官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業
五感で楽しむ
プレミアムリゾート 富良野
~環境に優しいまちからのメッセージ~
に係る調査業務報告書
平成
26 年 3 月
国土交通省北海道運輸局
目 次
第1章 調査の概要 ... 1 1.調査の目的 ... 1 2.調査の内容及びフロー... 1 3.目利きの役割 ... 3 第2章 「五感で楽しむ プレミアムリゾート富良野」の考え方 ... 4 1.富良野観光の特徴と課題 ... 4 2.「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」の基本コンセプト ... 8 第3章 地域資源の磨き上げ... 14 1.雄大な自然と田園を生かしたリゾート環境整備 ... 14 2.観光ホスピタリティ向上に向けた取組 ... 25 第4章 モニターツアーの実施と参加者意見の集約 ... 47 1.モデルコースの設定... 47 2.広報活動の展開 ... 50 3.モニターツアーの実施... 55 4.モニターツアーの成果の検証 ... 60 第5章 今後のさらなる富良野の磨き上げに向けて ... 88 1.モニターツアーで見えてきた課題 ... 88 2.プレミアム感のさらなる磨き上げ ... 90 3.地元の受入体制 ... 91 4.商品化に向けた方向性... 92 5.その他(タビカレ学園祭への出展) ... 93 第6章 2014年度富良野市国際観光促進協議会の取り組み ... 94 1.全体計画 ... 94 2.通年滞在型の地域づくり ... 95 3.観光アカデミー開講... 99 4.食の品質保証(グリーンフラッグ) ... 104 【参考資料】五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野 事業実施経過 ... 1051
1.調査の目的
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1 月 11 日閣議決定)に盛り込まれた「官 民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」を進めるため、観光地の魅力となりうる資源を見 直し、地方公共団体、事業実施主体、旅行会社、交通事業者、旅行メディア等の総力を結集した 確実な旅行商品化と情報発信を通して、魅力ある観光地づくりを推進する必要がある。 そのため、特に市場に対して訴求性が高く、旅行商品として定着し、その地域の持続的な活性 化につながると第三者委員会で評価・選定された取り組みについて、その商品化に向けた支援を 行うものである。 「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」はその取り組みの一つであり、本調査事業ではそ の基本コンセプトに基づき、富良野の観光資源を磨き上げるためのモデル事業を展開し、その検 証作業を通じて具体的な改善点を提示するとともに、富良野のまちづくりに貢献する持続的で質 の高い本格的な旅行商品化の検討を行うことを目的とする。2.調査の内容及びフロー
(1)調査対象案件の事業工程・実施体制の構築 提案者等からのヒアリングを踏まえ、提案者とともに地域の取り組み体制を構築するととも に、具体的な取り組みスケジュール、取組方法を取りまとめた。 (2)商品化に向けた観光資源の磨き上げ手法の検討と実施 調査対象案件の提案内容に基づいて、確実な商品化に向けた観光資源の磨き上げ及び調査対 象地域の魅力情報発信について、提案者、地域関係者、また以下に述べるアドバーザー(目 利き)とともにその手法を検討し、実際にその具体的な磨き上げの事業、情報発信事業に取 り組んだ。 (3)目利きの派遣 調査対象案件についてアドバイスを行う目利きを二人選定し、現地に派遣した。 (4)モニタ-ツアーアンケート 株式会社JTB コーポレートセールスが行うモニターツアーに協力し、参加者へのアンケート を行い、その結果を集約した。 *モニターツアー … 3回開催(開催時期:2013 年 8 月~10 月 参加者数:延33人) (5)実施結果の検証と商品化に向けた課題検討 モニターツアーの結果を検証し、ツアー全体の問題点等を明らかにするとともに、今後の商 品化に向けた課題を整理し、その解決策を検討した。 (6)今後の商品化に向けた取り組み方向 本年度の実証実験の結果を受けて、次年度以降実施するツアーの磨き上げの方向性並びにそ の取り組み方向を整理した。2 図 1-1 調査のフロー 旅行会社企画・実施 実施結果の検証と商品化に向けた課題検討 商品化に向けた観光資源磨き上げ ●磨き上げ手法の検討 ●磨き上げの実施(ガイド研修等) ツアー結果の検証 商品化に向けた課題検討 モニターツアーの企画 モニターツアーの販売 モニターツアーアンケートの実施 目利きの派遣 (鎌田 洋氏) (柳原由実子氏) (調査課題)
「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」の実現
事業工程・実施体制の構築 モニターツアーの実施 今後の商品化に向けた取り組み方向3
3.目利きの役割
(1)鎌田洋氏 長年(株)オリエンタルランドで社員教育に携わり、ホスピタリティ向上に関する著書も多数 出されている。今回の事業ではその経験を生かし、受入施設やインストラクター研修における ホスピタリティ向上に向けたアドバイスはもちろん、モニターツアーでの顧客満足度について も分析いただいた。また、別途富良野市民を対象としたおもてなし講演会の講師をお願いし、 富良野市全体でのホスピタリティに対する意識向上を図った。 【略歴】 1950 年宮城県生まれ。商社、ハウスメーカー勤務を経て、1982 年(株)オリエンタルランド入 社。東京ディズニーランドオープンに伴い、初代ナイトカストーディアル(夜間の清掃部門) トレーナー兼エリアスーパーバイザーとして、ナイトカストーディアル・キャストを育成する。 その間、ウォルトディズニーがこよなく信頼を寄せていた、アメリカのディズニーランドの初 代カストーディアル・マネージャー、チャック・ボヤーシン氏から 2 年間にわたり直接指導を 受ける。その後、デイカストーディアルとして顧客との関わりを学んだ後、1990 年ディズニー ユニバーシティ(教育部門)にて、教育部長代理としてオリエンタルランド全スタッフを指導、 教育する。1997 年、(株)フランクリン・コヴィー・ジャパン代表取締役副社長を経て、1991 年(株)ヴィジョナリー・ジャパンを設立、代表取締役に就任 (2)柳原由実子氏 直近までJTB北海道から、ふらの観光協会に出向して、新たな観光素材の発掘や直地型商品 の開発を担当し、地域事情に精通している。また、現在は観光開発プロデューサーとして北海 道の観光資源の開発と全国への発信を担当しており、今回の事業ではモニターツアーの企画・ 造成・販売についてのアドバイスとともに、次年度に向けた取り組みについてもアドバイスを いただくこととした。 【略歴】 2003 年JTB北海道商品事業部仕入企画担当課長として 3 年間所属、北海道における観光資源 の掘り起こしと宿泊施設の仕入を担当、2011 年からふらの観光協会に出向、観光庁「観光地域 づくりプラットフォーム事業」を担当。①ホームページ上での着地型旅行商品インターネット 販売システム構築②「北の国から」放映 30 周年記念「黒板五郎の流儀」バスツアー実施③着地 型旅行商品「ちょっくら旅」実施。2012 年ふらの観光協会「宿泊・貸切タクシー・体験メニュ ー」予約システム構築。2013 年JTB北海道本社営業部法人営業課観光開発プロデューサーに 就任4
1.富良野観光の特徴と課題
