NII-Electronic Library Service MEMOIRS OF SHO国 真N 1NSTITUTE
OF
T日CHNOLO6Y Vo 【
,
30,
No.
1,
1996鋼
球
を
使
った
油 性 試 験
機
の
開
発
岡 本 純
三
* ・大 森 達 夫
**Developement
of4
−
Ball
Type
Oiliness
Tester
Junzo
OKAMoTo
andTatsuo
OHMoRI
Oihness
tester
of4−ball
type wasdeveloped
to evaluate the oiliness of lubricant.
Apendulum
type oiliness test havingfour
balls as a fu蓋crum was conducted as a preljminaryexperiment and two problems were found out
.
One is the conversion of slidingfriction
to rollingfriction
atthe
high
coe伍cient offriction
rangedue
to
smallinclination
of the groove,
and another oneis the invasion of rotating motion into the oscillating motion of pendulum
,
so thedevelopement
of thismodel was suspended with the model
having
tortional osci11ation of test ball.
Then
4−ball
type of rotary motion prototype tester was developed anddifference
of oiliness oflubricant was appeared distinctly
,
and it was modifiedto
have
compact structure and thisdevelope−
ment was completed
.
Because large magnitude of coe 伍cient of
friction
was obtained using the rotary type tester in poorlubricating
conditions comparing the value obtained by oscillating pendulum type which have thev
−
shaped groove , equilibrium offorce
was analyzed considering thefrictional
force.
As
the result,
it was clarified that the coe 缶 cient of friction which was obtainedby
v・
shaped groove cannot exceed O.
5even though the value of true coe伍cient of
friction
at the contact point had any magnitude.
So
it
became
evident that thedeveloped
tester can cover the wide range of coef石tient offriction
correctly.
1.
は じ め に 潤滑 油の 潤 滑 能力を評 価 する方 法 に は2
種 類の 考 え 方が ある。
その一
は境 界潤滑の領 域で摩擦 を 減 少させ る 能 力 を 見る もの で,
低 速。
低 荷 重で摩 擦 試 験が行わ れ る。 他の一
は潤 滑油 膜の耐 荷重性を見る もの で,
高速・
高 荷重条 件 下で焼 付 き荷重 が求め ら れ る。 前 者は 主 と し て表 面に吸着し た潤 滑 性 分子の摩 擦減少 能力が現れ,
後 者は分 子の吸 着の強さと 局 部 的 な 高 温に よ る潤滑油 添 加 剤の表 面保 護皮 膜の形 成 能 力が対 象と な る。 本研 究におい て は,
前 者の境 界 潤 滑下の摩 擦 減少 能 力 の 評 価を目 的と して 試 験 機の開 発を行っ た。 潤 滑 剤の摩 擦 減 少 能 力 を 評 価 す る ために は,
相 対 運 動 を する 2面の 摩 擦 面 を 使用しな け れ ば な ら ないが,
この摩 擦 面は潤 滑 油と共に摩 擦挙 動に影響を 与え る。 し た が っ て その材 質 * 機 械 工 学 科 教 授 ** 千 葉 大学工学 部 平 成 7年 10 月 3 日受付 をは じ め,
硬さ や表 面の 巨視 的および微 視 的 形 状な どが 管 理 されなけ れ ば な らない がt 試 験の 目 的 や設 計・
製 作 上の制 限 か ら,
これ らが 必 ず しも十 分に満 足さ れ た とは 言い難かっ た。 そ こで 摩擦 面の 品質を一
定に保っ こ と が 容 易な軸受用鋼 球の み を使用 し た摩 擦 試 験 機の開 発 を 試 み た。 摩 擦 試 験 機に は多 くの形 式がある が,
鋼 球を摩 擦 面と して使 用 した試 験 機 とな ると数は多く ない。 摩 擦 減少 能 力 試験用には曽田式T
型油 性 試 験 機i [が有 名で あ り,
耐 荷 重用に は曽 田 式4
球 試 験 機 とシ ェ ル式 4球 試 験機が 実用に さ れて い る。
した が っ て本研 究 が 対象とする範囲 の中で は曽田式 T 型 試 験機が存 在す る だ け なの で,
開 発 にあたっ て は この試 験 機の検討を出 発点と し た 。な お
,
低 速・
低荷 重で の摩擦減少能 力は過 去に は油性 と呼ば れて い た が,
その定 義 が 「同一
粘度を有する2
種 の潤 滑 剤 を 同一
条 件で使 用 し た場合,
その 摩擦に相 違を 生 じ さ せ る よ う な性質」とい う あい まい な もの で あり,
潤 滑に関 する研究の発展 によっ て境界 潤 滑 条 件にお ける1
N工 工一
Eleotronio Library湘 南工科 大 学紀 要
第
30
巻第 1 号 表面吸着膜の潤 滑 性で あることが明ら か にさ れてい る。 し か しこれに関 して は用 語が確 定し て い な いの で
,
本 報 で は表現 を簡単にす る ため に 「油 性」 を使用 する。
2
.
