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大脳誘発電位(SEP, VEP, AEP)に対する過呼吸の作用

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(1)

四国医誌 45巻1号 99 ~901 FEBRUARY ,52 8991 (平)01 99

原 著

大脳誘発電位(

SEP

VEP

AEP

)に対する過呼吸の作用

苅 舎 健 治 , 中 山

浩 , 兼 田 康 宏 , 生 田 琢 己 , 香 川 公 一

徳島大学医学部神経精神医学教室(主任:生田琢己教授)

(平成9年11 月82 日受付)

健常成人男性46 名および女性99 名の計361 名を対象と して, 3分間のHVnoitalitnevrepyh( )負荷の前後で, EPs P,SE( VEP およびAEP )を脳波とともに同時並 行記録し,それらの差異を統計的に検討し,以下の結論

を得た。

1 HV 後,振幅では各EPs ともに有意な増大が多く, 潜時ではVEP で男女ともに有意な延長を, SEP, AEP

では男女で異なった変化が認められたことより, HV 後 には,主に反跳性の脳血流量の増加にともなう神経活動 充進が生じているものと推測された。 VEP ではSEP や AEP に比べ,何らかの理由により, HV 中の低02 状態、 による影響からの回復が遅延しているものとして理解さ れた。また,女性よりも男性の方がHV による影響から の回復が遅いものと推測された。 2 EPs を脳波とともに記録する場合, HV 前のみの 記録が妥当であると考えられた。 当教室ではEPs (大脳誘発電位) (SEP (体性感覚誘 発電位), VEP (視覚性誘発電位)およびAEP (聴覚性 誘発電位))を脳波とともに同時並行記録するシステム を開発し,それによって脳波記録の聞にEPs も記録し ている。脳波記録においては,過呼吸(以下, HV )は, 最も一般的な異常脳波賦活法であり,脳波検査には,ほ とんど併用されている。実際上, EPs を脳波とともに記 録する場合, HV の前と後の

2

回記録する必要があるの か,あるいは, 1回のみ記録するとすればHV の前と後 のどちらの記録が妥当であるのかを判断するために,今 回,健常成人を対象にして本研究を行った。 研究対象 被験者は,医学生,看護学生などの健常成人の男性

4

6

名と女性99 名,計361 名であった。 被験者の年齢,身長,体重は,男性では20 ~34 ±8.42( 2 . 7)歳, 0.591 ~06.81 ±6.07(16.3) cm, .045 ~.095 ( 6 6 . 1 ±9.1) kg であり,女性では91 ~36 (.12 6±2. )6 歳, 06.41 ~172.0(l57.6±4.9)cm, 0.93 ~.56 0 (.15 ±0 5 . 2) kg であった。全員,脳器質疾患,精神病,てんか んの既往はなく向精神薬の使用歴もなく,正常脳波で あった。男性の4名,女性の4名は左利きであった。 研究方法 1 EPs および脳波の記録方法 各被験者の頭皮上に200-1 国際電極法に準拠して記録 電極を装着した後, 42 ~25 ℃に保たれたシールドルーム 中の記録用椅子に仰臥させ,静臥閉眼状態でSEP, VEP およびAEP を含む脳波を記録した。記録は, 3分間の HV の前と後の

2

回行った。 SEP 記録には,パルス幅. 5msec0 の矩形波で右手根 部で経皮的に右正中神経を電気刺激し,記録誘導は刺激 対側の頭頂より6.5cm 左 側 に 位 置 す る 傍 矢 状 線 上 で 2cm 後 方 のC3 ’と 5cm 前 方 のF3 ’を結ぶC3 ’→ F3 ’1)を第l誘導とし, C3 ’→A 1+22 )を第4誘導と した。 VEP 記録には, . 60eluoj のnergye の単発閃光を 開眼した被験者の両眼験上へ30cm の距離から照射し, 第2誘導(01 →A 1 + 2 )3 ),第5誘導(0 1→3z)C )か ら記録した。 AEP 記録には,音刺激装置からのllOdBSL の単発kcilc 音を 1対のスビーカーを介して80cm の距 離から両耳に同時に与え,第3誘導(Cz →A 1

+

2 ')4) 第6誘導(Cz →T 5 4 l) から記録した。電気刺激の1秒 後に光刺激,その2秒後に音刺激,さらにその2秒後に 次の電気刺激を与えるサイクルを繰り返し,記録中の被 験者の意識状態を脳波により監視しながら SEP, VEP およびAEP を含む脳波を同時並行して記録した。 前記,第

1

6

記録誘導からの各誘発電位を含む脳波 を増幅器AB-622M (日本光電)を用いて,時定数. 10,ces 高域フィルターlOOHz で hum 除去機構は作働させず に増幅し,それぞれ電気刺激,閃光刺激および音刺激に 対応するreggirt eslup とともにデータレコーダRX-50

(2)

1 0 0

L (TEAC )で録磁した 。

2

データ処理方法

SEP, VEP お よ びAEP を 含 む 脳 波 を そ れ ぞ れ の t r i g g e r selup によって再生しながら,加算平均装置 (ATAC -2,01 srsedda4201 ×2 2tib0 )で,解析時間4021 msec にて001 回加算平均して個々のSEP, VEP および AEP を記録し, PANAFACOM U-1100 によってlatigid d a t a としてフロッビーディスクに録磁し,後で汎用コ ンピュータ等で処理した。個々のSEP,VEP およびAEP の波形はすべて,記録機器系の状態を含む脳外の諸条件 による基線の偏りや傾斜を最小二乗法により基線からの 各瞬時値の

2

乗和が最小になるように修正された 。 2 ・ 1 各被験者のEPs についてのcomponent sisylana 2 ・1 ・1 各被験者のEPs の各成分の特定

HV 前および後のSEP, VEP およびAEP について, 男女別,誘導別にそれぞれ群平均SEP VEP およびAEP を求め,視察によりその成分を特定した。次いで,各被

