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第 7 章橋梁付属物

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第7章 橋梁付属物

7.1 支 承 3-7-1 7.1.1 支承の基本条件 3-7-1 7.1.2 橋座の設計 3-7-3 7.1.3 支承移動量の計算 3-7-8 7.1.4 段差防止構造 3-7-9 7.2 伸縮装置 3-7-10 7.2.1 一 般 3-7-10 7.2.2 必要伸縮量の算定 3-7-11 7.2.3 伸縮装置の種類及び選定 3-7-13 7.2.4 品 質 規 格 3-7-15 7.2.5 鋼製フィンガージョイント 3-7-19 7.2.6 プラウ系除雪車対策 3-7-25 7.3 排 水 装 置 3-7-27 7.3.1 排水装置の設計 3-7-27 7.3.2 高規格道路排水桝の使用区分 3-7-30 7.4 橋梁用防護柵 3-7-32 7.4.1 橋梁用防護柵の分類 3-7-32 7.4.2 橋梁用車両防護柵の種別と適用 3-7-33 7.4.3 橋梁用ビーム型防護柵の設計 3-7-38 7.4.4 コンクリート製壁型防護柵の設計 3-7-39 7.4.5 高欄兼用車両用防護柵の設計 3-7-40 7.4.6 高欄(歩行者自転車用柵)の設計 3-7-40 7.4.7 地覆の形状 3-7-41 7.4.8 橋梁用防護柵の支柱の定着 3-7-42 7.4.9 橋梁用防護柵の形状及び材料の選定 3-7-43 7.4.10 橋梁用防護柵の防錆 3-7-44 7.4.11 橋梁用防護柵の標準設計図 3-7-46 7.4.12 床版に与える影響 3-7-47 7.4.13 高速道路における中央分離帯の形状 3-7-48 7.4.14 転落防止施設 3-7-49 7.4.15 コンクリート製壁式防護柵の止水対策 3-7-50 7.5 落橋防止システム 3-7-51 7.5.1 落橋防止構造システム 3-7-51 7.6 橋梁維持・管理用施設 3-7-62 7.6.1 一 般 3-7-62 7.6.2 橋梁用検査路 3-7-62 7.6.3 維持用装置 3-7-65 7.7 踏 掛 版 等 3-7-67 7.7.1 踏掛版の設置箇所および版の長さ 3-7-67 7.7.2 踏掛版の設置位置および設置幅 3-7-68 7.7.3 踏掛版の設計 3-7-69 7.7.4 斜角を有する踏掛版 3-7-70 7.7.5 橋台背面処理 3-7-72 7.7.6 橋台ウイング(擁壁)端部の排水処理 3-7-74 7.8 落下物防止柵他 3-7-75

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7.9 はく落防止対策 3-7-79 7.9.1 一 般 3-7-79 7.9.2 適用範囲 3-7-79 7.9.3 はく落防止対策工の選定 3-7-84

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第7章 橋梁付属物

7.1 支 承

7.1.1 支承の基本条件 (1) 支承部の設計は道路橋示方書・同解説(以下「道示」という。) Ⅰ共通編4.1支承部およびⅤ耐震設 計編15章支承部の照査の規定により行うものとする。 【解 説】 従来は、レベル2地震動に対して支承部の機能を確保できる支承をタイプBの支承と定義し、変位制限 構造と補完し合って抵抗する構造をタイプAの支承と定義していた。しかし、支承部の点検や維持管理の 確実性及び容易さ、第三者被害が生じないように配慮し、レベル2地震動に対して支承部の機能を確保す る構造のみを規定している。 また、変位制限構造の定義も廃止されているため、別構造でレベル2地震動に抵抗させる支承構造を採 用する場合は留意する必要がある。 なお、パッド型ゴム支承や帯状ゴム支承とアンカーバーの組合せによる支承部構造については、機能 分離型の支承部という位置付けになるため、レベル2地震動により生じる水平力を分担することが期待 されるアンカーバーの設計地震力は、H24 年の道示Vの15.4 の規定によることとする。

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ゴム支承の適用 支承の反力 RD *1 支承の反力 RD+RL+1*2 連続径間数 免震構造の 固有周期 耐震設計上 の土質定数 橋と 地盤の共振 橋と 地盤の共振 ゴム支承を 用いた地震時 水平力分散構造 ゴム支承または 鋼製支承を用いた 多点固定構造 ゴム支承または 鋼製支承を用いた 固定可動構造 鋼製支承を 用いた 固定構造 免震支承を 用いた免震構造 不可(大反力、大変位支承を必要とする橋など) 可能 <0 ≧0 <0 ≧0 ≧0 =0 単純桁 連続桁 <TO*3の2倍程度 共振する 共振する 共振しない 共振しない ≧TO*3の2倍程度 注)*1 RD :死荷重による支承反力 *2 RL+1 :衝撃を含む活荷重による最小反力 *3 TO :固定構造とした場合の固有周期