曽 田 式T
型 油性試
験機
2.
1
構 造 と特 性こ の 試 験 機は図
1
に示 す よう な 形 でT 型の 振子を 持っ てお り, 試験 部分は支点 部分に振 子に対して 直角に 取 り付 けた ピ ン を2
組のV
形 溝に渡 して,
振子 に揺動 運動をさ せ る形式の もの で あ る が,
ピン は振子の揺 動に よ り駆動さ れ る。 こ の際のV
溝 とピン との間の滑り摩 擦に よ る振動の 減 衰か ら摩 擦係数 を 計 算 する。振 子が
T
型で あ る理由は,
慣 性モー
メン トを大き く す ると同時に重心と ピン の距 離 を 短 く して振動の周 期を 4 秒 間以 上と長くし,
また振 幅 を 大 きく す るこ と を可能に し て, 目 視に よ り計 測で きる よ う に し た もの で, その結 果と して 試 験 機の構 造は極めて 簡 単と な り,
取扱い も容 易になっ て い る上に測 定 精 度 も高い の で,
潤 滑 剤の摩擦 減少能 力 を 測る た め に広 く普及 して い る。試 験 部 分の
V
形 溝は,
初 期に は図2
(a)の ように2 片 の部 品を組み合わせ て形 成 して い た が,
後に図(b)の よ う に2
個の鋼 球 を合わせ た もの を使う 形 式に変え られ た。 前者の形 式は1型,
後 者はII
型お よびNII
型 と呼ば れ る。 な お,
1型の V 溝の角度は90 °
で ピンの 直径は 1.
5
mm で あっ たが, 【1型以降は直径 4.
76
mm の鋼 球2
個 を相 接 して固定 し た も の と なり,
ピンの直 径は2mm
と なっ て,
溝の角 度は89.
5°
と なっ た。 これ ら は焼入鋼を ラ ッ プ仕 上げ し たもの で,
鋼 球は転が り軸受用の鋼球で ある。 この試験 部 分は小さいた あ,
評価の対 象と な る潤 滑 剤は少量 あ れ ば よい とい う利 点も あ る。 摩 擦 係 数の測 定に は振 子を傾けて か ら 自 由 振 動 を行わ せ, その減 衰 状 態 か ら計 算 する。 減衰力 は固 体 摩擦として作用 す るた め 振 幅の包絡 線は直 線に な るので,
初 期 振幅をAo
とし,
n 回の振 動後の振幅 をAn
とすると,
摩擦 係 数μ はAo − An
μ=c
(1
) n と して 求め ら れ る。
こ こにC
は振 子と支 点の設 計に よ り 決ま る定数で あ る。2.