験者のSEP, VEP およびAEP について,それぞれ対

応する群平均SEP, VEP およびAEP を基準として,

各成分を視察により特定して そのデータを記録した。

2 ・1 ・2 各被験者のEPs の各成分の検討 各被験者のSEP, VEP およびAEP について compo-n

e n

t sisylana を行い, SEP, VEP およびAEP の各成分

の潜時および隣接する頂点間振幅のHV 前と後の計測値

の差について,()deriap t-検定を行った。また, HV 後

計測値のHV 前計測値に対する比(%)の平均を求めた 。

2

2

脳波のデータ処理

脳波解析は, SEP, VEP およびAEP 各々の記録誘導

と対応する第

l

~第

6

誘導から磁気テープに録磁された 脳波を,コンピュータ Dell333s/L ,脳波解析プログラ ムQP-130B “RHYTHM ”を使用し A/D 変換すると ともにFFT (高速フーリエ変換)法を用いて周波数分 析を行った。サンプリングレートz,28H1 ntio2p15 で各 4秒間の8エポック(32 秒)について0.25Hz 刻みに周 波数分析を行い,絶対パワー値を算出した。次に周波数 帯域は, 2.0Hz から.03 OHz までを分割して.0(28 ~3.75 Hz ),。(. 04 ~.7 75Hz ,) α1 (.8 0~.9 75Hz ,) α2 (0.01 ~.21 z),H57 ~ 1 (.31 0~.91 ),5Hz7 ~ 2 (.02 0~0.03 Hz )の6帯域とし,各帯域別にパワー百分率を求めた。 さらに男女別に,各記録誘導別に周波数帯域別パワー百 分率のHV 前と後の値の差について,()deriap t-検定 を行った。 また,各周波数帯域のHV 後パワー百分率の HV 前パワー百分率に対する比の平均を求めた。 苅 舎 健 治 他 研究結果 1 各被験者の EPs のHV 前後での比較 1 ・1 各被験者のSEP 各被験者のSEP の波形は 男女ともにHV 前後で類 似しており,第l,第4誘導で最大陽性峰P3 あるいは P6 ,最大陰性峰N

I

あるいはN3,N6 を含む概ね6~ 7相性の輪郭を呈し,概ねP lからN lの成分を特定で きた 。 (図1 ) 1 ・1 ・1 各被験者のSEP の潜時の変化 男性では,第l誘導でN6 が有意に短縮したのをはじ め, P6, P7, NS で短縮したが,その他の成分は, 変化を認めないか

P l

など

8

成分で有意な延長も含め 延長した。第4誘導では, N3, N6 での有意な短縮を はじめ, 4成分で短縮し,有意に延長したN5, NS を はじめ,

6

成分で延長した。(表

1 )

女性では,第l誘導で, P 1, N 1は有意に延長し, P

3

,

N4, P5 でも延長したが,その他の成分は変化を 認めないか短縮した。第

4

誘導では, N6, P7 で有意 に短縮し, N3, P4, P5, P6 でも短縮した。その他 の01 成分は変化を認めないか延長した 。(表 2) 1 ・ 1 ・2 各被験者のSEP の隣接する頂点間振幅の 変化 男性では,第1誘導で, P3-N3, P6-N6 で減少し た以外31頂点間振幅で増大し, P 5 -N 5など6頂点間振 幅は有意に増大した。第 4 誘導では,有意に減少した P 6 -N6 をはじめ, P3-N3, N5-P6 は減少したが, それ以外の21 頂 点 間 振 幅 は 増 大 し 特 にN6 -P7 など 8頂点間振幅は有意に増大した口 (表 3) 女性では,第1誘導で,有意に減少したP3 -N3 を はじめN5 『P6, P6 ”N6 で減少したが,その他の頂 点間振幅は増大し P2 -N2 など9頂点間振幅は有意に 増大した。第4誘導での変化は第1誘導のそれに類似し P3-N3, P6-N6 は有意に減少し, N3-P4, NS-P

6

でも減少したが,その他の頂点間振幅では増大し,

P

2 -N2 など6頂点間振幅は有意に増大した 。 (表4) 1 ・2 各被験者のVEP 各被験者のVEP の波形は 男女ともにHV 前後で類 似しており,第2,第5誘導で最大陽性峰P5 あるいは P6 ,最大陰性峰N3 あるいはN7 を含む概ね4相性あ るいは

6

7

相性の輪郭を呈し 概ね

P l

からNS の成 分を特定できた 。 (図 2)

(3)

1

0

1

各被験者のVEP の潜時の変化 男性では,第2誘導で,変化を認めなかったN7以外 の51成分すべてで延長し,特にPl など 8成分は有意に 延長した。第5誘導では,変化を認めなかったP4 など 3成分以外の成分で延長し,特にP3など7成分は,有 意に延長した。(表1 ) 女性では.,第

2

誘導で,

P l

~N8の61成.分すべてが 延長し, P lなど41成分は有意に延長した。第5誘導で は, P6で変化を認めなかった以外51成分で延長し, P 1 など11成分は有意に延長した。(表 2) 各被験者のVEP の隣接する頂点間振幅の 1 ・ 2・1 } - } - a 闘 ” 目 晶 闘 ” ・

・ ” - 組 ” 一

t - at - aHu - - aa - - -

. . . .

- - - - aHu - - E 司 ψ - E 、 v ・ a

・ - 目

a - - - - aE .

, .

F ’ a 一 大脳誘発電位に対する過呼吸の作用 男女の各被験者のHV前後のSEP 3 0 D O 2 0 0 0 1 0 0 0 図l -2 0 0 0 変化 男性では,第

2

誘導で, 51頂点間振幅中,減少したの はN3 -P4 のみで,その他の41頂点間振幅は増大し, 特に, N l -P2 など4頂点間振幅は有意に増大した。第 5誘導では,有意に減少したP 5 -N 5を除く41頂点間 振幅は増大し,

N 1

2

P

-

など

7

頂点間振幅は有意に増大 した。(表 3) 女性では,第2誘導で, N3-P4, N4-P5 で減少し た以外31頂点間振幅で増大し N7-P8 など8頂点問振 幅は有意に増大した。第5誘導では, P7 -N7 は減少し たが,その他の頂点問振幅は増大し, Nl-P2, P2-N 2など6頂点問振幅は有意に増大した。(表4) l ・ 3 各被験者のAEP 各被験者のAEP の波形は 男女ともにHV前後で類 似しており,第 3,第 6誘導で最大陽性峰P5,最大陰 性峰N4 を含む概ね 6相性の輪郭を呈し,概ねPlから N8の成分を特定できた。(図3) 1・2・2 -3 0 0 0 l D O O N S E C 1 0 0 0 JW ) - , . L- - P ・ E.- ELE ’ 一 t

1 ・ aHWEa - - - - - - - - - - - - aHU ・ ” ‘ , - a . , aa 守 - aa - - 角 ・ ・ - aee ・ a - - - a e d w . 5 0 0 3 0 0 2 0 0 1 0 0 3 0 D O 2 0 0 0 -2 0 0 0 -3 0 0 0 0

m

第4誘導(C3’→A 1

+

2)から記録した代表的なl被験者のHV 前後のSEP 。(上図は男性,下図は女性)破線はHV前,実線は HV後。縦軸は基線からの振幅(50μV= 10872 )。横軸(時間軸) は対数目盛り 。 1 0 0 0

m

e

3 0 0 2 0 0 1 0 0 男性のP,SE VEP およびAEP の各成分潜時のHVによる変化 S E P V E P 1 1 1 2P 11哩 P3 311 P4 411 PS 511 6P 611 B E 13.01 .702 60.3 67.3 31.5 0.08 1.801 60.14 3.181 .9213 2.772 5.234 .7935 0.645 .3025 .5635 A F / B E I 010 105• 120 031