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7.1.2 橋座の設計 (1) 橋台および橋脚の橋座部は、支承部からの鉛直力や水平力に対して十分な耐力を有するよう設計 しなければならない。 (2) 支承の据付高さは、支承底面の突起が橋座コンクリートの中に入るよう設計し、橋座部は、D16 以上の鉄筋で補強すること。支承固定用の充填材には無収縮モルタルを用いることとする。また、 上揚力を伴う場合は、アンカーボルト、アンカープレートによる対処を検討するのがよい。 (3) 帯状ゴム支承またはパッド型ゴム支承を有するスラブ橋の支承縁端距離は、道路橋示方書・同解 説Ⅳ8.6により所要量を確保するものとする。 (4) 橋座部は、維持管理の確実性及び容易さを考慮して、施工空間の確保や支承交換に伴う仮受け部 の強度確保など、構造的な配慮を行うのがよい。 【解 説】 (1) 橋座部は、道路橋示方書・同解説Ⅳ8.6に規定するように、破壊に対する安全性を耐力照査によ り確保するとともに、寸法については支承縁端距離Sを確保することとする。 1) 橋座部の水平耐力の評価 道路橋示方書・同解説Ⅴ15.2規定する支承部の設計水平地震力に対し、橋座部が十分な耐力を 有するように設計を行なう。橋座部の耐力に関しては次式により算出してよい。 Pbs=Pc+Ps Pc=0.32α σck ・Ac Ps=Σβ(1-hi/da)σsyAsi ここに、 Pbs :橋座部の耐力(N) Pc :コンクリートの負担する耐力(N) Ps :補強筋の負担する耐力(N) α :コンクリートの負担分を算出するための係数で、図7.1.2による。 σn :鉛直力による支承下面の支圧応力度(N/mm2)。支承に作用する死荷重反力を支承の σck :コンクリートの設計基準強度(N/mm2) Ac :コンクリートの抵抗面積(図7.1.3参照)(mm2) β :補強筋の負担分に関する補正係数で、0.5としてよい。 hi :i番目の補強筋の橋座面からの距離(m) da :支承背面側のアンカーボルトの中心から橋座縁端までの距離(m) (図7.1.4参照) σsy :補強筋の降伏点(N/mm2) Asi :i番目の補強筋の断面積(mm2)

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図7.1.2 コンクリートの負担分を算出するための係数α 図7.1.3 コンクリートの抵抗面積Ac 図7.1.4 hiとdaの取り方 2) 支承縁端距離 支承縁端と下部構造頂部縁端との距離(支承縁端距離)S(m)は、次に示す値以上とする。 S=0.2+0.005λ(m) ただし、 λ:支間長(m) 0.15 2.66 0 0.2 0.6 1.0 0.4 0.8 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 0 1.2 α σn/√σck 45° 45° 45° 45°  よび下方へ45度の広がりを考慮した3つの面) (支承背面側のアンカーボルトの中心から側方お 斜線部:コンクリートの抵抗面 アンカーボルト

d

h

i a

45°

コンクリートの抵抗面 S S

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橋座部に段差がある場合の内側支承縁端距離は、図7.1.6による。 ①Δh > S'+bの場合 S'≧Sとする。 ②Δh≦ S'+bの場合 S'≧20㎝とする。 (a)鋼製支承、鋼製下沓のあるゴム支承 ・Δhと支承(アンカー)からのせん断面に関係なくB≧2・Sとする。ただし、ゴム支承縁端から もS"≧20㎝を確認するものとする。 (b)ゴム支承(アンカーバーで水平力を負担する支承) 図7.1.6 内側支承縁端距離 (2) 支承に働く鉛直力には支承下面のコンクリートが抵抗し、上揚力、負の反力にはアンカーボ ルトが抵抗する。また、水平力には下沓底面の突起とアンカーボルトが抵抗する。 これら支承部の設計は道路橋支承便覧(平成16年) 3.7「上部構造の支承取付部」3.8「下部構 造の支承取付部」によるものとする。支承の据付をより確実に行なうため無収縮モルタルを使用 することを原則とした。据付高さは、モルタルの流し込みの確実性と経済性から図7.1.8に示す 箱抜き標準図によるものとする。 また、突起による支圧抵抗を期待するためには、突起が下部工躯体に埋め込まれるのが望まし いので少なくとも突起の一部が橋座コンクリートに入るように設計するものとした。下部工躯体 の開孔径は、円筒型枠のサイズに合せ統一した。 Δh S' b S Δh S' b S 45° 45° Δh S″≧20cm S' S B

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図7.1.7 箱抜きの標準形状 開孔径(D㎜) アンカーボルト径(φ㎜) 125 25以下 150 26~50以下 175 51~75 200 76~100 225 101~125 250 126~150 (a)鋼製支承および積層ゴム支承の場合 ゴム支承(タイプ A) b+100 a+ 10 0 b a b+100 20 3 0 b 50 50 (b)パッド型ゴム支承の場合 図7.1.8 支承据付箱抜き標準図

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図7.1.9 沓座モルタル補強鉄筋 橋座部は、上部構造からの荷重を直接受けるので、計算上補強鉄筋の必要がない場合でも、鉄 筋で補強しておくのがよい。 (3) 道路橋示方書・同解説Ⅳ8.6の主旨は地震時における橋座縁端の欠け落ち防止と、桁の落下防 止である。この条文では、対象として桁橋を中心に据えている表現となっている。スラブ橋につ いては必ずしも、対象として明言されていないが、道路橋示方書・同解説に準じて縁端距離を確 保するものとする。 関連規定:道路橋示方書各編 日本道路協会 道路橋支承便覧 日本道路協会 道路橋支承標準設計 日本道路協会

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7.1.3 支承移動量の計算 (1) 可動支承の移動量は道路橋示方書共通編4.1.3によるものとする。なお、大規模橋梁(支間50m以 上の連続桁)、高橋脚(h>20m)を有する橋梁、軟弱地盤上の橋梁等地震時に橋脚天端変位の比較的 大きな橋梁にあたっては、橋脚天端の変位を加えて照査するのがよい。 (2) 場所打PC橋の場合には、プレストレスによる弾性変形を考慮しなければならない。 (3) 温度変化は、表7.2.3によるものとする。 【解 説】 計算移動量(常時)は、橋の種類や支承の設置方法により適切に算出しなければならない。橋種別 の計算移動量算定項目の一例を下記に示す。 計算移動量(Δ ) Δ =Δ t+Δ s+Δ c+Δ p+Δ d+Δ r+Δ α 表7.1.1 常時の水平移動量の項目 橋種 鋼橋 PC橋 RC橋 移動量の項目 プレキャスト桁 場所打ち 温度変化 Δ t ○ ○ ○ ○ コンクリートの乾燥収縮 ※ Δ s - ○ ○ ○ コンクリートのクリープ ※ Δ c - ○ ○ - コンクリートのプレストレス による弾性変形 ※ Δ p - - ○ - 桁の死荷重によるたわみ※ Δ d △ △ △ △ 桁の活荷重によるたわみ Δ r ○ ○ ○ ○ 桁を傾斜配置する場合 Δ α - ▲ - - 注) ○は必ず考慮する項目を示す。△は施工方法などによっては考慮する項目を示す。 ▲は、主桁の縦断勾配が3%以下の桁形式で支承を桁に平行に据付ける場合に考慮する。 ※は地震時の水平移動量と組合せる場合に考慮する項目を示す。

