児童の日常生活における保健行動の地域差比較
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(2) . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 川. 1. 序. 上. 幸. 三. 論. 児童の健康問題は, 生活環境との関連 で探究されるべき であるという認識の上にた っと, 日常生 活における保健行動の在り方が大いに問題にされる, 近年における我国の高度経済成長による生活水準の向上, 科学技術の進歩, 機械文明の発達, 教. 育熱の高まりなど児童を取り巻く社会環境は大きく変化しつつある. この社会環境, 生活環境の変 化に伴っ て生活様式も少しずつ変化してきており, 健康や体力に好ましくない影響を与えてきてい ると言える.. 健康や体力の関連要因として, 下校後の戸外遊び, 睡眠時間や就寝時刻, 家庭における学習時間, テレビ視聴時間 (以下, TV) , 学習塾やけいこごと通いなどがあげられるが, 健康や体力の促進的 要因である戸外 でのスポーツや遊びは減少し, 抑制的要因であるTV視聴, 家庭学習, 塾通い, 室 内遊 び等の静的な行動が増加しつつあるのが現状 である。 特に, 都会の児童にその傾向が強くあら わ れ て き て い る と 思われるが, 一方, 道路網の整備, 交通機関の発達 TVやラジオの情報化社会 ,. の発達によって, 地方町村の都市化現象がすすみ, 郡部の児童にもその影響が波及していると考え ら れる,. そこで, 本研究の目的は, 札幌市, 函館市, 渡島・桧山支庁の町村, 3地域の小学校5・6年の 児童,3,585名を対象に, 日常生活における保健行動について, 質問紙調 査を実施 し, 都市部と郡部 の児童の保健行動の違 いを明らかにするとともに,健康生活を実践していく上での問題 点を究明し,. 今後の適切な保健管理, 保健指導のための基礎資料を得ることである. )の述 べる日常生活における 「健康に関係のある行動 (Hea l 尚, ここ で言う保健行動とは, 宮坂1 ‐. l thr e atedbehavi or)」 と 解 釈 す る,. 1 1 調査対象およ び方法 1. 調査対象 地域別, 性別, 学年別の調査対象人員は, 表1の通りである. 札幌は, 札幌市中央区の5′ i ・学校 (71 7名) 0小学校 (1 41 7名) J ・学校 , 函館は, 函館市内の1 , , 郡部は, 渡島・桧山支庁の町村の12ノ 5 1名) 2 (1 4 合計 7小学校 3 5 5名) ( 8 いずれも5・6年の男女 である , , , , , .. 2. 調査方法 質問紙調査票による集合調査法. 各学校に依頼, 該当する学級担任教師の責任において調査し, 回収した. 当日の欠席を除き, 回収率は1 00%である.. 141.
(3) . 川. 表1. ぎ帯ミ 穿減 5年 6年. 上. 幸. 三. 調査☆寸象人員. 札 幌 函 館. (名) 郡. 部. 男子. 蔑9 1. 3 77. 36 4. 女子. 16 8. 3 46. 36 3. 男子. X 8U. 356. 362. 女子. 178. 3 38. 36 2. 717. 14 17 ,. 451 1,. 計. 育十 809 1 ,. も776 3, 585. 3. 調査内容 質問紙調査 の内容は, 下校後の生活行動, 下校後の生活場所や過 ごす相手, 下校後の戸外遊 び, 遊 びに対する欲求, 睡眠時間と就寝時刻, TV視聴時間, 家庭学習時間, 学習塾やけいこごと通い であ る。. 4, 調査時期 2年7月中旬から下旬 である, この時期を選んだ理由は, 児童にとっ て, 戸外遊 びに最もよ 昭和5 い季節と考えたから である. ロ ー 調査結果と考察 1. 下校後の生活行動 図1は, 下校後夕食ま での時間帯における生活行動を性別, 学年別に示したものであり, これは 7 月中旬から下旬にかけて, 雨天日を除く 2 ~ 3 日間の生活行動調査 である . 「戸外遊 び」 については, 5年男子は, 札幌・函館 (以下, 都市部) と郡部との地域差はみられ. な い が, 5年女子, 6年男女においては, 都市部の児童ほどその比率が減少し 1%の有意水準 で , 郡部との間に地域差が認められた. 一方,「勉強や読書」「学習塾通い」 は, 郡部 では低率であるが, 都市部につれて増加を示し, 5年より6年に, 男子より女子にそ の傾向が強くあらわれている。 特 に, 6年女子において地域差は非常に顕著である. 以上の ことからも, 都市部の児童は 郡部に比し. て, 健康や体力の促進的要因 である 「戸外遊 び」 が少なく, 抑制的要因である 「勉強や読書」「学習 塾 通 い」 が 多 い こ と がわ か る. こ れ は 明 ら か に 運 動 機 会 の 少な い こ と を 物 語 っ て い る .. 次に, 下 校 後, 主 に どの よ う な 場 所 で過 ご して い る か を 示 し た の が 図 2 である 下校後の生活場 .. 所は, 前述の生活行動との関連 でとらえることができるが, 男女とも都市部は郡部に比して, 家の 中 (学習塾を含む) で過 ごす割合いか高く, 公園 (遊園地, グラン ド) 1 1) など戸外 , プー ル (海,! で遊ぶことが少ない. 特に, 札幌の女子の約70%弱は, 家の中 での生活 であり, 他地域より非常に 高 い。 プ ー ル, 海, iHで遊 ぶ も の が 郡 部 に 高 率 を 示 し た の は, 調 査 時 期 が夏 季 で あ っ た こ と, ま た,. ☆ず象者の居住地域が海や川に 囲まれた恵まれた自然環境のためである .. また, 誰れと過 ごしているかを図3に示す. 都市部の児童は郡部に比して 「友だち」 との生活が 少なく, 「ひとり」 で過 ごす比率が高くなっ ている, これは部市部において, 勉強, 読書, TV視聴 な どの 家 の 中 での 生 活 が 多い た め と 考 え ら れ る ,. 142.
