Angria王国との訣別 : Charlotte BronteのJuvenilia ; 8
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(2) Ang五 a王 国との訣別. ゴθθ. 1). 格 を 知 らな い し,知 ろ うと も して い な い」 と,Mrs.Sidgwickか ら無 視 され る こ とに立 腹 した り,「 家 庭 教 師 は退 屈 な 勤 め を果 す もの と して しか存 在 し な い し,生 きて い る理 性 あ る存 在 と考 え られ な い と い う こ とを ,今 は これ ま で 以 上 に は っき り と分 ります 」 と親 友 や 妹 に 訴 え た り して ,苦 しみ を 軽 減 さ せ よ うと努 めて い る。. Sidgwick家 で の 家 庭 教 師 と して の 勤 め は 結 局 三 カ月 足. らず で 終 って い る. が , この 間 の 経 験 は ル ηιEγ rι の 中 に生 か され て い る。 一 つ は Mrs.Sidg‐. wickの 父 Mr.Greenwoodの 別 荘 の あ る. Swarcli∬. eに い た 頃. Norton. CoyerSの 邸 を見 に行 き ,そ の 屋 敷 に 関連 した 狂 気 の女 性 の こ とを 聞 い た こ と と, も う一 つ は大 きな邸 宅 で の 来 客 の 馬 鹿 騒 ぎ と片 隈 で 無 視 され る家 庭 教 師 の 惨 め さを 身 に しみ て 感 じた こ とで あ る。 。。. I wil1 0nly ask you to ilnagine the miseries of a reserved. wretch like me, thrOwn at once into the midst Of a large family 一 proud as peacocks and wealthy as Jews一. at a tilne when they. were particularly gay, when the house was fu1l of company一 strangers, people whose faces l had never seen before一. all. ― in this state. Of things having the charge given me of a set of pampered, spilt,. and turbulent children, whonl l was expected constantly to amuse 3). as well as instruct. . . .. ここに述 べ られて い る感情 は,Jα ηι二/ι において,Thornield邸 にお け る MiSS Ingramな ど多勢 の傲 慢 な男女 の来訪 の場面 で 「孔雀 の よ うに傲慢 で ユ ダヤ人 の よ うに富裕 な」 男女 の戯 画化 に用 い られて い る。 Charlotte lま. Sidgwick家 での家庭教師 の屈辱 を逃 れてわが家 に帰 った後. は,1841年 の 3月 初 め に再 び で二 年近 くの間. Mrs.Whiteの 子供 た ちの 家庭教 師 にな るま. HawOrthで 過す ことにな るが, この期間 は彼女 の精神 の大. 1)Letter to Ellen Nussey,June 30, 1839〔 SwarCli“ e〕 Stonegappe〕 2)Letter to Emily J.BrOntё ,June 8, 1839 〔 1839(SwarClire). 3)Letter to Ellen Nussey,June 30, .. ..
(3) 和 知 誠 之 助. きな転 回を印す時期 とな る 。. ゴθゴ. HawOrthの わが家 で再 び 自由 な時を得 るや否. や Charlotteは 新 しい物語 を書 き始 めた。 その 物語 の 冒頭 に「 この前の 物語 を 書 き終 えた時 ,何 か書 くべ き こ とがで きるまで も うこれ以上書 くまい と私 は堅 く決意 した」 と述 べ,更 に再 び ペ ンを取 るまで には何年間 も過 ぎるだ ろ うと思 った,と 記 してい る。 が その 決意 に もかかわ らず再 び敢 て ペ ンを取 り 上 げ た こ とは,彼 女が新 しい方 向 の 自覚 に促 された こ とを推測 させ るに十 分 で あ る。. Cα rο ′ ゴ ″θ ver″ θπ. Angria物 語 の最後 で最上 の もの と見 られ てい る. この激 しい愛 の 物語 は,情 熱 的 で 甘 い夢 に耽 る CarOline(Percyと. Louisa. VernOnと の 間 に生 れ た)が ,幼 時 か ら庇護 を受 けて い る Zamornaの 誘惑 に陥 い る物語 で あ る。 原稿 には製作 の 日付 は記 されて い な いが , Winifred. G6rinは ,作 中の 内容 と作者 の言動 か ら,1839年 6月. 29日 に書 き始 め られ. ,. 同年 12月 7日 に書 き終 え られた と考 えて い る?こ の 物語 の最初 に,前 の 物語 を書 いて か ら三 カ月 た らず しか経 って い な い と記 して あ る し, 6月 30日 付 の. Ellen Nusseyあ ての手紙 は Mrs.Sidgwickに 従 って 出か けた SWarclige にあ る別 荘 か ら書 かれてい るが , その 中で Ellenに す ぐ便 りを欲 しい と願 い なが らも,便 りの ある前 に家 に帰 って い るか も知れな い と付 け加 え,更 に. 7月 26日 付 の手紙 に は, 一週 間前 に Stone_Gappeを 去 った と記 して あ るの で,Char10tteは 恐 らく7月 19日 に. Sidgwick家 を去 り,HawOrthに 帰 っ. た後 に この 物語 を書 き始 めたので あろ う。 この 物語 にお ける Car01ineは 15才 の既 によ く成育 した少女 で,ZamOrna に育 て られて い る。 Carolineの 父 で あ る Percyが ,彼 女を. ZamOrnaか ら. 引 き取 って別 の家 に住 まわせ よ うとす ると,大 人扱 い されて社交界 に入 るこ とを望 んで いた彼女 は一 時 は興奮 して 喜 ぶが,Zamornaと の別 れを悲 じむ。 そ して四 カ月 間パ リーで過 ご した彼 女 は,多 くの人 々か らもて はや されて 自 らの美貌 に 自信 を持 つ よ うにな るが,夢 想 と現実 との違 い を覚 り,反 対 す る父 1)IntrOduction to. “Carohne Vernon" in Fう υ 腸 υιJ`′ ′ ` `s, p. 273..
(4) Angria王 国との訣別. ゴθ2. を説 得 してパ リー を去 り,首 都 VerdOp01isに 帰 る。 そ して. ZamOrnaと の. 再 会 を想 って胸 を ときめ かす が,ZamOrnaが 首 都 に来 る前 に Percyに よ っ て遠 隔 の地 に去 らされ る。 しか し. ZamOrnaへ の思 慕 に堪 え切れ な くな った 1). Carolineは ,雪 の 降 るあ る冬 の夜 一人で 馬車 に乗 って ZamOrnaを 訪 れ 抱 き じめ られ る。 そ して. ,. ZamOrnaか ら,誰 に も邪魔 され な い所 に隠 ま って. や るが来 るか と問われ ると,怖 れ と愛情 とに胸 を震わせ なが ら“Yes"と 答 え る 。 その 後. Zamornaは Percyか. ら Car01ineの 居所 を尋 ね られ るが,拒. 絶す る。 立腹 した PerCyは 彼 を ピス トル で 殴打 して傷 つ け た り,裁 判 に訴 えて も悪業 を暴 いてや るな どと怒 るが,Zamornaは 平然 として 答 えない。 以上 が この 物語 の概 略 で あ るが, 女主人公 の Caroline Vernonと その母. Louisaと は,そ れ以前 のい くつ かの物語 に登場 してい る。 LOuisaは ,最 初 Pα ssグ ηg. Eυθ s(“ The History of Angria HI")(April,1836)に , Louisa ηι. Vernonの 名 も挙 げ られ てい るが,LOuisa Danceの 名 で Zamornaに か く )と まわれている27才 の `She‐ tigress′ して登場 し,冷 淡な ZamOrnaの 手 に噛 みついた りす る。彼女はその夜散策 の許 しを得 ると,背 の高 い紳士 の馬車 で 去 り,そ の後消息が知れないとされている。 ■秘. Rι ι πrη. rη α(De‐ げ 幼 πθ. cember,1836)に おける Louisaは ,MisS Mary Percyに 向か って, 自分 は彼女の父を魅了 し,彼 に妻 や友を捨てさせ,ア フ リカに革命 を起 させ る力 3). を持 った ことの あ る女 だ と叫ぶ。JZι Jグ α (」 une,1837)に お いて は Louisaお よびその子 CarOlineは ,Percyに 頼 まれ た 元 オ ペ ラ歌手 の LOuisaは. Zamprnaの 邸宅 で暮 してい る。. ,黒 い眼を した気 ま ぐれ な. `the little Syren'で. ,. Zamornaに 対 して激 しい愛情 と憎悪 を狂気 の よ うに交錯 させ るが,Car01ine (`a childiSh igure, clad in white, a creature with dark hairそ &Italian 1)自 然描写 に,ア フ リカでな く Haworth付 近の情景が取 り入れ られ るようになった の は,こ の 頃 の 作品 に 目立 つ 傾 向で あ る。 ″グ た ε ο′ ′ た απ″ Pα ′ πgs cプ Cみ α″ 2)Tん θMJSε θJJα πιοαs απ″ びπ′πらJグ Sλ ′ど WTt″ グ ″ (The shakespeare Head Brontё Braπ ι “ グ πgsと 略す〕,V01.H,p.138. 7rグ ″. J′ Brα π θ. グ.,p.308. 3)∬らグ. )〔. θ οπs JJα π 以下 Mbε θ.
