法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(一) : 産業廃棄物処理施設建設反対運動を素材として
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(2) が争点となることはありうる。しかし、かかる紛争での主張は、常に﹁絶えず一般世論に問いかける正当性と力強さを持. 法運用が争点となることはありうるであろう。例えば、通常の交通事故紛争でも、過失の配分などについて既存の法運用. ハ レ. 性の背後にも、それなりの合理的な理由づけがあり、正当性があると考えられるが、しかし合法性を付与されている側︵産. 民は﹁超法的﹂な﹁正当性﹂を主張して対抗しなければならない。いわゆる合法性と正当性の対立である。もちろん合法. レ. ざるをえない切実な間題として現れる。そこでは、産廃業者が廃掃法に則って﹁合法的﹂に事業を進めるのに対して、住. 容易には解決の芽を見い出せない。しかしながら、現実にその問題に直面している住民からすれば、それは早急に解決せ. いう批判もよく聞かれる。このように、産廃をめぐる問題の根は深く︵だからこそ、社会運動が展開されるのであるが︶、. ハ . 埋めて隠しているだけであり、何ら分解・処理されているわけではない、そのツケは将来の世代に回されるだけであると. 量に発生することを前提として作られていることもよく知られている。また最終処分場といっても、ただそこに廃棄物を. ﹁廃棄物の処理及び清掃に関する法律﹂︵以下、﹁廃掃法﹂と略︶は、廃棄物の抑制を目指したものではなく、廃棄物が大. 量原料輸入、大量生産、大量消費、大量廃棄という現代社会の構造的問題である。そして、産廃処理に係わる法律である. 産廃処理施設については、周知のように、全国各地で激しい反対運動が繰り広げられており、﹁廃棄物処分場問題全国ネッ ︵3︶ トワーク﹂という全国組織も九三年十二月に結成されている。また、不法投棄や越境移動をめぐるトラブルなども発生し ︵4︶ ており、産廃をめぐる問題の解決は、現在﹁わが国内政上第一級の大きな課題﹂であると言ってよい。それは、まさに大. 運動﹂の一つに、産業廃棄物︵以下﹁産廃﹂と略︶処理施設建設反対運動がある。. ために、既存の法制度や法運用の変更を求め、自らの主張の正当性信念を持続的に組織し一般的な妥当性を主張する﹁法. なった社会運動ではない。このような一回限りの個別的な紛争の解決にとどまらず、あるいは、まさにその紛争の解決の. ちつづける﹂とは限らない。つまり、それはいまだ、その主張の正当性信念が組織され一般的な妥当性を主張するように. ハ レ. 説. 廃処理施設設置紛争の場合には、産廃業者︶は、通常、法の背後にまで遡って自らの正当性を主張する必要はなく、合法. 一130一. 論.
(3) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」〔1〕. 性を主張するだけで法的機関の強制力を容易に動員できる。他方、法運動の側は、まず自己の主張がエゴではなく、一般. 的な妥当性と正当性を有するということを、説得的に主張して、多くの人の賛意を得られるようにしなければならない。. とはいえ、住民は、運動を展開する中で、単に正当性を主張するだけでは合法的に事業を進める業者に十分対抗できな. いことも思い知らされる。そのため、何らかの新たな法的メカニズムが模索されることになるが、産廃処理施設をめぐる. クぜ. 運動において、それは各自治体の条例において創設される。後ほど詳しく述べるように、産廃施設建設の場合には、住民. の反対運動と県や地元自治体の施策が連動することが多く、事態を重く見た自治体によって、近年、新たな条例が制定さ. れてきている。すなわち、水源保護条例や環境保全条例、あるいは産廃処理施設立地に関する紛争予防条例などである。. 本稿では、そのような展開を見せている運動として、福岡県宗像市と、同じく福岡県上陽町の事例をとり上げ、そこで. どのような法的メカニズムが創設されようとしているのか、そしてそれが住民の運動とどのように連動しているのかを検. 討したい。前者の場合、関係する条例は﹁宗像市環境保全条例﹂であり、後者の場合、それは﹁福岡県産業廃棄物処理施. 淡路剛久﹁公害紛争の解決方式と実態﹂金沢良雄監修﹁注釈 公害法体系・第四巻﹄︵日本評論社、一九七三︶三五頁、および、. 設の設置に係わる紛争の予防及び調整に関する条例﹂である。. ︵1︶. 社会運動については、近年、社会学の分野で、﹁資源動員論﹂と﹁新しい社会運動論﹂に依拠して、多くの研究がなされている。. 六号︵一九九四・一︶七一頁以下を参照。. ﹁廃棄物処分場問題全国ネットワーク﹂については、農︵あした︶六巻=二号︵一九九四・六︶三十頁以下、及び社会運動一六. と社会運動﹄︵東京大学出版会、一九八八︶、思想七三七号︵一九八五︶。. 論の統合をめざして﹄︵成文堂、一九九〇︶、同会編﹃社会運動の現代的位相﹄︵成文堂、一九九四︶、梶田孝道﹃テクノクラシー. 杜会運動論については、さしあたり以下を参照。ZΦ一こあ幕一ω負98蔓。h9箒3語野ぎ≦自︵一。8︶”会田彰・木原孝訳﹃集 合行動の理論﹄︵誠信書房、一九七三︶、塩原勉編﹃資源動員と組織戦略﹄︵新曜社、一九八九︶、社会運動論研究会編﹃社会運動. 同﹃スモン事件と法﹄︵有斐閣、一九八一︶七頁以下。 ︵2︶. ︵3︶. 131.
(4) 阿部泰隆﹁廃棄物処理法の改正と残された法的課題H﹂自治研究六九巻六号︵一九九三︶三頁。. 阿部・前掲論文︵七・完︶自治研究七〇巻二号︵一九九四︶九頁以下。. 淡路・前掲論文八頁。. もちろん、この段階で、運動が目的を達し、終息することもありうる。産廃処理施設問題に則して例をあげれば、 全国的に注目 された栃木県葛生町の運動は、産廃処分場予定地を栃木市土地開発公社が買い上げることになり、一応終息した。 朝日新聞九四. 年一月七日朝刊、及び同九四年三月二七日朝刊。. 産廃処理施設建設反対運動の特徴. 有者が市場的価値があると思えば、それは廃棄物とはならない。つまり物の客観的な性状からは判断できないのである。. 所有者が市場価値がないと判断すれば、それは廃棄物となる。逆にほとんど使用に耐えず、廃棄物と思われる物でも、所. 物であると認識しているかによって、廃棄物となったりならなかったりする。だから新品の物でも、デザインが古くなり、. まず第一に、廃棄物の定義は主観的であり、あいまいである。つまり、所有者が有価物であると認識しているか、無価. が、本稿に関係する限りで、若干、廃掃法の問題性を述べておきたい。. ユ . て大量に出てくる廃棄物を焼却・埋立処分しようとする姿勢が強い。その詳細な検討は、他の文献を参照してもらいたい. サイクル法︶と相まって、ゴミの排出抑制、再資源化を打ち出してはいるものの、その方策は不徹底であって、依然とし. されるが、基本的な性格は旧法と変わらないように思われる。確かに、改正廃掃法は、再生資源利用促進法︵いわゆるリ. 前述のように、産業廃棄物に関する法律は、﹁廃棄物の処理及び清掃に関する法律﹂である。これは一九九一年に改正. 第一節 廃掃法の間題性. 第一章. 7654. 第二に、廃棄物は市町村で処分する一般廃棄物︵一廃︶と、排出事業者が自己処理する産業廃棄物︵産廃︶に区別されて. 一132一. 説. 論.
