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氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与番号
学位授与の日付 学位授与の要件
学位論文題目 論文審査委員
大槻干枝子(昭和
医学博士
甲第88号昭和48年5月18日
学位規則第5条第1項該当(医学研究科内科学小児科学専攻,博士課程修了者)
小児におけるCa, P,Mg代謝に関する研究一とくに抗てんかん剤療法との関連
において一(主査)教授 福山 幸夫
(副査)教授 千谷 七郎,教授 喜多村孝一
論 文 内 容 の 要 旨
(研究目的)
てんかんおよびその他の蓬李性疾患に於ては,薬物療 法が主であり,その薬物療法は長期服薬を原則とし,投 与される薬剤の種類も極めて多い.したがってその副作 用については慎重な研究が行われてきた.しかし,抗 てんかん剤長期連滑の副作用としての骨軟化症について は,1968年Kruseがその可能性を指摘するまで全く注 目されていなかった,著者は抗てんかん剤服薬中進行性 にクル下様変化を来たした6例の患児を経験し,その臨 床化学的所見を詳細に報告するとともに,抗てんかん剤
の長期服薬者について,血清Ca, P, Mg, alkal量ne-pho-
sphatase(以下ALPaSeと略)値を測定し,抗てんか ん剤とクル病との関係を解明七ようとした.
(研究方法)
対象は昭和45年12月より昭和46年10月までに東京女子 医大小児科を訪れたてんかん患者の中,比較的大量の抗 てんかん剤を服薬中の患者164名(年令3ヵ月~27才,
服薬期間1ヵ月~10年),同服薬開始前の患児41名(年令 2ヵ月~16才),某重症心身障害児施設収容者(年令4~
25才)の抗てんかん剤服薬者)比較的少量服薬)55名,
同非服薬者52名,および対照値として健康者192名(年 令1ヵ月~59才)である.
いずれも飢餓時採血を原則とし,肘静脈より採血,
遠心分離後血清又は血漿を一20℃のdeep freezerで保
存,測定は可及的速かに行なった.血清CaはEDTA
逆滴定法,血清無機PはFiske-Subbarow法,血清Mg はSchachter法変法による蛍光法で測定した.なお,一部の例ではAI・Pase(Kind-King法)も測定した.
(研究結果)
1)当科外来および入院患児について
(i)抗てんかん剤服薬児の血清Ca値は,健康児
対照値に比し全年令を通じて有意に低かった.とくにdiphenylhアdan亡oin, phenobarbi亡al, Mγsolin, Phene加ride
服薬児は明らかな低値を示したが,服薬期間,神経症状 の合併(脳性マヒ,精薄,脳性マヒと精薄の重複)の有 無,AI-Pase上昇,および肝機能異常の有無と血清Ca 値低下との間には,特に有意の相関は見出せなかった.
しかし,服薬剤の数および量との関係において,服薬開
始前に比べ2~3剤服薬児は1剤服薬児より血清Ca値
の低下が高度であった.またdiphenylhydantoinにおい ては大量服薬者は中等量服薬者に比し,血清Ca値はや や低かった.(ii)患児の血清無機P値と健康児対照値との問には 有意差を認めなかった.
(iii)患児の血清Mg値は3~4才で健康児対照値
より有意に高く,15才以上では有意に低かった.血清 Ca値の低下の反映と,年長児の栄養失調による血清Mg 値の低下とが関与していると思われる.(iv)患児の血清A1-Pase値は健康児対照値に比し有 意に高かった.
Ca値低下の有無とA1-Pase値上昇との間には有意の 関係は見出せなかった.
皿)某重症心身障害児施設収容老について
(i)血清Ca値において抗てんかん剤服薬者と非服
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薬との間には有意差はみられなかった.しかし,両者と もに同年令の健康児対照値に比し有意に低かった.抗て んかん剤の種類,服薬期間,服薬剤数および量との間に は十分な相関は見出せなかった.
(11)血清無機P,Mg, ALPase値において抗てんか ん剤服薬者,非服薬者間に有意差は認められず,服薬者 と健康児対照値間にも有意差は見出せなかった.
(iii)血清P又はCa値の低下を示した患者の15例に
手関節のレントゲン撮影をしたが,骨軟化症の所見は1 例も見出されなかった.
(結論)
抗てんかん剤服薬児の血清Ca値の低下および骨軟化 症(クル病)の発生は,その大量,(長期)投与により ビタミンD代謝が促進され相対的なビタミンDの欠乏を 来す機序の他に,一般栄養的,養護的要因も関与してい
ると思われる.
論 文 審 査 の 要 旨
本論文は,ごく最近提起された抗てんかん剤長;期投与時の骨軟化症発生の問題と関連して,多数の小児 例において,血清Ca, Mg, P, alkali phosphatase測定,レントゲン検査を行ない,漫性疾患であるてん かんの長期治療面のあり方に新しい知見を加えた価値ある学術論文と認める.
主論罪公表誌
小児におけるCa, P, Mg代謝に関する研究一とくに 抗てんかん剤療法との関連において一
第1編:健康小児血清Ca, P, Mg値の年令的変動
日雑誌77巻 9号 636~650頁
第紅編:抗てんかん剤療法下におけ’る血中Ca, P, Mg 値の変動.
日雑誌77巻 9号 651~665頁
第皿編1抗てんかん剤長期服薬中に生じたクル病の6 例
日黙黙 77巻 10号 692~699頁(1973)
副論文公表誌
1)脊髄蔓状血管腫の1小児例.
東女医大誌 43(3) 223~227(1973)
2)Sphingomyelin Lipidosis Type A(古典的Niemann-
Pick病)の1例.
眉産1と発達i 5(1) 48~58(工973)
3)抗てんかん剤長期服用中に生じたクル病の2例.
脳と発達 4(5) 423~431(1972)
4)いわゆるMale Tumer症候群の1例.
東女医大誌 42(7) 517~523(1972)
5) 各種自律神経剤の心室性副収縮に及ぼす影響にっ いて.
クリ肩甲ル。レポーート 12(1) 19~25(1971)
6)Chondroitin 4-and 6-Sulfaturia in Morquio-Ullri-
ch’s Syndrome(モルキオ・ウールリッヒ症候群に おけるコンド戸イチン4一,6一硫酸尿症 B量ochemica!medicine 5 37~47(1971)
7)完全寛解期中に睾:丸浸潤を認めた急性白血病の1 症例.
日児誌 74(9) 785~790(1970)
8) 7才少女にみられた胃平滑筋腫の1例 日三二 74(7) 682~686(1970)