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質問紙調査結果の概要

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Academic year: 2021

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Ⅱ 質問紙調査結果の概要

現職の教 師たちが,研修や学習 について どの ような意識や要求 を持 っているのか,私たちが 実施 した質問紙調査 の選択式質問 と自由記述の 回答か ら読み取 ってみ よう

1.教師の能力観

教 師が必要 としている能力 あるいは教 師に不 足 している力 は,学習の必要性 を示す指標 で も ある。そこで 「次の点 について,今 の教員の力 は どの程度不足 してい る と思 い ますか。」 とい う設問 を立てて,図Ⅱ‑1の ような 11の項 目に

河上婦志子 鈴木そ よ子

ついて 「大 い に不足 してい る」 か ら 「十分 あ る」 までの評価 を選択 して もらった。

その結果

,

「大 いに不足 してい る」 と 「不足 している」 を足 した数値 を教師の持つ 「能力不 足感」 としてみ ると,その数値が最 も高い項 目 は 「社 会 人 と しての常識」 (34.2%) で あ り, 次いで 「一般的教養」 (32.9%)

,

「教材研究力」

(31.2%)であることがわかる

他方教師に十分備 わっている と考 えられてい るのは

,

「教育者 としての使命感」 (40.2%)で ある。回答者 には20代 か ら50代 までの教 師が 図Ⅱ‑1 「次の点 について,今 の教 員の力 はどの程度不足 している と思 い ますか

」 とい う設問に

対 する回答の分布 (未記入 を除 く) 11 事務処理能力

10 部活指

9 学級経営

8教育者としての使命感 7 生徒理

6 親とのコミュニケーション

5教員同士の人間関係づくり 4 社会人としての常

3 ‑股的教

2 教材研究

1教科に関する専門知識

0% 20% 40% 60% 80% 100%

Ej大いに不足 している ■不足 している □やや不足 している ロ十分ある

(2)

含 まれてお り,必ず しも若 い教 師 についての評 価 ではないに もかかわ らず,常識や教養 が不足 してい る とい う回答が得 られた ことに不安 を覚 えるが, しか し言 い換 えれば 「教材研究力」 な どと並 んで,学習の必要性 の 自覚 と受 け取 れな い こともない。 また教 師であるが故 の 自他 に対 す る厳 しさが現 れたのだ とも解釈 で きる。いず れに して も,教 師たちはさまざまな能力 ・資質 について,現状 で十分 とはみ な してお らず,学 習‑ の潜在 的な動機づ けを持 った存在 であるこ

とが わか る。

2.学習満足度

教 師たちはさまざまの研修 あるいは学習の機 会 を持 ってい る。 しか し中には形式 だけの もの, 教 師の能力形成 に有効で ない もの も含 まれてい る可 能性 が あ る。 そ こで10種類 の研修 ・学 習 機会 を設定 して

,

「教職 につ いてか ら行 な って きた研修 ・研究や学習 は, 自分 の能力形成 に ど の程 度役 立 ち ま したか。」 とい う設 問 を立 て,

「大 い に役 立 った」 か ら 「役 立 ってい ない」 ま での4段 階の回答 を用意 した。 また 「参加 して いない」 とい う選択肢 も設 けた。

図Ⅱ‑2か ら結果 を読 み取 ってみ る と,教 師 たちが最 も役立 った と感 じてい るのは 「先輩 か ら学 んだ こと

」(

「大 いに役立 った」56.0%

,

「役 立 った」38.4%,計94.4%)である。

半数の以上の回答者が 「大い に役立 った」 と してい る項 目は他 にな く,先輩教 師の持つ教育 力 ・影響力 に対す る評価が突 出 している と言 っ て よい。

次 いで 「個 人 的 自主学 習」 (「大 い に役 立 っ た」28.9%

,

「役立 った」49.1%)