(5) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(L. いるが、その区分が不合理であると言われている。例えば、﹁印刷業︵印刷出版を行うものに限る︶から出る紙は零細業者 レ から出ても産廃であるが、印刷出版を行わない出版業や大きなデパートや商社から出るOA用紙などは一廃である﹂。 こ. れは、物の客観的な性状ではなく、その廃棄物としての﹁出所﹂によるからである。. 第三に、最終処分場の問題である。最終処分場は、その収容できる廃棄物の種類により、安定型・管理型・遮断型の三 へ レ. 種類に分かれているが、その中で最も数が多く、そして最も問題を引き起こしているのは安定型最終処分場であると言わ. れている。安定型とは、安定五品目、すなわち廃プラスチック、ゴムくず、金属くず、ガラス・陶磁器くず、建設廃材を. 指し、水に不溶性で、腐敗しない安定物を意味する。そのため、地下水の汚染防止や浸出水の処理といった対策は不要と. され、またガスやそれに伴う異臭についても対策は不要とされている。その代表的なものは、地表に巨大な穴を堀り、あ へ レ るいは谷に堰堤を作り、その中に廃棄物をそのまま投げ捨ててその上から覆土するという簡単なものである。. もちろん、安定型最終処分場に捨てられる廃棄物が、これら安定五品目のみであり、また完全に非水溶性であれば、問. 題はほとんどないかもしれない。しかし、実際には、分別が完全に行われることはありえず、有機物がどうしても付着す. ると言われている。またカドニウムメッキや塗料のついた金属くずも金属であるから、安定型に投棄されるが、このよう. ら . なものから有害物質が溶出しないとは限らない。さらに、溶出検査は、中性水で行われるが、実際の雨水は酸性であり、. 中性水より腐食性が高いと言われている。. ハ べ. ア . 第四に、本稿に最も関係する産廃処理施設の立地の問題である。産廃処理は全国的規模の施策に基づいて行われなけれ. へ . ばならない国の関心事であり、県への機関委任事務とされている。そのため、地元市町村には法律上の権限はほとんどな. く、他方、県も自由裁量的な権限はなく、立地規制はできない。つまり地元市町村は蚊帳の外に置かれた状態で、県から ハ . 処理施設設置の許可が業者に出される。また県も、業者の計画が法的な要件をクリアしていれば、許可せざるをえない。. だから、ある市町村に産廃処理施設建設計画が集中しても、県も市町村も何ら規制できない。さらに、県や市町村での産. へ10︶. 一133一.
(6) 廃の越境移入の禁止も制度上困難である。排出事業者と産廃処理業者の契約の自由に抵触するからである。しかも政府は、. 産廃の広域処理に前向きであると言われている。このような理由から、地元市町村は、独自の条例を制定して何らかの形. で産廃処理施設を規制しようとしたり、また県も、独自の条例により、法の手続きに入る前に、業者に地元との合意を得. るよう指導したりする。本稿でケース・スタディとして取り上げるのは、このような条例である。. この他、そもそも廃掃法では排出事業者の処分が原則であるにもかかわらず、実際には産廃業者への委託が多く、排出. 事業者の責任が著しく小さいとか、安定型最終処分場で三千平方メートル以下は廃掃法の適用を受けないといった、いわ ゆるスソ切り処分場の問題などもあるが、本稿ではそのことを指摘するだけにとどめたい。. 以上のように、廃掃法は改正された後も、様々な問題性を孕んでいるのだが、このような廃掃法を背景にして、実際生 じている紛争はどのような基本的構造を有するであろうか。節を改めて検討したい。. 第二節 産廃処理施設建設反対運動の基本構造. まず第一に、構造的ストレーンとして、最終処分場の不足があげられる。例えば、厚生省は九三年六月十七日時点で、. 最終処分場の収容能力を一・七年分と試算している。また、その際の調査によれば、九十年度の産廃の総排出量は約三億. 九千五百万トンで、八十五年度に比べて二六%もの大幅増となっている。リサイクルの早急な進展が必要なことは言うま. ︵n︶. でもないし、そのためにもそもそもの排出事業者のリサイクルヘの取組の抜本的強化が必要なことも明らかであるが、本. 稿ではこのことについてはこれ以上言及しない。ともかく、現時点では、事態が大変逼迫していることを確認しておきた. ︵12︶ い。このような事情は、福岡県でも変わらず、県の試算では、平成七年度中に残収容量がゼロになるとされている。また、. 上陽町の事例で検討するように、このような逼迫した状況の下で、新たな最終処分場の立地が、農山村の過疎地域に集中 する事態も生じている。. 一134一. 説. 論.
(7) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(1〕. F︳←. 1一∠. …7rl I一 4 1 ノ『. ’ I I I 一一一ノ 1− 1 問駿黎罧均/当該市町村差 _一_一一__1’I l 一一一一一一一一一L↑一一1,. 次に産廃処理施設建設反対運動の基本的特徴として、それは、. 住民対産廃業者という民事紛争を核として、その周囲に県や. 市町村といった公共機関が深く関与していることがあげられ. る。県は、機関委任事務として産廃処理事業を監督しており、. 処理業や処理施設の許可権限を有している︵旧廃掃法では届出. のみ︶から、住民側は県に陳情や請願など様々な働きかけを行. う。しかし県は機関委任事務であり、自由裁量ではないことを. 強調する。そのため、住民側は、県は産廃処理施設を作りたがっ. ており、業者の味方であって、自分たちにとっては敵手である む . という認識をもちやすい。他方、地元市町村は、水道水源や大. 気の汚染、町のイメージ低下を恐れ、また産廃施設が完成した. 後の道路や交通問題も予想されるため、さらには住民の政治的. 圧力の故に、積極的に紛争に関与しがちである。また同一水系. ︹14︶. の下流にある住民や市町村も水源の汚染を恐れて、反対運動に. 協力することが多い。逆に産廃処理業者からすれば、このよう. な市町村の態度は、中立公正ではなく、公共機関にふさわしく. ない態度であると認識されやすい。こうして、産廃処理施設建. 設に係わる紛争は、民事紛争と公的紛争とが複雑に錯綜した紛. 争となる。それを図示すれば、図︸のようになる。. 一135一. 体(産業廃棄物協会). 驚1. 厚生省、環境庁. 》(巫⊃. 編 、 、、____一__[一一__4_ \、一一︳. 産廃処理施設間題の主要主体連関図 (図一). , 1ノノI I I. !l l I l. 弁護士 iii i. の体 種団 同他. ノ ノ ノ ロ. ・》籍禰 _協力関係 組織関係1. ノ ロ i 一 置. ノ ノ ’ 1. 同一水系 住民. 国 他市町村. ’”:1ノィ:. ! ノ 1. 一一一う働きかけ. ・…・一間接的関係. 排出事業者.
