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IRUCAA@TDC : Effect of Chewing or Compressing Food on Autonomic Nervous Activity in Older Adults

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

Effect of Chewing or Compressing Food on Autonomic

Nervous Activity in Older Adults

Author(s)

太田, 緑

Journal

歯科学報, 119(2): 146-147

URL

http://hdl.handle.net/10130/4872

Right

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 自律神経は,循環,呼吸,消化,発汗,体温調節,内分泌機能,生殖機能および代謝などの不随意機能を制 御する。自律神経系は,ホルモンによる調節機構である内分泌系と協調しながら種々の生理的パラメータを調 節し,人間の恒常性の維持に貢献している。自律神経機能の低下は,外来刺激に対する自律神経中枢の感受性 の低下を引き起こし,外来環境に対する順応性が低下する。自律神経機能負荷テストの基準値の低下が示す通 り,老化に伴い自律神経機能の低下が生じることが明らかになっている。過去の研究より,若年者においてガ ムチューイングが自律神経活動を増加させることが報告されている。高齢者においても若年者と同様に自律神 経活動が増加することが期待されるものの,詳細は不明である。また,高齢者の摂取食品の硬さは個人差が大 きく,若年者と同様の食品を摂取している人,咀嚼運動による粉砕を必要としない軟食を摂取している人,経 管栄養であり経口摂取していない人と多様である。Oral frailty などにより咀嚼運動が困難な高齢者でも軟食 などの舌でのすり潰しにより自律神経活動の活性化が認められれば,経口摂取を推奨する意義のひとつになる と考えられる。 そこで高齢者において,舌でのすり潰し運動や軟食咀嚼時に自律神経活動が増加するのか,また食品の軟ら かさの違いにより自律神経活動に差は認められるのかを明らかにすることを目的に研究を行った。 2.研 究 方 法

4種類の軟らかさの無香料の無味ガム1.0g(以下 Extremely soft,Super soft,Soft,Moderate)を用いて実 験を行った。被験者に心電計を装着し,Extremely soft は舌ですり潰す運動を,それ以外についてはチューイ ングをそれぞれ5分間行わせた。心電図のスペクトル分析により交感神経の指標である LF および LF/HF, 副交感神経の指標である HF および CVRR,自律神経活動全体の指標である Total power を算出し,評価を 行った。被験者は,70歳以上の高齢者20名(男性8名,女性12名,平均年齢81±6歳)とし,高齢者の安静時の 自律神経活動の評価のために若年者20名(男性10名,女性10名,平均年齢25±4歳)の安静時の自律神経活動の 計測を行い,比較検討を行った。統計解析は,高齢者における安静時および各運動時の比較には Friedman 検 定と Wilcoxon の符号付順位検定を,若年者と高齢者の安静時の比較には Wilcoxon の順位和検定を行った。 有意水準は0.05とし,多重比較では,Bonferroni 補正を行った。尚,本研究は東京歯科大学倫理委員会の承 氏 名(本 籍) おお た みどり

(静岡県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2094 号(甲第1307号) 学 位 授 与 の 日 付 平成27年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 目 Effect of Chewing or Compressing Food on Autonomic Nervous Activity in Older Adults

掲 載 雑 誌 名 Gerodontology 第34巻 4号 434−440頁 2017年 doi:10.1111/ger.12284 論 文 審 査 委 員 (主査) 一戸 達也教授 (副査) 櫻井 薫教授 石上 惠一教授 田 雅和教授 歯科学報 Vol.119,No.2(2019) 146 ― 64 ―

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認を受けて行われた(承認番号410号)。 3.研究成績および考察 高齢者における安静時および各運動時の比較では,副交感神経活動の指標である HF および自律神経活動全 体の指標である Total power で,安静時とその他の運動との間に有意差を認め,舌でのすり潰し運動および 軟食の咀嚼時に自律神経活動の増加が認められた。舌でのすり潰し運動でも自律神経活動が増加されたことよ り,経口摂取の効果が示唆された。一方,すり潰し運動と各咀嚼運動のいずれの群間にも有意差が認められな かった。安静時の若年者と高齢者の自律神経活動の比較では,LF,HF および Total power においてそれぞ れ有意差を認めた。このことより,若年者と比較して高齢者において自律神経活動が低下していることが確認 された。 4.結 論 高齢者において,安静時と比較して舌でのすり潰し運動も含めた咀嚼運動時に自律神経活動が増加し,特に 副交感神経活動が増加することが明らかとなった。また,自律神経活動に対する軟らかさの違いによる差は認 められなかった。 論 文 審 査 の 要 旨 本研究は,軟食の咀嚼および舌でのすり潰し運動時に,高齢者の自律神経活動が増加するのか,また食品の 軟らかさの違いにより自律神経活動に差は認められるのかについて検討を行ったものである。 本審査委員会では研究方法の妥当性や得られた結果の解釈と意義などを中心に,以下のような質疑が行われ た。①臨床的にどのように応用可能であると考えるか,②被験者の性差は実験上の問題にならないのか,③な ぜ70歳以上を被験者としたのか,④自律神経に対する舌でのすり潰し運動のフィードバックには何が考えられ るか,⑤自律神経活動の増加の程度はどの程度か,などの質問がなされた。これらの質問に対する回答として ①自律神経活動が低下している高齢者に対してのリハビリテーションの1つとなる可能性が考えられる,②反 応性に性差がある可能性はあるが,本研究では個人内での反応性の違いを検討するために対応のある検定を 行っているので実験上の問題はないと考えられる,③自律神経機能の参考基準値で,70∼79歳という基準のも のがあるためそれを参考に本研究では70歳以上を対象とした,④舌でのすり潰し時のフィードバック機構に は,口腔粘膜の圧受容体以外に舌の筋紡錘からの入力が考えられる,⑤高齢者の各運動時の自律神経活動は, 若年者の安静時と同程度まで増加したと考えられることなどが説明された。 また,その他の質問に対しても妥当な回答が得られた。さらに,タイトル,方法,結果および考察中の専門 用語や文章表現,図表の最適化に関して指摘があり,訂正が行われた。 その結果,本研究で得られた知見は歯学の発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するものと判定さ れた。 歯科学報 Vol.119,No.2(2019) 147 ― 65 ―

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