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JAIST Repository: 技術革新のダイナミズムとパラダイム進化

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 技術革新のダイナミズムとパラダイム進化 Author(s) 弘岡, 正明 Citation 年次学術大会講演要旨集, 9: 147-152 Issue Date 1994-10-28

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/5444

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2C4

技術革新のダイナミズムとパラダイム 進化

0 弘岡 正明

(

流通科学大学

) Ⅰ・ はじめに 経済学において 技術の重要性を 明確に指摘したのはシュンペータ 一の経済発展 論を喀矢 とするが、 技術革新の普及が 経済発展の原動力であ るとする明確な 因果 関係は十分立証されているとはいえない。 ましてや定量的な 技術革新の波及効果 についての研究は 桂めて乏しい。 それは技術革新を 経済の事象として 表現する 手 段 が明確に定まっていないからでもあ る。 Mensch

[ln

は技術革新の 普及の速度を 、

発明から商業化までの 経過年数の逆数で

表示し Kuznets

の景気変動の

波動 と の 相関を調べ、 一つの因果関係のあ ることを指摘したが、 その後多くの 反論があ って

[2],[3],

定説とは認められていない。 筆者は技術革新を 一連の関連発明の 集団と、 それから生み 出される新製品の 普 及の現象として 推理し、

そこに一つの

明確な法則性があ ることを 見 けだした。 さ らに、 新製品の普及が 経済の景気変動と 深くかかわっていることを 検証し、 コン ドラチェフ波の 上昇 期 が主要な技術革新の 普及によってもたらされることを 明ら かにした L 4 ] ∼ [ 9 ] 。 これは、 シュンペータ

一の経済発展論の 一つの重要な

証左であ る。 本論は、 この一連の研究をさらに 進めた結果、 技術革新のダイナミ ズムの詳細を 明らかにすることによって、 技術革新パラダイムの 共鳴現象、 同期 現象などが観測され、

さらにパラダイムの 進化についても

知見を得たので、 ここ にその概要を 述べる。 2 .

技術革新の技術黍道と 普及のカスケード

第一次産業革命以来、 200 年の間に数多くの 技術革新が経済発展をもたらし、 今日の近代工業化社会が 構築されてきた。 今日の近代経済の 基幹を構成している 主要な技術革新について、

その技術の発展の

怪 偉と 、

製品普及のプロセスを

詳細 に 解析してみると、 経済に大きな 付加価値をもたらすのは 製品の普及の

段階であ

り、 この過程が経済発展の 原動力となっているが、 その前段の 30 年以上にわたる 技術の開発段階が 背景に存在していることが 認められる。 全く新規な発想によっ て新しい技術が 発明されても 直ちに経済にインパクトを 与えることはできない。 その基幹発明が 多数の関連発明を 伴って発達するには 30-60 年の技術開発期間が 存在する。 そのような経過を 辿った後に、 新製品が生まれ、 市場で商品価値が 認 められるようになって 初めて製品の 普及が始まる。 その製品が十分に 市場に浸透 し、 成熟市場が形成されるまでに、 さらに 30

年前後の年月が

必要であ る。 すなわ ち 、 技術革新は、

独創的な発明の 後に一連の発明から 構成される技術の

発展 期一

これを技術黍道と 呼ぶ一とそれに 引き続き顕れる 製品の普及

期 、 いわ める製品ラ イフサイクルといわれる 期間がカスケードとして 連結したものが 一つの技術革新 一 Ⅰ 47 一

(3)

のパ

ラタイムであ

るということができる。 3 .

技術パラダイムの 共鳴とクラスター

化 第一次産業革命においてもすでに 複数の技術黍道が 相互に影響し 合って、 相乗 的

共鳴現象によって

産業革命の発展が 加速されているのが 認められる。 このよう な技術パラダイムが 共鳴しるうことにより 技術黍道のクラスター 化が発生する。

その後の主要な 技術革新の技術黍道の 間にはさらに

密接な相互作用がみられ、 こ 0200 年の間に 4

つの技術パラダイムのクラスターが

認知できる。 4 .

