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空間曲線におけるセレ・フレネ公式と接触超球面について

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Academic year: 2021

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(1)平成24年度. 学位論文. 空間曲線におけるセレ・フレネ公式と     接触超球面について. 兵庫教育大学大学院. 学校教育研究科. 教育内容・方法開発専攻. 認識形成系教育コース. M 1 1 1 5 1 I. 萩   博   文.

(2) 1. 序論.  私たちの日常の周りの多くの現象は,それらを規定する支持関数(ポテンシャル)の極 値の選択のしかたによって定まるのなら,極値を与える点である特異点というのは非常に 重要な研究対象であることがわかる..  実際,遠くの位置にある物体の輪郭は空間から平面への射影の物体への制限写像の特 異点として現れており,虹は空中の水滴を通過した太陽光線のプリズムの曲線族のコース ティックとして,特異点論を用いて説明される.また,ブラックホールやビッグバンは力 学系と呼ばれる微分方程式の特異点として解釈される.  本論文のテーマはそれらの特異点を扱う特異点論の微分幾何学への応用の観点から,空 間曲線のセレ・フレネ公式と接触超球面の存在と一意性問題に注目し,自然に考えられる 新たな問題を課して,それらを導き出すことである、  また,本論文の内容の研究を始めるにあたり,学部時代に物理を勉強していたというこ ともあり,物理への応用として数学と物理が結びつく内容を学びたいというのが特異点を テーマに選んだ理由でもある.実際,4章では物理への応用から,ミンコフスキー空間や 等積空間などの幾何学を扱っている.特に,ミンコフスキー空間はアインシュタインの相 対性理論に応用を持っている. 以下,論文の構成について詳しく述べる.  本論文においては,学部時代に文献[101,[111で勉強した,行列の階数や基本変形などの. 線形代数の初歩的事項,および解析学の微分についての基本的な知識は既知のものとして 扱うこととする..  第1章 r準備」では,本論文の主要テーマを述べる上で必要となる基礎的な概念,結 果を解説している.それらについて,第1節から第3節の構成により論じている.  第1節では,ぴ級写像の概念,それに付随する逆関数定理や陰関数定理を記している. また,陰関数定理について,さらに全射写像定理,単射写像定理を示し,それぞれの意味 を考察している、第2節では,平面曲線における曲線の表示の仕方や特異点,正則点の定 義をしている.第3節では,空間曲線の特異点,正則点の定義といろいろな曲面の紹介を している..  第2章 「曲線の微分幾何学的不変量」では,本論文の重要テーマを示す上で必要とな る,セレ・フレネ公式や接触球面の存在を平面と空間のそれぞれで考察している.  第1節では,平面曲線におけるセレ・フレネ公式を示すために必要となる接ベクトル,.

(3) 法ベクトルの定義や,接触の定義を用いて,屈曲点や頂点の概念を与えている、また距離 2乗関数や高さ関数を接触の観点から,セレ・フレネ公式を用いて考察している.そして, 単位速度曲線7:∫→R2に対して,縮閉線や垂足曲線,平行曲線についても考察を行っ. ている.第2節では,平面曲線と同様に3次元空間に話を移し,セレ・フレネ公式や接触 球面の存在と一意性を示している.さらに,複雑であるが,距離2乗関数や高さ関数につ いてより高次の微分まで計算している.第3節では,前節で記した曲線や曲面の話を,曲 線族または曲面族の包絡線または包絡面と呼び,古典的によく知られているものとしてと らえ直している.第4節では,まず,1変数関数族の開析理論について解説している1次 に,その中で示した定理や例を用いて,平面曲線と空間曲線のそれぞれで,距離2乗関数 と高さ関数を使い,曲線7がある一般的な条件のもと,どの曲線と微分同相であるかを示 している..  第3章 「几次元セレ・フレネ公式および接触超球面」では,前章で記した,2次元や3 次元におけるセレ・フレネ公式と接触球面の存在と一意性をη次元まで拡張し,自らの課 題として,解答を与えている..  第1節では,2章の復習として2次元空間,3次元空間のセレ・ブレネ公式と接触につ いて簡単に復習している.そこから自然と考えられる課題を提出し記している.第2節で は,几次元セレ・フレネ公式を示す上で,ベクトルの定義の仕方や曲率,振率の定義の仕 方について,まず,3次元空間曲線における法ベクトル,曲率について考察を行っている.. そのときに,どのように解釈すれば2次元空間曲線の曲率が特別な場合とみなせるかにも. 触れている.そして,η≧4のn次元空間曲線に対して,新たに従法ベクトル,振率を定 義していくときは,最後のものを除いて,3次元空間曲線の場合の立法ベクトル,曲率と 同様に定義していくのがよいとの推察から,それを定式化していくために,まずは4次元 について考察している.その考察のもとn次元の場合を予測し証明している.第3節では, 前節で記したη次元セレ・フレネ公式を用いて,接触超球面の存在と一意性について示す が,まず,η≧4の一般のη次元空間曲線に対して,課題2を考えるとき,計算が複雑に なるので,どのように回避するかの見当をつけるために,先の課題と同様に4次元空間曲 線の場合から考察している.その考察のもと式を予測し,几次元空間曲線について証明を 与えている.この章で取り扱った課題については,課題1は古典的に知られている方法と は別の方法で示している.課題2に関しては,結果自体は予測可能であるが,この方面の 専門家に聞いてもその結果と証明が載せられている文献についてはわからなかった.  第4章 「様々な幾何学と特異点論」では,物理への応用として,前章までで解説して いたユークリッド幾何学を離れて,それとは異なる様々な幾何学において,接触理論や開 析理論を展開している..  第1節では,等積微分幾何学について解説している.ユークリッド空間内で定義したも のや,対応する定理,命題をアフィン空間において同様に定義し,考察している.第2節 では,ローレンツ微分幾何学について解説している.ここでは,擬内積を定め,3次元ミ ンコフスキー空間におけるベクトルを3種類に分類している.さらに,擬外積も定め,そ. こから,ローレンツ幾何学的セレ・フレネ公式を示している1第3節では,双曲的幾何学 について解説している.ここでは,測地的曲率を新たに定め,双曲的セレ・フレネ公式を.

(4) 示している1.  なお,本論文の2章,4章における,特異点論の微分幾何学,物理学への応用の基礎理 論についてまとめるにあたり,泉屋周一,佐野貴志著,「幾何学と特異点論」エ3]を多いに. 参考にさせていただいた・また,文献131には結果のみで証明が与えられていない定理が いくつものあった。それらの結果が証明された原著論文,石川剛郎[2],泉屋周」一佐野貴 志エ4],[5]を送って頂いた,北海道大学の石川先生,泉屋先生には深く感謝いたします..  最後に,本研究を進めるにあたり2年間ご丁寧に指導していただいた,兵庫教育大学大 学院数学教室小池敏司先生に心より厚く感謝いたします.そして,多くの助言をしていた だいた数学教室の先生方に深く感謝いたします..