,

「同僚 との 自 主学 習

」(

「大 い に役 立 った」17.7%

,

「役 立 っ た」42.2%) で, 自主的研 究 の有効性が実感 さ れ てい る と言 え る。 そ れ に 「教科 別研 修 ・研 究

」(

「大 い に役 立 った」17.2%

,

「役 立 った」

40.1%)が続 いてお り,教科 に関す る学習 ・研 修‑ の満足度が高い ことが窺 える

一方 「役立 っていない」の回答比率が高い項 目は

,

「組合研修

」(

「役立 っていない」18.5%

) ,

「経年研修」 と 「初任者研修」 (「役 立 ってい な い」 共 に14.7%)で あ る。教 育 委 員 会 に よる

「経年研修」 や 「課題別研修」 につ いて も役立 った とい う回答比率が低 く,教 師たちが官製研 修 の有効性 に疑問 を感 じてい ることが窺 える

図Ⅱ‑2 「教職 につ いてか ら行 なって きた研修 ・研 究や学習 は, 自分の能 力形成 に どの程度役立 ち ま したか。」 とい う設問に対 する回答 の分布 (末記入 を除 く)

10 個人的自主学習 9先輩から学んだこと 8 同僚 との自主学習 7民間研究会への参加 6 組合研修 5 校内研修 4 教科別研修 ・研究 3教委による課題別研修 2経年研修 1初任者研修

□大いに役立った

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■役立った □少 し役立った □役立っていない ■参加 していない

(3)

3.研修希望

次に直接 的な方法で教 師の学習ニーズ を明 ら かにす るために,教 師たちが希望 している研修 を質問 してみた。9項 目か らなる学習内容 を用 意 して 「次の ような研修があれば, どの程度受 けたい と思い ますか。」 と尋 ねてみたのである

その結果,図Ⅱ‑3に見 られ る ように,希望者 が多か ったのは教科 に関す る研修 である。「教 科 の指導技術

」(

「ぜ ひ受 けたい」43.5%)

,

「教 科 の専 門内容」 (「同」41.4%)とい うように, 4割 を超 える回答者が 「ぜ ひ受けたい」 を選択 してお り,「時間が取 れれば受 けたい」 を加 え る と

,

「指導技術 」 で92.9%

,

「専 門内容 」 で 94.6%と大多数が希望 してい る。教 師たちが 日 ごろか ら教科指導 に関す る力量形成 を強 く望 ん でいることがわかる。

その次に研修希望が多かったのが 「軽度発達 障害」であって

,

「ぜ ひ受 けたい」39.7%

,

「時 間が取 れれば」52.7%と,多 くの教 師たちが こ の問題 についての学習 を望 んでいる。

軽度発達障害あるいはその傾向 をもつ生徒 た ちが普通学級 に も増 えて きてお り,教 師たちが 対応 に苦慮 していることが窺 える。

質問紙調査結果の概要

一方,相対的に希望の少 ない研修 は 「学校 の 管理運営」 (「ぜ ひ受けたい」14.8%)や 「保護 者 との 関係 づ くり」(「同」22.8%),「IT活用 法

」(

「同」23.2%)である。 回答者 の年齢構成 が若 く20‑30代 が58.5%を占めてい る こ とが

「学校 の管理運営」 よ りは 「学級経営」 (「ぜ ひ 受 けたい」32.1%)への研修意欲が高い こと, あるい は

「 I T

活用」 の研修意欲 の低 い こ とと 関連 しているのか もしれない。 しか し 「モ ンス ターペア レン ト」 と世 間で騒がれているほ どに は,教 師たちは保護者 との関係づ くりを学 びた い とは思 っていない とい う結果 になった。

教科 に関す る研修希望が比較的高い とい うこ の結果 は,教科内容の理解 と知識の獲得や,技 術 の議論や伝達 は,学校現場 を離れて行 なえる 学習であることに由来す るのか もしれない。そ れに対 して学級経営や生徒指導,保護者 との人 間関係 などは,現場での臨場的 ・即時的な対応 や指導助言の中で学習 される ものであることを 示 してい る と考 え られ る。 ただ 「軽 度発 達 障 害」は新 しい課題であるだけに,学校 の中で知 識や経験が蓄積 されていないために,生徒対応 であるに もかかわ らず,学校以外 の場での研修 を望む声が生 まれて くるのだろう。

図Ⅱ‑3 「次の よ うな研修 があれば, どの程度受 けたい と思 いますか。」 とい う設問に対 する回答 の分布 (末記入 を除 く)

9 学校 の管理運営 8 学級運営 7 保護者との関係づ くり

6 生徒 指導 5軽度発達障害 4 カウ ンセ リング 3 IT活用法 2教科 の指導技術 1教科 の専 門内容

0% 20%

E3ぜひ受けたい ■時間が取れれば受けたい

40% 60% 80% 100%

□あまり受けたくない □受けたくない

(4)

