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小学校体育における社会性の育成に関する考察

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Academic year: 2022

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(1)人間科学研究 Vol. 19, Supplement (2006) 修士論文要旨. 小学校体育における社会性の育成に関する考察 Consideration about Social Learning in Elementary School Physical Education. 異条里. 耕太(KohtaMaesato). 指導:寒川. 恒夫教授. 本研究は、体育の授業で取りあげられる目標の中で特に. 浅井浅‑である。浅井は、集団構造を7つのカテゴリー. 「社会性の育成」に焦点をあてる。体育の目標は、 「体力の. を設定し集団の構造の分析を行った。そして社会性を育成. 向上」や「運動技能の向上」と並んで「社会性の育成」が 示されている。. していくうえで(丑学習目標を具体化すること、 ②教師と子. 近年の子どもの現状は、学校内外において少年犯罪や「い. どもが協力する学習方法を用いること、 ③集団場面を活用 することの3点をあげた。. じめ」 「不登校」 「学級崩壊」 「暴力行為」の数が依然として. 「楽しい体育」の時代では、スポーツそのものを楽しむこ. 高い割合を保っている。いずれの問題にせよ、他者とコミュ. とが目的とされ「生涯スポーツ」につながるための体育授. ニケーションが取れないことが、主たる原因として考えら. 業が展開された。. れる。したがって子どもたちの社会性を育成していくこと. 出原泰明の異質協同学習に注目する。出原は、同質集団. の必要性を感じた。そこで学校教育の中で社会性の育成に. よりも異質の集団による学習が優れていると主張した。. 最も適していると考えられている体育授業を通して、社会. 2章 体育授業における社会性の育成への取り組みと問題点. 性の育成をすることに着目した。. 「社会性の育性の目標」は、 「運動技能の目標」 「認識学習. 序章. に関する目標」そして「情意目標」との関係を保ちながら. 社会性の育成に関する目標は、戦後一貫して学習指導要 領に取りあげられてきた。時代によって強弱はあるが、教. 役割を果たしていく必要がある。 これまで「社会性の育成」は、重要な目標とされていなが. 科として重要な柱として考えられてきたことを示している。. ら、スローガン化、形骸化してしまっている。また、スポーツ. しかし、社会性を身につけるために、 「何を(教材)どの. を行うことによって社会性が身につくと考えられている。. よう(学習方法)に行えば、社会性が形成されるか」とい う明確な方法論は明示されていないのが現状である。. このような状況をうげ、近年、子ども同士の関わりあいを重視 し、社会性の育成を目標にした実践研究がなされてきた。. そこで本研究では、体育授業を通していかに社会性の育. 3章 今後の社会性を育む体育授業の構想. 成がなされているを過去の実践から考察する。また、評価 すべき点や改善点を見分け、今後の体育現場での実践に役. 体育では、スポーツによって多くの経験を得ることができる。こ れを生かし体育授業をつくりあげていく必要がある。. 立たせるために行う。. 社会性を育むための体育授業として「体育授業の方法」. 1章 社会性の育成の変遷と歴史的背景. 「技能との関係」 「教師の手立て」の3点に絞り構想を進める。. 戦後学校体育は、学習指導要領の目標の重点の置き方の 違いから、 「新体育」 「技能主義・体力主義」 「楽しい体育」. まず「体育授業の方法」は、学習形態や教材を工夫し、 関わりあいのを学習内容に組み込むことが考えられる。. と区分することができる。. 「技能との関係」は、技術のポイントを明確に示すことで. まず「新体育」の時代は、戦前の軍国主義教育からの脱. 子ども同士の関わりを促すことができる。. 却を図るために民主的人間の育成をすることが教育界の目. 「教師の役割」として①明確な授業の目標やめあてを子ども. 標となった。それに伴い学習方法は、戦前の教師による一. に対して提示すること、 ②子ども同士が関わりあうことを字画内. 斉学習から子ども中心の問題解決学習に変更された。. 容として授業に取り入れること、 ③教師が子どもたちに対. ここでは、竹之下休蔵と丹下保夫に注目した。ともにグ ループ学習を用いながら対照的な研究を行った。竹之下は、. して肯定的な関わりを行うこと、の3点があげられる。 結章. 教師の立てた計画を子どもたちに「うつす」ことで授業を. 今回の研究で結論づけたことを実践に移すことが今後の. 行った。一方丹下は、子ども自身の話し合いによって計画. 展望である。また、体育はこれまで見えやすい面(体力や. を立てさせることを重視した。. 技能)のみで評価を行ってきたが、今後は見えにくい面. 「技能主義・体力主義」の時代は、技能の系統性や体力向 上を目的とした体育が行われた。. (社会性などの態度面)も積極的に評価していくことが課題 である。. ‑85‑.

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