210 401

99 98u 99 001 001 99 B E 7 14.11 7 2.9 .36 .232 7 6.44 9.5 68.9 7 1.30.1 41.8 . 7 2521 3.07 9.935 .3339 .2440 37 .4 55 35.9 A F /BE I 001 010 99 001 101 69

89 101 010 *4*01 110 97

001 101 001 201

B E I 4 2.71 8 2.2 4 4.9 0 5.3 11. 8 1.17 0 1.40 0 1.32 .815 2 2.281 06 . 7 2 o 3.69 0 31.0 8 3.65 . 3 489 . 3 34 A F / B E I 141

8 11ou **601 201 *3*10 401

・・

101 201 301

101 310

101 201 001 210

・・

201 B E 7.111 .822 .628 .763 1.50 79.6 00 .3 11 .212 0.331 7.518 .9822 12.27 6 .4 330 .260 104.4 544.4 A F /BE I 081 301 301 201 501

・・

001 101• 110 010 001 301

・・

021

210 201

B E .9111 10.2 .231 .844 6.65 .680 12.9 .3061 9.751 372.2 3』5.6 4.540 .8746 .5055 5 .7 656 603. A F /EB I 510 201 201 101 001 99 010 101 69

・・

101 101 001 010 101 101 B E 10.41 .271 53.3 .244 .856 080. .590 .0071 7.171 79.02 3.338 .8401 .6649 12.85 1.165 2.461 A F /EB I 310 301 031 201 201 101 210 99 94u 010 104• 120 021

010 ..011 301

s 1 1 8 P 8 1 1 7 P 7 P l M5H 導 第14書導 第2銭 導

I l l錫 場 表1 A E P

961! 導 全男性被験者のP,SE VEP およびAEP の各記録誘導から記録された各成分のHV前の平均潜時()BE (msec )と, HV 後の計測値(AF)のHV前の計測値(BE)に対する比の平均値(%),およびその差の()deriap t-検定の結果(右添え の*印は,* : P<O. 0,5

*

*

:

P<O. 01。) ミ 一

f h

si

(4)

健 治 他 苅 舎 1 0 2 女性のSEP, VEP およびAEP の各成分潜時のHVによる変化 表2 S E P Y E P A E P 1 1 8 B E 12.51 .081 .228 .733 .443 771. 01.10 2 .0 131 2 .0 26 802. .2632 .4723 .1337 3 .3 434 29.8 35.53 A PEB/ I 108• 130

・・

99 001 101 001 001 201 210 99 99 010 010 99 99 99 B E I 23.1 .971 .923 .330 .841 664. .596 77.12 2.761 .8082 2.272 042.3 6.773 34.43 53.52 45.57 A PEB/ I 101 001 001 001 101 99 99 001 99 101 99 89

89

001 001 001 B E .7115 921. 928. 22.4 29.4 0.37 .2001 7.511 62.15 7.881 91.21 .8626 9 .1 329 6.42 5 .3 483 .330 A PBE/ I ll5•• 107

・・

041

・・

401

8 031

8 021

**021 410

・・

201

・・

101 101 102•• 1**20 101• 102•• 1**02 B E 815.1 41.2 29.2 76.3 68.4 68.6 07.9 l.7ll 0.531 l7.81 2.322 51.26 .7923 l2.43 .3803 .7174 -ー- ----ーーーーーーーーーー.ー.ー.ーーーーーーーー.ーーーー.・.ーーーーーーーーーーーー.・.ーー.ー. A P / B E I 321制 111

021 041

101 101 201帥 301

301帥 101 001 201

301

101

101

**210 B E .6111 9.19 .630 5.34 3.65 .580 3.91 83.10 .9641 67.26 6.931 86.37 0 .4 444 .479 .5455 .8985 A PE/B I 101 89 106•• 100 101• 99 99 101 102• 100 99

~

__

~ ~ ~~ ~~~~

A PE/B I 113*• 130 103• 100 **021 99 010 99 69

79

99 201 102• 101 010 0 01 P S 1 1 7 P 7 1 1 6 P 6 1 1 5 P 5 1 1 4 P 4 1 1 3 P 3 1 1 2 P 2 I l l P l 1 8 2 1 書導 第1!15導

13餓週早

1111• 第114導

6111 導 全女性被験者のSEP VEP およびAEP の各記録誘導から記録された各成分のHV前の平均潜時 (BE)(msec ) と, HV 後の計測値(AF)のHV前の計測値(BE)に対する比の平均値(%),およびその差の()deriap t-検定の結果(右添え の*印は,* : P<0.05,

*

*

:

P<0.01 )。 男女の各被験者のHV前後のVEP 4 0 0 0 3 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 ・ 1 0 0 0 ・002 0 ・ 3 0 0 0 ・004 0 O J7J - a 闘 ” - ・ 圃 ” ・

2

・ ”

t - t ・ 園 田 ・ E 備 , ‘ ・ - - - - a M M ・ - a 回 目 ・ ・ ・ 圃 圃 zaM

, .

- - - a w - a - VEa - - qzqa - 一 l D O O

m

e

5 0 0 3 0 0 2 0 0 1 0 0 図2 各被験者のAEP の潜時の変化 男性では,第

3

誘導で,

N

3

, .

p

5

で短縮し,特に

P

5

は有意に短縮したが有意に延長したP6など01成分は 延長した。第

6

誘導では,

N

4

, P

5

2

成分は短縮し, 特に,

P

5

は有意に短縮したが,その他の成分中,有意 に延長したN8など4成分をはじめ21成分は延長した。 (表1 ) 女性では,第 3誘導で,有意に短縮した

P

5

など 4成 分をはじめ

8

成分は短縮したが,その他の成分中,

6

成 分は延長し,特にP2など4成分は有意に延長した。第

6

誘導では,

4

成分で変化がなかったが,有意に延長し た

P l

など

4

成分をはじめ

7

成分は延長し,有意に短縮 した

P

5

, N5

をはじめ

5

成分は短縮した。(表 2) 1・3・2 各被験者のAEP の隣接する頂点間振幅の 1 ・ 3 ・ 1 1 ・ } - , . . F ’ ’ t ・ E - - p r 一 { - t - a - - - 内 , ‘ ・ - - - - au - - a H u - - , , . 田 . , 『 ・ , . . - ’ hu - - ’ ’ L ・ , e

ae - - aad ’ 5 0 0 0 4 0 0 0 3 0 0 0 2 0 0 0 ・ 1 0 0 0 ・2000 ・ 3 0 0 0 ・004 0 ・ 5 0 0 0 判 ←ー+ーー+-I 1 0 0 0

m

e

←- 5 0 0 令ーー・・令・自由叫. 2 0 0 003 第2誘導(01→A 1

+

2)から記録した代表的な1被験者のHV 前後のVEP 。 (上図は男性,下図は女性)破線はHV前,実線は HV後。縦軸は基線からの振幅(50μV=l2870 。 横軸 (時間軸)) は対数目盛り。 変化 男性では,第3誘導で, N 4 -P 5で減少し, N6 -P7 で、変化がなかったが,その他の頂点間振幅は増大し,特 に