2
問 題 点この試 験機は上 記の よ う な利 点を持つ 反 面
,
い くつか の短 所も持っ て い る。 その 中で も摩擦 面と して特 定の寸 法の ピンを使 用 す るこ とが,
その 入手と摩 擦 表 面の性質 の安 定に問題を含ん で る。 ま た,
原理的に滑 り速 度が 周 期 的に変 化 す る ため, 摩擦 係数は その平 均 値 と してだけ 得ら れ る。 また,
滑 り速度の範 囲も小さい こ と が潤 滑 剤 の評価の範囲を限 定し てい る。3
, 鋼球
を使
用 した 油 性試験機
図1
曽田式T
型 油 性 試 験 機 φ1.
5 ビンr
ト 45e (a ) 1型 十 十 斗 φ2 ピン 4.
76mm 綱球 / 〆 ’ (b) ll型 図2
T
型 試験 機の試 験 部 分こ のよ う な問題 を背 景に
,
ま ず摩 擦 表面の品質安 定 と 入手の容 易を目 的として,
摩擦面を すべ て軸 受用鋼 球と し た摩 擦 試験機の 開 発 を 試み た。 軸受 用鋼球は,
転が り 軸 受に大量に使 われて い る関 係上, 材 料や硬 さ等が安 定 し,
精 度や表 面の仕 上 げ状 態は大量生産さ れ る機 械 部 品 の 中で は最高で あ る。 ま た,
これはJISB1501
(玉軸 受 用鋼球)に規格化 されて おり,
材料につ いて はJIS
G
4805 (高 炭素クロ ム軸 受 鋼 鋼 材 )に規定 さ れて い る。摩 擦 試 験に 当たっ て鋼球は清 浄な石 油ベ ン ジンで 2 回ない し
3
回 超音 波洗浄して温 風で乾燥させ,
必 要に応 じて潤 滑 剤 を使用した。3.
1
予 備 実験3.
Ll
4
球 式 振 子試験試
験
部 分はT
型試 験 機に使用 さ れてい るの と同じ直一
2
NII-Electronic Library Service 鋼球を使っ た油性 試験 機の開発 (岡本 純三
・
大森 達 夫 ) 径 4.
76mm
の 鋼 球の み を使うこ と と し,
まず振 子 式の 試 験 装置を 試作した。 その振 子を図3
に示すが, 下 部の3
個の鋼 球は基 盤に固 定 さ れ,
上 部の1
個の鋼 球が振 子 に固定さ れて い て振子の 振動に伴っ て揺動 運 動 を す る。 こ の上 下の鋼 球の摩擦が振子の運動を 減衰させる。 振子 の質 量は 567g,
振 動の周期は 1.
63秒で ある。
二,
三の 潤滑 剤を使 用した場 合の減衰 状態 を図 4 に示 し, 比較の ために曽田式T
型試 験 機II
型 を使 用した結 果 を図 5 に示す。 これ らの結 果よ り求め た摩 擦係数を表 0.
2 振 動 球 1」
− I
I
」
「
.
ー
レ
ー
I
I
.
邑
球 定 固「
…
Z 11
.
1
.
ト
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ー
ト
F
.
−
1
1 図34
球 式 振 子 試 験 装 置,
i
下
\
蛭嵐
蠣 ゜・
2\
\
°
’
1K
。
.
玉
0 5 10 15 振 動 回 数 図5
曽 田 式T
型 試 験 機に お ける振 動の減 衰 表 1 振子に よ る摩 擦 係数4
球 式 振 子 試 験 曽 田T
型 試 験 機 無 潤 滑}
0.
439
セ タ ン0.
031
0.
429 セ タン 十 ス テ ア リン酸0.
0994
0.
0892
弓 田囈
o・
1 \−
K丶噸
卜一
〜一
ー
ー
k セタン〜一
一
一
.
一
一
一
一
一
.
.
一
.
セ タン + ス テ ア リン酸x{’
.
.
一
.
一
.
