• 検索結果がありません。

我国の行政による子育て支援の視点と課題に関する文献検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "我国の行政による子育て支援の視点と課題に関する文献検討"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

我国の行政による子育て支援の視点と課題に関する文献検討

今 井 充 子, 常 盤 洋 子

要 旨 【背景・目的】 本研究は, 我国における行政による子育て支援と母子をとりまく社会環境に関する文献検討 から子育て支援の視点と課題を明らかにすることを目的とした. 【方 法】 行政による子育て支援の視点 については, 子育て支援に関する報告書を中心に子育て支援事業に視点を当てて 析した. 我国の母子をと りまく社会環境の変化は,医学中央雑誌を中心に「子育て」「育児」「歴 」をキーワードとして検索, 析し た. 【結 果】 行政による子育て支援に関する文献は 1989∼2010年の 25件, 母子をとりまく社会環境に関 する文献は 1945∼2010年の 59 件が検出された. 現在行政が行っている子育て支援の視点は, 保育サービス 等母親を子育てから解放することと子どもの成長に置かれていた. 母子をとりまく社会環境は, 現在子育て をしている母親は成長する過程で子育てや家 生活に必要な能力を体得する機会, 子ども及び他人との関わ り方を学習する機会が少ない状況にあった. また, 子育てモデルをわずかしか持っておらず, 夫との会話, 近 隣との 流, 専門職からの生活に即した支援が少なく, 子育てに試行錯誤する中で疲労や子育てに負担感を 持ちやすいことが示唆された. 【結 語】 子育て支援の視点として子どもの成長を支援する視点に加えて 母親を支援する視点を持つ必要性が示唆された.(Kitakanto Med J 2011;61:377∼386) キーワード:子育て支援, 子育て支援の視点, 母子をとりまく社会環境 は じ め に 我国の合計特殊出生率は, 統計を取り始めた 1947 (S. 22) 年の 4.54を最高として 2005 (H.17) 年に 1.26まで下 がり, その後は 2008 (H.20) 年, 2009 (H.22) 年と 1.39 を 維持している. この値は, 1人の女性が持つ子どもの数の 平 が 1940年代後半には 4∼ 5人であったものが現在 では 1∼ 2人となったことを意味している. 子どもが多いよりも少ない方が子育てにかける手間が 少なく, 母親の負担は少ないように思われる. しかし, 伊 藤ら は, 睡眠不足, 精神的不安定等子育て負担感の強い 母親には継続的な家 訪問や電話訪問により子育て指 導, 生活リズムの調整等を行い, 子育て負担感の軽減を 図ることが重要であると主張している. 望月 は乳幼児 を持つ母親の心理相談の内容 析を行い, 子どもの成長 発達にしたがって母親の子育て負担感が急増し, 母親が 子どもの行動や欲求の発達的変化に対応しきれず困惑し ていることを明らかにした. 伊藤ら の実践が報告される前年の 1975(S.50)年の合 計特殊出生率は 1.91であり, 既に 1人の女性が持つ子ど もの数は 2人あるいは 1人となっている. この時期に子 育て不安やストレス等, 子育ての負担が社会問題として 浮上し始めており, 母子をとりまく社会環境の変化が背 景にあることが示唆される. 上野ら によると, 母子をと りまく社会環境の変化が取り上げられ始めたのは 1960 年代であり, 子育ての負担が社会問題として取り上げら れ始めたのは高度経済成長期以降の 1970年代後半であ る. 高度経済成長は 1955 (S.30) 年頃から 1973 (S.48) 年 頃であることを 慮すると, 高度経済成長期に母子をと りまく社会環境に変化が起こってきたと推測される. 一方, 浜崎ら は 4か月 診における母親の主訴は子 どもとの関わり方や子どもの発育に対する不安等である ことを指摘している. これは, 望月 も指摘している母親 が子どもの発達的変化に対応しきれず困惑している状況 を示している. 望月 と浜崎ら の報告の間には 20年以上の時が流れ 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院保 学研究科 平成23年6月7日 受付 論文別刷請求先 〒371-8514 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院保 学研究科 今井充子

(2)