(8) 口冊. 第三に、産廃処理施設建設反対運動は、受苦圏・受益圏の観点から見れば、重なり型と分離型の中間に位置づけられる。 ︵15︶. ﹁受苦圏﹂﹁受益圏﹂という分析道具は、梶田孝道が、﹁テクノクラートの視角﹂と﹁生活者の視角﹂を明らかにするために. 発明したものであるが、それは、①﹁欲求﹂の充足・不充足、ないしは当該システムの﹁機能要件﹂の充足・不充足とし. て、かつ②一定の空間的拡がりをもった﹁地域的な集合体﹂として、定義される。例えば、新幹線建設問題の場合には、. へ16︶ ︵17︶. 受益圏とは、①新幹線の﹁速さ﹂﹁快適さ﹂﹁正確さ﹂という欲求ないしは機能要件を充足しうる人々の集合体であり、②. 新幹線を利用する全市民という圏域となり、受苦圏とは、①新幹線建設によって、﹁平穏な生活﹂という欲求ないし機能. 要件を充足しえなくなる人々の集合体であり、②新幹線沿線に住む住民の圏域である。産廃処理施設間題の場合には、受. 益圏とは、直接的には様々な生産活動を行い、産廃を排出している排出事業者であり、間接的な形ではあるが、快適な物 ︵18︶. 質生活を享受している一般市民、とりわけ都市住民から成る圏域であり、産廃業者は、受益圏の集約的履行者として現. れる。また受苦圏とは、産廃処理施設周辺の住民やその下流域の住民から成る圏域ということになる。. 次に、受苦圏・受益圏重なり型とは、一般廃棄物処理施設の場合のように、廃棄物処理と、公害のないきれいな環境の. 保持という対立する二つの機能要件の充足が、同一システムないしは同一自治体において求められている場合を指す。こ. の場合、加害者と被害者の空間的・社会的距離は比較的小さく、それぞれが他の立場に自らを置いてみることが容易であ ︵19︶ る。すなわち二つの機能要件の対立は、主体内葛藤として現れやすい。そのため、各主体において﹁自覚﹂﹁反省﹂が生. まれやすく、妥協、すなわち条件付きの合意が形成されやすい。これに対して、分離型とは、新幹線や空港建設のように、. 高速で快適な移動と、平穏な生活の保持という二つの対立する機能要件が、もはや同一システムないしは同一地域ではな. く、二つのシステムないしは地域レベルに分離している場合を指す。この場合、受益圏は新幹線の利用者という極めて希. 薄化された形で拡散している。他方、受苦圏は、自治体よりもっと小さな町内会単位である。したがって、加害者と被害. 者の空間的・社会的距離は極めて大きく、加害者には、自らの欲求充足の随伴効果がどのような被害を他者にもたらして. 一136一. 説 …△.
(9) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(1). いるかという自覚も形成されにくい。また、運輸省やJR・空港管理者は、圧倒的多数の受益圏の欲求充足を自己の優先 課題と考えやすい。こうして、全主体間に共通の了解は生じにくい。. さて、産廃の場合であるが、これは、分離型と重なり型の中間に位置づけられるように思われる。首都圏の産廃が東北. 地方にまで運ばれるような越境の遠距離移動の場合は、純粋の分離型に近くなるが、同一地域あるいは同一自治体内での. 処理の場合は、重なり型に近くなる。それらの中間に、同一県内ないしは周辺県内での処理の場合が位置し、現状ではこ. のケースが最も多いと思われる。このように、産廃の場合は、分離型と重なり型の中問にかなりの幅をもって分布するか. ら、そのため反省や葛藤の現れ方もさまざまである。つまり、産廃の適正・迅速な処理と、安全で平穏な生活という二つ. の対立する機能要件の充足が、主体内葛藤として現れる場合もあれば、それが主体間葛藤として現れる場合もある。前者. に相当するのは、地域の地場企業から排出される廃棄物の地域内処理の場合などであろうが、この場合には、産廃業者や. 住民だけでなく、排出事業者も紛争の一主体として顕現しやすく、したがって受苦圏・受益圏の全主体に共通の了解が生. じやすいと思われる。他方、後者に相当するのは、例えば都市部で発生した廃棄物が農村部に廃棄される場合などであろ. う。この場合には、排出事業者は紛争の場に顕現しにくく、紛争は、受益圏の集約的履行者たる産廃業者と住民による主. 体間葛藤となり、合意は形成されにくいと思われる。住民は、﹁都会のわけのわからないゴミを持ってくるな﹂と言うの である。これが、産廃処理施設建設反対運動の典型であろう。. しかしながら、この後者の場合、住民の主張は様々な反論を受けることになる。これは、第四の特徴である自己回帰性. の相対的な高さと関係してくる。つまり、先程のような主張は、﹁あなたがたの子供の中にも、その都会に勤めに出てい. る人がいるだろう﹂とか﹁あなたも家を壊したら、建設廃材を出すのだ﹂、あるいは後ほど述べる宗像市の運動の場合には、. 業者から﹁住民も木くず・紙くずを出すはずだが、そのことについてどう考えるのか﹂という反論を受け、また上陽町の. 場合には、﹁過疎地域への交付金も、もとは都会での生産活動からの税収によるものだ﹂という批判を受けている。またもっ. 一137一.
(10) 排出事業者. 産廃業者. 十丁0 ←. 一般市民. 財の享受の水準. 産廃処理施設建設反対運動の基本型 (図二). と一般的に言えば、﹁現在の豊かな物質生活を享受しておきながら、その廃棄. 物の処理施設には反対するのか﹂という批判も出されうる。. ハ . この第三と第四の特徴は、実は一体として考えるべきである。つまり、純粋. な重なり型は全くの自己回帰的紛争であり、純粋な分離型は自己回帰性が全く. 図二のようになる。. ない紛争である。そうすると、産廃の場合には、両者の中間として、﹁広い受 パむ 益圏・狭い受苦圏の重なり型﹂と考えるべきことになる。それを図示すれば、 ハぞ. 受益圏は、広範な排出事業者および、問接的な形ではあるが、一般市民、そ. してその集約的履行者としての産廃業者から成り、この産廃業者が、直接に狭. い受苦圏と対峙する。しかし、受苦圏に属する人も、何らかの形で産廃処理か. ら恩恵を受けていると考えられるので、重なり型となるのである。. まり、住民側は、もはや﹁絶対反対﹂とは言えなくなり、﹁安全であることが. このことを反映して、第五に、論争の焦点は安全性の証明如何へと移る。つ ハぞ. 証明されれば、受け入れる﹂と言わざるをえなくなるのである。ここで、注意. すべきは、住民側の心情は、産廃施設にはあくまで反対であるが、そのように. 主張することはできない、安全であれば受け入れざるをえない、しかしやはり. ヤ ヤ ヤ ヤ ヤ ヤ ヤ ヤ ヤ ヤ. 作らせたくない、といった動揺を示すことである。あくまでも住民は、﹁安全. であることが証明されれば、受け入れる﹂と言わざるをえなくなるのである。. 以上のように、産廃処理施設をめぐる紛争は、処理施設不足という逼迫した. 一138一. 説. 論. 〔受益圏〕. 〔受苦圏〕.
