アメリカITまわりの話題:コラボレーション
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(2) 社)の調査によれば,現時点でいわゆるコラボレーショ. されている.Bob が今いるのかいないのか,今暇なのか,. ンツール(IM,同期,非同期の文書共同閲覧)をそれぞ. 忙しいのか,などの情報は仕事上のチームとして Bob と. れ 30%,40%,48% の回答者が業務に使っているといっ. 長く組むには重要なファクタである.どんなに穏やか. ている.さらに 2003 年にそれらの技術を使うと思うか. な人も予告なしに割込みが頻繁にかかるような仕事環. との問いに,それぞれ 82%,78%,88% の回答者が. 境には長く耐えられない.共同で効率的な仕事をする. 「YES」と答えている.いわゆるコラボレーションツー. 際には必ず準備が必要である.連絡,事前の書類配布,. ルがさらなる E-ビジネス化への主要技術として米国の. その他が非同期で同期会議に先立ってできることも重. 企業内で捉えられていることを示している.. 要である. IBM ワトソン研の Alison Leeらは,コミュニティーの. 「コラボレーション」という技術は距離の離れた人々 の間にネットワークで作った環境を作り,あたかもそ. 人たちをビデオのパイプでつないだ環境 (ポートホール). の人たちが物理的に隣にいる時と同じ生産性を与える. を提案し,ワトソンのチームで実験した.約 5 秒ごとに. ことを目的とする技術であり,1990 年代の前半よりコ. 自分のデスクトップにバディー(仲間)何十人の様子を. ンピュータ科学の一分野,特に CHI(Computer Human. 刻々移す窓を持つため,仮想チームの皆の様子が分か. Interface)と呼ばれる分野で研究されてきた.筆者も. る.もちろんプライバシー的な問題もあり得るが分散. 1995 年より IBM のワトソン研究所でこの分野の技術を. チームの雰囲気を伝える道具としては意味がある.. 担当し,IBM の Web コラボレーションなどの製品を. 私の会社,コラボ・テクノロジーでもこれらの研究. CRM(Customer Relationship Management)向けに大和. 成果を生かしたマルチ・メディアの会議記録機能がつ. の研究所,また CTI(Computer Telephony Integration). いた先進的なコラボレーション技術を開発・販売して. との接続技術をラーレーの研究所などと作ってきた.. いる.. 下の絵にあるように机をはさんだ 2 人を仮に引き離. やはり IBM ワトソン研の Wendy Kellog らは,チャッ. し,その間をネットワーク・チャネルで結んだ時,2 人. トルームにそれぞれの人がどれくらい深くその会話には. の仕事の効率を下げないためにどのようなインフラと. まり込んでいるかを 2 次元的に表示したチャットルーム. チャネルを用意したらいいかがそこでの 1 つの研究テー. を提案している.パーティーや会合などの場面では話題. マである.. に熱中して中心に入って泡を飛ばしている人や,外から 半ば冷ややかに他人の会話を見ている人などがおり,そ こにいるそれぞれの人がどのレベルにいるか,どの程度 話題にのめり込んでいるのかを知る・見ることは,会話 に入っていくことに重要である.パーティーなどでも自 分の立場に近い人を見つけ話し掛け始めるのがグループ. まず,一番に重要なことは 2 人の間に遅延,雑音がな. に溶け込むコツであろう.業務に用いるコラボレーショ. い音声のチャネルを提供することである.電話会議が. ン技術もいずれはこのような雰囲気を伝えるものまで組. 普及したのはこの事実の反映であり,逆にインターネ. み込んだモデルにならねばならない. 日経リサーチの第 6 回インターネット使用状況調査. ット電話での会議があまり普及しないのはその遅延, 雑音,安定性にまだ問題があるからである.互いに顔. (http://www.nikkei-r.co.jp/internet/report02.pdf)に. が見えることはそれほど重要でないことが知られてい. よれば,日本ではモニタの 40% の方々がチャットや掲. る.それがビデオ会議はそれほど普及していないこと. 示板などのコラボレーションツールを生活・娯楽のた. の理由である.顔が見える前に必要なことがいくつか. めに日常使っているのに対し,仕事・学業の場面では. ある.2 人が共有の文書を持ち,さらには互いに相手が. それらのコラボレーションツールの利用はほとんど行. その文書のどこを見ているか,どこについて話してい. われておらず,WEB は古典的な情報の入手にのみ用い. るかが見えることなどが大切とされている.音声だけ. られていることが明らかにみられる.. の電話会議で議論できることには限界があり,議題が. 技術の発展と普及は技術のプッシュと社会のプルが. 込み入った時には事前に FAX などで書類を配布するこ. ともに必要である.米国においてはその国土的理由,. と,書類に図面など入ると書類のどこを指しているか. 個人の生活と企業での生活の変化などの強いプル要因. などを伝えることが煩雑になり,書類を事前配布する. と技術のプッシュがコラボレーションの分野でまさに. 電話会議も効率が下がることなどが観察されている.. ぶつかり合い,プライバシーとパブリックにすること. これらに関しては近年のコラボレーション技術ではネ. の駆け引き,企業内での個人の裁量を広げることのプ. ットワーク上で文書を同期閲覧し,ポインタ,上書き. ラス面とマイナス面の議論などさまざまな社会として,. ペンなどが直接見えるようにする技術が実現されかな. 個人としての経験積まれている段階であると思う.日. り自然な電話会議の拡張が実現している.. 本においてもコラボレーションのツールが人々の仕事. コラボレーションがさらに自然なものになるため, チームの人たちの様子,雰囲気が見えることが重要と. のスタイルを変え始める日は近い. (平成14 年7月27日受付). IPSJ Magazine Vol.43 No.9 Sep. 2002. −2−. 1025.
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