(1)富良野市の概要 富良野市は、北海道のほぼ中央部、富良野 盆地の南側に位置する人口およそ2万3千 人の農村都市で、主産業は畑作と水田を主体 とする農業と、花、農村景観、スキー場など を資源とする観光事業である。市の特産品と しては、富良野ワイン、富良野チーズ、富良 野メロンなどがある。 富良野市は、東方に大雪山系の十勝岳、富 良野岳、西方に夕張山系芦別岳がそびえ、北 海道らしい美しい農村景観、またラベンダー に象徴されるお花畑などが魅力となって、年 間200 万人近くの観光客が来訪する北海道 の代表的観光地となっている。 富良野市には、このようなすぐれた景観資源のほかに、富良野で生産される多様な農産物やチ ーズ、ワインなどの農産加工品の存在とともに、それらを調理・加工・提供する特徴的なショッ プや飲食店も数多く、富良野の魅力の一つともなっている。 一方、文化面では、昭和56年に放映が始まったテレビドラマ「北の国から」の影響は大きく、 富良野のイメージを形づくる大きな要因の一つとなった。また、放映後まもなく倉本聰氏が創設 した富良野塾の活動は、演劇の町・富良野のイメージをつくりあげ、富良野の新たな可能性を切 り拓いている。 (2)富良野のまちづくりと観光 <スキーから始まった富良野観光> 富良野市の観光は、昭和37 年のスキー場開発が始まりといえるが、本格的なスキーリゾートと して注目を受けるようになったのは、昭和49 年に西武グループが進出し、スキー場(リニューア ル)、ゴルフ場、ホテルなどを整備してからである。 ちょうどこの頃、隣接の中富良野町のラベンダー園が国鉄のカレンダーに掲載され、知床旅情 に端を発する北海道ブームと相まって、徐々に観光客が訪れるようになった。その後、放映が始 まったテレビドラマ「北の国から」は、ロマンあふれる北海道のイメージを全国に紹介しつつ、 観光地としての富良野の認知度を大きく高めることとなった。 このように当初はスキー場、スキーリゾートとして発展してきた富良野の観光事業は昭和56 年に始まったドラマ「北の国から」の放映や昭和63 年の新富良野プリンスホテルの建設などが大 きな牽引力となって、一年を通して観光客が訪れる観光地、リゾートへと発展を遂げてきた。5 しかし、近年は、スキー人口の減少に伴い、冬期の観光客の減少が続いている。これは全国的 な傾向でもあるが、スキーから始まり発展してきた富良野市の観光の大きな転換を迫る要素とな っている。 表 2-1 富良野市観光略年表 年 主な出来事 1962 年(昭和 37 年) 北の峰スキー場オープン、北の峰観光開発(株)設立 1966 年(昭和 41 年) 富良野町、山部町が合併、富良野市となる 1969 年(昭和 44 年) 北海へそ祭り始まる 1972 年(昭和 47 年) 国土計画(株)が北の峰観光開発(株)を買収 富良野市ぶどう果樹研究所開設 1974 年(昭和 49 年) 北の峰プリンスホテル開業(その後富良野プリンスホテルに名称変更) 1975 年(昭和 50 年) 第 30 回冬期国体、全日本スキー選手権 1976 年(昭和 51 年) 国鉄のカレンダーで中富良野のラベンダーが掲載 →以後カメラマンが頻繁に訪れるようになる。 ふらのワイン工場開設 1977 年(昭和 52 年) アルペンワールドカップ富良野大会開催 →富良野の地名を世界にアピールするためス キー場名を<富良野スキー場>に変更 1978 年(昭和 53 年) ふらのワイン(赤)(白)の販売開始 1980 年(昭和 55 年) 北の峰プリンスホテルゴルフコース開業 1981 年(昭和 56 年) テレビドラマ「北の国から」放映開始 1982 年(昭和 57 年) 富良野ゴンドラ開業 旭川空港にジェット機就航 1984 年(昭和 59 年) 富良野塾開設 1986 年(昭和 61 年) 「フラノエキスプレス」運行開始 1988 年(昭和 63 年) 新富良野プリンスホテル開業 1993 年(平成 5 年) ふらのチーズ工房オープン 1995 年(平成 7 年) この年までアルペンワールドカップを 10 回開催 1998 年(平成 10 年) 「フラノエキスプレス」引退 2000 年(平成 12 年) 富良野演劇工場開館 2002 年(平成 14 年) 富良野ロープウェイ(101 人乗り)運行開始 テレビドラマ「北の国から」最終編(2002 遺言)放映 2005 年(平成 17 年) 北の峰プリンスホテルゴルフコース営業終了 2006 年(平成 18 年) スノーボードワールドカップ富良野大会開催 2007 年(平成 19 年) スノーボードワールドカップ富良野大会開催 2008 年(平成 20 年) テレビドラマ「風のガーデン」放映 2009 年(平成 21 年) 「風のガーデン」オープン 2010 年(平成 22 年) 富良野マルシェオープン 富良野塾閉塾
6 <富良野観光の課題> 平成14 年度の観光入込数は 249 万人(過去最高)となったが、ドラマの記憶が薄れるともに 富良野を訪れる人々の足も遠のき、平成23 年度は 172 万人に減少した。平成 24 年度は 178 万人 とわずかに増加したものの、入込数の約45%が 7・8 月の 2 カ月に集中しており、一年を通した 新たな観光資源の発掘が急務となっている。 過去の観光客数の推移をみると、かつて昭和58 年以前では富良野観光は冬期(12 月~3 月) の観光客が全体の6~7 割を占めていたが、平成 10 年頃より逆転現象が起き、冬期の観光客は徐々 に減少し、現在では全体の2 割ほどになってしまっている。 また、夏期観光に関しても、富良野市内に温泉が少ないことや札幌方面からは日帰り圏である ことなどから、宿泊客数が伸びないのが課題となっている。特に、最近は、上述した冬期の観光 客数の減少も加わり、宿泊客は漸減傾向にある。 このような需要構造の変化の中で、いかに地域の魅力を高め、宿泊の促進し、長時間滞在して もらうかが地域の大きな課題となっており、その課題への対応として、富良野市では特に以下の 点について具体的な対策が求められている。 ●観光の核施設となっているスキー場のオールシーズンマウンテンリゾートとしての魅力づくり ●雄大な山並みと田園風景が織りなす魅力的な山林・農村景観を生かすシンボル的空間の創出 ●花の季節でもある6 月~9 月以外の季節の観光資源化 ●滞在を促進するための新たな夜の過ごし方の提案・事業化 ●ガイドのコミュニケーション能力の不足を解消し、ガイド力の向上 <環境を基本とした町づくりと観光> 近年、富良野市では、「人と自然にやさしい環境・感動・癒しの大地 ふらの」をテーマに、美 しく恵まれた農村景観を活かし、ゴミのリサイクルなど環境への先進的な取り組みを通して、農 業を育て、観光でもてなし、環境を守るまちを創る「農村観光環境都市」を目指した観光地づく りをすすめてきている。 そのコンセプトの中で、地元ならではのライフスタイルをテーマとする観光の魅力の掘り起こ しと磨き上げにも力を入れ、ちょっと暮らすような旅・ちょっくら富良野に行って生活する!現 地発・着地型旅行商品「ちょっくら旅」の造成販売をふらの観光協会が中心になり進めている。 この結果、平成24 年度「北海道観光掘り起こし・磨き上げコンテスト(北海道運輸局)」サク セスレベル/優秀賞を受賞、まちづくりと連動した新しい観光が注目されてきている。 このような成果を生かすためにも、富良野市では、今後、新しい観光のテーマの設定とその効 果的な推進方策が求められている。 ちょっくら旅 地域のプラットフォームである観光協会が、ちょっと暮らすための貴方だけの旅の演出「ちょっく ら旅」という滞在メニューを作成し、インターネットで予約を受け付ける。地域に眠っている新たな 観光資源を発掘し、当該地域の滞在メニューには何があるのか?何が楽しめるのか?そんなに楽しい 事が体験できるならもう1泊しよう!と、言うような訴求を行う。春・夏、秋・冬と年2 回メニュー の入替を行い、地域性、季節性のある20~30 メニューを実施。それにより、観光のお客様の延泊化、 長期滞在化が起こり、地域の観光経済活性化の一助となる事を目的とする。
7 図 2-1 富良野市観光客数の推移 図 2-2 富良野市観光客数の推移(日帰り及び宿泊客) 0 50 100 150 200 250 300 S45 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 富良野市観光客数の推移 4~11月 12~3月 万人 国鉄カレンダー掲載 (中富良野) 「北の国から」放映開始 新富良野プリンスホテルオープン 富良野ロープウェ イ運行 「北の国から」終了 アルペン ワールドカップ開催 風のガーデン放映 富良野塾開設 演劇工場開館 富良野マルシェ オープン 0 50 100 150 200 250 S51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 富良野市観光客数の推移(日帰り客及び宿泊客) 宿泊客 日帰り客
8
2.