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鋼製受台あるいは 予備ゴム支承 7.1.4 段差防止構造 (1) 耐震性能2を確保する橋の支承部においては、支承部に破壊が生じた場合においても、上部構造 を適切な高さに支持できるように配慮しなければならない。 【解 説】 支承本体の高さが高い支承部や台座コンクリートの高さが高い支承部等では支承部の損傷により数百 mm の段差が生じる可能性もあるため,構造的な対策が必要となる場合もある。その対策として,従来規 定されていた段差防止構造の設置は有効である。 段差防止構造としては,コンクリートや鋼製の台座を設けたりするものがある。なお,段差防止構造 は上部構造の鉛直荷重を支持できればよく,水平方向に設計地震力を考慮する必要はない。 段差防止構造の設計においては鋼部材の場合には許容応力度の割増係数1.7 を考慮してよい。コンク リート部材の耐力としては,コンクリートの断面積に設計基準強度を乗じて求められる耐力を用いてよ い。 図7.1.10 段差防止構造例

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7.2 伸 縮 装 置

7.2.1 一 般 伸縮装置の型式は、下記の条件を総合的に検討のうえ選定するものとする。 (1)設置する道路の性格 (2)橋種型式 (3)必要伸縮量 (4)全体的な耐久性 (5)走行性(平坦性) (6)排水性と水密性 (7)施工性 (8)補修性 (9)環境問題(騒音と振動) (10)経済性 【解 説】 (1) 型式の選定は、最も大切なことであり、設置する場所ではまず何が優先するかを定め、総合的に 判断して決めなければならない。 (2) 積雪地では、冬期間のチェーン装着車などの通過によるわだち掘れ、段差の形成および衝撃の増 大による耐久性の低下が著しいので、ゴム部材が直接路面に出ているものおよび装置をボルト締め にする構造のものは、特に理由がなければ使用しない方がよい。 (3) 特に縦断勾配の大きい橋、斜角のきつい斜橋および曲線橋などでは、伸縮装置に垂直方向のくい ちがいが生じたり、大きなせん断力が働いたりするので、型式の選定にあたっては注意を要する。 図7.2.1 縦断勾配による変位図 図7.2.2 斜橋の変位図 図7.2.3 曲線橋の変位 斜橋および曲線橋の場合には、支承の移動方向の伸縮量、Δ は、橋端線方向にΔS、橋端線直 角方向にΔdの変位を伴う。 Δd=Δ sin θ θ:斜角 Δs=Δ cos θ Δ :伸縮量 ここで、支承の移動方向Δ の方向に測った遊間を伸縮遊間とし、橋端線に直角方向(Δdの方向) に測った遊間を桁端遊間と呼ぶ。 (4) 積雪寒冷地の伸縮装置は,漏水が伸縮装置鋼部材,主桁,支承および下部構造の腐食・損傷の原 因となり,また,路面からの土砂や圧雪の進入による遊間の目詰まりや,凍結融解により止水性能 が損傷しやすい環境下にある。そのため,確実な止水性能を確保し,かつ漏水・浸透水対策として 二次止水構造が配置された構造形式とするのが望ましい。また、二次止水構造の端部等の低い位置

Δd=Δ ×tanθ

θ

Δd

Δ

変位

θ 横軸方向 (可動) (固定) けた 端遊 間 Δ Δ s Δd 伸縮遊間 Δd Δ ΔS 動 沓 可 可 動 沓 Δd Δ ΔS θ θ 沓 定 固 動 可 移動方向 移動方向

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7.2.2 必要伸縮量の算定 (1) 常 時 伸縮量は、温度変化、乾燥収縮・クリープ、活荷重たわみによる移動量による伸縮量と余裕量の合計をいう。 伸縮量の算定は、表7.2.1および表7.2.2によることを標準とする。 表7.2.1 伸縮量簡易算定式 (単位 ㎜) 項 目 橋 種 鋼 橋 鉄筋コンクリート橋 プレストレストコンクリート橋 伸 縮 量 温度変化 0.6 (0.72 ) 0.4 (0.5 ) 0.4 (0.5 ) 乾燥伸縮 - 0.2 β 0.2 β クリープ - 0.4 β 基本伸縮量 (①+②+③) 0.6 (0.72 ) 0.4

+

0.2 β (0.5

+

0.2 β) 0.4

+

0.6 β (0.5

+

0.6 β) 余 裕 量 基本伸縮量×20%、ただし、最小10mm (施工誤差等が大きい場合は別途考慮) 注) :伸縮桁長(m) β :低減係数 表中の( )内は、寒冷な地域の内、最低気温が-25℃以下とならない地域(温度変化-20~+40℃) に適用、その他の地域については、図7.2.4 最低気温分布を参考のうえ、温度変化に対応した伸縮 量を算定するものとする。 表7.2.2 乾燥収縮・クリープの低減率 コンクリートの材令(月) 1 3 6 12 24 低 減 係 数(β) 0.6 0.4 0.3 0.2 0.1 【解 説】 (1) 温度変化については、表7.2.3および図7.2.4によるものとする。 (2) 余裕量には、桁のたわみによる桁端部の回転変位と施工誤差を含む。 (3) 表7.2.1は温度変化による伸縮量であり、地震による変位量は、支承の設計から得られる変位を 考慮するものとする。 表7.2.3 温度変化(℃) 地 域 鋼 橋 コンクリート橋 -25℃以下とならない -20 ~ +40 -15 ~ +35 -25℃ ~ -35℃ -30 ~ +40 -25 ~ +35 -35℃ ~ -45℃ -40 ~ +40 -35 ~ +35