ている. この間, 1989 (H.1) 年の 1.57ショックを契機と して子育てが社会問題となり, 1994 (H.6) 年のエンゼ ルプランを皮切りに行政による様々な子育て支援が展開 されている. また, 子育て負担に関する研究が 2000年代に入ると 増加し, 母親が子育てに負担を感じていることが明白 となった. さらに, 子育て負担感の要因に関する研究も 多数報告されている. 産後の育児ストレス要因によ る母親の心理ストレス反応の特徴を調査した西海ら は, 子育て負担感の強い母親は, 子どもがなぜ泣いてい るのか からず睡眠不足な状態が長期間続いていること を明らかにした. 伊藤ら と西海ら の研究は, 母親の 持っている子育て負担感は子育てが母親の力量を超えて いることが要因であることを示唆している. このように, 子育ての負担に関する多くの研究が報告 され, 行政による子育て支援が開始されてから 15年以 上が経過したにもかかわらず, 母親の子育て負担は軽減 されていない. そればかりか, 子育て負担の 長線上に あると えられる児童虐待件数は増加傾向にある. 一 方, 1994 (H.6) 年にエンゼルプランによる子育て支援が 開始されてから保育サービスは母親の仕事時間の確保の ための 長保育やストレス解消のために母親がリフレッ シュできるよう一時保育の拡大がされてきた. 保 セン ターや子育て支援センターでは母親の子育て不安を解消 するための相談事業及び子育て不安やストレスを解消す る目的の仲間作り事業等が行われてきた. しかし, 児童 虐待件数の増加に見るように母親の子育て負担感の軽減 には有効とは言い難い状況が存在する. そこで, 行政に よる子育て支援の視点を明らかにすることによって子育 て支援における課題を検討する資料が得られると え た. 子育て不安やストレス等子育て負担感に関する文献は 1970年代後半から見られ始め, 時代を追うにつれ多く なってきた. 村上ら が, 昭和初期から 1960 (S.35) 年頃 までに出産した母親は近隣の人々からの多くの子育て支 援により精神的安定を得ていたと主張しているように, 1970年代以前は, 行政による子育て支援は開始されてい ない時代であり, 子育ては地域社会の中でサポートを得 ていたと えられる. 前述したように, 母子をとりまく 社会環境の変化は高度経済成長期に起こり, その後, 子 育て不安やストレスが顕在化したと えられる. 現在, 地域社会の変貌や少子化によって子どもの面倒 をみた経験が乏しく, 子どもの育て方が からない母親 が頼る人もいない中で子育てする状況が問題になってい る. そこで,終戦後の 1945(S.20)年から高度経済成長の開 始までの生活圏に子育て支援があった時代, 母子をとり まく社会環境に変化が起こったと えられる高度経済成 長期, 高度経済成長期後の 3つに時期を区切って, 母子 をとりまく社会環境の変遷を地域社会の子育て支援に注 目し, 歴 的に概観することで今日の子育て支援におけ る課題を検討する資料が得られると えた. 以上より, 本研究は我国における行政による子育て支 援と母子をとりまく社会環境に関する文献検討から子育 て支援の視点と課題を明らかにすることを目的とした. 本研究では以下のとおりに用語を定義した. 1. 子育て : 子どもの心身の成長発達を助けると共に, 子どもが所属する社会の中で自立して生きていける ように社会性を身につけるのを助けること. 2. 子育て支援 : 子どもの心身の成長発達や子どもが社 会性を身につけることを支援すること. また, 子育 て中の母親の心身の 康を支援し, 母親が子育てを 行うことを支え助けること. 3. 母子をとりまく社会環境 : 母子と相互作用を及ぼし あう地域社会. 方 法 母子保 行政による子育て支援の視点を探るため, 子 育て支援に関する報告書を中心に, 子育て支援事業に視 点を当てて 析した. また, 資料として X 県 10市の 2009 (H.21) 年度のホームページにおける子育て支援事 業の視点がどこにおかれているかを概観した. さらに, 我国の戦後における母子をとりまく社会環境 の変化に注目して文献を 析した. 文献は医学中央雑誌 を中心に「子育て」「育児」「歴 」をキーワードとして 会議録を除外した看護文献を検索した. 掲載期間は 1983 ∼2010年であった. また, 著書や写真集及び図鑑と 1983 年以前の文献はハンドリサーチで検索を行った. 結 果 1.行政による子育て支援と母子をとりまく社会環境に 関する文献の概要 行政による子育て支援に関する文献検索の結果, 1989 ∼2010年の文献 25件が検出された.文献は内容別に「少 子化対策に関する文献」「母子保 に関する文献」「児童 虐待対策に関する文献」 子育て支援施策の変遷に関す る文献」に 類できた (表 1). 表1 行政による子育て支援に関する文献 文献の種類 内容 件数(件) 報 告 書 少子化対策 15 報 告 書 母子保 3 報 告 書 児童虐待対策 6 論 文 子育て支援施策の変遷 1

(3)

母子をとりまく社会環境に関する文献検索の結果, 1983∼2010年の 60件が検出された. その内, 母子どちら かに異常のある文献等 14件を除外し, 残りの 46件にハ ンドリサーチによって検索した 3件, 著書 4件, 写真集 5 件及び統計資料 1件を加え, 合計 59 件とした. 統計資料 以外の文献は記載されている内容の時 期 別 に「戦 後 (1945年)から高度経済成長開始前 (1955年頃)」「高度経 済成長期 (1955年頃∼1973年頃)」「高度経済成長 (1973 年) 後」に 類できた (表 2). 2.子育て支援に関連した施策の視点 厚生労働省の子育て支援に関連した施策は, 少子化対 策, 母子保 関係, 保育関係, 児童虐待対策, 母子家 関 係等があげられる. その中で子育て支援施策の中心と なっている少子化対策, 母子保 関係, 児童虐待対策に 注目した. 1) 少子化対策の視点 1994 (H.6) 年に仕事と子育ての両立を支援する観点か ら保育に関する施策を中心としたエンゼルプランが策定 され,実施された.1999 (H.11)年には,エンゼルプランに 雇用, 母子保 , 相談事業などを加えた新エンゼルプラ ンが開始された. 2003 (H.15)年には,子どものいる家 を社会全体で支 援する観点から, 次世代育成支援対策推進法が制定され た. また, 同年, 安心と喜びを持って子育てに当たること ができるよう社会全体で子育て家 を応援するために少 子化社会対策基本法が制定された. これを受けて子ども が 康に育つ社会, 子どもを生み育てることに喜びを感 じることのできる社会への転換を目指して 2004 (H.16) 年に子ども・子育て応援プラン (新新エンゼルプラン) が 開始された. さらに, 2008 (H.20) 年に社会保障の機能強 化のための緊急対策として 5つの安心プランが挙げられ た. その 1つに子どもたちを守り育てる社会の実現が盛 り込まれ「保育サービスなどの子育てを支える社会的基 盤の整備」と「仕事と生活の調和」に対する施策が挙げ られた. 地方 共団体は, 次世代育成支援対策推進法を受けて 次世代育成支援対策を実施している. そこで, 具体的に どのような事業が行われているのかを X 県 10市のホー ムページで 開されている各自治体の次世代育成支援対 策を概観した (表 3).その結果,母親に直接働きかける事 業は, 地域子育て支援事業の相談事業, 集いの広場事業 の母親同士の 流等であった. 最も多く挙げられている のは母親を子育てから解放する支援である保育サービス であった. 全国的にも保育サービスの充実が図られ, 全国の保育 所の数, 定員数は増加している. しかし, 依然として待機 児童数は増加しており, 特に幼稚園入園前の 2歳児以下 の待機児童数が多くなっている. 保育サービスの利用 により, 子どもを預けて母親は仕事やリフレッシュに活 用する時間を作ることができる. しかし, 保育サービス の利用は子どもの年齢に規定され, 乳児を持つ母親は利 用しづらい. 保育サービスは母親に直接働きかける支援ではなく, 子どもを預けるという母親にとっては間接的な支援であ り, 少子化対策の視点の中心は母親を子育てから解放す ることに置かれていた. 2) 母子保 における子育て支援の視点 2001(H.13)年に国民運動計画である「 やか親子 21」 が開始された. 基本理念は, 親子が豊かな人生を送れる ように子どもの育ちに関して個々の親子を支援すると共 に, 地域社会の成員が一緒に子どもの育ちを支援するこ とにある. 主要課題 4つの内の 1つに子どもの心の安ら かな発達の促進と子育て不安の軽減が挙げられている. この課題を達成するために, 両親の子育て不安やストレ スと子どもの心の発達の関係, 子育て不安やストレスの 長線上にあると えられる虐待への対策が 2つの柱と なっている. やか親子 21」は妊娠から子育て期にかけ ての子育てに焦点を当てた母親の心の問題への取り組み が行われ, 母親の不安やストレスを軽減し子育てを楽し み子どもに愛情を注げるように行動計画が練られてい た. 特に, 乳幼児 康診査においては, 母親の心理的側 面の把握をすること, 母親が話しを聞いてもらえる安心 の場として活用するできること等について言及してい 表2 母子をとりまく社会環境に関する文献 内 容 文献数(件) 戦後 (1945年) から高度経済成長開始前 (1955年頃) 14 高度経済成長期 (1955年頃∼1973年頃) 9 高度経済成長 (1973年) 後 39 注) 文献数は内容に応じて重複している 表3 X 県 10市における次世代育成支援対策 以下の充実を図る ・通常保育 ・通常保育 長保育 ・休日保育 ・学童保育 ・病後時保育 ・一時保育 ・特定保育事業 ・ファミリー・サポートセンター事業 ・地域子育て支援事業 ・つどいの広場事業 ・児童館の整備 ・児童虐待防止の推進 ・小児救急医療体制 出典 : 各市のホームページ (2009 年度)