(5) ノθ3. 和 知 誠 之 助 1). 2). eyeS')も `Fitful as April in her m00ds'と 言 わ れ る気 ま ぐれ な我 の 強 い 少女で,ZamOrnaに 向か って “. yOu― I will, and l often tell. .. 。When I'In 01d enOugh I'1l marry. mamma so一 just to put her in a pas‐. 3). ‐. sion."と 言 った りする。. 断片的に扱われて いたこれ らの人間関係が Ztt D%たι`ヴ. r″ α(July, Zα πο. 1838)に おいては整理 されている。Louisaは かつて VernOn卿 に結婚を約 束 させ るが, Percyを 知 ると Vernonを 捨て, Percyが 国外 に去 ると再 び. Vernonを 言 い くるめて結婚 させ る 。 数年後 Percyが 帰国す ると,彼 女は 再 び Vernonを 捨てて Percyに 走 り,10年 間 ぐらい彼 に付 き纏 うが,Percy は `the leech'に 我慢 できな くな り, 彼女 との間にできた Carolineと とも に LOuisaを. ZamOrnaに 預けて厄介払いをする。 LOuisaは Zamornaの. 魅力に取 りつかれ ることもあるが,相 手 にされないので,激 しい欲情 と憎悪 とを交錯 させて次のよ うに叫んだ りする一一 一‐ I abhor you!― ―I cOuld kill youl"she said, grind¨ “I dO hate you! ―. ing her teeth, and then, crying afresh, she added:. “But still, still. ― 1 love you too till my heart aches as if it would break。. 'r). この よ うな LouiSa像 は,R6sグ ″g.Eυθ η″ sや 」πJグ α に描 かれた もの と同 一線上 の もので あ る。 そ して CarOlineも ,11才 の 背 の高 い美 しい少女 と し て. ZamOrnaに 養育 されて お り,熱 烈な性格 だが,ま だ汚れを知 らぬ少 女 と. して登場 す る。 θ И″ποη の丁度前 に書 かれ た Cα rο Jグ η. C″ ι η』 αグ 箋ηry χ ″gs(1839) Lsι グ. には CarOline Vernonの 名 の 女性 は登 場 しない。 しか し Sir Williamが 散策 中 の Elizabeth Hastingsに 出会 って ,墓 地 の 中で見 つ けた “RESUR‐. GAM"の. 墓碑 銘 は,Zamornaへ の烈 しす ぎる愛 のため に 自 らの生命 を絶 っ. υι′ 1)Fグ υιゴ ιι ι ι s,p.113. 減》. 2)∬ιグ グ.,p.114.. 3)裂 ♭ グ グ.`p.115。 4)翌 ♭ブ グ.,p.368。.
(6) Angria王 国 との訣別. ゴθイ. た Rosamund Wellesleyの ものだ と語 る個所 が あ るが,こ の挿話 は Cα rθ Jグ. _. ″ιИ″″ο″ にお け る CarOlineの 運命を暗示 してお り, Charlotteは この. テー マをすで に温 ためて いたよ うに思 われ る。 ROsamundを 自殺 に追 いや っ た経緯 を Sir Williamは 次 の よ うに語 る一一 “Killed. herself!do you meanP whyP". “Because she was ashamed of having 10ved his maieSty not wiSely I remember seeing her, she was very beautiful e . . but too well― 一‐ 丘gure&complexlon一. very tall&graceful… ―with light hair & ine. blue eyes . . . Clever, I daresay,. tO be her. Guardian&Tutor一 ―He. そ ■. Sensitiveo. The Duke undertook. executed his Omce in a manner. peculiar to hilnself― Guarded her with a vengeance `ヒ tutored her. till she could construe the Art of LOve at any rate一 She enjoyed the bene■ t of his protection&instructions for aboRt a year一. &. then somehow she began to pine away. awkward little reports were spread一 she got to hear them. her relations insisted upon it that she should leave her Royal MentOr一 ―He swore she should not, they persisted in clailning her, so his Majesty sequestered her in One Of his remote haunts out of their reacho then he dared them tO come into the heart of his kingdorn & fetch her Out一. She did. nOt give them the chanceo Shame & Horror, I suppose,had worked her feelings into Delirium & she died very suddenly一 ―whether fairly or nOt Heaven knowso Here shtt Was interred,&this is the Stone Her Lover laid over her. . . ." η におけ る Cα rο JJη θ И″ηο な い。 Carolineの 髪 も日も. Car01ineは この Rosamundと 全 く同 じで は. Rosamundと は違 って黒色 で あ り,Rosamund. の よ うに 自 ら命 を断 つ と ころ まで は描 かれていない。 しか しその他 の 状況 は ほ とん ど同 じで あ り,Car01ineも 悲劇 的運命を辿 るで あ ろ う こ とは,作 者 の 構想 の 中 に入 って いた よ うに思 われ る。. 1)原 文 の まま ″。 2)∬ み′ ,p。 254..
(7) 和 知 誠 之 助. ゴθ5. と ころで ,こ の 物 語 で 第 一 に 着 目 され る点 は,Charlotteの リア リズ ムヘ の志 向 で あ る。 依 然 と して Byronic herOへ の心 酔 は見 られ るが ,そ う した 華 や か な夢 へ の 傾 斜 とあ りの ま まの現 実 とを融 合 しよ うとす る努 力 が種 々の 面 で 読 み取 られ る。 一 つ は主 人 公. ZamOrnaの 人 間像 の 変化 で あ る。 彼 は依 然 と して絶 対 的 な. 権 力 の 持 主 で ,征 服 や 愛 に強 い 力 を発 揮 す るが ,以 前 の 物 語 とは違 って ,そ の 美 しい心 や 容 姿 を称 え られ る こ とな く,利 己的 な遊 蕩者 と して の 面 が 強調 され る こ とが 多 い 。. .. 。。the selish ZamOrna . . . He has too little Of the mOral Great‐. Heart in his nature, it is his creed that all things bright & fair live for hiln一 by. hiln they are to be gathered & worn as the. ■Owers Of his Laurel Crown一 The green leaves are victory in batttle一 ― they. never fade, the roses are conquests in LOve―. they. decay &drop OI― …Fresh ones blow round hiln, are plucked & woven with the withered stem of their predecessors一 such a wreath he deems a glory abOut his temples, he may in the end ind it rather like the snaky lllet which compressed Calchas's l). brows, steeped in blue venom.. ‐ このよ うに,美 しい ものはすべ て 自分 のために存在すると考 え,一 つの美 が枯れ萎む と,ま た次 の美 を摘み取 るのを 当然 とするよう な 自 己中心的な. ZamOrnaは. 2). `Satan's eldest SOn'で あ り,そ の 黒 く大 きな 目は「炎熱 地獄 3). の底 か らの炎 にあか あか と輝 く」 ので あ る。. Zamornaと Carolineと の 関係 は,当 時世 の中を驚 かせ たByronと. Claire. ClairemOnt との関係か ら示 唆を受 けた よ うで あ る。 Claire は Eπ gπ ″y グ ι グ ′ 2g Pο ι ε αJ」 %sι グ ε ε θ r″ グ Cο η. `(1793)を 書. グ.,p.352. 1)∬ らグ グ グ.,p.353. 2), 3)翌 ♭. いて,若 き Shelleyな どに もア.