グリー
ス 140ター
ビン油、
60 ス ピン ドル 油 00 10 2D 3D 40 50 60 70 振 動 回 数 図4
4球 式 振 子 試 験に お け る振 動の減 衰1
に示 し た。 これ らの潤 滑 剤の 内で セ タ ンは潤 滑 性が な い物 質 と して使 用 し,
ステア リン酸は境 界 潤 滑 性に優 れ て い るの で セ タンに 1% を 添 加 して使用した。 これ らの 結 果に見ら れ るよ うに, 潤 滑 剤の種類が異な れば摩 擦 係 数が異なっ て い るの で 潤 滑 剤の評 価は可 能で ある と見え るが,
セ タ ン を使用 し た ときの 4 球式振子試験は減 衰 も 摩擦 係 数も異常に低く,T
型試験 機と は大きな差が生 じ て い る。 使用 し たセ タンは純度の高い もの で,
無潤 滑に近い高 摩 擦 を 示 す は ずであ るの で,
こ のよ うに摩 擦 係 数 が 低 く な る 理 由 を 調 査し た結 果,
鋼球同志の間の 滑り摩 擦 係数 が大きい ため, 接 触 面に おい て は滑り運動が転がり運動 に転 換して い るこ と が わ かっ た。 つ ま りこ の場 合に は転 がり摩 擦 係 数が測 ら れ たことに なっ た もの で ある。
そこ で こ の 4球 式 振 子 試 験 装 置の 鋼 球の接 触 面 が 水 平 面 となす 角 度 θを 求めて み る と,
図6
に示 すように最 低は19.
5°
で,
最高で も35.
3D
で あ る。 し た がっ て上 部の 鋼球が最 低 傾斜の方 向に向か っ て回転 する場 合は,
摩擦 係 数が 0.
35 (−
tan・19.
5°
}を 超え る と上 部 鋼 球は下 部 鋼 球に対して転が り運 動を して乗り 上 げて し ま う の であ る。 この こ とはV
型溝の 中で 回 転する断 面 円 形の相 手 面を使 う摩 擦 試 験 方 法に は共 通の こ とで あるが,
T 型 試3
N工 工一
Eleotronio Library湘 南工科 大 学 紀 要
第 30 巻
第
1
号 ] 回 転 球 固定球 o o 図64
球の接 触 点の傾斜 角−
ま 験 機II
型に お い て は こ の計 算 に よ る限界摩擦 係 数は1.
Ol
と な る。さ らに この
4
球式振 子 試 験に お け る も う一
っ の 問 題 点は,
振子の長 手 方向軸の ま わ りに は拘 束が ないた ぬ こ の軸 まわ りの回転運 動 が 振 子の振動に混入 し やすい こ とで,
これ は摩 擦面の位 置 を 不 安定にする。 この運 動 を 止め るには この軸ま わ りの構造の釣 合い な ら びに回 転 運 動の拘 束 を 必要とする が, これは試 験装置の複 雑化を も た らすの で,
この よう な単 純な原 理の試験 装 置と して は 好まし くな い と判 断 して,
これ 以 後の開発を中 止した。3.
1.
2 4球 式 ね じれ型試験摩 擦部 分を 前項の
4
球 式 振子 試験と同じ と して.
図7
の よ うに上部 鋼球 をフ レー
ム に取 り付け て,
下の3
個の 固定 球の上で回 転 方 向の振 動を行わ せ る方法 を 試み た。 荷重と し て は フ レー
ム の 下端に直径0.
6mm ,
長さ188
mm の ピア ノ線 を 取 り付けて下 方に引 張っ た。
フ レー
ム は厚さ6mm
の ア ク リル樹脂 製で,質量は
57 .
5
g
で あ り,
ピ ア ノ線の 引 張 力は数 十 g 程 度で ある。 これによっ てフ レー
ム の回転 方 向の振動 減衰を測定 し た。測 定に は初 期振 幅と して 60
°
を 与え, 半 周期ご との振 幅を 目 盛 板 に より 目視で測定 し た。
その例を図8
に示 す。 こ の図に見 られ る よ うに, こ の方 法は 減衰が極めて 大き く, したが っ て測 定 値が不 安定に なり やすい。 これ は ば ね定 数が大 き く振 動周 期が短い上に,
フ レー
ム が 回 転 方 向に対 して広い 面積を持っ て い る た め に空 気 抵 抗 も 加 わっ たことが原 因と なっ てい る。こ の 対策と して はフ レ
ー
ムの慣 性モー
メ ン トを大き く フ レー
ム ピア ノ線 噂 響 腫 引 張力 図 74球 式ね じ れ型試 験装 置 12 o
.