(4) . . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 男子. 5 年 札. 幌. 函. 館. 郡. 部. 0 1。 ,. 幌. 函. 館. 郡. 部. 下校後の生 活行動. 0 3Q. 4。 0. 7n. 諭. (%). 90. 80. れ 鵠 424 IF,6 . 8 5 8れ 陥 母 乳・7 . . . . , ,. .. 56,o. : ;6 f 13‐2 :a9 ‐. 55 ,3. .琳. 9 れ= 7 盈 931 .. g776 宅零さてO れ=. IP 99 ご 2お ,. 59,3. 4 L. 6 年 - 男子 L 札. 20. 図1. l , o 。. 30. 20. 4o 0. 70. 0 qo. 5o 0. ・ ・ ・ . . ・ . . ・ ・ ・ ・ ・ . ・ ・ ・ ・. 節. 90. y’ 0.・. ‐ . 133 ゑ o れ 高421 王 ‐ : 4 豊1 .QO 6 52‐ , ,輔 手蔓 ・. 3 42 ,. 7 薄 謝・9 ・ i i勢津昇. 485. i叉 2 ,. = 9 26. 9も12氏二徽 謎 ;IQ2 れ =885 .. 59 ,5. 24 5 年. 女 子 札. 20. r. 函 館. 70. 6 コ ,. 3 キ d .. ロ2. 和. 8 6 総 .. 36 6 .. 10 3 ・M さ .. 422. 部. 50. 21 ー .. 7 31 ・. 幌. 郡. 妃. 30. 90. 80. 90 れ =379 1卵 ※認 ・. 露1戴き≦ 22. 彫 れ↓ 羅. も弱震漬2 4 ま. れ 霊76 5. 7 0 ,. 6 年 女 子. Io. 2{ 」 u. 札. 幌. 2 3 5 . ・. 函. 館. 5 3 ,. 郡. 部. 32 3 ・. 40. 30 0 3. 0 6Q G - ,. 0 50 5. ・ . ・ ・ . . ’ . . , , , , ,. 誠き 誠き 42き 1 ざ 凶器 : ・. 4 2 6 . ・. l04. : ‐ ・ 14,8 89 r. 1. 70. 8 G ! }. B0 80. vvvv ●・・・. れ= 415 導寡;9 2れ 滋然 輔 違憲 轟 .. 衰弱無窮 轟 き. 16 6 ・. . : 15 8き似Q3 表さ寺 齢 42 ・ : : 1 . , 1.. れ = 87 9 l 兎 = 89t. 2 l .. 目. ☆外遊び. 圏. 努内遊び. 圏. TV,マ ガ. 圏. 勉 強,読蒔. 圏. けいにと. 圏. 学智塾. □. その他 143.
(5) . 上. 川. 三. 幸. 図2 下校後の過ごす場所 男. 子. 札. 幌. 函. 館. 30 ・6. 郡. 部. 27 9 .. 女. 20. m. 館. 郡. 部. 6o. ・ . ・ ・. 30 ・8. 主要 豊三 ;. 25 6 .. 郡・塾生孝三. 3 れ 冨3 7 1 期6 ,. 29 .6. y. .. 90 (%). 80. 7o. 93 Y. れ=733 れ=726. 18げ‐ ; ; γ ・ ・ ・ ・6 5 . .. 20 io. 2o. 札 1幌. 函. 5o. 8 o 議す :遊 蕩 , Y◆ ′′′′′. 6 34 ,. /. 子. 4o. 30. 3O. 4O. 5o. 6O. 8o. 7o. 9o. けり. 0 3 2 鶴 謙三キー 7 三1 . .. 545. れ=346. 0 謝霧 響き繋ぎ ・ ・ 燃3 19. 0 42 ・. 詳説き逢 総÷ ÷ 斜灘. 45 5 .. れ =684. : ・4. れ 溺7 25. 図圏. 自宅又は友人の家 園 圏 自宅ヌは友人の象の周囲 [コ. その 他. 圏圏. 学習 塾. 匿園. け いこ. Q9. ゲランド 巨雪 公園 遊園地, 区園. 図3 女 50. ー し, 遼 ,) ー. 下校後の過 ごす相手 子. 男. 子 (% ). ・ . . ・ 、 ・ ′ : ・ ; 、 ・ . ・ ・ ・ ・ . . .. フ. . . ・ . ・ 、 ・ ・ ・ ・ ・ , ・. 2. 友 だち ・ :輔導 ひ と り. .. 50. 40. 鴛 51 4}〉ト》 “ い; .. 言}125 ‘ 3 y/ ′ ノ , 204. B 兄 弟 , F 8 I ,. 4 8 ・ : 家の人 5. 道繋 部 ・ : 駆 8 0 . 2 3 . 1 . 144. 08. 圏圏. 札. 幌. 圏 函館 [コ. 郡. 部. 60.