「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」の基本コンセプト
(1)コンセプトの背景と基本的な考え方 「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」は、富良野の農業と環境の魅力を、五感を刺激す る演劇の力で演出し、富良野ならではの、五感(風景・音・感触・味・香り)で楽しむ特別な旅を提 供しようとするものである。 すでに述べたように、これまでの富良野の観光は、ラベンダーの強烈なイメージやテレビドラ マ「北の国から」などの影響もあり、どちらかといえば新興の観光地として、イメージ先行型の 観光地形成、発展過程をたどってきた経緯があるが、ラベンダー観光の新鮮味が減少してきたこ とや、ドラマ「北の国から」を知る世代が高年齢化してきたことなどから、富良野市としては新 たな観光コンテンツの整備が期待されていたところである。 一方、富良野市には多くの観光客は集まるものの、いまだそのほとんどが日帰り観光客であり、 滞在客の割合はまだまだ少ない。そのため、富良野市としては、四季を通じた滞在客向けの観光 コンテンツメニューの開発や情報発信の強化、また受入体制づくりの充実により滞在型観光の推 進を図ることが大きな課題となっていた。 「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」は、このような課題に対する、新しい富良野の観 光を実現する一つの共通目標、共通コンセプトとして地元から提案されたものである。 そのポイントの一つは、“プレミアム”という言葉に象徴される観光のクオリティの向上である。 富良野にはすでに豊かな観光資源と質の高い観光施設が存在しているが、それをただ見せるだけ、 利用してもらうだけでは決して本当のクオリティは引き出せない、そこに富良野の風土性やそこ に住む人たちの心がプラスされて、はじめて本来の資源・施設の良さが発揮されるという考え方 に立ち、そうした観光の実現を目指している。そのためには、あらためて地域資源を見直して、 埋もれている資源の発掘やブラシュアップが重要となってくる。 また、“五感で楽しむ”とは、まさに富良野の自然風土やそこに暮らす人々、そこで生産される 農産物に直接的に接する中から、富良野野そのものの魅力を五感で感じ取ってもらいたいという 願いが込められている。つまり富良野の風土性こそが観光資源であり、そこに身を置き、自然の 声、大地の声に共鳴することではじめて富良野の本当の魅力に触れることができると言える。先 に述べたプレミアムとは、このような富良野での豊かな時間の過ごし方の提案でもある。 (2)「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」への提案事業 上記のコンセプトに基づき、「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」(以下「再建・ 強化事業」と呼ぶ)への提案事業とする資源は、以下の通りであった。 ・夏のゴンドラ運行~雲の上の特等席 (スキー場北の峰エリアのゴンドラ運行) ・森の中で考える自然環境プログラム ・富良野塾で培った演劇的手法によるコミュニケーションプログラム ・風力発電のエネルギーで灯るナイトガーデン ・幻の希少品種メロン「キングルビー」やプレミアムとうもろこし「雪の妖精」9 (3)地域資源の磨き上げの方向 「再建・強化事業」を推進にあたっては、以上のような地域からの提案内容に対する確実な商 品化へ向けた地域資源の磨き上げ、及び調査対象地域の魅力の情報発信が求められていることか ら、本事業では以下の方向から地域資源の磨き上げについて検討を行うとともに、その成果を実 際のモニターツアーに反映させ、その検証作業を通じて効果及び課題を明らかにした。 1)磨き上げる地域資源と、磨き上げの方向 今後富良野で磨き上げる必要のある資源とは、一つには、これまで富良野で整備されてきたホ テルやスキー場、ガーデンなどの基盤的な観光施設である。これらの質を向上させ、リゾート地 としての富良野のポテンシャルを高めることが重要である。 次に重要なものは、「農村環境観光都市」富良野の生産物やその環境を磨き上げ、その存在価値 や利用価値を最大限生かして、より大きな感動を生む観光を実現することである。 そして、この2つの要素をさらに価値あるものにしていくために欠かせないのは人材である。 その意味で富良野には多くの人材がおり、その能力を活用して、さらに大きな感動をつくってい くことである。特に人材に関しては、富良野で長年にわたり活躍してきた演劇関係者のノウハウ を活用することで、富良野ならではの旅の感動をつくることができるものと思われる。 これらの取組の先に見えてくるのは、まさにプレミアム感のある富良野の観光ではないかと考 える。これまで富良野で築かれた「ふらのブランド」を一つの土台にして、その質的向上はもち ろん、そこからまた新しい観光の魅力が生まれてくることが期待される。 2)磨き上げの具体的な取組方法 以上のような地域資源の具体的な磨き上げ方法として、次の3つの事業を企画・実施した。 ①“プレミアム感”の演出 富良野には、充実したスキーリゾートの存在や「北の国から」のイメージなどからすでに一つ のブランドイメージがつくられている。その延長線上として、「食」に関しても、富良野メロンや 富良野チーズなどから富良野への期待は高い。 そのため本事業では、富良野の「食」をさらに魅力ある観光コンテンツとするために、あらた めて「食」の原点に立ち返り、新鮮で安全な食材を基本とした地域ならではの料理の提供を一つ の事業の柱にすることとした。 具体的には、富良野の農家や生産現場を直接体験し、新鮮な農産物をその場で直接食べ、購入 もできる体験プログラムを導入した。また、採算上の理由などからこれまで実現できなかった夏 期間のゴンドラ運行を試行的に実施し、山上での朝食体験を行った。 ②五感で楽しむ観光の実現 上記のプレミアム感の演出は、換言すれば五感に訴える観光とも言える。たとえば、食事は味 覚という知覚を働かせる行為であるが、目でみてあるいは匂いによりおいしさを感じ取ったりす る。また、自然の豊かな富良野では、四季折々の季節変化を五感で感じ取ることで、より本物の 富良野に接することができる。このような自然の姿に感動する感受性の高い人をターゲットにす ることで、富良野の価値を引き出すことができると考える。
10 ③ガイド人材のスキルアップ 3つめの磨き上げ方策は、人材の活用、特に観光ガイドの育成による富良野観光のレベルアッ プである。すなわち、観光の満足度は、観光ガイドの善し悪しで決まることが多く、すぐれたガ イドの存在が観光地の評価の一つの指標ともなる。 ガイドに必要な要素とは、単に知識が豊富であるだけでは不十分で、そこには人間性やユーモ アをまじえながら分かりやすく、楽しく話す話術が必要であり、これはまさに演劇的な手法を活 用した訓練を行うことで実現を図ることができるものと考えられる。 このような視点から、かつて富良野塾で活動していた人で地元に残って活動している人たち(富 良野GROUP)の力をかりて、夢や感動を与える観光ガイドのスキルアップを図ることにした。 ④地域あげての受入体制構築 地域を旅して最も感動に残るのは、地域の人たちに歓迎されているという実感である。そして、 言葉を交わし、交流することができれば、なおその感動は大きなものとなる。先に紹介した「農 村環境観光都市」富良野の魅力とは、これまでふれてきたように富良野の風土そのものが観光資 源と言っても過言ではないと思われる。そこには、自然があり、街があり、農業があり、そして 地域の人々がいる。その地域の人々が快く観光客を迎え、地域のすぐれた魅力を惜しみなく提供 してくれる、そして必要な観光インフラが整い、プロとして観光客を迎える体制が創られている という地域の受入体制を築くことが重要である。