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図7.2.4 最低気温分布図(単位:℃) (2) 地 震 時 (1) 伸縮装置は、レベル1地震動に対する照査においてその機能が確保されるように設計する。(2)ま たは(3)のいずれかの規定による場合においては,これを満たすものとみなす。 (2) 伸縮装置の伸縮量は、式(7.2.1)により算出するレベル1地震動に対する地震時設計伸縮量以上 を確保する。ただし,道路橋示方書・同解説Ⅰ共通編4.2.2に規定する設計伸縮量の方が大きい場合 においては、その値を下回ってはならない。 LER=δ+L(上部構造と橋台間) ・・・・・・・・・・・・・(7.2.1) LER=Cδ+L(隣接する上部構造の間) ここに、 LER :伸縮装置の地震時設計伸縮量(mm) L :伸縮量の余裕量(mm) δ :レベル1地震動が作用した場合に伸縮装置の位置における上部構造と下部構造の相対 変位(mm) C :遊間量の固有周期差別補正係数で、隣接する2連の上部構造の固有周期差⊿Tに基づ いて道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編表-14.4.1の値とする。 (3) 伸縮装置は、レベル1地震動が作用したときに伸縮装置本体及び取付部材に生じる断面力以上の耐 力を確保する。この場合、伸縮装置本体及び取付部材の耐力は、割増係数 1.5 を考慮した許容応力 度から算出してよい。

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7.2.3 伸縮装置の種類及び選定 (1) 種 類 伸縮装置を表7.2.4のように分類する。 表7.2.4 伸縮継手の型式分類 分 類 概念図 型 式 種 類 特 色 伸縮量 (mm) 使用可 能橋種 埋 設 方 式 歴青シート アスファルト混合物 伸 縮 分散型 埋 設 ジョイント アスファルト混合物の伸縮 性を利用したジョイントで、路 面が平坦となり経済性、走行 性、補修性等に優れたジョイン トである。 t≦50 PC RC 突 合 せ 方 式 シール材等 アンカー鉄筋 コンクリートor樹脂モル 突合せ型 目地板 ジョイント 注入目地 ゴ ム ジョイント 目地部に、目地板・注入目 地・ゴム製シール材などを挿 入・注入・接着などした構造で、 目地材か輪荷重を指示せず止 水を目的としたものである。な お、目地隅角部を鋼材・樹脂材 などで補強したものや、目地材 をアンカーで定着させるもの も含む。 t≦50 S RC PC 支 持 方 式 アンカー ゴム板 マット型 マット ジョイント 目地部に架け渡したマット 状のゴム板または補剛材付き のゴム板で直接輸荷重を支持 する構造である。 伸縮はゴム板の弾性変形など でとらせている。 20≦t≦100 S RC PC サポートビーム ミドルビーム モジュール 型 モジュール ジョイント 直接輪荷重がのるミドルビ ームを、床版遊間に架け渡した サポートビームで支持する構 造である。なお、止水のためゴ ム製シール材が挿入されてい る。 25≦t≦1200 S RC PC 鋼製フェースプレート 片持ち型 鋼フィンガー ジョイント (片持式) コンクリート フィンガー ジョイント 櫛形のフェースプ レートまたは櫛形に 形成した床版端部を 左右からかみ合うよ うに張り出した構造 である。 鋼製とコンクリート製とが ある。 20≦t≦1000 S RC PC コンクリート スライディ ング型 鋼重ね合せ ジョイント 鋼フィンガー ジョイント (先端支持式) 矩形または櫛型の 鋼製フェースプレー トを目地部に架け渡 した構造である。 t≦1000 S RC PC 特殊型 デマーク式 リンク式 STジョイント その他 他の形式に分類が 困難な特殊構造をし ている。 400<t<2,000 S PC

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【解 説】 埋設ジョイントの採用にあたっては、使用実績、伸縮量、クリープ等について検討を行なう。 伸縮量(mm) 100 200 300 400 500 600 800 1000 1200 2000 分類 埋設ジョイント 突合せ方式 支持方 式 マット型 モジュール型 片持ち型 スライディング型 特殊型 図7.2.5 伸縮量による伸縮装置選定表 図7.2.6 伸縮装置選定フローチャート START 斜 角 が 小 さ い 橋 縦断勾配が大きい橋 曲 線 橋 移動方向、縦断 方向変位への対 応を考慮した形 式選定が必要 コンクリート橋 鋼 橋 鋼製フィンガージョイント 鋼製フィンガージョイントで 対応可能な伸縮量 伸 縮 量 ※ 鋼橋の場合、本体製作と同時に製作が可能となるため、鋼製フィンガージョイントが 一般的に経済的となる。 ※ コンクリート橋の場合は、一般的に既製品ジョイントが使用される。 埋設方式 突合せ方式 支持方式 支持方式 モジュール型 特殊型 等 t≦50mm t>50mm NO NO YES 50 100 20 20 25 400 1000 1000 1200 2000 50

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7.2.4 品 質 規 格 伸縮装置に用いる各材料は、所定の品質規格を満足していなければならない。 【解 説】 (1) ゴ ム 材 突合せジョイントなどに使用するゴム材は、良質のクロロプレン系ゴムより成型したもので、表 7.2.5 の規格を満足するものでなければならない。 表7.2.5 伸縮装置用ゴムの品質規格 項 目 試験方法注)1 単 位 規 格 値 引張強さ JISK6301 ダンベル状3号形 N/mm 2 15以上注)2 伸 び 〃 % 300以上 硬 さ JISK6301 HS 55±10 引裂強さ JISK6301 B型 N/cm 3.0以上 老 化 試 験 引張強さ 変化率 JISK6301 70℃×96hr % 20以下 伸び変化率 〃 % 20以下 硬さ変化 〃 HS +10以下 圧縮永久ひずみ JISK6301 70℃×22hr % 25以下 注)2 注)1 試験頻度は引張強さ、伸び、硬さ、引裂強さについては1ロットにつき1回とする。老化試験、 圧縮永久ひずみは、同一配合コンパウンドについて3ヶ月に1回とする。 2 試験片は同一ロットより取り出した同一加硫条件の標準試験板とする。 3 突合せジョイントのうち、表皮ゴムと内部の発泡ゴムからなる伸縮装置において表皮ゴムの引 張強さの規格値は12N/mm2以上とする。 4 突合せジョイントのうち表皮ゴムと内部の発泡ゴムからなる伸縮装置において圧縮永久ひず み試験は合成体に対して行ない35%以下とする。 ゴムにはキズ、気泡、異物の混入、クラック等があってはならない。さらに形状機能としては、 ゴム表面部材の最小厚は3㎜以上、最大圧縮時に上部が盛り上らないこと。 なお、一つの伸縮装置に用いるシールゴムは原則として一本物で現場に供給するものとし、加硫 の段階では2本以上に分かれる場合は、工場で加硫接着または同等以上の接着法により、一本物に して出荷しなければならない。

