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IRUCAA@TDC : 第282回東京歯科大学学会インプラントシンポジウム : 提示症例3 顎堤(骨の形態や骨質・骨造成術)からみたリスク

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s) Journal URL. 第282回東京歯科大学学会インプラントシンポジウム : 提示症例3 顎堤(骨の形態や骨質・骨造成術)からみ たリスク 矢島, 安朝 歯科学報, 107(4): 416-418 http://hdl.handle.net/10130/102. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 4 1 6. インプラントシンポジウム. 提示症例3:. 顎堤(骨の形態や骨質・骨造成術) からみたリスク. 提示者 矢島安朝 (東京歯科大学千葉病院口腔インプラント科). 問題提起1 ・インプラント治療を前提とした骨移植術におい て移植された骨の運命は?. 形成が遅いため,吸収も新生骨への置換も長期間を 要する。したがって移植骨は,一見吸収しない良好 な素材であるようにみられるが,残存している移植 骨は血行の乏しい壊死骨であり,これが母床よりの. 症. 新生骨によって塗りこめられているに過ぎない。臨. 例1(図1). 1 8歳男性:交通事故により上顎前歯部および歯槽. 床的に血行の乏しい移植骨中にインプラントを埋入. 骨を失い,腸骨ブロック骨移植によるベニアグラフ. することは,インプラントの骨結合に悪影響を及ぼ. トを行う。術後4ヶ月の CT では,移植骨は完全に. すことは明らかである。このように吸収しにくい壊. 生着しているが,ブロック骨を固定したスクリュー. 死骨は,インプラント機能下でどのように変化し,. のネジ山2個分が移植骨の吸収により骨外へ露出し. 最終的にはどのような骨形態を保つのであろうか。. ている像がみられる。術後6ヶ月でインプラント埋. 症. 例3(図3). 3 4歳女性:上顎洞までの距離が不足しているた. 入手術を行うが移植骨は唇側から吸収している。 腸骨は海綿骨が多いため骨形成細胞が多く,さら. め,上顎洞底挙上術と同時にインプラントを埋入す. に血管網の再形成には有利な条件を備えている。し. る。移植骨は下顎枝外側の皮質骨細片を用いる。埋. たがって母床への生着に関して問題が起こることは. 入後4ヶ月で上部構造を装着し,1年後の CT で挙. 少ない。しかし緻密骨が少なく海綿骨が主体である. 上した骨は吸収し,インプラント周囲に一層残存し. ため,吸収が早いという欠点がある。長期間経過. ているだけである。しかしインプラントの骨結合に. 後,移植骨は骨改造機転によって完全に母床からの. はまったく問題はなく良好に機能している。. 骨に置き換わるだろうが,インプラントの機能下で. 上顎洞底挙上術後,インプラントの機能下で移植. は最終的にどのような骨の形態を保つのであろう. された骨は力学的に必要がないため吸収してしまっ. か。. たのか。あるいは長期間経過後,最終的には移植し. 症. た骨全体が吸収してしまうのだろうか。. 例2(図2). 5 2歳男性:|23部の骨の幅径が不足しているた め,同部に下顎枝外側の皮質骨を採取しベニアグラ フトを行う。術後3ヶ月後の CT では,移植骨はま だ生着しておらず,明らかに周囲骨とは分離してい. 問題提起2 ・骨質のリスクファクターとして,将来的に骨粗 鬆症を起こす可能性のある患者を事前に把握で きないか。. る。術後7ヶ月の CT では,移植骨は周囲骨に取り 囲まれ充分な生着を示しているが,移植した皮質骨. 当施設での臨床検査. 自体は,高いCT値を示し,新生骨による置換は完. 骨粗鬆症は骨強度上の問題が生じ骨が脆くなり骨. 成していない。インプラントの埋入手術は移植8ヵ. 折しやすくなった病態をいう。骨強度とは,骨密度. 月後に行われたが,可及的にインプラントを既存骨. (bone mineral density) と 骨 質(bone quality) が統. 中に埋入するよう心がけた。. 合されて決定される。近年,骨質の評価が注目さ. 緻密骨の移植は,移植された母床での血管網の再. れ,これを定量的に検討する手段は今のところ骨代. ― 42 ―.

(3) 歯科学報. 図1. 図2. Vol.1 0 7,No.4(2 0 0 7). a:術前の骨形態 b:腸骨ブロック骨移植後 c:移植4ヶ月後の CT 所見(移植骨は唇側より吸収:スクリューのネジ山が骨外に露出) d:インプラント埋入時(母床との境界は不明瞭で良好な生着を示すが,吸収は進行している). a:術前のCT(骨幅の不足が認められる) b:移植3ヶ月後のCT(移植骨の生着はない) c:移植7ヶ月後のCT(移植骨は生着しているが,母床よりの新生骨による置換はいまだ進んでいない) d:手術所見(下顎枝外側からの骨採取) e:手術所見(骨移植直後) f:インプラント埋入(可及的にインプラントは既存骨中へ埋入) ― 43 ―. 4 1 7.

(4) 4 1 8. インプラントシンポジウム. 図3. a:術前 CT (骨高径の不足) b:上顎洞底挙上術(上顎洞粘膜を剥離したところ) c:上顎洞内に骨移植 d:術直後のエックス線写真(挙上部に充分な骨がみられる) e:術後1年経過後のエックス線所見(インプラント先端部の骨の吸収が認められる). 謝マーカー,吸収マーカーのみである報告されてい. 生していないが,長期間経過後異常値を認めなかっ. 1)∼3). た患者との予後にどのような差が生ずるのであろう. る. 。. 私たちの施設では,インプラント治療を行う患者. か。骨代謝マーカー,吸収マーカーが将来的な骨粗. に対して骨代謝マーカー(骨型 ALP,オステオカル. 鬆症予備軍を予測することにはつながらないのであ. シ ン,カ ル シ ウ ム,無 機 リ ン,副 甲 状 腺 ホ ル モ. ろうか。. ン) ,骨吸収マーカー(NTx,デオキシピリジノリ ン) の検査を行っている。1年間で1 2 1名が対象とな り,そのうちの3 4%(4 2名) に異常値が認められた。 なかでも骨吸収マーカーに異常値を認めたものは 1 0. 4%であった。これらの患者は,全身の骨に関す る症状や治療暦はまったく認めなかった。現在のと ころ,これらの患者のインプラント治療に問題は発. ― 44 ―. 文. 献. 1)曽根照喜:男性骨粗鬆症の診断基準(骨代謝マーカーを 含む) :THE BONE,2 0:1 9 5∼1 9 9,2 0 0 6. 2)渡辺雅行:セメントレス人工股関節全置換術後の大腿骨 の骨萎縮について,骨代謝マーカーの検討:杏林医学会雑 誌,3 6:3 2 0∼3 2 8,2 0 0 5. 3)稲葉雅章,西沢良記:骨代謝マーカーとその活用法,産 婦人科治療,9 2:3 9 8∼4 0 4,2 0 0 6..

(5)

参照

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