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Title Thinning factors influence on custom‑made mouthguards thermoforming
Author(s) 小島, 一郎 Journal , (): ‑
URL http://hdl.handle.net/10130/3600
Right
氏名 小島 一郎
学位 博士(歯学)
学位記番号 第2062号(乙 第774号)
学位授与年月日 平成26年 4月16日 学位授与の要件 学位規則第4条第2項 論文審査委員 主査 石上 惠一 教 授
副査 櫻井 薫 教 授 副査 小田 豊 教 授 副査 松久保 隆 教 授
学位論文名 Thinning factors influence on custom-made mouthguards thermoforming.
学位論文内容の要旨
1.研究目的
外傷は、生体が許容しきれない外力が、破壊エネルギーとなり起るもので、マウスガード(MG)
はこの破壊エネルギーを分散、吸収することで、外傷の減少、その程度を軽減することを目的として 使用される。しかし、周知の様にMGには相応な効果はあるが、その緩衝能には限界がある。特に厚 みが不十分な場合、外力が大きい場合、歯の抵抗性が低い場合などでは、その緩衝能の範囲を超え、
MGを装着していても外傷が起こるとする報告も少なくない。
MG成形時のサーモフォーミング(TF)操作は、正確な形態付与、接着性、適合性の向上を得る上 で大きな役割を果たす。一方でTFによる厚みの減少は安全性を低下させる要因となる。
これまで、MG 製作時の厚みの変化に対する検討はなされてきたが、TF 時の厚径の変化について は未だ不明な点が少なく無く、詳細な検討が必要と考えられたことから、今回模型実験を行い検討し た。
2.研究方法
1.MG 用材料:加圧形成機用材料として、Drufosoft(1、2、3 mm;透明、黒、白、蛍光黄色:Dreve)、硬 性材として Erkodur(1、1.5 mm:Erkodent)を、吸引型形成器材料としてリンカイ VF マテリアル(3 mm:
リンカイを用いた.試料の制作には、ラミネートタイプでは 6.5 気圧に調製した Durofomat(Dreve)を、
バキュームタイプでは Pro-form(Dental Resource)を用いた。
TF 時の厚み減少要因としての、加熱時間、加圧の強さ、加圧に対する角度、部位(水平的、垂直的)、材
料の種類(各種軟性材、硬性材)、厚み、色、TF 様式(加圧と吸引の違い)を検討した。
2.資料の作成:資料は、20×65×60 mm の直方体石膏模型の一面を 45 度に調整し、加圧面に対して 0、
45 および 90 度の角度の面を有する模型上にてそれぞれの条件で 3 個製作した。加熱時間はそれぞれの材料 でメーカー指示を原則とし約 2mm 下垂する時間を基準とした(例 Drufosoft3mm 材では、135、155、175 秒)。 約 30 分の十分な冷却減圧の後、MG を取り出した。
3.計測および分析:計測は、デジタルシックネスゲージ モデルG(OZAKI MFG. CO., LTD.)各計測点 3 回ずつ行い、計測点は、0 度については中心、中心から 1、2、3、4mm、45 度では中央、90 度については 中心から 5mm 上下の点について行った。
3.研究成績および結論
1.TF 様式の影響:吸引に比べ加圧で減少率が有意に高い傾向であった。2.加熱時間と加圧面に 対する角度の影響:0 度(中央)においては加熱時間の延長に伴い厚みは有意に減少したが、45 度、
90度(中央)では厚みの減少が抑制された。3.中心からの距離の影響:加圧面に対して0度の面に おいて、中心から遠くなるに従い厚みは有意に減少した。2および3の結果は、加熱時間の増加に伴 い中心部は軟化され薄くなることの影響が強いが、中心から離れた部位では軟化度が上がるに従う材 料の下垂によって、加圧時における模型までの距離が短くなるため、厚みの減少が少なくなったもの と思われる。4.垂直的部位の影響:90度において上部に比べ下部で厚みは有意に減少した。5.硬性 材は軟性に比べ減少が少ない傾向であった。6.材料の色、加圧時の気圧、材料の厚みの影響は少な い傾向であった。マウスガードサーモフォーミング時のMG材の厚径の減少は様々な要因により影響 され、その現症も部位によっては少なくなく、特に上顎前歯の唇面に相当する部位での減少率が大き く、MG製作時には、使用材料、デザインに十分な注意が必要と思われる。
最終試験の結果の要旨および担当者
報 告 番 号 乙 第774号 氏 名 小島 一郎
最終試験担当者
主 査 石上 惠一 教 授 副 査 櫻井 薫 教 授 小田 豊 教 授 松久保 隆 教 授
最終試験施行日 平成26年 3月6日
試 験 科 目 スポーツ歯学
試 験 方 法 口頭試問
試 験 問 題 主題ならびに関連問題
結 果 の 要 旨
本審査委員会は主題ならびに関連問題について最終試験を行った結果、十分な学識を 有することを認め、合格と判定した。なお、英・独2か国語について試験を行った結果、
合格と認定した。
学位論文審査の要旨
サーモフォーミング(TF)によるマウスガード(MG)製作時の厚みの減少は、安全性を低下させる要 因となる。しかし、TF時の厚径の変化については未だ不明な点が少なくない。そこで本論文では、加圧面 に対して3つの角度の面を有するシミュレーション模型を用いて検討を加えた。
MG用材料は、軟性材としてDrufosoft、硬性材としてErkodurを、吸引型形成器材料として用いた。
資料は、20×65×60 mmの直方体石膏模型の一面を45度に調整し、加圧面に対して0、45および90度 の角度の面を有する模型上にてそれぞれの条件で3 個製作した。統計的解析は、厚みの減少率について分 散分析およびTukeyの多重比較を5%危険率にて行った。
その結果、MG 材の厚みの減少は様々な要因により影響され、その減少も部位によっては少なくなく、
特に上顎前歯の唇面に相当する部位(90度)での減少率が大きく、MG製作時には、使用材料、デザイン に十分な注意が必要とされた。
一次審査委員会において本論文に対し、次のような質疑が行われた。①実験の目的について。②軟化方 式が加熱か輻射かによってMG材の色の影響が出るのではないか。③計測部位および回数について。④模 型に 45度の面を設定した理由は何か。等々のご質問を頂きました。その回答として、①本研究の目的は、
TF時の厚みの減少への影響因子として、模型状態、TFコンディション、その材料自体の違いを取り上げ、
その影響を明らかにし定量化する事。②今回は電熱線による加熱方式であり、そのため実験結果のとおり MG材の色の影響は認められなかった。③1つの計測点につき4回ずつ計測している、また、3個の模型に ついて試料を製作しているので、合計12個のデータを得ている。④現行のマウスガード製作のためのTF 操作においては、トリミングにより咬合面と模型の基底面を平行にするため、90度の面は最も外傷の多発 する上顎切歯の唇面、0度は咬合の確立のためとしTF時における両面の中間では如何なる影響が出るかを 見るため、45度の面を設定した等、小島専攻生から概ね妥当な回答が得られた。その他、文章の構成、用 語の表現、英文表記、等々、修正すべき点のご指摘を頂き修正が行われ、再度ご確認を頂いた。
以上より、本研究で得られた結果は、国民の健康スポーツの安全性への貢献を含み、今後の歯学(スポ ーツ歯学)の進歩、発展に寄与するところ大であり、学位授与の値するものと判定した。