神大の英語教育の現状 と提言
(1)絶望的クラスサイズ
外国語 を身につけるためには継続的集中的訓練 を要す る。法令大綱化 により外国語 を重視す る大 学ではカリキュラムの大改革が進行 している。亜 細亜大学や慶応大学 (藤沢キャンパス)ではアメ リカの大学の場合 と同 じように月曜か ら金曜 まで 毎 日午前 中語学 の授業 を実施 し効果 を挙 げてい る。東海大学 ・亜細亜大学 ・会津大学では約3
0
名 の英米人講師が徹底 的 に英語運用力 をつ けてい る。欧米では外国語教育は
1
クラス15
名以下である のが絶対条件であ り、国際キリス ト教大学の16
名、亜細亜大学の平均2
0
名は当然 といえる。ところで神奈川大学の現状 はどうであろう。経 済学部 と法学部の全3
0
クラスが1
クラス60
名 を越 えている。平成4
年度か ら英米人講師を多数採用 したが、多人数 クラスに験 き、 日本人講師 も不満 を強 く訴 えている。3
年前 に発足 した数学改革委員会では神奈川大 学の語学改革 を訴えたが結果的には1・2
年次 に9 0
分4コマ 8
単位の体制 は変わらなかった。工学 部機械科 は4単位、つ まり週1
コマに減 らした。ただ経済学部は英語科の提案 を受け入れ、 1年次 週
3
コマ、 2年次1
コマ、法学部 は3・4
年次の 選択英語 を卒業必修単位 に算入 を認めた。 しか し 演習科 目としての外国語学習 としては全 く不十分 であることは明 らかである。(2)非常勤講師に過度 に依存
旧設置基準では非常勤依存度は
5 0%
以下である こ とが大学 としての最低 の要件 となっていた。1 99 0
年度の調査では私立大学の60. 7%が この基準
松山 正男
を充た していた。1
5. 8%は依存度6 6%、2 3. 5%
が75%であった。
神奈川大学 は最悪の部類 に属する。昼の学部の英語の実状 を示そ う。専任 はいわゆる 一般 (教養)英語担当者だけでな く英文科の専任
を含む。 1コマは
9 0
分授業である。平成 総 コマ 専任 非常勤 専任比率
1
年2 21
コマ6 8
コマ1 5 3
コマ3 0. 8%
2
年2 3 0 6 8 1 62 29. 4%
3
年2 45 6 5 1 8 0 2 6. 5
%4
年2 5 7 65 1 92 2 5. 1%
5
年2 7 4 5 9 21 5 2 1. 5%
6
年2 5 4 5 7 1 9 7 2 2
.4%
この表か らも明 らかなように、大学 としての最低 の条件である旧設置基準 に照 らして も専任教員数 を現在 の
3
倍 に しては じめて非常勤 との比率が5 0%
つ ま り1対1となる。大綱化 とはもしその大
学が例 えば英語教育に力 を入れるなら非常勤 の比 率 を無限に0
にしてよい とい う意味である。平成
5
年以後専任担当のコマが激減 したのは英文 科 目のカ リキュラムの充実 と、特 に大学院の新設 に伴 い英文科所属 の専任が、(一般)英語発足当 時の6 0
コマの出講が40、35、32と減少 し、平成6
年 は25コマになったことによる。いずれにして も英語担当教員の4人に3人が非 常勤講師 (総数11
0
名)に依存 していることは教 育について責任体制 をとることを非常 に困難 にし ている。(一般)英語の専任 は現在11名であるが、学生数か らみて例 えば東海大学 は
41
名、東京大学48
名、慶応大学38
名であ り、他学の3
分の1
の専 任数であることは明 らかであろう。(3)進 まないカリキュラム改革
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(4)
過去
3
年にわたる教学改革委員会の改革の一つ の柱 はLa n g ua g eRe s o ur c e s
で あった。 しか し、結果的には上記のようにクラスサイズで も専任比 率で も改善は全 くみ られず、かえって物理的条件 は悪化 しつつある。
従来はどこの大学で も授業内容や方法は完全 に 担当教員に任せ られて きた。 しか し、大綱化 と共 に東京大学、亜細亜大学、東海大学などでは統一 教材 を、 さらに筑波大学 と他
8
大学では統一試験 を実施 している。立命館大学、筑波大学、東海大 学、亜細亜大学、他11大学では入学時に学力調査 をし習熟度別クラス編成 を行い、学力に応 じた授 業 を行 なっている。特 に注 目すべ きは国際キ リス ト教大学では学力 に応 じて週5‑ 1
コマ とし学力 不足者は1
年で神奈川大学の4
倍の単位 を小人数クラスで実施 している。
神奈川大学で現在 までに合意に達 し、実施 され ているのは英語
Ⅰ(
1年次必修 )の2コマをA(普 声面重視 )B
(文法 ・作文中心)英語 Ⅰの2