(5) 目次 第1章 準備. 5 5. 逆関数定理 平面曲線と特異点... 10. 1.2.1 陰関数表示. 10. 1.2.2 パラメータ表示... 12. 空間内の曲線および曲面と特異点.. 14. 18.  2.2. 曲線の微分幾何学的不変量 平面曲線の曲率とセレ・フレネ公式. 空間曲線の曲率とセレ・フレネ公式、.  2,3. 包絡線(面). 46.  2.4. 開析理論...、.... 49. 2.4.! 1変数可微分関数の開析理論.. 49. 2.4.2 開析理論の平面曲線および空間曲線の微分幾何学への応用. 57.  1.1  !.2. 1.3. 第2章  2.1. 第3章 n次元セレ・フレネ公式および接触超球面. 18. 34. 65.  3.1. 課題問題. 65.  3,2. n次元セレ・フレネ公式:課題1に対する解答 接触超球面の存在と一意性:課題2に対する. 67.  3.3. 第4章 様々な幾何学と特異点論  4.1.  4,2  4.3. 等積微分幾何学と曲線 ローレンツ微分幾何学における曲線と光錐的曲面 双曲幾何学における曲線と特異点... 70. 77 77. 86 93.

(6) 第1章 準備  この章では,この論文の主要テーマを述べる上で必要となる基礎的な概念・結果を準備. する.より詳しくは,ぴ級写像の概念,それに付随する逆関数定理や陰関数定理などの 結果,本論文の研究対象であるパラメータ付けられた曲線の基礎事項について解説する.. 1.1 逆関数定理  この節では,逆関数定理とその応用としての陰関数定理について述べる.その陰関数定 理の証明を付けるにあたって野口広一福田拓生[7]を参考にさせてもらった、.  RT”のある開集合σで定義されたm変数の実数値関数∫(”1,_,”m)の1階の各偏導 関数.                ∂プ                    (乞=1,…,m)                ∂吻. が点ρ∈σの近傍で存在して,点ρで連続であるとき,∫は点pで連続微分可能,または 01級であるという.同様に正の整数rに対して∫のr階微分までの偏導関数               ∂{・十一.一十{m∫.                      (0≦l1+…十1m≦・).              ∂糾…∂々. がすべて点ρのまわりで存在して,それらが点ρで連続であるときプは点ρ∈びで r団連続微分可能,または0「級であるという.すべての正の整数rに対して∫が点ρで 0「級であるとき,∫はρで無限回連続微分可能,またはσo。級,または滑らかであると いう.また,ひのすべての点で∫が0「級であるとき,関数∫:ひ→Rはr団連続微分可能 である.または,σ「級であるという.ただし,r≦○oである..  次に写像∫:σ→Rnの微分可能性を定義する. 定義1・1・1∫=(∫1,…,方、)1ひ→RnをRmのある開集合ひからRnへの写像とする・ このとき,各∫{がσ上の任意の点pで0「級のとき∫を0「級写像という. 定義1.1.2σ,γをRnの開集合とする.写像∫:σ→γがσからγの全単射であって∫お よびその逆写像∫一1がともに。「級であるとき,∫をσからγの上への0「級微分同相写像 という1.  0「級写像の定義より,合成写像に関して次の補題が成り立つことが容易に示される..

(7) 第1章 準備                             6 補題1.1.3ひ,γをそれぞれRm,R皿の開集合,∫=(∫1,…,∫n):σ→R几,g=(g1,… 、gp):. γ→Rρを0『級写像でプ(σ)⊂γとする.そのとき,g。∫も0「級である、 定義1.1,4∫=(プ1,_,∫帆)をR「皿の開集合σからR皿の中への0「級写像(1≦r≦oc). とする.そのとき,各点ρO∈びにおいて,その点における1階の偏微係数を並べた次の (η,m)行列を. (桑;ll;練一州 とする.この行列を∫をρOにおけるヤコビ行列とよび,J∫(ρO)であらわす.とくにη=m のとき,その行列式一J∫(ρO)Iを,∫のρOにおけるヤコビ行列式またはヤコビアンという。. 補題1.1.5∫をR”’の開集合ひからRnの中への0「級写像,gをRnへの開集合γから Rρの中への0「級写像で,∫(σ)⊂γとする.そのとき,任意の点ρo∈σに対して,              仏∫(ρO)=J。(∫(ρO))・J∫(ρ・). が成り立つ.ただし右辺は行列の積を示している.. 証明 一般の場合の証明も本質的に同じなので,ここではm=n=ρ=2のときに証明す る・Rmに対応するR2の座標を(均,エ2),R・に対応するR2の座標を(μ1,μ2)とする・こ こで,合成関数を微分すると次の式になる..   ∂(91・∫)  ∂gl  ∂∫1  ∂g1  ∂∫2    ∂㏄、(ρ・)=π(∫(ρ・)).両(ρ・)十瓦(∫(ρ・)).可(ρ・)(1≦乞=ゴ≦2) この式を用いてヤコビ行列の合成関数の微分を考える. J(。。∫)(ρ・). 一(革:llガ革1111;). 一(批;1鮒;身111:;;1靴1靴:;;1蕪:ll;1靴:;;訟) 一(靴二1;;靴二1;;)・(繁11:;靴;). =J。(∫(ρ・))・J∫(ρ・). ゆえに等式が成り立つ..

(8) 7. 第1章 準備 定理1・1・6(逆関数定理) ∫をRη・の開集合σからRmの中への0「級写像(1≦r≦oc). とする・σの1点ρoにおいて写像∫のヤコビアンがOでないならば,プはρoの近傍から Rf九の点∫(ρo)の近傍へのぴ級同相写像である。すなわち,ρoの近傍γ⊂σと∫(ρo)の. 近傍Wが存在して,∫をγにかぎって考えると,∫はγからWの上への0「級微分同相 写像となる.. 逆関数定理の証明は,ここでは証明しない。詳しい証明については松島[9]を参照してく ださい.逆に次の補題が成り立つ.. 補題1・1・7∫がRmの開集合γからRmへの開集合Wへの0・級同相写像(ユ≦r≦oo) ならば,γの任意の点ρにおける∫のヤコビアンは0でない.. 証明 ∫1γ→Wが0「級微分同相写像であれば,定義より∫の逆写像∫一1:W→γも 0’3級微分同相写像である したがって∫I1。∫=1d(恒等写像)なので,補題1、ユ.5より, (1. 1)一舳)一∼)十(伽)・州. ゆえに,一∫∫(ρ)は正則なので,ヤコビアンは0でない。. 逆関数定理を用いることにより,陰関数定理などの重要な定理が導かれる. 定理1.1.8(陰関数定理). ∫=(∫!,…,∫m)をRm+kの点(α,わ)の近傍ひからRmへの0「級写像で∫(α、ろ)=c. とする.ただし,(α,6)∈Rm×Rk,c∈Rmとする.Rm+ム=Rm×Rkの座標を (π1,一..,π㎜μ1,_,ωとするとき行列式.               紛(州  歌(α!ら).             D=          ≠O               紛(川 粉(α,b). であると仮定する.このときα∈R㎜の近傍w1およびb∈Rkの近傍乃で,任意の ”∈W1に対して唯一のg(”)∈巧が存在して∫(”ヨg(”))=Cとなるものが存在する.ま. た,g:W1→乃はσ「級写像である. 証明 σからRm+たへの写像FをF(”,ひ)=(エ,∫(π,μ))と定義すると,F(α,6)・・(α,c).

