• 検索結果がありません。

負の屈折率2.0 THz帯メタマテリアルの金属ナノ粒子インク塗布フィルムを用いた試作

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "負の屈折率2.0 THz帯メタマテリアルの金属ナノ粒子インク塗布フィルムを用いた試作"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)第 32 回 エレクトロニクス実装学会春季講演大会. 6A1-1. 負の屈折率 2.0 THz 帯メタマテリアルの金属ナノ粒子インク塗布フィルムを用いた試作 Fabrication of a metamaterial with a negative refractive index in the 2.0-THz band on a film coated by metal nanoparticle ink 近藤 諭†. 鈴木 健仁††. †. 東京農工大学大学院 工学府 電気電子工学専攻. ††. 東京農工大学 工学研究院 先端電気電子部門. 1. まえがき テラヘルツ波はミリ波と可視光の間の周波数帯域に位置 し、様々な魅力がある。テラヘルツ波の波長は、ミリ波と比 較して短く、イメージング技術において高い分解能が得られ る。また、可視光に対して不透明な物質に対しても、テラヘ ルツ波は透過できる。これらの利点は 0.3 THz 帯の連続波 (CW)光源を用いたテラヘルツイメージングに応用されてい る[1]。イメージング技術では、電磁波の伝搬波成分と比較し て近接場成分は扱いにくく、回折限界を超える波長以下の解 像度は容易に得られない。負の屈折率材料は近接場成分を復 元できるが、自然界には負の屈折率を有する自然界由来の材 料は存在しない。現在、テラヘルツ CW 光源は活発に研究さ (a). れており、ここ 1、2 年で 2.0~3.0 THz で室温でのテラヘルツ 波の発振が報告されている[2, 3]。充実してきたテラヘルツ CW 光源の魅力を最大限に引き出すためには、様々な特性を 持つ材料の充実が必要である[4]。メタマテリアルは、サブ波 長構造のメタアトムにより材料の誘電性と磁性を制御でき、 自然界に存在しない負の屈折率を実現できる。負の屈折率を 有するメタマテリアルはテラヘルツイメージングに用いる CW 光源に実装でき、高分解能を得られる可能性がある。 本稿では、23 m の誘電体基板の表裏に、縦が 55 m、横 が 50 m の金属パッチ構造を縦方向に 55 m ずらした 2 次 元周期構造により、2.0 THz(波長:150 m)で負の屈折率を設計 した。銅を成膜したシクロオレフィンポリマーフィルムをエ. (b). ッチング加工した場合、2.0 THz 帯で負の屈折率-3.03 +. Fig. 1 (a) Two-dimensional metamaterial with a negative. j0.29(1.97 THz の実測値)を有する材料の動作を確認している。メタ. refractive index consisting of asymmetrically aligned patches. (b). マテリアルの大面積微細構造形成技術や大量生産技術の視. Unit-cell model of the asymmetrically paired cut metal wires.. 点から、金属ナノ粒子インクを用いた印刷技術は非常に魅力. 損の少ない銀 σ = 6.1×107 S/m を用い、誘電体基板にはシクロ. である。そこで今回は、銀の金属ナノ粒子インクを表裏に塗. オレフィンポリマーnCOP = 1.53 + j0.0012(0.5 THz での実測値). 布したシクロオレフィンポリマーフィルムをエッチング加. を用いた。設計には有限要素法電磁界シミュレータ ANSYS. 工し、同構造のメタマテリアルを試作した。メタマテリアル. 社 HFSS を用いた。設計モデルの解析より得られる散乱行列. の特性をテラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)で測定し、動. から実効屈折率 neff などのメタマテリアルの光学定数を導出. 作を確認済みのメタマテリアルと比較、検討した。. できる[5]。 図 2 に 2.0 THz 帯でのカット金属ワイヤーの長さ l を 40~. 2. 負の屈折率メタマテリアルの動作原理と設計. 70 μm、カット金属ワイヤー間の間隔 g を 40~70 μm で変化. 図 1(a)に非対称金属パッチ構造による負の屈折率 2 次元メ. させた場合の、実効屈折率、透過電力、反射電力の等高線図. タマテリアルを示す。y 軸方向にメタアトムの金属パッチ構. を示す。その他のパラメータは d = 23 μm、w = 50 μm、px =. 造を表と裏で非対称にずらした構造である。表裏の金属パッ. 100 μm、t = 0.5 μm で固定している。X マークのパラメータ(g. チのパラメータを制御することで、メタマテリアルの誘電性. = 55 m、l = 55 m)で屈折率 neff = -2.3 + j0.043、 透過電力 72%、. と磁性の共振を同時に制御できる。比誘電率と比透磁率をと. 反射電力 21%を設計した。. もに負の値にでき、屈折率が負となる。図 1(b)に設計モデル 3.試作と実験. を示す。メタマテリアルの全体構造は波長と比較して十分に 大きく、さらにメタアトムの周期構造で構成されている。そ. 銅成膜フィルムを用いた素子は 1.97 THz で、負の屈折率. のため外部に周期境界壁を設け、メタアトムの非対称金属パ. neff = -3.03 + j0. 29、透過電力 56%、反射電力 3.5%を確認して. ッチ構造の 1 周期分を抜き出して設計できる。金属には導体. いる。実験にはテラヘルツ時間領域分光法(Toptica Photonics. 1.