11 農業 ・田園風景・農作物 ・ワイン、チーズな ど多様な加工品 ・地産地消の取組み 環境 ・環境にやさしいま ちのイメージ ・先進的な取り組み ・環境教育 演劇 ・身体や五感で感じる ・ストーリー性の重視 ・豊富な人材、ノウハウ 富良野の大地を 五感(風景・音・感触・味・香り) で楽しむ特別な旅 富良野観光の基盤 ・「かおり風景 100 選」に選ばれたラベンダーなど花観光 ・スキーリゾート ・ドラマロケ地 富良野の農業と環境の魅力を、五感を刺激する演劇の力で演出し、『富良野の大 地を五感で楽しむ特別な旅』を提供する。 商品コンセプト 磨き上げる観光資源 磨き上げに使う資源 磨き上げる方向 地域資源の活用 ・基盤施設(スキー場、観光 スポット、ガーデンなど) ・食、農業(農作物、加工品) ・人材(観光業者、地域住民) ・演劇ノウハウ (表現力、演出力) ・地元のホスピタリティ ・プレミアム感(=非日 常感)を感じる ・環境へのやさしさを感 じる 住んでよし訪れて よしの地域 持続可能な地域 資源循環 エコリゾート ト 「五感」で楽しむ プレミアムリゾート・富良野の実現 ン 質の向上 新たな観光資源の発掘 富良野観光の裾野の拡大・レベルアップ 秋季の利用促進(オフシーズン対策) Riyousokusin 「富良野スタイル」の定着 磨き上げ の継続 ①“プレミアム感”の演出 旬な食材提供「ふらのブランド」 五感で楽しむ「富良野スタイル」 ②ガイド人材のスキルアップ 環境教育・演劇手法を活用したストーリー性 「夢」「感動」を伝えるノウハウ ③地域あげての受入体制構築 新たなコンテンツ開発・ホスピタリティの醸成 磨き上げの取り組み 富良野がめざす地域像 図 2-3 「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」の基本コンセプト
12 図 2-4 「五感で楽しむプレミアムリゾート 富良野」の推進体制 アドバイザーグループ 【受託会社】 株式会社ライヴ環境計画 (調査事業統括) (受入環境整備、コンテンツ開発支援) 【協力会社】 株式会社JTB北海道 (ツアー企画・プロモーション) JTBグループ (ツアー造成・販売) ・北の峰地域活性化協議会 ( 企画協力・情報収集と発信 ) ・NPO法人 山部まちおこしネットワーク ( 企画協力・ツアー対応 ) ・樹海の里もりあげ隊 ( 企画協力・ツアー対応 ) ・富良野自然塾 ( 企画協力・ツアー対応・ガイド育成 ) ・富良野GROUP ( 企画協力・ガイド育成 ) ・グルメファーム北海道 (企画協力・ツアー対応 ) 事 務 局 観光庁・北海道運輸局 目利き ■構成団体 【行政】富良野市、上川総合振興局 【観光】(社)ふらの観光協会 【宿泊】富良野旅館業組合、北の峰旅館組合 【運輸】富良野商工会議所、(株)ふらのバス、JR富良 野駅 【特産品】NPO法人富良野物産協会、ふらの農業協 同組合 【飲食】富良野料飲店組合 【地域実践】(株)富良野総研 【体験ツーリズム】NPO法人グリーンステージ 【商業振興】富良野商工会議所 【情報】(株)ラジオふらの ■オブザーバー 北海道開発局旭川開発建設部 北海道運輸局旭川運輸支局 北海道大学観光学高等研究センター ■民間協力団体 ■富良野市国際観光促進協議会 ■旅行会社
13 1 . 課 題 整 理 2 . 事 業 企 画 3 . 関 係 機 関 へ の 協 力 依 頼 ( モ ニ タ ー ツ ア ー 関 係 者 ・ ガ イ ド ) 4 . 関 係 者 ・ ガ イ ド 全 体 会 議 ・ 研 修 会 開 催 5 . 演 劇 的 手 法 を 活 用 し た ガ イ ド 力 レ ベ ル ア ッ プ 講 座 開 催 6 . 観 光 資 源 の 磨 き 上 げ ・ 環 境 整 備 整 備 7 -1 . モ ニ タ ー ツ ア ー の 実 施 ( 第 1 回 ) ( 実 施 地 域 : 北 の 峰 地 域 ・ 山 部 地 域 ・ 東 山 地 域 ) ・ 北 の 峰 地 域 活 性 化 協 議 会 ・ N P O 山 部 ま ち お こ し ネ ッ ト ワ ー ク ・ 樹 海 の 里 も り あ げ 隊 ・ 富 良 野 自 然 塾 ・ 富 良 野 グ ル ー プ ・ グ ル メ フ ァ ー ム 北 海 道 ■ 事 業 概 要 び 基 本 コ ン セ プ ト を 全 員 で 確 認 ■ 東 京 デ ィ ズ ニ - ラ ン ド 講 師 に よ る 「 感 動 」 の シ ナ リ オ づ く り に 向 け た ス キ ル ア ッ プ 研 修 ■ 「 話 す 」 こ と の 基 本 ・ 「 聞 く 」 こ と の 基 本 ■ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 向 上 ■ 環 境 教 育 プ ロ グ ラ ム ■ ゴ ン ド ラ 夏 季 運 航 実 証 実 験 準 備 ■ ウ ォ ー キ ン グ コ ー ス 環 境 整 備 ■ モ ニ タ ー ツ ア ー 用 備 品 整 備 7 -3 . モ ニ タ ー ツ ア ー の 実 施 ( 第 3 回 ) 7 -2 . モ ニ タ ー ツ ア ー の 実 施 ( 第 2 回 ) 8 . 事 業 成 果 の 評 価 、 と り ま と め 9 . 地 域 住 民 向 け 報 告 会 ・ セ ミ ナ ー 開 催 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 モ ニ タ ー ツ ア ー の 造 成 関 係 者 調 整 モ ニ タ ー ツ ア ー の 募 集 開 始 ( 首 都 圏 の J T B グ ル ー プ 各 社 ) 参 加 者 ア ン ケ ー ト 調 査 ■ 参 加 者 評 価 の と り ま と め 、 モ ニ タ ー ツ ア ー の 課 題 整 理 ■ 関 係 者 対 象 事 業 報 告 開 会 開 催 ■ 今 年 度 の 事 業 結 果 と 次 年 度 以 降 の 計 画 説 明 ■ 地 域 全 体 の さ ら な る ホ ス ピ タ リ テ ィ 意 識 醸 成 に 向 け た オ リ エ ン タ ル ラ ン ド 教 育 関 係 講 師 に よ る セ ミ ナ ー ■ 課 題 整 理 : 富 良 野 市 観 光 戦 略 会 議 ■ 事 業 企 画 : 市 、 観 光 協 会 、 ラ イ ヴ 環 境 計 画 、 JT B 北 海 道 、 目 利 き モ ニ タ ー ツ ア ー の 本 格 的 商 品 化 に 向 け た 検 討 参 加 者 ア ン ケ ー ト 調 査 参 加 者 ア ン ケ ー ト 調 査 ツ ア ー の 改 善 ツ ア ー の ブ ラ シ ュ ア ッ プ 事 前 準 備 モ ニ タ ー ツ ア ー 効 果 検 証 ・ 普 及 活 動 商 品 造 成 ・ 募 集 商 品 の 高 付 加 価 値 化 ・ ブ ラ ン ド 化 本 事 業 の P R ( 地 元 及 び 北 海 道 ) 5 月 商 品 造 成 ・ 募 集 、 広 報 活 動 資 源 の 磨 き 上 げ 、 体 制 づ く り 、 モ デ ル ツ ア ー の 企 画 運 営 観 光 庁 と 連 携 し 実 施 す る 業 務 ( ポ ー タ ル サ イ ト で の 情 報 発 信 、 商 談 会 やPR イ ベ ン ト へ の 協 力 図 2-5 実施スケジュール
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1.雄大な自然と田園を生かしたリゾート環境整備