(4)

る. 具体的にどのような母子保 事業が実施されているの か X 県 10市のホームページで母子保 事業を検索する と, 子どもを対象とした事業は 9 つあり, その内訳は, 診事業 4,相談事業 2,子育て教室 1,新生児訪問 1であっ た. 一方, 母親を対象とした事業は母親学級と妊産婦・新 生児訪問の 2つであり, 産後の母親を対象とした事業は 新生児訪問における子育て相談のみであった (表 4). 以上, 母子保 における子育て支援は, 子どもを通し て母親を支援しており, 視点の中心は子どもに置かれて いた. 3) 児童虐待対策の視点 児童虐待対策は,1999 (H.12)年に児童虐待等に関する 法律が制定され, 児童虐待の予防, 早期発見・早期対応, 虐待を受けた子どもの保護自立に向けた支援が行われて おり, 児童虐待対策の視点は子どもの安全に置かれて いた. しかし,2010(H.22)年の厚生労働省における児童虐待 相談対応件数の 析 によると, 全国の児童相談所にお ける児童虐待に関する相談対応件数は年々増加し, 児童 虐待等に関する法律が制定された 1999 (H.12) 年度の 17,725件から 2009 (H.21) 年度には 44,210件と約 2.5倍 になった.また,児童虐待による死亡事例の 析 による と, 虐待による子どもの死亡は心中以外の事例が増加傾 向にある. 析を開始した 2002 (H.15) 年から死亡事例 は 0歳児の占める割合が大きく, 3∼ 4割で推移してい たが, 2009 (H.21) 年度には心中以外の事例が 59.1%と なった. さらに, 0歳児の心中以外の死亡事例の月例別割 合を見ると, 66.7%が生後 1ヶ月未満であり, 主たる加害 者の割合は母親が多く 64.7%であった. 3歳未満におけ る虐待の動機の上位 2つは「子どもの存在の拒否・否定」 「泣き止まないことにいらだったため」であった. 全年 齢の心中以外の死亡事例の動機は子育て不安が 25.4%, 養育能力の低さが 15.9%であった. 3.母子をとりまく社会環境 1) 戦後 (1945年) から高度経済成長開始前 (1955年頃) 1947 (S.22) 年の出生率は 34.3, 合計特殊出生率は 4.54 であり, 1950 (S.25) 年頃まで多くの家 では, きょうだ いが 5∼ 8人くらいいた. 2∼ 3人は少ないほうで, 1 人っ子は珍しかった. 家族が多い上に, 家電製品, ガス, 電気, 水道が普及していないので, 家事にかかる時間が 多く, 母親 1人では一家の家事が切り盛りできない状況 であった. 子どもは, 学 から帰ってきた順に手伝いを 次々に言いつけられるのが日常であった. 特に子守は 主として子どもの仕事とされ, 子どもは, 子守, 掃除, 炊事の手伝いに忙しく動き回っていた. そのため, 当時 の子どもは, 日々の生活を営むだけで子育てをはじめと した家 生活に必要な能力を身につけていった. また, 地域には子どもの遊び場が豊富にあり, 室内よ りも戸外で子守りをしながらの異年齢での集団遊びが主 であった. 集団遊びの中で子どもは, 自 と違った えを持った人間との関わりを学んでいった. 親は第一次産業の従事者が多く, 生活を営む場所と 仕事の場所が同じであり, 親を含めた家族は多くの時 間を共有していた. そのため, 親はおむつ 換など具 体的な子育ては行わなかったが, 子どもと関わる時間 は多かった. 通網は未発達であり, 人々の生活は村や町に密着し ていた. 家屋の多くは 付きであり, 洗濯物は 先に干 し, 垣根越しに 先外 をしていた. また, 水道普及率が 低く井戸端会議が活発で, 身近な生活圏の中で子育 てや近隣の人々の妊娠, 出産等生活に密着した様々な情 報 換が行われていた. 子育ての聞き取り調査 によ ると, 大正末期から昭和 20年代には, 近隣の人々の妊娠, 出産, 子育てに関する役割は, おむつ作り, 家事, 子育て 指導等であった. また, お宮参りには生まれた子どもの 家族が近隣の人々の中でも普段から関わりが深く, 出産 した母親の支援が期待できる子育ての経験のある女性を 招いて赤飯等ご馳走を振舞っていた. 表4 X 県 10市における母子保 事業 事業名 対象 内容 4ヵ月児 康診査 乳児 身体計測, 診察, 子育て・離乳食などの相談 10ヵ月児 康診査 乳児 身体計測, 診察, 発達・子育て・食事・歯などの相談 1歳 6ヵ月 児 康 診 査 幼児 身体計測, 診察, 言葉・子育て・食事・歯みがきなどの相談 3歳児 康診査 幼児 身体計測, 診察, 発育・発達・子育て, 食事, 歯などの相談 乳幼児 康相談 乳幼児 身体計測, 発育・発達・子育て, 食事, 歯などの相談 母親学級 妊婦とその夫 妊娠中の生理, 生活, 栄養, 出産準備, 乳児の子育て, 沐浴など 育児教室 乳児 救急処置, 親子遊び, 離乳食, 心の発達, 乳児の病気など 発達相談 乳幼児 身体計測, 診察, 運動発達, 食事などの相談 言葉と心の相談 乳幼児 言葉の発達や行動などの相談 妊産婦・新生児訪問 妊婦・出産後の母親と乳児 家 訪問による妊娠中の生活や出産, 子育てについての相談 出典 : 各市のホームページ (2009 年度)