(8) Angria王 国との訣別. ゴθδ. ナ ー キ ズムヘ の影響を及 ぼ した. William Godwinの 娘 で あ り,Shelleyと. 一 緒 に大 陸 に駆 け落 ち し,彼 の 最初 の妻 Harrietの 自殺後 ,彼 の妻 とな った 1). Mary Godwinの 異母妹 に当 る。彼 女 は Byronに 熱烈 な恋文 を書 き,当 時 世 の あ らゆ る悪 罵 に 堪 えかねて大 陸 へ 逃亡 しよ うと して い た ぐれか ら一 夜を共 に過 し,彼 が大 陸 に去 ると,Shelleyと. ByrOnの 気 ま. Maryと に 同行 し. て ジ ュネ ー ブで ByrOnに 会 う。 その 後 も,彼 女を愚かな女 と軽蔑 し,ど うし て も逢 お うと しない の 養育 の こ とで. ByrOnに 付 き纏 い,特 に二 人 の間 に生 れ た娘 Allegra. Byronと 争 い,彼 の錯雑 した生 涯 に哀れな女性 として悲惨. な姿を とどめてい る。. Byronに. も勿論美 しい高貴 な性格 があ ったが, 彼 の Claire との関係 においては,そ の最初 の 出会 いが愛情 のか け らもな い一 時 的 な退屈 しの ぎか らで あ った よ うに , その人 間的美点 は少 し も見 られず. ,. Claire自 身 に対 して も,ま たひ どい尼 院 に暮 らし,や がて流 行病 で死亡す る. Allegraに 対 して も,彼 は全 く自分勝手 な冷酷 な男 として終始 し,醜 く低劣 な性格 の みを露呈 してい る。. ZamOrnaは Byronの この よ うな悪魔的な 自己中心的遊蕩 者 と しての面 を 写 して いて,CarOlineも Claire ClairemOntの 最初 の 頃 の 熱狂性 を反 映 し てい る。炎 と水 とが常 に心 の 中 で共 に暴れ狂 って いた ByrOn,蕩 児 で あ ると 共 に激 しい 自我 の 欲求 にのた打 ち廻 った Byronの 家 の紋所 に刻 まれた モ ッ トーで あ る “Crede Birone"(バ イ ロンを信ぜ よ)に な らって,ZamOrnaが 2). “Crede Zamorna"と 叫 ぶ と,Carolineは 怖 れ と共 に抵抗 しがたい魅力 に取 りつ かれ る。魅力 が悪魔 の声 で あ ることを知 っていたか ら怖 れを感 じたので 3). あ る。 しか も「 多 くの心 の 中 に毒 を 吹 き込 ん だ致命 的な優 しさの こ も る声 」 4). で 隠れ家 に 同行す るか と尋 ね られ ると,「 荒 々 しい まで の 熱狂 さ」を こめて 1)Mary Wollstonecraft Godwin(1797-1851)。. 彼女 は. William Godwinと. Mary. Wollstonecraftと の間 に生れ ,1816年 Shelleyの 正 妻 とな り Mary Wollstonecraft π οr Tん しル″ Shelleyと 名 を改め る。 Fπ ″た′πs′ θグ π P"π ι ′ ル πs(1818)を 初 `動 め ,い くつ か ロマ ンスを書 いて い る。. s,p.353. ″ι. 2)Fグ υι′ Ⅵ)υ `Jι. 3),4)ル グ4,p.354。.
(9) ゴθ7. 和 知 誠 之 助. “Yes"と 答 え るので あ る。. ZamOrnaに 誘 われて人里離 れた隠れ家 に彼 の情婦 と して同行 したCarOline の,そ の後 の成 り行 きにつ いて は何 ら述 べ られ ていないが,ZamOrnaの 悪魔 性 か ら彼 女 の運 命 は,ByrOnに よる Claireの 運命が連想 され る。即 ち前 述. yル η ″蒻 石 αグ したよ うに,C″ ι. gsに お ける Rosamundの 悲劇 が暗示. sガ π. されてい る。 この点 か らも,長 い 間 うな され るよ うに 取 り つ か れ て い た. Byron熱 か ら醒 めた Char10tteは ,ByrOn的 自我 の 強 さや狂 熱 さに,以 前 と違 った批判 的な 目を 向け始 めて い ると言 え よ う。 この物語 は最初 Fannie Eo RatchfOrdに よ って. L轡クノSげ. 4π grグ α. (1933)に 発表 され たが,Winifred G6rinは 原稿を解読 した ものを その まま ι θ s(1971)に 発表 した。 それ には Fo Eo Ratchfordが 省 略 した 几 υιN"θJι ι 部分 のみでな く , 二 つ の 個所 に つ いて は Char10tte Brontё. の 最初 の 草稿. (F.E.Ratchfordは その うちの一つ は最初 の草稿 , 他 は書 き換 えた ものを 発表 している)を 付録 として載 せ, Char10tteが 書 き換えたものを主体 とし て収録 しているので,両 者 を比較す ると,Char10tteの この時期 における創 作態度 のい くつ かを明 らかにす ることがで きる。. Car01ineは 美 しい少女だが,歓 楽 に耽 りがちな放縦な少女で, Zamorna は彼女の ことを Percyに 次 のよ うに説明す る一一 ― Ot to be “. . . I have studied her character‐ 一 it iS one that ought ■. exposed to dazzling temptation一 She is at once careless& ilnagi‐ native一 ―her feelings are IIlixed with her passions一 both. are warm. l). & she never re■ ects . . .". Carolineは 未熟 で気 ま ぐれ で 軽率 で, しか も美 し くあ りた い と熱望 し,空 中楼閣 をえが いて 憧 れ に身 を焦 がす少女 で あ る。 Byronに 心酔す る彼女. のロ. マ ン性 が,最 初 の草 稿 で は次 の よ うに指摘 され る一一. Caroline has grown up under his(1。 e.ZamOrna's)care a ine ιs,p.296。 1)Fグ υιAわ υθ″ ι `″. Sゲ. (Lι g`π グ. 4π grグ α,p.227.).
