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学位論文題名Satelliteーobserved Spatial and Temporal Variability of Tokachi River Plume and its Impact onPrimary Productivity along Eastern Coast of Hokkaido

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Academic year: 2021

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(1)

博 士(水産科 学)  トゥキマット  リハン

    

学位論文題名

Satellite

ーobserved Spatial and Temporal Variability of

    Tokachi River Plume and its Impact on Primary Productivity along Eastern Coast of Hokkaido

(衛星観測による十勝川河川水プリュームの時空間変動特性と     そ の 北 海 道 東 岸 沿 岸 域 の 基 礎 生 産 へ の 寄 与 )

学 位論文 内容の要旨

【 序 論 】

  河 川 水 は 河 口 か ら 沿 岸 域 に 流 出 して 、 懸濁 物 質 、植 物 プラ ン クト ン 色素 、 有 色 溶 存 物 質(CDOM)な ど の 光 学 的 な 特 性 か ら 判 別 可 能 で あ る 。 河 川 水 プ リ ュ ー ム は 、 周 囲 の 水 塊 と 異 な っ た ス ペ ク ト ル 反 射 率 を も つ 水 塊 と し て 定 義 で き る 。 ロ ー カ ル な 要 因 に 影 響 さ れ て い る 沿 岸 の 環 境 の 中 で 、 ど の よ う に 河 川 水 プ リ ュ ー ム が 変 動 す る か 、 リ モ ー ト セ ン シ ン グ に よ り 探 査 可 能 で あ る 。 十 勝 川 河 川 水 プ リ ュ ー ム の 解 析 は 、 プ リ ュ ー ム 分 布 の 広 が り が 海 洋 生 態 系 で 光 学 的 厚 さ を 減 少 さ せ 生 産 性 を 制 限 す る か ど う か な ど 、 そ の 影 響 を 理 解 す る た め に 行 っ た 。 本 研 究 の 目 的 は 、 衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ と 地 理 情 報 シ ス テ ム (GIS) を 利 用 し て 、1) 衛 星 で 観 測 し た 十 勝 川 河 川 水 プ リ ュ ー ム 分 布 域 と 河 川 水 流 出 量 と の 関 係 、2) 河 川 水 プ リ ュ ー ム の 時 空 間 変 動 特 性 、3) 河 川 水 プ リ ュ ー ム の 基 礎 生 産 お よ び ク ロ ロ フ イ ル a (Chla) 濃 度 変 動 へ の 寄 与 を 明 ら か に す る こ と で あ る 。

【 使 用 デ ― タ と 解 析 方 法 】

  衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ と 河 川 流 量 な ど の 付 属 デ ー タ を 組 み 合 わ せ て 、 十 勝 川 河 川 水 プ リ ュ ー ム の 定 義 や 時 空 間 変 動 特 性 を 明 ら か に す る た め に 用 い た 。 本 研 究 で は 、3つ の タ イ プ の セ ン サ(orbview2/S eaWiFSNOAA/AVHRR、 お よ ぴTOPEX/Poseidon ALT)を 、1998年 か ら2002年 ま で 5年 間 、 河 川 水 プ リ ュ ー ム の 時 空 間 変 動 を 解 析 す る た め に 使 用 し た 。 SeaWiFSに よ っ て 観 測 さ れ た そ れ ぞ れ の 海 面 射 出 輝 度(nLw) は 、 最 尤 法 によ り 河 川 水 プ リ ュ ー ム を 分 類 す る た め 、412443490510555670nm6っ の 波 長 を 入 カ チ ャ ン ネ ル と し て 選 ん だ 。 衛 星 に よ っ て 検 出 さ れ た 河

(2)

川 水 プリ ュ ーム 海 域面 積と 河川水流出量 との関係は線 形回帰解析を した。

TOPEX/Poseidon

に よ っ て 観 測 さ れ た 海 面 高 度 偏 差 と

CTD

鉛直 観 測値 は 、 地 衡 流推 定 計算 に 用い 、北 海道沖合いの 親潮の渦と流 れの発生を特 定する の に 使 用 し た 。 地 上 風デ ータ は 、風 の ベク ト ルを プロ ッ トし て 、風 の 応 カ に つ い て 計 算 す る ため に使 用 した 。

EOF(

主 成 分) 解 析手 法 は、 月平 均

ChI‑a

濃 度 画像 お よぴ

nLw(555

) 輝度値画像に適 用し、河川水 プリュームの 時 空 間変 動 特性 と 基礎 生産 への寄与を理 解するために 用いた。基礎 生産量 は 、深度方向積 算(VGPM )モデルを用いて、AVHRR SST 画像、SeaWiFS Chl‑a 画 像 、 光 合 成 有 効 放 射 量

(PAR)

デ ー タ を 使 用 し て 推 定 し た 。

【結果と考察】

1

.光学特性の季節変動

  