(5)

このように子どもは家族の 1人であると同時に地域の 1人として えられており, 地域における子育て支援が 当たり前に行われていた. 2) 高度経済成長期 (1955年頃∼1973年頃) 1955 (S.30) 年の出生率は 19.4, 合計特殊出生率は 2.37 であった. すなわち, 女性が生涯で子どもを産む数は 2 ∼ 3人となり, きょうだいの数が戦後の半 位に減少し た. 戦後すぐほどのように子どもによる家の手伝いは多 くないものの, 子どもは子守りを日常生活の中で当たり 前のように行っていた. また, 道路にはあまり車が走ら ず空き地は豊富にあり, あちこちに遊び場があった. 子 どもは中学生くらいの年上の子がリーダーとなって, 少 なくとも 10人以上の集団で遊んでいた. 一方で, 人口の都市への流入により, 地縁関係の薄い 核家族が増加した. 第二次産業の従事者が増加し, 仕事 の場と生活の場が切り離され, 親が子どもと関わる時 間が少なくなった. そして, 妻は家事と子育て, 夫は仕 事, と夫婦の役割 業化が進み, 母親が子育てを行って 当たり前という状況が作られた. 水道の普及, 団地の増 設により井戸端会議, 先外 等による身近な生活圏の 中での子育てや近隣の人々の妊娠, 出産や子育てに関す る情報 換は少なくなり, 近隣の人々のサポートが受 けづらい環境が形成され, 母親が 1人で子育てを抱え込 む状況が作られていった. また, 1971 (S.46) 年から発生した新生児をコインロッ カーに遺棄するといういわゆるコインロッカー・ベビー 事件に象徴されるように, 子捨てや子殺しが多発し, 東 京都における捨て子は, 1971 (S.46) 年に 77人, 1972 (S. 47) 年には 90人に上った. メディアは母親となった女 性の苦悩よりも, 子どもを捨てるという行為に着目して 母性意識の喪失を問題視して報道した. 人々は母性意識 の喪失を心配し, 母性意識の回復を図るため母親の子育 て責任を強調し, 母親が主として 1人で子育てをする ことが当然の社会となっていった. 3) 高度経済成長 (1973年頃) 後 1975 (S.50) 年の出生率は 17.1と 1947 (S.22) 年の半 に低下した. 合計特殊出生率は 1.91となり, きょうだい 数は 2人か 1人に減少した. 家族構成員が減少したこと や家電製品の普及により家事は母親 1人でこなせるよう になった.その上,母子 康手帳副読本の内容調査 によ ると, 1980年代の母子 康手帳副読本には, 母親は子ど ものために十 な時間とエネルギーを割くことができる 人として最初から想定されている. また, 育児書も子育 ては母親が中心という前提で書かれている. 一方, 齋藤 は地縁関係の薄くなった地域では近隣の 人々からの子育て支援が希薄化し, 母親は家 や地域で 子どもを育てることに困難を感じていたことを指摘して いる. また, 第二次産業及び第三次産業の従事者の増加によ り, 学歴が重視されるようになった. それにより子ども はお稽古事や塾通いで家事を手伝う機会が少なくなっ た. さらに,遊び場,遊び時間,きょうだい数の減少によ り子守の経験, 異年齢での遊びや集団での遊びの機会も 少なくなり, 家 生活や子育てに必要な能力を身につけ る機会が減少した. 4) 出産場所の変化と医療の進歩に伴う地域における子 育て支援の変化 出産場所の推移を見ると 1950 (S.25) 年には自宅での 出産が 95.4%であったが, 高度経済成長期の 1960 (S.35) 年には 49.9%, 1970年 (S.45) 年には 3.9%と急激に減少 した. その後, 2000 (H.12) 年には 0.2%となり, 現在では 99.8%が施設内での出産となった. 施設での出産が増加 するにつれて, 地域社会における子育て支援が減少し た. 自宅出産では, 介助を中心とする妊産褥婦の支援 は助産師が主に行っていた. 助産師は, 妊娠期から自宅 に訪問して診察を行い 時には深夜でも駆けつけた. 出産後は毎日訪問し, 新生児の沐浴だけでなく母親の清 拭も行っていた. 1958 (S.33) 年発行の助産婦雑誌に掲載 されている 7歳と 5歳の子どもを持つ母親の手記 によ ると, 子どもが 7歳になっても助産師が時々家 に訪問 し, 子どもの成長を喜び母親の子育てについての話に耳 を傾けている. また, 助産師は名付け親になったりお七 夜に主賓として招かれたりし, 地域社会で母親の生活 に即した子育て支援を行っていたことがうかがえる. 1973 (S.48) 年版の厚生白書 には, 開業助産師は生活 に即した保 指導を継続的な訪問によって行う等, 母子 の 康管理の上で重要な役割を果たしており, 将来一層 の活動を期待すると記載されている. しかし, 就業助産師の病院及び診療所勤務の割合は 1968 (S.43) 年末 34.0%,1978 (S.53) 年末 57.5%,2007年 (H.19) 年末 87.4%と上昇し,地域社会の成員として妊娠, 出産, 子どもの成長に継続的に関わっていた開業助産師 は 1968 (S.43) 年末 63.1%,1978 (S.53) 年末 39.7%,2007 年 (H.19) 年末 5.5%と減少が顕著となった. 一方, 医療の進歩とともに医療システムは細 化され, 母親の関わる看護職は産科外来, 産科病棟, 小児科外来, 地域などに かれて就業している. そのため, 母親から すると子育て支援の担当者が場所によって異なり, 継 続的な支援が受けにくくなった. また, 妊産婦死亡率,乳児死亡率を下げようと 1949 (S. 24) 年頃に日本全国で妊産婦対象の母親学級が開始され た. その内容は妊産婦の身体的変化や身体的ケア, 育児 技術等であり, これによって衛生的な知識の下で子育