(10) ゴθ8. Angria王. 国 との訣別. & accomplished Girl― 一unspoilt by Flattery― unused tO cOmplilnent 一 unhackneyed in trite fashionable cOnventionalities― ―Fresh, nalve. & romantic, really romantic一 throwing her heart & soul into her. dreams, Longing only for an opportunity to do what she feels she cOuld do一 to die for somebody she LOves‐ 一‐that is, not actually to become a subject for the undertaker一 but to give up. heart,sOul,sensations to one adored Hero一 to lose lndepe3dent Existence in the perfect adoption Of her LOver's Being. . . .. ここには単調 で 平凡 な生活を嫌 い 冒険的 な恋 に憧れ る Carolineの 性 格 が 浮 き彫 りに されて い る。 このよ うに浅薄 とも言 え るほ どの ロマ ンヘ の夢 が強 調 され る CarOlineが ,そ の夢 の 具体 化 と して偶像視 して い る. ZamOrnaに. 心 身を委 ね る こ とは, 自然 な成 り行 きと思 え るよ うに描 かれて い る。最初 の 草稿 によ ると,第 一部 において,CarOlineは. Zamornaの も とを去 る前夜. ,. 彼 へ の愛 を告 白 して彼 の 冷淡 さに泣 くが,Zamornaも やがて泣 き悲 しむ彼女 を抱 きじめて慰 め る,と い うよ うにあ る程 度両者 の愛情 が確認 されて い る。. ,「 女性 が この世 の初 め以来果実を も ぎ取 った葡萄畑 で 2) 一 一経験 とい う葡萄畑 で 葡萄 を集 め る一人 」で あ り,「 熱情 と罪 と苦悩 」を そ して CarOlineは. 3). 経験す る こ とにな ろ うと付 け加 え られ てい る。 これ に対 し,書 き換 え られ た原稿 で は,そ の情景 はず っと簡 略 に扱 われ る のみで な く , Carolineは 別 れ に当 っての. Zamornaの 冷 た さを悲 じむ だ け. で ,愛 情 の告 白は しな い。 そ して彼 の言葉 によ って で はな く,声 の調子 によ って ,彼 か ら子 供扱 い されて い な い との確信 を得 て心 を安 め る。最初 の草稿 におけるよ うに,最 初 の別 れ の段 階 で 両者 の愛情 を確認 させ る こ とな く, こ の よ うに曖昧 に してお いた方 が,第 二 部 にお ける Carolineの の愛 を一層現実性 を帯 びた苦 しい ものに させてい る。 そ して 1)“ Appendix" to Fゴ υ. `ハ. s,p.364(ん ′ ι わυθ `″. グ.,p.363 (Lageπ ″S Cr Aπ grグ α,p.259)。 2)∬ らグ. 3)勲 りJ乙 ,p.364. ″Sρノ (Lθ gθ η. 五πgrグ α.p.260)。. `g`π. Zamornaへ. ZamOrnaが 自. グSげ 4η grグ α,p.200)。.
(11) ゴθ9. 和 知 誠 之 助. 分 の養育 して い る無垢 な少女 を愛 す るとい う非現実性 か らも脱 し得 てい る。 愛 を夢見 る愚かな少女 に過 ぎなか った Carolineも. ,第 二 部 において は急. 速 な成熟 を す る。 華 やかなパ リーで の社交界 で の 四 カ月 の経験 は,「 周囲 の華 1). 一 や か な 上 流 社 会 で 行 な わ れ て い る こ と へ の 軽 蔑 」 を 彼 女 に 感 じ させ る 。 一 一 . . 。 she. changed fast in the AtmOsphere of Paris一 She saw. quickly intO many things that were dark tO her befOreo She learnt life(■. unlearnt inuch ictiOn ... 。she. wOndered at her Own rawness. when she discOvered the difference between the wOrld's reality &. her childh00d rOmance一 She had a way Of thinking to herself & of corrlparing what she saw with what she ilnaginedo by dint. Of shrewd Observation she made discOveries concerning men & things which sO]metilnes astounded her, d` she got hold Of b00ks. which helped her in the pursuit of knOwledge一 she lost her simplicity by this means & she grew knowing & in a sense 2). renective .... 鋭 い観察力 と書物 の助 け によ って「人生 を知 り多 くの虚構 を捨 て るJ. CarO‐. lineの すが たは , この時期 にお け る Char10tte自 身 の すが たで もあ るが. ,. Carolineの 最 も大 きな発見 は , Zam ornaが 少女 の夢 で ひ と り思 い 描 いて いた完全無欠 な男 で はな く, 他 の人以上 に放埓 な悪 い 男 で あ ること ,. Mina. Lauryを 情婦 と してお り,王 妃 の Maryを も絶 えず苦 しめて い ると聞か され た こ とで あ る。 この 時 の彼女 の感 情 は,“ nOt exactly painful,they were 3). strange,new&startling"と 記 されてい る。 それ に も拘 らず “sumciently 4). romantic,wilful&infatuated"な Car01ineは ,ZamOrnaへ の思 慕 を さ らに募 らせ て行 き,彼 の誘 惑 に身を任 ね ることにな る。. Kathleen Til10tsOnは ,Carolineが ZamOrnaに 抵抗 しない と ころに. ,. r4π g″・ α グ. グ.,p.320 1)∬ みグ. (Lι gク π″S. り. グ.,p.319 2)fみ グ. (Lθ g`π 法. げ 4η grグ α,pp.263-264).. グ.,p.323. 3)fら グ. 4)乃 グ″,p.338.. ,p.264)..
(12) Angria王 国 との訣別. ゴゴθ. 「貴族 的な混乱 した熱情 および作者 の経 験 か ら遠 い Angriaの 世界 の致命 的 1). な制約 」を見 て い る。 また Winifred G6rinは ,Car01ineの. Zamornaへ. の惑溺 は,Claire Clairmontが ByrOnを 追 いか けるほ どの嫌 らしさを感 じ させ ず,率 直 で感 動的 だ としなが らも, Charlotteの 後 の作品 に見 られ るよ うな劇 的な詩 の ペ イ ソス と強烈 さに欠 けてい ると論 じて い る一一 … .what wOuld constitute the whole difference between Jane Eyre. and CarOline Vernon, between Lucy Snowe and Mina Laury,would precisely lie in the later heroines' power of conscience to reject terrlptationo This it would be that wOuld invest inere■ ction with. the pathOs and intensity of poetry― of dramatic poetry one Hlight venture to addo But befOre such rareled heights could be attained Char10tte herself rhad a 10ng way to struggle up the thOrny path of life.. 2). Carolineに は Zamornaの 誘惑を退 ける良心 の 力が不足 して いた が , Jane. Eyreや Lucy Snoweに はそれ が あるが故 に. θ屁/θ Jα η. と. yグ JJι ″ι の. 「詩. の ペ イソス と強烈 さ」 が見 られ るとす る Winifred Gё rinの 説 は興 味深 い。 しか し Char10tteが Car01ineを して それ までの 作品 で 多 くの 女性 が. Zamornaの 誘 いに従 わせ た こ とは. ,. Zamornaに 魅 了 されて,盲 目的 に従 って行. ったの とは異 な って ,む しろ彼女 が Angriaの 世界 の 限界を感 じて それ に批 判 的 に な った こ とを示 して はいな いだ ろ うか の 何故 か と言 えば ,. Zamorna. は以 前 の よ うな絶対 的 な存在 で はな く, Car01ineも それを知 ってお り, 以 前 の作 品 に登 場す る女性 とは違 って, 自 らの 強 い意志 と感情 を持 つ 女性 で あ るか らで あ る。最初 の草 稿 において も Angria物 語 にお け る白昼夢 の空 しい 愚か しさに批判 の 矢 が向け られ て い るが,Carolineの. Zamornaへ の盲 目的. な傾斜 は,あ ま りに も Angria的 で あ り真実性 に乏 しい憾みが あ る こ とを. Char10ttcは 自覚 して,書 き換 えた に違 いないの. Sげ. ノ 1)Attο υι. 1卜. グ s, p. 272. ι ι ι η Fθ ″ι ′ んι 亜ジgん ′. fTん ど 2)Cん αrι οιιι B“ π′. _」. `Eυ. οJπ ι グ θπ6ノ G`η JZ`s,p.135.. ,. き換 え によ って彼女 は. ,.