(2) 第 32 回 エレクトロニクス実装学会春季講演大会. (a) (a). (b) Fig. 4 (a) Photograph and (b) microscope photograph of the fabricated metamaterial by the silver nanoparticle ink [6]. (b). (a) (c) Fig. 2 Contour maps of (a) the real part of refractive indices neff, (b) transmission power, and (c) reflection power at 2.0 THz. 社 TeraFlash)を用いた。周波数分解能は 0.005 THz である。反 射特性の測定時、作製したサンプルのメタマテリアルの光路 長とリファレンスの銀ミラーの光路長に、試作したメタマテ リアルのたわみによりずれが生じる。実験結果の反射位相を (b). 解析結果に合うように補正後、実効屈折率を導出している。 サンプルの反射測定時の光路長が、リファレンスの反射測定. Fig. 5 Photograph and (b) microscope photograph of the. 時の光路長よりも往復で 62 m 短いと見積もり実験結果を. fabricated metamaterial by the silver nanoparticle ink [7].. 補正している。 図 3 に塗布フィルムの作製の工程を示す。シクロオレフィ. の全体像と拡大写真を示す。図 6、7 に銅成膜フィルムを用. ンポリマーフィルムに[6]と[7]による銀の金属ナノ粒子イン. いたメタマテリアルの実験結果を比較のために示す。図 6、. クを塗布し、乾燥することで両面成膜フィルムを作製した。. 7 はそれぞれ屈折率の実部と虚部、透過電力と反射電力であ. 次に両面成膜フィルムをエッチングし、金属微細構造を作製. る。実験誤差により 1.67 THz でのみエネルギー保存則が成立. した。図 4(a)、(b)に[6]による銀の金属ナノ粒子インクを用い. していない。図 8(a)、(b)にそれぞれ[6]と[7]によるメタマテリ. たメタマテリアルの全体像と拡大写真を示す。図 5(a)、(b)に. アルの透過電力と反射電力の実験結果を示す。銅成膜フィル. [7]による銀の金属ナノ粒子インクを用いたメタマテリアル. ムを用いたメタマテリアルの実験結果を比較すると、銀の金 属ナノ粒子インクを用いたメタマテリアルは反射・透過特性 が大きく異なり、屈折率などの光学定数の特定には至ってい ない。銀の金属ナノ粒子インクを用いたメタマテリアルの金 属パッチの導電率の測定と、金属パッチ以外の部分における 残留物の確認が必要である。. Fig. 3 Fabrication process.. 2.

