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中学校における「発達障害通級」の役割と機能に関する研究:―支援・評価ツールの開発を通して―

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Academic year: 2021

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(1)中学校における「発達障害通級」の役割と機能に関する研究         一支援・評価ツールの開発を通して一 専  攻 コース. 学籍番号 氏  名. 1 問田と日的  現在の中学校は、暴力行為、いじめ、不登. 特別支援教育学 特別支援教育コーディネーター M09111D 鳴海 正也. ない、今後の中学校発達障害通級の在り方に ついての提言を行いたい。. 校等多くの問題を抱えている。発達障害生徒 が暴力行為などを含む反社会的行為のハイリ. l1方法. スク群であること、発達障害生徒の課題はし. 調査対象:全国中学校通級指導教室249校. ばしばいじめとの関連性が認められること、. 調査方法:2009年12月中旬から2010年1月. 不登校と発達障害との関連が指摘されている. 末日に郵送により調査を実施した。. こと等、発達障害が中学校での課題の背景と. 調査内容:フェースシート(通級の形態・指導. なっていることが分かる。この喫緊の課題に. 者の属性・人員配置等). 対応するシステムの一つがL D等通級指導教. 通級指導教室の役割と機能に関して実態把握. 室の取組である。. のための2件法調査と望まれる姿の5件法調.  現状では通級の整備が不十分であり、r通級. 査をおこなった。. の量」の問題が存在することは明白である。. 統計処理:SPSS Statistics18(1BM)を使っ. しかし、量の問題以外に制度や指導内容とい. て分析処理した。通級の環境の相関に関して. う「質の問題」があることも事実である。設. はスピアマンの順位相関係数を使用した。環. 置歴が短い中学校では、中学校の通級が持つ. 境要因が機能に及ぼす影響については、ステ. 役割や機能が不明確であり、担当者任せにな. ップワイズ法によるロジスティック回帰分析、. っている実態がある。このような状況の中で. 実施実態と望まれる姿についてはx二乗検定、. は、通級が機能的に運用されることは難しい。. モデル作成のためにはWard法によるクラス.  現在の通級が多様な実態や地方差を持つな. タ分析を使用した。. かで、通級指導のスタンダードを作成するこ とは非常に難しいことである。そこで通級の. 111結果. 機能や役割を明確にすることによって複数の. 回収率:249校中94校(回答率37.8%)の有. スタンダースを作成することが現状に即した. 効な回答を得た。. 解決法だと考えられる。.  フェースシートからは、教諭の配置が単独.  本研究では、通級のよりよい在り方を検討. のものと複数のものとに両極化し、それぞれ. するために、中学校の通級における指導の実. に特徴があること、担当者の年齢層は40∼50. 態と通級担当者が持っている理想的な通級像. 代のベテラン教員が多いこと、指導内容は自. の関係を明らかにするための全国調査をおこ. 立活動重視と教科指導重視の2群に分かれる. 一206一.

(2) ことかわかった。問題点として、教諭が配置. いかと提起した。また、類型ごとに役割や機. されず講師だけでの運営がなされ専門性に問. 能がかなり異なることがわかった。両類型の. 題のある通級があることがわかった。. 相違点は、通級の形態、人員配置、指導内容.  フェースシートからわかる通級環境の関係. にまで広く及ぶことが明らかになった。この. を相関行列表に整理したところ、他校通級と. ことから、通級における研修は類型に即した. 自立活動の割合の間や教諭数と他校通級の間. 形で専門的研修と現場実習研修が組み合わさ. 等に有意な相関が見られた。対称的な通級環. れ実施されることが有効であると考えられる。. 境があることがわかった。.  また、通級の役割や機能は、通級指導歴、.  質問紙のクロス集計の結果から、実施され. 年齢層等の担当者の属性が影響を与えること. ている項目と望まれている姿には乖離がある. から、担当者の属性を考慮した人事配置が行. ことがわかった。実施グループと未実施グル. われことが重要であると思われる。. ープ間で実施しすべきかどうかについての回.  サテライト型通級では、在籍校へのコンサ. 答分布を検討した結果、実施率が高く分布が. ルテーションやアコモデーションの点で有利. 同じ項目から、実施率が低く分布が異なる項. である。しかし、英語の指導が実施されない. 目があることがわかった。. 傾向にあることや自立活動の指導領域が狭い.  ロジスティック回帰分析からコーディネー. ことから、生徒への直接指導の面での弱点を. ターのサポートを実施するかどうかは、自校. 持つことが予測される。. 通級者数といった通級形態や年齢層といった.  一方、センター型通級では、英語をはじめ. 指導者の属性に左右されること等がわかった。. とする教科の補充や保護者の交流の場を設定. また、配置される教諭数によって検査が実施. できる場合が多いなど有利な点を持っている。. されるかどうか等に影響が表れることがわか. しかし、在籍校に教室環境の整備や二次障害. った。. 防止のための提案をおこなう等の学校間での.  クラスタ分析の結果、通級の指導では、目. 連携協力の面で課題を持つ場合が考えられる。. 的を達成するためにr指導環境の充実」rコン. どちらが還りすぐれた形態であるかという問. サルテーション」「教室の管理運営」「アコモ. 題ではなく、両者の特性を生かしたかたちで. デーション」r自立活動の指導」r教科補充の. の実践の深化が望まれる。. 指導」「他機関との連携協力」の7つの手段を.  今後、通級の基本的役割や機能を明確に意. 活用していることが類推された。. 識した研修が実施され、実態に即した評価が なされることが通級には求められている。発. lV まとめ. 達障害生徒が効果的に支援される通級が実現.  今回の調査から中学校の通級には、大きく. するか今後検証していくことが望まれる。. 2つの類型があることがわかった。その類型 は、教諭の配置が単独か複数かに左右され、. 主任指導教員  宇野 宏幸. 本研究においては前者をサテライト型、後者. 指導教員  宇野 宏幸. をセンター型と呼ぶのがふさわしいのではな. 一207一.

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