(6)

てが始められた. その一方で, 知識ではなく経験に基づ いた近隣の人々からのアドバイスや情報は軽視され始 め, 近隣の人々と子育てに関する情報 換がしづらい 環境の素地が作られた. 察 1.子育て支援の視点 少子化対策として仕事と子育ての両立を支援する観点 から保育サービスの強化が行われていた.柏木 が,母親 に個人として生きる場と時間及び機会を保障し, 母親を 子育てから解放する時間の確保が子育て支援の中心とな るべきと主張しているように, 長保育, 休日保育, 一時 保育の充実等, 現在少子化対策として行政が行っている 保育サービスは母親を子育てから解放することに視点を 置いた子育て支援であるといえる. しかし, 母親が保育サービスを活発に利用するのは, 子どもが幼児期に入ってからである. 虐待による死亡件 数は乳児が多く, また, 加害者は母親が最も多かった. 死 に至る虐待のきっかけには泣き止まない, 子育て不安等 の子育て負担感や子育て能力の低さが多く見られた. また, 野口ら は, 0∼ 4歳児を持つ有職の母親が子ども に対して瞬間的な怒りを感じ感情が高揚し, かっとなる という母親の子どもに対する衝動的感情を調査した. そ の調査によると, 0歳児の母親の約 72%が衝動的感情を 持っていた. また, 全年齢を対象に 析した結果, 子ども に対して衝動的感情を持つ母親は子育て不安など子育て 負担感のない母親に対して子育て負担感がある母親の方 が多かったと報告している. このことから, 乳児を持つ 母親の子どもに対する気持ちや子育てをしている環境な どをアセスメントし, 母親自身を支援する視点を持つこ とが急務といえる. 一方, 児童虐待対策, 少子化対策はもちろん, 母子保 においても, 子どもの成長発達を通して母親に支援が及 んでおり, 子育て支援の視点は子どもに置かれていた. 児童相談所及び市町村における児童虐待に関する相談 対応件数は年々増加し, やか親子 21」では母親の心理 を把握し, 子育て不安やストレスに対応することが課題 とされているにもかかわらず, 虐待による子どもの死亡 は後を絶たない. やか親子 21」では, 乳幼児の集団 康診査を母親の心理的側面を把握する場とするよう指示 している. また, 母親にとって集団 康診査は話しを聞 いてもらえる安心の場となるよう指示している. しかし, 結果を見るように乳幼児 診の対象は子どもであった (表 4). 乳幼児 診や相談事業で母親の心理的側面を把 握するための場を設けても,品田 が 1985 (S.60)年の母 子 康手帳副読本の大改定によって, 子育て支援が子ど もの視点に偏り, 日々子育てに関わる母親を支援する視 点が欠けたことを指摘しているように, 看護職の子育て 支援の視点が子どもに置かれているため, 子どもの成長 発達が話題の中心となり母親自身の心理的側面を捉えに くい状況であるとも えられる. 一方, 母親も乳幼児 診や相談事業を子どもの成長発達に対する相談の場とし て捉えているため, 子どもに対して衝動的感情を持つこ とがある, 子育て以外のことがしたい, 疲れている等, 自 の気持ちを表現することをさけているのではないかと も えられる. 自 の話を聞いてもらえる安心の場と母 親が感じられる場を提供するためには, 母親のありのま まの生活と気持ちを受け止めてゆく姿勢が看護職に求め られよう. 保育所に通う子どもの両親を対象にした調査 では, 母親の子育てにかける時間は 親の 3倍であった. 有職 の母親でさえ, 親の 3倍の時間を子育てに費やしてい るということは無職の母親が子育てに費やす時間はさら に長いと推測される. 一方, 日本, 韓国, タイ, アメリカ, イギリス, スウェーデンの家 教育に関する比較調査 によると, 子が一緒に過ごす時間は日本が最も短い. 従って, 我国では他国に比して母親が主として子育てを 担っている状況があるといえ, 母親を支援する必要があ ると えられる. また, 子育て負担感については, 日本, アメリカ, 韓国 の 15歳以下の子どもを持つ母親または 親の子育てに 伴う感情の比較調査 によると, アメリカ, 韓国に比べ, 日本は子育てに伴う肯定感情が低い. 日本, アメリカ, イ ギリス, フランス, 中国の育児書の子育て観の比較調査 によると, アメリカ, イギリス, フランスの育児書は母親 の育児負担感を軽減することに視点が置かれ, 日本の育 児書は子どもの成長発達に視点が置かれていた. 子育て 支援においては, 母親, 子どもの双方に同等の視点がお かれるのが望まれる. しかし, 母子 康手帳副読本にお いて, 母親は子どものために十 な時間とエネルギーを 裂くことができる人として記されているように, 日本の 子育て支援の視点は他国に比べて母親の子育て負担感の 軽減よりも子どもの成長に視点が置かれているといえよ う. 2.子育て環境の変遷 1940年代後半には 1人の女性が持つ子どもの数は 4 ∼ 5人であったものが, 1970年代後半からは 1∼ 2人と なり, 地域社会に子どもが少なくなった. 子どもが少な い地域社会では, 生活圏の中で子育てに触れる機会が少 ない. 子育て不安やストレス等子育て負担の要因の 1つ に母親となるまでに子育てに触れる機会が少ないことが あげられている. 現在子育て中の母親は自 が成長す る過程で子育てに触れる機会が少なかったことから子育