(6) . 児童の日常 生活における保健行動の地域差比較. 以上, 下校後の生活行動の3地域の違いを要約すると, 都市部の児童は郡部 に比して 「ひとり」 で過ごすことが多く, 「戸外遊び」 が少ないうえに, 家の中での生活が多い. 特に男子より女子にそ の傾向が強くあらわれており, 健康生活を実践していく 上で問題があると言える.. 2, 下校後の戸外遊びについて 児童にとっ て, 一日のうち で最も健康や体力の保持増進の機会である「戸外遊び」に焦 点をしぼっ て考えてみる。 図4は, 雨天を除いた日と限定して 「あなたは, 下校後, 家に帰っ てから戸外で遊. びますか」(下校後の戸外遊 びの有無) の質問に対しての回答を示す, これによると, 5年は男女と も地域差はみられないが, 6年になると地域差が認められる, 即ち, 6年男子は 「ほとんど遊ばな い」 比率には差はないが (だ =3.823 ,「毎日遊ぶ」 は都市部が少ないことが認められた , P>0.05) 一方 29 0 8 ) 6年女子では (z2=22.6 P<0 . , , 札幌の女子に 「ほとんど遊ばない」 ものの比率が , , 2 高く (ズ2=15,875 , P , 「毎 日 遊 ぶ」 も の の 比 率 が 低 い こ と が 認 め ら れ た (Z =16.951 , p <0.01). <0. 01 ) , これは, 家庭での勉強, 学習塾通いが多いことや読書傾向が強いことが直接の原因と考え ら れ る.. 以上を要約すると, 5年 ではほとん ど差はみられないが, 6年になると都市部の児童ほど 「毎日 遊ぶ」 ものの割合いが少なく, 「ほとんど遊ばない」 ものの割合いが多くなる. 特に, 6年女子にお いては非常に顕著に地域差が認められる.. この 「戸外遊 び」 は, 成長期にある児童にとっ ていかに大切 であるか, いくつかの研究報告がな 図4 下校後の戸外遊びの有無. 女 80 70. 90. 繊. 5.. 40,3e 20 1 0. ・ “・・ ” . “. .・ . . - . ・ ・ ・ : ・58,3・′.′′′ . 7, . . , , 16. , ・ , ・ . ,. . 三 f 々 15 7, ・ . 9, ・ ー , . ,ト ′ ‐,三{.:61 ,. (%). ,. 翠. u 17 7 .. 幌. 9 52 .. ′ ・」 メ 二 -3. 函. 館. 53 ,9. 郡. 部. 6. 子. . .. (の ,. o′ ズも J亭,/76, P<○ .. 巨ヨ 毎日遊ぶ. . ・ : 熱, : 、義.銅.p ... 56, Q. ・・... 罰. ,. 40. 30. ,. ,. - -” ー. 郡. 子. 男 鞄. 鴻. ,. 1- 麹, 2 窒 ;繕 鰐. .・・.、...・.・・ 、 .・ ・ ・・・・・・ . . . , .誓言 ・ ご 1; : 暮 す小言, , ,*731. ぎ.. .′・ . ., ・ . 1 ・ :. 20 9 :′ 17 ・ :,6 20 エー ・ :*: ・ ・ . ,・ , . . . . , . . ・ .: ・..・・.・・.. .. ′翁 ぉyゞノ′ γノノ ; ′. 年. .・・. ・. .÷377・ ・ : : 〉 : ・ :9.4 ・ ’ . , :÷:. ,05 X 一 4.236, P>0. . ・ 書きi E 義 歯 4 雄二 二 , L ,鰯: .. 0 1. ネ 札. 」 50 4Q 30 20 1 9 go zo 6o ,. 子. 男. 20 30 40 50 60 70 8U 90. 25 O 5 2 o 、. ・ ラナ ”: 2 30 :-{ 7・鶴 亀・ , 58- : , ”, , I. . . . -イ . .・ .... .・ . ・ ◆ .・ ‐.・・. ・・. . . 05 =β ./5学, P〉0.. 女. 年. 5. 子. 部. 60. ,. 70 80 00. ,. . r - . ・..・..・・.・.,.・ 1 1・.. 57.3. - - - - - - - -. . :せぐ34.2ニヒー ・. ・..・・ “. . ‐・ ’・ ‐ . ・ r... 01 文も 2チ,255, P <○ .. 歴罰 ときどき遂ぷ [コ ほとんど遊ばない 145.
