砂防構造物が河川生態系に与える影響
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(2) 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅶ-86. 調査結果 ・河床材料:石礫指標を把握した結果、B区間からD区間の 3 基の砂防堰堤直上で大礫占有率の値が小さく なっており、各区間とも上流へ行くに従って大礫占有率の値が大きくなっていた(図−2)。また、E区間よ. 大礫占有率(%) 砂防構造物落差(m). り上流で大きな値を示していた。50cm×50cm 枠内においても、砂防堰堤直上で礫占有面積が小さかった。 12 大礫占有率(%). 10. 落. 8. 差(m). 6 4 2 0 0. 500. 下流. 1000. 1500. 2000. A. 2500. B. 3000. 3500. 4000. 4500. 5000. C 豊平川合流点からの距離. D. 5500. 6000. 6500. 7000. 上流. J. EFGHI. 区間名. 図−2 ・底生動物:定量採集を. 簾舞川石礫指標. 25 地点で行った結果、底生動物平均湿重量は早瀬で 57.6g、淵 10.6g、岸 10.3g. であった。種類数・個体数においても早瀬が淵、岸よりも多かった。砂防堰堤直上では早瀬 0.11g、淵 0.49 g、岸 0.37gであり、種類数・個体数も他の地点より少なかった。 ・魚類:ハナカジカの移動調査は. 1998 年に 291 個体、1999 年に 176 個体をマーキングした。1998 年に 1 個. 体、1999 年に 34 個体が再捕獲された。その内に 11 個体で区間間の移動がみられ、24 個体で区間間の移動が みられなかった。移動個はD区間から J 区間の間にみられ、最長はJ区間からE区間まで(5基の床固を降 下)であった。D 区間より上流側から C 区間下流側への移動は見られなかった。そのため、落差 10mの東御 料砂防堰堤から(D区間からC区間へ)ハナカジカを流水とともに落下させたところ 49 匹の内1匹が即死し、 1匹は1週間生存確認中に死亡した。生存率 95.9%であった。 砂防構造物落差. 放流区間. A区間. 12. B区間. C区間. D区間. E区間. F区間. G区間. 捕獲区間. I区間. 下流. 10 8. 4. 6. 2. 1. 2. 3. 1 2 1. 1. J区間 上流. 1. 4 (m). H区間. 15. 1 1. 2 0 A区間. B区間. C区間. D区間. E区間. F区間. G区間. H区間. I区間. J区間. ※矢印はハナカジカの移動区間を表し、数字は移動した個体数を示す。 図−3 ハナカジカ移動状況 考察 砂防堰堤が設置されたことによって、砂防堰堤直上の河床材料の細粒化、緩勾配の形成、早瀬の消失など 環境が単純化し、早瀬に多く生息する底生動物の種類数・個体数・湿重量が減少したと考えられる。また、 移動性の低いハナカジカは大礫の消失により、生息に影響が及んでいると推測される。 謝辞 調査及びとりまとめにおいて㈱野生生物総合研究所、張裕平博士に御協力頂き、深謝の意を表します。 参考文献 1)東 三郎:石礫指標に関する砂防学的研究,北海道大学農学部演習林研究報告,p.197‑203,1982.
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