(7)

て負担感を抱える素地を持っているといえる. また, 生 活圏の中で子育てに触れる機会が少ないことは子育てモ デルを持ちづらい状況にもあり, 子育てモデルを持って いない母親も増加していると えられる. 河野 は, 母親が子どもの面倒を見た経験が乏しいと 母親の子どもへの働きかけが不適切となり, 子どもが不 快な反応を示し, 母親が子どもの不快な反応に対して子 育て負担感を抱くと母親の子育て能力の向上が阻害され ることを示唆している. 高度経済成長前は, 子どもが成長する過程で家の手伝 い, 子守, 異年齢での集団遊びから子育てや家 生活に 必要な能力, 子どもとの関わり方, 他人との関わり方を 生活の中で身につける環境が生活している地域に存在し ていた. 地域社会には子どもが多くいたことで子育ての 場面に触れる機会が多く, 子育てモデルを多く持つこと ができた. 近隣の人々との活発な妊娠, 出産, 子育てにつ いての情報 換等, 地域社会に多くの子育て支援があっ た. また, 仕事と生活の場が同じであり, 親は子どもと 時間を共有することによって子どもの 康状態や成長発 達を身近で感じ取っていた. 故に, 母親は子育てに関す る話題を 親と持ちやすかったと えられる. また, 出 産を中心に長期にわたる助産師との 流, 助産師からの 子育て支援もあった. そのため, 出産後には子育てに試 行錯誤しながらも母親は 親, 近隣の人々及び助産師の 支援によって子育て能力が向上し, 子育て負担感が軽減 されたと えられる. しかし, 高度経済成長期に産業構造が変化し, 仕事と 生活の場が かれたことにより, 家族が共有する時間は 少なくなった. 地方から都市部へ移動して核家族となっ たことにより, 地縁関係が薄くなり地域社会での 流が 少なく 親が出勤した後, 母親は家事と子育てをする中 で子どもとの関わりが中心となった. 親は外での仕事, 母親は家事と子育てと, 役割が 離したことにより, 夫 婦の共通の話題や関心が違ってしまい, 母親は 親から 子育てにおける精神的安定を得にくくなった. 近隣の 人々との 流や地域社会での子育て支援が少ないことに 加えて, 医療の細 化により, 子育て支援に関わる看護 職が 散して就労しているため, 母親が一貫した長期の 子育て支援が受けづらい. これらより, 精神的安定が得 にくく, 試行錯誤しても子育て能力がなかなか向上しな いばかりか, 試行錯誤するうちに疲労し悩みや不安, ス トレス等子育て負担感が増大してしまう母親が増加した と えられる. それでも, 高度経済成長期に子育てを行った母親は, 子育て負担感を抱えながらも幼少期に子守や家事の手伝 いの経験があった上, 電気, ガス, 水道の普及により家事 作業が簡 になったことにより, 1人で子育てを担うこ とができた. 母親が子育てを 1人でできたこととコイン ロッカー・ベビー事件の余波である母親の子育て責任の 強調によって, 子育ては母親の仕事と捉えられるように なっていったと えられる. しかし, 現在子育て中の母親は小さな子どもとの接触 が少なく, 家事を手伝った経験が少ないため, 子育て及 び家 生活に必要な能力を身につける機会の少ない世代 である. 成長する過程でも地域社会に子どもが少なく, 多くの出産が施設で行われるため, 子育てモデルを持ち づらい. また, 現在子育て中の母親は, 子育てや家事能力 を身につけにくい世代であるにもかかわらず, 実母は既 に 1人で子育てを行ってきた世代であり, 唯一持ってい る子育てモデルは母親が 1人で行う子育てである. その ため, 子育ては母親の仕事であり, 母親が子育ての義務 や責任を担うのであるという思いが強く, 他者の助け を求めにくく, 子育て負担感を抱え込む状況におかれる ことが多いと えられる. 3.子育て支援における課題 高度経済成長前は, 出産や子育てには家族や近隣の 人々, 助産師からの支援があった. 現在, 高度経済成長前 のように子育てを地域社会の中で支援しあうことは難し い. 子どもの生活もまた, 高度経済成長前のように下 後は家の手伝いや子守中心の生活に戻すことは不可能で ある. しかし, 現在の子育てに高度経済成長前の生活圏 に子育て支援のあった時代から得た知見を加えるなら ば, 1人で子育てを抱え込まないように子育て支援の視 点において母親の疲労や不安, ストレス等子育て負担感 に配慮することである. 母親が様々な子育て支援事業を 組み合わせ, 子育て支援を自 の生活に取り込むことが できるような看護職の関わりが今後の課題となろう. 高度経済成長前の出産は 95%が自宅で行われ, 開業助 産師が妊婦 診, 産後のケアを訪問して行っており, 母 親の生活圏の中で妊娠期からの継続的な支援が展開され ていた. 妊娠期からの長期にわたる助産師と母親の関わ りによって信頼関係が結ばれ, 母親は助産師に気兼ねな く子育てにおける自 の気持ちを表現することができて いたと えられる. 現在では, 出産施設を退院した後は産後の 1ヵ月 診 まで子育てに関わる看護職との接触は母親が求めない限 りほとんどない. しかし, 初産婦の不安は退院後 1週目 に最も増大し, 経産婦の不安は 3∼ 4週目以降に大きく なり始め 1ヵ月 診後も継続している. すなわち,1ヵ月 診前の子育て支援及び 1ヵ月 診後も継続した子育て 支援が必要であると える. 鈴木ら が, 母親は子育て中心の生活から家事も行え るようになるという行動範囲の拡大から自己の成長を実

(8)