(7) . 川. 上 幸. 三. 図5 小学校時代の戸外遊びの有無と運動能力 (高1) の関係. 01 1上幸三;昭和42年度北海道高等学校教育研究会発表抄録より). : ; : 24 s3 1ga 1 三 1ミ 1ー ヒ 79 3 ゞ : 10. 50. 20. 30. 4 0′~ 49. 29 」メ下. 60. 70. 80. ・ ’ :キ ス 35 2: ・ ・: 二ゞ 三・ 9 6 . ・ , ,.. 55.2 4 2.1. 28.9. 90. ,. .. 人上. 30 ~ 39. 50. 4り. ′ ・ : ・ :÷yも・ : ・:′ ′′/49,0・ ; .もyノ 8 ,6 ・. ・. ・ ・ *: ニミ〉:言 48,5 も y . ‐, ‐ , ノ.. 22,6. 箆 謡252. 巨亘 毎日※遊んた. 癌劃 比較的遮んた. [コ ほとんど遮んだごとない. さ れ て い る,. )によると 戸外 でよく遊ぶものほ ど疲労を感じることが少なく 非活動的なものほ 吉田らの調査2 , , )は 子ども・の精神疲労回復は家の中 での静か ど疲労を訴える率が高くなっ ていること. また, 黒田3 ,. な休養よりも, 積極的に身体を動かす積極的休息が一番効果的と述べている.「疲れやすい」 と言う 自覚症状をもたせないためにも, 精神的ストレス解消のためにも戸外遊 びは健康によい保健行動と }は 子どもにとっ て遊びは 巧ち性 運動能力 体力を養成し 鍛える上で重 言える. 次に, 藤本4 , , , , , )は 子どもの動的な遊 びが身体の発育 要 な 役 割 を も っ て い る と 述 べ て い る. こ の 如こ関して, 大山5 , )は ′ 発達に大きく影響して いること,川上6 ・学校時代の戸外遊 びの有無が高校1年の運動能力に ど ,i のように影響しているかを調査した結果, 図5に示すように, やはり, 子 どもの時よく戸外遊 びを }は 最近 都会において肥満児 したものが運動能力も優れていることを報告している. また, 箕輪7 , , が増加の傾向を示していること, 児童期の肥満の多く が成人肥満に移行して心臓病, 高血圧症など. の成人病をひきおこすことからこの時期における肥満児の予防対策を重要視しなければならないこ. とを報告している. 児童の肥満は, 過栄養の食生活に 「戸外遊び」 の減少による身体運動不足が大 )が白ねずみの実験 で証明しているように 十 きな原因と言われているが, このことに関して, 山岡8 , 分な栄養を与え, 運動不足の状態にすると, 筋肉や骨格の発達がみられないうえに, 脂肪が蓄積し. て体重が増加するようになる. やはり, よく 食べてよく遊ぶことが児童にとっ て大切 であることが わ か る.. 以上のことから, 成長期にある児童にとっ て, 活発な戸外 でのスポーツや遊びは, 健康や体力の 保持増進のうえ で欠かすことの できない大切な要素 であることが明らかである. 最近の都市部の児 146.
(8) . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 図6. 戸外 でほとん ど遊 ばない理由. 年. 5. 男. 「%). ーo. 20. 子 30. 40. 50. 遮夢跳ぼL ・ ,・ ・ . : ・ : ・ ・ . , . 2・. 17. ・ キび友だち ぎノ斉鯖 o;”:”. , . . 家の中が よし、. 藤,けいこ、. 数珠ご針 そ のイセ. 子. 年. 6 ,. (の. ,. 孝. 子. び友だち. . 家の中が、. よい. ,けいこ、. そ のプセ. 圏圏 札 幌 座頭 函 館 [コ 郡 部 147.
(9) . 川. 上. 幸. 三. 「いまあなたの一番 したいことは何か」 に対する 回答. 表2. 誘 謙. 札. 幌. 男 子 女. 函 子 男. 館. 郡 子 男. 子 女. 部. 子 女. 子. れ =371 九 二 346 九 二733 れ =684 れ =726 れ L725. 1 .姉ミ得したい. 55、8. ・ 遊 びたし 2 .. ゆ 8 .ね 巧 も. 4老後難*. 5雲影きみ、. 字 6 ≦ 受 電 孝吉 7そ のイセ. 9 無 回 答(~A). 63,O. 6 6.2. 6 2.2. 6 3.2. 68,6. 4 3,1. O 39 .. 40,8. 3 9.O. 40.4. 3 8,I. 20.5. 159 ,. 16,I. 2 0,3. 1 4.9. 15,I. 17.3. 14 .2. 18,9. 13.2. 2 2.9. 2 2,1. 1 8.I. 20,2. 16,I. 169 .. 19.7. 1 7,1. 19.4. I 2 3,. 20.4. 25,8. 2 2,I. 19.3. 15,1. 18.2. 15.9. 126 .. 8,2. 1 3.O. 1,9. 1、4. 0.9. 1.6. 2, U. 1, 5. %. (重複回答). 童の戸外遊 びが郡部と比べて少なく, 年々, 減少傾向にあることは憂慮すべきことと考える . 図4から, 下校後 「戸外遊びをほとん どしない」 ものの比率は, 郡部より都市部に, 5年より6 年に, 男子より女子に 多くみられる. 特に, 札幌の6年女子の1/3は戸外遊 びをほとんどして い. ないのが現状である, 何が児童から戸外遊 びを奪っ ているか,「戸外でほとん ど遊ばない理由」 を図 6に示す, これによると, 郡部では 「塾やけいこ, 勉強 で忙しい」 とする理由が6年女子を除いて 第1位を占めるが, 札幌 では, 5・6年, 男女とも 「家の中 で遊ぶ方が楽しい」 が第1位である , 郡部のトッ プを占めている 「塾やけいこ」 の理由の中には, 図1 2か らわかるように, 約80%が 「け と通い」 で, この時間帯が下校後, 夕食ま での間に実施されている関係上, この理由がトッ いこ ご. プを占めたものと考えられる. 都市部の場合, 「塾やけいこ で忙しい」 「遊ぶ友だちがいない」 こと も戸外遊 びの阻止要因となっ ているが, 最も大きな要因は,「戸外より家の中 で遊ぶ方が楽しい」 と する意識が強いこと である, よく, 都会の子どもたちは, 戸外で遊ばなく なったと言われるが 「遊 , び場 が な い」 こ と が 直 接 の 原 因 では な い こ と が明 ら か と な っ た ,. 児童にとっ ての 「遊 び」 について考えてみる. 表2は 「遊 び」 に対する欲求を示している 遊 び . たいと言う 欲求は地域に関係なく 「旅行したい」 に次いで第2位を占め, 約4 0% であるところから. 非常に強い欲求をもっ ていると言える. また,「近所に遊 び場がほしいか」の質問に対して約90%が 「遊び場」 を求めている, 図7は, 児童たちの要望する 「遊 び場」 を示す 最も望んでいる遊 び場 .. は, 3地域とも, 男子は 「グラ ン ド」 , 女子は 「プー ル」 をあげており, 活発な全身運動の できる体 育施設を求めていることがわかる. 遊びに対する意識は昔と変っ ておらず健全と言える 現実の遊 , 148.