8 0.
4 o ● 無潤 滑 グ リー
ス 0 0 1 2 振 勤 回 数 図8
4球 式ね じ れ型 試 験にお け る振 動の減 衰 して 周期を長くす れ ばよ いが,
これ はフ レー
ムの大型 化 を 招 き,
そ れ に よ り空 気 抵 抗の増 加を招くことにな るの 4一
NII-Electronic Library Service 鋼 球を使っ た油 性 試 験 機の開 発 (岡本純三 ・ 大 森達 夫) で
,
その影 響に よ る誤差が測 定 値に入る可能性 が 大 き く な る とい う悪 循 環の発 生の お そ れ が あ る た め, こ の形式 の開発 も断念 した。
3.
2
4
球 式回転 型 試 験 機の 開 発 3.
2.
1 試 作 回 転型試 験 機 以 上の予 備 試 験の結 果 を基と し, ま た振 子 式の試 験 方 法が2,
2
項に述べ た基 本 的な問 題 点 を 持 っ て い るこ と,
ま た T 型振 子 式油 性 試 験 機 以 降の 計 測 器の 進歩 等も考 慮 して, 4
球を使用し た回転 式で摩擦 を 連 続 して測 定 す る方 式の試 験 機の 開発 を行っ た。
最 初に試 作 した形式を図 9 に示す。 4 球の 内の 下部の3
個は回 転 軸に固定 さ れて回 転 し,
上 部の1
個は枠に取 り付け ら れて い る。 枠は そ の ド部が ね じ り線を 介 して 重 錘に よっ て下 方に引張 られる。 鋼 球の摩擦によ り発 生す る摩 擦モー
メ ン トは枠に伝え られ,
枠の回 転は抵 抗 線ひ ずみ ゲー
ジを 貼っ た 板 ばねに よっ て受け ら れ て, そ の力 が測定さ れ る。 この場 合,
ね じ り線から生じ るモー
メ ン トが影 響 し ない よ うに,
ね じ り線の ばね定 数は板ば ねの そ れに対して無 視で きるだ け小さ く した。 な お,4
球を 潤 滑 するために必 要な潤滑 剤は4 〜5
滴で 十 分である。本 機によ っ て摩擦 試 験を行
っ
た が,
試 験 条 件は荷 重 図9
4
球 試 験 作回転型油 性 試験 機 o.
7 o.
6 0.
5i
o4 踏 O.
3 o.
2 0,
1 e O O,
5 1 L5 滑 リ速 度 mmis 図 10試 作 回 転 型 試 験機に よ る測定 例
60 〜243gf
で, 243gf の場 合の接 触面で は,
曽田T
型 試 験 機II
型で振子 の質量300
g の場 合の 接 触 面の ヘ ル ツ最大 接触 圧 力 1.
2GPa
と一
致 する。 ま た,
回 転 は 減 速 モー
タか らベ ル トを 介 して 行っ
た が,
接触 面の 滑り速 度 に して0.
5〜L4
mm !s と した。 その測定例 を 図10
に示 す が,
潤 滑剤 に よ る差が 認め ら れ,
こ の試 作 型 試 験 機に よ っ てf
分な デー
タ が得られるが わ かっ た。 と くに無 潤 滑お よびセ タ ン を使用 し た場 合の 摩 擦 係 数は 0.
45〜
0,
7 と な り, 振 子試 験で は得 ら れ な か っ た高い値が得ら れ た。3.