感すると報告していることからも かるように母親の生 活と子育ては密着しており, 子育ては生活の一部である といえる. 子育ての部 だけ切り取って母親を理解す ることは困難であり, 母親の生活を捉えることがその子 育てを捉えることに繫がるといえよう. かつての, 助産師は, 母親が安心して話せる場を提供 し, 母親の気持ちを把握し, 母親の生活に即した子育て 支援を展開することによって, 母親の子育て能力を向上 させていたと えられる. また, 近隣の人々との情報 換も母親の気持ちを聞いてもらえる安心の場であったで あろう. しかし, 現在子育て中の母親は妊娠前の子育て 能力が低く, 近隣の人々との 流が少ない. そのため, 今 こそ, 看護職が母親に安心して話せる場を提供し, 母親 の気持ちや生活を把握し, 母親の生活に即した子育て支 援を展開することが求められているといえよう. それに よって, 母親の子育て能力が向上し, 子育て負担感が軽 減されると えられ, 母親の生活に即した子育て支援が 必要と えられる. 文 献 1. 伊藤ひで子,岩永牟保.育児不安が強い母親に対する訪問 援助活動―新任保 婦就職 3ヵ月目の事例報告―. 保 婦雑誌 1976; 32(12): 794-799. 2. 望月武子. 保 指導からみた母と子の諸問題―育児上の 問題について―. 日本 合愛育研究所紀要 1984; 20: 1-8. 3. 上野恵子, 田和子, 浅生恵子ら. 文献の動向から見た育 児不安の時代的変遷. 西南女学院大学紀要 2010; 14: 185-196. 4. 浜崎優子, 平田和子, 寺本恵光 ら. 3∼ 4ヵ月児をもつ母 親の乳児 診における主訴の 析―母親のニーズに っ た保 指導の検討―. 保 師ジャーナル 2010; 66(1): 44-52. 5. 厚生労働省 (編): 平成 17年版厚生労働白書―地域とと もに支えるこれからの社会保障―. 東京 : ぎょうせい, 2005: 85-124. 6. 齋藤克子. 子育て支援施策の変遷―1990年以降の子育て 支援施策を中心として―. 京都女子大学大学院現代社会 研究科博士後期課程研究紀要 2007; 1: 65-77. 7. 酒井ひろ子, 大橋一友. 新生児を育てる母親のストレッ サー尺度の開発. 日本母性看護学会誌 2009 ; 9(1): 1-8 8. 原まなみ,糸谷哉子,小路ますみ ら.初めて乳児を育て る母親の育児不安と家族機能に関する研究. 聖マリア学 院紀要 2009 ; 23: 39-48. 9. 押栗泰代, 金城八津子, マルティネス真喜子ら. 0歳児を 育てる母親の「私の不安」―民間保 師が開催する親子 教室参加者のアンケートから―. 滋賀医科大学看護学 ジャーナル 2009 ; 7(1): 57-60. 10. 原田なおみ. エジンバラ産後うつ病自己評価表によるス クリーニングにおける高得点者のリスク因子の 析. 保 科学研究雑誌 2008; 5: 1-12. 11. 吉永茂美.育児ストレス過程の一 察.岡山県立大学保 福祉学部紀要 2008; 14: 11-18. 12. 西海ひとみ,喜多淳子.第 1子育児早期における母親の心 理的ストレス反応 (第 1報) ―育児ストレス要因との関 連による母親の心理ストレス反応の特徴―. 母性衛生 2004; 45(2): 188-198. 13. 厚生労働省 : 子ども虐待による死亡事例等の検証結果に ついて第 6次報告 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv37/index 6. html[2010.12.9] 14. 村上京子, 豊島よし江, 番場妙子. 終戦前後の第一子出生 時の出産・育児の実態― ・母乳・生活を中心として―. 日本看護歴 学会誌 2006; 19 : 24-32. 15. 柏木惠子 : 子育て支援を える―変わる家族の時代に ―. 東京 : 岩波書店, 2001: 15-57.

16. 恒吉僚子,Sarane Spence Boocock (編): 育児の国際比較 ―子どもと社会と親たち―. 東京 : 日本放送出版協会, 1997: 65-233. 17. 正高信男 : 育児と日本人. 東京 : 岩波書店, 1999 : 35-107. 18. 内閣府 (編): 平成 21年版少子社会白書. 東京 : 佐伯印 刷, 2009 : 28-41. 19. 厚生労働省 : 保育所の状況 (平成 21年 4月 1日) 等につ いて http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0907-2.html [2010.12.9] 20. 厚生労働省 : やか親子 21検討会報告書―平成 12年 11月 やか親子 21検討会― http://www.mhlw.go.jp/topics/sukoyak/tp117-1c18.html [2010.4.1] 21. 厚生労働省 : 児童虐待相談対応件数等及び児童虐待要保 護事例の検証結果 (第 6次報告概要) http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000g6n/ html[2011.5. 11] 22. 秋山正美 : 少女たちの昭和 . 東京 : 新潮社, 1992: 9-31. 23. 井沢たま,寺田真廣,今関節子.大正末期より昭和 20年代 における育児法をたずねて―伝承によるその自然なすが た―. 群馬大学短期大学紀要 1982; 3: 61-77. 24. 子どもたちの昭和 」編集委員会 : 写真集」子どもた ちの昭和 . 東京 : 大月書店, 1984: 142-155. 25. 無名舎出版 (編): 雪国はなったらし風土記. 秋田 : 無名 舎出版, 1988: 8-141. 26. 原田正文 : 子育ての変貌と次世代育成支援. 愛知 : 名古 屋大学出版会, 2006: 66-251. 27. 寺田真廣,今関節子,井沢たま.大正末期より昭和 20年代 における育児法をたずねて―第Ⅱ報―. 群馬大学短期大 学紀要 1983; 4: 27-35. 28. 髙橋マツ子. 出産と育児の看護―戦前から戦後の社会 から医療専門人の関わりを 察する (その 1). 足利短期 大学研究紀要 2007; 27: 75-79. 29. 古川洋子.日本における産み育て支援システムの構築.人 間看護学研究 2008; 6: 71-78. 30. 下川耿 (編): 近代子ども年表―1926-2000昭和・平成