4.研修方法

教 師たちが望 む研修方法 は どの ような ものか。

それ を知 るために5種類 の研修方法 を挙 げて,

「次の ような研修 が あれば, どの程 度参加 した い と思 い ますか

」 とい う質問 を した ところ, 図Ⅱ‑4の ような結果 にな った。 もっ とも希望 が多 いのが

,

「実践事例 の検討 」 で 「ぜ ひ参加 したい」が30.9%になっている。次いで 「ぜ ひ 参加 したい」の選択者が多いのが 「ワークシ ョ ップ」で19.9%であ る。参加型 の研修 に対す る 希望が多い といって よいだろ う。 ただ同 じ参加 型 で も

,

「デ ィベ ー ト」 に対す る希望 が低 いの は,「デ ィベ ー ト」 とい う方法が認知 されてい ない ことと, この討論形式が 日本人 に受 け入 れ

に くい ことが影響 しているのか もしれない。 し か し国際化社会‑の対応 と しては,教 師 もこう

した議論 の方法 を学ぶ必要があるだろ う。

5.研修参加の阻害要因

選択式 と しては最 後 に,「研 修 や研 究会 に出 席 しに くい理 由 として,次の ものは どの程度あ ては ま ります か。」 とい う質問 を した ところ, 図Ⅱ‑5の ように, もっ とも多 くの 回答者が挙 げた理 由は

,

「忙 し くて時 間が取 れ ない

」(

「大 い に当ては まる」71.3%)であ り, 次いで 「校 務 を休 んで 出張で きない」 (「同」62.0%)であ った。教 師たちが学校 の仕事 に追われて, 自分 の成長のための時間 を確保 しに くい状況がある ことが窺 える。その他の項 目について 「大いに

図Ⅱ‑4 「次の よ うな方法 の研修 が あれ ば, どの程度参加 したい と思 い ますか

」 とい う設 問 に対 する回答 の分布 (未記入 を除 く)

5 ITを使った研修 4 デ ィベ ー ト

3専 門家 の講演 2 ワー クシ ョップ 1 実践事例の検討

0%

ロぜひ参加 したい

20% 40% 60% 80% 100%

■参加 したい 口 あまり参加 したくない □参加 したくない

図Ⅱ‑5 「研修 や研 究会 に出席 しに くい理 由 と して,次の もの は どの程度 あてはま りますか

」 と い う設問に対 する回答 の分布 (末記入 を除 く)

7 内容が実践的でない 6 開催地が悪い 5他の教員への気がねがある 4管理職が認めてくれない 3校務を休んで出張できない 2 忙 しくて時間が取れない 1費用がかかる

0% 20%

□大いに当てはまる ¶ 当てはまる

40% 60% 80% 100%

口 あまり当てはまらない □ 当てはまらない

ヽ▼

(5)

当て は まる」 を選択 した回答者 は多 くて20%

程度で,教 師の学習機会 を阻害 している要因の 大半 は多忙 にあることが明 らかになった。

以上見て きた ように,選択式設問の回答か ら は,教師たちが最 も望 んでいるのが役割の中心 となる教科の力量形成のための 自主的 ・自発的 学習であ り,その方法 として職場の先輩や仲 間 との集団的参加型の研究会 を教 師たちは希望 し てお り,軽度発達障害児‑の対応 に戸惑 ってい る教 師が多い ことが明 らかになった といえよう

6. 大 学 で の研 修 に対 す る期 待 (自由記 述 回答)

これ まで大学 は教員養成 を担 って きたが,級 織 としては教員の現職教育 には関わって こなか った。だが,大学が研修 の場 を提供で きるな ら ば,教員が どの ような期待 を持 っているのか を 把握 したい とい う意図 を もって

,

「大学 で研修 す る機会があれば, どの ような内容や方法の研 修 を期待 しますか。」 と問い, 自由記述 の回答 欄 を用意 した。

記述内容 をその まま生か して研修内容 と研修 方法 に分類す ると,図Ⅱ‑6と図 Ⅱ‑7の ように なった。内容 に関す る回答 は230件,方法に関

Ⅱ 質問紙調査結果の概要

す る回答は76件。

図Ⅱ‑6「研修 内容」 についてみ る と,最 も 多 い ものが 「教科 ・道徳 ・総合 的 な学 習 の時 間 ・特別活動」 とい う教育課程 に関す る要望で, 41%を占め る。そ して,2番 目に 「生徒指導 ・ 子 ども理解 ・進路指導」 に関す るものが全体の 29%に当たる

選択式の質問に対す る回答の概要の うち本章 の

「 1

.教 師の能力観」

,「 3 .