2,
2
改 良回転型試 験 機 試 作型試 験機の一
層の 小 型 化,
と くに枠の小型化を中 心に図11
に示 すよ うな改 良を行っ た。 図において上 部 鋼 球は中 央 部を削 り取っ た 円筒形の 保持具に取り付け ら れ る が, その保 持 具の内 部の上 端に は細い ね じり線が取 り付け られてい る。
ねじ り線は下 端が荷 重レ バー
に取り 付 け られて い る。 荷重レ バー
の他 端はナ イ フ エ ッ ジで 支 えられ て い る が, こ の ナ イフ エ ッ ジの 幅 は十 分に広 く し て,
荷 重 レバー
のね じり線の取付け端が ヒ下 運 動 以 外の 動きを行わない よ うに した。 こ の型によ る 試験 条 件は試 作 型に お けるの と同 じで あ る。 な お,
試験 鋼 球の下部に はヒー
タを組み込み,
ス リッ プリ ン グ か らの電 流に よっ て試 料 を 加 熱 するこ とが でき るように し た。 また,
テー
ブル や密 封装置はテー
ブル よ り上に気 密 槽 を 設 置 す れ ば 雰 囲 気の管 理が可能に な る よ う に し たた め で ある。 5 N工 工一
Eleotronio Library湘南工科 大学 紀 要
第 30 巻
第
1
号 保 持 具、
一
.
、
一
ね じ り線\ 一
荷重レバ
ー
ド
广
摩 擦 力 伝達 腕丶\
上 部 鋼 球L
、
馳
一
〒.
1丶、
ナ イフ エ ッ ン 糸・
重 錘.
一.
「
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一
一
一
.
:
’
「
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}
’
/ 1 テー
ブ ル/ / / 下部
轡
多
グ
オ イ ル シー
ル,
/ ス リッ プ リ ング 十 I i†
…丶
.
+ 0 リング、
荷重 上下ロ1
ベ ル ト 〆 / / / !」
’
了 図 11 4 球式改良回転 型 油性試 験 機 o.
7 o.
6 0.
5 ミ O.
4 鱶 0.
3 慢 O.
2 0.
1 0 セ タ ン 十 ス テ ア リ ン 酸 ロ グ リ ー ス 90 タ ー ビ ン 油 白 灯 油 セ タ ン 無 潤 滑 図 12 改 良回 転型試 験 機に よ る測定 例 い ろい ろ な潤 滑 条件に よ る試験の結果を図 12 に示 す が,
潤 滑 剤に よ る差は明ら かで,
本 機 が 油 性 評 価の た め に有 効である こ と が示さ れ た。 またこ の結 果におい て も 摩擦 係 数は無潤滑で 0.
66,
セ タンで は 0.
47 を示 し た が, 表1
のT
型 振 子 式 試 験の結果で は両 者の差が な く,
し か もO.
45
を 超 えてい ない。 そ こで こ の 問題につ い て 解 析を行 っ た 。4
.
V
溝
を持
っ 試 験 方 法の解 析
4.
1
振子 式 試 験におけ る摩擦係 数4,
1.
1
摩擦力が小さい場 合V
溝を持つ振 子 試 験に お け る荷重と摩 擦 力は,
通常は 図13
の よ うな力の釣 合と して 考え られていて, これに よ り摩擦 係 数が求め られて いる。 すな わ ちV
溝の 角 度 を φ, ピ ン に加わ る荷重 をW ,
法 線荷重 をN ,
溝が受け る摩擦 力をF ,
溝が水 平 面と なす角を θ とす る と,
N =
vai2
=
W
(2) sin (φ12
)2cos
θ この方 法では 荷 重 N を受け る場 所と摩擦 力F
が 発 生 す る場 所が それ ぞ れ 2 箇所つつ あ るの で,
摩 擦 係 数μa は2F
Fμ・
=
π
=
N
(
3
) と して求め ら れる。4.
1.