(11) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(1). 事情を背景に、産廃業者、住民、地元市町村、近隣市町村、県、国の各主体が複雑に絡み合った行動をとるものであるが、. その基本型は﹁広い受益圏・狭い受苦圏の重なり型﹂であって、そのために住民の側は﹁絶対反対﹂とは言えなくなり、. 結局のところ、その争点は当該施設が安全と言えるか否かに移る。しかし安全性の証明は、産廃業者に限らず、実は一般 的に言って、極めて困難である。. 第三節安全性の証明. 後述する上陽町の事例では、一九九二年三月に、既設の安定型最終処分場から大量の泡を伴った汚水が流れだした。住. 民の通報を受けた町は直ちに保健所に水質検査を依頼したが、その結果は、違法に投棄されたコンタクトレンズ洗浄液に. 含まれる非イオン界面活性剤が、河川に流出する浸出水で○・三㎎/4含まれており、これが発泡の原因と推定されると. いうものであった。また車のダッシュボードのシュレッダーダストと見られるスポンジ状物質からの溶出試験と幾つかの. 有害金属の検出検査もあわせて行なわれたが、そのいずれも基準値以下であった。しかし、住民はこれで安心しているわ けではない。むしろその基準値そのものに、直観的な不安を覚えはじめている。. このように、現在、安全性の証明は、物質Aは何㎎/4以下といった実体的基準値に照らして行われる。しかしながら、. このような考え方には専門家からも疑問が出されている。﹁ただ一種の科学物質にさらされているなら、ADI︹一日許. 容摂取量︺以下は安全という説明は納得できる。人体には治癒機構もあり、少数の毒物は何の影響も与えないことは十分. ありうる。しかし現実に、いま一〇〇種も一〇〇〇種もの科学物質にさらされている。ADIは個々の科学物質について. の動物実験をもとにして決められる。それを多数の科学物質にさらされている現実の中に戻して、一つ一つがADI以下. なら全体としても安全というのが、現在の基準値の考え方である。これで安全が保障されるという説明に、私は全く納得 できない﹂。. レ. 一139一.
(12) また、このような実体的基準値は形式的な平均値であって、実質的な個別の事情とは無関係に設定されている。ベック. はこれを﹁社会的思考の欠落﹂と呼んで、次のように述べている。﹁同一の有害物質が、年齢、性別、食習慣、職種、情報、 ︵25︶ 教育などの点で、異なった人間に対しては全く異なった意味を有しうることが忘れられがちである﹂。. ベックは他にも、有害物質による被害の発生を予測するには、あまりに因果関係が複雑すぎることを指摘する。﹁因果. 関係の推定はあくまで理論に基づくのである。それゆえ、絶えず補足して考え、事実を仮定し、信じることが必要となる。 ︵26︶. 従って、危険を肉眼で捉えることはできない。しかも、通常、推定された因果関係は、多かれ少なかれ不確かであり暫定 的な性格をもつ﹂。. このように考えれば、住民の不安はもっともである。したがって、住民は、﹁産廃施設絶対反対﹂とは主張できず、﹁安. 全性が証明されれば受けいれる﹂と言わざるをえないが、その安全性の証明にはきわめて厳しい態度で向かうことになり、. 従来の基準値以上に説得力のある独自の証明方法を期待するようになる。それは、安全性証明のプロセス化とでもいうべ. きものである。つまり、従来の実体的基準値の個別性、形式性、決定性を排して、それを全体性、実質性を備えた暫定的. なプロセス的基準へと組み換えようとする。それは、実体的基準値以下のものならいつでもどこでも安全とみなすのでは. なく、むしろ、様々な事情を考慮しうる、ある証明プロセスを経たものを安全とみなす考え方である。そしてそれを制度. ︵27︶. 化したものが、次に検討する二つの条例、すなわち宗像市の﹁環境保全条例﹂と福岡県の﹁産業廃棄物処理施設の設置に. 係わる紛争の予防及び調整に関する条例﹂と考えることができる。前者は、市が設置する審議会の審議というプロセスが、. また後者は、産廃業者と住民との合意形成というプロセスが、産廃処理施設が安全であるか否かという判断の妥当性を担. 保するとみなされている。こうして、以下に検討する二つの産廃処理施設建設反対運動では、産廃施設を建設させたくな. いという実体志向︵ω呂ω$呂詣。幕日呂。昌︶と、安全なものは受け入れると言わざるを得ないが、その安全基準は、実体. 的基準ではなく、これこれの証明プロセスを踏んだものを安全とみなすというプロセス的基準であり、言わばプロセス志. 一140一. 説 訟 口冊.
(13) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(1). 阿部・前掲論文︵二︶自治研究六九巻八号五頁。また高杉晋悟﹃産業廃棄物﹄岩波新書︵一九九一︶五七頁以下も参照。. 巻一号、二号︵一九九三∼一九九四︶。以下の叙述は本論文に負うところが多い。. 阿部泰隆﹁廃棄物処理法の改正と残された法的課題︵一︶∼︵七・完︶﹂自治研究六九巻六号、八号、九号、十号、十一号、七〇. 向︵ヌ08諺。幕葺呂8︶と言うべきものとが錯綜しているように思われる。. ︵1︶. ︵13︶. 高杉・前掲書三九頁以下。. れば水が集まる所でもある。そんな所にゴミを捨てて排水の処理もしなくていいのか﹂といった疑問が出されている。また﹁以. 筆者が聴取したところでは、﹁安定型処分場は、谷間に作られることが多いが、そこは谷川が流れているところであり、雨が降. 前はこの谷川の水は飲めたし、ここにはサンショウウオも住んでいた﹂という声もある。. 阿部・前掲論文因自治研究七〇巻一号四頁以下。なお、福岡県市長会は、九四年四月一四日に﹁産業廃棄物処理施策の改善につ. 高杉・前掲書四二頁以下。. ついて現在の技術の進歩等を考えたとき、種々様々な添加物や混合化合物が含まれていることが推測されるので、安定型をなく. いて﹂という決議を決定し、国に要望した。その内容の前半は、﹁安定型最終処分場については、法に定められている五品目に. し、管理型に一本化することなど、施設整備の条件等を見直すこと﹂となっている。朝日新聞九四年五月十一日朝刊。 但し、地方自治体の関心事でもある。. 九二年改正前の旧廃掃法では届出だけでよいとされていた。. 但し、保健所設置市には、県と同様の権限がある。. 付ける等の措置を講じること﹂となっている。. 注︵6︶であげた福岡県市長会の決議の後半は、﹁最終処分場の許可にあたっては、特定地域への偏りをなくした適正配置を義務 朝日新聞九三年六月十八日朝刊。 れるという前提の下での試算である。. 但し、北九州市内の処分場を計算に入れず、また処分場が増えず、さらに県内発生の産廃が県外に移動せず、県内のみで処理さ. 実際、九州行政監察局は、産廃の排出事業者と処理業者を幾つか調査した結果、そのほとんどが廃掃法に違反しているとして、 九四年三月二九日に福岡県に改善を求めている。朝日新聞九四年三月三〇日朝刊。. 一141一. 432 65. 10987 1211.