(10) . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 図7 児童の要望する遊び場 女 60. 50. 40. 子 3o. 2o. ーo. 子. 男. (ラリ. 1o. 2O. クランド ;.・・.・・.;,.・・・..〕. :・. O. 4o. 5O. 6O. 7o. ・′・ . - : ・ ‐ ,:. サ イクリン “ ク o ード. 児童公園. 7 3 . 50 I 3 .. 慾 回地. . . ・ , ◆ ・ . ‐ .. . . ‐. ー. ・ ・ ・ ・ ・ ・. ゲームセ 汐. 8 3 . 2 t .. そ のづ也. 43. , く 3O. O. .. 圏圏 札 幌 座劃 函 館 [コ 郡 部. びは, 静的な遊 びが多いが, 求めている遊びは活発な大筋運動 であり, 家の近くに手軽に利用でき る体育施設さえあれば, 児童の欲求に応えられ, 遊びを通して健康や 体力を養うことができる 児 . 童たちの要望する 「遊び場」 に地域差が認められるも のは, 都市部 では 「グラン ド」 や 「プール」 の体育施設と 「児童会館」 , 郡部 では 「ゲームセンター」 や 「遊園地」 の遊戯施設である, 都市部の 児童が体育施設を望んだ理由と して, 日頃, 遊 びたい欲求をもっ ているにもかかわらず 学習塾や , けいこ, 勉強などで思い切り遊 ぶ機会の少ない教育環境にあるため の欲求のあらわれとみることが できる, 一方, 郡部 では, グラン ド, 空地, 海, 川など身体を十分に動かすことの できる自然環境 に恵まれているため, 居住地域社会にない 「遊園地」 や 「ゲームセンター」 を望んだのも当然なこ とと言える.. 149.
(11) . 川. 園8. 上 幸. 睡. 眠. 三. 時. 間. 5 年. 6 年 御. 5Q. 40. 30. 20. (% ). 艶. 艶. 2o. 3o. 40. 50. 60. . 0 2 .. 璽 o肉欄 ~ . 』. . 0 6 .. 圏圃 札 幌. , - ・ . .. ・. ‐. ー . . .. 4 1 . 7 1 , 29 .. E園 函 館. [コ 郡 部. 3. 睡眠時間と就寝時刻. 図 8 は 睡 眠時 間 を 示 す. 5 年 では 郡 部 は 短 か い (Z2=14.785 , P <0.01) が, 6 年 に な る と, 逆 睡 に, 都 市 部 に 睡 眠時 間 の 短 縮 が み ら れ る (だ =23.261 , P <0.01) . 5 ・ 6 年 では, 7 ・ 8 時 間 の. 6.4%, 郡部 18.8%と郡部ほ 2. 4%, 函館1 眠は短かいと 思われるが, この比率は, 5年 では, 札幌1. 36 8% 館 25,8%, 郡 部 23. ど高 率 を 示 して い る (だ =6.781 , P <0,05) . 6 年 に な る と, 札 幌 . , 函. 01 ) 6%と都市部に高率を示し (z2=21 .671 , 5年とは反対の現象 があらわれてくる, 図9 , P<0. 全体として約5 0%のものは9時に就寝し,10時に 5年の場合 積度数分布を示す は就寝時刻の累 , , 0時には90%以上のものが就寝しており, どの 地域も問題がないと思 は90%以上のものが就寝し,1. 0時30分以降の就寝者の われる. しかし, 6年になると, 3地域とも就寝時刻 が遅く なっ てくる.1. 比 率 は, 札 幌 31.4%, 函 館 19,9%, 郡 部 7.4% と 明 ら か に 地 域 差 が み ら れ る (Z2=98.217 , P <0.. ており, 睡眠時間を短かくさせている, 理由 01 ) . 特に, 札幌は郡部に比して非常に遅い就寝となっ o )の報告にあるように )安部l として, 親の遅寝,遅起きの生活習慣の影響とも考えられるが,稲垣ら9 , 家庭における学習時間の長さにも関係あると思われる. 以上, 睡眠時間と就寝時刻について要約 すると, 5年 ではどの地域も問題 ではないよう であるが,. 6年にもなると, 都市部, 特に札幌の児童に就寝時刻の遅い もの, 睡眠時間の短かいものが多くみ 1 )は 就寝時刻の遅 )内山1 られ, 睡眠不足による様々 な健康障害が危倶されるところ である. 吉田ら2 , いものほ ・ど, また, 睡眠時間の短かいもののほ ど朝起きも悪く, 朝食の欠食率も高いうえに食欲も 150.