(9) 第1章 準備 であり,1/F(α,b)1は. O      O.  O       1.  0       0. 絵(α,6) 給(α,1). 鉄(α,・) 鉄(α,・). 粉(α,b) 紛(α,b). 粉(α,・) 紛(αr・).       一㌧一11111・1・・ である.逆関数定理よりRm+鳥における(α,c)の近傍上,Fは逆写像∬=Fu1を持つ.F の形より,H(”,μ)=(π,ん(π,μ))と書ける.ただし,んは(α,C)∈Rη^十んの近傍で定義され. たRたへのぴ級写像で,(α,C)=bを満たすものである.W1×刀の形の(α,b)∈Rm×Rk の近傍をF逆関数を持つように選ぶと,(エ,リ)∈w1×”に対し           ∫(π,μ)=・⇔F(”、リ)=(π,・).                ⇔(”,μ)=∬(”,C)=(Z,ん(”,C)). である・ゆえに,任意のπ∈W1に対し,リ=ん(皿,c)と唯一に定まり,g:W1→乃にお けるg(”)=ん(π,c)は0「級写像である.                   口  陰関数定理の代数的意味 Dが正則ならば,(μ1,。..,μた)に関する方程式∫1(”,μ)=Cl,_,プk(”,μ)=Cんが解けて,. その解は”に関して滑らかである..  陰関数定理の幾何学的意味 Dが正則ならば,(α,b)の周りでプ1(C)はπ1,…,π㎜でパラメータ付けられる. 定理1.1.9(全射写像定理). ∫=(∫1,…、∫m)をRm+kの原点の近傍σから,Rmへの0「級(1≦r≦D0)の写像で, ∫(O)=Oであるとする、さらに原点におけるヤコビ行列の階数がmに等しいとする・た とえば,Rm+たの座標を(”1,… ,ω、、十ム)としたとき,.               姶(0) 糾(O)                        ≠O               絵(O) 絵(0) とする.このとき,Rm+たにおける原点の近傍γからRm+kでの原点の近傍Wへの0『 級微分同相写像んが存在して,           九(ψ・、…,πm+k))=卿(1二1,…,m).

(10) 第1章 準備 がγの各点(π1,。、。,”m+k)に対して成り立つ.. 証明 陰関数定理と同様にひからRm+先への写像Fを           F(工)=(^(π),… ,∫m(π),πηユ十1,… ,㏄m+k). により定義すると,F(O):0であり,IJF(0)』≠Oである.すると逆関数定理より,Fは. Rm+kでのOのある近傍WからR㎜十免でのOのある近傍γの上への0「級同相写像であ り,その逆写像んによって           F(ん(πユ,… ,”m+k))=篶  (1≦づ≦m). となるので      ”{:ハ(ん(π1,… ,πm+k)=∫{(ん(”1,…,”m+k)) (1≦{≦m). が成り立つ.                               口  全射写像定理の意味 定理の階数条件をもとに,RTH+点の原点における座標変換んが存在して,∫。んは射影 :Rm+k→Rmになる.  注意 全射写像定理において定義域Rm+kの原点における∫のヤコビ行列の階数は行き. 先のRmの次元mに等しい.このとき,プは原点において沈め込みといい,さらに,σ の任意の点での∫のヤコビ行列の階数がmに等しいとき,∫を沈め込みという.一般に プ:σ→Rρを皿几の開集合σ上の定義された0丁級写像(1≦r≦oo)としたとき.σの 任意の点での∫のヤコビ行列の階数が値域RPの次元ρに等しいとき,∫を沈め込みと いう.. 定理1.1.1O(単射写像定理). ∫=(∫1,…,∫㎜)をRη一の原点の近傍σから,Rm+kへのC「級(1≦r≦oo)の写像で,. プ(O)=0であるとする.さらに原点におけるヤコビ行列の階数がmに等しいとする.た とえば,Rm+kの座標を(z1,… ,πm+た)としたとき,.                絵(0) 絵(O).             D=         ≠O                皆(O) 絵(0) とする.このとき,Rm+kにおける原点Oの近傍γからRm+此での原点Oの近傍Wへの 0−I級微分同相写像ん=(ん1,…,ん糾尭):γ→Wが存在して.           {            ん、・∫(πユ, ,・m)=π… (1≦ゼ≦m).            ん。・ル1,,・m)=O (ゴ≧m+1) が,σ∩∫一1(γ)のすべての点(Z1,..・,”m)に対して成り立つ、.

(11) 10. 第1章 準備. 証明 Rm+kの原点の近傍σ×RkからRm+たへの写像g=(g1,… ,gT兀十k):σ×鮎→ Rm+だを      91(π1,…,πm,”η、十1,…,αm+た)=力(π1,…,”m)   (1≦{≦m)   9m+ゴ(”1,… ,”。几,”、、皿十1,… ,”、九十k)=プm+ゴ(”1,・・一,ω丁,、)十”丁、、十ゴ (1≦ゴ≦た). と定義すると.gの原点におけるヤコビアンはgの与え方より 給(0). 給(0) 0 0.       紛(0). 絵(0) O O. 1・。(・一・)1一.      ∂紺’(・). ∂6篶’(O) 1 0. ∂紅(・). ∂紺(O) O ・. =D1た≠0 である.ゆえに逆関数定理より,gはRm+kの原点のある近傍wから原点のある近傍γ への0「級同相写像となる・その逆写像をん・・(ん1コ…,んm+た)とすると      (ん1,…,ん、、、,れ、、、十1,…,ん、、、十五、)。9(κ1,…,π、,、,”丁丁、十1,…,”η、十ム、).       =(”1,… ,”m,πm+1,… ,πm+此). およびgの定義より          いル1,…,”η、)=ん。9(π1,…,∬m,0,…,0).                  一にlr. となる.                                    口.  単射写像定理の意味. 定理の階数条件のもとに,Rmの原点における座標変換∫が存在して,ん・∫は包含写像 :R㎜→Rm×{0}⊂Rm+此になる.. 1.2 平面曲線と特異点 1.2.1 陰関数表示.  平面曲線の陰関数表示とは関数F=R2→Rを用いて,次のようなF(”1,エ2)=0 で表されることである.このとき陰関数表示の例としては,原点を中心とする半径1の.