(14) 上陽町は、町広報に、九二年八月号から現在まで﹁ゴミの町にはなりたくない﹂というキャンペーンを張っている。また幅四m. 梶田孝道﹃テクノクラシーと社会運動﹄︵東京大学出版会、一九八八︶四頁以下。﹁テクノクラートの視角﹂とは、諸々の利害の. 足らずの狭い山間の道を産廃運搬のトラックが往来することで、現在も道路の破損や交通事故が起きている。. 全体の考量と調整を自己の課題とし、したがってすべての利害・要求を﹁部分的﹂なものとみなし、それらを﹁全体的文脈﹂の. 中で相対化する視角である。この視角からすれば、諸問題は常に﹁経営問題﹂であり、﹁最適化問題﹂である。他方、﹁生活者の. のであると認識し、その充足を求める視角である。この視角からすれば、諸問題は﹁支配・非支配問題﹂あるいは﹁抑圧・非抑. 視角﹂とは、自己自身の直接的具体的で切実な利害・要求を行動の原点に置き、それゆえ自己の要求をかけがえのない正当なも. はテクノクラートではないことには注意すべきである。したがって、梶田の分析を採用するには、いくらか留保が必要であろう。. 圧問題﹂となる。ここで、産廃問題の場合、その紛争は基本的に民事紛争であり、県の担当者の裁量は覇束裁量であるから彼ら. しかし住民からすれば、県の担当者は﹁住民の方を向いていない﹂とか﹁産廃施設を作ることばかり考えている﹂と認識され、. ていることを考えると、この二つの視角という分析概念は、産廃問題の場合にも有用であると思われる。もし、第三セクタ:な. 他方、県の担当者からすれば、﹁住民は処分場の深刻な不足を考えていない﹂とか﹁反対反対で聞く耳を持たない﹂と認識され. どの公共関与の処理施設を作る場合には、この分析概念がストレートに当てはまることは言うまでもない。 梶田・前掲書八頁以下。 ﹃新幹線公害 ﹄ ︵ 有 斐 閣 、 一 九 八 五 ︶ が あ る 。. この分析概念を用いて、新幹線による公害問題をより詳細に分析したものとして、舩橋晴俊・長谷川公一・畠中宗一・梶田孝道. り産廃処理という機能を集約的に果たしていることを指す。. 産廃業者が受益圏の集約的履行者であるということは、産廃業者が排出事業者から委託を受けて専門的に産廃を処理する、つま. このことを考慮して、図一では、排出事業者を反対運動をする住民と間接的関係で結びつけている。. ﹁反省﹂を様々な側面から考察したものとして、野村一夫﹃リフレクション﹄︵文化書房博文社、一九九四︶を参照。. 以下を参照。. 舩橋晴俊﹁﹃杜会的ジレンマ﹄としての環境問題﹂社会労働研究︵法政大学社会学部学会︶三五巻三・四号︵一九八九︶三九頁 舩橋晴俊・前掲論文四〇頁の図を参考に作成した。. ちなみに、福岡県自民党県議団は、九一年七月一六日に、産廃施設に関する請願のうち、﹁絶対反対﹂とするものについては紹 介議員とならないことを決定した。. 一142一. ︵14︶. ︵15︶. ︵18︶. 1716. 212019 2322. 説. 論.
(15) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」〔11. ︵24︶. 版、一九八 八 ︶ 一 二 三 頁 以 下 も 参 照 。. 中西準子﹃水の環境戦略﹄︵岩波新書、一九九四︶一五五頁。また浮身G即邑ざ鴨ωΦ房。訂津”東廉監訳﹃危険杜会﹄︵二期出. 零葺q前掲書五二頁以下。 国立公害研究所の後藤典弘の次の発言も参照。. 評葺¢前掲書五六頁以下。. ﹁線引きしなければならない、あるいは何処かで基準を設けるということは、そのための科学的な知見が蓄積されていなけれ. ばならない。たとえば何年経ったらこういう問題が起こる、それにかかるコストはこれだけだから、いまからこれだけのコスト. を生産の段階で加味していくというのがフォーマルなアプローチだと思うのです。しかし、このアプローチは論理的に正しいで. すが、いつも実際的ではないのです。つまり、将来の不利益を算定するには、いつも大きな不確定性が伴い、したがって、科学 的に基準もなかなか決められないのですね。. いても、明らかに現段階で健康影響等があるものについては、予防的な意味でそういうものの生産を最小に留めるとか、あるい. 一143一. そうすると、このあたりで抜本的に発想を変えて、必ずしもいま科学的知見が基準を決めるほどには十分得られないものにつ. は用途を限定するとか、はっきりした線を引くというよりも、歯どめをかけるといった方策をとっていくべきだと思うのです。 考える﹂での発言。ジュリスト九四四号︵一九八九︶、十七頁以下。. その際問題になるのは、科学的な知見もさることながら、むしろその社会のコンセンサスだと思うのです﹂。鼎談﹁ごみ問題を. このように考えれば、現時点で必要な思考方法は、安全基準ではなく、社会のコンセンサスに支えられたリスク配分ないしは リスク管理という思考方法であろう。. 宗像市における焼却炉建設反対運動. 頃まではほぼ二万人で推移していたが、七〇年ごろから、日の里、自由ケ丘といった大型の住宅団地の開発が進み、福岡・. 福岡県宗像市は、福岡市と北九州市のほぼ中間に位置する、人口およそ七万人の住宅都市である。人口は、一九五五年. 第一節 宗像市の概要. 第二章. 272625.
(16) 北九州両市への通勤者が急速に増加する。七七年に、人口は五万人を越え、八一年三月に市制に移行している。産業別就. 業者数の推移は、第一次産業が七〇年に約三千二百人であったのが、八五年には約千六百人、同じく第二次産業が約三千 パこ 五百人から六千三百人へ、また第三次産業が六千二百人から一万七千七百人へと変化している。さらに、一九九〇年現在、. 宗像市に常住する就業者一一七八八二名のうち、県内他市区町村で従業している者は一六二九四名︵全体の五八・四%︶で. あり、そのうち、第一次産業四四名︵先の数を一〇〇とした場合、○・三%︶、第二次産業四七六三名︵二九・二%V、第. 三次産業一一四六六名︵七〇・三%︶となっている。以上から、宗像市の産業別就業者数は、第一次産業が減少を続け、. レ. 第二次産業が微増、第三次産業が大幅増となっており、人口急増をもたらした新興住宅地の住人のかなりの数が、県内他. 市区町村で第三次産業に従事しているホワイトカラーであることが推測される。また、同市には福岡教育大学が位置して おり、大学関係の知識人も相当数居住しているものと思われる。. さて﹁職員の手作り﹂を強調して九一年に策定された第三次宗像市総合計画では、﹁土地が市民全体のための資源である ︵3︶ という認識のもとに、自然環境の保全と公共のための活用を図る﹂﹁こんごは市街化区域の拡大は原則として抑制する﹂、. あるいは﹁本市では、都市化の進展に伴い過去十年間、約二四ヘクタールの森林が開発され、水、緑など快適環境を支え. る要素を減少させてきた。また、豊かな自然が残っている市街化調整区域には、民間ディベロッパーの所有地が相当ある。 パゑ こんごこれらの土地の取扱いが課題となるが、環境保全に対する配慮が最優先されるべきである﹂とされ、自然環境の保. 全が優先課題とされている。とりわけ、宗像市では、飲料水の水源を市内中心部を流れる釣川水系に依存しており、その. 水量・水質の確保が重要とされている。そのための総合的な対策として、水源酒養のための植林や下水道︵既に七九%で. はあるが︶・合併浄化槽の整備、また市民が水に親しめるようにと市民参加による河川堤防の草刈り並びに水辺の整備、 ハゑ あるいは農薬使用の減量化や合成洗剤追放の市民運動の展開などが唱われている。このことから、市当局の環境保全意識. はかなり高いことが窺える。そして宗像市の目指すべき将来像は﹁福北大都市圏のオアシス都市・宗像﹂とされ、﹁本市. 一144一. 説. 論.