N3 -

P

4

など

6

頂点間振幅は有意に増大した。第

6

誘導では,

P

3

N3

など

3

頂点間振幅は減少じたが,有 意に増大したN7 -P8 など4頂点間振幅をはじめ21頂 点問振幅は増大した。(表 3 ) 女性では,第

3

誘導で,

P

3 -

N

3

で減少した以外

3

1

頂 点間振幅で増大し, N 5 -P6 など01頂点間振幅は有意に 増大した。第 6誘導では,すべての頂点間振幅で増大し,

N 3

-

P

4

など

8

頂点間振幅は有意に増大した。(表

4

)

周波数分析による

H

V

前後での脳波の比較 脳波の周波数帯域別パワー百分率について, SEP の 記録誘導である第

l

,第

4

誘導では,男女ともに両誘導

2

(5)

大脳誘発電位に対する過呼吸の作用 表3 男性のSEP.VEP およびAEP の各頂点問振幅のHVによる変化 P l1・11 2P-lll 211-2P 211・3P P33・11 4P-311 P44・11 411・PS SP・NS SN・P6 P6-N6 7P-611 P77・11 711・SP SP・SI! B E I 24.04 7.2821 91.33 .2537 0 .3 S136 3.ll 75.68 8.047 .0459 3969. 0191.1 .4716 9.255 .4574 0518. 第111導トーーーイ一一-一一一一一一一一一一一ー一一一一一一一I A F /EB I *9*11 211 015

321

59 291 211 101 631帥 910 96 611 411 231

201

S E P I ! I I B E I 08.S4 9.926 9.037 69.1S0 S .2 1451 579.2 0.9151 3 .9 7961 02 .7 19.655 0.0421 54.35 .0038 3 .5 7051 37 .3 1 1 1 4 1 1 導 ト・・ーー-, A F / B E I **148 89 313 131 811 89 SO•• 184帥 631

391 114• B E I .7224 3.920 S.256 5.973 S2S.15 3.5362 .3S63 47.051 414.13 1.1311 2420.0 .60331 .97201 8.2721 S9.131 第121導トーー-, I EF/BA I 221 751

061 166• 109 97 191 S13 214 621 211 **141 611 141

910 V E P I I I I B E I 316.1 04.10 422S. 7 1.526 96.13 35.192 、733.0 27.511 291.34 6.S291 5.S156 3.3091 54.919 .2291 7 l6Q.!S 第115導ト--- -, A F /EB I 494 922輔 453

716

512 301 101 413

432 613 215

241

B E I 05.96 4.769 537.6 3.643 0.9133 .0323 .35S5 9.4039 6.2321 6.S721 1.1114 .90010 .4510 SS.O6 .0645 1 1 1 3 1 1 場ト イ I EBAF/ I 961

014 011 591

01③ 952

8 956 69 301

093 111 010 141

Sll 041

・・

A E P I I I I EB I 9.327 .4561 0.24S .5254 .93731 .6543 15.77 65.045 .S3543 .83941 .22091 60.128 .6733 4.33S S75.7 第6勝尊 ト・・ーーートーー・・・ーーーー ーーー・・・ーーーーーー--,ーーーー守ーーーー.,ーーーーーーー・・ーーーーー ーー・ーーーーーーー・・・ーーーーーーーーー・ーーーーーーー・・ A F /BE I S33 991 932 321 09 732

102 49 191

l7S 821 97 271 031

1 0 3 全男性被験者のSEP VEP およびAEP の各記録誘導から記録されたHV前の各成分の隣接するt-keap

peak 平均振幅 ( BE )と, HV後の計測値(AF)のHV前の計測値(BE)に対する比の平均値(%),およびその差の()dreiap t-検定 の結果(右添えの*印は,* : P<O. 0,5

:

*

.

*

P<O. 01。) 表4 女性のSEP.VEP およびAEP の各頂点間振幅のHVによる変化 P l -I l l ll-P2 2N-2P 2-P3N 311-3P 4P-311 411-4P 411・P5 P55・11 6P-511 611-6P 611・P7 P77・11 711・PS SP・NS B E I .5321 3.9241 SS.63 5.158 12.419 69.711 996.2 .2617 .8908 70.541 235.15 .5638 774.5 576.0 64.65 第111場卜一一ー十一司一一一一一一一一一一一一一一一一一 I F/BEA I 491帥 107H 217

134• 90

301

217輔 731

01唱 89 95 311 101 221帥 811

S E P I I I I BE I 430.0 .3918 4.957 8.8131 096.02 5.7791 .1401 7 15.636 1

.37 94.412 584.02 3.317 27.812 .12131 06.68

411 1 1 導ト一一-,一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー A F / B E I 641

713 611帥 511輔 09

99 136• 101 531帥 09 18

051

031 611 411 B E I 2.131 .1242 147.9 .6237 75.418 24.853 6.398 5.6292 230 口9.3 5.9011 1146.3 .05114 5S.919 .32781 0.6179 第112導ト一一寸一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー I /AFBE I 213

241

051 99 206 89 911 151

111 314

021

218帥 812

V E P I I t I BE I 121.3 9 2.402 98.4 0.616 .1714 9 3.2446 .1061 7 1.403 8 38.174 .8791 8 14.497 .0671 2 2.085 7 1.368 7 15.37 3 第115調,ト・ーーーイー一一・ーーー一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一-一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー A F / B E I 818 1**21 **402 214 212

501 205• 133 101 051 *36*1 99 419 211 B E I 605.9 9.079 57.58 6.152 Z49.16 .8743 .5526 3 .3 4294 02.55 89.731 565.11 42.211 567.3 99喧o. 5.778 第3銭湯 トーーーート一一ーーーー一一一一ー一一ー一一一ー一一一ーーー一一一一一一一-一一一 I F/BEA I 314

**731 414 163帥 69 301 152• 100 101

418

917

021

・・

813

411 021

A E P I I I I BE I 420.0 164.7 3.2S6 3.716 6.4193 9.963 528.8 59.435 8.6523 0.1661 .91196 .55021 84.67 97.131 2.4112 郷6鶴湾 トー・・・寸一一---一一一・一一一一一・一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 A F / B E I 418

