批判的に読むことを目指す小学校国語科説明的文章の授業実践とその評価 : 既有知識の活性化と筆者の意図の推論を手立てとして
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(2) (2)授業実践と手立ての検証. 実践1は,文章に対する問題意識を喚起する. 【手立て①教材文通読前における既有知識の活性化の検証】. 実践■の「文章構成」に関する批判的な読み. ことに重点を置き,手立て①のみを単元計画に. の際には,ワークシートの感想記述や授業の振. 組み込んだ(表2)。. り返りカードの記述から,教材文に対する問題. 表2 実践Iの単元計画(9時間). 意識が喚起されていることが示唆された。ただ. 教材文r大きなカを出す」r動いて,考えて1また動く」. し,実践Iや実践1Iの1つ目の課題(「対比を用. 一次(2h). <第1教材の学習> ・文章構成を中心とした読み取り一手立て①】. いた述べ方」に関する批判的な読み)では,問. 二次(5h). <第2教材の学習〉. 題意識の喚起がほとんど見られなかった。既有. ・形式段落の並び替え【手立て①】 ・通読,感想記述 ・内容の読み取り 三次(3h). ・筆者の述べ方の総合的な評価. <実践Iの課題〉. 知識と文章との間に差異を効果的に作り出す授 業作りが重要だと言える。 【手立て②筆者の意図の推論の検証】. 振り返りカードやワークシートの記述から,. 1 .. 筆者の意図の推論と自らの考えの関係を分析し. 1 1. た。結果として,意図の推論が筆者の述べ方に. =・手立て①の具体化の失敗 1 1・正確な理解を促す読解指導の不足; 1 − 1 一. =・学習への見通し不足 1. 対する理解を深めることにっながり,建設的な. 実践I1は,本研究の2つの手立て及び実践1. 評価を促していることが示唆された。しかし,. の課題克服のための手立てを組み込み,単元計. 表現意図の推論を行ったとしても,恣意的な読. 画を立てた(表3)。教材分析の結果,批判的な. みをしている学習者はおり,手立て②は改善の. 読みの課題を2点(r対比を用いた述べ方」とr文. 余地が残された。筆者の意図の推論だけでなく,. 章構成」)設定した。. 対象を多面的に吟味・検討する必要があると考. 表3 実践皿の単元計画(9時間). える。. 5.研究の成果と今後の課題 批判的な読みの過程に着目することで,具体. 的な2つの手立てが明確になり,学習者に批判 的な読みを促すことができた。また,中学年の 学習者でも教材文に対する問題意識を喚起させ ることができ,筆者の意図の推論を通して述べ 方に対する理解を促すことができた。. 今後は,吟味・検討の活動を改善した授業の 構想を実践し,改善していく必要がある。また,. 他者に伝わるような論理的な表現に課題が残っ た。そのため,論理的な表現への指導も行いた 【批判的な読みの実際】. い。そして,実の場に即した言語活動を組み立. 実践Iでは4名,実践1Iの「対比を用いた述. て,批判的な読みに必然性を感じる授業を設計. べ方」では14名,「文章構成」では19名と,段々. し,批判的に読む力の育成を図りたい。. と批判的な読みができるようになった。また,. 修学指導教員 佐藤 真. 質問紙調査から,学習者も批判的な読みができ. 伊藤 博之. るようになったと感じていることがわかった。. 指導教員 吉田和志.
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