北海道の中心部に位置する富良野市は、北海道の屋根と言われる大雪山連峰と、名峰芦別岳や 夕張岳などで知られる夕張山地の両方の山並みを、東西に間近に眺められる恵まれた立地にある。 これらを最大限に活用していくことが、近年停滞気味の富良野観光の新たな可能性を切り拓き、 地域を活性化する重要なテーマと考えられる。 一方、山岳資源とあわせて富良野の魅力を形づくっているものは、北海道らしい田園景観であ る。雄大な山並みを背景とした富良野の美しい田園景観は、まさに道外客や外国人が北海道に憧 れるイメージと重なり合い、それが富良野への観光につながっている。 このような山岳景観と田園景観の織りなす環境が富良野観光の基盤となっており、これらの磨 き上げが富良野のブランドイメージを高めることにつながっていくと考えられる。 図 3-1 富良野市及び その周辺の地形 (グーグルマップより) 大雪山連峰 芦別岳(左)と西岳(右)15 (1)マウンテンリゾートをめざした環境整備 ①環境整備の基本的な考え方 富良野から見られる山並みは、これまでは多くの観光客から見ればどちらかといえば下から眺 める存在であり、山上から風景を眺める意識はそれほど強くはなかった。しかし、富良野のロケ ーションを考えれば、これだけではもったいないと思われる。 そこで、山の上に登り、山頂から大雪山と富良野盆地の雄大なパノラマを楽しんでもらう、あ るいはそこから1時間ぐらいトレッキングで尾根を歩いて景色を楽しんでもらう、そうすること ですばらしい感動を得ることができると思われるのである。 山頂へのアプローチは、すでに平成14年のロープウェイ開業後、夏期運行によりある程度実 現したものの、それだけではまだ不十分と思われる。今後は、このロープウェイよりさらに眺め の良い北の峰ゾーンのゴンドラの夏期運行も検討し、その可能性を追求していくことが望まれる。 また、ロープウェイ及びゴンドラ山頂駅から、登山道が整備されているが、現状では利用者が 少ないこともあって、必ずしも快適な登山道とはなっていない。そのため、必要な道幅の確保と 共に、急斜面における階段の設置、標識の充実など、安全面で対応を図ることが必要である。そ の上で、本格的な登山から気軽に体験できるトレッキングまで、観光客の体力や希望に応じた活 動が選択できる環境整備を行うことが必要と考えられる。 さらに、登山やトレッキングを安全に、しかも楽しく体験してもらうために、様々な情報提供 とともに山岳ガイドの育成も重要である。これらの取組を今後計画的に行い、富良野観光の新領 域を築いていくことが望まれる。 図 3-2 富良野プリンスホテルが作成している夏山散策マップ
16 ②本事業における取組 以上の考え方に基づき、本事業では次の取組を行った。 ●モニターツアーにあわせたゴンドラの夏期運行 北の峰ゾーンのゴンドラは昭和57 年に開業し、以後スキー専用ゴンドラとして約30年間運行 してきたが、採算上などの関係から夏期間の営業は一度も行ってはいなかった。ただ、ゴンドラ 山頂駅からの眺めはすばらしいことから、これまで運行を希望する声は多かったといわれる。 このゴンドラ山頂駅とロープウェイの山頂駅とは、尾根伝いの登山道でつながっており、およ そ1時間で往き来できる立地にある。この尾根伝いの道は、360 度の雄大な景観を楽しめる道で もあり、また西岳にもつながる道である。 したがって、ゴンドラの夏期運行が可能となれば、まさに富良野のトレッキングを普及させる 大きなきっかけにもなる。このような視点から、ゴンドラの夏期運行について、富良野プリンス ホテルと協議を重ね、今回、実験的にゴンドラの運行に協力してもらうこととなった。これは、 モニターツアーのメインコンテンツとしてツアーに盛り込むこととなった。 北の峰ゴンドラ ゴンドラ山頂駅からの眺望 ●マウンテンリゾートをめざしたマップ、標識の作成 今回のモニターツアーが一時的なイベントに終わることなく、次年度以降も継続的に実施され るためには、単に山頂からの展望を楽しむだけでなく、そこを起点にしたトレッキングが今後普 及していくことが前提となる。そこで、今後、トレッキング希望者への情報提供を目的に、富良 野スキー場及びその周辺地域のトレッキングのための案内マップ及びそのマップと連動した標識 類を本事業により作成し、設置した。
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19 図 3-5
20 (2)電動自転車の導入による田園観光の充実化 富良野の魅力を五感で感じ取ってもらうためには、富良野の街や農村地帯を歩いてもらうこと が一番である。しかし、富良野は広大であり、1泊2日、あるいは2泊3日程度のツアーであれ ば、時間的に歩くことのできる範囲は非常に限られてくる。 そこで、効果的な乗り物として考えられるのが自転車である。富良野市では、以前からサイク リングは盛んに行われており、レンタサイクルを扱う店も6箇所ある。 ほとんど平地の富良野盆地は通常の自転車で十分といえるが、富良野の観光資源が集積してい る北の峰地区、中御料地区、学田・清水山地区はいずれも坂のある丘陵地にあり、通常の自転車 ではかなりの体力が必要とされる。かといって歩くには相当距離もあることから、今回の事業で は、実験的に電動自転車を導入し、モニターツアーを通じてその可能性を探ることとした。 これまでは市街地のサイクリングは、市街地全体が網羅された「ふらのまっぷ」を見て、自由 にまわるというのが通常で、特にコース設定などはなかった。しかし、今回の事業では、実験的 にモデルコースを設定し、それを盛り込んだ「富良野サイクリングマップ」を作成した。ツアー 参加者の中で電動自転車によるサイクリングを希望する人たちに安全な自転車の乗り方を解説し た資料とこのマップを配布し、電動自転車による市内散策を楽しんでもらうことにした。 上/図 3-7 電動自転車の操作方法の説明 右/図 3-8 電動自転車利用者の障害保険
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22 (3)プレミアム感のある富良野ならではの食体験 観光にとって「食」は、観光全体の満足度に直接影響する重要な要素である。農業のまち富良 野市においては、多様な農産物と農産加工品、そしてそれらを活用した料理が重要な観光資源と なっている。このような「食」に対して、どのような付加価値を与えプレミアム感を出すかが問 われている。 本事業では、富良野の食について、土のにおい、新鮮さ、作り手の顔がみえる、現場での食体 験、珍しい食材、などをキーワードに、モニターツアーを通じて富良野の食の魅力の提供を行っ た。具体的には、富良野山部地区で希少価値のある農産物を育てている生産者を訪ね、生産現場 で糖度 18~19 度の甘いスイートコーン「雪の妖精」や富良野メロン「ティアラ」を現場で試食し た。また、モニターツアー当日に捌いた鮮度満点の生肉ジンギスカンや富良野チーズをふんだん に使ったチーズフォンデュなど、富良野ならではの食体験を提供した。
23 (4)環境都市富良野にふさわしい環境学習体験 環境をテーマにまちづくりに取り組んでいる富良野市においては、「環境」を一つの観光体験資 源としてとらえ、環境教育を観光客と一緒になって実践していくことが考えられる。 富良野自然塾は、このような取組を実践している倉本聰氏が率いる団体であり、専門のガイド が楽しく解説しながら案内するそのプログラムは、身近な環境問題を地球や宇宙全体の中で考え るという非常に壮大で楽しいものになっている。 この富良野自然塾を今回のモニターツアーの一つのクライマックスとして取り込むことで、ツ アーのプレミアム感を高めることとした。 図 3-10 富良野自然塾
24 (5)富良野の大地を感じるイベント 富良野では、2009年(平成 21 年)から「富良野ライド」、2010年(平成 22 年)から 「富良野トレイルラン」という 2 つのアウトドアイベントを開催しており、2013年(平成 25年)においても、下のチラシのように継続して2つのイベントを開催した。いずれも、富 良野の自然景観や農村景観を背景に、富良野の大地を駆け抜けるアウトドアイベントであり、 まさに五感で楽しむプレミアムリゾートの実現に向けた一つの取組でもある。これらのイベン トは、時期的に今回の事業に組み込むことはできなかったが、次年度以降、本事業の取組と連 携し、一体となって展開することで、より一層大きな効果を生むものと思われる。