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(2) エポキシ樹脂モルタル エポキシ樹脂モルタルは表7.2.6の品質規格を満足するものでなければならない。 表7.2.6 エポキシ樹脂モルタルの品質規格 項 目 試 験 方 法 単 位 規 格 値 比 重 JISK6911に準じる。 - 21.5±0.10 曲げ強度 JISA1106に準じる。 (4㎝×4㎝×16㎝) N/mm 2 25以上 圧縮強度 JISA1108に準じる。 (φ5㎝×10㎝) 〃 50以上 圧縮弾性係数 ASTMD-695に準じる。 (φ5㎝×10㎝) 〃 0.4~8.0×10 4 (3) エポキシ樹脂 エポシキ樹脂は表7.2.7の品質規格を満足するものを用いることを標準とする。試験頻度は同一 ロットにつき1回とする。 表7.2.7 エポキシ樹脂の品質規格 項 目 試 験 方 法 単 位 規 格 値 比 重 JISK6911に準じる。 - 1.15±0.10 粘 度 JISK6838に準じる。 CPS 1700±1000 曲げ強度 JISK6911に準じる。 N/mm2 15以上 圧縮降伏強度 JISK6911に準じる。 〃 35以上 圧縮弾性係数 ASTMD-695に準じる。 〃 (0.05~0.35)×104 (4) け い 砂 エポキシ樹脂モルタルに用いるけい砂はJISG5901に規定するものとし、完全乾燥して防水梱包し たものを現場に搬入するものとする。なお、一度開袋したけい砂は使用してはならない。 現場配合時に残留水分は重量比で0.5%以下でなければならない。 (5) 注入目地材 注入目地材は、ポリサルファイド系シーリング材を用いることを標準とする。 JISA5757及び5758の規定に合格したものを用いる。(鋼フィンガージョイントの非排水形式のバ ックアップ材とは異なる) (6) コンクリート 伸縮装置の設置に用いるコンクリートは本体コンクリートと同等以上の品質を有するものでな ければならない。

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(7) 鋼 材 鋼製フィンガージョイントに使用する鋼材の材質、板厚等は表7.2.8を標準とする。 表7.2.8 鋼製フィンガージョイントの使用鋼材 材 質 寸法、板厚、規格等 フ ェ - ス プ レ ー ト SM400B JISG3106最小厚25㎜ ウ ェ ブ プ レ ー ト SM400A JISG3106最小厚12㎜ 下フランジプレート SM400A JISG3106最小厚12㎜ リ ブ プ レ ー ト SM400A JISG3106最小厚10㎜標準500㎜ピッチ ア ン カ ー プ レ ー ト SM400A JISG3106最小厚9㎜フラットバー使用 ア ン カ ー バ ー NSD400相当 D25㎜6本/リブ間隔、最小長300㎜ 排 水 関 係 SUS304 JISG4305 セ ッ ト ボ ル ト F10T ダブルナットとする。 (8) 強化プラスチック 突合せジョイントでエポキシ樹脂モルタルを使用する場合には、強化プラスチック層を設けるか、 またはガラスチップを入れるものとする。ガラス繊維はJISR3412をたて糸とし、JISR3413をよこ糸 としたものを標準とする。 (9) 弾性シール材 鋼製フィンガージョイントの非排水形式の弾性シール材は、表7.2.9の性質を標準とする。 表7.2.9 弾性シール材 項 目 条 件 一般性質 試 験 方 法 比 重 20℃ 1.1±0.2 JISK6350に準じる 硬 度 (ASKERC) 20℃ 8±5 SRIS0101-1968 (日本ゴム協会標準規格に準じる) 最 大 引 張 応 力 N/mm2 -20℃ 3以上 JISA5758に準じる 20℃ 0.08以上 水中浸漬 0.08以上 200時間ウェザー 0.08以上 破 断 時 伸 び (%) -20℃ 500以上 JISA-5758に準じる 20℃ 600以上 水中浸漬 500以上 200時間ウェザー 500以上 5 0 % 圧 縮 強 度 (N/mm2) 20℃ 0.07±0.05 JISK-6767に準じる 復 元 性 試 験 ( % ) 50%圧縮 90以上 JISK-6301に準じる 引張・圧縮 繰返し試験 7000回 異常なし JISA-5758に準じる

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(10) バックアップ材 表7.2.10 バックアップ材 バックアップ材(ポリエーテル系ポリウレタン(高弾性タイプ)) 項 目 温 度 条 件 規 格 値 試 験 方 法 密 度 (kg/m2) JIS-K-6401 に準ずる 85.0±6.8 JISK6401に準ず 硬 さ (kg) 45.0±5.5 反発弾性率 (%) 60以上 反縮残留歪率 (%) 3.0以下 繰返し圧縮残留歪率 (%) 1.5以下 (11) 防食仕様 伸縮装置は雨水や凍結防止剤の影響を直接受ける部材であることから,耐水性に優れた防食仕様 が必要である。 伸縮装置の防食仕様は,「鋼道路橋防食便覧」に示されている塗装系のうち,伸縮装置の塗装に求 められる性能(耐水性,防食効果の耐久性)に最も適応する「D-5塗装系」を基本とする。 また,床版等のコンクリート接触面にはさび止めとして,「無機ジンクリッジペイント」を塗布す るのがよい。 鋼製フィンガージョイントの例を下記に示す。 その他の形式の伸縮装置については,本項の趣旨を踏まえて防食性能を確保する必要がある。 図7.2.7 鋼製フィンガージョイントの防食仕様例