361輔 411 414 111 364

326

301 071 147•• 1.83. ..121 **141 401 501 全女性被験者のSEP, VEP およびAEP の各記録誘導から記録されたHV前の各成分の隣接するo-tkeap ・peak 平均振幅 ( B E )と, HV後の計測値(AF)のHV前の計測値(BE)に対する比の平均値(%),およびその差の()edriap t-検定 の結果(右添えの*印は,* : P<O. 0,5

*

*

:

P<O. 01。) において, 00 ,α1の3帯域では, HV後に減少し, α2' 戸

l

,日

2

3

帯域では,増加した。いずれも

8

帯域以 外の帯域で,有意な変化を数多く認めた。 VEP の記録 誘導である第2,第5誘導では,男性の第2誘導で,。 帯域で変化なく,

α

l

帯域で減少したが,その他の

4

域で増加した。第5誘導では, 8帯域で変化なく, O,

α

l

2

帯域で減少したがその他の

3

帯域で増加した。 一方,女性では,第

2

誘導で,

α

l

帯域で減少したが, その他の5帯域で増加し,第5誘導では, O,α1の2 帯域で減少し,その他の4帯域で増加した。男女ともに 両誘導で,, α1, ~l.~ の帯域で有意に変化した。 AEP の記録誘導である第 3' 第 6誘導では,女性の第 6誘導の 8帯域で増加した以外, 男女ともに両誘導で, , 00 ,α1の3帯域では減少し, α2, ~l,~ もに両誘導で, α2, 戸2の2帯域をはじめ,いくつか の帯域で,有意な変化を数多く認めた。(表 5)

考 察

3

分間のHVにより,場合によって,脳波上に突発 性異常波あるいは非突発性徐波の出現あるいは増強がみ られることはよく知られており HVは脳波検査におい て最も簡単で広く用いられる賦活法である。一般に, HV によって徐波の増加

α

波の減少全般性の振幅の増大 などの脳波上の変化が起こることは脳波記録が行われる ようになった初期の頃から観察されているふ7)。その機

(6)

健 治 他 苅 舎

1

0

4

男女の脳波の周波数帯域別パワー百分率のHV による変化 表 5 男女の各被験者のHV 前後のAEP 図3 6 8 al α 2 β l β 2 ( 2 . 0 -3 . )57 7.-4.4( )75 08.( ・. 795) ( .01.21-0 )57 1(.3 9.10- 0.)(275 0.0-3 )0 周 被 散 布 繍 (B1) } - } - ・ 闘 ” mAM ” ・ 圃 盟 国 ” 一 t - t - a ・ , - A 2 3 ・ ・ - M ・ ・ a M M ・ - a H W - R d Z R J y a , . - a a ・ ・ ・ 『 ω - , 、 “ . q a - - a a 一 1 8 . 1 1 1 . 1 6 .. 1 8 . 9 1 1 . 0 8 .. 2 4 . 0 1 1 . 1 4 9 . 4 1 0 . 8 6

2 0 . 1 1 0 . 9 4

9 . 6 1 0 . 9 8 n AF/IB NALE 鰭1a 場 20.U 1 . 2 2

2 1 . 2 1 1 . 0 8 .. 1 7 . 8 1 1 . 1 4

9 . 6 1 0 . 8 7

2 2 . 0 1 0 . 8 7

9 . 3 1 0 . 9 8 B l A F / B ! P E I I A L B 1 0 . 1 1 1 . 1 5 .. 1 5 . 3 1 1 . 1 3

3 8 . 6 1 1 . 1 3 1 3 . 9 1 0.85•• 1 5 . 2 1 1 . 0 0 6 . 9 X 1 . 0 7 B E AF/BE NALE 情2餓 噂 1 1 . 2 1.26•• 1 9 . 8 1 I . I I

2 9 . 71 1 . 1 3 1 3 . 3 1 0 . 9 2 1 7 . 6 1 1 . 0 5 8 . 3 1 1 . 0 6 B E AF/I! P E I I A L E 1 2 . 4 1 1 . 2 2 .. 15.U 1 . 1 0 .. 2 0 . 17 1 . 1 8 .. 1 2 , 71 0 . 9 3 2 7 . 6 1 0 . 9 1 .. 1 1 . 6 1 0 . 9 4 B E AF/BE NALE 踊3鵬 導 1 2 . 0 1 1 . 2 2

1 6 . 6 1 1 . 0 4 1 5 . 3 1 1 . 1 8 .. 1 2 . 0 1 0 . 9 9 3 2 . 17 0 . 9 1 .. 1 1 . 4 1 0 . 9 6 B E AF/BE F E I I A L E 3 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 -I O D O -2 0 0 0 1 3 . 3 1 1 . 1 9

1 7 . 3 1 1 . 0 7

2 3 . 5 1 1 . 1 6 .. 1 1 . 17 0 . 9 3

2 3 . S S 0 . 9 2

1 0 . 6 1 0 . 9 6 B E AF/BE MALE -3 0 0 0 鱒a4司事 l D O O N S E C 5 0 0 3 0 0 2 0 0

l

D

O

1 3 . 4 1 1 . 2 2 .. 1 8 . 8 1 1 . 0 4 1 7 . 71 1.20•• 1 1 . 17 0 . 9 6 2 8 . 2 1 0 . 8 8 .. 1 0 . 3 1 0 . 9 6 F E 恥 LE I BE AF/BE 9 . 6 1 1 . 2 6

F E I I A L E 11.21 1 . 2 6

1 4 . 4 1 1 . 1 5

1 9 . 5 1 1 . 0 6 .. 3 7 . 4 1 1 . 1 4 2 9 . 4 1 1 . 0 9

1 6 . 2 1 0 . 8 7

1 4 . 17 0 . 8 7

1 6 . 5 1 0 . 9 6 1 9 . 3 1 0 . 9 9 5 . 8 1 1 . 0 0 5 . 9 1 1 . 0 4 B E AF/BE B E AF/BE NALE

85腸 導 - } - p , . - ’ b E ・ . F - F

t E t - - . , 闇 a 司 d ・ ・ - 開 ・ ・ 白 闘 M - m a ” ” ・ ・ 盆 冒 - e B - 崎 - - - a e d - - 内 ・ 岨 曹 司 ぬ - u q Z 唱 え 1 0 . 4 1 1 . 2 5

1 5 . 5 1 1 . 0 8 .. 2 9 . 2 1 1 . 2 0

18.U 0 , 8 8

2 0 . 0 1 0 . 9 4 6 . 8 X 0 . 9 4 B E AF/BE NALE 第6IUJ 1 1 . 9 1 1 . 2 4

全男性被験者(MALE )および全女性被験者(FEMALE )の各記 録誘導からの脳波の各周波数帯域のパワー百分率のHV 前の平均 (BE )と, HV 後のパワー百分率のHV 前のパワー百分率に対す る比の平均(AF/BE )。およびその差の()dreiap t-検定の結果 (右添えの*印は,* : P<0.05,

