雑音をともなう低周波微小電圧の検出 : S/Nを最良
にする入力変成器の変成比の決定
著者
武石 泰亮
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
10
ページ
23-27
別言語のタイトル
Detection of A.F. weak signal accompanied with
thermal noise : decision of ratio of input
transformer
雑音をともなう低周波微小電圧の検出 : S/Nを最良
にする入力変成器の変成比の決定
著者
武石 泰亮
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
10
ページ
23-27
別言語のタイトル
Detection of A.F. weak signal accompanied with
thermal noise : decision of ratio of input
transformer
雑 音 を と も な う 低 周 波 微 小 電 圧 の 検 出
S/Nを最良にする入力変成器の変成比の決定
武 石 泰 亮 *
(受理昭和43年5月31日) DETECTIONOFA.F・WEAKSIGNALACCOMPANIED WITHTHERMALNOISE −DecisionofRatiooflnputTransformer-TaisukeTAKEISHI* OndetectionofA.F・low-levelsignal,levelofminimumdetectablesignalarerelated toaratioofinputtransformeroftheamplifierofmeasuringsystems.W、A・Rinehartand LMourlam,Jr・alreadydiscussedthecaseinwhichamplifierhadlowerinputimpedance (1∼50megohms).Thetheory,however,isnotappliedtotheamplifierwithhigherinput impedance(higherthan50megohms).Thepapergivescluesofdesignoftheinputtrans‐ formerofthemeasuringsystemsandshowsthatanexcitinginductanceLoftheinput transformerandaresistanceofthesignalsourceplaytheleadingroleonthedecisionof theinputtransformer. 1 . は し が き 雑音電圧と共在する微小交流電圧を検出するには低 雑音の狭帯域増幅器を検出増幅器として使用し,入力 回路は検出感度を良くする為に変成器で結合するのが 一般である.この変成器の変成比の決定については W、A・Rinehart等')が既に述べているが,その中 で,(1)変成器は理想変成器と見なし,巻線の分布容 量・抵抗・励磁インダクタンス等が無視されているの で,もし真空管増幅器の様に入力抵抗が極端に大きい ときには実際と合致しない.又もし,(2)測定対照が 変ることにより信号源の内部抵抗が変るときは常に鼓 高感度の状態に近く調整することは困難である,等の 二つの問題点が考えられる.著者は変成器の特性を実 際に製作可能なものに限定して変成比の決定を行い, 更に変成器の一次側に口出線を設けることにより信号 源の内部抵抗の変化に応じて常に最高感度に近い状態 で信号を検出することが出来ることを示す. 2.入力変成器の特性 低周波変成器の等価回路は図1(a)(b)の様にな る.変成比〃や入力側,出力側のインピーダンスは変 * 鹿 児 島 大 学 工 学 部 電 気 工 学 教 室 ・ 助 教 授 成器の一次側に接続される信号源の内部抵抗と二次側 に接続される増幅器の入力抵抗等に関係する.後者に R 1 L I 1 : n L 2 R 2 (a) n2R1n2L1 L 2 R 2 n2RI (b) (c) 図 1 R2L・ 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 0 号 l B 真空管増幅器の様な高入力抵抗の増幅器が使用される と1<nなる場合が多い. C,:一次巻線の分布容量 C2:二次巻線の分布容量 L,:一次巻線の漏洩インダクタンス L2:二次巻線の漏洩インダクタンス R,:一次巻線の抵抗 R2:二次巻線の抵抗 L:二次側に換算した励磁インダクタンス 〃:変成比 刀の値が異なる変成器の二次開放状態での周波数特 性を中域利得を基準として比較したのが図2である。 直列共振によるピークは生じない.従って同図のL2 を無視して図1(c)の等価回路を採用することは問 題ない. R11:nL2R2 (a) (b) 図 3 3.雑音を考慮した変成比の決定 図3(a)でL2を無視した等価回路は図4(a)に なる.雑音源を含めて二次側に換算すると図4(b) になる.但し, (a) n2RI L2R9