技術革新の製品普及が 経済発展をもたらす

技術黍道が

30-60

年の歳月をかけてでき 上がると、 新製品の普及が 始まる。 技 術 軌道のクラスター 化が製品普及のクラスター 化を誘起し、 複数の基幹技術が 集 団で普及し、 経済のインフラストラクチャーを 形成する。 この潮流がコンドラ チ エ フ波の上昇期を 形成する。 この普及と景気上昇の 一致がシュンペータ 一の 原 功

力説の有力な

証左となる。

技術普及のリーダ 一国が世界経済を

主導するが、 コン ド ラチェフ波の 頂点でのバブル 崩壊の引き金役ともなる。 5 .

技術革新普及の

同期現象 世界の景気はシンクロナイズしている。 明治維新からまだ 日も浅い日本が 大蒜 慌の影響をまともに 受けた事実からもこのことは 明らかであ る。 技術革新の普及 は経済の活性化の 原因であ ると共に、 上昇 期 に普及が同期する 現象でもあ る。 後 造国での技術革新の 普及は遅れたパルスで 同期しているのが 認められる。 一方、 石油ショックや 戦争などの人為的な 不況は、 技術革新の普及 期 にも発生するが、 そのような不況期には 製品の普及も 停滞し、 遅延する。 しかし、 正常な経済活動 が 復活すると固有の 拡散速度で市場への 浸透が再開し 、 次の上昇 期 に同期し、 怪 済を押し上げる。 6 .

技術革新のパラダイムは

進化する 技術革新は科学のパラダイムから 進化し、 発生することが 多くみられる。 さら に、 新しいコンセプトの 導入でパラダイムは 進化する。 真空管から半導体素子 へ の 進化はその典型であ る。 また、 他のパラダイムの 影善 で成熟技術が 技術 肱 合し て進化する。 メカトロニクスは 工作機械にコンピュータ 制御技能の付加で 進化し た 現象といえる。 鉄のパラダイムは 銑鉄、 打のパラダイムを 経て、 今日は情報技 術に よ る再活性化のパラダイムへと 進化した。 現在のハイテク 産業の技術パラダ イム はすでに成熟した 技術黍道に立脚しており、 2 1 世紀の新産業はさらに 別の 技術黍道に属する 新しいパラダイムを 基盤に発展すると 考えられる。 シリコン 半 導体の次のパラダイムは 超格子による 分子素子の技術黍道の 成果として発展する ものと考えられる。

(4)

参考文献

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*'Das

Technologische

Patt"(1975); "Stalemate

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Technological

Innovation

on the

Development

of

Economy

-- Examina- tion@ of@ Schumpeter's@ Concept@ by@ Product@ Life@ Cycle**,@ The@ 4th

Conference of International J.A.Schumpeter Society, August l992

7

コ 弘岡 正明、 化学経済

40

[1]

14

(1993)

[

9 ] 弘岡 正 明 プラスチ ヴク ェ一 ヴ、 ェソ サイクⅡ八チ 7 ア エ 993 Ⅰ 、 p Ⅰ 5 (1992), 同 1994 百、 p Ⅰ 5 01993)

[10/ N.Hirooka,"Dynamism of Technological Innovation and Economic Deve-

lopmem ち 一一 A Trlal of Schu 皿 pe も er,s Paradigm Reconsidered", The 5 も h

Conference of Interna も ュ onal J.A.Schumpeter Soclety.Muns ち er, August

1994 図

1

技術革新のパラダイム 1. 技 帯革新パラダイムは 多故の 允 明の集団 技術黍道 製品 甘及の S カープ カスケード 宥 恨 め タイムスパンの 間に分布一一一枝 衞 軌道 2. 複 荻の技術革新パラダイムが 集団化してクラスター 形成 2 0 0 年何で 4 つのクラスター 8, 技術 軌適 と製品 甘及の 5 カープ ( ライフサイクル ) がカスケード 4. 主要技術革新の 背反 の S カープはコンドラチェフ 波の 上昇 期 と一致一一一 シュンペータ 一の実証 一 149 一