河川水 プリュームの 分布域やその広がりは、分類手法を用いて特定した。

こ の手 法 でプ リ ュー ムと隣接し ている水塊を区 別した。教師 あり分類によ り 、 光 学 特 性 に 基づ い て、

3

4

種 類の 沿 岸水 に 分離 した 。 スベ ク トル 特 性 の 季 節 的 な 違 いは 短 波長 域 のパ タ ーン によ っ て特 徴 付け ら れた 。 この 変 動特 性 は風 の 応カ による影響 が大きい。強い 風応力(主に 冬季)の期間 は、3 種類の水塊に分類され、低い風応力(春季から秋季にかけて)の期間は、

4

っ の 分類 ク ラス が 観測 でき た 。再 懸 濁パ タ ーン は、 強い風 応カの期間、

海 岸 に 沿 っ て 出 現し た 。河 川 水流 出 量と 河川 水 プリ ュ ーム 域 面積 と の関 係 は 、 毎 年

4

月 か ら

10

月 まで 期 間は 、

1

日の タ イム ラ グで 高い 相 関関 係 を 示 した 。 この 高 い相 関関係は、 光学特性を用い ることにより 、本研究で実 行 さ れ た 沿 岸 水 の 分 類 が 成 功 し て い る こ と を 示 し て い る 。

2

.プ リ ュー ム の経 年変 化

  

衛 星に よっ て 検出 さ れた プリュームの 空間的な配置 は、いろいろ なロー カ ル な 影 響 の た め に 大き く 変動 し た。 観 測さ れた プ リュ ー ムの 空 間的 な 変 動 特性 は 主に 風 の向 き と風の大き さによって引 き起こされてい た。強い 風 の 間、 風 の向 き に従 っ てプリュー ムは分布した 。しかしながら 、いくつ か の プ リ ュ ー ム 分 布 は、 よ り弱 い 風で は 影響 なか っ た。 プ リュ ー ムは 、 岸 近 くに 渦 が存 在 する 時 、河口の岸 に沿って北と 南ヘ分離された 。また、

よ り 弱い 風 と強 い 南向 き の流れ(親 潮)は、プリ ュームを南に運 搬する。

  

十 勝 川 河 川 水 プ リ ュ ー ムの 時 空間 変 動特 性 は、

1998

年か ら

2002

年 ま で

の 時 系列 月 平均

nLw(555

) 輝 度値 画 像の

EOF

解 析 結果 に まと められ た。EOF

1

モ ー ド(44% ) は、 冬 季に 海 岸に 沿っ て 再懸 濁 して い る水 塊分布を示 し

て い る。 ま た、 こ のモ ー ドは海岸に 沿った春季か ら秋季のプリュ ームの分

布 方 向を 示 す。

EOF

第2 モ ード (17 %)は、海岸 から沖合いに 向かって分布

(3)

するプリュームを示す。   また、EOF 解析結果は、nLw(555 )値を使用する ことで、プリュームの光学的特性を説明している。強いプリューム特性(高 いnLw(555 )値で特徴付けられる)は、南方への親潮の貫入を示している。

こ の 時

EOF

1

モー ド は正 の値 で 示さ れる 。 弱い プリ ュ ーム 特性 ( 低

nLw(555

)値で特徴付けられる)は、岸の近くの時計廻りの渦分布を示し、

EOF

第1 モードは負の値で示される。

3

. 基 礎 生 産 と ク ロ ロ フ イ ル

a

濃 度 へ の 河 川 水 プ リ ュ ー ム の 寄 与

  

プリュームパターンとプリューム特性の時空間変動は、十勝川河川水プ リューム内の基礎生産量やChl −a 濃度の変動ヘ影響する。プリューム内の 基礎生産量とChl −

a

濃度は、沖合い海域より高い。Chl ―a 濃度の時空間変動 特性は、時系列月 平均Chl −

a

画像のEOF 解析 でまとめられる。春季から 夏季、さらに初秋までの河川水流出量は、基礎生産量とChl −a 濃度の増加 に寄与している。EOF 第

2

モード

(24%

)は、この現象を説明している。河 口の近くのプリューム域は、懸濁粒子で引き起こす光学的厚さの増加によ る基礎生産量の低下やChl −a 濃度の低下が見られる。河口からの距離が離 れれば離れるほど、懸濁粒子は減少し、より高濃度のChl‑a が見られる。

【おわりに】

  

結諭として、十勝川河川水プリュームは、経年変化が非常に大きく、季

節変動は小さい。風、岸に近い渦、およぴ親潮が、プリュームパターンお

よび分布特性に影響を与えていた。プリュームは基礎生産量とChl −a 濃度

に影響し、基礎生産量と

Chl

−a 濃度は、河口付近では低く、河口からより

遠く離れるなるほどに増加する。本研究で明らかにした河川水プリューム

の時空間変動パターンの理解は、沿岸海洋環境の定量的な予測や、生育場

などの沿岸 漁業に重要な海洋環境情報のモニタリングにも貢献できる。

(4)