*

* :

P<0.01 。) となるように

HV

を行った際,

,

0

4

P

0

,

5

N

P

6

0

の潜時が いずれも短縮し,頂点間振幅

-

0

P

4

,

0

5

N

N

5

0

-

P

6

0

はいず れも軽度増大した,と報告している。また,松田ら11)は, 笑気麻酔下の人被験者を対象として 過換気の程度を段 階的に変化させた場合

SEP

の平均

2

4

m

s

e

c

の陽性成分 の振幅が

PaC02

の低下につれ減少した,と報告してい る。

VEP

に関しては,

Zenkov

2

1

)は,健康な人被験者に よる

3

分間の自発的

HV

により,

HV

開始後,

2

3

分 および

HV

終了後

l

分の記録において,

P 1

,

P4

およ びp

6

(潜時は各々

c

,

e

m

s

0

3

"

2

1

,

c

e

m

s

0

0

-

2

0

5

1

0

0

4

-

0

2

8

msec

)の振幅が有意に増大することを見い出し,報告 している。また,

l

3

1

y

k

s

y

i

r

b

a

G

は,健常被験者を対象と し,パターンリバーサル

VEP

に対する

0

1

分間の間隔を 置いてのこ度にわたる

3

分間の

HV

の作用について調べ,

N

8

0

,

O

O

P

l

の潜時がともに二度の

HV

の間および二度目 の

HV

0

2

分まで有意に延長した,と報告し,

HV

の最 中における直接的作用と二度目の

HV

終了後も続く後作 用の二種類の作用が示されたとしている。そして,この 潜時における変化について

HV

の影響下での視覚系に おける求心性の神経伝達の一時的な遅れとして捉え,そ

s

o

o

o

4 0 0 0 3 0 0 0 2 0 0 0 X19.& 1 . 0 4

2 3 . 0 X 1 . 1 6 .. 1 5 . 8 1 0 . 9 0 .. 2 3 . 3 1 0 . 9 3

6 . 5 1 1 . 0 3 B E AF/BE PENALE -I O O O ・0002 -3 0 0 0 ・0004 -5 0 0 0

l

D

O

D

me

第3誘導(Cz →A 1

+

2)から記録した代表的なl被験者のHV 前後のVEP 。(上図は男性,下図は女性)破線はHV 前,実線は HV 後。縦軸は基線からの振幅(50μV=l2870 )。横軸(時間軸) は対数目盛り。 序については,いまだ定説はないが,

HV

による呼吸性 アルカローシスを伴う低

CO2

状態により,脳動脈の収縮 を介した脳の虚血性低

0

2

状態がもたらされるという考 えが現在,最も広く受け入れられている8。)

HV

EPs

に対する作用については,現在までにいく つかの報告があるが,

SEP

については,

t

e

r

u

b

h

S

c

ら)9 は,健康な成人被験者を対象として,笑気とイソフルレ ンによる麻酔下,気管内挿管による機械的換気を行い,

e

n

d

-t

i

d

a

l

CO2

20mmHg

となるように急速な

HV

を実 施した際,正中神経

SEP

Nl

および

P 1

(潜時は各々

2

0

.

93±1.

,

e

c

m

s

0

5

7

±

5

1

.

2

2

.

88msec

)の潜時が

l msec

未満の範囲で短縮し 皮質での振幅は不定であったと報 告している。

Ledsome

ら01)は,麻酔を行わない覚醒し た健康成人被験者を対象として 自発的

HV

の後腔骨神 経

SEP

への作用を研究して,

l

a

d

i

t

-

d

n

e

CO2

が約

20mmHg

5 0 0 3 0 0 2 0 0

l

D

O

(7)

大脳誘発電位に対する過呼吸の作用 の機序として低

C

O

2

に基づく低

0

2

状態の作用を挙げて いる 。

A

E

P

については,

4

1

r

e

l

d

A

l

は,人被験者を対象として 最終呼気中

C

O

2

分 圧 が

1

8

m

m

H

g

となるように

HV

を 行った際, p

2

(潜時:

.

7

3

1

5

.

8

m

s

e

c

)の振幅が,

HV

中,有意に減少し,

HV

終了後

1

分には,

HV

前とほぼ 同じサイズまで回復し,

HV

終了後

5

分には,

HV

前よ り増大したとし,潜時については,

N 1

(潜時:

1

.

6

8

7

.

7

m

s

e

c

), P

2

ともに変化を認めなかった,と報告した。 そして,

HV

中に認められた振幅の減少については,

HV

によって生じる脳の低

0

2

状態にともなうシナプス機能 の抑制に起因していると考察している 。 本研究の

HV

前後での潜時の変化については,皮質下 起源と考えられる

S

E

P

,

V

E

P

の短潜時成分

1

5

,

1

6

)および

A

E

P

の中潜時成分の前半部

1

7

),つまり

S

E

P

の潜時が

0

2

m

s

e

c

以下である

P1

N 1

,

V

,

E

P

の 潜 時 が

7

0

m

s

e

c

以 下である

P

l~

P

3

および

A

E

P

の潜時が約

3

0

m

s

e

c

以下 であるP1 N l, は,いずれも男女ともに有意な変化を 含めほとんどが延長した。これらの成分が注意,覚醒状 態などの精神的要因の影響を受けにくいことを考えると, この変化は,

