と涵養に伴う 負荷が認められるものの、粘土層が発達する地域では涵養に伴う負荷が主要な窒素汚染の 季節変動の要因となっていることを明らかにしている。またアンモニウム態窒素ならびに 硝酸態窒素および酸素の安定同位体比の観測結果から、浅層地下水では人為由来と地質由 来の窒素負荷が認められ、深層地下水では地質由来の窒素が主要な汚染源であることを明 らかにしている。 第7 章では、深層地下水と浅層地下水の交流と盆地全体における地下水の流動特性を明ら かにすることを目的とし、4 章と 5 章で得られた深層地下水に関する知見と 6 章で得られた 浅層地下水に関する知見を統合した議論を展開している。人為汚染が著しい浅層地下水で 見られる高濃度の塩化物イオンは、盆地中央部の深層地下水に見られないことを指摘し、

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人口が少ない盆地山麓部からの地下水涵養が卓越していることを指摘した。さらに、異な る帯水層の境界が盆地中央部に存在する断層の位置と一致することから、局所的な地質構 造の変化が地下水流動に大きく影響することを指摘している。 第8 章では、本論文で得られた知見を取りまとめ,結論として今後の研究課題と共に明 確に示されている。 |

論文審査結果の要旨

|論文審査委員会により,本学位論文には,多岐にわたる研究成果が体系的に整理されて 示されており,論文構成に問題はなく,優れた独創性と学術的新規性,工学的実用性が認 められることが確認された。

公聴会では,Shakya Bijay Man氏による40 分間の発表が行われ,研究背景から目的 設定に至った経緯,学位論文の構成,研究手法の概略,研究結果とそこから導かれる考

察や結論が分かりやすく整理されて説明された。20 分間の公開質疑では,審査委員を含

む聴講者からの質問とそれに対するShakya Bijay Man氏からの回答がなされた。 公聴会に続いて,論文審査委員による最終試験が 30 分間にわたって行われた。各審査委 員からの講評と質問がなされ,それに対するShakya Bijay Man氏からの回答があった。 公開質疑と最終試験における主な質問と,Shakya Bijay Man氏からの回答は以下の通りで ある。 ・浅層地下水の塩化物イオン濃度と窒素汚染物質の季節変動に違いがあることについて質 問があり、帯水層中での生化学的反応を受けにくい塩化物イオンに対して、窒素化合物は 硝化や脱窒反応により濃度が変化する点を原因として説明した。 ・浅層地下水中での硝化反応について、窒素同位体を標識とした他の根拠を示すことの可 能性について質問があり、硝化と脱窒が同時に生じ、これに伴う同位体比の変動が複雑な ため、窒素同位体比値の大小だけで硝化の有無を議論することが困難であると説明した。 ・盆地スケールの地下水流動の結果、最終的な地下水の異動先について質問があり、地表 河川水または河道下に存在する地下水流動により盆地外へ流出している可能性を指摘し、 今後河道に沿った深層地下水の調査の重要性を指摘した。 ・本研究の成果の活用について質問があり、同位体・水質トレーサーで得られた地下水流 動に関する知見が、地下水流動モデルに反映され、従来の限られた情報(地質・水位)の

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みで得られる流動解析の精度の向上に可能性を見出している点を述べた。 以上のように,本最終試験において,論文提出者は自身の研究分野についての深い知識と 経験を得てきており,研究方法や結果,考察の妥当性を客観的に評価し,それを的確に伝 えるための高いコミュニケーション能力を有していることが確認できた。また,博士論文 に記載されている研究成果は,筆頭著者として査読論文2 編,学会でのポスター発表 2 件 と口頭発表 3 件として発表されており,研究者として将来性のある高い研究遂行能力を有 していると判断された。したがって,本審査委員会は,論文提出者は博士(工学)の学位 を取得するに相応しい科学的および技術的思考力,理解力,研究の実行力およびコミュニ ケーション能力を有していると認め,合格と判断した。

参照

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