(12) . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 図9 就寝時刻累積度数分布. (%). 8;oo 前. (%」. . 9;0①. 9;30. . 10 :OQ. 〆′ ムー′. 90. 11 :00 後 (時刻ー). IO :30. . . 80 70 60. ′ ′. 50. ′ - ′ ′ ′ - ′ ′ ′ ▼ ′ ′ ′ .. 40 30. 』』『. 20. 札. 幌. . 10. “-ぬ 9 :oG. 前. :00 9. 9:30. :00 10. 郡 10 :30. 部 11 :00 後 ( 蹄刻) 151.
(13) . 上. 川. 幸. 三. )は 睡眠時間の短かいものほ ど授業中に 「時々居眠りする」 ものの割合 悪いと言う. また, 稲垣ら9 , が高いことを報告しており, 遅い就寝, 睡眠不足が健康や日常 生活に悪い影響を与えていることが わかる. 家庭における睡眠に対する保健管理・指導が大切 である. 4. テレビ視聴時間と家庭学習時間 0に示す. 5年 では, 2時間未満の比率は, 札幌30.4%, 函館21 TV視聴時間を図 1 .0%, 郡部 18. 5%と都市部に高い. 2時間台は比率において地域差はみられないが, 3時間以上では, 札幌37, 部は都市部に比べて明らかに 1%, 函館44 .8%, 郡部45.2%と郡部に高く なっ ている. これから郡 2 ) 82 TV視聴時間が長いことが認められた(Z =21.7 , P<0.01 . 6年においても同様な傾向を示し た(. =43.030 , P <0.01) .. TV視聴時間については, NHK放送世論調査所の 「国民生活時間調査」 によると, ローティ ー 6分と昭和40年 5年は56分, 40年は2時間22分, 50年は2時間1 5才) の場合, 昭和3 0~1 ン (1 9 ハイテ 生活に定着したと言える ており 2時間強とな ィ ーン(16~1 頃から平日の視聴時間は約 っ . ,. 才) の調査も同じ傾向を示しており, 青少年は, 1日平均して2時間はTVを視 聴していることに なる. 1に示す, 5年 では, 1時間以内の比率は郡部に高く, 時間が長 次に家 庭における学習時間を図 1 く なるにつ れて都市部 が高率となり, 明 らかに, 都市部に学習時間 が長く, 地域差が認められる. 都市部は減少し, 郡部は変化のないと 01 ) ( =25,629 , p<0. . 6年 では, 1時間以内の比率は,. ころから郡 部との差が大きく なり, 郡部に高率を示す. 1時間台は都市部がわずかに高率を示すが, 1時間30分台, 2時間台と学習時間が長く なるにつれて都市部が高率となる. 特に, 2時間以上で 01 ) は明らかに地域差が認められた(z2=79.089 . 郡部では, 5年と6年に 差はあまりみら , P<0. 0 テレビ視 聴時間 図1. ,. 即. 6 雷. (%). , , 1 5 . 6 1 ,. 1略画以内. m. 5. 評. ,. 7 2 . 2 1 .. 1時間 ~ .・....・. .・・,.・..・... ズ ー 43 o3o ,. ・..・... 00l , Pく .. r=21 .782 , P く0.01. 圏圏札 幌 匿翻 函 館 [コ 郡 部 152. ,.
