知的障がい特別支援学校 小学部第6学年○組 自立活動学習指導案 1 単元名 6の○おりんぴっくをしよう 2 単元設定の理由 ○ 本グループは、3名のグループである。本グループの児童は、運動に関して、朝の運動の時間に 走ったり、映像の模倣をしながらダンスをしたり、投げる、跳ぶ、蹴るなどの動作を行うサーキッ ト運動を行ったり、中庭で好きな遊具を使って体を動かしたりすることなどを経験してきている。 帰りの会で、時間割の中から楽しかった時間を選んだり、給食の時間に、おかわりをしたいものを 選んだり、休み時間に使用する遊ぶための道具を選んだりなど、学校生活の中で教師から提示され たものの中から選ぶことなどを経験しているが、意思決定に関してはそれぞれに課題がある。これ までの学習における児童の意思決定に関する実態及び本単元におけるねらいは次のとおりである。 ○ 本グループの児童は、相手から提示されたものをよく考えることなく受け取り、自分の希望する ものではないときに相手にうまく伝えられないことや、場の状況を読み取ることができずに自分本 位で行動する姿が共通してみられる。そこで、意思決定場面やルールにのっとった活動場面のある 本単元を行うことは、大変意義深いと考える。本単元では、自立活動の「2心理的な安定(2)状 況の理解と変化への対応に関すること」「3人間関係の形成(4)集団への参加の基礎に関するこ と」「6コミュニケーション(4)コミュニケーション手段の選択と活用に関すること(5)状況に 応じたコミュニケーションに関すること」を相互に関連付けて指導を行う。活動するための道具や 場所を複数準備し、時間を使って決める場面や理由を伝える場面を設定することは、直感的ではな く自分なりの理由を基にした意思決定ができるようになることにつながると考える。このことは、 日常生活場面で、着る服を選んだり、食べたいものを選んだり、行きたいところを決めたりなどの 自由な意思決定が可能な場面で自分の意思を決定し、相手に伝えることにつながり、児童の生活の 質を高める上からも意義深いと考える。また、順番に個人で活動する場面を意図的に設定すること で、児童は、自分の順番になった際に選ぶなどの活動をすることや、友達が活動している時には決 められた方法で待つなどのルールを学ぶことができると考える。このことは、中学部や高等部での 作業学習や高等部卒業後、就職した際に、指定された仕事に取り組むことや、仕事と休憩の際の切 り替える力を身に付けることができることからも意義深いと考える。 ○ 本単元の指導にあたっては、児童が経験したことのあるボウリングやフリスビーを種目として、 使用する道具や、場所を決めることを通して、理由を考えて自分で決めることや自分の順番の時に 選ぶなどの場の状況を考えて行動することができるようにする。決める段階では教師が提示した、 児童の興味がある複数の選択肢の中から使用するものを迷いながら決めることができるようにす る。A児には、迷いながらも自分で決めることができるように、どれを選んでも楽しく活動できる 選択肢を準備する。B児には、教師が説明する際に提示した順番を気にせず選ぶことができるよう に、説明を焦点化し、選択肢を全て同時に提示する。C児には、自分の順番の時に移動することが できるように、活動の順番を写真で大きく提示する。考える段階では、活動の条件から時間を使っ て理由を考えて決めることの有用感から、理由を考えて決めることができるようにする。A児、B 児には、理由を考えて決めることができるように、決めるための時間を意図的に設定する。また、 全部ピンを倒した時にもらえるカードの枚数を絵と数字を組合せて掲示し、決める理由を考えやす くする。C児は、友達が活動しているときに活動を見ながら待つことができるように、C児が好き な言葉を使いながらA児B児の活動に対して言葉掛けをする。生かす段階では、理由を考えて決め ることへの有用感から、新たな活動においても考えて決めるための時間を教師に要求したり、指定 された枚数のカードを要求したりすることができるようにする。