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、〆武石:雑音をともなう低周波微小電圧の検出 25
増幅器の入力端での雑音エネルギ鋪0は
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より増幅器入力端に現れる雑音e;20:二次側の抵抗を発生源とする雑音により増幅
器入力端に現れる雑音鍬α:増幅器自体の雑音を入力側に換算したもの
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L → 函 」R ('0)('1)式に於いてR(=Rs+R,)の大小により励磁インダクタンスが充分大きくてこれによる電流を最適の変成比〃の値が存在する.一般に信号源の抵抗
無視することが出来るときはRSに比しR1は無視出来るので〃はほぼRsの平方根
声Lα 型扉w一必 1一元赤
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/11、〆 上l ノノノ ノノwW〃, 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 0 号 26 図 5 ( a ) lU に逆比例して変る.この関係を一例について図示す ると図5になる.最適変成比にしたときの検出可能最 小電圧値e:mInは(9)(10)両式より 1 , 10』R i『 へ f=l00II7 r=200kQご\
曙、in=4KTBR I ( ! ’ 、、 1.コ=20kQ C=IOOpF…1
11F 4.変成比変換の方法前述の様に信号源抵抗Rsに対して最適の変成比が
存在するのでRsの値が変ったとき最適の施値にする には変成器の一次又は二次巻線に中間タップを幾つか 設けて最適の変成比を選ぶ様にする.そこでタップは 一次側に設けるか,二次側がよいか,又一次二次共に とるかの問題になる.前掲のr,Cの値は変成器製作 技術上から可能な限り最小に抑えた後どうしても避け られない値として存在しているもので,この値を小に するには二次巻数を少<するより他ないのであるが, 10‘そうすると励磁インダクタンスLが小さくなりこの方
での特性劣化が著しくなる.特に図2の極大曲線で示
される特性の変成器は二次巻数をこれ以上増すことは不可能なものである.この様な変成器で低い変成比に
するため中間タップを二次側に設けたとき増幅器の入
力インピーダンスが変成器の二次側の抵抗や分布容量
によるインピーダンスに比し充分大きいので(無限大 とみなし)図6の様に入力変成器の二次側にTなる理 想変成器を通して増幅器を接続したことになる,このときab端子でのS/Nは〃′の値がどう変っても一定
であるから〃′>lなるときはcd端子でのS/Nは ……(12)山 武 石 : 雑 音 を と も な う 低 周 波 微 小 電 圧 の 検 出 うものと考えられる.図5(b)でL=2.5×lO4H がcとLとの共振点になるがこの約3倍の7.5 ×104H以上では(11)式で〃の値を計算してよ いことがわかる.以下では〃の値はのL値とR値 の逆数の平方根によってほとんど決ることがわ かる.LCの共振点以下の励磁インダクタンスの 変成器では(10)の根号の値は1に近い値となるので (10)式の値は①L/Rに近い値となる.このことは 励磁インダクタンスが無視出来ない変成器の〃値決定 について重要な点である. 10 l)W、A・RinehartandL,MourlamJr.;Six cluestonanovoltsignals,E1ectronics,June l3(1966). IU 献 f-lOOll7 I・2001、Q '・‘,20I、Q &'10011卜 l U 一 〆 一 文 'ひ, 〆 IU 10 変成器の製作が予想外に時間がかかり実験結果を同 時に発表出来ないのが残念であるが,変成器の特性に ついて松尾電業社の松尾静弥氏の多年に亘り蓄積され たデータから貴重な御教示を戴き感謝しています.又 この研究は沈降電位測定装置の研究の一端として行っ たもので,かねてよりこの研究の御指導を戴いている 九州大学理学部の水野教授並びに同研究室の方々に厚 くお礼申上げます. 1 0 』 L 1 0 . 図 5 ( b ) 106 27 微小信号検H-lの入力回路変成器の実現可能な一例と してC=100pF,r=200k回位,rαとしては12AX7 のカスコード増幅器で10∼30kgの値を実測してい る.周波数が200H屋以下で真空管増幅のときCと並 列に抵抗を考慮する必要はないし,従ってRinehart 等の方法で〃を決定するのは無理であった.最適〃値 近傍での刀の値の変化に対し鑑を与える(9)式の値 の変化はRinehart等のときと同様にゆるやかである からタップはあまり沢山設けなくても実際には間に合 一一 5 . 結 I . a n