(9)

編. 東京 : 河出書房新社, 2002: 300. 31. 横山文野 : 戦後日本の女性政策. 東京 : 勁草書房, 2003: 110-115. 32. 品田知美.子育てをめぐる言説の変容―1964年∼2001年 母子手帳副読本を中心に―. 目白大学人間社会学部紀要 2003; 3: 197-211. 33. 柴崎正行, 安齋智子 : 歴 からみる日本の子育て―子育 てと子育て支援のこれからを えるために―. 東京 : フ レーベル館, 2005: 49-50. 34. 落合恵美子 : 近代家族とフェミニズム. 東京 : 勁草書房, 1989 : 72-92. 35. 大津愛子.助産婦さんにお世話になって―看護制度 10周 年記念論文より―. 助産婦雑誌 1958; 12(9): 44. 36. 白井千晶. 自宅出産から施設出産への趨勢的変化―戦後 日本の場合―. 社会学年誌/早稲田大学社会学会 1999 ; 40: 125-139. 37. 厚生省 (編): 昭和 48年版厚生白書―転機に立つ社会保 障―. 東京 : 大蔵省印刷局, 1973: 184-372. 38. 厚生省 康政策局看護課 (監修): 昭和 54年看護関係統 計資料. 東京 : 日本看護協会出版会, 1979 : 4-5. 39. 厚生省 康政策局看護課 (監修): 平成元年看護関係統計 資料. 東京 : 日本看護協会出版会, 1989 : 4-5. 40. 日本看護協会出版会 : 平成 21年看護関係統計資料集.東 京 : 日本看護協会出版会, 2010: 6-7. 41. 赤 恵美.妊娠・出産を対象とした集団指導運営の 始と 展開―マチソンの行った「母親学級」を中心に―. イン ターナショナル Nursing Care Research 2000; 9 (2):

51-60. 42. 野口恭子,石井トク.乳幼児を持つ母親の子どもに対する 衝動的感情と反応. 小児保 研究 2000; 59(1): 102-109. 43. 関根 剛, 間三千夫, 室みどり. 親の育児支援に影響を 与える要因について. 信愛紀要 2000; 40: 35-40. 44. 日本女子社会教育会 (編): 図説世界の家族と子ども. 東 京 : 日本女子社会教育会, 1995: 21-26. 45. 務庁青少年対策本部 (編): 子供と家族に関する国際比 較調査報告書. 東京 : 大蔵省印刷局, 1996: 52-54. 46. 河野洋子. 産褥期の母子相互関係と看護の構造 (第 2報) ―育児に関する看護過程の 析―. 母性衛生 2001; 42 (2): 418-426. 47. 柏木惠子 : 子どもという価値. 東京 : 中央 論新社, 2008: 163-174. 48. 木村留美子, 津田朗子, 五十嵐透子ら. 子育て支援セミ ナー受講前後における母親と保育士の子どもに対する意 識の変化. 金沢大学医学部保 学科紀要 2001; 24(2): 141-150. 49. 橋本美幸,江守陽子.効果的な家 訪問指導を目的とした 訪問指導時期の検討―出産後∼12週までの母親の育児 不安軽減の観点から―. 小児保 研究 2008; 67(2): 47-56. 50. 鈴木由紀乃, 小林康江. 産後 4ヵ月の母親が母親としての 自信を得るプロセス. 日本助産学会誌 2009 ; 23(2): 251-260.

(10)

Literature Review on the Viewpoints and

Problems of Child Care Support

by Local Governments in Japan

Mitsuko Imai

and Yoko Tokiwa

1 Gunma University Graduate School of Health Sciences, 3-39-22 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371-8514, Japan

Background and purpose: The purpose of this study was to clarify the viewpoints and problems of child care support by reviewing the literature on child care support by local governments and the social environment surrounding mothers and children in Japan. M ethods: The viewpoints of child care support by local governments were analyzed mainly by reviewing reports on child care support focusing on child care support services. Changes in the social environment surrounding mothers and children in Japan were analyzed by searching the literature mainly in Japana Centra Revuo Medicina using child care , child-rearing and history as key words. Results: Twenty-five articles on child care support by local governments published between 1989 and 2010 and 59 on the social environment surrounding mothers and children published between 1945 and 2010 were found. Child care support was currently provided by local governments from the viewpoints of freeing mothers from child care,such as child care services, and child development. The situation of the social environment surrounding mothers and children was that mothers currently raising children had not had many opportunities to acquire abilities required for child care and home life and to learn how to relate to children and other people during their development process. In addition, it was suggested that these mothers tend to be tired and to feel the burden of child care while raising children by trial and error, because they have only a few child care models,a small amount of conversation with their husbands,some sparse interaction with neighbors,and receive minimum support to meet the needs of life from professionals. Conclusion : Our findings strongly suggest the necessity to alter the viewpoints of child care support to incorporate the dual aspects of the provision of support both for mothers and for child development.(Kitakanto Med J 2011;61: 377∼386)

Key words: child care support, viewpoint of child care support, social environment surrounding mothers and children

参照

関連したドキュメント

 The purpose of this study was to clarify the actual situation of the impact of the infectious disease problem in Kamakura City on businesses and the

Anttonen,A (2001) “The politics of social care in Finland : Child and elder dare intransitio” Care Work: The quest for security , International Labour Office , Geneva,

 This study was performed to investigate the difficulties, actual support situation, and corresponding thoughts of Chinese mothers who experienced pregnancy, childbirth, and

 The present study was performed to determine items required in mother and child health checkups performed at different types of facility, and problems in mother and child health

Background: The aim of this study was to investigate effects of basic life support (BLS) training on willingness of single rescuers to make emergency calls during

The purpose of this study was to examine the characteristic ideas of local bioresource utilization through the analysis of formative processes and factors for the development

The purpose of this study is to clarify how utilized public support system for reconstructing or repairing of damaged houses in a case of Noto Peninsula Earthquake.. Repair of

Furuta, Log majorization via an order preserving operator inequality, Linear Algebra Appl.. Furuta, Operator functions on chaotic order involving order preserving operator