HV

に伴う生理学的変化に基づくものと考 えられる。

E

P

s

と並行して記録した脳波の周波数分析の 結果によれば,

HV

後,

,

o

e

,αl帯域の徐波をはじめ とした遅い周波数成分のパワー百分率が有意に減少する 一方, α2, ~1.~ 分率は有意に増加しており,一般に

HV

中にみられる脳 波変化とは正反対の結果であった。本研究における脳波 の変化については

HV

後の覚醒水準の上昇の可能性も 否定できないが,

HV

による生理学的変化を考慮するな らば,脳波の周波数が脳血流量および血中

C

O2

レベルに 対し正の相関を示すことよりs),i

HV

終了後,脳血流量 の増加と血中

C

O

2

レベルの上昇がもたらされたと考える と理解できる 。つまり

HV

により低

C

O2

状態による脳 動脈の収縮を介した脳の虚血性低

0

2

状態がもたらされ ると考えるならば,本研究において対象とした

HV

終了 後,約

1

分から

0

1

分の聞には ,

HV

中に生じたこれらの 変化に対する反挑的な高

C

O

2

血症と脳動脈の拡張に伴う 脳血流量の増加が引き起こされたものと推測される。脳 虚血をはじめとする脳の低

0

2

状態時の

E

P

s

の変化につ いての報告は数多くみられるが,私達が調べた範囲では,

S

E

P

に関するものがほとんどであり,そのいずれもが 潜時の延長,そして,あるいは振幅の減少であった

9

1

弘)。 そして,

n

t

o

s

a

n

B

r

1

9

)は,その機序として,脳虚血が

1

0

5

神経繊維の活動性あるいはシナプス伝導に与える影響を 挙げており,これは,

3

1

y

k

s

y

i

r

b

a

G

)や

4

1

r

e

l

d

A

l

HV

に よる,それぞれ

V

E

P

,

A

E

P

の変化の機序として述べた ものに共通しているo

M

c

P

h

e

r

n

o

s

2

2

)は,

S

E

P

の振幅 および潜時の変化は脳血流量よりも脳の

0

2

消費量をよ りよく反映し,脳の

0 2

消費量が減少するにつれて,潜 時の延長と振幅の減少が起きると述べているが,通常の 状態であれば,脳血流量と脳の

0

2

消費量は正の相関を 示すと考えられ,脳血流量の増加にともない,

i

替時の短 縮と振幅の増大が起こることが予想される。

M

c

P

h

e

r

s

o

n

2

2

)は,末梢神経から皮質に至る成分の潜時は白質の機 能であり,皮質成分の振幅は主に灰白質の機能であると 述べており,さらに,

c

k

i

n

s

e

L

2

1

)

,M

e

y

e

r

5

2

)によれ ば,虚血に対して皮質より白質の方が感受性が高いとさ れる 。従って,本研究の

S

E

P

,

V

E

P

および

A

E

P

の短 潜時成分に共通に認められた潜時延長については,

HV

によって引き起こされた低

2

0

状態の回復が白質では遅 れるために,白質機能を反映すると考えられる短潜時成 分の潜時延長が

HV

終了後も遷延したのではないかと考 えられる 。一方,

S

E

P

の潜時が

2

0

m

s

e

c

以降である中長 潜時成分,

V

E

P

の潜時が

7

0

m

s

e

c

以降である長潜時成分, そして,

A

E

P

の潜時が約

3

0

m

s

e

c

以降である中潜時成分 の後半部および長潜時成分については,その起源が不明 な点も多いが,いずれも主として,皮質上のそれぞれ体 性感覚,視覚および聴覚の一次中枢以降にその発生起源 があり,大脳皮質の広汎な領域の反応を反映していると される

, 1

1

6

7,

6

2

。 本研究では,これらの中,)

V

E

P

につい ては,男女ともに,ほとんどすべての成分の潜時が延長 し,特に有意な変化はすべて延長であった。この結果は,

G

a

b

r

i

s

k

y

1

l

3

が,ノfターンリバーサル

V

E

P

に士すする

HV

の影響を調べた結果と一致しており ~ 態による神経伝達の遅れが選延したとして理解すること ができる 。

S

E

P

については,男性の第l誘導では,

P

6

P

7

,

NS

で,また,第

4

誘導では,

P

2

, N

3

,

P

4

,

N6

で潜時短縮を認めたのに対し,有意な変化も含め, 概ね延長する成分が多くみられた。一方,女性では,第

1

誘導の

P

2

, N

S

,

P

6

,

N7

NS

,第

4

誘導の

N

3

,

P

4

,

P

S

,

P

6

P

7

において短縮し,多くの成分で短 縮を認めた。そして,男女全体としては,短縮と延長を 示す成分がほぼ同数存在し,一貫した変化を認めなかっ た。このように,

S

E

P

では

V

E

P

と異なり,

i

替時が短縮 する成分を認めたが,それは,

S

E

P

では

V

E

P

に比べ,

HV

による低

2

0

状態の影響からより早く回復する可能

(8)

1 0 6 性がある。この解釈に基づけば,男性では女性より, HV に対する感受性が強く,その影響が遅くまで残ると考え ることができ,例えば,男性では女性より換気量が多い ことにその原因を求めることができょう 。AEP につい ては,男性では,第3誘導のN3, PSおよび第6誘導 のN4, PSで潜時短縮を認めたが,有意な変化も含め て,潜時の延長する成分が多くみられた。一方,女性で は,潜時30msec 以上の中潜時および長潜時成分で有意 な変化も含めて短縮を示す成分と延長を示す成分をほぼ 同数認め,男女全体では,有意な変化も含めて延長する 成分が多く認められた。このようにAEP でも,潜時の 短縮する成分が半数近くを占め,特に,女性において短 縮を示す成分を多く認めるなど, SEP と類似の傾向が 示された。その理由については SEP の中長潜時成分 の潜時の変化についての考察が適用されうると考えられ る。 次に,本研究でのHV前後の振幅の変化については, SEP では,男性の第

l

誘導のP3-N3, P6-N6 ,第 4誘導のP3-N3, N5-P6, P6-N6 ,および女性の 第1誘導のP3-N3, N5-P6, P6-N6 ,第4誘導の P3-N3, N3 -P4, N5-P6, P6-N6 は有意な変化 も含めて減少したが,短中長潜時を通じて,男女の大多 数の頂点問振幅で有意な変化も含めて増大した。VEP でも,男性の第

2

誘導のN3 -P4 ,第5誘導のP 5 -N 5,および女性の第

2

誘導のN3-P4, N4-P5 ,第5 誘導のP7 -N7 は,それぞれ減少したが,短長潜時を 通じて男女のほとんどの頂点間振幅では,有意な変化も 含め増大した。AEP でも, SEP ,VEP と同様の傾向が 認められ,男性の第3誘導のN 4 -PS ,第6誘導のP3 -N3, N4-P5, N6-P7 ,女性の第3誘 導 のP3 -N 3では減少したが,中長潜時を通じて,男女のほとんど の頂点間振幅は有意な変化も含めて増大した。このよう な本研究の結果は, SEP では, HV 中の,しかも後腔骨 神経SEP に関するものではあるが Ledsome ら01)の結 果と類似しており, VEP については, Zenkov ら12)のHV 終了

l

分後の結果と, AEP については,41reldA )のHV 終了5分後の結果とそれぞれ同様の傾向があった。この ようにSEP, VEP およびAEP の短中長潜時のいずれ おいても増大を示す頂点間振幅を多く認めたことについ て,特に中長潜時の頂点間振幅の変化に関しては,注意 の充進などの精神的要因も考慮すべきと思われるが,潜 時の変化とともに総合して考えるならば,主に生理学的 機序を想定するのが妥当と考えられる 。つまり,振幅が 苅 舎 健 治 他 灰白質の機能を反映する22)とすれば, HV終了後,脳血 流量の反跳性の増加にともない脳の

