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巻頭言『言語習得と日本語教育』刊行にあたって

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Academic year: 2021

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巻頭言『言語習得と日本語教育』刊行にあたって. 「子どもと大人の日本語習得と教育デザイン研究会(Language Acquisition. and Education in Children and Adults: LAECA)」の会誌創刊の運びとなった。. 橋本研究室のゼミ生たちに発表の機会を与えたいという想いから、2019 年. に「子どもと大人の日本語習得と教育デザイン研究会」を発足し、今年度、. より広く発表できる場として『言語習得と日本語教育』の刊行に踏み切った。. ジャーナルのタイトル名からもわかるように、私の研究指導の内容は、主に. 日本語の第二言語習得(大人と子ども)と年少者日本語教育である。表面的. には別物のように思われるかもしれないが、認知言語学を専門とする私に. とっては、言語習得は認知の成せる業であり、教育は認知の発達を第一に考. えるべきであるという考えが根底にあるため、双方は繋がっているのであ. る。. 意識したわけではないが、横浜国立大学に着任して来年度で 10 年という. 節目を迎える。振り返ると、橋本研究室からは、多くの修士、学士の学生が. 輩出され、今年度は博士が巣立っていった。本誌には、研究論文や実践報告. に加え、世界の日本語教育事情、修了・卒業生へのインタビュー記事なども. 掲載されている。修了生である大学教員や博士後期課程のゼミ生が運営を. 担い、アイデアを出し合って完成させたものである。投稿者の研究へのひた. 向きな態度と意欲とが集結して出来上がった成果ともいえる。これまでゼ. ミでは、夜遅くまで時間を忘れて自由闊達に意見を出し合ったり、議論を重. ねることで研究の精緻化を図ることが多かった。この成果は、そこで培われ. た飽くなき探究心、研究への執着と愛情の表れではないかと密かに思って. いる。学生たちの成長ぶりを形にできたことは望外の喜びである。. また、大学の教育学研究科も大きな節目を迎える。改編が進み、心理と日. 本語教育の 2 コースからなる専攻が来年度設置される。今年度は教育支援. 専攻設置準備委員長として改組の業務に携わったが、来年度からは教育支. 援専攻長として、新しい修士課程のさらなる充実と発展のために貢献する. つもりである。今の時代は、現代的諸課題の複雑化、深刻化に伴い、これま. で見えなかった支援教育対象者が顕在化しつつある。新修士課程は、それら. を置き去りにせず根底から支え支援の充実を図るために、心理と日本語教. 育に光を当てて設置されるものである。日本語教育では在留外国人、外国人. 児童生徒の問題が大きくクローズアップされる。”Think global, act local”と. いった言葉通り、国内でもこういった機会が増えつつある。海外に目を向け. 1. ると、情報網の発達に伴い日本のポップカルチャー、伝統、文化への人気が. 加速化し日本語学習熱が高まっているといえる。日本語教育を通してグロ. ーバルに考え活躍できる人材を育成していきたい。. 本ジャーナルでは、言語習得という基礎研究から教育実践までを幅広く. 扱う。研究室を母体として生まれた研究会誌ではあるが、多くの人に興味を. もって頂き、理論と実践の往還が可能なジャーナルとして研究の発展に貢. 献できればと考える。. 2021 年 3 月 25 日. 子どもと大人の日本語習得と教育デザイン研究会長. 横浜国立大学教授 橋本 ゆかり. 2

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