(17) 法運動における「実体志、向」と「プロセス志向」(11. こそ、福岡、北九州両市では充足しえない﹃オアシス空間・機能﹄としてのポテンシャルを有し、質の高い住みよい生活 を、市民一人ひとりが享受しうる可能性を秘めている﹂と述べられている。. へ6︶. このような自己定義をしている宗像市に産廃焼却場建設の計画が表面化したのは、九十年五月であった。しかもその場 所は、大規模団地である日の里地区から、直線距離にして三百メートルのところであった。. 第二節 運動の展開. 3 ・. 日の里地区住民は産廃計画中止要望の署名︵三七五戸、 七八八名︶を市議会に提出する。. 運動の展開については、 少々長くなるが、年表一を参照してもらいたい。. 21. [九八六︵昭和六一︶年 1・29 日の里地区住民は市および県保健所に問い合わせる。. う要請する。. 住民側は、宗像保健所および市︵総務課︶に監視・指 導の強化と、S工業による説明会の開催を働きかけるよ. S工業、上記産廃処分場に埋立開始。 宗像保健所の斡旋でS工業による説明会が開催され る。ここで焼却処理はしないこと、および管理型へ移行 はしないことを業者が明言︵?︶。この言明の有無が後 に争点となる。. 一145一. ︵年表一︶ 宗像市産廃処理施設建設反対運動の経過 一九八O︵昭五五︶年 8・1 3 村山田三段池から水があふれ、日の里七丁目に被害が 発生。地元村山田は不要なため池として困惑。. ﹃九八七︵昭六二︶年 ・12 S工業より安定型最終処分場設置の届出が、 宗像保健. 30 捺印。. 11. 市衛生課は 、 市 に は 権 限 な し と 回 答 。. ︵昭和六三︶年. 所に出される。. 村山田水利組合が福岡のS工業へ村山田三段池を売 却。またS工業より村山田区へ、産廃処分場︵管理型︶ に条件付きで焼却炉を設置する旨の誓約書が渡る。 村山田区長は、S工業の焼却炉建設に対する承諾書に. 印。. 一九八五 ︵昭和六〇︶年. 10. n・1 村山田の水利関係者がS工業に対する水利承諾書に捺. 10. 1九 八 8八. 22 98. 11.
(18) ︵平二︶年 S工業は、宗像保健所に産廃処分場埋立完了地への焼 却炉設置届を提出する。事業概要は、ゴムくず・建設廃 材・木くず・廃プラスチック・紙くず・繊維くず・動植 物性残渣・廃油・汚泥・医療廃棄物の焼却。. 6・1 2 S工業は、5・29届出を事前協議段階で取り下げる。. 催を指導。. 処理量を削減して再提出の意向。県は住民への説明会開. 6 ・ 日の里地区選出市会議員五名の提案により﹁焼却炉建 設反対﹂が市議会で決議される。 市議会正副議長が、県環境整備局長へ意見書を提出す 6 9 る。また宗像市長は、県副知事、県環境整備局長と面会 し反対意見を表明する。 市役所内に産業廃棄物対策協議会が設置さる。 S工業は、焼却炉設置届を再提出する。廃プラ・汚泥 の処理量を減らし、廃油・医療廃棄物の処理を削除して いるが、 他 は ほ と ん ど 処 理 量 を 増 加 さ せ る 。 日の里地区、東郷地区で署名運動。 市衛生組合︵区長、町内会長による組合︶署名運動。 全市での運動となる。. 県議会に反対署名一万二千名を伴った請願書提出。 市議会全員協議会開催。議会、市ともに可能な限り阻. 止に向け努力すると表明。 7 ・ S工業社長らが、宗像市役所を来庁し、焼却炉の計画 について説明。市の反対の意向について抗議する。 8・ 3 住民の反対運動組織として、産業廃棄物焼却炉設置反 対対策委員会︵以下、産廃対策委︶が設立される。 S工業は、産廃処理施設設置届を再度変更。廃プラ焼. 却量を日量三ト!からO・○八ト/へ変更、その他は変更な. 9 ・ 6. に抵触しないとのこと。. し。これにより、建基法五一条、廃掃法二一条政令七条. 市議、産廃対策委委員、市執行部が、県建築指導課を 訪問し、建基法五一条の解釈を質す。県は同五︼条には. 説明会。. 9・1 8 県環境整備局整備課による日の里地区役員への第一回. Qゾ ・. 抵触しないとの見解。. 県整備課・日の里地区役員との第二回懇談会。 ①焼却場は建設しないとの昭和六三年の約束が公害防止 協定などの文書で残っていれば、県としても指導ができ る。②県としては、機関委任事務であり、現行法では、 立地規制もない。③現在の埋め立て処分場は、安定型の ため地下水の検査などはする必要がない。 県環境調整課・建築指導課合同説明会開催︵建基法五 一条、廃掃法一二条政令七条の解釈の違いが争点︶。 市議会議員代表者が上京、建設省・厚生省訪問︵建基 法五一条、廃掃法一二条政令七条の解釈について聴取︶。 宗像市・宗像地区水道企業団運営協議会・産廃対策委 は、県副知事へ陳情。届出の不受理を求める。五百名を 超す住民が同行。. 産廃対策委は、日の里地区公民館内に、﹁焼却炉設置 反対対策室﹂を開設。産廃対策委の者が常駐。 産廃対策委が県建築指導課を訪問。建基法五一条・廃 掃法一二条政令七条の解釈の見直しを要望。 このころ、五万人の署名をあつめる署名運動が行われ る。. 市は、県建築指導課より、建設省とも協議した結果、 建基法五一条に抵触する︵廃プラ混入のため︶との回答 を得る︵この結果、焼却炉建設には、都市計画審議会の. 一146一. 21. 9. 30. 6. 7. 22. 10. 10 10 11 11. 290. 14. 1918. 15. 2825. 1830. 23. 11. 5九. 66. 0. 11. 12. 12. 九. 66 76. 説 論.