2
摩 擦 力 を考 慮した場 合前項の考え方は摩 擦 力が小さ くて測定系に影響を与え ない場 合に有効で あ る が
,
摩擦 力が大きい ときに は,
そ れ を考 慮し なけれ ば ならない の で,
その影 響を組込ん だ 解 析を行っ た。
(1
) 摩 擦 係 数い ま
,
図14
(a)の ように接 触 点A
に おい て摩 擦 力FI
が発 生 して い る とすると, ピ ン の 中心に は その反 力Fl が作用 し,
溝の面に は そ の分 力と してFn
お よ びF12
が 作用 する ので,
これら が接触 点の法 線 荷 重 を 減少また は 増 加 させ る。 図の 状 態で は点A
に 作 用 する法 線 力N
且 は,Ni =
N−
Fll と なる。 接 触点B
につ い て も同様で あ り,
摩 擦面の真の摩 擦係 数 をμt と して両 者をま と め る と 図 (b)の よ うな釣 合い状 態になるが, こ の関 係は次の 式 で表される。 図 13V
溝の 法 線 力と摩 擦 力一
NII-Electronic Library Service 鋼球を使 っ た油 性 試 験 機の 開 発 (岡 本 純二
・
大森 達 夫) 1 ・tS ・・φ{
1
+ 1−
COS φ sinip
一
μt COS φ sin φ一
、、。 φ…
睾
1
。 、φ・・11
・・t・・n・φ1
・・}1
}
μ (10) (乳) ‘b} 図14V
溝に おける法 線 力と摩 擦力 点A
:N
匸=N − Fll
十F21
F
聖=
μ‘ハ厂1=
μ t(N − Fll
十Fm
).
点B :N2=
1V− F12
十F22
F2二
μ11>2; μt(N −
」Fl2
十F22)二
1
:
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一
tlt2 COS2 φ十 μ, 2)sin2φ十 μt2q
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COS2 φ) sin φ(sin φ一
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1
十 μr2) Sln φ〔sinφ一
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(
μtl−
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十
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=
1−
tanφ ・… φ
(
μ1−
‘ tanφ)
(ll) (12) ラ@
ひ
45 ( j これらの 関係から
F1
とF2
は 次のよ うに 計 算さ
る。
瓦 ` μ ド μt2
…φ( μ
t1
−tan φ ) @ Y1
μ= 1 十 十 @ tanφ μ
t2
・・n2
φ(1
_
μf tanφ) (9
) XI ,Y
,を理する
と次のようにな
る。 μtsin
φXlt2COS
φ十μt2
Xl =sin
φ一μtCOS
φ _μt{s
φ十(1 −
cosφ )Ptps
φ 一μtCOS
φ (1
p
であるので同
様に整理す
ると μt
{1
一 μ 重tai
φ12
) }F2
= ( )1
十μ〜 とな る。
実 験 果 から 摩擦 係数 を計算 する際に は.
法線力 とし ては図 に示 し たN
を使
うの
,Fl
とF2
か ら 得 ら れ る摩 擦係 μ 、 は ,Fr
十F2
μ
a
=2 と な る の で , 式 ( 12 ) ,
(1 j を 代 入 す る と ,
・μ
t
μa
=1 十μ t2 となる。 (
15
) (1
式(16
)によりμtと
μa の関 係を求めた結 果を図 に 示す。 な お 図 中の鎖
線はμ 、 = μ、の関 係を
示す 線で る 。 この図よ りわか るように
,真の摩 擦係数
μr が0
.3以下 あればttt
とμ。
は等し い が,μt
が そ れ 以. ヒに な とμt
と μa
の差は
大きく
なり,μ ‘が大 き い値をる
よう
な っ て もV溝によ る 測定値μaは0.5を超えるこ と がない 。湘 南工科 大 学 紀 要 第 30 巻 第 1 号 15 ミ 垣… 1 ゆ 亠605 巳 > 0
一
司
0 05 1 1.
5 2 2.