A児、B児には、時間を要求する ことができるように、考える時間について、教師とのやり取りを行う場面を意図的に設定する。C 児にも同様に、決められた枚数を要求する場面を意図的に設定する。 児童 実態 個別のねらい A児 指さしで選択するが、選んだものを渡され て困っている姿を見せることがある。 選ぶ場面で、自分なりの理由を考えて決め ることができる。 B児 自分の意思で選ぶことが可能な場面で、教 師が提示した順番で選ぶことが多い。 選ぶ場面で、自分の意思で道具や場所を決 めることができる。 C児 自分の興味・関心があるものが見えると、 集中が切れて選べなくなることがある。 選ぶ場面で、場の状況が分かり、自分の順 番の時に選ぶことができる。
3 単元目標 ○ カードを一番多く集めることを目指して、場所や道具を決めたり、順番を守ったりしながら楽 しく活動することができる。 ○ 場所や道具を選択する場面で、時間を使って自分の理由を考えて決めることができる。 ○ 意思表示に対して感じた有用感から、自分の理由を基にして決めるための時間を要求したり指定 された枚数のカードを要求したりすることができる。 4 単元指導計画(8時間) 段階 配時 学習活動と内容 選 ぶ 2 (1) 興味がある多数の選択肢から自分が希望するものを選び、ボウリングを楽しむ。 ① 自分の好きな絵を貼りながらボウリングのピンを作り、ボウリングをする。 ・迷いながらピンに貼る絵を選び、ボウリングを楽しむこと ② 複数あるボールの中からボールを選び、ボウリングをする。 ・迷いながらボールを選び、それを使ってボウリングを楽しむこと 決 め る 3 (2)ピンを全て倒した時にもらえるカードの枚数が異なる条件でボウリングをする。 ① ピンまでの距離が異なる複数のレーンの中から決めてボウリングをする。 ・時間を使って理由を考えて決めるよさに気付くこと ・決まりを守ること ② ボールの大きさが異なる複数のボールの中から決めてボウリングをする。【本時】 ・自分の理由を考えて決めるよさに気付くこと ・決まりを守ること ③ 異なる数の障害物がある複数のレーンの中から決めてボウリングをする。 ・自分の理由を考えて決めること ・決まりを守ること 生 か す 3 (3)枠に投げ入れた時にもらえるカードの枚数が異なる条件でフリスビーをする。 ① 複数のフリスビーをいろいろな形の枠に投げる試しの活動をする。 ・経験することで決める見通しをもつこと ② 自分が使用するフリスビーを決め、枠に投げ入れる。 ・時間を使って決めることの有用感から、考える時間を要求できること ③ いろいろな形の枠から、フリスビーを投げ入れる枠を決める。 ・これまでの経験を生かし、新たな活動でも同じように決めることができること 5 本時 (1) 日時 平成○年○月○日 ○曜日 第○校時 於○○ルーム (2) 本時の目標 ○ ボウリングをする活動において、大きさの違うボールを選ぶ場面で、自分の理由を考えて決 め、順番を守って楽しく活動することができる。 (3) 本時学習指導の過程 段階 活動と内容 指導上の留意点 つ か む 1 これまでの活動を振り返り、本時のめあてを もつ。 (1)これまでの大会を振り返る。 ・本時の見通し (2)本時のめあてを確認する。 ・本時活動の必要性と意味 ○これまでの各時間の優勝者が分かる ようにするために、模造紙に児童の写 真と一番になったことが分かる絵を 掲示する。 ○見通しをもって活動できるようにす るために、活動の順番を掲示する。 (めあて) カードを いっぱい あつめて 1ばんを めざそう。 児童 個別の目標 A B カードがもらえる条件から、自分の理由を考えて、使うボールを決めることができる。 C 自分の順番の時に活動し、友達が活動している時には応援することができる。