コマ をA(異文化理解)B(専攻 に関連 した教材)に 分類 したことである。(4)入学者の英語力 と学習意欲
1987年88年89年に入学者の学力調査 を実施 しお お よそ下記の結果 を得 た。「共通 1次」入試で全 国平均以上は経済学部45%、法学部40%、工学部 30%Ⅱ部 2%、学力優秀者 は経済学部11%、法学 部 3%、工学部 6%であった。
この結果か ら判断 して基礎か らしっか り学力 を つ ける必要があ る学生 は経 済学部55%、法学部 60%、工学部70%
、
Ⅰ部97%に達する。教養課程の英語の不評判 は高校の授業の蒸返 し で興味をそそ らない といわれている。他方高校の 学習 を身につけていない者が55‑97%いる。授業 にいっそ うの工夫が要 ることはもちろんだが、学 習者の関心 ・動機付 けが学習効果に大 きな影響力 をもつ。そこで1987年〜93年にわた り新入学者の アンケー ト調査 を実施 して きた。過去7回の調査 の結果 はおよそ下記の とうりである。
英語が好 き19% 嫌い41% その他40%
英語 を大学で学ぶ必要があるか。
必要あ り75% 必要 な し18% その他 7%
神奈川大学で熱心 に学ぶ意欲があるか
意欲あ り35% 意欲 な し53% その他20%
英語の どの技能を特 に身につけたいか(複数回答 ) 聴 く力25% 話す力53% 読 む力14%
書 く力 2% 総合力36%
「英検」 を入学以前 に取得 した者 (調査3,000名)
1
級0
名 準1
級2
名2
級7
1名 大学3
年、 4年 になって上級英語 を選択 したいかする25% しない44% わか らない31%
(5)再履修者の激増 と処理
1・2
年次の必修単位 を落 とした者 を対象 に英 語 Ⅲ (再履修 クラス)を開講 している。現在2000 名の登録者がいて、 1クラス100名 を超すの もあり、出席率 も悪い。そこで過去
6
年 アンケー トを とり下記のことが判明 した。英語Ⅰ・
Ⅰを落 とし たのは、病気 ・事故のため 2%、学力不足23%、授業 ・教師‑の不満55%、アルバイ ト・クラブ活 動多忙17%、学習意欲 な し16%、英語嫌い20%、
学習方法わか らず
6 %
(複数回答)平成
4
年度か ら英語 Ⅲの履修者 を減 らすため出 席は 3分の 2以上、合格 して も50点 を原則 とする ことに したが、根本的な解決に迫 られている。(6)15の提案
1. 1クラスの人数 を現在の半数以下 にす る。
2.そのためには講堂 (
教室) ・教員 ともに不足 す るので、必修 をやめて英語 は選択 とす る。3.
選択 にす るもう一つの重要 な理由は、本人の 学習意欲 を尊重す るためである。4.
基礎力がな く英語 を基礎か らや りなお したい 学生のために基礎特訓 クラスを設 ける。5.
学力 ・意欲 とも勝れた学生のために特訓上級 クラスを設 ける。 この2
つの特訓 クラスは月 曜 日か ら金曜 日まで毎 日演習する。6.英語選択希望者が教員数、講堂数に比べて多
す ぎる場合 は東京大学方式で多人数 クラスと 小人数演習 クラスを並立 させ る。7.
英語Ⅰ・
Ⅰの到達 目標 を語桑数 ・レベルで明 示す る。8.
英検・TOEF・TOEI C
コースを開講す る。9.他大学 ・機関 ・検定制度などとの単位互換 を
すすめる。10.魅力 と特色ある授業研究 ・公開等 を促進する。
ll.授業 の始 め と途 中に学生か ら各教員が ア ン
llrHIHHHlHHHHIJHllIHHllltHllMHHIHlllHHllHHHIHHIHHIHIHlllllllllHHltHllHHHHlHHHtIHHlllHHIIlHlIllHIHHlrHlHHlllllllllHlllHllllllHHHllHlHHHHHIHHlHllHHlllllllHlHHlf
( 5)
ケ‑ トをとりつつ授業 を進める。
1 2.大学の 自己評価委員会 の費用 と計画 によ り、
慶応大学 (藤沢)が実施 しているような学生 によるアンケー トを学期末 に実施 して、授業 方法 ・内容の参考 にす る。
1 3.各教員が授業 に工夫 し、その結果の発表や研
究会 をひらく。1 4.1 9 9 4
年4
月 に新入生 の学力調査 (今 回は全学 生でな く学部学科か ら選択 )を例年 どうり実 施す る。1 5 .
神奈川大学語学検討協議会 を発足 させ、全学 的に外国語教育の充実 を検討 し、その実施 を 学長 ・各学部 に強力 に要請す る。(以上)lHHltHIHHIHHIHHIHHlHHIHHlllHHHHlHHlmHHlHHlllHlHIHHlllIHHHIHHlHHllHHllHIlHHllJHHIHHHIHIHIHHHIHllIMIIHIHHHlIHIHIllHIHllHIHHHHHLHlllHHtHHIHHIllIHIllHt