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2.観光ホスピタリティ向上に向けた取組
すでに述べたとおり、「五感で楽しむプレミアムリゾート富良野」の基本コンセプトの一つは、 富良野を訪れる人たちにいかに大きな「感動」を与えるかである。 そのためには、富良野の「自然風景」や「田園景観」あるいは「食」などの磨き上げ必要であ るが、その感動をさらに増幅させるのが「人間」ではないかと考える。すなわち、富良野に住む 人たちの生き様や考え方、地域への誇り、そして訪れる人たちに対するおもてなし、ホスピタリ ティ精神の存在が、まさに感動を与える大きな源になっているように思われる。 しかし、ホスピタリティ精神は十分あっても、それを観光客に上手に伝えることができなけれ ば、観光客の大きな感動を呼びおこすことはできない。このような視点から、本事業では、演劇 的手法を活用したコミュニケーション能力の向上セミナーを開催し、特に観光ガイドの人たちの 感動を与える能力を身につける訓練を行ってきた。 さらに、その一方で、ホスピタリティ精神は観光の仕事に携わっている人ばかりでなく、富良 野市民全体のおもてなしが重要との観点から、市民を対象とした普及活動として、おもてなし講 演会を開催した。 (1)演劇集団「富良野GROUP」によるインストラクター研修 「五感で楽しむプレミアムリゾート富良野」の実現のため、自然景観や農村景観の磨き上げと ともに「人」の磨き上げ、すなわち人材の育成が重要であるとの認識から、富良野在住の観光ガ イドのスキルアップを目的に、インストラクター研修を行った。 また、そのガイド研修に当たっては、同じく地域の人的資源である演劇集団「富良野GROUP」 の協力を得て、演劇的手法によるガイドのスキルアップを目指すこととした。 ●富良野GROUP とは(富良野 GROUP のホームページより引用) 1984 年春に脚本家・倉本氏が開設したシナリオライターと俳優の養成機関「富良野塾」。毎年 約20 名の若者が全国からオーディションを経て入塾し、北海道富良野市街から 20 キロ離れた谷 あいに、2 年間の共同生活をしながら学んでいました。 塾長でもある倉本聰がボランティアで講義を行い、入塾料・受講料は一切無料。塾生の生活費 は夏期近隣の農家に出て働き、その個々の収入を共同管理、生活の全てに関わることを塾生が自 主的に管理し生活していました。住居や稽古場も全て、初期の塾生が自力で建てたものです。 2010 年春、富良野塾は閉塾いたしましたが、今後は富良野塾OBを中心に、そして外部からも 志の高いメンバーを募り「富良野 GROUP」という創作のプロ集団として、富良野での年2回の ロングラン公演や全国ツアーをはじめとした活動を行う予定です。その他、様々な機会を通じて、 富良野GROUP ならではの公演や創作活動を展開していく所存です。 ●インストラクター研修の概要 本事業におけるガイド研修に当たっては、研修生を一般から募集した。募集は20名であった が、集まったのは10名と少なかったが、全体で5回にわたる研修は講師の熱い思いが反映され て、熱気のこもった研修会だった。 なお、参加したのは、観光協会職員、アウトドアガイド、農業体験コーディネーター、「風のガ ーデン」ガーデナーなどであった。26
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インストラクター研修1日目
インストラクター研修2日目
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31 図 3-14 インストラクター研修 テキスト(富良野 GROUP)
1日目 「インストラクター・ガイドに必要なものとは」 ポイント
*オリエンテーション (今回の研修のテーマ) ガイド、インストラクターは人とモノ、人と空間、人と場所、そして人と人を繋ぐ役割。 いわゆるインターフェース。結び付ける人たち。その結び付ける役割にもうーつクリエーターと いう役割も担って欲しいということが今回の大きなテーマ。 クリエーターの仕事=お客に感動を与え、持ち帰ってもらう事 *コミユニケーシヨンゲーム(人との関係性を構築するには何が必要か) ~アイスブレイクとは~ 固まった空気を壊して行く活動 活動 ポイント ・①②③ 自分の身体を開いていって目の前にいる人を感じることの大切さ ・MAP OF ME 相手を知る。自分の話をしやすい状況をつくる。 関係を深めて行く為の活動 ①みんなで動く ②知る ③触れる(気持ちに触れる) ・~そうな人 人との違いを知る。人は見た目では分からない。だが人は第一印象で分 類わけしてしまう恐ろしさ ・タッチ(鬼ごっこ) 箱(安全な場所)に居続けると新しい価値、世界は手に入らない。 リスクを冒してでも繋がってみる勇気、自発性 ・拍手まわし アイコンタクトは相手との架け橋 伝えるは「私目線」もしくは「私が主語」 伝わったは「相手目線」もしくは「相手が主語」 ・ジエスチヤー 相手の伝えたいことを想像力で補完する。 伝える為の工夫 うまくいくには双方向性 ひとつの伝え方にこだわりすぎない。別なやり方を探す発想力 *自己紹介 DVD 検証 自分の癖はどうだったか? 話すスピードは? 明瞭さは? 目線は? 相手に言葉を届けていた? ・身体と声が与える影 響 メラビアンの法則 見た目が芝居の世界 1 に声、2 に容姿、3 に演技 55% 声話し方 38% 中身 7% ・「話す」身体~姿勢~ 話し手が身体を開く(心)と聞き手も開く(心) しっかりと立つ=そとにちゃんと存在する 状況(場所、人数)に応じた話し方(声の大きさ、方向性)に 身体がなっているか ・ほぐし 首は緊張をこらえるダム 胸、背中を開く 首、手首、足首を緩める 表情を柔らかくする為に顔のマッサージ。唇、舌を震わせる。 ・丹田を意識する 緊張をすると重心が上にいってしまう。 重心を下に持っていく為に丹田を意識する。 ・発音 「社会」に向けた言葉にする為には明瞭な発音が必要。 母音は日本語の士台。 人は音だけを聞いて言葉を理解しているのではなく口の形も見ている。32
2日目 「人の記憶に残る話とは」 ポイント
*ジバリッシュ 口から出す言葉には「情報を伝える」という機能と「感情やイメージを伝える」という機能が ある。ジバリッシュ語レッスンは「情報を伝える」という機能を意識的にそぎ落とす。そうする と普段、自分が喋っている言葉が「どれだけ感情やイメージを伝えているか」が見えてくる。い つも言葉を情報の面からだけで考え、そして使う結果、自分の言葉に含まれる感情やイメージが どれほどやせ細り、貧弱になっているかを自覚できるレッスン。 「命令」「伝達」「指示」情報を伝えるだけで満足していると声が持つ感情やイメージがやせ 細り、言葉が持つ想像力が貧弱になる。 *言葉の要素 声、言葉の5 つの要素「大きさ」「強弱」「高さ」「速さ」「間」 大きさ 自分は何種類の声の大きさを使い分けているか。内容によって適切に 使い分けているかという事を考えてみる。相手の心に届く大きさ 強弱 言葉に強弱をつけて自分の言いたいことを強調する。平坦になると聞 き手は飽きる 高低 普通の人は3 種類しかない。「建前の高さ」「日常の高さ」「本音の高さ」 建前は家の固定電話でお母さんが答える高い声。日常は少し低くなる。 「あら、お父さん、何、残業?」本音は一番低い。「嘘。知ってるわよ。 あの女のところでしょ」 あなたは普段何種類の声の高さを内容によって使い分けていますか。 