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批判的に読むことを目指す小学校国語科説明的文章の授業実践とその評価 : 既有知識の活性化と筆者の意図の推論を手立てとして

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Academic year: 2021

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(1)批判的に読むことを目指す小学校国語科説明的文章の授業実践とその評価     _既有知識の活性化と筆者の意図の推論を手立てとして_                              教育実践高度化専攻                              授業実践リーダーコース.                              P11021D.                              加藤春雄 1.研究の背景. 表1批判的な読みの過程(井上2007を参考1こ〕. 読む活動の充実が求められるようになった。こ. a.文章を正確に理解する 問題意識を持っ C.対象を吟味・検討する 吟味・検討の結果を総合した評価を下す 評価の結果を説得的に表現する. れまでも,批判的な読みの理論提案は行われて. 【「b 問題意識を持つ」における手立て】.  従来の説明的文章の学習指導では,書かれて いることの正確な理解に重きが置かれてきた。 しかし,近年の学力調査の結果から,批判的に. いるものの,多くの実践現場ではおよそ行われ.  文章に対して問題意識を持つとは,筆者と同. てこなかった。実際に学習者に想定される課題. じ書き手の立場に立つということである。そこ. を検討し,課題克服の手立てを明らかにして,. で,教材文通読の前に,題材や表現の仕方につ. 批判的な読みの学習指導を構想していく必要が. いて既有知識を活性化させて,r自分ならこう書. あるだろう。. く」という書き手意識を喚起させることが有効. 2.研究の目的. だと考えた。よって,教材文通読の前に,既有.  説明的文章の学習指導において,批判的な読. 知識の活性化を手立て①として講じる。. みを促す有効な手立ての一端を明らかにするこ. 【「C.対象を吟味・検討する」における手立て】. とを目的とする。特に,小学校中学年の学習者.  批判的に読む対象は,筆者の考え方や述べ方. において想定される課題,及び課題克服のため. である。それに対して,評価を行うためには,. の手立てを明らかにする。. まず,筆者の意図を汲み取る必要がある。筆者. 3 研究報告書の構成. を無視した恣意的な評価は建設的ではなく,批.  序章. 判的な読みとは言えない。よって,吟味・検討.  第1章 批判的に読むことを目指す説明的文章の. の段階において筆者の意図を推論することを手.     授業の構想. 立て②として講じる。.  第2章 批判的に読むことを目指す授業実践I. 【中学年において想定される課題と解決策】.  第3章 批判的に読むことを目指す授業実践皿.  中学年の学習指導の傾向や説明的文章の教材.  終章. 配列の関係から,教材文の絶対視が課題として. 4.研究の概要. 想定される。その解決策として,認知的な葛藤.  (1)批判的な読みを目指す説明的文章の授業. に注目した。既有知識と教材文との間に差異を.   の構想. 効果的に生じさせ,葛藤が生まれることで教材.  「批判的な読み」の過程を次の表1のように 想定し,「b.問題意識を持つ」「c.対象を吟 味・検討する」の2つの段階に着目した。. 文の絶対視を防ぐことができる。そして,文章 に対する問題意識も一層喚起されると考えた。 この視点は手立て①に組み込むこととする。.

(2)  (2)授業実践と手立ての検証.  実践1は,文章に対する問題意識を喚起する. 【手立て①教材文通読前における既有知識の活性化の検証】.  実践■の「文章構成」に関する批判的な読み. ことに重点を置き,手立て①のみを単元計画に. の際には,ワークシートの感想記述や授業の振. 組み込んだ(表2)。. り返りカードの記述から,教材文に対する問題.    表2 実践Iの単元計画(9時間). 意識が喚起されていることが示唆された。ただ. 教材文r大きなカを出す」r動いて,考えて1また動く」. し,実践Iや実践1Iの1つ目の課題(「対比を用. 一次(2h). <第1教材の学習> ・文章構成を中心とした読み取り一手立て①】. いた述べ方」に関する批判的な読み)では,問. 二次(5h). <第2教材の学習〉. 題意識の喚起がほとんど見られなかった。既有. ・形式段落の並び替え【手立て①】 ・通読,感想記述 ・内容の読み取り 三次(3h). ・筆者の述べ方の総合的な評価. <実践Iの課題〉. 知識と文章との間に差異を効果的に作り出す授 業作りが重要だと言える。 【手立て②筆者の意図の推論の検証】.  振り返りカードやワークシートの記述から,. 1                                   .. 筆者の意図の推論と自らの考えの関係を分析し. 1                                   1. た。結果として,意図の推論が筆者の述べ方に. =・手立て①の具体化の失敗    1 1・正確な理解を促す読解指導の不足; 1                                  − 1                                   一. =・学習への見通し不足      1. 対する理解を深めることにっながり,建設的な.  実践I1は,本研究の2つの手立て及び実践1. 評価を促していることが示唆された。しかし,. の課題克服のための手立てを組み込み,単元計. 表現意図の推論を行ったとしても,恣意的な読. 画を立てた(表3)。教材分析の結果,批判的な. みをしている学習者はおり,手立て②は改善の. 読みの課題を2点(r対比を用いた述べ方」とr文. 余地が残された。筆者の意図の推論だけでなく,. 章構成」)設定した。. 対象を多面的に吟味・検討する必要があると考.    表3 実践皿の単元計画(9時間). える。. 5.研究の成果と今後の課題  批判的な読みの過程に着目することで,具体. 的な2つの手立てが明確になり,学習者に批判 的な読みを促すことができた。また,中学年の 学習者でも教材文に対する問題意識を喚起させ ることができ,筆者の意図の推論を通して述べ 方に対する理解を促すことができた。.  今後は,吟味・検討の活動を改善した授業の 構想を実践し,改善していく必要がある。また,. 他者に伝わるような論理的な表現に課題が残っ た。そのため,論理的な表現への指導も行いた 【批判的な読みの実際】. い。そして,実の場に即した言語活動を組み立.  実践Iでは4名,実践1Iの「対比を用いた述. て,批判的な読みに必然性を感じる授業を設計. べ方」では14名,「文章構成」では19名と,段々. し,批判的に読む力の育成を図りたい。. と批判的な読みができるようになった。また,.          修学指導教員 佐藤 真. 質問紙調査から,学習者も批判的な読みができ.                  伊藤 博之. るようになったと感じていることがわかった。.          指導教員 吉田和志.

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