(19) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」ll1. ︵平三︶年 県の﹁産業廃棄物処理施設設置にかかわる紛争の予防 及び調整に関する条例﹂が施行される。 市長は知事と会談し、焼却炉の設置反対を要請する。 S工業が、県環境整備課を訪れ、木くず紙くず専用焼 却炉に再々度変更すると申し出る。県は、①これは政令 七条に抵触しない︵木くず紙くず専焼炉は産廃施設では ない︶、②昨年からの継続であり県の紛争予防条例にも. 産廃対策委は、約五万人の署名を携えて県知事に、S 工業の届出を受理しないよう陳情。. 即日施行される。. 市議会で﹁宗像市環境保全条例﹂が全会一致で可決、. が上程される。. 18. 0乙 。. S工業は、九〇年九月六日に県に提出していた焼却炉. 関わらないと判断する。 の届出を取り下げる。. NHKニュースセンタi九時が、建築木材に使われる 3 ・ CCA剤の危険性および廃材処理の際、分別できないこ とを報道。. S工業は、宗像市環境保全条例に従って、市に特定事 3 ・ 業場協議届出書︵木くず・紙くずの専焼炉設置︶提出。 市議会は、﹁産業廃棄物処理に関する意見書﹂を県に. 3 ・. 提出する。. 宗像市環境保全条例に基づく第一回環境保全審議会開. S工業は、大気汚染防止法に基づき、煤煙発生施設設. 催。 4 ・. 7 ・ 2 第三回環境保全審議会が開かれる。 3 県議会厚生委員会で焼却炉建設反対の請願が継続審議. に関する請願﹂を提出。. 第二回環境保全審議会開催。 宗像市環境保全条例改正案が可決される。翌日施行。 産廃対策委が、県議会に﹁産業廃棄物焼却炉建設反対. 置届出書を県に提出。 市議会に、﹁宗像市環境保全条例改正案﹂が上程される。. 12. 7 ・. 211874. 審議を経ることが必要となる︶。. 県建築指導課による地元説明会。席上、建築指導課は、 当該焼却炉は建基法五一条に抵触すると説明。 市議会で、議員提案による﹁宗像市環境保全条例案﹂. 20. 4 ・ 戸D. 1 ●. となる。. 産廃対策委は、S工業に直接抗議に行く︵一〇七名︶。 廃掃法が改正される。. ︵平四︶年 一九九二 第四回環境保全審議会、開催。 2 ・ 5∼2・18 市は環境保全条例一八条に基づき、S工業よ り提出の﹁産業廃棄物処理施設設置届出書﹂を縦覧・意 見書提出に付す。︵九二四五名の反対意見︶。 第五回環境保全審議会、開催。 市環境保全審議会、市長に答申。 市は環境保全条例に基づいて、S工業に、焼却炉建設 4 ・. ρ︾ ・. 6 ・. S工業は、県に対して、廃止勧告で示された条件の幾. 計画の廃止を勧告。. つかを承諾すると報告。. 意見書﹂を提出。. 3 県産業廃棄物協会は、宗像市に、﹁S工業への勧告撤 回要請﹂を提出。また同時にS工業も﹁勧告書に対する. H S工業より、特定建設作業実施届出書が市に提出され. 一147一. 25. 1一. 2. 26. 514. 6666. 512. 12 14. 30. 12. 12. 109. 432. 12. 18. 20 23 20. 12. 1九 20. 28. 九. 21.
(20) 6 ・. る。産廃対策委は、座り込み、工事差し止めの仮処分申 請の方針を 決 定 。 S工業は、市に、焼却炉設置について、騒音・振動規 制法に基づく特定作業実施届出書を提出。. るQ. 産廃対策委は、福岡地裁に工事禁止仮処分を申し立て. にっいては、住民側と争いがある︶。. は約千五百。S工業は測量杭を立てる︵但し、その場所. 6・2 3∼25 産廃対策委による住民座り込み。二一二日の参加者. 6 ・. 4 改正廃掃法が施行される。これまで対象外だった木く 7 ・ ず・紙くずの専焼炉のうち日量五ト・以上のものは産廃施 設とされ、また許可制となる。 7 ・ 6 工事差し止めの仮処分申請の第一回審尋。 8 ・ 8 S工業は、宗像市を相手取り﹁宗像市環境保全条例は 違憲であり、これに基づく焼却炉廃止勧告は違法である﹂ との勧告処分の無効確認訴訟を提訴。 違憲訴訟の第一回公判。 一九九三︵平五︶年 2・17 仮処分申請に対して、福岡地裁は却下の決定。 2・19 産廃対 策 委 は 、 高 裁 に 抗 告 。. 2・22 S工業は、三月三日に工事に着工することを市に届け. 要望。. は、住民の訴えを棄却。. 3∼5 産廃対策委は、現地で住民座り込み︵約千人︶。 8 S工業は杭打ち機を搬入しようとするが、住民の座り 込み︵約六百人︶にあい撤収。 9 住民による工事禁止の仮処分申請抗告審で、福岡高裁. 市議会は、臨時議会を開き、市提案の﹁控訴﹂の議案. される。. を全員一致で可決する。. 3 。 1 市は、福岡高裁に控訴する。 1 住民側の第二次仮処分申請に対して、福岡地裁は却下 Qゾ ・. 3 ・. り○ ・. ワ臼 ・ 只U. S工業は住民による工事妨害の禁止を求める仮処分を 福岡地裁に申請する。 3 ・ ΩU 住民一三四〇人が、工事禁止の第二次仮処分を申請す る。また併せて、工事差止を求める本訴訟も提起する。 市条例は違憲、従って廃止勧告無効との地裁判決が出. でピケを張る。. 一九九四 ︵平六︶年 1・1 8 S工業は工事を再開しようとするが、住民五百人︵の べ千人︶によって阻止される。また市も、工事再開を中 止するように求める警告書を手渡す。産廃対策委は徹夜. δ. の決定。. 9・2 0 S工業は工事妨害禁止仮処分の申立てを取り下げる。. 以上から分かるように、この紛争は、家屋解体業を併せて営む産廃業者が、自社の安定型最終処分場の埋立完了地に、. 木くず・紙くずの専用焼却炉を建設しようとする計画に対して、地元住民が反対運動を展開し、それに対応して、宗像市. も積極的に関与したというものである。登場するアクターは、産廃業者、地域住民、市、県と多彩で、産廃処理施設紛争. 一148一. 33 12. 16. 24. 2. 9. 出る。しかし市は、廃止勧告が出ているとしてこれを不 受理。また、産廃対策委代表が市長に廃止勧告の徹底を. 18. 29. . 10. 説. 訟 口冊.
(21) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(L. の特徴である、民事紛争と公的紛争の錯綜がよく分かると思われる。 ここで、本運動に関して幾つか補足しておきたい。. まず第一に、業者の計画は、住民運動に押される形で、当初の﹁ゴムくず・建設廃材・木くず・廃プラスチック・紙く. ず・繊維くず・動植物性残渣・廃油・汚泥・医療廃棄物の焼却﹂から、漸次内容を縮小し、最終的には﹁木くず・紙くず. の専焼炉﹂となった。九二年改正以前の旧廃掃法は、﹁木くず・紙くずの専焼炉﹂を産廃施設から除外していたので、本. ハマ . 施設は廃掃法に指定する産廃処理施設ではない。だから、後述する宗像市﹁環境保全条例﹂は法上の産廃施設ではない﹁木. くず・紙くず専焼炉﹂を規制しようとする、いわゆる﹁横だし規制﹂の条例である。ちなみに九二年改正後の新廃掃法で. は、近年、木くず・紙くずも薬剤処理︵たとえば、建設木材の防腐剤であるOO>剤など︶や表面加工︵紙も表面にフィ. ルムを張ったものがある︶がなされているとして、それらの専用焼却炉も産廃施設となった。. 第二に、運動は、焼却炉建設を阻止するという作為阻止型の住民運動であり、大変大きな動員力を有する。この動員力. の源の一つに、住民側は﹁業者は約束を破った﹂という認識を持っていることがあげられる。つまり住民側は、八八年二. 月九日の業者説明会の席上、業者側は、﹁宗像市では焼却処理をしない﹂と言明したにもかかわらず、焼却炉建設を計画. しようとしていると認識しているのである。これに対し、業者側は、そのような約束はしていない、﹁宗像市では焼却処. 理はしない﹂というのは、安定型最終処分場だから埋め立てるだけで焼却処理はしない、焼却は別の町に保有する焼却炉. で行うという趣旨だったと反論している。当時、合意書は作成されていないようなので、水掛け論になるが、いずれにせ. よ、﹁業者の約束破り﹂という認識が、運動の大きな動員源であることは確かであるように思われる。. 第三に、これと並んで、大きな動員力の源と考えられるのは、次のような住民の危惧である︵これは市も同様である︶。. すなわち、①宗像市は、市内を流れる釣川を唯一の水源としている︵住民の言によれば、﹁私達が釣川を汚せば、それは. 自分にも確実にはね返ってくる﹂︶が、計画地はその釣川の支流の上流に位置しており、水源汚染が心配されること、②. 一149一.