ふ か め る 2 カードがもらえる条件の説明を聞き、使用す るボールを決めてボウリングをする。 (1)選んだボールによって異なるもらえるカー ドの枚数の説明を聞く。 ・情報の習得方法 (2)3種類のボールを使って試しの活動をする。 ・すべての機会の経験 (3)ルールについての説明を聞く。 ・ルールの想起 (4)自分で決めたボールを使ってボウリングを する。 ○カードの枚数についての条件をスム ーズに捉えることができるようにす るために、一項目ずつ説明を行い、そ の後掲示する。 ○児童が自分の考えで決めることがで きるようにするために、教師は抑揚を 押さえて説明し、特定のレーンに誘導 することがないようにする。 ○試しの活動を連続してできるように するために、3つのレーンと3種類の ボールを3セット準備する。 ○ルールを想起しやすくするために、前 時のルールを守れている状態の写真 を提示する。 ○残りの回数を捉えることができるた めに、回数表を掲示する。 <個別の支援> A児…決定した理由を表出することが できるようにするために、絵と言葉 を合わせたカードを準備する。 B児…理由を基に決定することができ るようにするために、カードの途中 経過を見るように声掛けをする。 C児…友達の活動を見ることができる ようにするために、友達の活動する 様子をC児の好きな言葉を交えな がら伝える。 A児 B児 C児 ・設定された時間 を使って、選ぶ 理由を考えて決 めること ・決定の理由を表 出すること ・理由を基にし て決定するこ と ・決定の理由を 表出すること ・自分の順番の時 に活動すること ・道具を持ちなが ら応援し、友達 の活動を見るこ と (5)ボウリングで優勝した人の発表を聞く。 ・発表への期待感 3 初めの場所に集合し、みんなで教師が用意し た大きなピンを倒すボウリングをする。 ・みんなで活動することの楽しさ ○カードを一番多く集めた人が分かる ようにするために、3人のカードを並 列に貼ることができる模造紙を準備 する。 ○児童が楽しんで取り組むことができ るようにするために、大きいピンを準 備する。 ひ ろ げ る 4 活動の振り返りと片付けをする。 (1)写真や映像で活動の振り返りや自己評価を する。 ・活動に対する満足感や達成感 ・考えて決めることへの有用感 (2)道具の片付けをしてあいさつをし、活動を終 える。 ・使用した道具を片付ける習慣 ○満足感や達成感、有用感を実感できる ようにするために、写真や映像で具体 的な場面を提示しながら称賛する。 ○スムーズに片付けを終えることがで きるように、レーンごとに箱を準備し ておく。 (4) 評価 A児 本時の目標 評価 カードがもらえる条件から、 自分の理由を考えて、使うボ ールを決めることができる。 表に示したもらえるカー ドの枚数などを見ながら ボールを決定し、理由を 教師に伝えている。 時間を使ってボー ルを決定し、理由 を教師に伝えてい る。 表に示したもらえ るカードの枚数を 見て決めている。 ボ ー ル を 見 な が ら 決 め る こ と が で き て い る。 1まい 3まい 5まい ぼーる かーど <ルール> ①1回もしくは2回投げて全部倒すことができ た時にカードをもらう。 ②ボールがえタイムでボールを再決定する。 ③同じもしくは変えたボールでボウリングを行 い、合計5回行う。 おおきい すこしちいさい ちいさい
B児 C児 ※評価方法は、児童の発言及び様相観察とする。 (5) 配置図 本時の目標 評価 カードがもらえる条件から、 自分の理由を考えて、使うボ ールを決めることができる。 自分から決定した 理由を教師に伝え ながらボールを決 めている。 獲得できるカードの 枚数がかかれた表な どを見ながらボール を決定し、理由を教 師に伝えている。 教師とのやりとりの中 で、獲得したいカード の枚数を表出し、それ に合ったボールに決め ている。 教 師 に 自 分 が 使 う ボ ー ル の 決 定 を 任 せ ず に決めている。 本時の目標 評価 自分の順番の時に活動し、友 達が活動している時には応 援することができる。 自分の席から応援す るための道具を使っ て自分から声を出し て応援している。 教師の促しを受け て、友達が活動して いる姿を応援してい る。 前の友達が終わった 後に、自分から投げ る場所へ移動してい る。 教師に指名さ れた後に、投 げる場所へ移 動している。