2

0

消費量が高めら れ,神経繊維の活動性が充進した結果,振幅の増大がも たらされたものと理解される 。 本研究では,健常被験者のみを対象としており,各種 疾患でのEPs における HV負荷の臨床的意義について は検討していない。しかし,脳波と異なり HV負荷のEPs への臨床的有用性が確立していない現在, EPs 記録にお いてHV負荷を行う意義は,一般に少ないと思われる 。 今回の結果において, HV負荷により,主に生理学的機 序によると推測される一定の変化が観察されたことから, 臨床上, EPs 記録時にHV負荷を行うことは,あるかも 知れない疾患特異的なEPs 変化の上に, HV負荷による EPs の生理学的変化が加重されるものと考えられ,この 点には留意すべきと考えられる 。 以上から, EPs を脳波とともに同時並行して記録しな がら,脳波記録にHV負荷が併用される場合には, EPs 記録はHV前にのみ行うのが妥当であると考えられる 。 結 ~ 日間 健常成人男性64名および女性99名の計361 名を対象と して, 3分間のHV (hnoitailtnevrepy )負荷の前後で のSEP, VEP およびAEP の変化を,各EPについて

2

チャンネル,計6チャンネルから脳波とともに同時並行 記録して統計的に検討し 以下の結論を得た。 1 . 各被験者のSEP, VEP およびAEP のcomponent a n a l y s i s による HV後の有意な変化は, SEP では, HV 後に男性では潜時延長する成分が女性では短縮する成 分が多く,振幅は男女ともに多くの頂点問振幅で増大し た。VEP では,男女ともにほとんどの成分で潜時延長 し,ほとんどの頂点間振幅で増大した。 AEP では,男 性では潜時延長する成分が多く,女性では短縮と延長を ほぼ同数認め,男女ともにほとんどの頂点問振幅が増大 した。 2 . 脳波の周波数帯域別パワー百分率は,男女ともに HV後,

, e

o

α

1

3

帯域は有意な変化も含めて減少 が多く, α2, ~l,~ 意な変化も含めて増加した。

3

.

以上の結果より HV後には 主に反跳性の脳血 流量の増加にともなって神経活動が充進しているものと 推測した。VEP では, SEP やAEP に比べ,何らかの ~ が遅延するものとして理解した。また,一般に女性より

(9)

大脳誘発電位に対する過呼吸の作用 も男性の方がHV による影響からの回復が遅延するもの と推測した。 4. 結局, EPs を脳波とともに同時並行して記録する 場合, EPs 記録はHV 前のみに行うのが妥当であると考 えられた。 謝 辞 本研究について,古田典子助手,はじめ徳島大学医学 部神経精神医学教室の教室員各位の協力と支援に深謝し ます。

文 献

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s and human .margollipup Documenta O p h t h a l m o l o g i c a , : 77 213 世24,19912 1 4 . Adler , G:.noitalitnevrepyH sa a model rof etcua i s c h a e m i c aoxiyph fo eht niarb : e旺stce on c o r t i c a l yrotidau evoked .slaitnetop .ruE .chrA P s y c h i a t r y .nilC ,.icsorueN 240 : 3,697-36 1919 1 5 . 柿木隆介:正中神経刺激による体性感覚誘発電位 (SEP )の発生起源.1 短潜時成分.臨床脳 波, 33 : 822,-816 1991 1 6 . 筒井純:視覚誘発電位のトポグラフイー.臨床脳 波, 29 : 449,-445 9871 1 7 . ,notciP T.W ..,draylliH ,.A.S z,saurK .I.H and am-Gal b o s , : .R Human yrtoidua evoked .laitnetop

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I

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J

.

J

.

.

e,onmeSi .A.F ,, oefeD ,.S te a l . noita: retlA sfo yreosnasotmo evoked -netop

(10)

1 0 8 t i a l s ni nsespore otlabolg .aimehcsi

.

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-Neuro s u r g . , 0 : 46 4,490-9 4981 2 2 . ,McPherson ,.W.R ,regeZ .S and ,namtsyarT :.R -aleR t i o n s h i p sfoyeosnrstamoo evoked slaitnetop and c e r e b r a l oxygen pnoitmusnoc ginurd coxihyp h y p o x i a dni.sgo ,ekortS ( 1 ) : 317 ,63-0 6891 2 3 . ,reyoC ,.E.P ,kcinseL ,.E.J.].],elehciM and ,enoemiS :.A.F F a i l u r e fo eht yorsenosatmos deokve laitnetop f o l l o w i n g elddim larberec yretra noisulcco nda h i g h -g r a d e aimehcsi nieht cat- stceffE hfo-iodme l u s i o n . ,ekortS ( 1 ) : 371 ,3-47 8619 2 4 . ,reoyC ,.E.P e,onmeiS .A.F and :.].],elehciM Extended l a t e n c y tfo eh lacitroc componet fo eht somato 圃 苅 舎 健 治 他 s e n s o r y evoked laitnetop accompanying -deramo t e sesaercni ni larberec doolb wolf gnriud s y s t e m i c aoxihyp ni.stac niarB ,chreasRe 144 : 1 4 5 ・9882,115 2 5 . r,yeMe ,.L.K y,Dempse ,.].R ,yoR M.W. dna ,nosdlanoD .D L . : orynsseatoomS kedove slaitnetop a msa ureeas o flatnemriepxe larberec .aimehcsi .J,.grusorueN 6 2 : 2,527-69 5981 2 6

. Desmedt, ,.E.J Huy, .T.N and ,etrguouB M.: The c o g n i t i v

e ,40P N60 and PlOO componets fo os ・ matosensory evoked slaitnetop and ehttseilrae e l e c t r i c a l sngis fo orysnes gnisescorp ni man. E l e c t r o e n c e p h . .nil,C.loisyhporueN : 265 ,8222-7 8391

(11)

大脳誘発電位に対する過呼吸の作用

9

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参照

関連したドキュメント

( 4 )蓄電池に対する CN メタンの優位性:ゼロエミッション電源の 80%以上の割合を目 指す場合、蓄電池には Power to

フランツ・カフカ(FranzKafka)の作品の会話には「お見通し」発言

[ 2 ] Stromberg JS, Sharpe MB, Kim LH, et al: Active breathing control (ABC) for hodgkin’s disease : reduction in normal tissue irradiation with deep inspiration and implications

 肺臓は呼吸運動に関与する重要な臓器であるにも拘

・ 各吸着材の吸着量は,吸着塔のメリーゴーランド運用を考慮すると,最大吸着量の 概ね

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格納容器圧力は、 RCIC の排気蒸気が S/C に流入するのに伴い上昇するが、仮 定したトーラス室に浸水した海水による除熱の影響で、計測値と同様に地震発

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