(22) 様々な加工が施されており、またプラスチックも混入する可能性があり、その結果、焼却によって有毒物質が生成される. 宗像市は、盆地であり、気流が滞留しやすく、大気汚染が心配されること、③以上と関係するが、今や木くず・紙くずも. へ . 本条例の制定までの経過について、簡単に述べる。年表一から分かるように、九〇年五月に業者が焼却炉設置を届け出. 旧条例は、第二条で、﹁特定事業場﹂を﹁産業廃棄物処理業を行う工場及び事業場﹂と定義し、第六条で、﹁この条例に. 環境保全条例﹂案を提案する。この条例案は、審議の後、同月二五日に可決され、即日施行された︵これを旧条例と呼ぶ︶。. だが、審議において、水源の保護だけでは不十分であるとの助言を受けて、同議員は先の条例案を撤回し、新たに﹁宗像市. 年一二月一七日に、三重県津市などの水道水源保護条例等を参考にして、﹁宗像市水道水源保護条例﹂案を議会に提案する。. い対応をしている。しかし、県の対応に不満を持った日の里地区選出の市会議員が、市独自の条例の必要性を感じ、九〇. た後、住民だけでなく、市や市議会も、県に対する反対意見の表明や反対決議、産業廃棄物対策協議会の設置など、素早. 第三節 宗像市﹁環境保全条例﹂ へ レ. 境保全条例﹂︵但し、新条例︶である。. に応えるべく、計画施設の安全性を検討する独自の機構を創出しなければならなかった。それが、次節に述べる宗像市﹁環. ︵本件焼却炉は、旧廃掃法に定める産廃施設ではないので、旧廃掃法の規制は受けない︶。そのため、市は、住民の要請. 安全証明に極めて厳しい態度をとることになる。しかし産廃業者の計画は、大気汚染防止法の基準値をクリアーしている. 実際、住民側は工事禁止の仮処分や本起訴で、このような危惧を繰り返し表明している。こうして、住民側は焼却炉の. には、崩落の恐れがあることなどである。. 恐れがあること、④計画地は安定型処分場跡地であり、地盤が脆弱と考えられるが、そこに相当の重量物を建設すること. 説. 規定する環境保全区域は、宗像市全域とする﹂と規定した上で、第七条で、﹁環境保全区域内において、何人も特定事業. 一150一. 論.
(23) 法運動における「実体志向」と「プロセス志向」(1). 場を設置してはならない﹂と定める。つまり、本条例は原則的に、宗像市全域で産廃施設は設置不能という強度の実体的. 規制を定めたものである︵この例外措置として、第七条但し書に、﹁ただし、市長が第九条第︸項の手続きを経て、環境. 保全上支障がないと認めたものについては、この限りではない﹂とされている︶。﹁緊急避難的に制定した﹂とされる、こ の議員提案による条例が、廃掃法の目的を阻害することは明らかであろう。. この原則上、産廃施設の設置を禁止する条例の問題性に気づいていた市執行部は、法体系との整合性の諸問題を解消す. るとともに、産廃業者と市民の紛争の予防という趣旨も加えて整備すべく、新しい条例案を作成し、議会に提案する。そ. の後、議会での審議を経て、九一年六月一八日に旧条例の改正として可決、翌一九日に施行される︵これを新条例と呼ぶ︶。. なお、新条例施行規則は、その後、公布、施行されるが、運用基準等は作成されていない。これが、後述の地裁判決で問 題となる。. さて、新条例は、産廃処理施設設置や釣川水系での事業、地下水の採取、開発行為に関して届出を義務づける。本稿に. 関係する産廃処理施設設置に関しては、第七条で、﹁規則で定める産業廃棄物処理施設の設置又はその構造若しくは規模. の変更︵規則で定める軽微な変更を除く。︶をしようとする者は、自然環境の保全と確保を図るとともに、あらかじめ紛. 争を予防するため、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。 二 市長は、前項の届出があった場. 合、必要と認めるときは、宗像市環境保全審議会の意見を聞くことができる。﹂と定め、続く第八条で、﹁市長は、前条第. 一項の届出があった場合において、自然環境の保全又は紛争の予防を図るための措置が必要であると認めるときは、届出. を受理した日から六〇日以内に限り、その届出をした者に対して、その届出に係わる計画の変更もしくは廃止を、指導又. は勧告することができる﹂としている。そして、本条例施行規則で、木くず焼却施設と紙くず焼却施設も産廃処理施設と. 定められている。先にも述べたように、本条例は、当時の旧廃掃法が規制していないこれらの施設を産廃処理施設とする もので、いわゆる﹁横出し規制﹂である。. 151.
(24) ロ ロロロロロじ. ロ i審議会i. ■ ■ 響■ロ.一響曹■一■■■冒曹■ロ9■冒冒■響■■9臼一. 宗 像 市 環 境 保 全 (図三). 遇 ⑤指導・勧告. 産廃処理施設設置者 ③④. 圃=二=市長 謹」 爺雫禁雛業者 杏答 開発行為者 問 申. 本条例の制度の概要を図三として図示する。. この図三から分かるように、新条例は、プロセス的な規制であっ. て、旧条例のように、宗像市全域から産廃施設を排除しようとする. ものではない。つまり、実体的な立地規制ではなく、プロセス的規. 制の形をとっており、産廃処理施設の立地に関しては中立的である。. そして、このプロセス志向は、その運用においても生かされている。. 本件に則して、その運用を見ることにするが、ここでは、その審議. 会に注目したいと思う。というのも、本条例では、第一章で述べた、. 従来の基準値による安全性証明以上の実質的事情を考慮した安全性. 証明を担保するとみなされているものは、他ならぬ、この審議会で. の審議であると思われるからである。. 年表一からわかるように、審議会は、九一年四月五日、六月七日、. 七月二日、翌九二年一月三〇日、二月二〇日、三月二三日の計六回. 開催されている。委員の構成は、大学教授三名、市会議員三名、保. 健所副所長、市区長会長、市衛生組合連合会会長、市農業委員会会. 長、市商工会婦人部長各一名の、計十一名である。審議会では、産. ︵10︶. 廃処理施設は必要な施設であることを確認した上で、審議を開始し. ている。その審議内容は以下の通りである。第一回審議会では、会. 長の選任や諮問説明、経過説明、第二回では、新条例案の説明、福. 一152一. ヨ た か な載 む転 図・り 要ンよ ウ号 概タ集 度副特 ﹁冊 制 り 報男 の広明 例市年 像9 条宗1. 魑. 圏 ⑥罰則. ①届出 . 説. 論. ,,,聾 「. 91.
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