(14) . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 1 家庭学習時間 図1. ・ . ★. . ・. , ・ . ・ . . . .. . . ・ . . ・ . . ・ , ・ , ・ . ・ , ・ . ・. ‐ . ・ ・. ・. .. ・ . . .・ .. ・ ・ . ・ .. . . . .“ 20 1 人肉二 1略画1 ・ ・ .9J:¥′ .. ′3 1臨御 ~ 》ドル キy. 一 ,・・・. 2 、 30ィ : ,0 へ 33. 9 1 Q9 2 089 コ ご =79 ,. ,. 01 P く 0.. 1 .2. 3 時獅j・ ・ :19 刈こ: 1 3 . コザコ 25 ,629. ,. o Pく o ,l. 圏圏札 幌 歴圏 函 館 [コ 郡 部 れないが, 都市部 では, 6年になると急激に学習時間が長く なるため郡部との差が著明になっ てく )安部l o }は 小学校1年から中学 高校と学年が進 る. 学習時間の学年差, 地域差について, 稲垣ら9 , ,. むにつれて学習時間が段階的に増加すること, また, 都市部は郡部に比して学年を通じてやや多い ことなど本調査と同じ報告をしている。 都市部の児童は, よく家庭学習をしており, それだけ長い. 家庭学習が必要な教育環境にあると言える. また, 前述のTV視聴時間との関連 で, 5・6年とも )荒 都市部の児童はTV視聴視聴時 間が短かく, 家庭学習時間が長いことが明らか となった 稲垣9 . 2 )はTV視聴時間と学習時間は逆相関となっており 学習時間が増加するにつれてTV視聴時間 井1 , は減少する傾向がみられると報告しており, 本調査と一致した見解である . 5, 学 習 塾 ・ け いこ ごと 通 い. 図1 2に示すように, 5年の場合, 3地域とも約70%の児童が学習塾(以下, 塾) かけいこごとに. 通っ ており, 地域の差はない, 塾のみに通うものの比率は, 札幌1 3.6%, 函館8. 3%, 郡部5.8%. 塾とけいこに通うものの比率は, 札幌2 0, 3%, 函館18 0 % 郡部8 8 %と都市部に塾通いの比 率, . , . 塾とけいこ通いの比率が高く なっ ており, 内容においては地域差 がみられる, 6年になると, 郡部. の比率は5年とほとんど変化はみられないが, 都市部の塾通いが急増し, 地域差が顕著になる 即 . ち, 札幌は33.9%から 40.2%, 函 館 は 21,3% か ら 45.3%と約40%の児童たちが塾に通い, そのう ち の約 半 数 は け い こ ごと に も 通 っ て い る .. 塾通いが年々増加の傾向にあり, それが若年層にま で及び教育の大きな問題となっているが, 健 3 )は 塾通いの児童たちの生活上の特徴に 康とのかかわりについて意外と考えられていない, 板垣1 , ‐. 153.
(15) . 上 幸. 川. 三. 図 12 学習塾・けいこ ごと通い. 5 札. 年 幌 館. 函. 0 1o ,. 0 2o. 20.3. 6 13 ,. 18.o. 83. 5Q 0. 0 4。. 3。 0. 60. 70. . ・ .ノ“′ g. ′32,9- ・ ・ ・. , .÷: .煮・ 二 ・ ・ ÷: ・ ・ : ・49.0 二--・ :”. . ・ .. .・・.・‐.・.,.・..--・..・・.-.. 年. 1o l 0. 札. 幌. 函. 館. 郡. 部. 0 o. 21 .8 ・. 4 18 ,. ; ニ ; ‐ ・ ー ー 一二29‐ 二言 キミ子12 1ド キミ ・1 .. 19 ,2. 26,1. 50. 学 習 塾 とけいここと. 60. : ;誓え馨95二 言′. か 二箱′嘉 雄 85. 巨雪 辱 琶 塾 の み 国圏. 70. 3o. 4 9 ,. 20. ゞ※′′/ .. 90. (%). 33 ・2. :′ ・ : ・三・57.3:′′′メノゞ′! :{′′‘・ ′:. 6. 80. 24.7 28.1. 80. 90. (%). 0‐ 3O ・7 25・2 36.4. 区劃 けいこごとの み. [コ どちらにも通っていない. ついて, 1) 戸外遊 びが少ない, 2) TV視聴時間が短かい, 3) 就寝時刻 が遅いことをあげてお り, 子 どもらしいゆとりある 生活を奪い, 心身の大きな負担となっ ていることを報告している. ま 4 }が大阪市の小学生を対象に調査した結 た, 過度な塾通いの健康面からみた弊害について, 松本ら1. 果, 週3日以上通っ ている児童にめまい, 神経性咳, 睡眠障害などの神経症的な自覚症状が多くみ 5 1 6 ) }は 小児の胃・十二指腸潰癌のうち 85%は塾通い そのうちの80%はい られたと 言う, 並木1 , , , やいや通っ ていた. また, 習いごと3つ以上している児童が60%を占めていたと言う. 能力を無視. した過度な塾通いが精神的ストレスとなり, 胃・十二指腸潰場を増加させていることを報告 してい る.. 0未満) の比率が高いのも, 塾通い また, 表3に示すように, 都市部に視力異常者 (裸眼視力1, が多いこと, 前述したように家庭学習時間が長いこと, 戸外遊びが少ないうえに家の中 での生活が 多いことなど, 目を休めるひまのない生活の連続が原因とも考えられる.. このように, 大学・高校入試の受験競争が若年層にま で及 び子どもたちの 生活様式を変えさせて いると同時に少 なからず心身の健康をむしばんでいるよう である.. 154.