(13) 和 知 誠 之 助. ゴゴゴ. Caroline自 身が Zamornaを 見 る目を変え る 経験 を積 む まで, 二 人 の 関係 の進展 を保 留 しよ うとしたので あ る。 しか も CarOlineは. ,他 に比 す べ き も のが ない絶対 的な存在 として 憧憬 を捧 げて いた Zamornaい ,そ のよ うな崇 拝 に価 しない男 で 多 くの欠点 に汚れ てい ると知 った後 で さえ も,彼 の声 に抵 抗 で きず に従 って行 く。 その 時 の Carolineは ,も はや. Zamornaに つ いて. の “illusiOns"に 惑 わ されて い る夢見 る少女 で はな く,「 世 の 中 の現 実 と子 供時代 の ロマ ンス との相違 」 を発見 した大人 で あ る。 これ は,そ れ までの. Angriaの 世界 に 見 られれ 愛 の あ りよ うで はな い 。. Char10tteは これ まで, 衝 動的な情 熱 に浮 か された愛 の さまざまな様 相 を. ,. ZamOrnaを め ぐる多 くの女性 に描 き続 けて来 たが , 作者 は ここではそ うし たいわ ば恋を恋 す る少女の観念 的な愛 や盲従 的な愛 で はな く,Char10tteと い う一 人 の女 の求 め る愛 の 真実 に鋭 い探究 の 目を向け始 めた と言 えないで あ ろ うか。勿論 CaFolineの あ り方 が Charlotteの 求 めた方 向 とい う訳 で はな く,む しろそれ は Charlotteに と って は危 険 な方 向で あ る。 それ はCarOline に とって は 自然 で あ るとして も,結 局破 滅を招来す る こ とを暗示す ること. ,. 換言すれ ば Angriaの `infernal wOrld'を 否定す ることによ って,Chttr10tte は 自 らの愛 の方 向を直接 的 にで はな く,逆 説 的 に表現 して い ると言 え る。 そ して. Zamornaの 魅 力 に抗 し切れ な い Car01ineに ,女 と して の悲 しさを に. じませ るとい う逆説 的表現 を す る, とい うその点 に,Char10tteの 真実 を ま さ ぐる苦 闘を見 ることがで きる。 愛 の 真実を探究す る Char10tteの 苦闘 は さまざまな形で 続 け られ る。 この Cα rθ Jグ 2zι. y″ ηθη の前 に書 かれ た C″ ι η』 αグ セ Zη. ける Elizabethは. ηgs(1839)に お ILsι グ. Williamの 誘 惑 を斥 けたが,そ れ は 及″ιttrθ にお け. る Janeが Rochesterの 誘 い を拒 絶す るの に通 じてい ることは,既 に見 た通 1)“. ...He is himself― a kind of Abttract lsolated Being一 一quite distinct from ι s,p.315;Lgι πグsqノ 五″grグ α ."(Fグ υ して J`′ ′ `ハ. aught beside under the sun e p. 253)。. ,ι. ,.
(14) Angria王 国 との訣別 1)妻 あ る男 また は夫 あ る女 との愛 の 問題 は ,Char10tte自 身 もや が りで あ る。. ゴゴ2. て 経 験 す る課 題 で あ る。 一 つ は彼 女 の ブ リユ ッセル 留 学 の時 の 師 Mo Heger に 対 す る愛 で あ り,他 は弟 Branwellの 彼 が家 庭 教 師 を して い た Robinson 夫 人 との 関係 で あ る。 この 作 が書 か れ て. 6年 あ ま り後 の 1845年 6月. に Branwellは Robinson家. で の 家 庭 教 師 の 職 を解 雇 され た。 それ は Mrso RObinsenと の 不 義 の 嫌 疑 を 受 け た た めで あ る。 そ れ に つ いて は 明 白な証 拠 は何 も発 見 され て い な い が そ れ に つ いて Charlotteは. Branwellに 絶 望 し彼 を許 そ うと しな か った. ,. 。. Winifred G6rinは これ に 関 して 次 の よ うに述 べ て い る一― . .. 。Had Branwell committed any other cardinal sin at that time. Charlotte might have fOund it in her heart to forgive hiln. But he had ignoHliniously yielded,so she judged,to the very temptation. it had been her Purgatory to resist. She had come thrOugh the purifying name too recently herself tO have much pitち. left for. thOse who, 1lke her brOther, had fallen by the wayside.. Charlotteは ブ リユ ッセ ル で の 留 学 を終 えて 帰 国 した後 も Mo Hegerへ の 思 慕 を抑 え切 る こ とが で きず ,彼 か らの 便 りの 得 られ な い こ と に 身 を切 る苦 しみ を 嘗 め な が ら,四 通 の 手 紙 に激 烈 な情 を書 き送 った こ とは よ く知 られ て い るが ,BranWellの 事 件 が起 きた 頃 は,彼 女 も よ うや く. M.Hegerへ の思. 慕 に 打 ち勝 った ば か りの時 で あ り,彼 女 は不 義 に 屈 した 弟 を 許 す こ とが で き な か った の だ ,と Winifred G6rinは 解 釈 して い る訳 で あ る。 Char10tteは. Angria的 愛 の あ り方 を既 に越 えて お り, た 。 そ れ に 反 して. BranWellは. 愛 の 倫 理 を現 実 の 中 に 直視 して い. い つ まで も. Angria的 世 界 に溺 れ て 現 実 に. 敗 退 して行 った こ とが ,Charlotteに 激 しい 苦 しみ を 与 え た ので あ ろ う。 彼 勿 論 清 教 主 義 的倫 理 観 を 容 易 に 指 摘 で き るが. 女 の こ う した生 き方 に は. ,. 1)拙 稿「 Char10tte. の最初 の「l lllli像 一一 Charlotte Brontё の Juvenilia(7)一 」. Brontё. 10写 甲南女ijr_大 学英文学 研究』,γ 」 ″ ″ θ ″ Jο ″ B“ ″ 2)Cttα ,p.296. (『. ^). ,.
(15) ゴゴ3. 和 知 誠 之 助. Emily BrOntё の純粋 な烈 しさと比 較 して, Char10tteの 愛 の概念が常識 的 で 現実 的 だ と して,簡 単 に低 く評価 す るだけで 済 まされ る で あ ろ う か 。. Emilyに つ いて は別 の機会 に考 えたいが,Charlotteに あ って も,生 きる こ と,愛 す ることは,彼 女 のよ うな情況 において は,い か に苦 しい ことで あ っ たか,彼 女 が その小 さな,あ ま り美 し くもな い容姿 に 引け 目を感 じなが らも. ,. 主婦 がわ りの長女 と しての責任 を身体 一 杯 に背負 って,懸 命 に小 さな魂を燃 焼 させ よ うと,い か に苦闘 したかを忘れて はな らな いので あ る。. Caroline Vernonは Char10tte Brontё 自身 で はな い。 しか し Charlotte の一 面 か も しれ な い。彼女 はその後 も Car01ineの よ うな少女 の運 命 に関心 を持 ち続 け,そ の分身 は ル πι二″ ι にお ける Ad61eと. して 再 び姿を現 わ. す こ とにな る。 パ リーの踊 り子 で あ った C61ine Varensと 遊蕩時代 のRoch‐. eSterと の間 に生 れ た Ad61eは. ,母 の死後 Rochester. は, この物語 の Carolineの 場合 と類似 してい る。 しか し. に 引 き取 られ る点. Janeか ら教 えを. 受 けるとい う違 い もあ って, 彼女 は Car01ineの よ うな破局 的 な運命を辿 る こ とはない。 そ して Rochesterに 誘 われ るのは養育 されてい る Ad61eで は な く Janeで あ る,と い うよ うに,Cα rο Jグ ηι И″ηθη にお け る情況が変化 さ せ られて い るのは意 味深 い。. “Farewell to Angria"(1839) 1838年 3月 に Miss W001erの 学校 での教 師生 活 をやめて. HawOrthに 帰. った時,Char10tteは 22才 に近 づ いて いた。この 頃 か らの彼女 の作品 にrealism の 傾 向が顕著 にな って来 た こ とは既 に見 て来 た通 りで あ る。 この年 1月 に書 かれ た νttα Lα πttyに おいて も,Angriaの 国 は イギ リス の風土を思 わせ る 背景 におかれ,雪 や嵐 が吹 き荒 れ る。背景 のみで な く作 中人物 に も変化 が見 られ,ZamOrnaや Percyな どの従来 の主 要人物 が精彩 を失 な うの に 引 き代 えて ,作 者 自身 や弟 の分身が登場す ることか らも明 らかなよ うに,Char10tte' は Angria的 な ものか ら次第 に遠 ざか りか けて いた。 これ は簡単 に言 えば. ,. Charlotte自 身 の 内部 にお ける,少 女的な夢 幻 の世界 へ の陶酔 か ら現実 の直.