(12) 第1章 準備. 11. 円はF(π1,”2)=”言十エ三一1と表される.ここで,F(”1,エ2)=㏄言十π葦の場合では. F■1(0)原点のみを表すが,これも曲線の一種として扱う。この場合,片1(0)=Oでは F皿{=2π1=O ({=1,2)を常に満たす・ここで,〃1は2変数関数の”1変数に関する 偏導関数を表す. 定理1.2.10.o級関数F(π1,π2)と点α=(α!,α2)において,Fコ、、(α1,α2)≠0と仮定す. る・このときα1の近傍W⊂Rにおける0。。級関数プ(π1)と∫(α1)の近傍γが存在して F■!∩(W×V)={(”1,∫(z1)1”1∈W}となる.さらにα1におけるπ2=∫(”1)の微分. 係数は               ψ   凡。(α1,α2)               一(α1)=               伽   F皿。(α1,α2) となる、ただし,^、、(α1,α2)≠Oの場合はκユとα2を入れ替えた主張が成り立つ。. 証明 定理の前半は陰関数定理より直ちに従う.後半については,F(”1、∫(π1〕)=Oとし. て合成関数の微分を適用する.このとき,.                曲1     .  ψ(π1).          F工1(”L∫(”1))一十F工。(”1,ル1))  =O.                伽1       伽1 となり,ω1=α1,∫(”1)=α2とすると.                  ψ..             凡・(α1,1・)石(α1)=■凡・(α1一α・). となり.ゆえに               〃   F、=ユ(α1,α2).               一(α!)=               伽   F皿j。(σ1,α2). が成り立つ.                                 □. 定義1.2.2点α=(α1,α2)∈片1(O)が              F工、(α1,α2)・・F工。(α1,α2)=O. を満たすとき,点αは特異点であるという.また,              F工、(α1,α2)=F皿。(α1,α2)≠O. を満たすF11(O)上の点は正則点であるという・ いま,F(”1,”2)=エ書_π言と置くと,凡、(α1,α2)=_3α子,凡,(α1,α2)=2α2となり特異. 点は原点α=0のみである1この場合の原点の近くにおける曲線は図1.1のようになる. このとき通常カスプ(書カスプ)と呼ぶ。また,F(π1,エ2)=(π2_”子)2_”言を考えても原. 点のみで特異点をもつので,図1,2になり,この曲線を書カスプと呼ぶ、.

(13) 12. 第1章 準備. O,2. 1. 0.1. .1  0.2  0.3. 1   2. 一〇、1. 一1. 一〇.2. 一2. 図1,1=暮カスプ. 図1.2=豊カスプ. 1.2.2 パラメータ表示  平面上の曲線におけるパラメータを用いて,”1=πユ(f),”2=”2(f),土∈Jと表され. るとき,これをその直線のパラメータ表示と呼ぶ.ここでπ{(士)は0o。級関数で∫は開区 間[α,6],または閉区間(α,わ)とする.このときtをパラメータと呼ぶ.このパラメータ表 示に対応して写像7:∫→R2が7(亡)=(ω1(t),ω2(t))として定められる.この写像は仮定. から,各成分”{({)が0。。級関数であり,7を0的級写像と呼ぶ。ここで,パラメータ表 示の例として号カスプについてあげる.書カスプのパラメータ表示は7(’)=(f2,t5)と表 される.このときパラメータ表示7(士):(”ユ(士),π2(亡))の微分を予(古)=(土1(亡),め(士))と定. める.いま妻カスプは微分は7(士)=(2f,5t4)となり一=oにおいて零ベクトルOに等し. くなる.平面曲線のパラメータ表示γ∫→R2において,その微分ψ)=Oとなる点を 特異点と呼ぶ.それ以外の点を正則点と呼ぶ. 次に曲線の間における同値関係を定義する. 定義1.2.3二つの0。。級写像7づ:∫→R2 (1=1,2)について,点亡{を考える.ちの∫. における近傍山と71(t1)のR2における近傍蠣とそれらの間の微分同相写像ψ:ノ1→み とφ:σ1→σ2が存在して,φ・71=72・ψが成り立つとき(71,t1)と(72,{2)はλ同値 であるという.. 補題1.2.4微分同相写像φに対して,そのヤコビ行列は各点で正則行列となる. 証明 φの逆写像をφ一1とするI補題1.1.5より              J(φ㍉φ)。一(Jφ.’)φ(ρ)(ノφ)(ρ). である.このとき            (左辺)=J(φ一1。φ)P=J(1d伽)P=∬、,、.

(14) 第1章 準備. 13. で,1亙ml=1 より.               1(Jφ一)φ(、〕ll(Jφ)(ρ)1−1. となる、ゆえに,1(Jφ)(ρ)1≠Oより成り立つ、. 補題1・2・5(71,t1)と(72,f2)がλ同値とする.このとき,t1が71の特異点であることと,. 土2が㍗2の特異点であることは同値である. 証明 (71,tユ)と(72,亡2)がλ同値とすると,定義より微分同相写像ψ,φが存在して,φ。. 71=72。ψが成り立つ.ヤコビ行列式より,               J(φo71)f1=J(72oψ)亡。             (Jφ)7、(t、)(J71)t1=(J㍗2)ψ(t,)(Jψ)t、             (1・/). (1.1)の両辺は補題1.2.4よりともに正則行列より階数は同じなので,    …k(J7・)1工=…k(Jφ)。1(1ユ)(J71)11=…k(ノ7・)ψ(t、)(Jψ)11=…k(ノ7・)1、. よって亡1が71の特異点であればt2が72の特異点であることは同値である. 定理1.2・6白明な正則曲線L:R→R2を↓(τ)=(τ,O)で定義する.いま,0o。級写像 7:∫→R2が点to∈∫で正則とすると,(7,亡。)と(↓,0)はλ同値である.. 証明 単射写像定理より微分同相写像φ:(R2,to)→(R2,O)でφ。7=土となるものが存 在することより明らかである..  この定理の意味としては,正則点のまわりでは曲線は微分同相写像で直線に写されるこ とを主張しているのである、次に平面曲線が書カスプを持つための必要十分条件を述べる. ηを奇数として,C(f)=(土2−tれ)で定義される曲線,C:R→R2を多カスプと呼ぶ・さら に曲線7:∫→R2が点foで号カスプを持つとは・(7,世。)と書カスプ(c,O)がλ同値であ るときにいう.  ここで,7(几)(亡O)=宗(亡O)とし,二つのベクトルπ=(πユ,π2),μ=(リ1,μ2)∈R2に. よって作られる行列式を1”,μ1=”1g2一π2リ1とすると,次の定理が成り立つ.. 定理1.2.7曲線7の微分回数における条件(η)として,         仙)一〇,仰。)≠O,7(3)(t。)=…一7(”■1)(t。)=O.                「州,7(n〕(t・)1≠0. が成り立つとき,曲線7:∫→R2は点tOで書カスプを持つ.逆に,曲線7が点走Oで書カ スプを持つとき,条件(3)が成り立つ.ただし,η=3のときは7(3)(亡。)=…=7(η■1〕=O を条件から除く..