研修希望」 として 上位 に挙げ られた内容が,大学で受けたい研修 内容 に反映 されているとみることがで きる。加 えて,大学の教育 ・研究 について も強い関心が 寄せ られていることがわかる。

研修方法 につ いて,図Ⅱ‑7「研修 方法」 を みると,事例 をめ ぐる検討や実践例,具体 的な 問題解決例 な どが50%を占め る。 これ らは, 円グラフでは 「事例研究」にまとめている。そ して

,

「参 加 型」32%, さ らに

,

「相 談 ・交流 会」18%と続 く。大学な らではの専 門家 を交 え た実践例の検討や最新情報 についての検討 を参 考 に して, 自分の教育実践 を振 り返 り,新 たな ヒン トを得たい とい う姿勢が明確 に表れている と読み取れる。

図Ⅱ‑7 「研修方法」

(6)

7.教師の抱 える課題 (自由記述回答) 教 師の抱 える課題 は,教 師が学 習 を必要 と し て 内容 を示 唆 す る もの で あ る との考 えか ら,

「あ なたが課題 と してい る こ とは, どの よ うな こ とですか」 とい う問い を設定 して, 自由記述 で 回答 して もらった。

これ には多 くの教 師が長短 さまざまの回答 を 寄せ て くれた。 これ らの回答 に教 師の具体 的 な 学 習 ニーズ を読 み取 る ことが で きる とい え よう。

全体 を通 しての印象 を もとに教 師が どの ような 課題 を抱 えてい るか を大 まか に分類 す る と,1) 教科指導,2)生徒 指導,3)学級 経営 ・学校運 営,4)発達障害 ・特別支援,5)その他 , とな る。個別 に検討 を加 えてみ よう。

1)教科指導

① わか る授業 ・や る気 を出 させ る授業 の方法 回答 か ら読 み取 れ るのは,教材分析 を積 み重 ねて, さ らにそれ を生徒 の興味 関心 に結 びつ け る工夫や テ クニ ックに教 師たちが苦慮 してい る ら しい こ とで あ る。教 師 が 「わ か った こ と」

「興 味 を もった こ と」 を,生 徒 が 「わか り」,

「面 白い と思 う」 よ うにす るに授 業 方法 を教 師 たちは模索 してい る ように見 える。教 師 と生徒 の興味 関心 のあ りように,ズ レが生 じてい るの か も しれ ない。

② 評価 方法

評価 方法 について 自信 を持 て ないでい る様子 が窺 える。生徒 の学 習 の評価 ばか りで な く, 自 分 自身の授業 の評価 について も, どの ように新 しい評価 方法 を使 って分析 す れ ば よいのか迷 っ てい る ようであ る。教 師 自身が,授業改善 に結 びつ くと確 信 で きる ような評価 方法が必要 なの か も しれ ない。 また受験 指導 を課題 と してい る 教 師 もい る。

2)

生徒指導

不登校 の生徒 や問題生徒 , あ るい は生徒 との コ ミュニケー シ ョンの と り方 な ど具体 的 に示 し

てい る回答 もあ るが,一般 的 に生徒 指導が課題 であ る との回答 も多 い。 と りわけ中学校教 師 に この課題 を上 げ る人が多 い ようであ る。家庭環 境 の変化 ,複雑化 が もた らす 問題 の多様性 と複 雑性 に対応 す るのに苦労 してい る との声 もあ る

部活指導 を含 めて生徒 指導 の中で,生徒 を理解 や生徒 との良好 な関係 を保 つ こ とに心 を砕 いて い る様子が窺 える。

3)学級経営 ・学校 運営

学級経営 を課題 と してあげ る回答者 は小学校 教 師が多 いが, 中学校教 師 に もい る。 た とえば 席替 えに仕方 や委員会 の決 め方 な どについて も, 指導上 の工夫が必要 な ようであ る。 中高年 の回 答者 か らは,学校 の運営 や若手の指導 が課題 と