(3) 第 32 回 エレクトロニクス実装学会春季講演大会. に塗布したシクロオレフィンポリマーフィルムをエッチ ング加工し、同構造を作製した。作製したそれぞれの素子 をテラヘルツ時間領域分光法により評価した。実験結果を 比較すると、銀の金属ナノ粒子インクを用いたメタマテリ アルは銅成膜フィルムを用いたメタマテリアルと比較し て反射・透過特性が大きく異なり、屈折率などの光学定数 の導出にはまだ至っていない。今後、銀の金属ナノ粒子イ ンクを用いたメタマテリアルの金属パッチ部分の導電率 の測定と金属パッチ以外の部分における残留物の確認を Fig. 6 Frequency characteristics of the effective refractive. 進める。. index for a metamaterial with a negative refractive index.. 現在、金属ナノ粒子インクによる微細構造作製に有効な 技術を探している。金属ナノ粒子インクによるメタマテリ アルの試作法を構築することで、高性能なメタマテリアル の大面積微細構造形成技術や大量生産技術の構築に向け た技術を開拓できる可能性がある。 謝辞 金属ナノ粒子インクをご提供いただいた日本ゼオン株式 会社に感謝申し上げます。本研究の一部は、文部科学省科研. Fig. 7 Frequency characteristics of the reflection and. 費若手研究(A)(26706017)、テレコム先端技術研究支援センタ. transmission power for a metamaterial with a negative. ー、公益社団法人新化学技術推進協会、公益財団法人東電記. refractive index.. 念財団、東京農工大学学長裁量経費(次世代研究支援)の助成 を受けたものである。 参考文献 [1] T. Miyamoto et al., Jpn. J. Appl. Phys. 55, 032201 (2016). [2] T. Maekawa et al., Appl. Phys. Express 9, 024101 (2016). [3] 藤田 他, 第 64 回応用物理学会春季学術講演会予稿集, 14p-211-5 (2017). [4] 鈴木, 応用物理 86, 897 (2017). [5] X. Chen et al., Phys. Rev. E 70, 016608 (2004).. (a). [6] http://cink.jp/ (DryCure Ag-JB 0420B) [7] 特開 2012-162767. 連絡先: 〒184-8588 東京都小金井市中町 2-24-16 東京農工大学 鈴木 健仁 Te1:042-388-7108 Fax:042-388-7108 ホームページ:http://web.tuat.ac.jp/~suzukilab/index.html 電子メールアドレス:[email protected]. (b) Fig. 8 Frequency characteristics of the reflection and transmission power for (a) [6] and (b) [7]. 4. まとめ 非対称な金属パッチ構造を用いて負の屈折率を有する 2 次元メタマテリアルを設計した。メタアトムとなるカット 金属パッチを誘電体基板の表裏に非対称に配置している。 銅成膜フィルムを用いた素子は 1.97 THz で、負の屈折率 neff = -3.03 + j0. 29、透過電力 56%、反射電力 3.5%を実験により確認 している。今回は、2 種類の銀の金属ナノ粒子インクを表裏. 3.

(4)

Fig. 2 Contour maps of (a) the real part of refractive indices n eff , (b)  transmission power, and (c) reflection power at 2.0 THz
Fig. 6 Frequency characteristics of the effective refractive  index for a metamaterial with a negative refractive index

参照

関連したドキュメント

⑧ 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金事業 0

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

(2)

48.10 項及び 48.11 項又は上記(Ⅱ)に属するものを除くものとし、ロール状又はシート状

○事 業 名 海と日本プロジェクト Sea級グルメスタジアム in 石川 ○実施日程・場所 令和元年 7月26日(金) 能登高校(石川県能登町) ○主 催

現行の HDTV デジタル放送では 4:2:0 が採用されていること、また、 Main 10 プロファイルおよ び Main プロファイルは Y′C′ B C′ R 4:2:0 のみをサポートしていることから、 Y′C′ B

携帯電話の SMS(ショートメッセージサービス:電話番号を用い

のうちいずれかに加入している世帯の平均加入金額であるため、平均金額の低い機関の世帯加入金額にひ