舗装

D-5塗装系

無機ジンクリッジ

桁側

橋台側

無機ジンクリッジ

D-5塗装系

(22)

7.2.5 鋼製フィンガージョイント 鋼製フィンガージョイントは、図7.2.8を標準とする。 注) ±α:温度変化または地震による設計伸縮量 β:ウェブ遊間 図7.2.8 鋼製フィンガージョイント標準図 1) 鋼製フィンガージョイントは支持型式を標準とする。 2) 鋼製フィンガージョイントは非排水式とする。 但し、縦断勾配の非常にきつい場合、斜角のきつい場合は片持型式についても検討する。 PC橋に使用する場合、T荷重をフィンガージョイント本体で受け持たせると、張出し床版長が 長いと不経済となる場合があるため、桁端部の張出し床版を打上げることを検討する。 図7.2.9に参考図を示す。 付根厚 ) (張出し 床版 (伸縮装置用切欠き) h テーパー区間 h b1 端支点横桁厚

(23)

【解 説】 (1) 許容応力度 鋼製フィンガージョイントに用いる許容応力度は次のとおりとする。 1) 鋼 材(SM400) 許容引張応力度 σta =140N/mm2 許容圧縮応力度 σta =140N/mm2 許容せん断応力度 τa =80N/mm2 隅肉溶接許容せん断応力度 τa =80N/mm2 2) 床版および橋台コンクリート 設計基準強度 σck =24N/mm2 許容付着応力度 τoa =1.6N/mm2 許容支圧応力度 σba =12N/mm2 (2) 設計荷重 鋼製フィンガージョイントに用いる設計荷重Pおよび衝撃係数iは次のとおりとする。 P=100kN ゴム材、鋼材からなる伸縮装置:i=0.4 表面に張り出しを有する鋼部材を持つフィンガージョイント等:i=1.0 (3) ウェブ遊間と非排水構造 ウェブ遊間は必要伸縮量(鋼橋の場合は0.864λ)で決まらず、ウェブと樋の間隔で決まる。 なおバックアップ材がフラットバー根本の溶接箇所に直接接する場合は、下図のようにバッ クアップ材底面偶角部を10mmずつカットする。 図7.2.10 非排水構造標準図 弾性シール材充填厚み(t1) 最小厚さを70mm、最大厚さを100mmとして、標準温度時ウェブ遊間の1/3程度とする。 弾性シール材充填遊間(W) 固定側は標準温度時ウェブ遊間で弾性シール材の充填をおこない、可動側は表7.2.12による。 バックアップ材厚みと底面加工(t2) 標準時ウェブ遊間により、以下の厚みを確保すること。 表7.2.11 バックアップ材の厚み区分 A部詳細

(24)

支持プレート幅 バックアップ材下の支持プレート幅(C)は、充填材に支持機能を満足させるために、最大圧縮時 に最小フィンガー遊間(20mm)が残る長さとすること。 図7.2.11 最大圧縮時 弾性シール材填充時のウェブ遊間は次表による。(可動側) 表7.2.12 填充時のウェブ遊間 地 域 填充時のウェブ遊間 -25℃以下とならない -10℃の時の遊間 -25℃ ~ -35℃ -15℃の時の遊間 -35℃ ~ -45℃ -20℃の時の遊間 注)1 固定側は標準温度時10℃のウェブ遊間で填充を行なう。 2 地域については図7.2.4を参照のこと。 (4) フィンガープレートの計算 曲げモーメントは、端固定、他端単純支持とする梁として計算する。 支間中央の曲げモーメント :MC= 5 32Pβ 固定端の曲げモーメント :MB=- 3 16Pβ ∴設計曲げモーメント :MB=- 3 16Pβを使用する。 フィンガープレートの抵抗幅を500mmと仮定し、フィンガープレート厚(t)の計算をする。 σ = MB 1/6bt2 = 3 16Pβ× 6 bt2 = 18 16 × Pβ bt2 B C A 2 β β β P P 2 β

(25)

表7.2.13 フィンガープレート厚(t㎜) β t(計算値) t(使用板厚) 200 25.4 28 225 26.9 28 250 28.3 30 275 29.7 30 300 31.1 34 325 32.3 34 350 33.5 36 375 34.7 36 400 35.9 38 425 37.0 38 450 38.0 38 475 39.1 40 500 42.4 43 (5) 異形スタッドジベルおよびリブ 異形スタッドジベルおよびリブは共同して荷重を受け持つものとし、その荷重分担には異形スタ ッドジベルが5/6、リブが1/6を受け持つものとする。 (6) リブアンカープレートとフィンガーの控長 フィンガーの控長はフィンガープレートの設計曲げモーメントに対して、リブとアンカープレー トの共同作用により抵抗するものとして計算する。 M≦MR M :フィンガープレートの設計曲げモーメント MR :リブ及びアンカープレートによる抵抗モーメント MR :MRR+MRF MRR :1本のリブによる抵抗モーメント MRF :2本のアンカープレートによる抵抗モーメント 表7.2.14 ウェブ遊間(β)とフィンガー控長(d)の計算 ウェブ遊間 (β) 曲げモーメント(M) (N・mm) 仮定控長 (d0) 抵抗曲げモーメント d0のとき(M) 決定控長 (d) 100 3,750,000 180 10,311,000 180 125 4,687,500 〃 150 5,625,000 〃 175 6,562,500 〃 200 7,500,000 〃 225 8,437,500 〃 250 9,375,000 220 15,216,800 220 275 10,312,500 〃 300 11,250,000 〃 325 12,187,500 〃 350 13,125,000 〃 375 14,062,500 〃 R M M 50 d 10 40 250

(26)