(15) 14. 第1章 準備. ここで,定理の後半の証明は簡単な計算と定義1.2.3からわかる.しかし,前半を証明す. るには,特異点論のいくつかの基本定理を必要とするのでここでは省略する.証明につい ては,石川剛郎[2]を参照のこと。. 1.3 空間内の曲線および曲面と特異点  ここでは1.2節で解説した平面曲線についての事実を高次元化することを考える.この 場合,一般の次元についても同様な事実が成り立つが,主に3次元空間R3内の曲線と曲 面の表示について解説する. 空間R3のデカルト座標(”1,π2,エ3)は通常のように正ω1座標,正π2座標,正Z3座標がこ. の順で右手系をなすものとする.また空間曲線のパラメータ表示とは,平面曲線の場合と同 様に0。。級関数”{(亡)({=1,2,3)による,π1=π1(亡),”2=π2(亡),π3=π3(t);亡∈∫という. 表示のことで,言い換えると0。。級関数”=∫→Rに対して,0。。写像7:∫→R3は7(t)= (π1(亡),π2(t),”3(亡))と定められる.平面曲線と同様に,仰。)=(土1(亡。),土2(亡。),土3(亡。))=O. を満たす点亡。を特異点と呼ぶ.特異点以外の点を正則点と呼び,0。。級写像7がすべ ての点で正則のとき,はめ込み写像または正則曲線と呼ぶ. 次に空間内の曲面について曲面の陰関数表示は関数F:R3→Rを用いたF(”1,㏄2,”3)=O であり平面曲線の場合と同様に,凡=、(”1,π2,”3)≠Oが成り立っ点α=(α1,α2,α3)∈ F■1(0)の近傍では,陰関数定理により,F■1(O)は,ある0。。級関数∫(”1,π2)のグラフとし て表されることができ,gradF(α)=(凡1(α1,α2,α3),F、,(α1,α2,α3),凡。(α1,α2,α3))=O. を満たす点αを曲面F(”1,π2,π3)=Oの特異点と呼ぶ.さらに,特異点でない点α∈ F■1(O)を正則点と呼ぶ.また曲面のパラメータ表示は”1=エ1(u,U),エ2=π2(〃,の),”3= π3(何,ll);(u,η)∈σが主として使用されている・ここで,π1(1∫、l/)は2変数の0。。級関数. でσは平面R2のある開集合とする.これらの条件をもとに次を定義する. 定義1.3.10。。級写像㏄1σ→R3が㏄(u,η)=(π1(u,U)ヨT2(u,η),㏄3(u,り))と定められ,. 行列. ぺllガ:ll㍑1;)・・ となる点α∈びが存在するとき,0σ。級写像としての特異点を,パラメータ付られた 曲面の特異点と呼、ニミ.さらに,特異点でない点を正則点と呼ぶ.また曲線の場合と同様. に,すべての点が正則な曲面πはばめ込み写像と呼ばれる. 側1.3.23次元空間内の曲面。(u,り)=(仙,〃2,U3)をカスプ状曲面,8ω(u,U)=(3u4+. u2U,4u3+2uo,U)で定義される曲面をツバメの尾,さらに,cc(u,ω)=(u3,u3ω3,ω2)で. 定義される曲面をカスプ状交叉帽子または折りたたみ傘と呼ぶ.これらの曲面の特異点 の集合はいずれの場合も曲面上の曲線をなすことが,次の補題により示される..

(16) 第1章準備                        15 補題1.3.3カスプ状曲面,ツバメの尾,カスプ状交叉帽子の,特異点の集合は,それぞれ {(u,O,O)lu∈R},{(u,36側2,一2ユ6他3)lu∈R},{(u,0,O)ju∈R}または{(O,0,り2)1り∈R}. となる曲線である.. 証明 定義1.3.1より特異点を持つための必要十分条件は. 舳(llllガ:llは;)・・ である.このことは,             π1、、(α)・2、、(α)一π2、、(α)π1、、(α)=O. かつ             ω2、、(α)”3、、(α)一〃3、、(α)π2”(α)=O. かつ             πユ、一(α)”3、、(α)一π3、、(α)”1、、(α)=O. が成り立つことである. (α)カスプ状曲面の場合≡C(砒,種)=(u,U2,ω3)より.               舳(㍑、二)・・. なので,2U=Oかつ3U2=OよりU=・Oである よって。の特異点集合は{(u,O,O)lu∈R} となる曲線である. (わ)ツバメの尾の場合;8ω=(伽,l/)=(3u4+1ん、41∫3+21〃,1」)より. 舳(’㌃舳;∴)・・ なので,り=_6仙2である。よって舳の特異点集合は{(u,36u2,_216仙3)Iu∈R}となる 曲線である. (C)カスプ状交叉帽子の場合;CC(仙,U)=(u3,u3り3,む2)より.              舳(3㍑:ll二)・・. なので,u=Oまたは〃=Oである.よって。cの特異点集合は{(u,O,O)lu∈R}または {(0、?コ2,一’3)Iη∈R}となる曲線である.                    口.

(17) 16. 第1章 準備. 図1.4:ツバメの尾. 図1.3:カスプ状曲面. 図1.5:カスプ状交叉帽子.  実は,このような1次元集合を特異点として持つ曲面は,一般の曲面全体の集合の中で はあまり多くない.実際一般の曲面全体の中で,十分多く存在する特異点は交叉帽子ま たはホイットニーの傘と呼ばれ,                ω(・,ω)=(・2,ω,剛. で与えられる特異点であることが知られている.この曲面は図1.6のように描かれ,特異 点は孤立している.このことより次の補題が示される.. !!↑\.   タ   ∼ ・i・o ‘!.o. 図1.6:ホイットニーの傘.

(18) 17. 第1章準備 補題1.3.4ホイットニーの傘ば原点のみが特異点である. 証明 ホイットニーの傘はω(u,U)=(u2,ω,uU)より. 舳(ガ1)・・ なので,伽=Oかつ種:Oである.よってωの特異点集合は{(O,O,O)}よりパラメータ表. 示のとき原点のみが特異点となる.                     □.

(19) 18. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量. 2.1 平面曲線の曲率とセレーフレネ公式  ここでは,主にパラメータ表示された平面曲線の基本的な性質や曲線上の関数について 解説する.. 平面R2土のベクトル㏄=(”1,π2),ψ=(μ1,μ2)の内積をπ・μ=π1リ1+π2リ2で定める.. このとき,”のノルムはll”ll=仰=〉洞で与えられる これをもとに次を定 義する.. 定義2.1.1パラメータ表示で与えられた平面曲線7=∫→R2は,区間∫⊂R上で滑らか な正則曲線とする.曲線7のtoにおける微分                       7(亡O+ん)一7(亡O)          (わ(亡O),土2(tO))=予(tO)=1im.                     h→O    h をfoにおける7の接ベクトルまたは速度ベクトルという(図2.1)、そして,今(亡。)のノル. ム■17(止O)一■=雨アをtOにおける7の速さという 特に,7がすべての亡∈∫ に対して,l1仰)ll=1を満たすとき,7は単位速度曲線であるという.また,l1抑)ll=1 を満たす接ベクトルを単位接ベクトルという.. 法線 接線 7(亡O+ん). WO) α(fO). 7(士O). 図2.1:接ベクトル. 図2.2:接線.  正則曲線7土の点7(fO)を通り,接ベクトル今(亡O)方向を持つ直線を7の7(tO)における. 接線と定義する(図2.2)。接線の方程式は,簡単な計算から          土2(fo)(”1一”1(lo))一五1(to)(π2一π2(1・))=0.