して挙 が ってい る。

4)発達障害 ・特別支援

回答 者 の うち特 別支援 学校 勤務 者 が12人 い る こ とに加 えて,普通学級 に軽度発達 障害 を持 つ生徒 を抱 えてい る教 師 もいて, この領域 に し た 回答 が22あ った。 回答者 た ちは,発 達 障害 に関す る知識 ・理解 ,効果 的 な指導方法,他 の 生徒 との関係 づ くり,保護者 との対応 な ど多岐 にわた る課題 を挙 げてい る。 この領域 にお ける 教 師の研修 や訓練 が不 十分 なまま,統合教 育 を 実施 されて しまったので はないか と思 われ る また特別支援学校 の専任 であ って も,専 門的知 識 や技 能 を身 につ けたい との要求 は強 い ようで あ る

5)その他

(∋保 護者‑ の対応や地域社会 との関係

生徒 指導 と関わって,保護者 との対応 を課題 とす る教 師 は中学校 に多 い傾 向が見 られ る。荒 れや問題行 動 の指導 には保護者 の協力 が不可欠 であるに もかかわ らず,協力 を得 るこ とが 困難 な状況が あ る ようだ。 また関連機 関 との連携 の 持 ち方 について悩 んでい る教 師 もいる。学校全 体 で取組 んだ り,教 師同士 で支援 しあ った りす

(7)

る態勢があるのか どうか,疑問 を感 じる

(参教師の多忙

教 師の多忙 を訴 える声 も多い。忙 しくて 「課 題」 を考 える暇す らない, とい う回答 もあった。

総合学習 ・新 しい評価方法 ・ゆ とり教育 といっ た改定 に加 えて,生徒指導 はます ます困難 にな り,雑務が増 えているために,教師 自身がゆ と りをな くしているとい う状況が浮かび上が って くる。

6)

教師の課題 に応 える学習機会

こjlら自由記述回答か ら読み取れる教師の学 習ニーズ を,提供すべ き学習機会 とい う視点か ら見 る と,お よそ3つのテーマが浮かび上が っ て くる。

(∋わかる授業 ・学力が伸 びる授業の工夫 教 師たちは,教材研究の先 にある実際の授業 場面で,教材研究の成果 を生か しきれていない もどか しさを感 じているようだ。 どの ような授 業 をすれば生徒 の理解や学力の向上 に結 びつい てい くのか,生徒 に 「わかった」 と言 わせ るこ とがで きるのか, さらには成果が上が った と評 価す ることがで きるのか,そこに悩 んでいるよ うだ。効果的な授業 の ヒン トを与 え,方法上の 例 を示 して くれる講習が望 まれているように思 われる。

(参軽度発達障害 についての基礎知識 と対応方法 自分のクラスに軽度発達障害の生徒 を抱 えて 苦慮 している教 師が少 なか らず存在す るようだ。

十分 な知識や対応技能がないためにきちん とし た指導がで きていないのではないか と悩 んでい る様子が窺 える。現在 の研 究で明 らかになって いる基礎 的な知識 ・情報 を提供 し,対応の基本 やポイ ン トを学習す る機会 を提供で きれば,教 師の不安 を解消す ることになるだろう。 また教 師同士の情報交換 ネ ッ トワークを形成す ること がで きれば, よ りよい指導 を生み出す ことがで

きる。

③生徒指導

生徒指導 に多大の時間 と労力 を割いている様

質問紙調査結果の概要

子が読み取れた。 とりわけ中学校教師の負担 は 大 きい ようである。 しか も家庭環境や保護者の 意識の変化 によって,教 師 自身の経験以上の生 徒理解 を要求 され,保護者 との対応 に迫 られて いる。相手の反応が想定の範囲を超 えることは, 当事者 に大 きなス トレスをもた らす。 さまざま のケースがあ り, また さまざまの解決策がある ことを知 ることによって,教 師の対応能力が増 大 し,教師に精神的な安定 をもた らす ことがで きるのではないか。それが よりよい生徒指導 に つなが るだろうと考 えられる。

大学 ばか りでな く,教育委員会や民間の研究 会 は, この調査で明 らかになった教師の実情や 課題意識 に応 える学習機会 を提供することが求 め られていると言 えよう。

参照

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