(16) Angria王 国 との訣別. ゴノイ. 視 へ の 転 換 が 原 因 で あ る。 1841年 1月 に 彼 女 は 次 の よ うに 書 い て い る一一 。. . Once indced l was very poetical, when l was sixteen, seven‐. teen, eighteen tlnd nineteen yettrs old― 一butl. am. ■0、 v t wenty― four. approaching tⅥ renty■ ve一 and the intermediate years are those which begin to rOb life Of some of its superttuous colouring. At this age it is tilne that the ilnagination should be pruned and. trimmed一 that the judgment shOuld be cultivated一 and aノaυ at least, Of the countless illusions of early youth should be cleared l). awayo l have nOt written poetry for a 10ng while. 詩 を長 い 間書 いていない とい う こ とは一 つ の現象 に過 ぎない こ とは言 うま で もな い が,10才 代 を過 ぎ20才 代 の半 ばに達 しよ うとす る年令 にな って,少 女時代 の「無数 の幻想 の,少 な くとも少数 を払 いの けるべ き時」 だ との言葉 は,現 実 との冷静 な対 決 の 姿勢を示 してい る。 この よ うな いわ ば客観 的な姿 勢 は,1839年 の終 り頃 に書 かれ た と推定 され る “Farewell to Angria"に 香 り高 く表現 されて い る。 習作時代 の最後を印 づ ける この 断片 は,麻 薬 的夢 の 世 界 に長 く住 み続 け る こ との危 険を 自覚 した Charlotteの , 自 らの抑 えがた い 内的欲求 との苦闘の終結宣言 で あ ると同時 に,幻 想 と現実 との調和 ,想 像 2). 力 と現 実体験 との融合 を 目ざ した新 らしい局面 へ の 出発 の合 図 で もあ る。少 し長 い けれ ど も次 にその全 文 を訳 出 してみ よ う。 私 は今 まで に 多 くの本 を書 き,長 い 間同 じ人物 や情景 や題 材 に思 い をめ ぐらして きた。私 の風景 を,朝 ・昼 および夜一一 昇 る朝 日,正 午 の太陽 お よび 沈む夕 日の与 え る限 りの,多 様 な影 と光 の 中で 描 いて きた。冬 の 白 い 嵐 で 空気 を あふ れ させ た こ ともあ る。 ぶ なや樫 の木 の黒 い枝 は雪で浮彫 り され,低 地 の園や荒涼 と した地帯 の 山道 には雪 が降 りた ま った。 しか も森 に 囲 まれた邸宅 ,峡 谷 の あ る荒 野 も,夏 にな ると月 の光 でやわ らかな色 を帯 1)Letter to Henry Nussey,January ll,1841.. 2)HansOnは. char10tteの 決意 は恐 らく “the grOwing separation between herself. s by Lawrence&EoM.Hanson,1949, ″ and Branwell''(7ん θFο π″ B″ θ″″ と書 いて い るが ,こ れ は全 く当 らな い。. p. 75).
(17) 和 知 誠 之 助. ゴゴ5. び,と て も暖 か い 6月 の 夜 には,樹 々の こず え には葉 が茂 り花 々で赤 く染 ま った空地 に群 が った。人物 につ いて も同 じで あ る。私 の読者 たちは一群 の面 だちを見 慣 れて き,横 顔 を見 た り真 工 面 か ら見 た り,輪 郭 だけの こ と もあ り,描 き終 え られ たのを見 た こ と もあ る。思考 や感 情 や気 質 や年令 で 異 な るだ けで あ り,愛 に照 らされ た り,熱 情 で紅潮 した り,苦 悩 でか げ った り,悦 惚 で 燃 え る こ ともあ る。 沈思 や 笑 い さざめ きの中で,悲 哀 や 軽蔑 や 狂喜 の 中で,ま た包 み隠 しのない幼時 ,美 し く豊 かな青春 ,力 あふ れ る成 人 や,深 い級 を刻み思 いに耽 る老 年 の 目鼻立 ちを見 て来 た一一 しか し私 た ちは変わ らな くて はな らない。何故 な らば,そ れ ほ ど繰 り返 され た今 は. ,. す っか り見 慣 れ た情 景 に 目が疲 れたか らで あ る。 しか し読 者 よ,あ ま り急 が せ ないで 下 さい。私 の想像力か ら,あ れ ほ ど 長 い 間一 杯 にな って いた人 物像 を追 い 払 うのは容易 で はな い。 それ らは私 の 友で あ り親 しい知人 で あ ったので,昼 間私 の思 いを 占め,夜 は不思議 に も夢 の 中 に まで忍 び込 んで来 た人 々の顔 や声 や 行動 を描 き出す の には,ほ とん ど苦 労 もい らな いほ どで あ る。 これ らか ら去れ ば,ま るでわが家 の戸 口に立 って家 族 に別 れを告 げ て い るよ うな感 じが す る。新 らしい住人 を思 い浮 か べ よ うとす ると,ま るで遠 い国 に入 り込 んで ,ど の顔 も性格 も知 らな いので,よ く調 べ ない と理 解 で きず,大 いに手腕 を要 す るよ うな感 じが す る。 それで も私 はあ ま りに長 く住 み つ いていた あの燃 え る風土一一 空 は赤 く照 り映 え一― 真赤 な夕焼 け にいつ も燃 え る風土一一 か ら暫 らくの間立 ち 去 ろ うと願 って い る。一一 そ うすれ ば,心 は興奮 か ら醒 め,灰 色 におだや か に夜 が明 け る新 らしい一 日も,少 な くともひ と時 は雲 のために和 らげ ら れ るよ うな,冷 たい地域 に 向 きを変え よ う。. Char10tteが 弟 や妹 た ち以外 の誰 に も明 か そ うと しなか った 」uveniliaの 秘密を解明 す る もの と して,185行 の韻文 と350語 の 散文 とで綴 られ た “We. WOve a Web in Childh00d"(December,1835)は 非 常 に貴重 な資料 で あ るが, この「 ア ング リアヘ の訣別」 も Charlotteの 資質 の展 開を見 る上 で重.