5 真の摩 擦 係数 μt 0 20 30 40 50 60 限界 傾 斜角,
度 図 15 真の摩 擦 係 数と測 定さ れる摩 擦 係 数 (2) 滑り運 動の限 界 図14
(b
)か らわ かる ように,
摩 擦 力の分 力F12 とF22 の 差 が 大 き くなっ て 珊 が0 に な ると点B
にお け る接 触 が失わ れ,
点A
に おいて転が り運 動 を する。
こ の よ うに な る限界は, 次の よ う に して 求め ら れ る。 すなわち式 (6),
(7)お よ び (8
)におい てN2 ≡O
と置くと,
摩 擦 力 F2=
0
と な るの でF22
=0
で あ る か ら F,−
N (17) F12; sin φ したがっ て式 (12)より μt{1十μttan (φ!2
)} LO“
e.
8 鱶 o・
6 懺 ゆ IJ o.
4 轟 魑 0.
2 ● T 型 振子 試 験 04 球 式 振 子 試験1
十μt2=
1 (18) sin φ が限界の条 件と なる。 この式を 整 理 す る と,
次の よ うに な る。 μt{1
十μttan (φ!2
)};
sin φ1
十μt2μt2{tan{φ
t2
>−
sin φ}十μt−
sin φ=
0し た が っ て
一1
±一
μt=
2
{t
。n(φ121
−
。i。φ}− 1
±一
2[{(1
−
cos φ)1sin
φ}−
sin φ]− 1
± ,一
(2/sinip )(1
−
cos φ一1
+ cos2 φ)
− 1
±(2cos
φ一1
) (21sin
φ}cos φ(cos φ一
1)分子の 正号を とるとμ2が φに よる異 常な変 動や異 常 値 を示すの で
,
負 号を とる。 した がっ て一2cos
φSln φ μ8=
2cos
φ(cos φ『1
> 00 0.
2 04 0.
6 0.
8 1.
0 回 転 型 試 験によ る 摩 擦 係 数 μ.
図16
試 験 機に よ る摩 擦係 数の比 較 図15の曲線 まセタン
,
真
_−
! / ぺ
’
/!
無 潤 滑ノ / / /
/ /〆
簸
;
。 ,。酸望
sin φ1−
cos φ 一 …(
万
φ)
一
・an(
π φ 2 2)
=
tan θ (19
) こ こ に θは図13
に示 し た よ うにV
溝の水 平 面に対す る 角度で あ り, し た が っ てL1
節に述べ た転がり運動お よ び乗り上 げ 発 生の 限界と一
致する。 な お図15
の 横軸に は,
μ、に対 応 する限 界角度 θの値 も 記 入 し て あ るQ4.
2
回転型 試 験と振 子式試 験に よる摩 擦係数の比較 回転型試験 に よ る摩擦係 数をμ, とし,T
型 及び4
球 式 振 子 試 験に より求め た摩 擦 係 数をμv と して 比 較 し た もの を 図16
に示 す。 なお 図 中の曲 線 はμ,・
μ、,
・Pt。・
・
μ。 と して図15
の曲 線 をその まま 写 し たもの で,
実験の結 果 は計 算に よ る曲線 とよ く一
致 してお り,
これ よ り回 転 型 試 験に よ る結果を 真の摩 擦 係 数 と見 な すことが できると 考えられる。 な お4
球 式振子試 験の セ タンの場 合は,
限 界 角度を超え て転が り運 動が発生 し てい るの で比 較の対 象に はな ら ない。5
.
ま と め 直径4.
76mm
の4
個の軸 受 用 鋼 球を 使 用 しt 固 定さ れ た3
個の球に対して1
個の球を滑 ら せ る方 式の摩 擦 試 験 機 を 試 作 し,
潤 滑 剤の 摩擦減 少 能 力が評価で き るこ とを 示 し,
また,
振子式 試験 機に よっ て は得ら れない高 摩 擦係 数が得ら れ るこ とを明らかにした。 さらに振 子式8 一
NII-Electronic Library Service 鋼 球を使っ た油 性 試 験 機の開 発 (岡 本 純三