(5)

L" 。 1750 1800 1850 1900 1950 2000

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コンドラチェフ 波と授品宙及 ライフサイクル 1750 1800 1850 1900 1950 200' 3

(6)

芙 0 血 虹ュ と 土の " Ⅰ 790 ]8]0 一 ]7 ]8 名 5 一 5] 1870 一 , 75 一一 一 Sc Ⅱ 叫田ヒ e て 1787 Ⅰ 3- Ⅰ , 4 42 一 43 69-70 Ⅰ 897-98 Ⅰ 924-25 一

Ⅰ 790 Ⅰ 5 48 73 96 20 1935 fg5 Ⅰ Ⅱ ユ Ⅰ ゐ el 26 Ⅰ 7 73 93 Ⅰ 3 39 一 4 も る 7 Ⅴ ユ 甘瓜 ユ土 J Ⅰ 一 " 45 72 92 Ⅰ 9 Ⅰ 8 73 IV V 政て㏄㎏ Ⅰ 789 Ⅰ 825 Ⅰ 846 1 72 1895 ]948 ]97 Ⅰ 82 9] ユ 7 57 Ⅰ 2 Ⅰ 老 @ ソあ

アメリ; アメリ; 甘 * 18 ㏄ 1850 19 ㏄ Ⅰ 950 20

図 4 コンドラチェフ 景気循環と技術革新普及の 栢関

コンドラ チ ヱフ大丸 佃珠 一一一 : 授品甘及 第二次産業革命 以降 第一次産業革命 製鋼

蒸気船中一一蒸気機関一一 + 鉄道 図 5 パラダイ, ム 間の共鳴相乗効果 クラスター化 へ 話

通|

" 蒸 二タ トユ クピ エコ シー @ サ チ 図 6 パラダイム面の 共鳴相乗効果

クラスター化と 技術社会 一 15 Ⅰ 一

(7)

英国 ⅠⅠⅠ / ⅠⅠ キ 令姉, @/ /, ︵ , // ⅠⅠ Ⅰ / ,ソ斡 , 7% / Ⅰ /// Ⅰ Ⅰ / アメリカ 日本 1800 Ⅰ 850 Ⅰ 900 Ⅰ 950 2000 ⅠⅠⅠⅠ ⅠⅠⅠⅠ

/ Ⅰ / Ⅰ ⅠⅠ , " Ⅰ プ /

石油 Ⅰ 800 Ⅰ 850 Ⅰ 900 ( Ⅰ , "

/ ノラ /

1868

1800 Ⅰ 850 Ⅰ 900 Ⅰ 950 2000 図 7 技術革新普及とコンドラチェフ 景気循環上昇期の 同期現象 電磁気理論 反生 首 トランジスタ 一 分子素子 Ⅰ 800 マ クスウエル ⅠⅠ MT Ⅰ LS@ I マ クスウニ ル 光 り Ⅰ 碕技俺 く伍 甘巾 Ⅰ ンリコントランジスクー

/

Ⅰ B ロ耳 甘 フレミンバ

接合型トランジスター ト ウンジスク一作用 ファラデー /, ,, フ ァ ラチ 一 ⅠⅠ り ⅡⅠ コヒ - ラ検甘 Ⅰ Ⅱ BE Ⅰ格子

パントオⅠ Ⅰ S ユ子井戸 弗掻 垣 接子コンセプト

セレンⅠ戎器 トンネル劫末 Ⅰ 850 Ⅰ 900 1950 2000 図 8 ェレクトロ 二クスハ ラタイムの進化

参照

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