(16) . 児童の日常生活における保健行動の地域差比較. 表3 視力異常者 (課眼視力1 0未満) の比較 .. ま 遇 選 翠. 男 \\ \ 十脊 、 坪 坪 地 域\ ,\ 5 年. ( o). 女. 子. 子. 6 年. 5 年 6 年. ①札 幌. 2 5.鱒. 2 7.I. 34・亘. 3 5.9. ②函 館 ③だ郡 部. 2 墓.6. 23.7. 33.6. 33.2. 20.9. 亘8 I. 2 5.3. 28.3. Q 且4蔓 .. 4 o選 ・. 検 ①と② 定 ( ②と⑧ 個 ) ①と⑧. . 2L3琶お Q .200 ※※. 11 .757. ※※. 300 IQ ,. ※※ ※※. 25 686 28 Q罰 , .. ※※ PくQQー 札幌. ※※. 7 ,369 亘9 ,83. ※※. 718 6.. ・ 94序言. 05 ※ Pく0 .. 「昭和51年度学校保健統計調査」 (札幌市教育委員会). 函館 昭和51年度児童生徒の裸眼視力区分調査より (函館市教育委員会) 7校の平均値 2年度渡島・桧山支庁の地方町村2 郡部 昭和5. W. 要. 約. 本研究は, 都市部と郡部の児童の日常生活における保健行動の違いを明らかにし, 適切な保健管 理・保健指導の基礎資料を得るため, 札幌市, 函館市, 渡島・桧山支庁町村の3地域の小学校5・. 85名を対象に質問紙調査を実施した, その結果, 次のような所見を得た, 6年の児童3,5 1) 下校後の生活行動については, 都市部の児童は 「ひとり」 で過ごすことが多く, 「戸外遊び」 が 少ないうえに 「勉強や読書」「学習塾」 など, 家の中 での生活が多い. 特に, 男子より女子, 5年 より6年にその傾向が強くみられた, 2)「戸外遊び」 の有無については, 5年はほとんど地域差はみられないが, 6年になると, 都市部 ほど 「毎日遊ぶ」 ものの比率が少なく, 「ほとんど遊ばない」 ものの比率が多くなる. 特に, 6年 女子は地域差が顕著に認められた.. 3)「戸外遊びをほとんどしない」 理由のトッ プは, 郡部では 「塾・けいこ・勉強で忙しい」 , 都市 部では, 「家の中で遊ぶ方が楽しい」 をあげている, 特に札幌の児童は, この意識が強いことが大. きな要因となっ ており, 「遊び場がない」 ことは直接の原因でないことが明らかになっ た, 4) 睡眼時間については, 5年は郡部が短かいが, 6年になると逆に都市部に短縮がみられた. 5) 就寝時刻は, 5・6年ともに都市部に遅い就寝がみられた, 特に, 札幌の6年は, 非常に遅い 就寝 であり郡部との地域差が顕著に認められた.. 6) TV視聴時間は, 5・6年ともに郡部は都市部より長く, 地域差が認められた,. 7) 家庭に ・おける学習時間は, 5・6年ともに都市部は郡部より長い. 特に, 6年になると郡部と の 差 が 著 明 と な る,. 155.
(17) . 川. 上 幸. 三. 8) 学習塾やけいこ ごと通いの比率は, 各地域, 約70% であり, 地域差は認め られなかっ た, しか し都市部に学習塾通いが, 郡部にけいこごと通いの比率が高く, 内容において顕著な違いがみら れ た.. 以上, 都市部の児童は郡部と比べて, 健康や体力に対する プラスの要因が少なく, マイナスの要 因が多いことが明らかにされた. しかし, 今回調査した3地域の差は予想外に少ないこともわかっ た. あらゆる面で地域格差がなく なり つつある現在, 児童の保健行動面においてもその傾向が見ら れ た.. 参考 (引用) 文献 1) 宮坂忠夫 「日常生活における保健行動について」7 41~7 45頁, 保健の科学, 第1 7巻1 2号, 1 5年 97 2) 吉田亨子, 小倉学 「児童の保健に及ぼす家庭生活の影響」72~85頁, 健, 第4巻5号, 1 975年 3) 黒田芳夫 「教師のための学校保健」21 19頁, ぎょうせい, 19 6~2 75年 4) 藤本浩之輔 「子どもの遊び空間」1 4頁, NHKブックス, 19 74年 5) 大山良徳 「遊びは子どもの発育にどの位役立っているか」45~5 2頁, 健, 第3巻4号, 1 97 4年 6) 川上幸三 「体力・運動能力発達の要因」 北海道高等学校教育研究発表抄録より, 1 96 7年 7) 箕輪真一, 平木陽一 「肥満児の実態と疫学的解析」2 15頁, 公衆衛生, 第4 0 9~2 0巻3号, 1 97 6年 8) 山岡誠一 「運動と栄養」33~36頁, 健, 第4巻3号, 1975年 9) 稲垣春江, 内山源 「児童の生活時間に関する研究」 小倉学編, 養護教諭の職務研究(第3集) 97 0 , 東山書房, 1 年 10 ) 安部邦子 「中学・高校生の生活時間に関する研究」 96 7年 , 小倉学編教諭の職務研究 (第2集) , 東山書房, 1 11 ) 内山源 「学校における児童・生徒の保健行動」3 0 5~3 13頁, 学校保健研究, 第1 7巻7号, 1 97 5年 12 ) 荒井孝子, 小倉学 「学校健康診断の事例研究」 第1 8回学校保健学会抄録集により, 1 97 1年 1 3) 板垣弥之助 「札幌市の小中学生の生活実態調査報告書」197 7年 14 ) 松本利雄, 第16回日本精神身体医学会総会予稿集, 1 2頁, 1 97 5年 1 5 ) 並木正義 「塾と子供たち」1977年4月2 2日, 北海道新聞掲載 1 6 )並木正義「塾通いの子どもに胃潰場が多い」1 49~1 5 3頁, 現代生活, 体のタブー集, 別冊壮快第1 4号, 講談社, 1978 年. イ 寸 記 本研究は, 昭和52年度, 函館人文学会年次大会において発表したものをまとめたものである. この研究のため, アンケート調査にご協力いただいた札幌市, 函館市, 渡島, 桧山支庁管内の2 7小学校の養護教 諭の諸先生に深く感謝いたします. (本 学 講師 ・函 館分校). 156.
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