1) リブによる抵抗モーメント(MRR) σmax = τa・2・0.707・Sより MRR = σmax・(d-10)2 3 = 0.4714・τa・S・(d-10)2 N・mm τa :すみ肉溶接許容せん断応力度=80N/mm2 S :すみ肉溶接サイズ=6㎜ 2) アンカープレートの抵抗モーメント(MRF) MRF =1.1547・Fa・(d-40)N・mm Fa :F1~F4の最小値とする。 ① アンカープレートの引張による耐荷力 (F1) M = 0.5774・F 2 σT = M Z + F A より F1 = σta 0.5774・ 2 Z + 1 A (N) ………① σta :許容引張応力度=140N/mm2 A :アンカープレート2本当り断面積 z : 〃 断面係数 ② コンクリートの付着による耐荷力 (F2) F2 = 4・(50+9)・ 1・τoa (N) ………② τoa :アンカープレートの許容付着応力度=0.8N/mm2 ③ コンクリートの支圧による耐荷力(F3) 0.5774・F3 = 2・9・ 1・σba 2 より F3 = 1・σba 0.06416 (N) ………③ σba :コンクリートの支圧応力度 0.5σba= 12N/mm2 ④ 溶接部のせん断応力度による耐荷力 (F4) τ = H 0.707・S・4・58 = F 82.012・S より F4 = 82.012・S τa (N) ………④ τa :すみ肉溶接許容せん断応力度=80N/mm2 S :すみ肉溶接サイズ= 6㎜

S

max

10

d

n

σ

58 θ=60° S F H=2F ba

σ

0.5774 F 1 2 0.5774 F F 1 2 1.1547Fa 1 FR FR 2 FR Fa 60° 0.5774 Fa

(27)

(7) 床版端部切欠き部の検討 PC及びRCの床版あるいは桁形式では伸縮装置設置のため床版端部に切欠きを設けるが、伸縮装置 設置施工に車輌等が通過することもあるので、端支点上について断面欠損を考慮したせん断応力を 照査しなければならない。 (8) フィンガーの形状 図7.2.12に示す形状を標準とする。 図7.2.12 フィンガーの形状 (9) 床版張出部の照査 床版張出部等でコンクリートの端横桁または端ブラケット、橋台に支持しない箇所における鋼製 フィンガージョイントのフランジ及びウェブの断面は、橋軸直角方向により決定する。 (10) 樋 1) 樋は地覆端部のスライド板までとする。 2) 地覆部の形状は図7.2.13を参考とし決定すること。 バックアップ材 樋 弾性シール材 て決定のこと 形状を考慮し 斜橋の場合は 地覆 歩道又は 100 車   道 40 60 60 3 60 100 20 40 100 床版コンクリート施工後セメントペーストで埋込みの事 20φ孔 400~600程度 水抜又は空気抜 6 6

(28)

7.2.6 プラウ系除雪車対策 除雪計画のある路線の橋には、伸縮装置のスノープラウなどによる引っかけ破損を防止するため、伸縮 装置にスノープラウ誘導板を設置するものとする。 【解 説】 伸縮装置の両側に配置する誘導板間隔の目安としては225mmピッチ程度で配置するのが良いが、ジョイ ント構造や形式により配置が困難な場合もある。よって、スノープラウ誘導板の長さ(最小PL=260mm) とテーパー部寸法(最小TL=150mm)と配置ピッチの照査を行い、適切な構造配置とするものとする。 走行車線が上下に分離されている場合など除雪車の走行方向が定まっている場合では、走行方向の片 面側(手前側)のみにスノープラウ誘導板を配置する対応としてもよい。 スノープラウ誘導板の板厚は22mmを標準とし,ジョイント設置高さは,舗装計画高さと同じ高さとす る。 板厚 t=22mm 伸縮装置本体部 TL寸法 10 35 85 80 50 40 65 30以 上 PL寸法 アスファルト舗装 150 10 35 85 130 22 30 50 15 25 90 TL寸法 150 PL寸法 図7.2.14 スノープラウ誘導板(参考図) 注)1 スノープラウ誘導板がパラペットに収まらない場合は、パラペット頭部を厚くする。 2 スノープラウ誘導板の寸法及び開口寸法は、パラペット及び床版の鉄筋との取り合いに注意 して決めるものとする。 3 スノープラウ誘導板と基部コンクリートは一体構造とし、伸縮装置本体の損傷を防止するも のとする。 4 補強鉄筋までのかぶりは、30mm以上確保するものとする。また、通し筋設置箇所のスノープ ラウ開口部は閉塞形状とする。 5 新設する伸縮装置スノープラウ誘導板部の路面は、アスファルトで処理するのを原則とする。

(29)

(2) スノープラウ誘導板の設置間隔の決定方法 図7.2.15および7.2.16(a)(b)を参考に決定するとよい。 除雪 進 行 方 向 伸 縮 装 置 W TL 30 ° C L θ=90° 斜 角 プ ラ ウ 角 度 ス ノ ープ ラ ウ 誘 導 版 (T L= 150 と し た 場 合 ) プ ラ ウが 同 時 に ・ 点 に 到 達 す る W を求 め る 。 W≦ 30 tan 150 (W=225mmを採用する。)また,誘導板長さPL≧2・W・tan30°となる。 図7.2.15 直橋の場合 (a)左斜角の場合 (b)右斜角の場合 除雪進行方向 W TL 30 ° θ CL 斜角 伸縮装置 プラウ角度 スノープラウ誘導版 除雪進行方向 W TL 30 ° CL θ 斜角 プラウ角度 スノープラウ誘導版 伸縮装置 図7.2.16 斜橋の場合 W≦ θ 90 tan 30 tan 150 但し,W<225mmとなる場合はW≧225mm(標準) とし を算出する。 TL≧W tan30 tan90 θ W≦ θ 90 tan 30 tan 150 但し,最大で300mm程度とする。

(30)