(18) Angria王 国との訣別. ゴゴδ 要 な も の で あ る。. Char10tteは Angriaへ の訣別 の辞 を書 い た。 しか し F.E.Ratchfordも 1). 指摘 してい るよ うに, ロマ ンヘ の夢 が彼女か ら完全 に消滅 したわ けで はない。 それか ら 3年 あ ま り後 ,彼 女が ブ リユ ッセル に留学 して `The black Swan,. Mo Heger'の 下 で 教 師 と しての資格 を得 るために勉学 に努 めてい る時,故 郷 の Branwellに あ てた便 りの 中 に も, 次 の よ うに Angriaの 世界 が狂 お し く蘇 って くる苦 しみを書 き送 ってい る一一 It is a curious rrletaphysical fact that alwayS in the evening when l aΠ l in the great dormitory alone,having no other company. than a number of beds with white curtains, I always recur as e」 d deが '山 e dd L∝ and tte dd ev∝ hn江. 回けが. ゎ山. 勁. scenes in the world be10w. `the world below'に 対す る この 断 ち切 りがた い愛着 は,Charlotteの 一 生 を通 じて離 れなか った。 しか し ここで 注意す べ き こ とは,Angria的 夢想 の世界 が いつ も蘇 って くると表現 して い る こ とは,そ れ へ の烈 しい愛着 の大 きさを語 る こ とによ って,そ れを断 ち切 る困難 の大 きさを も暗示 してい る こ とで あ る。 換言すれ ば,Angria的 世界 に長 い 間 ロマ ンの夢 を駆 けめ ぐらせ た後 ,そ れを敢然 と拒否 しよ うとす る こ とは,一 層高 い世界 へ 飛翔 しよ うと の意 図が強 く墨調 とな って い るが,彼 女 はそれが決 して容 易 な ものでない こ 3). とを 感 じ て い た の で あ る。 Charlotteが 後 に 達 した 世 界 は. Angriaと. は異 な. ′ グんοοグ,p.150 and “IntrOducticn" to Lcg`″ グs s'WCら げ Cん グ ″ 1)Cfo Tん ιBπ)π ″ 「 Aπ grグ α,p.xlii. 可 2)Letter to Branwell Brontё ,May l,1843. 3)Earl A.Kniesは F.E.Ratchfordが この “Farewell"を Charlotteの 生涯 の一里 程 標 と してあ ま り真剣 に取 って はな らな い と述 べ た語 を 引用 した後 ,次 のよ うに付 What NIliss Ratchford does not note,however,is that although け力日えて い る一――“. the iuVenile productions had provided invaluable experience, they had also helped to develop annoying mannerisms that became even more obvious when 「 Cん α″Jο ″ ″ ι B“ η′ ″ taken out of their exotic setting."(Tん ` 4″ ′ り ,Ohio これ は Char10tteが 脱 しよ うと した ものの一 面 を University Press,1969,p.88)。 説 明 した ものであ る。.
(19) 和 知誠 之 助. んげ. った世界 であ る。 しか しそれ は Angriaを あ る面 で 否定 し,そ れ とは対照 的 な世界 へ 揺れ動 き,究 極 的 には両者 を融合 させ る こ とによ って達成 され た世 界 で あ る。 それ故 ,Angriaに 訣別 を告 げ た こ とは,Char10tteが その後 の 作 品 において Angria的 世界 を全 面 的 に捨 て去 った こ とを意味す るので は決 してない。 Winifred G6rinも. ``...the ghOst Of ZamOrna haunts the. l). pages of Currer Bell."と 述 べ てい るが,Charlotteの Juveniliaと その後 の作 品 とは一 見 相反す る ものの よ うに見 えなが らも,根 底 において は連 続 し てい る。 ただ Juveniliaに 見 られ る熱狂 性 ・ 陶酔性 は一 度 は否 定 され ねばな らなか った。 それ によ って初 めて Juveniliaに 内在 す る観察力 ・洞察力 が. ,. 深 く多様 な経験 と鋭 い知性 とによ って,客 観性 を帯 び深化 されて,真 の想 像 力 と して 実を結ぶ こ とがで きたので あ る。. Angria物 語 の ZamOrnaを 知 ることによ って,Rochesterゃ Paul Eman“ uelに つい ての理 解 が深め られ ることは否定 で きない。 しか し Rochesterも. Paul Emanuelも 決 して Zamornaそ の もので はない。 Caroline Vernon も Ad61e Varensと 同一 で はな く,Elizabeth Hastingsも Jane Eyreと は異 な って い る。 そ こに は Charlotteの その後 の種 々の経験 を通 じての人 間 的成熟 が働 いてい る こ とは論を またな い。 その成長 の一 つ の大 きな 印が ここ に見 られ るので あ る。 Angria物 語 に見 られ る “the wOrld below",あ るい は “the infernal wOrld"へ の麻 薬 的陶酔 は,弟 の Branwellに も見 られ た。 しか し彼 はそれを 客観視す ることが いつ まで もで きず,別 れを告 げ る こ とを 為 し得 なか ったために,転 落 の道を ころ び落 ちた。 Char10tteは 弟 とは違 っ て,そ れを直 視 して別 れを告 げ るべ きだ と決意で きた と こ ろに,彼 女 の新 た な高 い世界 へ の飛躍 が約束 され たので あ る。 1827年 11才 の 時か ら1839年 23才 の 時 まで ,12年 に及 ぶ Char10tteの Angria の世界 での夢想 は,彼 女 の人 間 と して と同時 に,作 家 と しての成長 の 跡を辿 る 上で極 めて大 きな意 義を もってい る。 そ して,そ れ に決然 と訣別 を告 げた こ ともま こ とに重 要 で あ った。 Char10tteは この決意 に従 って その後数年 間 1)“General lntrOductiOn"tO Fグ υι Noυ ιJθ ′ ιs, ′. p. 21.. ,.
(20) Angria王 国との訣別. ゴゴ8. すなわち 1840年 か らブル ュ ッセル より帰国す る 1844年 まで何 も書 いていな い。何 も書 いていない,と 言 うより書 いた ものを残 して いないと言 った方が 正 しい。MrS.Gaskellは ■秘. Lグル. ″に次のよ うに述 ι ″ι θ&″ θ げ Cん α″Jο ′. べ ている。. During this winter(io e.1840)Char10tte employed her leisure hOurs in writing a storyo Some fragments of the manuscript yet remain, but it is in too small a hand to be read without great. fatigue tO the eyes; and One cares the less to read it as she herself condemned it, in the preface tO `「. Fhe ProfessOr/ by saying. that in this story she had got over such taste as she nlight once. have had for the`Ornamental and redundunt in composition。 ' The beginning,too,as she acknowledges, was on a scale comrrlensurate with one Of Richardson's novels, of seven or eight volurnes. I gather some of these particulars from a copy of a letter apparently. in reply to one from Wordsworth, to whom she had sent the l) cOmmencement of the story, SOme tilne in the suΠ. Hner of 1840.. ここで Mrs.Gaskellは , Char10tteが その物語 の最初 の 部分を Words¨. worthに 送 った と書 いてい るが, それ は間違 いで Hartley Coleridgeに 送 2). った とす るのが 正 しい。 この手紙 は 1840年 6月 に 書 かれた もので あ るが. ,. Charlotteが H.COleridgeに 送 った物語 の断片 は,そ の後 C.W.Hatield 3). によ って 発表 された。 その 断片 には Alexander Percyと その 娘 MiSS Percy や MisS ThOrntonな ど, Angria物 語で よ く登 場す る人物 の ほか に,新 し く Arthur Ripley Westな どの名 も見 られ るが, 場面 はは っき りと イギ リ ″ ,Chap.IX,p.(Everyman's Library)。 1)Tん ιLゲιqF Cん α″Jο ″`Bη ″ι. 2),3)Co W.Hatield,“ Charlotte Brontё and Hartley Caleridge, 1840''(B″ ηι″ グ Oη S,Part L,No。 l of Volo X,pp.15-24)な お この 手紙 の終 ″ Sο ″ ″ T2π Sα ε りの署名 “C.T。 "が `Charles Thunder'を 意味す る と Mrs.Gaskellは 述 べ て い る が , これ は Char10tteが 彼女 の 作 品 の 作者 と して 当時 よ く 用 いて いた `Charles. Townshend'の 略 と考 え る方 が適 当 であ ろ う。.