(20) 第2章 曲線の微分幾何学的不変量                    1g で与えられる・また,曲線がグラフ表示π2=∫(π1)で与えられた場合,点(αO,∫(αO))に. おける接線の方程式は.                    ψ              ”2一プ(α0)=一(αO)(π1一αO)                    加1 で表される。また,曲線が陰関数表示F(”1,”2)=Oで与えられている場合,曲線上の点 α=(α1,α2)がFの特異点でないとき,点αにおける接線の方程式は          β工、。(α1,α2)(・正一α1)十F、、,(α!,α2)(T2一α2)=O. で表される..  曲線上の点αを通り,その点における接線に垂直な直線を点αにおける法線という.パ ラメータ表示7(亡)=(”ユ(士),”2(亡))で与えられた曲線上の点7(亡O)における法線の方程式は           全1(lo)(”にπ1(fo))十土2(fo)(㏄2一π2(止。))=O. となる。また,曲線がグラフ表示吻=∫(π1)で与えられている場合,点(αO,∫(αO))にお. ける法線の方程式は.                  ψ            (π1一αo)十一(αo)(∬2一∫(αo))=0                  愉! である.また,曲線が陰関数表示F(エ1,π2)=0で与えられた場合,曲線上の点α=(α1,α2). における法線の方程式は          F皿。(α1,α2)(・1一α1)一F皿1(α1,α2)(㏄2一α2)=O. である..  次に二つの曲線の接触について定義する. 定義2.1.2二つの曲線がそれぞれパラメータ表示7(土)=(π1(亡),π2(t)),陰関数表示F(T1、”2)=. ○の形で表されているとする。7とF■1(O)がtoにおいて,〃)=F(7(亡))が        ∫(1。)=ノ(1。)=ア(t。)=…=∫(k)(f。)=O,∫(此十1)(f。)≠0. を満たすとき,それらの曲線は亡。で此次の接触または冶十1点接触するという.このと き,んを接触の位数という.また,上の条件において,∫(k+1)(亡。)≠Oを取り除いた条件           ∫(1。)=ノ(亡。)イ(1。)=…=∫(^:)(1。)=O. を満たすとき,少なくともκ次の接触または少なくとも冶十1点接触するという、  本論文では微分幾何学で一般的に行われているように,曲線と直線や円との接触につい て考える.直線との接触を考えるのは曲線がその点でどの程度平坦であるか,円との接触 を考えるのは曲線がその程度でどの程度丸いかを調べるためである.まず,正則曲線がパ.

(21) 20. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量. ラメータ表示7(乏)で与えられたとして,その上の点7(工O)を通る直線との接触について考 える.7(止。)を通り,単位ベクトルuo∈R2に垂直な直線は,F(π)=(π_7(士。)).uoと. 置いたとき,F−1(O)で与えられる.このとき,       ∫(亡)=F(ψ))=(7(亡)1(tO))・uO=7(t)・仙01(亡O)・uO. と置き,t=toにおいて7との接触をはかる.ブ(to)=Oであるための必要十分条件は, ノ(f)=勺(t)・uOより,.                 寸(to)・uo=0 である、よって,ωOは仰O)に垂直である.この場合,点7(亡O)を通る直線はベクトル抑。). に平行であることを表す.したがって,このような直線は接線であることがわかる.この ことより次を定義する.. 定義2.1.3曲線7の接線は一般に7と少なくとも2点接触をする直線であると定義される. しかし,7土の特殊な点における接触は7と3点以上の接触を持つことがある.このとき, 7とその接線が3点接触を持つような点を通常屈曲点といい,そのときの接線を屈曲接線 という、(図2−3)また7とその接触が3点より大きい接触を持つ点を高次の屈曲点という.. 屈曲接線. 7(士O).         屈曲点 7.                 図2.3:屈曲点  定義の例としては,3次曲線7(士)=(亡,亡3)は,t=O,すなわち原点(O,O)で通常屈曲点 を持つ.(図2,4). 補題2.1.4パラメータ表示で与えられた正則曲線7(f)=(”1(亡)、”2(士))上の点7(to)が屈. 曲点であるための必要十分条件は,              全1(lo)加(士。)一圭1(亡。)土2(to)=O. である..

(22) 第2章. 21. 曲線の微分幾何学的不変量 1. 1. 一1. 一1. 図2.4:3次曲線 証明 接線の方程式をF(”1,エ2)で表示すると      F(”1,”2)=全2(士。)(π1(1)一”1(fo))一土1(亡。)(π2(亡)一”2(亡。))=O. である.ここで7(士)=(π1(亡),”2(亡))とすると      プ(亡)=F(7(亡))=全2(亡O)(・1(t)一”・(亡・))一士1(tO)(工2(亡)一・・(tO)). である.ここで7(士O)がFの屈曲点であるための必要十分条件は              〃。)=ノ(f。)=ア(f。)=O である.今,∫(亡。)=!(亡。)=Oは成り立っているので,デ(亡。)=Oとなる条件を考える.             ア(1)=土。(1)汕)一士ユ(1)丘。(1) より,.            デ(亡。)一士。(1。)土1(f。)一土1(亡。)売。(1。). であるので,デ(乞。)=Oとすると,             元1(亡。)売2(to)一老!(fo)丘2(to)=O. が成り立つ.                                □  次に,パラメータ表示で与えられた正則曲線7土の点7(亡O)において,7と少なくとも 3点接触するような円が存在するとして,このような円について考える、(図2.5)ベクト ルαo∈直2,正の実数roに対して,G(π)=11π一αo112−r書と置けば,G−1(0)は中心αo,. 半径rOの円を表す.このとき,.            州=G(州)=l1州一α。l12一・言.