7.3 排 水 装 置

7.3.1 排水装置の設計 橋面には排水をすみやかに行なうために必要な横断勾配、また、高架橋には、排水を考慮し縦断勾配をつ け路肩には必要な間隔に十分な大きさの排水桝を設けるものとする。排水桝の間隔は20m以下とするのがよ い。 排水管の内径は最小部で15㎝以上とし、ごみ・泥など除去しやすい構造とするものとする。箱桁、トラス 部材などの閉断面で、構造上水のたまりやすい場所には水抜き孔を設けるのがよい。 排水管の設置は、橋梁本体の景観デザインの支障とならないよう配慮すること。 高規格道路の排水桝には長尺桝を使用するものとする。 【解 説】 (1) 排水桝は第6集標準図集「排水装置(排水桝)」によるものを標準とする。 (2) 排水桝の設置間隔は20m以下を基本とするが、設置条件により排水桝間隔を拡げる必要がある場 合には計算式により設置間隔を決定するものとする。(計算は道路土工排水工指針に準拠する) 計算式による必要間隔長が橋脚間隔より長い場合には、各橋脚位置で排水するものとする。また、 計算式による必要間隔が橋脚間隔より短い場合でも、できる限り桁腹板に添わした導水管が短くな る様に排水桝位置の計画を行うものとする。 (3) 排水装置は、清掃が可能な構造とする。 (4) 材質は凍結による破損の恐れのないものとする。 (5) 上部構造の振動により接続部、取付装置が外れない構造とする。 (6) 排水管の末端は、一般の河川上の橋梁では桁フランジより20㎝下で切り放し、たれ流してよい。 ただし、支承の付近では沓座面より20㎝程度下げておくこと。 (7) 排水管の屈曲はなるべくさけること。 (8) 排水桝の設置位置については、橋梁下の道路や鉄道から外れた位置に設置することを検討する。 (9) 縦断勾配および片勾配の関係で橋面が凹になる場合には、必ずその凹部の最低部に排水桝を設け ること。また、その付近での排水桝の間隔は3~5m程度とするのが望ましい。 (10) 伸縮装置の近くには排水桝を設けて伸縮装置への流入量を極力減じるなど配慮することが望ま しい。 (11) 排水管を地盤面まで下げる場合は、橋脚位置で行なうとよい。 (12) 水平に近い排水管は、極力避けること。構造上、水平に近い排水管を設ける場合は、ヒーティ ングを施すこと。

(31)

(14) 排水桝を設けるため床版等の鉄筋を切断するときは、図7.3.1に示すように切断した鉄筋に相当 する補強鉄筋を排水桝の周囲に配置しなければならない。 (15) 高架橋などで橋軸方向に配置する排水管は、(図7.3.2~7.3.4)を参考に設計するとよい。 (16) 排水管及び排水管桝は、耐久性、維持管理を考慮し、亜鉛メッキを標準とする。ただし、排水 管においては景観への配慮が必要な箇所は、亜鉛メッキの上に塗装を行なってよい。また、塩害 の影響を受ける箇所に設置するものは、別途考慮を行うこと。 (17) 流末処理を適切に検討すること。 特に下部構造周辺の土砂洗掘に留意すること。 (18) 伸縮装置は、非排水形式を採用することとなっているが、伸縮装置上の越流計画はしないもの とする。ただし、中小橋で伸縮装置に埋設ジョイント等を使用した場合、橋梁上に排水桝を設置 しなくても良い。 地覆 補強鉄筋 排水桝 図7.3.1 排水桝補強鉄筋 フレキシブルダクト 勾配は 3%以上とする。 以上の円管 内径 150mm 継手 図7.3.2 排水桝装置の設置例(a) フレキシブルダクト

(32)

図7.3.4 排水桝装置の設置例(c) (19) 排水管の取付けは従来、排水設備としての機能、維持管理の面からのみ考えられ、景観に与え る影響が考慮されていない例が多かった。そのため、景観が特に悪い橋でなくても、排水管のた めに醜くなってしまう場合、あるいは、本体構造は景観に配慮した美しい形であっても、排水管 の不適切な取付けがそれを損ねてしまう場合が多い。したがって、例えば以下に示すような工夫 を行なうとよい。(図7.3.5) ① 排水管を桁内部に引き込む。 橋台壁面に切欠きを設け、排水管を埋め込んで流下させる。 なお、排水管を主桁に通す場合には、排水管の腐食による水漏れ等により桁が損傷することが ないよう留意すること。 また、排水管を屈曲させる場合は、滞水、目詰まり等、その機能がおろそかにならないように 排水管の勾配及び桁部から下部工部への接続に留意すること。 図7.3.5 景観に配慮した排水設備の設計例 関連規程:道路橋示方書 Ⅰ共通編 日本道路協会 道路土工排水工指針 日本道路協会 橋脚 排水から決まるF.L 決まるF.L 道路機能から 曲部詳細 ~ ~ 6 注意事項 1.補強板の材質は、主桁と同一とする。 排水補強板 2.補強板の板厚は腹板と同等以上とする。 腹板厚 R H2 H1 L1 φ139.8 R φ1 φ139.8 φ2 L2 t 60 t 60 B2 B1 B3 60 60 B2 B1 内径150mm以上 内径150mm以上

(33)

7.3.2 高規格道路排水桝の使用区分 排水桝は、橋梁規模、設置位置等のよりA、Bの2タイプに区分して適用するものとする。 【解 説】 (1) 排水桝の使用区分 排水性舗装を用いる場合の排水桝の使用区分を以下に示す。 排水桝タイプ(A、B)は、“第6集 標準設計図集 第3章 高規格道路 9.橋梁”を参照のこと。 注意事項 中央分離帯の※1については、Bタイプの排水桝を設置することを基本とし、省略する場 合は、路面排水について十分に検討すること。 図7.3.6 排水桝設置例 〔拝み勾配の場合〕 〔片勾配の場合〕 ※1 ※1 ※1

(34)

(2) 排水桝の設置位置

長尺排水桝の設置位置は、地覆の内側に入れてはならない。

長尺排水桝の設置高さは、その位置における舗装表面より10mm下げるものとし、設置勾配は路 面勾配に合わせるものとする。

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