(21) 九. 和 知誠 之 助. ". ス の YOrkshireに 置 かれて いて , Charlotteの 方 向転換 の意 図 が 明 白で あ る。 しか し彼女 は,Ho Coleridgeの 忠告 もあ って,そ の後 の成熟を待 つ こ と に して,こ の物語 を書 き続 け る こ とをや めた。 H.Coleridgeへ の返事 の 中 の 次 の言葉 が それを語 って い る一―. The idea of applying to a regular novel publisher, and secing Mr.West and Mr.Percy at full length, in threc v01ulnes, is very. tempting, but l think On the whOle, from what you say, I had better 10ck up this precious manuscript, wait patiently till l meet. with so]me rich Maecenas whO shall discern and encOurage my rising talent. ... l). これ は この 断片 が彼女 の 目指 した新 たな方 向を満足 させ るもので はなか っ たか らで あ る 。 Gπ θJグ ηθyθ rη θη の 冒頭 において も,既 に述 べ たよ うに. ,. 彼 女 は新 らしい ものが思 いつ くまで は,た とえ何 年経 と うとも再 び筆 を 取 る まい との決意 に も拘 らず また筆 を取 った と述 べ てい る。 そ して その物語 は. ,. 作 中人物を客観 的 に観察 し深 い洞察力を もって描 出 して い る点 か らも,確 か に以前 の Angria物 語 とは大 いに趣を異 に した もので あ った。 それ は静かな 調子 で 始 め られ ,乾 草畑 で 働 いて い る. ZamOrnaの 姿を描 くな ど,情 景 や人. 物 も,従 来 の Angria物 語 の華麗 な王侯 貴族 の世界 か ら日常的な ものに向け られて い る。 しか し物語 が進む につ れて LOuisa Vernonの 狂気 じみた錯乱 が描 かれた り ,. ZamOrnaも そ の悪魔 的性格 を露 わ に して行 き,そ れ に批 判. 的姿勢 が見 られて はい るが, Charlotteは 例 の ご と く,狂 熱 的な もの に魅 か れ るの を避 け得 なか った。 そ して結局 この作 も Angria的 世界 か ら脱皮 しよ うと した彼女 の意 向を裏 切 るもの に終 ったので あ るが,. H.Coleridgeに 送. った物語 も同様 に彼女 の新 たな意 向 に添 うもので なか った ので あ る。. Thackerayの アα″り fb″ を読 んで心を 打 たれ 彼 の偉大 さを WoS.Williamsに 書 き送 った手紙 の一 節 は,彼 女が小説 の創 1846年 Char10tteが. グ.,p.17. 1)∬ みグ. ,.
(22) Ang五 a王 国との訣別. ゴ2θ. 造 に お い て 何 を 目指 して い た か を 端 的 に 示 して い る 一 ..。. The mOre・ I read Thackeray's works the more certain l am. that he stands alone一 alone in his sagacity, alone in his truth, a10ne in his feeling (hiS feeling, though he makes no noise about it, is about the most genuine that ever lived on a printed page), alone in his power, alone in his silnplicity, alone in his self‐ control. 。. . んθ borrows. nothing frOm fever, his is never the. energy of delirium― 一his energy is sage energy, deliberate energy, thOughtful. energy. . . . Forcible, exciting. in its. force,. still. mOre irnpressive than exciting, carrying on the interest of the as quiet. narrative in a■ ow,deep, full, resistless, it is still quiet一. as renection, as quiet as memory; and to me there are parts of it that sound as solemn as an oracle. Thackeray is never borne l). away by hiS Own ardOur― he has it under control。. . 。.. 2). Kathleen TiHotsonも 指摘 して い るよ うに , Char10tteが. _上. の 一節 で. Thackerayの 秀れ た点 と して挙 げ た `truth'や `genuine feeling'や. `power'. や `energy'は ,Charlotte自 身 も共 有 して いた。 しか し彼女 は `Self‐ control' や `quiet'な もの には欠 けていた。 彼女 は `fever'か ら何 も借 りる こ とな く ,. 彼女 の もつ `energy'を `the energy of delirium'で な く,6sage energy,. deliberate energy,thoughtful energy'に. しなけれ ばな らな い。 自 らの. `ardOur'に 運 び去 られ る ことな く `COntr01'し な けれ ばな らな い。 Char10tte. の この 自 らへ の 警告 が ,. ThaCkeray へ の この讃辞 とな った ので あ るが. ,. 彼女 の この よ うな小説観 が, Cα rθ Jグ ηι ソフrη θη において方 向転換 を させ. ,. H.Coleridgeに 批判 を乞 うため送 った物語 を書 き続 ける こ とを断念 させ ,つ いに Angriaへ の 訣別を告 げ させ たので あ る。. Charlotteは この よ うに 自 らに大 きな試錬を課 したが,そ れを越 え るには 苦難 にみ ちた長 い年月 が必要 で あ った。 この Angriaへ の 訣別 の辞 は,そ の 1)Letter to W.So Williams,March 29,1848. Jι s,p.262. ′ ι ‐ Fο ″ Eグ gん ″. 2)'ウ υιJSげ. `″.
(23) 和 知誠 之 助. ゴ2ゴ. ー つ の道 程 で あ り,彼 女 の 自 己発見 の前提 条件で あ った。 この 自己宣言 のあ と彼女 は新 たな方 向へ 苦 しい模索 を続 け,そ の後数年 間 の空 白 に堪 えて行 き. ,. 次第 にその資質 を十分 に発揮す る成熟 さを得 るに至 るので あ る。 その 間学校 経 営 の計画 ,ブ リユ ッセル ヘ の留学 ,学 校設 立 計画 の挫折 な ど,外 的 に も多 様 な経験を苦 しむ こ とにな るが,Angria物 語 におけ るとは正反対 に “plain l). and hOmely"な ものを 目指 した ■物 Pr9ル SSθ rに よる再 出発 ,お よびそ れが認 め られ な い こ とによる Jα ηι二/ι. へ の方 向転換 と成功 ,さ らにその. 後 の成熟 につ いて は,ま た稿を改 めなけれ ばな らな い。. SSο ″ 1)“ Author's Preface"in Tん ιP″ ι 。 √ι.
(24) ゴ22. Angria王 国との訣別. SELECT BIBLIOGRAPHY A.Prlmary Sources l.Lage″ ′sげ 五″g″ グ αo CoHlpiled by Fannie Eo Ratchford with the c01labOratiOn of winiam clyde DeVane.Yale University Press,1933. 2. Fグ υιNoυ ι ι s. By Char10tte Brontё . Transcribed from the Ofiginal lnanuscript ι′ ′ ノ. and edited by Winifred G6rin.The Folio Press, 1971.. 3.Tん ι ハイJsε. Jα `′. η αs απご びπpπ らJJs/2ι ご 7rJι づ ηgs aF Cん α″Jο ι ι ι απグ Pα ′ ″グ ε々 `ο. Brα π ι Jノ Bπ )η ι ど (The. “. 4.Tん ιPο. `2s,rCん. shakespeare Head BrOntё ),2 vols.,1938。. εたBrα πω α″ Jο ″ た Bπ )η ′ ″αηご Pα ″グ. `JJ B″. speare Head BrOntё ),1934. 5.Tん θ B″ ο″ι S:Tん θグ ″ニグ υ ″. `s,F′. ´ ps c cο ″″spο ″ ′ グ ι ″グsん グ zε `ル. ο″ι ″ (The shake_. `(The Shakespeare. Head Brontё ),4 vols。 ,1932. 6.Tん οπι ∫:Lク セ αηグ Lι ′ ι s.By Clement Shorter(First published 19o8; ″. `B″. `″. Haskell HOuse Publishers Ltd.,New York),1969。 Bo Secondary Sources l.Gaskell,Mrs。. ,7ル Lゲ ιグ. ι B“ ηι Jο ι ″ Cん α″ ″ .. ′ ιB″ ο72ι ″: Jο ι 2. GOrin, Winifred,Cん α″. `「. んιEυ οJπ ′ ο22 グ. 3.Hanson,Lawrence and Eo NI。 , Tん ιFο z″. 9√ G`η グ πs. oxfOrd, 1967。. B“ ″′″s.Oxford University Press,. 1949.. ″ 。Ohio Un市 ersity Press,1969. 4.Knies,Earl A.,Tん ι五″ιQF Cん α″Jο ″ιBη ″′ )π ι s'Wcら ″ ′ どんοο ご.c01umbia University 5。 Ratchford,Fannie E。 ,7ん げ Cん グ. `Bπ. Press,1941.. 6.Tillotson,Kathleen,ハ. bυ ι Js 6ノ. ι ′ んιEグ gん ι `η. _Fο ・ ′″ グ ι s.Oxford,1954。.
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