(23) 第2章. 22. 曲線の微分幾何学的不変量. 「0.・. α看. 接触円.                 図2.51接触円 と置けば,7とG−1(O)がt=foで,少なくとも3点接触するための条件はg(to)=〃。)= δ(土。)=Oである.この7と少なくとも3点接触する円について,より詳しく調べてみる. g(亡。)=Oは常に満たされていることに注意しておく.まず5(to)=Oであるための必要十 分条件は白(亡)=2卵).(7(t)_αo)より.               Wo)・(ψo)一αo)=O である、したがって(7(止。)_αo)は州。)を反時計回りに90度回転させた方向にあるので             7(t・)一α・=λ(一五・(工0),全1(士O)). となるλ∈Rが存在する.  次に5(亡。)=Oとなるための必要十分条件は            Wo)・(7(亡。)一αo)十合(to)・今(fo)=O. である.よって(g(fo))=〃。)=〃。)=Oであるための必要十分条件は, {. ψO)一αO=λ(一・2(lO),”1(fO)) λ(工1(1。)棚。(t。)一・。(f。)π。(t。)〕十カ1(t。)2+・。(1。)2=O. である、したがって,土1(to)売2(fo)一圭1(to)土2(to)≠Oであるとき,すなわち7(to)が屈曲. 点でないとき,                  土1(亡。)2+丘。(t。)2.             入=                土1(fO)土2(亡O)一五1(亡O)土2(亡O) となる.よって,求める円の中心αOは                丘。(t。)2+あ(t。)2.        αO=7(fO)十        (一π2(tO),均(tO))              全1(tO)あ(亡O)一先1(fO)全2(fO).

(24) 23. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量 となる..  逆に,このような中心を持つ円が7と少なくとも3点接触を持つことは明らかである. このように7と少なくとも3点接触する円を接触円または曲率円と呼び,その中心αo を曲率中心と呼ぶ1また,その半径Toは以上のことから             。  (土1(t。)2+丘・(t・)2)3             「O=(π、(1。)π、(t。)一π1(t。)。、(t。))・. で与えられ,これを曲率半径と呼ぶ.このことより次を定義する.. 定義2.1.5曲線7と接触円は一般に少なくとも3点接触するが,7土の特殊な点における 接触円は4点接触をすることがある、このような点を通常頂点という、また,5点以上の 接触を持つとき,その点を高次の頂点または退化した頂点という.  定義の例としては,楕円7(亡)=(3cos士,2sin亡)は,亡=ηπ/2 (η∈Z),すなわち (3,0),(一3,0),(o,2),(0,一2)の4箇所で通常頂点を持つ、(図2.6). ・. 図2.6:楕円.  次に曲線の構造を知るうえで重要になる距離2乗関数と高さ関数についての概念を定義 する.. 定義2.1.6点πo∈R2,曲線7:∫→R2に対し,関数φパ∫→R2を          φ。(卜11州一・。l12一(7(t)一π。)・(州一π。). と定義し,これをπo∈R2からの7への距離2乗関数という.  これはI■7(亡)_πo一,2_r蕎=0で定義される円と曲線7との接触を{よかるものである.. 定義2.1.7単位ベクトルuo∈R2と曲線7:∫→R2に対し,関数φパ∫→R2を                 φh(止)=7(土)・uO. と定義し,これを7のuO方向の高さ関数という..

(25) 24. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量. 7(lO). ω0. 7(tO)・uO. 単位田 図2.7:高さ関数.  これはt↓oに垂直な直線と曲線7の接触をはかるものである.また,定義2.1−2で導入し た接触の定義より以下のことが容易に示される、. 命題2.1.8正則曲線7:∫→R2に対して, (ユ)士。において7と7(fo)を通る円がん十1点接触を持つための必要十分条件は         φ身)(亡。)=O(4=1,2,…,k)かつφ㌻十1)(to)≠0. である・特にん=3のとき7はその点で通常頂点を持つ・ (2)foにおいて7と7(fo)におけるその接触がk+1点接触を持つための必要十分条件は         φ㌢)(亡。)=O(乞=!,2,…,た)かつφ£^j+ユ)(亡。)≠0. である.特にん=2のとき,7はその点で通常屈曲点を持つ..  ここで変数変換の概念を導入する.曲線71∫→R2に対して,関数∫:J→∫が7の 変数変換であるとは,∫は0。。級関数で正則がつ全射なときをいう。ただし,J⊂Rは 開区間を表すものである.このとき,∫は正則なので単調増加または単調減少であり,全 射より∫は全単射である.だから,逆関数∫’ユが存在するが,これもσ。。級関数である.. したがって,変数変換∫とは微分同相写像のことである.このことより,次の性質が成り 立つ.. 命題2.1.9g:∫→Rを0。。級関数とし,∫:J→∫を微分同相写像とする.このとき,各 ゼ=1,2,_,んに対してg({)(亡。)=oが成り立つための必要十分条件は,各乞=1,2,一。。,ん に対して(g o∫)({)(5o)=0が成り立つことである.ただし,to∈∫,5o=∫一ユ(亡。)とする..

(26) 25. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量 証明 g({)(亡。)=0(乞=エ,2,一..,ん)であるとすると,.       (9・∫)’(・)=9’(プ(・))プ’(・)       (9州”(月)=9”(∫(・))∫’(・)2+9’(∫(・))∫”(・)      (9。∫)”(・)=9’”(∫(・))∫’(・)3+2g”(∫(・))∫”(・)十9!(∫(・))∫”(・). と表すことができるので,このことより,一般に.                    {.             (・・プ)({)(・)一Σ・O〕(∫(・))α1(・).                    ゴ=1 と表される.仮定よりg({〕(士。)=0(ゴ=1,2,…,{)から.                    {.            (川)({)(・・)一Σ・(ゴ)(t・)αj(・・)一0.                   j=1 である.逆に(g。∫)({〕(5o)=Oであるとき,.                 9一(9・∫)・∫一1. と書くと,g・∫を上のg,∫一1を上の∫と思うことより,上の議論より従う・   □ 命題の意味 gを7とF■1(O)の接触をはかるg=Fo7,go∫をδ=7o∫とF−1(O)の接触をはかる g。∫=F。δとして適用することにより,7とF■ユ(O)の接触の位数はδとF−1(0)の接触. の位数に等しいことを述べている.したがって,接触の位数は変数変換で不変である.  次に弧長を定義する.. 定義2.1.10パラメータ表示で与えられた正則曲線7:∫→R2に対して,7土の点7(to) から7(亡)までの距離は ・(1〕一. 求i・)lj伽. のように計算される・この5(t)を7のtOからtまでの弧長という。  ここで,弧長8(t)は0。。級関数であり,6(f):l1卵)ll〉Oであるから,正則な単調関 数である。よって,∫=(αb)からJ=(8(α)5(b))への微分同相写像を定める.また,5■1. も微分同相写像となるので,8−1も変数変換である.このとき,次の性質が成り立つ.. 命題2.1.11正則曲線7:∫→R2に対してj(士)を弧長としたとき,曲線7。に1:J→R2 は単位速度曲線である..