それは効果的ですか 速さ だいたい 1 種類しかありません。早口な人は何を話しても早く、ゆっ くり話す人はどんな話題も遅いです。「ここから速度を変えて、聞いて いる人の注意を引こう」と思っている人は本当に少ない。 間 早口な人はオートマチックに間はみじかくなり、ゆっくりな人は間が 長くなりがち。言葉は早いけど間は長くという表現をつかってみては どうか 間の種類 注目を集める間 期待をさせる間 考えてもらう間 緊張を高める間 ・声の要素がバラエティーに富むと表情も感情も豊かになる。 ・ジバリッシュではこの要素を使って伝えなければダメ33 *人の記臆に残る話とは (座学) ◇*左右の脳の働き ◇「左脳で聞いただけの情報は忘れる」 左脳をパソコンに例えるなら、中枢部である CPU とメモリのようなものです。次から次へと入 ってくる情報を元に演算処理を行えますが、それほど多くの情報はストックできません。 コミユニケーシヨンを取る時、耳から入った情報は左脳によって論理的に分析され、記憶してい きます。 しかし、パソコンの CPU と同じく、記億するエリアが少ないので、容量がいっぱいになると、 どんどん新しい情報が上書きされていくんですね。 ◇「右脳で見えた情報は憶える」 逆に「右脳で見えた情報は覚える」と言えます。右脳を同じようにパソコンに例えるなら、HDD やBlue-ray、今風に言えばクラウドにあたります。 右脳の記憶容量は左脳と比べて大きく、多量の映像や音などをストックできるばかりか、処理速 度も左脳とは比べ物にならないほど速いんだそうです。 ◇左脳による感動=「納得」 また、僕たちは「世間に向けた言葉」「社会に向けた言葉」を求められます。 やはり肝心要な情報を理解してもらうためには左脳へアプローチが必要不可欠です。左脳は論理 的な思考を司りますから、この左脳へのアプローチでは、明確に整理された言葉・文字・数字に すべきです。 左脳による感動とは、「あ、判った!」とか「なるほど!」といった「納得」です。 ◇右脳による感動=「楽しい!面白い!」 右脳は視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚の五感を通して刺激されます。 そして、「感覚・感性的なもの」につながりますから、楽しく変化に富んだものにしてあげるべ きです。 右脳による感動は「楽しい!面白い!」という「歓楽・好奇心』です。 ◇右脳に訴えかける話にするには ・物語性のある話にする ・例えを使って話す ・絵(イメージ)が浮かぶ話にする ・キーワード・キャヅチフレーズを入れる ・5感を刺激するよう話す ・「言葉の要素」を駆使する ・動きを入れる
34 ◇「ワンワード主義」 記憶に残る幕の内弁当ってありますか? 駅弁と言われて真っ先に想像するのは、牛タン弁当と か「ますずし」です。 幕の内弁当には色んな具材が入っていますが、要素を詰め込みすぎて、かえって印象に残りにく い。逆に牛タンなど、何かに特化すれば訴求力が高まって、興味をもってもらうようになる。 何か1 つのキーワードに絞って、簡潔に話されたほうが、印象に残りやすい。 ◇記憶を感動・行動に昇華させるアプローチ ①「左脳で聞いただけの情報は忘れる」 ②「右脳で見えた情報は憶える」 ③「体験したことは理解できる」 ④「心で感動したことは始められる」
3日目 受信と発信 ポイント
受信7 割・発信 3 割 乾いたスポンジを絞っても何も出てこない *話しかけッスン 相手に話しかける時の注意。ベクトル(方向性と幅) 言葉は「行動」の一部。相手に「音」としてだけで届けるのではなく、「意味」と「意思」を伝 える *ハンドリング 聞き手は言葉よりも見た目、動きの方に注目がいきやすい。身体を適度に使ったり、手の動きで 話の内容を補足してやるとイメージ(絵)が相手に伝わりやすくなる。 *会話の主導権 ・聞くの5 段階 会話というのは耳だけで聞いているのではなく、目からも情報をキャッチしています。 そうすると聞き手の態度というものが大切になってきます。 一見会話の主導権は話手にあるように見えるが実は聞き手の方にある。 ①目線も合わさず、何かをしながら聞く ②目線は合わすが、無反応 ③うなずきを入れて聞く ④うなずきに、相槌も入れる ⑤オウム返しも入れる ③④⑤のような反応がなければ話し手は話しづらくなるし、逆にうまく反応してやれば話し手は 気持ちよく話すことが出来る。 うなづき ・頷きは聞いているという合図、動作で聞いている事を示す行為 話し手に安心感を与える。伝え合う。 相槌 (なるほど、へえそうなんだ、それで) ・相槌は、会話にリズムを与え会話を促進させ作用がある。 自分の話す内容を考えていたりして、相手の話を聞いてないと出てきません。 相手の話に否定的だったりすると出てこない。 相槌の豊富な人程聞き上手 さんま、タモリ、鶴瓶35 オウム返し ・相槌のもう少し先に行った発展形。 オウム返しで復唱されると話し手は話を整理できる。 ・「質問」 閉じた質問と開いた質問 閉じた質問は答えが「はい」「いいえ」の形や限定された質問。「どこから来たんですか」「コー ヒーと紅茶どちらがいいですか」「スポーツは好きですか」など 開いた質問は「どんなスポーツが好きなんですか。どんなところがそのスポーツの好きな所なん ですか。」「今の日本についてどう思われますか」 など限定では無限に広がる可能性がある質問。 ・初めて会う人や距雛のある人にはまず閉じた質問から入り、少しずつ開いた質問にする。 ・質問のポイントとしては、話している人の感情が大きく動いたと思われる瞬間に関する具体的 な質問をする。その瞬間を詳しく話してもらえれば聞き手の感情も動きやすくなり共感が持てる。 いやあ、この前、面白いモノ見たんだよ。道でさ、パフォーマンスっていうの?火、吹いててさ。 すごかったよ」というような大雑把な話しには、具体的に質問することで、情景がいきいきと 現れ、本人が感じた面白さが伝わる。「道ってどこですか」「何人でパフォーマンスしてたんで すか?」「どうやって火を吹いていたんですか」「熱かったんですか」「どれくらい火を吹いたんで すか」 *他者を取材し、その人物になりきってスピーチする <このアクティビティで重要になってくるのは取材する側がどういった質問をし聞き出したか。 聞いている側は紹介されている人のこともわかるが、それを発表している側(表現者)のことも 分かってくる。何を質問し何を質問しないかによって、はからずも人は自分のことを表現してい る> 何に興味、関心を持つか。 ポイント ・タイムマネージメント 時間制限のある中、いかにして相手の魅力、その人らしさを見つけ出 せたか。 ・伝えたいものは何だったのか。 ・テーマ(ポイント)は絞れて話せたか。 ・相手の話が自分の話になるよう(共感性)感情移入出来たか。 ・聞き手の心に届くよう話せたか ・情報伝達ではなく感情伝達になっていたか(物語性。5 感を通した話。キーワード。例え。)
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4 日目 「インストラクターもクリエーター」 ポイント