学 位論文 審査の要旨

主 査  教 授  飯 田 浩 二 副 査  教 授  齊 藤 誠 一

副 査  准 教 授  知 北 和 久 ( 大 学 院 理 学 研 究 院 ) 副 査  准 教 授  平 譯  

    

学位論文題名

Satellite

―observed Spatial and Temporal Variability of

    Tokachi River Plume and its Impact on Primary Productivity along Eastern Coast of Hokkaido

( 衛星 観測 によ る十 勝川 河川水 プリ ュー ムの 時空 間変 動特性と     そ の 北 海 道 東 岸 沿 岸 域 の 基 礎 生 産 へ の 寄 与 )

  近 年、 エル ニー ニュ をど 地球 規模 の環 境変化 が沿 岸域 へどのような影響をあたえてい るか、グローバルな視点で解明する国際的なプロジェクトLOICZ(Land‑Ocean Interactions in the Coastal Zone)が実施されている。沿岸域は、陸域・海域の境界領域として、また陸 圏・ 水圏 ・大 気圏 にお ける いろ いろ な変 動の相 互作 用の 場として重要を役割を果たして いる こと が認 識さ れる よう にな って きた 。この 沿岸 域に おける環境評価や持続的な資源 利用が人類の生存にとって重要な課題である。

  本 研究 の対 象と した 北海 道東 岸沿 岸域 は、西 部亜 寒帯 循環を形成する親潮を起源とす る沿 岸親 潮が 接岸 し、 沖合 いか ら黒 潮起 源の暖 水渦 が接 近し、周辺の流れ場の影響を直 接受 けて いる 。十 勝川 河川 域は 、農 業地 帯が発 達し 、都 市域もあり、人為的な影響が河 口か ら流 出す る河 川水 プリ ュー ムを 通し て、沿 岸域 の海 洋環境ヘ影響を与えていると考 えら れる 。こ のプ リュ ーム が沿 岸域 にど の様な 影響 を与 えているかを明らかにすること は、陸域と沿岸域との相互作用を理解する上で重要である。

  近 年、 リモ ート セン シン グを 用い た海 洋環境 観測 技術 が進歩し、それらを応用して沿 岸域 の流 動場 、物 質循 環、 生産 性、 健康 度をモ ニタ リン グすることに関心が高まってき た。 本沿 岸域 にお いて 、こ れま での 観測 は断続 的、 もし くは定点だけによるため親潮系 水の 流動 構造 や暖 水渦 の貫 入な ど、 その 物理過 程と プリ ューム分布への影響についてす べては明らかにされていない。

  本 研究 は、 衛星 リモ ート セン シン グと 地理情 報シ ステ ム(GIS)を統合的に用いて、1) 衛星 で観 測し た十 勝川 河川 水プ リュ ーム 分布域 と河 川水 流出 量と の関 係、2)河 川水 プ リ ュ ーム の 時 空 間 変 動 特 性 、3) 河川 水 プ リ ュ ー ム の 基 礎 生 産 お よ ぴ ク ロ ロ フ イ ルa (Chla) 濃 度 変 動 へ の 寄 与 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 に し た も の で あ る 。

(5)

特に審査員一同が評価した点は以下の通りである。

1.河 川水 プリ ューム の分 布域 やそ の広 がり を、 教師 あり 分類 によ り、光学特性に基づ     い て、34種類 の沿 岸水 に分 離し た。特に、冬季の再懸濁した水塊の光学的な違い     を明らかにした。

2.河川 水流 出量 と河 川水 プリ ュー ム域 面積 との関 係は 、毎 年4月か ら10月まで期間は、

    1日 の タ イ ム ラ グ で 高 い 相 関 関 係 が あ る こ と を 明 ら か に し た 。 3.プリ ュー ムiま、岸 近く に渦 が存 在す る時 、河 口の 岸に 沿っ て北 と南ヘ分離し、より     弱い風と強い南向きの流れ(親潮)は、プリュームを南に運搬するなど、周辺の流れ場     の プリ ュー ム分 布へ の影 響を 記述 した 。さら に、EOF解析 をお こない定量的な議論     をおこなった。

4.プ リ ュ ー ム パタ ーン とプ リュ ーム特 性の 時空 間変 動は 、十 勝川 河川 水プ リュ ーム 内     の 基礎 生産量やChlーa濃度の変動ヘ影響することを明らかにした。さらに、EOF解析     をおこない定量的な議論をおこなった。

  以 上の 諸点 は、 十勝 川河 川水 プリ ュー ムの 時空間変動特性とその基礎生産過程への影 響に 関す る重 要な 知見 を得 たも のと 認め 、さ らに本研究は沿岸海洋環境の定量的な予測 や、 生育 場な どの 沿岸 漁業 に重 要な 海洋 環境 情報のモニタリングにも貢献できる水産科 学研 究で ある とし て高 く評 価で きる 。

  よ って 審査 員一 同は 、申 請者 が博 士( 水産 科学)の学位を授与される資格のあるもの と判 定し た。

参照

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