(27) 26. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量 証明 任意の5∈Jに対して,             (7。グ1(5))’=7’(1■1(5))(r1)’(5). であり,lo正一1(5)=8より                j’(r1(5))(1■1)’(8)=1. である.また,弧長の定義より                1’(1−1(5))=l17’(1−1)ll. である.よって,これらの式より (川一w■葦;lll;ll;;,■. であるので,ll(7引I1(5))’ll=1となり単位速度曲線となる.           □. 注意 命題2.1・9,2.1.11ぱ一般の正則空間曲線71∫→R・に対しても成り立つ..  上の命題より,任意の曲線は弧長のパラメータの取り換えにより,単位速度曲線にでき ることに注意しておく1  以下,パラメータ表示で与えられた正則曲線は,あらかじめ弧長により変数変換してお き,それを7(5)と書くことにする.このような曲線を弧長でパラメータ付られた曲線と も呼ばれ,単位速度曲線である1  単位速度曲線7(5)の単位接ベクトル7’(5)をt(5)で表すことにする.また,t(5)を反. 時計回りに90度回転させたベクトルを肌(5)で表し,単位法ベクトルという、これら二 つの単位ベクトル{亡(5),肌(8)}は,正規直交系を作っている.この{士(5),n(5)}を7の. フレネ標構という・フレネ標構は,7(5)上の各点で定まるため,それが7に沿って動くと 見られ,動標構とも呼ばれている・(図2.8). η(・). 7(・) 士(・). 図2.8:フレネ標構 次に,曲率について定義する、7(8)=(Z1(8),π2(8))と置くと,         t(5)=(ぺ(8),πら(5)),肌(5)=(イら(5),〆(5)).

(28) 27. 第2章 曲線の微分幾何学的不変量. となる.l1亡(5)ll=1より,t’(8)⊥t(8)であるから,f’(5)=κ(5)η(5)となる実数κ(5)が存. 在する.このκ(5)を5での7の曲率という.このとき単位接ベクトル土(5)と単位法ベク トルn(5)の微分に関して,次の定理が成り立つ・. 定理2.1.12単位速度曲線7:∫→R2に対して,5∈∫のとき, { f’. i・)=κ(・)η(・). 几’. i・)=一κ(・)t(・). と表される.これを平面曲線のセレ・フレネ公式という、 証明 定義より                 t’(・)=κ(・)η(・). である.また,η⊥η’(5)より.                  肌’(5)=M(5). となるような入∈Rが存在する.一カ,単位接ベクトル{(5)と単位法ベクトル肌(5)は直 交するので,t(5)・η(8)=Oが成り立ち,この両辺を変数5に関して微分すると              t’(・)・小)十t(・)・肌’(・)=O. である、従って,κ(5)十人=Oより人=_κ(5)を得る、よって                肌’(・)=一κ(・)士(・). である.                                    □.  ここで,平面曲線7の曲率について,      κ(・)=κ(・)η(・)・π(・)=士’(・)・η(・)=π{(・)π隻(・)一π7(・)πら(・). とパラメータ表示の微分を用いて表すことができる.曲率は曲線の接線方向の弧長5に対 する変化率であり,.曲線の曲がり具合を表す量である、また,平面曲線の曲率κ(8)は正,. 負いずれの値も取ることに注意しよう.曲率の符号とフレネ標構との関係は図2.9のよう になる..  次に,単位速度曲線に対して距離2乗関数や高さ関数について考察をする..  単位速度曲線7:∫→R2に対して,平面上の点πから7土への距離2乗関数をφd: ∫→R,          φ。(・)=l17(・)一π112=(7(・)一π)・(7(・)一π). とおく.このとき,次が成り立つ..

(29) 第2章. 28. 曲線の微分幾何学的不変量. 几(・O). t(・0). n(・O) 7(・O) 亡(・0).  7(・O) κ(・)〉O. κ(・)<O. 図2.9:曲率の符号とフレネ標構との関係. 命題2.1.13単位速度曲線7:∫→R2に対して,次が成り立つ. (1)φら(5o)=Oが成り立つための必要十分条件は,.                小O)一㏄=畑(・O) となるようなλ∈Rが存在することである. (2)φ二(3o)=φ6(8o)=oが成り立つための必要十分条件は,κ(5o)≠0かつ.                      1               ”=7(・O)十 η(・O)                     κ(・O) が成り立つことである. (3)φ二(5o)=φZ(5o)=φZ’(8o)=0が成り立つための必要十分条件は,κ(5o)≠O,κ’(5o)=. ○かつ.                      1               π=7(・O)十一肌(・O)                     汽(・O) が成り立つことである. (4)φL(5o)=φZ(8o)=φZ’(50)=φ9〕(8o)=Oが成り立つための必要十分条件は,κ(5o)≠ 0、κ’(5o)=κ”(8o)=Oかつ.                      1               ”=7(・O)十 肌(・O)                     κ(・O) が成り立つことである. 証明 (1)φd(8)を微分すると.               小)一。・(、川、).、).                2                  =t(5)・(7(5)一π). である.従ってφ二』(8o)=Oならば,7(8o)一”=畑(5o)となるλ∈Rが存在し,逆にこ の式が成り立てばφ書(5o)=Oとなる、.

(30) 第2章 曲線の微分幾何学的不変量. 29. (2)φZ(5)を計算すると. φ雀5)一1・(・川・)一1)・1(・川・)              :κ(・)η(・)・(7(・)一犯)十士(・)・士(・).              =κ(5)η(5)・(7(8)一π)十1. である.φ書(5o)=φZ(80)=Oとする.(1)で得られた式をφZ(8o)=Oに代入すると         κ(・o)几(・o)・(畑(・o)十μb(・・))十1=川・。)十1=O. となる、ゆえにκ(80)≠Oかつλ=一志となるのでヨ”:7(5o)十赤肌(5o)が成り立 ち,逆にこの式が成り立つとき,φ書(5o)=φZ(8o)=Oとなる.  (3)φZ’(5)を計算すると     榊一、1(、)η(、)(。(、).、。、(、)、・(、)(。(、).、)。、(、)η(、)士(、).      2        =(κ’(・)η(・)一κ(・)2t(・))・(7(・)一π). である.φら(8o)=φ二;(5o)=φ二i’(8o)=Oとする.(2)で得られた式をφ二i’(5o)=Oに代入す ると,.                      1    κ’(・o)       (κ’(・o)小。)一κ(・。)2土(・。))(一 η(弓。))=  =0                     灼(・。).一  κ(・。). となる・よって,κ(5o)≠0よりκ’(5o)=Oを得る。ゆえに,κ(5o)≠O,κ’(8o)=Oかつπ=. 7(5o)十赤冗(8o)が成り立ち,逆にこの式が成り立てば,φ二(3o)=φZ(5o)=φZ’(3o)=0 となる.. (4)φ9)(8)を計算すると φ4(・)一(κ・(・)一(・)・・(・)州一・κ’(・)κ(・)・(・)一κ(・)・・(・))(。(・)一π).        十(κ’(・)η(・)一κ(月)2む(・))・オ(・)       ={(κ”(・)一κ(・)3)η一3κ(・)κ’(・)士(・)}・(7(・)一π)一κ(・)2. である.φら(月。)=φZ(5o)=φZ’(月。)=φ9)(5o)=Oとする.(3)で得られた式をφ9)(月。)=O. に代入すると..                           1      {(κ”(・。)一κ(・。)3)肌一3κ(・。)κ’(・。)t(・。)}( ψ。))一κ(・。)2                          κ(・O)        κ”(・O).      =     =O        κ(・O).

参照

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