スポンタナティ ・スポンタナティとは「自然発生」とも訳すことができる概念である。 何か意識的に生み出すのではなく、何かが意識することなく自然に生まれてくることである。 右脳の部分 ・人をスポンタネイティアスになるように訓練することはできない。 できることは「問題を取り除くことだけ」であるという。 3 つの検閲官 ①バカだと思われるのではないか ②下品だと思われるのではないか ③独創的ではない、平凡だと思われるのではないか 賢くならないで、遊ぶこと YES & ・相手のアイディアに乗っかってプラスしていき、飛躍させて行く ・昔はモノを生み出す創造者は一人、もしくは個人作業でしたが、今はチームプレー、協働作業。 話し合いや会議などで「でも、だけど、しかし」という言葉が多く使ってないか。NO BAT 否 定すれば自分を守れるし安全なところにい続けれるが、新しい価値や世界は手に入らない ・全体がスポンタナティの状態にするにはまず批評せずに受け入れることが大切 「新しい富良の旅」 CM つくり ・一度、頭の中にあるものを表に出す作業(マインドマップ) ・グループ全員でアイディアを視覚化し、共有する ・出てきたアイディアを科学反応させ、常識から奇抜なアイディアを生み出す ・伝え方を考える(物語性、5 感に訴えかける、身体を使って具現化する) ・お客を楽しませる(自分も楽しむ) 創造性に必要なモノは常識や既成概念を壊し、いろんな角度から見ることが大切。 時には物事を顕微鏡で見、またある時には双眼鏡で見るように37
5 日目 「インストラクターになる」 ポイント
課題 ~富良野市街が一望できる高台で「富良野」についてガイドする~ *今までにやったことがないガイド法を操る *情報伝達ではなく感情伝達になっていたか ・物語性のある話にする ・例えを使って話す ・絵(イメージ)が浮かぶ話にする ・キーワード・キャッチフレーズを入れ印象的に話す ・5 感を刺激するよう話す *聞き手の心に届くよう語せたか ・言葉の5 要素を駆使する ・身体を使った動きを入れる *場をいかしたガイドをする為の工夫が出来たか *ガイドにも起承転結を考える ・どこが掴みか? ・どこが山場か? *今後の課題 ・基礎編(人前で話す為のスキル)と応用編(話す内容)を分けて学ぶ ・新しい目線で富良野を再発見する ・発信する以前に受信する力をつける38 (2)おもてなし講演会 すでに述べたとおり、「五感で楽しむプレミアムリゾート富良野」のコンセプトは感動であり、 その実現には、地域の人たちのホスピタリティ精神が非常に重要となる。 富良野市民が観光事業に理解を示し、そして富良野を訪れる観光客を歓迎し、富良野の魅力を 伝えていく、このことが自然となされたとき、富良野の観光がさらに奥深くなると思われる。そ のためにも、人に感動を与えるおもてなしとは何か、本物のサービスとは何かについて、長年東 京ディズニーランド等に関わり多くの著書も出されている(株)ヴィジョナリー・ジャパンの鎌 田洋氏を招き、講演会を行った。 講演会は平成25年11月5日(火)、富良野演劇工場で開催された。参加者は200人にもの ぼり会場は熱気にあふれた。鎌田氏の講演は2時間にも及んだが、そのユーモラスな話しぶりに 参加者は時間も忘れ聞き入っていた。 鎌田氏のお話は、ディズニーランドとの出会いから始まり、仕事での数々の体験、その後全国 各地で出合った心暖まる事例などを紹介しながら、基本的なサービスの精神について語っていた だいた。 図 3-15 鎌田洋先生講演会ポスター・ちらし、講演会次第
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また、講演会当日、参加者に以下のアンケートを行い、講演会の感想・意見等を聞いた。
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【講演会アンケート結果】 (152 通回収)
参加者に行ったアンケート調査によると、当日の講演会には年代的に幅広い層からの参加があ り、全体のほぼ4分の3が富良野市民であったことがわかった。そして、ほとんどの参加者が講 演会にとても満足したと回答している。 図 3-18 【Q1.講演会をどこで知ったか】 図 3-19 【Q2.講演会の感想】42 1% 55% 7% 13% 10% 2% 1% 3% 5% 3% 職業 0.無回答 1.勤め人 2.農業 3.自営業 4.パート・アルバイト 5.中・高生 6.大学・短大・専門学校生 7.専業主婦・主夫・家事手伝い 8.無職 9.その他 4% 10% 22% 21% 20% 7% 2%1% 13% 年代 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 0.無回答 1% 38% 61% 性別 0.無回答 1.男性 2.女性 11% 30% 59% 未既婚 0.無回答 1.未婚 2.既婚 4% 71% 19% 6% お住い 0.無回答 1.富良野市 2.上川管内 3.その他 図 3-20 【Q4.回答者の属性】
43 表 3-1 【Q3.回答者の自由意見(講演会の感想など)】 1 観光業にかかわる人達だけではなく、市民全員がキャストでありもてなす事が大切だと改めて思いました。とても良 い講演でした。 2 観光地として恵まれているが、地元の人は田舎という感覚な気がする。 3 見事でした。ありがとうございました。 4 まずは自分自身が自分の街、仕事などを大好きになり誇りに思えることが大事だと感じました。住民みんなが同じ 想いを持つ事は難しいかも知れないけれどディズニーランドはこれを実践しているからまた行きたいと思える特別 な空間なんだと感じました。 目の前の相手をどれだけ大切に思えるか、私も挑戦していきたいです。 5 市民、住民の意識向上 6 鎌田洋先生ありがとうございました。あなたとわたし両方笑顔、がんばれるとても幸せ、うれしさ倍に! 7 先生のお話の通り、みんなでふらののおもてなしをしたいです。その呼びかけを是非してください! 今までどうすれば良いのかわからなかったです。楽しい時間をありがとうございました。大満足です。 みんなで良いふらのにしましょう! 8 市民全員、街をあげて取り組む。行政が声をかけて!まとめる。 9 雑談も必要である。(評価とても満足) 10 もっとお話しをききたかったです。また富良野へいらして下さい。 11 講演の中でも話されていましたが、思いやりだと思います。人が人に対するおもいやりから始まると思います。 12 ステキな言葉をありがとうございました。 13 色々な人がふらのを愛し、連携を持っておもてなしに向き合えると良いですね。 14 富良野のおいしい野菜の味を最大限生かしたメニューでそれぞれのお店のアイデアあふれるメニューなど、オムカレーに次ぐ メニューを! 15 「ありがとう」本当に良いお言葉です。私もがんばっていきます。「希望にかえて」ですね。 16 富良野に来て下さって”ありがとう” 17 まずは自分の職場、身の回りを見直そうと思います。富良野に来た人をもっと喜ばせられたらと思いました。 18 「ありがとう」は自分も相手も幸せにするということが合点しました。 19 企業単独でのおもてなしでは富良野をリピートさせるのは難しい。官と民が一体となり町をあげて観光客をおもて なしすることが必要である。それにより外貨をかせぐ事で町がうるおう。そして新しい取り組みをしていく事で観光客 を増やす事をしていかないと! 20 100-1=99ではない。 21 やはり、富良野を好きになる事、もっともっと・・ 22 清潔感 23 良い講演会でした。 24 「ありがとう」最高! ふらのの良さを自分からみつけて「出合えて良かった」思い出をつくっていく。 25 素晴らしいお話でこれからも有難うの気持ちで日々過ごしたいと思います。 26 次回、今回とばした内容も聴講したいと思います。よろしくお願いします。 27 仕事で富良野に来ていますが、JR等の本数が多くなると来やすくなると思います。 28 今回聞けなかった分は、是非また次回に聞きたいと思いました。 29 短かった。もっと聞きたかった。 30 「ディズニーの世界が人間本来の世界、外が異常な世界」というお話が心に残りました。「都会でもなく、いなかでも ない富良野」を人にやさしくする思いで他にはない富良野を作れたらと思いました。 31 毎年来て下さい。 32 笑顔のある”ありがとう”が大切だと思います! 33 市民全員でおもてなしをする体制。ありがとうの大切さ。アイデアを出し合い実現する。新しいふらのの魅力をみつ ける。 34 一連となってのおもてなし、100-1=99じゃない!